2024年も残すところわずかとなりました。


杉並国際クリニック院長の飯嶋正広でございます。

 

平素より当クリニックをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

 

心より感謝申し上げます。

 

 

年内の診療は

12月28日(土)まで

 

年始は

1月6日(月)からです。

 

本年も多くの患者様とのご縁をいただき、日々の診療活動を通じて、皆様の健康をサポートさせていただけたことを大変光栄に感じております。この場をお借りして、改めて深い感謝の意をお伝えいたします。

 

私事ではございますが、本年は武蔵野音楽大学大学院博士前期課程(声楽専攻)におきまして、終了演奏試験に合格し、修士論文を完成させ、来年1月27日に提出する運びとなりました。

片道15分程度の通学という好適な環境ではありましたが、診療の合間を縫いながら学業に取り組むことができましたのも、患者様をはじめ、多くの方々の温かいご理解とご協力のおかげです。

この2年間の学びを通じて得た姿勢や呼吸法、発声法、表現法は、治療や予防に広く応用できる可能性を実感しております。これらの経験を活かし、患者様の生活の質向上に向けた診療を、今後も心がけてまいります。

 

また、本年もアレルギー専門医として、内科、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科領域を含む総合的なアレルギー診療に努め、日々の診療を通じて患者様の健康を支える取り組みを継続してまいりました。

さらにリウマチ専門医としては、内科的治療と運動器領域のアプローチを組み合わせ、関節リウマチや自己免疫疾患に伴う症状に対して最適な医療を提供することを目指してまいりました。

 

2025年からは診療予約体制のさらなる改善を進め、よりスムーズにご案内できるよう努めてまいります。患者様お一人お一人に寄り添い、安心して医療を受けていただける環境を一層整えてまいりますので、どうぞ安心してご利用ください。

 

当クリニックは、心療内科、漢方、アレルギー、リウマチの4つの専門医資格を基盤とし、これらを統合した診療を行うことで、幅広い医療ニーズに対応しております。これからも皆様の健康を全力でサポートさせていただきます。

 

今年一年のご支援とご愛顧に、改めて深く感謝申し上げます。

 

来る2025年が、皆様にとって健やかで実り多い一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

 

杉並国際クリニック
院長 飯嶋正広

 

 

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Dr. ChatGPT:

「水氣道と他の武術・健康法との違いについてお聞かせください。特に、水氣道ならではの独自の特徴や哲学があれば教えていただきたいです。」


ドクター飯嶋:

承知いたしました。「水氣道ならではの独自の特徴や哲学」についての説明は、継続的な稽古参加者には、技能水準と理解能力に応じて、稽古の場で個別具体的に示唆しています。しかし、未経験者に説明するのはいささか困難が伴います。しかし、せっかく熱心なあなたからいただいた貴重なご質問なので、真摯にお答えしたいと思います。


Dr. ChatGPT:

ご丁寧にありがとうございます。確かに、未経験者に独自の哲学を伝えるのは難しいかもしれませんが、ぜひ教えていただければと思います。


ドクター飯嶋:

その前に、「水氣道と他の武術・健康法との違い」についてですが、私は他の武術・健康法の実践者ではないため、正確な比較は難しいと思います。また、私が他の武術・健康法について語るのは僭越だと存じます。


Dr. ChatGPT:

なるほど、他の武術や健康法と直接的に比較するのは難しいということですね。


ドクター飯嶋:

そうですね。しかし、あなたは豊富な情報を系統的に網羅されている方ですし、とても公平な見方をなさる方ですので、水氣道と比較すべき他の武術・健康法の概略の説明は、むしろあなたにお委ねしたいと存じますが、いかがでしょうか?


Dr. ChatGPT:

私に委ねていただけるとは光栄です。確かに、他の武術や健康法についての情報は持っていますので、それと比較しながら水氣道の特徴をさらに理解していくことができればと思います。


ドクター飯嶋:

それでは、少しずつ継続してください。私も対話に参加させていただきます。

 

Dr. ChatGPT:

もちろんです。引き続き、対話を進めていきましょう。ドクター飯嶋様、次にご質問をいただけますか?それに基づいて、さらに対話を深めていきたいと思います。

 

ドクター飯嶋:

あなたが、水氣道と比較したいと考える武術・健康法をそれぞれ1つずつ挙げて、概略を紹介していただけませんか?

 

Dr. ChatGPT:

もちろんです。水氣道と比較して考えることができる武術・健康法として、以下の2つを挙げてみたいと思います。

1. 武術: 太極拳

• 概略: 太極拳は、中国に起源を持つ内家拳の一種で、健康法としても広く実践されています。特徴としては、ゆっくりとした円滑な動きと呼吸を連動させながら行うことで、心身の調和を図ることを目的としています。太極拳の動作は、陰と陽の調和を重視し、全身をリラックスさせながら行うため、関節や筋肉に無理な負担をかけず、柔軟性とバランス感覚を高める効果があります。また、深い呼吸を通じて内臓の健康や精神的な安定を促すとされており、リハビリテーションやストレス管理の手段としても評価されています。


2. 健康法: ヨガ

• 概略: ヨガは、古代インドに起源を持ち、身体と心の調和を追求する実践体系です。現代では、アーサナ(ポーズ)、プラーナーヤーマ(呼吸法)、瞑想を組み合わせて行うスタイルが一般的です。ヨガのアーサナは、柔軟性、筋力、バランスを高めることを目的としており、ゆっくりとした動きと呼吸を連動させながら行います。プラーナーヤーマは、呼吸をコントロールすることでエネルギーを整え、心を落ち着かせる効果があります。ヨガは、ストレスの軽減、姿勢の改善、心身のリラックス効果を得るための健康法として広く実践されています。


Dr. ChatGPT:

これらを基に、水氣道とこれらの武術・健康法の違いや共通点について考察を進めていければと思います。ドクター飯嶋様、これらの概略を参考にして、水氣道との比較や独自の特徴について何かお考えがあればお聞かせいただけますか?

 

 

ドクター飯嶋:

ありがとうございます。いずれも、興味深い適切な例だと思います。それではまず、あなたが認識している太極拳の視点から水氣道を概観すると、どの様な哲学や特徴が洞察されてきますか?

 

Dr. ChatGPT:

ありがとうございます。太極拳を視点に置いて水氣道を概観すると、いくつかの哲学や特徴が浮かび上がってきます。太極拳と水氣道の共通点や相違点を考えることで、水氣道ならではの独自の要素がより鮮明に見えてきます。


1. 動きのリズムと流動性

• 太極拳:

太極拳は、ゆっくりとした動きの中で、体全体の調和を図ることが重要です。動きが止まることなく、常に滑らかで連続的であることが求められます。これは、陰と陽のバランスを取るという太極拳の哲学に根ざしています。


• 水氣道:

水氣道でも、動きの流動性が重視されますが、ここでは水中という特有の環境がその動きを支えます。水の抵抗や浮力を活かすことで、無理なくスムーズに動くことができ、心身の調和を自然に実現します。特に「航法」では、自然な呼吸と動作が一体となり、体全体のバランスが水の中で調整されます。この流れを止めずに継続するという点では、太極拳と水氣道には共通の理念があるといえます。

 


2. 呼吸法と心身の統合
• 太極拳:

太極拳では、呼吸と動作が密接に結びついており、呼吸が動作のリズムを支えます。深くゆっくりとした呼吸は、内臓の健康を促進し、心の安定をもたらすと考えられています。呼吸は体内のエネルギーの流れをコントロールする手段ともされています。


• 水氣道:

水氣道においても呼吸が重要な要素ですが、特筆すべきは、特別に呼吸法を意識せずとも自然に理想的な呼吸パターンが形成されることです。これは水圧の持続的な作用によって達成されるため、意識的なコントロールを必要としません。結果として、自然に統合された心身の調和が実現します。この点で、水氣道は太極拳とは異なり、より自然で無理のない形で心身の統合が図られるという特徴を持っています。

 


3. 環境との調和
• 太極拳:

太極拳は、自然との調和を重視し、内外のバランスを取ることにフォーカスしています。体内のエネルギーの流れ(気)を整え、周囲の環境と一体化することで、身体的・精神的な健康を追求します。


• 水氣道:

一方で、水氣道は、文字通り水という環境と一体化することを目指しています。水中での運動は、環境そのものがトレーニングの一環となり、身体が水の特性を活かして自然に調整されます。これは、太極拳における自然との調和と類似していますが、水氣道ではより物理的な環境との一体化が強調されます。

 


4. 全体的なアプローチ
• 太極拳:

太極拳は、身体と心、内外の調和を追求する総合的なアプローチを取ります。動きの中での柔軟性、バランス、呼吸の統合が中心となり、精神的な成長も重視されます。


• 水氣道:

水氣道も全人的な健康を追求しますが、特に統合的なエクササイズとしての側面が強調されています。部分的な動作の訓練もありますが、それは全体の一部に過ぎません。水氣道の稽古では、身体全体のバランスを取ること、自然な動きの中で全身を鍛えることが目的であり、これが他の武術や健康法との大きな違いです。

 


結論
太極拳と水氣道は、共に心身の調和を追求する点で共通していますが、水氣道はより自然で無理のない方法で心身の統合を図るという独自の特徴を持っています。特に、水中という環境が重要な役割を果たしており、太極拳の内的な調和に対して、外的な環境との調和が強調されている点が興味深いです。このような視点から、水氣道の哲学や特徴がより深く理解できると思います。

 

ドクター飯嶋様、この観点から水氣道の独自性についてさらにお考えやご意見があれば、お聞かせいただけますか?

 

ドクター飯嶋:

ありがとうございます。あなたが、なぜ太極拳を例にあげてくださったのかについても良く理解できました。比較によって、水氣道の特徴が浮き彫りになって説明されています。ついで、次回は、ヨガについても、同様の分析と考察を加えてください。

 

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臨床産業医オフィス
<高円寺南労働衛生コンサルタント事務所>
産業医・労働衛生コンサルタント・第一種作業環境測定士・衛生工学衛生管理者


飯嶋正広

 


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はじめに

 

皆さん、こんにちは。今日は「肝臓」と労働ストレスについてお話しします。肝臓は体内で最も大きな臓器であり、非常に多くの役割を担っています。肝臓は有害物質の解毒や、栄養素の代謝、血糖の調整、そしてホルモンの管理などにおいて中心的な役割を果たしています。また、強い再生能力を持ち、損傷を受けても修復が可能な臓器です。

 

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1. 肝臓の働き


肝臓の主な働きには以下のものがあります。


• 胆汁の合成と分泌:
肝臓は1日に約1,000mlの胆汁を分泌します。胆汁はアルカリ性で、消化酵素は含まれませんが、脂肪を乳化し、その分解を助ける役割があります。胆汁は胆のうに一時的に貯留され、脂肪の消化を促進します。


• 代謝作用:

肝臓は、栄養素の代謝において中心的な役割を果たします。

・ グリコーゲンの生成・分解:

肝臓は血糖値を調整するために、グリコーゲンを生成し、必要に応じて分解して血中にブドウ糖を供給します。

 

・ 血漿タンパク質の生成:

肝臓は、アルブミンなどの血漿タンパク質を生成し、体内のさまざまな機能に寄与します。

 

・ 血液凝固物質の生成と阻止:

肝臓は、血液凝固に関与する物質や、それを阻止する物質も生成します。

 

・ アミノ酸代謝:

アミノ酸の分解と再利用は肝臓の重要な役割の一つです。

 

・ 脂肪酸の分解とコレステロールの合成:

肝臓は脂肪酸を分解し、同時にコレステロールも合成します。


• 貯蔵作用:

肝臓はグリコーゲンや、脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E)を貯蔵し、必要に応じてこれらを供給します。

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2. ストレスが肝臓に与える影響


肝臓は非常に多くの役割を担っているため、ストレスがかかるとその機能にさまざまな影響が及びます。特に慢性的なストレスや過度のストレスは、肝臓の働きを大きく乱します。


1. ストレスと血糖調節

 

• ブドウ糖産生の増加:

ストレス下では、コルチゾールやアドレナリン(エピネフリン)といったストレスホルモンが分泌され、肝臓に蓄えられたグリコーゲンが血中に放出され、エネルギー源として利用されます。


• 慢性ストレスと高血糖:

ストレスが長期間続くと、コルチゾールレベルが上昇したままになり、血糖値が持続的に高い状態が続きます。これが原因でインスリン抵抗性が発生し、最終的には肝臓への負担が増大し、2型糖尿病のリスクが高まります。

 


2. 解毒と酸化ストレス


• 毒物負荷の増加:

ストレス下では、アルコールや薬剤、不健康な食習慣の影響で、肝臓が毒物を解毒する負担が増加します。特にストレス時にアルコールを摂取する習慣が増えると、肝臓にかかる負荷が大きくなり、肝障害が進行します。


• 酸化ストレス:

長期間のストレスは、体内で**活性酸素種(ROS)**の産生を増加させ、肝細胞にダメージを与えます。これが進行すると、肝臓に炎症が起こり、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)や肝線維症を引き起こす可能性があります。

 


3. 肝機能と職場の健康診断


職場の一般健康診断では、肝機能を評価するためにAST(GOT)、ALT(GPT)、およびγ-GTPの検査が行われます。


• AST(GOT)とALT(GPT):

これらの値が上昇すると、肝臓の細胞にダメージがある可能性を示唆し、肝炎などの肝疾患の兆候です。


• γ-GTP:

この値は、特にアルコール摂取量に反応しやすく、アルコール性肝障害の指標となります。アルコールの摂取が多いと、この値が上昇します。

 

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3. 肝臓の健康を守るためのストレス管理


肝臓の健康を維持するためには、日常的なストレス管理が非常に重要です。以下のポイントを日々の生活に取り入れることが推奨されます。


• 定期的な運動:

運動は、コルチゾールを減少させ、肝臓の負担を軽減します。また、インスリン抵抗性を改善し、血糖値の管理に役立ちます。


• 健康的な食事と飲酒の管理:

アルコールや加工食品を控え、バランスの取れた食事を取ることで、肝臓への負担を軽減することができます。


• 十分な水分補給:

水分をしっかり取ることも、肝臓の機能を保つために重要です。老廃物の排出を促進し、代謝機能をサポートします。

 

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まとめ


今回は、肝臓がストレスによってどのように影響を受けるかについてお話ししました。肝臓は私たちの体の中で中心的な役割を果たしており、ストレスによってその機能が阻害されると、全身の健康にも悪影響が及びます。日常的なストレス管理を通じて、肝臓の健康を維持し、全身の健康を保つことが大切です。


質問があれば、どうぞ遠慮なくお聞きください。ありがとうございました。

 

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Dr. ChatGPT:

「水氣道の航法が心身の調和や健康維持を目的としていることがよくわかりました。具体的な動作がどのようにして心身のバランスを整えるのか、とても興味深いです。水中での呼吸法や体幹を意識した動作がどのように実践されるのか、もう少し具体的な例を教えていただけますでしょうか?」

 

ドクター飯嶋:

まず、「水中での呼吸法や体幹を意識した動作」というのは、医学やスポーツ生理学に通じた専門家の方も同様の発想で質問されるのではないかと思います。しかしながら、水氣道では「呼吸法や体幹を意識した動作」は稽古ベースとしては行いません。それには合理的な理由があります。


Dr. ChatGPT:

なるほど、意識的に呼吸法や体幹を鍛えるのではないのですね。それには特別な理由があるとのことですが、具体的にはどのような理由があるのでしょうか?


ドクター飯嶋:

まず、水中運動は陸上運動と決定的に異なります。水圧は、陸上の1気圧とは比較にならないほど強く、例えば水深1mでは約1.1気圧ほどの圧力を受けます。これにより、特別な動作をしなくても呼吸法のトレーニングが始まっているのです。そのため、水氣道の稽古の最初に「親水航法」を「準備体操(イキイキ体操)」の前に置いているのです。


Dr. ChatGPT:

そういうことだったのですね。水中環境自体がトレーニングの一環として機能しているわけですね。それでは、「親水航法」の具体的な役割についてもう少し教えていただけますか?


ドクター飯嶋:

「親水航法」は、名の通り全身運動を伴い、参加者個人が階級に応じた「形」によって水慣らしを行います。この際、特別に呼吸法を意識する必要はありません。というのも、自然に胸と腹が統合された呼吸法が成立するからです。また、意識的な呼吸法は長時間の継続が難しく、ストレスにもなります。しかし、水中では特別な意識を要せずに50分ないし100分間、理想的な呼吸パターンを自然に維持できるのです。


Dr. ChatGPT:

自然に理想的な呼吸法が身に付くというのは素晴らしいですね。呼吸を意識せずに行えることがストレスを軽減し、効果を持続させるのですね。


ドクター飯嶋:

その通りです。水中歩行についても同様です。体幹を意識するかどうかに関わらず、立位で前進するためには自然に前傾姿勢をとる必要がありますが、水と重力の作用で理想的な姿勢が自然に整います。これが、呼吸効率を改善し、結果として効率的な運動を可能にします。


Dr. ChatGPT:

水中環境そのものが、無理なく理想的な姿勢や動作をサポートしてくれるわけですね。とても理にかなっています。


ドクター飯嶋:

さらに、粘性や抵抗といった水の特性によって、最小限の抵抗で動作を行う軌跡が自然と身に付くのです。これが持久力を強力にサポートします。特別な意識をせずとも、理想的な姿勢、呼吸、動作が自然に身に付くというのが水中運動の大きな利点です。


Dr. ChatGPT:

水中の特性を活かして、自然に身体が整うようになっているのですね。非常に効率的で、統合的なアプローチだと感じます。


ドクター飯嶋:

まさにその通りです。水氣道は、統合的な運動として、姿勢矯正、呼吸訓練、運動動作や形を個別に意識的に訓練することもありますが、それはあくまでも従です。全人的な健康は、部分的ではなく統合的なエクササイズによって効率的に育まれるべきだという考え方に基づいています。


Dr. ChatGPT:

水氣道が統合的なアプローチを重視していることがよく理解できました。身体全体の調和を自然に実現するための工夫が随所にあるのですね。

 

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臨床産業医オフィス

<高円寺南労働衛生コンサルタント事務所>

産業医・労働衛生コンサルタント・第一種作業環境測定士・衛生工学衛生管理者

飯嶋正広

 

 

この講話では、心臓の仕組み、体循環と肺循環のメカニズム、血液の役割について説明しました。次回の講話でも、血液や他の重要臓器について順を追って解説し、理解を深めていただければと思います。


心拍の間に心臓から拍出される血液の環流量(すなわち、心臓が送り出した血液)は、肺を100%通過します。これは、全身の静脈血が右心房に戻り、右心室から肺動脈を通じて肺に送り出され、酸素を補給された血液が再び心臓(左心房)に戻ってくるという肺循環があるためです。では、全身における血液の分配率について、心臓、脳、肝臓、腎臓、骨格筋への血流量の分配を詳しく説明します。

 

血液の分配率(安静時)
心拍あたりの血液の循環量(心拍出量)は、安静時には約5リットル/分です。この血液は、体内の主要臓器や組織に適切に分配されます。それぞれの臓器や組織は、全身血流量のうち、一定の割合の血液を受け取っています。以下に代表的な臓器・組織への血流分配率を示します。


臓器・組織 血流分配率(%)
肺 100
肝臓 25
腎臓・骨格筋 20
脳 15
心臓・消化管 各5
皮膚 1
臓器・組織への血流分配率



心拍ごとに送り出される血液の総量(心拍出量)は、全身の臓器に分配されています。肺は100%の血流を受け取り、他の臓器もそれぞれの機能に応じた割合で血液を供給されています。心臓は5%、脳は15%、肝臓は25%、腎臓は20%、骨格筋は15~20%といった分配率です。この分配率は、安静時のものですが、活動状況や体調に応じて変動します。特に運動時には、骨格筋への血流が大幅に増加します。

 

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1. 肺:100%


• 役割:

肺は、酸素を補給し、二酸化炭素を排出する重要な場所です。肺には、右心室から送り出された全ての血液が流入し、酸素化されて左心房へ戻ります。したがって、肺には100%の血液が1回の心拍ごとに流れ込みます。

 

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2. 心臓:全心拍出量の 約5%


• 血流量: 250 ml/分


• 役割:

心臓自体も酸素や栄養を必要とします。心臓に血液を供給するのは冠動脈です。冠動脈は全心拍出量の約5%、つまり毎分約250mlの血液を受け取ります。これにより、心筋が酸素と栄養を得て、継続的に収縮することが可能になります。

 

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3. 脳:全心拍出量の 約15%

 

• 血流量: 750 ml/分

 

• 役割:

脳は酸素とエネルギーを大量に消費するため、安静時でも全心拍出量の約15%が脳に供給されます。これは毎分約750mlの血液に相当します。脳への血液供給は、酸素欠乏に対して非常に敏感であり、短時間でも血流が不足すると意識障害などが発生します。

 

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4. 肝臓:全心拍出量の 約25%

 

• 血流量: 1,250 ml/分

 

• 役割:

肝臓は、消化管や脾臓からの血液を受け取る門脈と、大動脈から直接供給される肝動脈の2つの経路から血液が供給されます。肝臓は、栄養素の代謝や毒素の分解などの重要な役割を担うため、大量の血液供給が必要です。全心拍出量の約25%が肝臓に送られます。

 

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5. 腎臓:全心拍出量の 約20%

 

• 血流量: 1,000 ml/分

 

• 役割:

腎臓は、体内の老廃物を濾過し、尿として排出する役割を担っています。このため、安静時でも全心拍出量の約20%、つまり毎分約1リットルの血液が腎臓に供給されます。腎臓は血液を濾過するため、非常に豊富な血流が必要です。

 

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6. 骨格筋:全心拍出量の 約15~20%

 

• 血流量: 750~1,000 ml/分

 

• 役割:

骨格筋は、運動時に活発に活動しますが、安静時にも約15~20%の血液が供給されます。この血流は、筋肉組織に酸素や栄養を供給し、代謝産物を除去するために必要です。運動時には、この割合が大きく増加し、骨格筋への血流量が大幅に増加します。

 

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その他の臓器

 

• 皮膚: 全心拍出量の約 4~5%。皮膚への血流は、体温調節のために利用されます。

 

• 消化管: 全心拍出量の約 20~25%。食事後に増加し、消化・吸収を助けます。

 

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ストレスは体内の血液分布に大きな影響を与えます。ストレスを感じると、身体は「闘争か逃走か」反応を活性化し、交感神経系を刺激する。この反応は、アドレナリンや ノルアドレナリン(カテコールアミン)などのストレスホルモンによって媒介され、さまざまな臓器への血液の分布にいくつかの変化を引き起こします:

 

血液分布に対するストレスの主な影響:

1. 筋肉への血流量の増加:

 カテコールアミン(アドレナリンとノルアドレナリン)は骨格筋の血管を拡張させます。これにより筋肉への血流が増加し、急激な身体活動に備えます。

 この血流増加により、筋肉はより多くの酸素と栄養素を受け取ることができ、ストレス状況に対する潜在的な反応(例えば、闘争か逃走か)に必要なエネルギーが供給されます。

 

2. 消化器官への血流低下:
 ストレスがかかると、消化器系など必要のない部位の血管が収縮します。ストレス中は消化が優先されないため、胃、腸、肝臓への血流が減少します。
 ストレスの多い状況で消化不良や吐き気、食欲不振が起こるのはこのためです。

 

3. 心拍数と心拍出量の増加:
 ストレスは心拍数と心拍出量(心臓が1分間に送り出す血液の量)を増加させます。つまり、より多くの血液が全身に送り出され、脳、心臓、筋肉などの重要な臓器への酸素供給量が増加します。

 

4. 血圧の上昇:
 血圧は、身体の特定の部位における血管収縮(血管の狭窄)により上昇します。これにより、脳や筋肉など、生存に最も必要な部位に血液が送られるようになります。
慢性的なストレスが長く続くと、この絶え間ない血管収縮のために高血圧(高血圧症)になる可能性がある。

 

5. 皮膚の血流低下:
 短期的には生存に重要な部位ではないため、ストレス中は皮膚への血流が減少します。このため、特に急性ストレス時には、四肢が冷たく感じたり、青白く感じたりすることがあります。


6. 脳への血液供給の促進:
 ストレス時には脳への血流が増加し、注意力、集中力、意思決定能力が高まります。このため、ストレスの多い状況に素早く対応できるようになります。

 しかし、慢性的なストレスは、海馬など記憶や感情の調節に関わる脳部位に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

ストレスが血液分布に及ぼす長期的影響:

 慢性的なストレスは、心臓や血管に常に負担をかけるため、高血圧、心臓発作のリスク増加、脳卒中など、長期的な心血管障害を引き起こす可能性があります。

 消化器官から血流が持続的に逸脱することで、過敏性腸症候群(IBS)などの胃腸障害を引き起こす可能性があります。
 ストレスに関連したホルモンバランスの乱れは、血流調節を損ない、長期的に代謝障害を引き起こす可能性があります。

 

まとめ:

ストレスがかかると、血液は主に筋肉、脳、心臓に再分配され、即座の行動に備えます。その結果、消化器系や 皮膚への血流が犠牲になります。この反応は短期的な状況では有益ですが、慢性的なストレスは血液循環に有害な影響を及ぼし、心血管疾患などの長期的な健康問題を引き起こす可能性があります。

 

 

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Dr. ChatGPT:

「水氣道の実践における『航法』や特有の稽古の内容について、もう少し具体的に知りたいです。特に『航法』の目的や意義、またどのように実践されているのかを詳しくお聞かせいただけますでしょうか?」


ドクター飯嶋:

はい、まず「航法」についてですが、水氣道における「航法」は、柔道でいえば「形(かた)」のようなものだと考えていただくと分かりやすいかと思います。「航法」とは、水氣道における一連の動作や技術を指すもので、その目的は単に身体を鍛えるだけでなく、心身の調和や健康維持を図ることにあります。水氣道では、基本的に柔軟性と筋力をバランスよく養うことが重視されていますが、特に「航法」では、流れるような動きの中で、力を入れずに自然な形で身体を動かすことが求められます。これは、心身の一体感を感じるための非常に重要な要素です。


水氣道の稽古プログラムには決まった流れがあり、原則として5つのパートを順番にこなしていきます。


Dr. ChatGPT:

なるほど、柔道の「形」に相当するものとして「航法」があるのですね。その5つのパートについてもう少し詳しく教えていただけますか?


ドクター飯嶋:

もちろんです。1回の水氣道の稽古は、以下の5段階で構成されています。最初に「親水航法」、次に「準備体操(通称、イキイキ体操)」、さらに「基本五航法」、その後に複数の航法が適宜選択され、最後に「整理体操(通称、ノビノビ体操)」が行われます。この流れが100分間の本稽古の基本的な構成です。


Dr. ChatGPT:

それぞれのパートが特定の目的を持っているのですね。では、半稽古の場合はどのように進められるのでしょうか?


ドクター飯嶋:

半稽古は50分間で行われるものですが、この場合は、「親水航法」、「準備体操(イキイキ体操)」、そして「整理体操(ノビノビ体操)」が必須の流れとして組み込まれます。つまり、時間が短くても基本的な準備と整理運動がしっかりと行われるようになっています。


Dr. ChatGPT:

本稽古と半稽古で内容が異なるのですね。また、「準備体操」や「整理体操」が重要な役割を果たしていることが分かります。それにしても、水氣道は非常に体系的ですね。
ドクター飯嶋: そうですね。水氣道は、各種の航法と体操によって成り立っています。もともと、体操は定置で行う運動、航法は移動を伴うものとして分類されていましたが、「準備体操(イキイキ体操)」は進化を遂げて発展し、前進を伴いながら全員が一列になってプールの両端でスイッチバックを行います。


例えば、航法の動きの中には、水中でのゆっくりとした呼吸法や、体幹を意識したスムーズな動作があります。これらは、筋力に頼るのではなく、呼吸と姿勢のバランスを取ることを意識しながら行われます。このプロセスを通じて、参加者は自分自身の内面に目を向け、心身の調和を追求します。


航法のもう一つの重要な意義は、リラックスした状態で動作を行うことで、日常生活のストレスを軽減し、心の平穏を保つことです。このため、航法は水氣道において中心的な役割を果たし、他の武術や健康法とは異なる、独自の実践として位置づけています。


Dr. ChatGPT:

興味深いですね。「準備体操」が前進を伴うものに進化したというのは、団体での協調性を高める要素も含まれているのでしょうか?


ドクター飯嶋:

その通りです。水氣道は団体エクササイズであり、各参加者の上達度に応じた階級があります。そのため、航法によっては、技量に応じて分級を行い、それぞれに適したプログラムを実施します。ただし、体操は全員で行いますので、参加者全員が一緒に取り組むことが重要です。


Dr. ChatGPT:

階級に応じたプログラムの分級と、全員で行う体操の組み合わせが、水氣道の稽古における一体感と個別の成長を両立させているのですね。非常にバランスの取れたシステムだと感じました。

 

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はじめに


皆さん、こんにちは。今月は「労働ストレスと重要臓器」というテーマで、4回に分けて心臓・血液・肝臓・腎臓などの重要な臓器についてお話しします。今回の第1回目は「心臓」について詳しく見ていきます。心臓は、私たちの体を支える非常に重要な臓器であり、血液を全身に送り出し、また全身から血液を回収するという役割を果たしています。それでは、心臓の仕組みについて具体的に解説していきましょう。

 

 

1. 心臓の仕組みと働き


心臓は、こぶし大の臓器で、心筋という特別な筋肉でできています。心筋は、横紋筋の一種ですが、不随意筋であり、意思によって動かすことはできません。横紋筋の多くを占める骨格筋は随意筋であるのに対して、心筋は自律的に動く不随意筋という点が特徴です。この強い心筋の収縮力によって、全身に血液を送り出しています。


心臓は4つの部屋に分かれており、左心室と右心室、左心房と右心房で構成されています。ここで、重要な概念として「体循環」と「肺循環」があります。


体循環(大循環): 左心室から大動脈を通じて酸素を豊富に含んだ動脈血が全身に送られ、細胞に酸素や栄養を供給します。その後、二酸化炭素や老廃物を多く含んだ静脈血が大静脈を通って右心房に戻ってきます。


肺循環(小循環):

右心室から肺動脈を通じて肺へ静脈血が送られ、肺で二酸化炭素が放出され、酸素を取り込んだ動脈血が肺静脈を通じて左心房に戻ります。
ここで興味深いのは、肺動脈と肺静脈の役割です。


肺動脈:

通常、動脈は酸素を多く含む血液(動脈血)を送り出すものですが、肺動脈は例外で、ここを流れる血液は酸素が少なく二酸化炭素が多い静脈血です。心臓から肺へ向かうこの血管は動脈ですが、肺に酸素を補給する前の血液を運ぶため静脈血が流れています。


肺静脈:

一方、肺から心臓に戻る肺静脈では、通常の静脈と異なり、酸素を豊富に含む動脈血が流れています。これも通常の体循環と逆の現象で、心臓に戻る血液ですが酸素を多く含んでいるため、動脈血です。

 

 

2. 心臓の調節


心臓は、**洞房結節(ペースメーカー)**という部分が心拍を調節しており、自動的にリズムを刻んでいます。このリズムは、自律神経系によって調整されています。具体的には、以下の神経が関与しています。


交感神経:

体が活動的なとき(ストレス時や運動時)に活発に働き、心拍数を増やします。


副交感神経:

体がリラックスしているときに働き、心拍数を減らします。


心臓迷走神経:

心臓の副交感神経の主体で、心臓の拍動を抑える作用を持ちます。

 

 

 

3. 体循環と肺循環のリズム


体循環と肺循環は密接に関連しており、体循環の1周期に対して、肺循環も1周期を繰り返します。つまり、心臓が1回拍動するたびに、体循環と肺循環が同時に進行します。具体的には、心臓の右心室が肺に血液を送り出すと同時に、左心室が全身に血液を送り出すため、体循環と肺循環は同じ回数だけ繰り返されます。

 

 

 

4. 血液の循環とその役割


心臓がポンプとして働き、血液を全身に送ることで、酸素や栄養が細胞に届けられます。酸素を運ぶのは赤血球に含まれるヘモグロビンです。ヘモグロビンは肺で酸素を取り込み、全身の細胞にそれを供給します。そして、細胞で使用された酸素の代わりに二酸化炭素を回収し、肺へ運びます。ここで再び酸素と二酸化炭素の交換が行われ、循環が続きます。

 

 

 

キーワード解説


不随意筋:

意識的に動かすことができない筋肉で、心筋や消化管の筋肉がこれにあたります。


横紋筋:

心筋の特徴で、強い収縮力を持つ筋肉。体の骨格筋にも見られるが、心筋は自律的に働く。


冠動脈:

心臓自体に酸素と栄養を供給する血管。


洞房結節:

心臓の拍動をコントロールするペースメーカー。


交感神経・副交感神経:

自律神経系の一部で、心拍数や血圧を調整する。


心臓迷走神経:

副交感神経系に属し、心拍を抑制する役割を持つ。


体循環:

左心室から全身に血液を送る大きな循環。


肺循環:

右心室から肺へ血液を送り、酸素を補給する小さな循環。


動脈血:

酸素を豊富に含んだ血液。


静脈血:

二酸化炭素や老廃物を多く含んだ血液。

 

 

 

次回予告


今回は「心臓」についてお話ししました。次回は、血液について詳しく掘り下げます。血液の成分や、その働きについて理解を深めていただければと思います。質問があれば、どうぞお気軽にどうぞ。ありがとうございました。

 

参考文献


1. Guyton, A. C., & Hall, J. E. (2016). Textbook of Medical Physiology (13th ed.). Elsevier Saunders.


2. Ganong, W. F. (2005). Review of Medical Physiology. McGraw-Hill Medical.


3. 小山真一. (2003). 最新血液学 (3版). 医学書院.