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先週に引き続いて、空気嚥下の問題です。私たちは、無意識に空気を嚥下してしまうことがあります。意識的に行っている訳ではないので、意識的にコントロールすることは難しいといえます。しかし、そのメカニズムを知ることによって、無意識を意識化できるかもしれません。

 

 

質問者(ドクター飯嶋)
無意識に空気を嚥下してしまう際のメカニズムについて教えてください。

 


ChatGPT
無意識に空気を嚥下(飲み込む)するメカニズムは、通常、嚥下反射と呼ばれる生理学的なプロセスによって制御されています。以下に、そのメカニズムの概要を示します。


1.気道の閉鎖:

嚥下が開始されると、最初に気道が閉鎖されます。これは、誤って食物や液体が気道に入るのを防ぐための重要なステップです。気道の閉鎖は、喉頭(喉の上部)の声帯や軟口蓋などの構造によって行われます。


2.舌の後退:

嚥下が始まると、舌が後退して口蓋弓(口の奥の軟口蓋の部分)を持ち上げ、口蓋弓と舌の間に舌圧が生じます。これにより、食物や液体が気道に入らないようになります。


3.嚥下筋の収縮:

嚥下が続けられると、嚥下筋と呼ばれる筋肉群が収縮します。これらの筋肉には、喉頭下筋、舌骨筋、咽頭横筋、食道などが含まれます。これにより、食物や液体が咽頭を通過し、食道に送られます。


4.食道の開口:

嚥下が終了すると、食道の下部が開口し、食物や液体が胃へと移動します。この過程は、食道の収縮と拡張によって制御されます。


これらのプロセスは、通常、無意識的に制御されます。ただし、状況によっては、意識的なコントロールが必要な場合もあります。例えば、食べ物や液体を誤って気道に送ってしまった場合、咳反射が起こります。

 

 

ドクター飯嶋のコメント:


ここで、「嚥下反射」とか「咳反射」といった言葉が登場します。「反射」のメカニズムは無意識のプロセスであるため、条件が加わった後は意識的にコントロールすることは困難です。

 

それにもかかわらず、ムッシュGPTが「意識的なコントロールが必要」な場合もあると回答しています。これは、一見して矛盾していて誤りのように受け止められるかも知れませんが、必ずしもそうとは言い切れません。

 

ただいま申し上げたように、「反射」という生理現象が発生するためには、その引き金となる条件が必要だからです。つまり、「反射」そのものを意識的に制御することは不可能であっても、それの前提となる条件は意識的にコントロールできる可能性があるからです。ただし、その場合でも即効性のある方法は限られているかもしれません。

 

なぜならば、「嚥下反射」や「咳反射」は生理現象であって、生体にとって必要不可欠な生理的メカニズムだからです。ですから、こうした生理的な身体の働きが衰えないように維持するという視点が大切になってきます。


2.舌の後退、3.嚥下筋群のそれぞれの働き、少なくとも、この二つの働きが正常に維持されるように日頃からトレーニングしておくことが望ましい対策なのではないでしょうか。


私は、『水氣道』に加え、言葉の訓練(日本語の朗読や演劇、外国語学習など)、本格的な発声法に基づく歌唱の訓練(例:『聖楽院』活動)などはこれからも続けていきたいし、是非、皆様にもお勧めしたい方法としてご紹介したり、できれば、ご一緒に続けていきたいものと考えている次第です。

 

 

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理想的な団体エクササイズとしての諸条件の第二として、ムッシュGPTは、安全性について指摘しています。

 

前回私は、この安全性こそが、最も大切な条件である条件であると述べました。そして、エクササイズの安全性とは「運動障害が少ないこと」が目安になるという見方を示しました。

 

それでは、この最重要課題である「安全性」を確保するためには、どのような環境が望ましいか?ということを最重要課題として勘案してデザインしたのが「水氣道」なのです。そこで安全性確保の視点から、エクササイズの場として水中と陸上の比較についての質問を再度試みました。

 

 

 

<理想的な団体エクササイズの条件 ➁安全性の確保>

 

インタヴュアー:ドクター飯嶋

 

健康寿命の延長と疾病防止のために安全な団体での生涯エクササイズの場について、屋外の陸上と屋内の水中では総合的に勘案すれば、どちらの方が優れているでしょうか?

 


ChatGPT
健康寿命の延長と疾病防止の観点から、屋外の陸上エクササイズと屋内の水中エクササイズの両方には利点がありますが、総合的には以下の観点から、屋内の水中エクササイズが優れていると考えられます。


1. 低負荷運動:

水中エクササイズは関節や筋肉に負担が少ないため、怪我や過度のストレスのリスクが低いです。特に、高齢者や関節の問題を抱える人にとって、安全で効果的な選択肢となります。

 

2. 全身のトレーニング:

水中でのエクササイズは全身を効果的に鍛えることができます。水の抵抗により、筋力や持久力の向上が期待できます。


3. 心臓血管機能の向上:

水中での有酸素運動は心臓血管系に負担をかけずに行うことができます。心臓血管機能の向上に役立ちます。


4. 安定性と安全性:

水中エクササイズは水の浮力を利用して行うため、バランスや安定性が向上し、転倒やケガのリスクが低減します。また、救命措置が必要な場合にも水中で行うことができます。


5. 季節や天候の影響を受けにくい:

屋内のプールで行う水中エクササイズは、季節や天候の影響を受けにくいため、一年中安定して継続することが可能です。


以上の理由から、特に高齢者や関節の問題を抱える人、安全性を重視する人にとって、屋内の水中エクササイズが健康寿命の延長や疾病防止の観点から優れていると考えられます。

 

しかし、個々の健康状態や好みによって最適な選択肢は異なるため、自身の状況に応じて適切なエクササイズを選択することが重要です。

 


ドクター飯嶋のコメント:


屋外での陸上エクササイズと比較して「屋内の水中エクササイズが健康寿命の延長や疾病防止の観点から優れている」とムッシュGPTは結論付けています。

 

ただし、慎重な回答をする彼は「特に高齢者や関節の問題を抱える人、安全性を重視する人にとって」という断り書きを加えていることも参考にしていただきたいと思います。

 

言い換えれば、これらの該当する方々にとっては、屋内の水中エクササイズのメリットが特に大きいということです。しかも、この指摘は、生涯エクササイズである水氣道の優位性の根拠としては、とても大切な本質的特徴と深く結びついていることになります。

 

 

 

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企業の衛生委員会における産業医の「衛生講話」

 

第12回:特論➁職業性疾病・労働災害としての腰痛(その2)

 

国には目的に応じての対策(国策)があります。

これは、一般的な指針という行政指導の形で提示されます。

 

これに対して、実際にこれを実践する主体は、あくまでも個々の企業や個人の対策に基づく実践に他なりません。

 

腰痛予防の管理法

1)健康診断

2)腰痛予防体操:ストレッチを中心とした腰痛予防体操の実施

3)注意事項:腰痛は再発する可能性が高いため、腰痛による休職者が職場に復帰する際には、産業医の意見を聴いて、必要な措置をとるべきです。

 

腰痛健康診断の健診項目

① 業務歴の調査

➁ 既往歴の調査:腰部に関する病歴およびその経過など

③ 自覚症状の有無の調査:腰痛、下肢痛、下肢筋力減退、知覚障害等

④ 脊椎の検査:姿勢異常、脊椎の変形等

⑤ 神経学的検査:神経伸展検査、深部腱反射等の検査

⑥ 脊柱機能検査:クラウス・ウェーバーテストまたはその変法(腹筋力、背筋力などの機能検査)

 

 

なかでも、とりわけ、病歴と自覚症状の確認が鍵になります。

ここで、典型的なよくある質問を紹介し、その質問に対して一般的な回答を試みます。

 

<質問>

職業性の腰痛が、下肢痛、下肢筋力減退、知覚障害などの諸症状を併発することがあるのはなぜですか?

 


<回答>

理由となる背景はいくつか考えられます。

 

1.神経根の圧迫: 腰椎の椎間板や椎間孔の狭窄、腰椎の変形などが原因で、神経根(脊髄から脊椎を出ている神経の一部)が圧迫されることがあります。この場合、圧迫された神経根が下肢に放射痛や知覚障害を引き起こし、また、神経支配する筋肉の力が低下することで下肢筋力減退も起こることがあります。


2.椎間板ヘルニア: 腰椎の椎間板が損傷し、内部のゲル状の物質が椎間板の外に突出することがあります。この状態を椎間板ヘルニアと呼びます。ヘルニアが神経根を圧迫することで、下肢に痛みや知覚障害を引き起こすことがあります。


3.筋肉の不均衡: 腰部の筋肉の不均衡や弱さが、腰部の安定性を損ない、腰椎やその周囲の構造に負担をかけることがあります。これにより、神経の圧迫や姿勢の変化が引き起こされ、下肢痛や筋力減退が生じることがあります。


4.姿勢の問題: 長時間同じ姿勢を続けたり、不適切な姿勢を取り続けたりすることが腰痛や下肢痛の原因になることがあります。例えば、前かがみの姿勢や偏った姿勢を取ることで、腰椎やその周囲の組織に負担がかかり、痛みやその他の症状が発生する可能性があります。

 

これらの要因は個々の症例によって異なりますが、多くの場合、複数の要因が組み合わさって腰痛やその他の症状が生じることがあります。

 

次回は、具体的な対策について考えていきたいと思います。

 

6月10日PDF

 

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実は、私自身もしばしば経験することがあるのは、口内の自傷です。自傷といっても意図的に行うのではなく、あくまでも無意識に発生してしまうものなのですが、その引き金になる誘因については、いくつか思い当たる節があります。

 

また、そのような経験は決して珍しいことではありません。それでは、ムッシュGPTの見解を確認してみることにしてみましょう。

 

 

質問者(ドクター飯嶋)


最近になって、誤って、うっかりと唇や頬の内側の粘膜を噛んでしまうことが増えてきました。どのような原因が考えられるでしょうか?

 


ChatGPT


唇や頬の内側の粘膜を噛むことが増えてくる原因はいくつか考えられます。以下にいくつかの可能性を挙げてみます:

 


1. ストレスや不安:

ストレスや不安が増えると、無意識のうちに噛む習慣が強まることがあります。ストレスが増えたり、精神的な負担が増えたりすると、口の周りの筋肉が緊張しやすくなり、噛む動作が増えることがあります。


2. 神経性の習慣:

一部の人々は、ストレスや不安を感じていなくても、神経性の習慣として唇や頬の内側の粘膜を噛むことがあります。これは、無意識のうちに続けてしまう習慣であり、しばしばストレスや緊張から生じることもあります。


3. 歯並びの問題:

歯並びが悪い場合、歯や咬合が合わないと、うっかりと唇や頬の内側の粘膜を噛んでしまうことがあります。特に、歯が突き出ている場合や歯並びが乱れている場合に起こりやすいです。


4. 口腔内の異常:

口腔内に潜在的な異常がある場合、例えば口内炎や歯肉の腫れなどがあると、噛んでしまうことが増えることがあります。この場合、痛みや不快感が刺激となって、無意識のうちに噛んでしまうことがあります。


これらの可能性の中から、自分に当てはまる要因を見つけることが重要です。問題が続く場合は、歯科医や口腔外科医に相談して専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

 

 

ドクター飯嶋のコメント:


私の患者さんでの経験は、1と4が多いです。1については、患者さん自身がストレスとは感じていなくとも、慢性的な疲労状態であって気が付かないケースもたくさん診てきました。4については、3との関連が密ですが、歯槽膿漏や歯周病を患っている患者さんから報告を受けたことがあります。


アレルギー性鼻炎を放置すると喘息が起こりやすく、治りにくくなるように、歯科治療を先の延ばしにしておくと、胃腸症状が発症したり、増悪したりしてしまうことがありますので、早目に対策しておくことが得策だと思います。


実は私自身でも、上記のうち、1を除いて、2,3,4のいずれも個人的に思い当たる経験があります。

3.の歯並びについては、それが悪くなくとも、虫歯や歯科治療中に経験したことがあります。

 

4.に関しては治療により歯列や咬合状態が変化すると発生しやすいかもしれません。また歯科で局所麻酔を受けると口腔内の痛覚ばかりでなく触覚が一時的に麻痺するため、頬の粘膜を自ら傷付けてしまうことを経験しました。


意外に気が付かれていないのは2.神経性の習慣、についてです。

 

私は、習慣化しないように気をつけて対応しています。たいていは、2,3回の繰り返しで済んでしまいます。

 

しかし、無意識で行ってしまう原因についてはあまり深く考えてみたことはありませんでした。この点については、次回検討してみましょう。

 

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<理想的な団体エクササイズの条件➁ 安全性>

 

理想的な団体エクササイズとしての諸条件の第二として、ムッシュGPTは、安全性について指摘しています。

むしろ私は、この安全性こそが、最も大切な条件である条件であると考えています。

 

エクササイズの安全性とは何か?ということですが、言い換えれば、「運動障害が少ないこと」が目安になると私は考えています。

 

こうした問いに対する回答は、ややもすれば陸上運動を主とする情報によって回答される可能性が高いです。

ですから、この質問に関しても以下の様に、水中と陸上の比較という視点から質問を試みました。

 

 

インタヴュアー:ドクター飯嶋


健康寿命の延長と疾病防止のために運動障害の少ない団体での生涯エクササイズの場について、屋外の陸上と屋内の水中では総合的に勘案すれば、どちらの方が優れているでしょうか?

 


ChatGPT


運動障害の少ない団体での生涯エクササイズの場について、屋外の陸上と屋内の水中を総合的に勘案すると、屋内の水中エクササイズが優れていると考えられます。以下にその理由を示します。


1. 低負荷運動:
水中エクササイズは水の浮力を利用して行うため、関節や筋肉への負荷が少なく、運動障害のリスクが低いです。特に高齢者や関節の問題を抱える人にとって、安全で効果的な選択肢となります。


2. 安定性と安全性:
水中エクササイズは水の浮力により安定性が高まり、転倒やケガのリスクが低減します。また、水中での救命措置が容易に行えるため、安全性が確保されます。


3. 全身のトレーニング:
水中エクササイズは全身を効果的に鍛えることができます。水の抵抗により、筋力や持久力の向上が期待できます。


4. 心臓血管機能の向上:
水中での有酸素運動は心臓血管系に負担をかけずに行うことができ、心臓血管機能の向上に役立ちます。また、水中での運動は循環系に対する負荷が軽減されるため、心臓病や高血圧などの疾患を持つ人にも適しています。


5. 季節や天候の影響を受けにくい:
屋内のプールで行う水中エクササイズは、季節や天候の影響を受けにくいため、一年中安定して継続することが可能です。

 

以上の理由から、運動障害の少ない団体での生涯エクササイズの場として、屋内の水中エクササイズが健康寿命の延長や疾病防止の観点から優れていると考えられます。

 

 

ドクター飯嶋のコメント:


ムッシュGPTは、水氣道は一般の陸上のエクササイズよりも、安全性を管理するためには優れていることを説明しています。


その根拠として、あらゆる健康エクササイズにとって重要な5つの側面を挙げています。

直接の根拠は、2の「安定性と安全性」
という理由だと思います。


水氣道の入門者の中には、水中で足元がふらつくことに不安を感じることを報告される方が少なくありませんが、実は、陸上の歩行でもふらついているのですが気が付かないでいるだけのことが多いように観察されます。


水氣道の稽古を通して、この不安定で危険な「ふらつき」から安定的で安全な「揺らぎ」へと転換していくことが自然に身についていきます。


水氣道は、生きるということは、揺らぎのある自然環境の中に自らの心身を委ねることだということを示唆してくれます。そして、特段の意識をしなくても上手に「揺らぎながら暮らし続ける」という能力が備わってくるのです。


このように水氣道の暫定的で簡潔な定義の中に盛り込めなかった重要な要素も、これらの説明文の中に見出すことができます。とくに下線部に注目してください。

 

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企業の衛生委員会における産業医の「衛生講話」

 

第11回:特論①職業性疾病・労働災害としての腰痛(その1)

 

職場での腰痛は、休業4日以上の職業性疾病のうち6割を占める労働災害となっています。


厚生労働省(旧労働省)は、古くから及び等による行政指導が進めていました。
そこで、まず、腰痛予防に関する厚生労働省(旧労働省)の行政指導の歴史の概略を振り返ってみましょう。

 

昭和45年7月10日付け「重量物取扱いにおける腰痛の予防について」(基発第503号)

 

昭和50年2月12日付け「重症心身障害児施設における腰痛の予防について」

 

さらに、その後は、高齢者介護などの社会福祉施設での腰痛発生件数が大幅に増加している状況が始まりました。

 

そのため、そのような背景のもとに、厚生労働省は平成6年の策定された「職場における腰痛予防対策指針」を19年ぶりに改定して、更なる腰痛予防対策の充実を図るとしました。

 

 

平成6年9月6日付け「職場における腰痛予防対策の推進について」(基発547号)

 

新しい指針の主な改定事項は次のとおりです。

 

1)介護作業の適用範囲・内容の充実

・「重症心身障害児施設等における介護作業」から
「福祉・医療等における介護・看護作業」全般に適用を拡大

 

・腰部に著しく負担がかかる移乗介助等では、リフト等の福祉機器の積極的使用を推奨

原則として人力による人の抱上げは行わせないことを記述

 

 

2)リスクアセスメント、労働安全衛生マネジメントシステムの手法を記述

 

・リスクアセスメントは、

 

❶ ひとつひとつの作業内容に応じて、

 

❷ 災害の発生(ここでは腰痛の発生)につながる要因を見つけ出し、

 

❸ 想定される傷病の重篤度(腰痛に関しては腰部への負荷の程度)、作業頻度などからその作業のリスクの大きさを評価し、

 

❹リスクの大きなものから対策を検討して実施する
といった手法(労働安全衛生法第28条の2)で実施する

 

・労働安全衛生マネジメントシステムは、
事業場がリスクアセスメントの取組を組織的・継続的に実施する仕組み
(労働安全衛生規則第24条の2)

 

・これらは、いずれも労働災害防止対策として取り組まれているものである。
しかし、腰痛予防対策においてもこれらの手法が効果的であることから改訂指針に明記

 

 

3)一部の作業について、職場で活用できる事例を掲載:

チェックリスト、作業標準の作成例、ストレッチング(体操)方法など
重量物取り扱い作業や介護作業など、腰部に著しい負担のかかる作業に常時従事する労働者に対しては、作業へ配置する前およびその後6カ月以内ごとに1回、健康診断を実施する必要があります。

 

次回は、職場で実施可能な腰痛予防の管理法について紹介します。

 

 

6月17日PDF

 

 

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先週の話題をより身近な質問を題材にして再検討してみましょう。


ある日、私のクリニックの会員患者のお1人が、「飯嶋先生のようなライフワークを続けていれば誤嚥性肺炎にはなりにくそうですね?」と発言されました。

 

私は、誤嚥性肺炎防止を念頭に置いて毎日を過ごしている訳ではないのですが、「確かに、一理ある」と思いました。しかし、それと同時に、この発想を検証するのは難しいであろうことも考えました。そこで、次のような質問を用意してみることにしました。

 

 

インタヴュアー(ドクター飯嶋)


空気嚥下症により腹部膨満に苦しむ患者が、誤嚥による肺炎を予防するために、外国語の勉強をして適切な発音を学んだり、クラシック声楽を楽しんだりすることは有効な手段の一つとなり得るでしょうか?

 

 

ChatGPT

空気嚥下症による腹部膨満を予防するために、外国語の勉強やクラシック声楽を通じて適切な発音を学ぶことは、一般的な予防方法とは異なりますが、効果的な手段となり得ます。以下にその理由を示します。


1. 呼吸トレーニング:

外国語の勉強やクラシック声楽の練習は、呼吸技術や制御を向上させることができます。適切な呼吸パターンを習得することで、口や喉に余分な空気を含まないようにし、空気嚥下のリスクを減らすことができます。


2. 発声と嚥下の連動:

声楽のトレーニングや外国語の発音練習では、喉や口の筋肉の調整が必要とされます。これにより、正確で制御された発声が可能となり、嚥下時に口や喉に空気が進入するリスクを減らすことができます。


3. 気道の制御:

外国語の発音や声楽の練習を通じて、気道の制御が向上します。このため、誤嚥や肺に空気が入るリスクが減少し、肺炎を予防する助けとなります。


ただし、これらの方法が必ずしも効果的であるかどうかは個々の状況や能力によります。空気嚥下症の症状や原因にはさまざまな要因が関与するため、個別の治療計画を医師や言語聴覚士と相談することが重要です。それに加えて、呼吸療法や嚥下リハビリテーションなどの専門的なアプローチも検討されるべきです。

 

 


ドクター飯嶋のコメント:


ムッシュGPTは一般的な総論においては肯定しているようです。これは、質問者や私と共通する理解です。しかし、どうしても個人差の問題があるため、クリアな結論は出せません。


これも私と同じ立場です。とくに「空気嚥下症による腹部膨満を予防するために」という前提であっても、この質問者がすでに空気嚥下症という診断が成されている場合、「腹部膨満を予防」と言っても、実際には「腹部膨満を伴う空気嚥下症」の治療に役立つかどうか、という質問だからです。

 

予防と治療は無関係ではありませんが、この場合の予防は再発予防なので、早期発見・早期治療が求められる第2次予防と同列に扱われることになります。


ただし、この場合であっても、そもそも、このような症状を経験したことがない皆様の発症予防についてであれば、これは第1次予防に該当します。

 

私は、「水氣道」と同様に、外国語の勉強やクラシック声楽を専門家の指導で続ければ、少なくとも1次予防には有効なデータを出せると考えております。なお、「水氣道」を定期的に継続している方は、2次予防にも有効となったケースを多数経験してきました。

 

 

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<理想的な団体エクササイズの条件 ①適切な運動強度>

 

理想的な団体エクササイズとしての諸条件の第一として、ムッシュGPTは、運動強度について指摘しています。

 

適切な運動強度とは何か?ということですが、こうした問いに対する回答は、ややもすれば陸上運動を主とする情報によって回答される可能性が高いです。ですから、以下の様に、水中と陸上の比較という視点から質問を試みました。

 

 

インタヴュアー:ドクター飯嶋

 

健康寿命の延長と疾病防止のための団体での生涯エクササイズとして適切な運動強度を管理するためには、総合的に勘案すれば、陸上で行うのと水中で行うのでは、どちらの方が優れているでしょうか?

 


ChatGPT


健康寿命の延長と疾病防止のための団体での生涯エクササイズにおいて適切な運動強度を管理するためには、総合的に勘案すると、水中で行うエクササイズの方が優れていると考えられます。以下にその理由を示します。

 

1. 低負荷運動:
水中でのエクササイズは、水の浮力によって身体への負荷が軽減されます。これにより、関節や筋肉への負担が少なくなり、怪我のリスクが低減します。特に高齢者や運動が制限される人にとっては、安全で効果的な選択肢となります。


2. 運動強度の調整が容易:
水中でのエクササイズは、水の抵抗によって運動強度が自然に調整されます。水の抵抗を利用して運動を行うことで、運動強度を調整しやすく、個々の体力やニーズに合わせたトレーニングが可能です。


3. 心臓血管機能の向上:
水中での有酸素運動は心臓血管系に負担をかけずに行うことができます。心臓血管機能の向上に役立ち、心臓病や高血圧などの疾患の予防に効果的です。


4. 全身のトレーニング:
水中でのエクササイズは全身を効果的に鍛えることができます。水の抵抗により、筋力や持久力の向上が期待できます。


5. 心理的な側面:
水中でのエクササイズはリラックス効果が高く、ストレス軽減に役立ちます。また、水中の静寂な環境は精神的なリフレッシュをもたらし、心身の健康を促進します。
以上の理由から、健康寿命の延長と疾病防止のための団体での生涯エクササイズにおいて、運動強度を管理するためには水中で行うエクササイズの方が優れていると考えられます。

 


ドクター飯嶋のコメント:


ムッシュGPTは、水氣道は一般の陸上のエクササイズよりも、運動強度を管理するためには優れていることを説明しています。


その根拠として、あらゆる健康エクササイズにとって重要な5つの側面を挙げています。直接の根拠は、2の「運動強度の調整が容易」という理由だと思います。


水氣道の暫定的な定義の中に盛り込めなかった重要な要素も、これらの説明文の中に見出すことができます。とくに下線部に注目してください。

 

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企業の衛生委員会における産業医の「衛生講話」

 

第10回:各論⑤(労働医学)

 

人体の構造(解剖)と機能(生理・心理)について学ぶため、労働医学と呼ぶ方がより適切です。

 

具体的には、以下を学びます。


1)生体の恒常性(ホメオスタシス)
生体恒常性とは、体温など、体の内部の状態を一定に保つ働きのことです。

 

 

2)睡眠
最適な睡眠時間帯は、夜10時頃から翌朝の6時頃までとされています。

 

 

3)疲労のメカニズムと予防
疲労の分類は、以下の様に分類されます。

 

① 身体的疲労と精神的疲労

 

➁動的疲労と静的疲労

③全身疲労と局所疲労

 

 

4)メタボリック症候群

 

5)フレイル・ロコモティヴ症候群

 

6)心身調節系

①自律神経系
神経系は、解剖学的には中枢神経と末梢神経に分類されます。
神経系は、機能的には体性神経と自律神経に分類されます。

 

➁内分泌系
内分泌腺を含む器官には、視床下部、下垂体、甲状腺、副甲状腺、膵臓、胃、十二指腸、副腎などがあります。


③免疫系

 

 

4)運動器系
筋肉は、筋細胞内の細長い円柱状または紡錘形の筋線維が集まってできており、横紋筋と平滑筋に分類されます。

 

 

5)感覚器系

 視覚
眼の感覚器が刺激に反応して、その情報が感覚神経から大脳に伝わっって意識されます。

 

耳は外耳、中耳、内耳の3つの部分に分かれています。
 聴覚
 平衡感覚

 

 

6)内科領域

① 循環器系
心臓は、握りこぶし大の大きさの臓器で、心筋という特別な筋肉でできています。心臓は、血液を全身に送り、また全身から贈られる血液を受け取ります。

 

➁ 呼吸器系
呼吸とは、ガス交換のことです。
生体が酸素を体内に取り込み、二酸化炭素を体外に排出します。

 

③ 消化器系
消化器系は消化管と消化管附属臓器(消化腺)からなります。
消化器系は、食物の摂取、消化、栄養分の吸収、老廃物の排泄という4つの機能があります。

 胃
 小腸
 大腸
 肝臓
肝臓は体内で最大の臓器です。
肝臓は有毒物質の解毒・分解を行い、再生能力が高いです。

 膵臓

 

④ 腎・泌尿器系
腎臓は、背骨の両側に左右一対あり、そら豆形をしています。
左右それぞれの腎臓から1本ずつ尿管が出て膀胱に繋がっています。

 

⑤ 血液系
人体の血液量は、体重のおよそ8%(約13分の1)です。

 

⑥ 代謝系
代謝とは、栄養素を生体に必要な物質に変えたり(同化)、
分解してエネルギーに変えたり(異化)することです。

 

 

6月10日PDF

 

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空気嚥下症と腹部膨満との関係について、さらに深堀していきましょう。


私が医学的に関心を持っているのは、一見無関係なように思われている諸症状の間の関連性です。

 

心療内科の専門医は、心の症状と体の症状、精神状態が原因となって身体症状を来す病態である心身症の診療に携わっています。これを<心身相関>というのですが、それには大切な前提となる理解や技能が求められています。

それは、<臓器相関>です。空気嚥下症と腹部膨満について関心の乏しい消化器内科が大多数であるように感じられるのと同様、空気嚥下症と誤嚥性肺炎との繋がりについて、ほとんどの呼吸器科専門医は無関心なのではないかと類推したくなってしまいます。


ただし、こうした視点や発想をもてるのが心療内科医の強みの一つであって、専門領域をバラバラにして寄せ集めた総合内科ではなく、全体の繋がりを俯瞰して理解しようとする統合内科を実現し易いのも心療内科専門医なのではないかと考えています。

 

 

インタヴュアー(ドクター飯嶋)


空気嚥下症により腹部膨満に苦しむ患者は、将来、誤嚥による肺炎を来たすリスクが高まると考えてよいですか?

 


ChatGPT

空気嚥下症により腹部膨満に苦しむ患者は、将来的に誤嚥による肺炎を来たすリスクが高まる可能性があります。これは、以下の理由から考えられます:


1. 嚥下制御の障害:

空気嚥下症は、通常の嚥下制御が乱れている状態です。このため、誤って空気を飲み込む可能性が高まります。嚥下制御の障害があると、食物や液体と一緒に気管に空気が入るリスクが増大し、それが肺への侵入をもたらす可能性があります。


2. 気管支や肺への空気の侵入:

空気嚥下によって誤って気管に空気が入ることがあり、これが肺に到達する可能性があります。肺に空気が侵入すると、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。誤嚥性肺炎は、気道に異物が入ることによって引き起こされる肺炎であり、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。


したがって、空気嚥下症を持つ患者は、将来的に誤嚥による肺炎のリスクが高まる可能性があるため、適切な管理と予防措置が重要です。これには、栄養療法や嚥下リハビリテーション、嚥下機能の評価や治療、および医師やスピーチセラピストとの協力が含まれます。

 


ドクター飯嶋のコメント:

気嚥下症を持つ患者は、将来的に誤嚥による肺炎のリスクが高まる可能性があるため、私は『水氣道』や本格的な発声法を楽しく訓練することを推奨し続けてきました。

 

スレ違いで脱線になりますが、活動停止中の『聖楽院』は、私が音大の大学院を修了する来春以降に復活を検討したいと考えているところです。