よくある質問

総合内科について
心療内科について
アレルギー・リウマチ科について
漢方・東洋医学科について
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どのような患者さんが総合内科を受診していますか。

杉並国際クリニックをかかりつけ医療機関としている皆様です。
かかりつけ医とは、主治医のことです。患者さんは自分の主治医に対してどんな症状や病気でも迷わずに、最初に相談することができます。そうした習慣が身についている方は、とくに意識せずとも総合内科を受診していることになるのではないでしょうか。また、総合内科を超えた杉並国際クリニックの専門性の特質(アレルギー科・リウマチ科・痛風診療、心療内科・心身医学療法/カウンセリング、漢方・鍼灸など)をよく理解しておられて、タイミングよく臨機応変にこうした診療を併用できるような皆様は、同時に総合内科をよく理解しておられて、総合内科をベースとした健康管理という意識をもって受診されています。

一般内科はよく聞くのですが、総合内科とはどのような違いがありますか。

ほとんど同じと考えてよいでしょう。一般内科の専門性を高めたものを総合内科とよぶ傾向があるようですが、両者を明確に区分する基準はありません。
ただし、杉並国際クリニックでは一般内科から本来あるべき総合内科を目指してきました。

総合内科は、総合診療科(プライマリ・ケア)と同じですか。

いいえ。同じではありませんが重なり合う領域もあります。総合診療医は家庭医ないし地域を診る医師です。担当領域は内科に限定されません。これに対して総合内科は内科領域を幅広く、より専門的に診療します。
杉並国際クリニックは平成元年に‶総合診療‶をモデルとしてオープンして以来、気管支ぜんそく・高血圧・糖尿病・痛風・慢性胃腸炎・動脈硬化症などの内科領域以外に、次のような病気を特に多数診療してきました。
湿疹・蕁麻疹・アトピー性皮膚炎(皮膚科)、肩こり・腰痛・骨粗しょう症・変形性関節症・関節リウマチ(整形外科)、冷え性・月経困難症・月経前緊張症・更年期障害(婦人科)、不定愁訴・原因不明の身体症状・不安障害・パニック障害・うつ病(精神科領域)、その他。
以上のうちで、総合内科が担当するのは関節リウマチ、骨粗しょう症などに限られています。

総合内科には心療内科や漢方も含まれていますか。

いいえ。残念ながら心療内科や漢方に関心の乏しい総合内科専門医が少なくありません。
多くのありふれた病気に苦しむ人々を救うためには、心療内科や漢方は大きな役割を果たしています。ですから杉並国際クリニックの総合内科は心療内科や漢方を駆使して診療しています。

総合内科にはアレルギー科やリウマチ科も含まれていますか。

はい。総合内科の13の専門領域の中にそれぞれが含まれています。ただし、総合内科としてのアレルギー・リウマチ診療は内科という括りのなかで、かなり限定された疾患のみを診ているようです。
アレルギー科は内科医の他に、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科など各科の医師も標榜することがあります。また、リウマチ科も内科医の他に、整形外科医や小児科などの医師も標榜することがあります。こうした背景から、アレルギー科やリウマチ科では実際には内科の範囲を超えた総合アレルギー・リウマチ専門医としての役割を果たすことが期待されつつあります。

総合内科では栄養・食事指導をしてくれるのですか。

はい。簡単な指導は医師が行います。ただし、継続的な食事療法が必要な方のためには、専任管理栄養士による丁寧な外来栄養・食事指導を活用していただいております。

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心療内科は、どんな病気の相談にのってくれますか?

心療内科は、たいていの病気の相談にのることができます。
すべての病気は多かれ少なかれ心理・社会的、環境的なストレス因子が関わっています。これをストレス関連疾患といいます。心療内科は、このストレス関連疾患の診療をします。ですから、たいていの病気はストレス関連疾患なので心療内科が対応可能なのです。このうちで、心理・社会的因子が特に密接に病気と関連しているものを、心身症と呼び、心療内科専門医は先進的に取り組んでいます。

心療内科では、病気や治療に対して一般の内科や精神科とは違った特別な見方がある、と聞きましたが本当ですか?

特別な見方ではなく、内科として本来あるべき見方を大切にしている、と理解してください。「病気はその人の人生体験の結晶である」とは、心療内科の第一人者の言葉です。私もその通りだと思います。病気にはその人の考え方や生き方が大きく影響しますが、そのことに気づいていないことが多いのです。治療に当たっては日常的に意識している問題だけでなく、もっと深い潜在意識の領域への「気づき」や身体感覚の「気づき」を深めていくことが重要である、と考えています。そして病気を治すということは、表面に現れた病気の苦痛から一時的に解放されればよい、とする対症療法的な治療ではなく、最終的には患者さんが高度な自然治癒力を獲得して自分にふさわしい人生の目標を自分の力で見つける方向性を目指せる支援をしたいと考えています。

心療内科は、どのような治療法があるのですか?

心療内科では、精神と身体の両面から診断して治療します。ストレスなど心の問題によって起こる体の病気に対し、心と体の結びつきを科学的に解明する心身医学を基礎にして診療します。また、こうした治療法を心身医学的治療といいます。心療内科の3本柱と呼ばれている自律訓練法、交流分析療法、認知行動療法をはじめ必要に応じていろいろな治療法を組み合わせて統合的に活用します。

病気やストレスは人それぞれに違いがありますが、心療内科は、その人に適した対応をしてくれるというのは本当ですか?

本当です。正確に言えば、それを診療の方針に掲げています。ストレスによる反応は必ずしもストレスの原因(ストレッサー、といいます)の重大さによるわけではなく、受け止める側の因子としてのその人の性格、人生観や価値観などが大きくかかわってきます。ですから、病気を診るうえで、患者さんの体質や気質を理解できるようにつとめています。その人なりの個別性や特殊性に対応できるようにするためです。

心療内科の診療は何からはじまるのですか?

初診の手続きからはじまります。
心療内科は総合管理が必要なので、最初はもっとも基本的なことをチェックします。杉並国際クリニックの方式は受付での医療事務手続後、血圧、脈拍、体温などの確認と簡単な尿検査をして、症状のあらわれにくい生活習慣病などの見落としを防ぎます。場合によっては詳しい問診票を記入していただき、身体と精神の両面の症状をチェックします。

心療内科の診療の進め方を教えてください。

心療内科の診療の基本は医療面接にあり、これにはいくつかの段階があります。

1・まず、患者さんと治療者との間の相互的な信頼関係を築くことからスタートします。
2・信頼関係ができると、さまざまな感情を発散させやすくなります。
3・感情発散により心と体の不安や緊張が和らぎ、心身をリラックスしやすくなります。
4・心身がリラックスすると自分自身の心と身体の状態に関する「気づき」が深まります。
5・自分自身を振り返り「気づき」が深まるにつれて、思い込みやこだわりなどから解放され、柔軟な思考ができるようになり、より適切な行動がとれるようになります。
6・気持ちが安定して適切な気力が備わり、考えが整い、行動が修正され健康的なライフスタイルを獲得し、それが習慣として定着できるようにします。
7・「自分なりの目標を自分で見つけられる」ようになると治療のゴールとなります。

心療内科はカウンセリングをしてくれるのですか?

はい。ただし、心療内科医が行うのは主に5ー10分程度の医療面接です。30分以上の本格的なカウンセリングが必要な場合には、臨床心理士をはじめ専属の心理カウンセラーが担当します。カウンセリングは単なるおしゃべりや雑談ではありません。「病気はその人の人生体験の結晶」であり、「最終的には患者さんが高度な自然治癒力を獲得して自分にふさわしい人生の目標を自分の力で見つけること」を目指す立場から、杉並国際クリニック併設の医療・心理相談室専属の心理カウンセラーによる医療相談のほか人生相談等にも対応しています。

心療内科の役割は何ですか?

心身医学的診療は効率的で統合的な診療が可能です。最初から臓器別の細分化された複数の診療科を個別に受診すると、全体像が分かりにくく無駄や重複が発生しやすい医療となります。 また予防医学的観点も重視して現代社会に多いストレス病をはじめ生活習慣病、高齢者疾患など多方面に対応できることにあると考えています。

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アレルギー・リウマチ科は、どんな病気の相談にのってくれますか?

アレルギー・リウマチ科は、アレルギーやリウマチ膠原病関連の病気を対象とします。
アレルギー・リウマチ科が対象とする病気のほとんどはアレルギーが関与しています。近年、格段に進歩した『免疫アレルギー学』によって病気の成り立ちや治療法が進歩してきました。この免疫アレルギー関連疾患の診療をします。アレルギー科もリウマチ科も最新の診療分野で1996年に病院・診療所で標榜できる科になりました。
アレルギー性疾患とは、気管支喘息などの内科の呼吸器疾患、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患、花粉症に代表されるアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎が代表的です。またリウマチ膠原病疾患とは、主として関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどです。リウマチ性疾患としては、この他、骨粗しょう症、変形性関節症、痛風あるいは線維筋痛症などの運動器系(骨・軟骨、関節、筋肉)の病気を扱うことがあり、杉並国際クリニックでも特に積極的に診療しています。

アレルギー・リウマチ科では、病気や治療に対して特別な立場がある、と聞きましたが本当ですか?

特別な立場ではなく、内科として本来あるべき立場を大切にしている分野の代表である、と理解してください。
近年の高齢化社会の到来と生活様式の変化に伴って,生活習慣病やアレルギー・リウマチ性疾患など多臓器に同時に疾病を持つ全身の慢性疾患が内科診療の中心となりました。それにもかかわらず内科は臓器別の専門分野に細分化され、患者さんの全体像を把握することが困難になるといった困った現実に直面しています。
本来の内科医は患者を全身的,全人的な観察から体系的に把握し,科学的に分析し,病態と病因を解明した上で,最適な治療を選択することが第一の役割です。最新の医学としての科学性・妥当性、医療倫理・経済などの社会的配慮を根拠として,最良の生活療法や薬物療法を中心とする治療を提供・実践するのは内科医の第二の役割です。この過程で,「病状を正確に観察し記述する,病気よりも病人の現状を全体としてとらえ,将来の経過を正しく予知しようとする」というヒポクラテスの考え方は,現代の内科においても忘れてはならないことです。アレルギー・リウマチ専門医は、こうした本来の内科医の立場を大切にしています。

アレルギー・リウマチ科は、どのような治療法があるのですか?

アレルギーの治療で最も重要なことは、原因抗原の回避と除去です。
しかし、アレルゲンをすべて除去することは不可能です。原因物質に対して免疫をつくる減感作療法は根治療法とされますが数年もの長期の通院が必要なため、当科ではこれまで実施しておりません。そこで、原因抗原の回避と除去に加えて生活環境や生活習慣の改善の工夫を行い、薬物療法(抗ヒスタミン剤やステロイド剤)で治療しています。飲み薬の他に、部位によっては目薬、鼻薬、軟膏などさまざまな種類があります。
リウマチ性疾患では、薬物療法(メトトレキサートなどの抗リウマチ薬)で治療しています。骨粗しょう症の合併例では骨量を維持するための治療も加えます。必要に応じて注射療法(皮下・筋肉、関節内)も実施しています。水中有酸素運動(水氣道)への参加もお勧めです。
アレルギー・リウマチ性疾患の多くは漢方薬や鍼灸による治療も効果的です。鼻炎を合併している例では、軽度な場合であっても鼻炎をきちんと治療することで気管支喘息やアトピー性皮膚炎ばかりでなく関節リウマチまでが劇的に改善する例を多数経験しています。また、近年のアレルギー性疾患の急増は、現代社会におけるストレス等の精神的要因が原因で起こることもあるため、心身医学療法も重要な治療の選択肢です。

アレルギーやリウマチは生まれつきの体質だといわれたことがありますが、本当ですか?

ある意味では本当です。特定のアレルギー病にかかりやすい体質や、リウマチになりやすい体質や家系が確かにあります。
まずアレルギーのうち少なくともI型アレルギーは遺伝性です。これをアトピー素因といいます。アレルギー科を受診する患者さんの大半は、このI型アレルギーです。これは抗原(アレルゲン)にさらされることによりIgE抗体を作りやすい体質のことです。しかし、近年、アレルギー疾患は世界的に増加傾向がみられます。また日本国民のおよそ3分の1が何らかのアレルギー疾患を持っていることが判明しています。このことは、アレルギー疾患を増加させている原因として環境や生活習慣、ストレスなど、いわゆる現代病としての側面について検討を加えることが不可欠だという考え方につながってきます。次に関節リウマチでは、発症の40%が遺伝子に関与しているようです。女性が男性より3〜4倍ほど多く、わが国の患者数は約70〜100万人程度です。そこで推計してみると母親がリウマチだからといって本人がリウマチになるのは100人に1人程度ということになります。またリウマチはかつて治らない難病とされてきましたが、現在では適切な治療によって薬が不要になる状態を目指す時代になり、以前ほど体質を気にしなくてよくなりました。ただし、早期発見・早期治療が重要なので血縁者のリウマチ病歴は現在でも貴重な情報です。アレルギー・リウマチ疾患は本質的に免疫系の病気なので、ストレスの影響を受けやすいことを指摘しておかなければなりません。どのくらいストレスの影響を受けるかは、ストレスの原因や種類(ストレッサー)やその人の感度によります。ストレッサーに対する受け止める側の因子として、その人の性格、人生観や価値観などが大きくかかわってきます。ですから、病気を診るうえで、患者さんの体質ばかりでなく気質を理解できるようにつとめています。その人なりの個別性や特殊性に対応し、よりよい治療成績を確保できるようにするためです。

アレルギー・リウマチ科の診療は何からはじまるのですか?

初診の手続きからはじまります。
アレルギー・リウマチ科は総合管理が必要なのですが、最初はもっとも基本的なことをチェックします。杉並国際クリニックの方式は受付での医療事務手続後、バイタル・サイン(血圧、脈拍、体温など)の確認と簡単な尿検査(リウマチ疾患では尿にたんぱくが検出されるかどうか、は重要)をして、症状のあらわれにくい生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病など)の見落としを防ぎます。場合によっては詳しい問診票に記載していただき、全身の健康状態をチェックします。

アレルギー・リウマチ科の診療の進め方を教えてください。

アレルギー・リウマチ科の病気は多面性をもつ全身病で、かつ複数の関連疾患を合併しやすいです。そこで、診療にあたってはチーム医療(医師や看護師の他に、管理栄養士、臨床心理士、鍼灸師、医療ソーシャル・ワーカーなどで構成される)とアレルギー・リウマチ総合診療の役割が重要であると考えています。

  • 1・患者さんと診療チームとの間の相互的で多面的な信頼関係を築きます。
  • 2・診療チームとの関わりができると、初診時の主症状の他にも、さまざまな自覚症状に気づきやすくなります。
  • 3・早めに症状に気が付くことによって、早期発見・早期治療が容易になり、複数のアレルギー・リウマチ疾患の合併に気が付きやすくなります。気管支喘息と副鼻腔炎・鼻炎といったようにアレルギー性疾患は合併することが多いです。特に自覚症状が乏しいため放置されている鼻炎が気管支喘息やアトピー性皮膚炎を治りにくくしていることもあります。これらをアレルギー・リウマチ総合診療の立場から同時に治療することで双方の治療効果によい影響が期待でます。
  • 4・自覚できていない病気の徴候は検査によって詳しく知ることができます。
  • 5・医療チームによるアレルギー総合診療によって自分自身を振り返り「気づき」が深まるにつれて、思い込みやこだわりなどにもとづく永年の悪化因子を除去し、それまでの不健康な対処行動を修正できるようになります。
  • 6・体調が安定して十分な体力を養い、正しい理解を身に着け、行動が修正され健康的なライフスタイルを獲得し、それが習慣として定着できるようにします。
  • 7・「自分自身と自分の病気、そして両者の関係性について理解でき、薬を使わなくても体調や気分をセルフコントロールし、生活の質を維持できる」ようになることを、私たちは体質改善の証(あかし)としていますが、それが完了すると治療のゴールとなります。

アレルギー・リウマチ科の医療費は高くつくのでしょうか?

残念ながら高くつくケースもまれにあります。しかし、それは多項目にわたるアレルギーの原因検索やリウマチで生物学的製剤を使用する場合などに限られますのでご安心ください。
杉並国際クリニックでは、アレルギーの血液検査は最小限にとどめています。注射薬が主体の現在の生物学的製剤は高価なのが難点です。しかし、朗報もあります。これらと同等の有効性を示す飲み薬トファシチニブが2012年に米国で承認されました。日本でも承認申請中ですので、いずれリウマチ外来治療は大きく前進するでしょう。
最初から臓器別の細分化された複数の診療科を個別に受診すると、無駄や重複が発生しやすい医療となり、しかも全体像はいずれの専門医も説明が困難で分かりにくくなります。アレルギー・リウマチ科の診療はより効率的で統合的な診療が可能になります。また予防医学的観点も重視して現代社会に多いストレス病をはじめ生活習慣病、高齢者疾患などの合併例にも臨機応変に対応できるので、医療費削減に大きく貢献しているという実績はもっとアピールしてもよいのではないかと考えています。

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漢方・東洋医学科は、どんな病気の治療に向くのですか?

西洋医学で診断がつきにくい、あるいは決め手となる治療法がない病気、また西洋薬では効きが悪い場合、西洋医学的な治療では副作用などのために治療に耐えられない場合、多数の疾患を合併している場合、病気が心身の両面にわたっていて気分も体調もすぐれない場合。特に、以下のようなケースに対して杉並国際クリニックでは平成元年以来、特に積極的に用いて良好な成績をあげています。杉並国際クリニックが得意とする専門領域のほとんどで漢方が役立っています。

  • 気分・体調の不良(快食・快便・快眠)のいずれかが損なわれているケース
  • 体質にかかわる病状(冷え性、胃腸虚弱・虚弱体質、慢性疲労、自律神経失調など)
  • 運動器系の病気(筋肉痛、肩こり・腰痛・膝痛など)
  • 婦人科系の病気(更年期障害、生理痛、月経前症候群、子宮内膜症など)
  • アレルギー性の病気(気管支喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症など)
  • リウマチ性の病気(関節痛、慢性関節リウマチ、変形性関節症や骨粗鬆症の痛み、線維筋痛症など)
  • ストレス性の病気(ストレス性高血圧、ストレス性高血糖、ストレス性潰瘍、片頭痛、筋緊張性頭痛、過食症、不安・抑うつ、パニック障害、食欲不振、過敏性腸症候群、発汗異常など)

漢方・東洋医学科では、病気や治療に対して一般の西洋医学とは違った特別な立場がある、と聞きましたが本当ですか?

特別な立場があることは本当です。しかし、漢方・東洋医学の考え方や診療の方法は必ずしも一般の西洋医学と矛盾するものではありません。むしろ重要な部分では互いに通じ合っていて、相補い合っていると考えてよいと思います。
近年の高齢化社会の到来と生活様式の変化に伴って,生活習慣病やアレルギー・リウマチ性疾患など多臓器に同時に疾病を持つ全身の慢性疾患や心の病気、あるいは心と体の両方をおびやかすストレス病などが診療の中心となりました。それにもかかわらず西洋医学では臓器別の専門分野に細分化され、患者さんの全体像を把握することが困難になるといった現実に直面しています。本来あるべき医師の姿勢は、まず患者を全身的,全人的な観察から体系的に把握し,科学的に分析し,病態と病因を解明した上で,最適な治療を選択することにあると思われます。次に最新の医学としての科学性・妥当性、医療倫理・経済などの社会的配慮を根拠として,最良の生活療法や薬物療法を中心とする治療を提供・実践することが大切です。この過程で,「病状を正確に観察し記述する,病気よりも病人の現状を全体としてとらえ,将来の経過を正しく予知しようとする」というヒポクラテスの考え方は,西洋医学と東洋医学に共通して尊重されるべきであり忘れてはならない知恵です。
東西の医学を駆使することができ専門医は、こうした本来の医師の立場を大切にしています。

漢方薬に副作用はないのですか?

漢方薬も薬ですから副作用が生じることがあります。しかし、「漢方薬は副作用が無い」と思いこんでおられる方が圧倒的に多いようです。高齢者、妊産婦・授乳婦人、小児等では専門の立場から特に慎重に投与しています。たとえば甘草(かんぞう)という生薬に含まれるグリチルリチンという成分のために、大量に服用すると血清中のカリウムの値が下がり、むくんで、血圧が上がる、などの副作用が現れることがあります。また大黄(だいおう)という生薬に含まれるアントラキノン誘導体という成分のために、母乳を通して乳児に下痢を起こすことが知られています。これらの副作用は西洋薬のそれに比べれば軽いですし、西洋薬と異なり服用を中止すればすぐに治ります。また漢方薬が原因とみられる肝障害、間質性肺炎などの重い副作用は稀に報告があります。これらの副作用は、証(体質や病状)を考えずに西洋医学のように症状だけで漢方を処方してしまうと起こりやすいようです。その人に合わない薬が処方された場合には、生体はそれを拒絶しようとしますから、副作用を呈することは当然なことです。しかし、漢方に精通している専門医の処方であれば、副作用の心配はかなり減少します。

漢方薬と西洋薬を併用しても大丈夫ですか?

通常は問題ありません。西洋薬の副作用を軽減するために漢方薬を用いたり、漢方薬が効いてくるまで西洋薬を併用したり、併用によって治療がよりうまくいく場合も多いのです。症状が強いものだけに対して西洋薬を使い、マイルドな症状には漢方を用いたりします。
ここで杉並国際クリニックでの保険のお薬の処方の基本方針:
<3ステップ飯嶋方式>を簡単にご紹介いたします。

ステップ1:ミネラル・ビタミンの処方 生活指導のみでは不十分な場合(ただし、食事による摂取が優先されます。なお、原則として朝食を抜かないようにお勧めしています。具体的な処方例としては、たとえば喫煙者・禁煙努力中の方にはカルシウムとビタミンC、糖質過多、習慣的アルコール摂取者にはビタミンB1など)

ステップ2:漢方薬の処方 ステップ1では効果不十分の場合(「漢方は効かない」と思い込んでいる方では生活指導や栄養指導が不十分で、病気の原因を取り除く努力が不足している場合が多いようです。また、ステップ1の準備により、少量の漢方薬で効果を発揮し、副作用も抑える効果があることを多数経験しています。なお、漢方薬は体調ばかりでなく気分を安定させる効果を同時に発揮してくれます。)

ステップ3:現代薬の処方 ステップ2まででは効果不十分の場合(「現代薬は副作用が心配」と不安な方に朗報。ステップ2までの準備と調整によって、多くの症状が緩和されます。解決すべき問題が限られてくると、現代薬の種類や量も少なくて済みます。副作用も生じにくくなります。)