今回は、診療中に受けたご質問

Q-実際と

 

それに対してご説明させていただいた回答

A-実際

を掲載することにしました。

 

 

Q-実際   

Aさん。30歳代後半、女性。私は子供の頃からのアトピー体質で、たびたび蕁麻疹の発作も出るのでずっと皮膚科にお世話になっていました。最近、花粉症もひどくなってきたので耳鼻科にも通い始めました。

 

その上、「マル高」なのにどうしても子供が欲しくて遠方の不妊症外来に車を運転して通院しています。それまで使用している私の抗アレルギー剤は妊婦や授乳婦に禁忌であることを、産科の先生から指摘されたので、皮膚科と耳鼻科の相談したところ、アレルギー専門医の先生で処方してもらうようにいわれました。

 

現在は、お陰様でアトピーも落ち着き、蕁麻疹も出なくなり、花粉症も良くなってきたのですが、お薬をやめないと妊娠してはいけないでしょうか。

 

 

 A-実際 

妊娠を諦める必要はありません。皮膚科の先生が処方されていたフェキシフェナジン(アレグラ®)は、自動車運転の注意記載のない安全性の高い抗アレルギー薬です。授乳婦への使用が推奨されています。

 

また、耳鼻科の先生が処方されていたセチリジン(ジルテック®)は、妊婦と授乳婦の両方に推奨されています。皮膚科の先生も耳鼻科の先生もAさんのために、比較的安全な薬を選んでくださっていたのではないでしょうか。

 

妊婦と授乳婦の両方に推奨されている抗アレルギー薬は、セチリジン(ジルテック®)の他には、レボセチリジン(ザイザル®)、ロラタジン(クラリチン®)に限られます。この3者の中で、自動車運転の注意記載のないのは、ロラタジン(クラリチン®)のみです。

 

それから、Aさんは初診時の尿検査で高度な蛋白尿が認められ、また、病歴にネフローゼ症候群の既往がありました。Aさんの腎障害の程度は、高度ではありませんが、セチリジン(ジルテック®)、レボセチリジン(ザイザル®)は、高度の腎障害には禁忌とされていますので、避けておいた方が良いでしょう。

 

 このように情報を整理していくと、Aさんに最も適した抗アレルギー薬はロラタジン(クラリチン®)ということになるでしょう。この薬であれば、安心して自動車を運転して通院できますし、腎障害を悪化させることなく、妊娠の準備ができます。出産の後、授乳することも心配せずにすむということになります。

ここで掲載する内容は、公益財団法人 骨粗鬆症財団のホームページから引用したものです。骨粗鬆症についてわかりやすい解説をしています。

 

骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。最初は、自覚症状はありませんが、ひどくなると骨折を起こし、寝たきりの原因となる場合もあります。多くは腰や背中に痛みが生じて医師の診察を受けてからみつかります。しかし、骨粗鬆症になってから治すのはたいへんです。骨粗鬆症にならないように、日ごろから予防を心がけることが大切です。骨粗鬆症を予防することが、ほとんどの生活習慣病を予防することにつながります。そのために、高円寺南診療所では女性では、45歳以上、男性でも50歳以上の皆様に骨量計測を推奨し、骨年齢を算出し、骨粗鬆症の早期発見、早期対応に力を注いでいます。それでは、骨粗鬆症についてもっと詳しく勉強していきましょう。

 

私は、昭和学院短期大学のヘルスケア栄養学科で、臨床栄養学を担当していたことがありますが、「臨床栄養学」の教科書を2冊出版して、改訂を重ねています。どうぞご参考になさってください。

 

それぞれのQ&Aのあとに【杉並国際クリニックからのコメント】を加えました。

 

 

________________________________________

 

Q13 

足がつるのはカルシウム不足や骨粗鬆症の危険信号?

 

私はよく足がつるのですが、カルシウム不足が原因でしょうか。

また、足がつるのは骨粗鬆症の注意信号ですか?

 

A

筋肉がつるのは、運動選手のように筋肉を使い過ぎたり、寝冷えや、筋肉の位置が変わってしまうのが主な原因で、まれにカルシウムやマグネシウム不足が関係する場合もあります。悪い夢をみて、うなされて過呼吸をすると血液がアルカリ性になり、一時的にイオン化カルシウムが減って筋肉がつる場合もあります。

 

カルシウム不足の状態が続くと骨粗鬆症の危険性も高くなります。ご心配でしたら検査を受けてみましょう。

 

 

【杉並国際クリニックからのコメント】

こむら返りになる原因は、はっきり解明されていません。しかし、誘因としては冷えやミネラル不足、筋肉の疲労、運動不足などが挙げられます。その他には、女性では妊娠中にもよく起こります。 寝ているときによく足がつる人で、膝の裏などの血管の凸凹が目立つ場合は、下肢静脈瘤の可能性も考えられ、足のむくみが関係していることもあります。

 

たしかにカルシウムやマグネシウム不足が関係する場合もありますが、まれです。むしろ水分やカリウム不足の影響が多いと思います。

 

特に水分は水氣道®の稽古中にも喪失するためか、しばしば稽古中に発生します。そこで、稽古前には水分補給に注意するように、折に触れて指導しています。稽古を継続して、体力が増すにつれて、足がつる頻度は減少し、いずれは起こらなくなります。

 

水を吸収するのにも時間か必要なので、 稽古の直前・直後だけでなく、朝起きた時からこまめに水分を補給する必要があります。それに加えてカリウム不足にならないようにします。生の果物や野菜に多く含まれている糖質やビタミンの補給もかねて朝食や稽古前の補食に100%の野菜ジュースを追加することもお勧めです。

 

糖尿病はもはや国民病です。糖尿病専門医だけに任せておけばよい病気ではありません。

薬物療法の発展は目覚ましいのですが、食事療法、運動療法、生活習慣編世用のための行動療法を駆使して治療に当たるのでなければ、コントロールに至ることは難しいです。

 

糖尿病は動脈硬化性疾患とならんで臨床栄養学の中では中心的な病態です。

私は、糖尿病専門医ではありませんが、生活習慣指導、食事療法、運動療法、認知行動療法など集学的な診療体制を構築して、口頭のみではなく実際に体験していただく経験を積み重ねてきました。

薬の処方ばかりに終始しているタイプの糖尿病専門医よりは、糖尿病の外来診療について深くかかわり、実践してきたという自負があります。

 

私は、昭和学院短期大学のヘルスケア栄養学科で、臨床栄養学を担当していたことがありますが、「臨床栄養学」の教科書を2冊出版して、改訂を重ねています。どうぞご参考になさってください。

 

 

日本糖尿病学会ホームページから

 

糖尿病診療ガイドライン2016 糖尿病診断の指針 4 運動療法では、運動療法について、とても有益な5つのQ&Aが掲載されています。

 

これを抜粋して紹介したあとに

【杉並国際クリニックの実地臨床からの視点】

でコメントを加えてみました。

 

 

 

Q4-2 

2型糖尿病患者に運動療法は有効か?

 

【要点】

有酸素運動が、血糖コントロール・インスリン抵抗性・心肺機能・脂質代謝を改善し、血圧を低下させます。

(合意率100%)<推薦グレードA>

 

 

有酸素運動とレジスタンス運動は、ともに血糖コントロールに有効であり、併用によりさらに効果があります。運動療法は、食事療法と組み合わせることによって、いっそう高い効果が期待できます。

(合意率100%)<推薦グレードA>

 

 

【 杉並国際クリニックの実地臨床からの視点 】

 

2型糖尿病の患者さんは、インスリン抵抗性や肥満、高血圧、脂質代謝異常、慢性炎症を伴っている場合が多いことが知られています。こうした2型糖尿病の患者さんには運動療法によって血糖コントロールが改善されるとともに、これらの異常が改善します。一般的には、糖尿病治療において運動療法は食事療法と組み合わせることにより、さらに高い効果が得られます。

 

近年、レジスタンス運動の有用性が注目されています。レジスタン運動では、筋量や筋力を増加させるとともにインスリン抵抗性を改善し、血糖コントロールを改善します。一般的には週2~3回、主要な筋肉群を含んだ8~10種類のレジスタンス運動を10~15回繰り返す(1セット)ことより開始し、徐々に強度やセット数を増加させていくことが推奨されています。

 

レジスタンス運動は有酸素運動との併用によりHbA1c低下において有効性が高まることが示されています。なお高齢者においても有効性を示すエビデンスがあります。

 

 

水氣道®は、有酸素運動とレジスタンス運動を系統的に組み合わせた運動であるうえに、親水航法をはじめ10種類以上の様々な運動テクニック(形)によって、主要な筋肉群をはじめとして、全身の筋肉をくまなくトレーニングしています。水を利用した自然なレジスタンス運動を1セットで10~15回程度繰り返して行うことも取り入れています。

 

一般的な注意事項としては、高強度のレジスタンス運動についてです。高齢者や狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患などの合併症のある患者さんには高強度のレジスタンス運動は不適切です。

 

レジスタンス運動における最低限必要な強度と量については、最近、持続的血糖値モニタリングを用いた研究があります。

短時間の高強度運動を2週間続けた試験において血糖値の低下と骨格筋ミトコンドリア機能の増加が報告されています。

なお、高強度運動は運動量を少なくしても、運動適応により遺伝子発現の変化を介して代謝機能を改善することが示されています。ただし、高強度の運動は、定期的な運動習慣がある患者さんのみに考慮されるべき方法です。

 

水氣道®でも、このような考え方に則り、定期的な運動習慣が形成されている階級である初等訓練生(水氣道6級)以上の会員では、徐々に段階的に高強度の運動参加に導いています。入門者である体験生(級外)・特別体験生(水氣道7級)の方には中強度以下のプログラムとしています。

運動器症候群(ロコモ、と略す)対策としての水氣道

 

ロコモの概念

以下の原因により、歩行障害をきたし、生活活動制限、社会参加制限、要介護

に至る病態を指します。

 

Ⅰ:局所の形態障害

  1. 体を支える部位(骨粗鬆症)⇒ 易損性・易骨折性 ⇒ 組織損傷・骨折
  2. 曲がる部位(変形性膝関節症、変形性腰椎症)⇒ 疼痛、可動域制限
  3. 動かす/ 制御する部位(骨格筋萎縮症:サルコペニア
  4. ⇒ 筋力低下、筋拘縮、バランス低下

 

Ⅱ:全身の機能障害

A 神経障害 ⇒ 易損性・骨折、疼痛、可動域制限、筋力低下、筋拘縮

B バランス低下 ⇒ 歩行障害 ⇒ 生活活動制限、社会参加制限、要介護

 

 

日本整形外科学会公式、ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト

「ロコモチャレンジ」

 

 

ロコモの診断法:「ロコモチェック」

1)片足立で靴下がはけない

2)家の中でつまずいたり滑ったりする

3)階段を上るのに手すりが必要である

4)横断歩道を青信号で渡りきれない

5)15分くらい続けて歩けない

6)2㎏程度の買い物(1リットルの牛乳パック2個程度)をして持ち帰るのが困難である

7)家の中のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である

 

1つでも当てはまると「ロコモ」です。

 

現在の移動能力評価:「ロコモ度テスト」

1)下肢筋力:立ち上がりテスト

2)歩幅:2ステップテスト

3)身体状況・生活状況:ロコモ25

 

テストの結果を「該当せず」「ロコモ度①」「ロコモ度②」で判定します。

 

ロコモ度①:移動機能の低下が始まっている状態

筋力やバランス力が落ちてきているので、ロコトレ(ロコモーショントレーニング)を始めとする運動を習慣づける必要があります。

また、十分なたんぱく質とカルシウムを含んだバランスの取れた食事を摂るように気をつけましょう。

 

ロコモ度②:移動機能の低下が進行している状態

自立した生活ができなくなるリスクが高くなっています。

特に痛みを伴う場合は、何らかの運動器疾患が発症している可能性もありますので、

医療機関の受診をお勧めします。

 

 

立ち上がりテスト・2ステップテスト

 

ロコモ25

 

トレーニング法:「ロコトレ」片足立・スクワット

 

 

 

ロコモの予防の具体的方略:『水氣道®

水氣道の稽古(トレーニング)内容は、体の支え、関節、動作および運動の制御、神経機能の回復・強化、バランス機能の向上という、ロコモの原因となるすべての要素を万遍なく鍛錬します。

 

水中で多様な歩行訓練を行うため、陸上での通行の歩行機能の向上のみならず、転倒防止訓練にも役立ちます。

 

なお、水氣道は集団稽古(グループ・エクササイズ)であるため、参加者の生活活動制限、社会参加制限を直接解消し、要介護に至るプロセスを強力に阻止することができます。

 

したがって、水氣道はロコモ予防に対する理想的な方略であるということができます。

不整脈の治療法は、近年大きく変化しています。不整脈の種類によっては植込み式除細動器(ICD)や高周波カテーテルアブレーションなどの非薬物療法の有効性が薬物療法を上回ることが示されています。

 

そうして、不整脈の薬物療法は、自覚症状の軽減や非薬物療法を補完する役割が主となってきました。抗不整脈薬は不整脈そのものよりも基礎疾患や心不全、その他の合併症の有無が重要視されるようになり、それに応じた治療目標が立てられるようになってきました。

 

最近の不整脈関連の学会の動向では、心房細動の心拍数調節の基準や、カテーテルアブレーション治療が議論されています。そこで、心房細動について実際にお受けした質問について回答数することにしました。

 

 

Q2 

心房細動の患者さんはどれくらいいるのですか?

 

杉並国際クリニックからの回答

日本人の心房細動有病率は、総人口あたりで0.6%程度、高齢者で2~4%と報告されています。日本循環器学会疫学調査では、70歳代で2.1%(男性3.4%、女性1.1%)、80歳以上では3.2%(男性4.4%、女性2.2%)です。

 

しかし、症状を伴わない無症候性の心房細動が発見されにくいことに加えて、心房細動は初期には発作性であるため、発作のタイミングによって、発見されにくく、なかなか診断に至らない場合も多いということから、実数はこれよりはるかに大きいことが推測されます。

 

このように心房細動発症に影響を与える要因の一つとして、年齢が大きく関わってきます。超高齢社会を迎えたわが国では、心房細動の有病率は着実に上昇しています。

 

かつてはリウマチ性弁膜症(多くは僧房弁狭窄症)に伴う心房細動が多かったです。しかし、この病気が減少するにつれて、リウマチ性心房細動は減少しました。そのかわりに増えているのが、生活習慣病や加齢を背景とした非弁膜性心房細動です。

 

心房細動は、現在では高齢者に多くみられる不整脈疾患であり、日常診療でも遭遇することの多い、普通の病気であるといえます。

 

日本肝臓病学会ホームページを検索してみました。

 

すると、日本肝臓学会ガイドラインとして、8件が掲載されていました。

 

その中で、杉並国際クリニックの患者さんに情報提供すべき優先順位から考えて、

NASH・NAFLDの診療ガイド2010

を採り上げることにしました。

 

 

Q&Aをご紹介した後、杉並国際クリニックの立場から、解説を加えてみます。

 

Q2

NAFLD/NASHの患者さんはどれくらいますか?

 

A2 

NAFLDの有病率は、日本では9~30%と報告されており、患者さんは全国で1,000万人以上いると考えられています。肥満の人やメタボリックシンドロームの患者さんの増加に伴って患者数は増えており、とくに肥満男性の増加が社会問題となるなかでNAFLDの男性も増えていることが懸念されています。また、日本におけるNAFLDの年齢分布は、男性は中年層、女性は高齢層に多い傾向であることが報告されています。

 

NASHの有病率は3~5%と推定されています。全国の肝硬変患者さん約33,000人の原因を調査した報告では、約3/4はウイルス性肝炎が原因で、NASHは2.1%でした。NASHの年齢分布については明確なデータはありません。

 

小児のNAFLDの有病率は少なくとも3%と報告されていますが、年齢の上昇とともにNAFLDの有病率は上昇します。小児のNASHの有病率については明確なデータはありません。

 

メタボリックシンドロームがあるとNAFLDやNASHを発症しやすく、とくに肥満(ウェスト周囲径の増大)はNAFLDやNASHの強い危険因子であり、また高血糖や脂質異常も主要な危険因子です。NAFLDの人がメタボリックシンドロームを合併している場合は、NAFLではなくNASHの可能性が高くなります。

 

 

杉並国際クリニックの立場から

NAFLD(あるいはNASH)とかNASHの略号が使われているので、とっつきにくく難しく感じられそうです。そこで、まずおさらいです。

 

イニシャルのNAは英語表記のnon alcoholicの頭文字で、“非アルコール性”を意味します。‘肝臓’という名詞は英語でLiver、形容詞である‘肝臓の’は英語でhepaticと表記するので、少し複雑ですが、要するに、お酒をあまり飲まない人に生じる肝臓病です。この肝臓病の原因は肝臓の組織に蓄積する脂肪です。‘脂肪’は英語でFatといいますが、‘脂肪の’という形容詞になるとfattyになり、さらに‘脂肪性肝炎’などの場合には、steatohepatitisという表現になり英語のネーティブでも難しい表現になります。ちなみにhepatitisとは肝炎を表します。

 

さて、ここで再確認しておきたいことは、お酒をあまりのまなくてもおこってしまう肝臓病であるNAFLDの患者さんが日本全国で1,000万人以上もいて、ざっと10人に1人がかかっている、いわば国民病であるということです。とくに肥満傾向の中年男性や高齢の女性に対しては、これまで以上に慎重に肝機能検査を実施したり、超音波検査で確認したりする必要があると思われます。

心療内科医は絶滅危惧種か?その1

 

今月は、内部からでさえ、もはや絶滅危惧種と叫ばれつつある心療内科が如何に誤解されているか、混乱させられているか、という深刻問題点について考えてみたいと思います。すでに世間に広く広報されている具体的な声を題材にしました。

 

 

第1回:患者の誤解(あなたは心療内科の患者様ですか?)

 

そのままコピーできないので、若干短縮し編集の手を加えました。

 

原文は、上記出典を検索してください。

 

 

読売新聞 オンライン 発言小町

 

タイトル「心療内科で傷つきました」2018年10月12日 17:50

5年ほど前から適応障害とうつ状態と診断され心療内科(病院A)に通院

この2~3ヶ月、気分の落ち込みも減り、そろそろ投薬を減らしたいと思い始めた。

先生の問診時間は2~3分と短く、②カウンセリングの時間も減らされたり、③いつもの担当の方が辞めたりと、なかなか自分の気持ちを上手く伝えられずモヤモヤしたことが続いていた。

(病院Aはカウンセリングと診察は担当者が別。)

 

 そこで心療内科もある総合病院(病院B)を受診。
 私が「病院Aではカウンセリングの時間を減らされてしまって…」と話をすると、

担当の医師から鼻で笑うように「え?うちだってカウンセリングなんて5分だけど?

長く話したいなら他所行って」と話し始めてすぐにガツンと言われ、堪らず泣いてしまった。

 

その医師曰く「うつ状態になっている原因は他の体調不良によるものかも知れないし、検査はしてみた方がいい」と言われたのと、ここひと月ほど風邪が治らなくてしんどかったので、今日は血液検査と胸部CTを撮りました。

 

結局今日は精神系の処方はされずに風邪薬だけでした。

結果を聞きに1週間後行かなくてはいけないのですが、正直行きたくありません。

また収まりかけてた不安な気持ちが復活して辛いです。

病院Aに戻すべきか、それともBに通うのがいいのか、もうごちゃごちゃしてます。

 

この投稿者に共感されるような方に参考にしていただきたいメッセージを豊中市の精神科クリニックのホームページから見つけましたので貼り付けます。

 

医療法人 秀明会 心療内科・精神科 杉浦こころのクリニック

 

理事長・院長の杉浦正義先生は、近畿大学医学部御出身の精神科指導医です。

 

 

 

心療内科とカウンセリングの違い

近年はメンタルのヘルス問題が深刻化していて、うつ病になる方も増えています。そういった中で、心療内科に行こうかカウンセリングに行こうか迷っている方も多いと思います。

 

心療内科の診察をカウンセリングと呼んでいる方もいますし、医師にカウンセリングを要求される方もいます。ハッキリと診察とカウンセリングを分けることが難しいポイントもありますが、どちらがよいというわけでなく、それぞれ特徴の違うものですので、医師とカウンセラー(臨床心理士)の役割を理解してもらう意味で説明したいと思います。

 

まず、心療内科・精神科などの医師は、精神的に困っている患者様に対して、こころの病気の背景としての心理・社会的要因を含めて、身体に現れる症状も考えて診断し、「病気を治療する」という医療的な視点での薬物療法や精神療法がアプローチの中心となります。もちろん、一人ひとりの気持ちを聞いて理解することも大事ですが、保険診療であることから考えてどうしても一人当たりに割ける時間は短くなってしまうので、ゆっくり話を聞くことに限界があります。症状が辛い状態で、生活に支障が出ている場合などは、お薬の治療を行わないと改善が難しいこともあります。

 

一方で、臨床心理士は長い時間をかけて(1回50分程度)、一人ひとりの気持ちを受容、共感、傾聴することを一番に重視しています。カウンセリングでは、自分の感情を表現したり、自分の問題をカウンセラーと一緒に考えたりすることで、気持ちが楽になって、自分がどうしたらよいのか、自分がやりたいことは何なのかなど、自己理解が深まり解決方法が見つかっていくと思います。「病気を治す」ということも目標の一つになりますが、病気ではなくても悩みや話したいテーマがあれば、それはカウンセリングの大事な目的になります。ですから、「カウンセリング」=「精神的な病気の人が受けるもの」という感覚は間違いです。カウンセリングでは、相談者のことを「患者」ではなく、「クライエント(依頼者)」と呼びます。

 

このように、カウンセリングと医療では視点が異なる点があります。医療機関での治療を長期間続けてもなかなかよくならないという場合には、異なる視点でのアプローチとしてカウンセリングを考えてみるのも大事な選択肢だと思います。薬物での治療とカウンセリングを平行して行うことがもっとも治療に適しているというデータもあります。どちらを受けることが正しいということは自分で判断することが難しく、迷うこともあるかもしれませんが、カウンセラーがお薬の治療も平行して行う必要があると判断した場合には、医療機関をご紹介することも可能です。

 

自分一人で悩むことに限界を感じたら、気軽に心療内科などメンタルヘルスの専門機関のサポートを受けてみてはいかがでしょうか?

 

 

 

<杉並国際クリニックの立場から>

精神科医の杉浦先生のメッセージは、いろいろな意味で示唆に富むものであるといえます。しかし、文末の結語を<自分一人で悩むことに限界を感じたら、気軽に心療内科などメンタルヘルスの専門機関のサポートを受けてみてはいかがでしょうか?>などと平気で書かれてしまうと、世間の混乱を増幅させてしまうので残念です。

 

精神科医であって、しかも精神神経科の指導医である方が、心療内科を標榜されることはご自由ですが、少なくとも、精神科と心療内科の違いをしっかり患者さんに説明していただかないと、患者さんばかりでなく心療内科専門医も非常に迷惑をいたします。<自分一人で悩むことに限界を感じたら、気軽に精神科などメンタルヘルスの専門機関のサポートを受けてみてはいかがでしょうか?>と訂正していただきたいものです。

 

そもそも、冒頭のキーワード・キーフレーズの流れにも問題があります。

 

メンタルヘルス⇒うつ病⇒心療内科に行こうかカウンセリングに行こうか迷っている方、このような方には、<カウンセリングに行かないのであれば、心療内科ではなく精神科を受診してください>とアドヴァイスすることが精神神経科指導医のお立場であるはずです。

 

<心療内科の診察をカウンセリングと呼んでいる方もいますし、医師にカウンセリングを要求される方もいます。>こうした誤解を増幅させ社会問題化のきっかけを作ったのが、他ならぬ精神科の先生方であるということを深く認識していただきたいものです。<心療内科の診察は身体の診察から始まるので、最初からカウンセリングを希望するのであれば、まずは精神科をご受診ください。>のようになぜ明確に書いてくださらないのでしょうか。

 

 

読売新聞 オンライン 発言小町

タイトル「心療内科で傷つきました」

 

読売新聞にも失望しました。この記事はタイトルからして誤解しています。

本来であればタイトルは精神科で傷つきました」

と訂正されるべきです。

 

投稿者には責任はありませんが、読売新聞の社会的責任は極めて重く、医療を意図的に混乱させいると批判されても仕方がないくらい悪質であるといわざるを得ません。

 

私は精神神経科指導医・専門医である杉浦正義先生とは全く面識がありませんし、個人攻撃をする意図は全くありません。むしろ、解り易い典型的な精神科医の思考法・表現法のサンプルを提示していただけたことに感謝している位です。ただ、どうしても心療内科指導医・専門医の立場から、ただしておかなければならないことを述べておきます。

 

<心療内科・精神科などの医師は、精神的に困っている患者様に対して、こころの病気の背景としての心理・社会的要因を含めて、身体に現れる症状も考えて診断し、「病気を治療する」という医療的な視点での薬物療法や精神療法がアプローチの中心となります。>この文章は、心療内科医と精神科医の役割の違いを非常にあいまいにしています。

 

精神科などの医師は、精神的に困っている患者様に対して、こころの病気の背景としての心理・社会的要因を含めて、身体に現れる症状も考えて診断し、「病気を治療する」という医療的な視点での薬物療法や精神療法がアプローチの中心となります。>と主語を精神科に限定するなら問題はありません。

 

そのかわり、心療内科を主語とするのであれば <心療内科などの医師は、精神的に困っている身体疾患に悩む患者様に対して、からだの病気の背景としての心理・社会的要因を含めて、身体に現れる症状の背景をも考えて診断し、「病気を治療する」という医療的な視点での薬物療法や心身医学療法がアプローチの中心となります。>のように、心療内科指導医・専門医の立場から添削させていただきます。

 

<東洋医学の話をしよう3ー臓腑(6) ー 腎>

<はじめに>

 

前回は「」について解説しました。

 

 

「肺」の働きには

 

 

(1)呼吸器系の機能を司る

 

 

(2)氣をつかさどる

 

 

「清氣」と「水穀の精微」を組み合わせて「氣」を作ります。

 

 

(3)宣発(せんぱつ)と粛降(しゅくこう)

 

 

 宣発作用と粛降作用によって全身に氣を巡らせます。

 

 

(4)水道通調作用ー水分を全身に行き渡らせます。

 

 

(5)皮毛、鼻と関係がある

 

 

というお話でした。

 

 

今回は「腎」についてお話します。

 

 

(「」についての記事はこちらにありますので目を通してみて下さい。)

 

 

(「」についての記事はこちらにありますので目を通してみて下さい。)

 

 

(「」についての記事はこちらにありますので目を通してみて下さい。)

 

 

(「」についての記事はこちらにありますので目を通してみて下さい。)

 

 

 

<西洋医学での「腎」の働き>

 

 

腎臓は、そらまめのような形をした握りこぶしくらいの大きさの臓器で、腰のあたりに左右対称に2個あります。

 

 

腎臓の働きは

 

(1).老廃物を排出する

 

 

 

 

腎臓は血液を濾過して老廃物や塩分を尿として体の外へ追い出してくれます。

 

 

また、体に必要なものは再吸収し、体内に留める働きをしています。

 

 

(2).血圧の調整

 

腎臓は、塩分と水分の排出量をコントロールすることによって血圧を調整しています。

 

 

血圧が高いときは、塩分と水分の排出量を増加させることで血圧を下げ、血圧が低いときは、塩分と水分の排出量を減少させることで血圧を上げます。また、腎臓は血圧を維持するホルモンを分泌し、血圧が低いときに血圧を上げます。

 

 

(3).赤血球をつくるホルモン(エリスロポエチン)を分泌

 

赤血球は血液細胞のうちの一つで体中に酸素を運びます。

 

 

赤血球は骨髄の中にある細胞が、腎臓から出るホルモン(エリスロポエチン(EPO))の刺激を受けてつくられます。

 

 

腎臓の働きが悪くなると、このホルモンが出てこなくなってしまうため、赤血球が十分につくられず貧血になることがあります。

 

 

(4).体液量・イオンバランスを調整する

 

腎臓は体内の体液量やイオンバランスを調節したり、体に必要なミネラルを体内に取り込む役割も担っています。

 

 

腎臓が悪くなると体液量の調節がうまくいかないため、体のむくみにつながります。 また、イオンバランスがくずれると、疲れやめまいなど、体にさまざまな不調が現れることがあります。

 

 

(5).強い骨をつくる

 

カルシウムを体内に吸収させるのに必要な活性型ビタミンDをつくっています。

 

 

腎臓の働きが悪くなると活性型ビタミンDが低下し、カルシウムが吸収されなくなって骨が弱くなるなどの症状が出てきます。

 

 

<東洋医学での の働き>

 

(1).「精」の貯蔵

 

「精」とは腎に蓄えられているエネルギーのことで、両親から受け継いだ「先天の精」と「脾」で消化吸収してできた「後天の精」があります。

 

 

「腎」はそれらを貯蔵します。

 

 

夜間に寝ることで貯蔵が進みます。夜眠ることは健康のため大切であることがわかります。

 

 

(2).成長・発育・生殖をつかさどる

 

「精」は成長、発育のために使われます。「腎」の機能が弱いと成長が遅くなります。

また、生殖にも関係します。

 

 

英雄色を好むといいますが(ケ○ディ大統領、毛○東、伊○博文、エカ○リーナ2世などは有名ですね)、生殖の能力が強いということは別の言い方をすればそれだけ生命力があるということになります。

 

 

(3).骨や髄をつかさどり脳を栄養する

 

年齢とともに「腎」の働きは低下していきます。

 

 

骨粗鬆症、物忘れなどの症状は、「腎」の衰えが関係しています。

 

 

(4).尿道・生殖器、聴力、骨と関係する

 

尿量の調節や排泄など、膀胱の機能に影響を与えます。

 

 

また、排卵や月経、精子、妊娠などの生殖機能をつかさどります。

 

 

耳が遠くなったり、髪が白くなるのも「腎」の衰えと関係があります。

 

 

(5).水分の代謝。

 

体内の水分を管理して尿を排泄する働きがあります。

 

 

(6).納気(のうき)をつかさどる

 

納気とは

 

「肺」によって取り込まれた大気中の清気を「腎」が収める機能のことをいいます。

 

 

呼吸は主に「肺」が関わっていますが、吸気に関しては「腎」の納気の機能が深く関わっています。納気の機能が低下すると深い呼吸ができなくなります。

 

 

東洋医学では「腎」を生命力の象徴と考えているように思います。

 

 

「腎」が骨の生育に関係することを2000年以上も前に把握していたことに驚きを感じます。

 

 

<まとめ>

「腎」の働きは、

 

 

(1).「精」の貯蔵

 

 

(2).生長・発育・生殖をつかさどる

 

 

(3).骨や髄をつかさどり脳を栄養する

 

 

(4).尿道・生殖器、聴力、骨と関係する

 

 

(5).水分の代謝

 

 

(6).納気(のうき)をつかさどる

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

ここで掲載する内容は、公益財団法人 骨粗鬆症財団のホームページから引用したものです。骨粗鬆症についてわかりやすい解説をしています。

HPで確認することができます

 

骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。最初は、自覚症状はありませんが、ひどくなると骨折を起こし、寝たきりの原因となる場合もあります。多くは腰や背中に痛みが生じて医師の診察を受けてからみつかります。しかし、骨粗鬆症になってから治すのはたいへんです。骨粗鬆症にならないように、日ごろから予防を心がけることが大切です。骨粗鬆症を予防することが、ほとんどの生活習慣病を予防することにつながります。そのために、高円寺南診療所では女性では、45歳以上、男性でも50歳以上の皆様に骨量計測を推奨し、骨年齢を算出し、骨粗鬆症の早期発見、早期対応に力を注いでいます。それでは、骨粗鬆症についてもっと詳しく勉強していきましょう。

 

私は、昭和学院短期大学のヘルスケア栄養学科で、臨床栄養学を担当していたことがありますが、「臨床栄養学」の教科書を2冊出版して、改訂を重ねています。どうぞご参考になさってください。

 

それぞれのQ&Aのあとに【杉並国際クリニックからのコメント】を加えました。

 

 

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Q12 

カルシウムの摂取量が少なかった時代よりも、現代人の骨が弱いのはなぜ?

 

A

昔の日本人は、カルシウムを1日に400mg以下しか摂取していなかったとききましたが、現代人よりも骨は強かったはずです。カルシウムだけを摂取しても骨は強くならないと思いますが、いかがでしょうか。

 

また、カルシウムを摂取する場合、日本人は「乳糖不耐性」の人が多いため、牛乳を飲むよりも、昔から食べてきた大豆製品や、小魚、海藻類をとる方が安全ではないでしょうか。

 

昔と現在の日本人の骨の強さは正確に比べられませんので、「現代人の方が骨が弱い」と断定はできませんが、確かに、子供の骨折が増えているなどの報告はあります。骨の強さや骨折の危険度は、運動で養われる筋力や平衡機能などが関係しているので、運動不足や、栄養過剰による肥満が骨を弱くする原因になっている可能性もあります。

 

なお、カルシウムの吸収率は、総カロリーやタンパク質の摂取量が関係しています。タンパク質をとりすぎると、尿の中にカルシウムを排出するため、高カロリー、高タンパクの食事でカルシウムを大量に摂取しても、昔の一般的な食生活ほど吸収率は高くないかもしれません。

 

牛乳はタンパク質や、大量に摂取するとカルシウムの排出を妨げるリンを含んでいるため、理想的なカルシウム補給源とは言えない部分もありますが、カルシウムを手軽に摂取できる食品であることは確かです。例えば、大豆製品や小魚、海藻などは、単位重量あたりのカルシウム量は多くても、一度に大量に食べられないため、カルシウムの総摂取量を上げるためには、牛乳を含めたバランスの良い食事が欠かせません。

 

 

【杉並国際クリニックからのコメント】

公益財団法人骨粗鬆症財団が、このような思い込みと決めつけの甚だしい素人の質問を律儀に受けて、ホームページで誠実に回答しよう姿勢に学ぶことは少なくありません。このような質問を投げかけてくる患者さんに、納得がいくような説明をすることは容易ではありません。

 

それでは、この質問者が、昔の人より<現代人の骨が弱い>と確信するに至ったのには、理由があって、その過程を想定してみることも、ときには必要かもしれません。

 

子供の骨折が増えている報告がありますが、骨折が増えている原因を骨が弱いからだと決めつけるのは早計だと思います。部活動をしている子供の方が、しない子供より骨折が多いという報告があるからです。子供は部活動をすると骨が弱くなるということではなく、単に骨折する機会が増えるからと考えることも可能でしょう。そのように考えると、骨粗鬆症財団の回答は質問者に寄り添ってはいますが、それがかえってアダとなって的外れのコメントになっている可能性があることを指摘しておくべきでしょう。

 

質問者は、また<昔の日本人は、カルシウムを1日に400mg以下しか摂取していなかったとききましたが、現代人よりも骨は強かったはずです。>と、更なる断言を重ねています。<昔の日本人は、カルシウムを1日に400mg以下しか摂取していなかった>という不確かな伝聞情報をもとに、無理やり<昔の日本人は、現代人よりも骨は強かったはずです。>という結論に結び付けているようです。これも素人の患者さんにありがちな論理の飛躍です。

 

まず、昔の日本人とはいつの時代の日本人のことでしょうか。いずれにしても、<昔の日本人は、カルシウムを1日に400mg以下しか摂取していなかった>という表現には、現代の日本人は昔の人より豊富にカルシウムを摂取しているという思い込みがあるようです。

 

しかし、現在に至っても日本人は慢性的なカルシウム不足だと言われています。実は現代の日本人のカルシウム摂取量も1日に400mg程度です。『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版』では1日700〜800㎎のカルシウムの摂取を勧めていますのでカルシウムはほとんどの世代で不足しています。 それから、摂取すべき栄養量は性別や年齢によっても変わりますが、身長や体重などの体格にもよります。

 

たとえば日本人の平均身長推移は過去60年で、男女とも10cm以上伸びています。その分だけより多くのカルシウムの摂取が必要となってきます。骨粗鬆症財団の回答は、こうした基礎データを検討せずに安易にコメントしているので、質問者の素朴な疑問に対して、余りにも無責任であるといわざるをえません。

 

質問者自身の論理から導かれた疑問である<カルシウムだけを摂取しても骨は強くならないと思いますが、いかがでしょうか。>という問いの意図は、骨の強化に対するカルシウム摂取の必要性に対する疑念であることを、まず読み解かなければならないはずですが、現代人は体格に見合ったカルシウムを慢性的に摂取できていない事実から示してさしあげることが親切というものではないでしょうか。その前提を踏まえたうえで、カルシウム以外の栄養摂取の必要性や運動などの重要性についてお答えすることが大切だと思います。

 

糖尿病はもはや国民病です。糖尿病専門医だけに任せておけばよい病気ではありません。

薬物療法の発展は目覚ましいのですが、食事療法、運動療法、生活習慣編世用のための行動療法を駆使して治療に当たるのでなければ、コントロールに至ることは難しいです。

 

糖尿病は動脈硬化性疾患とならんで臨床栄養学の中では中心的な病態です。私は、糖尿病専門医ではありませんが、生活習慣指導、食事療法、運動療法、認知行動療法など集学的な診療体制を構築して、口頭のみではなく実際に体験していただく経験を積み重ねてきました。

薬の処方ばかりに終始しているタイプの糖尿病専門医よりは、糖尿病の外来診療について深くかかわり、実践してきたという自負があります。

私は、昭和学院短期大学のヘルスケア栄養学科で、臨床栄養学を担当していたことがありますが、「臨床栄養学」の教科書を2冊出版して、改訂を重ねています。どうぞご参考になさってください。

 

 

妊娠可能年代の女性の糖尿病治療

 

今年成人式を迎えたばかりの私の娘Bをもつ母親Aさんからの相談例

 

Q 

Bは、最近、2型糖尿病の診断を受けました。主治医から、食事療法と運動療法だけでは不十分なので薬物療法を勧められましたが、私がお断りしたところ、転医を促されてしまいました。Bは一人娘なので養子を迎えて家業を後継する大切な娘なので、糖尿病のお薬をはじめたら母子に悪影響があると聞いて心配です。どうしたらよいでしょうか?

 

A 

娘さんのBさんは、すでに立派に成人されて、専門学校を卒業して今春、就職とのことを承りました。おめでとうございます。すでに立派に成人されているのですから、今後は、是非ご本人の意志を尊重し、自主的な健康管理の習慣を獲得できるように御支援ください。

 

とはいえ、相手の先生との信頼関係がこじれてしまってBさん自身が引き続き通院がむずかしいというのでしたら、Bさんご自身に新しい医療機関を受診されることをお勧めください。その際にも、<診療状況提供書>は必要です。たとえ気まずくてもこれまでお世話になっていた先生からの情報は不可欠です。

 

Bさんの身長が156㎝、体重が86㎏ということですので、体格係数(BMI)を算定してみますとBMI=86÷1.56÷1.56=35.3

  

BMIは25以上で肥満度Ⅰ、30以上で肥満度Ⅱ、35を超えると肥満度はⅢということになり、高度な肥満であることがわかります。

   

正確なことは、情報不足なので申し上げられませんが、主治医の先生が食事療法と運動療法だけでは不十分であると判断されたのは無理からぬことであるように思われます。

   

たしかに、糖尿病治療薬の中には妊婦への投与がありますが、Bさんはすぐにご出産の予定でなければ問題はありません。もし、ご結婚等が予定されているなど妊娠可能性がある場合は、なるべく妊婦や授乳婦への影響が少ない治療薬を開始することをお勧めします。

 

 

妊娠前として望ましい血糖管理

糖尿病を持つ女性が妊娠を希望する場合は、事前に血糖を十分に管理した上で計画的に妊娠することが望ましいです。

 

妊娠前の血糖コントロールはHbA1c7.0%未満を管理目標にしてください。

 

今後、妊娠・出産を考えるのであれば、今からきちんと糖尿病の治療を行い(具体的にはバランスのよい食事・運動と、必要な場合糖尿病治療薬の使用を考慮する)HbA1c<7.0%未満にしておきましょう。

 

また糖尿病には特有な合併症があるので、注意しなければなりません。糖尿病の合併症は妊娠により悪化する可能性もあるからです。

 

合併症の管理や、使用できる薬剤の相談も含め事前に担当医と相談しましょう。

 

 

妊娠と薬物療法

妊娠前~妊娠中、出産後の授乳期の治療にはインスリンの治療を行います。糖尿病の飲み薬やインスリン以外の注射製剤を使用している方は、原則インスリンへの切り替えが必要です。インスリンの中でも、妊娠中の使用の安全性がほぼ確立しているものがあるので、そうしたインスリンを選択することになるでしょう。また、インスリンポンプや持続血糖測定器を使用して、血糖値を詳細に確認しながら細やかな血糖管理を行うことがあります。

 

Bさんは、まだ20歳なのですから、十分な時間があるので、計画的な減量をはじめ、きちんとした糖尿病管理を継続することをお勧めします。

 

ジョギングをはじめて膝関節を痛めた、と伺いましたが、水氣道®であれば、水の浮力を活用することができるので、関節を十分に保護しながら有酸素運動を続けることができます。妊娠中も継続可能な数少ない安全なエクササイズであることも、是非、Bさんにお伝えくださいますように。