今年初めて納得できた有益な記事

 


The New York Times

 

International EDITION |THURSDAY,JANUARY 12、2023

 

WORLD 第4面

 

 

Finland offers lessons on misinformation education

 

BY JENNY GROSS

 

皆様、遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

 

昨年に引き続き、本年も、わが国の現状と近未来に対する展望がもてそうにない気分が続くのかと思うと、新年のあいさつもままならない状況でした。

 

とりわけ、医療は利権政治に隷属し、さらには学問である医学自体が、そうした医療環境に大きな悪影響を受けている、という目も当てられない悲惨な状況が進行しているからです。

 

医学の各領域の年次学術総会や四半期ごとに開催される地方会に出席してみても、かつてほど、大きな興味や関心を惹くことが少なくなってきたのは個人的には残念なことです。

 

統計データがしばしばトリックとして悪用されている現状も嘆かわしい限りです。

 

 

さて、そのような背景の中で、今後の日本に希望が持てるようにするにはどのようにしたらよいか?という問いから、私は逃げることまではできませんでした。

 

年末までにたどり着いた私の結論は「教育」改革ということでした。

 

率直に申し上げれば、米国や日本の主流メディアは、スポンサーの支配力が大きく、こぞって要注意であると考えています。

私のクリニックに毎日配達される、ニューヨークタイムズも例外ではなく、その記事内容の傾向に対してさえ、私は批判的に読む習慣を持っています。

最近では、購読を中止しようかと考えていたくらいでした。

 

それが、本日、思いがけずに目にした記事に光明を見出しました。

 

<フィンランドでは誤報情報に対する教育のための具体的な授業がなされている>

 

記事には一対の写真があり、そこには以下の記述がありました。

 

Saara Martikka,left, teaching her students how to identify false information.
One of her lessons includes showing students TikTok videos, right, as an exercise to spot fake news. Media literacy is part of Finland’s core curriculum starting in preschool.

 

偽情報の見分け方を学生に教えるサーラ・マルティッカ女史。

彼女の授業のひとつに、フェイクニュースを見分ける練習として、生徒にTikTokの動画を見せるというものがある。フィンランドでは、就学前(幼稚園)からメディアリテラシーがカリキュラムに組み込まれている。

 

 

 

A teacher in Helsinki, Anna Airas, said she and her students searched words like “vaccination” and discussed how search algorithms worked and why the first results might not always be the most reliable.

 

ヘルシンキ在勤の教師Anna Airas女史は、生徒たちと「予防接種(ワクチン接種)」などの言葉を検索し、検索アルゴリズムの仕組みや、最初の結果が必ずしも最も信頼できるとは限らない理由について議論したと言う。

 

 

 

“Just because it’s a good thing or it’s a nice thing doesn’t mean it’s true or it’s valid.”

 

<それが良いこと(望ましいこと:飯嶋註)だから、素晴らしいこと(都合の良いこと:飯嶋註)だから、といった理由だけで、それが真実であり、有効である根拠になるとは限らない。>

 

 

 

私が、この記事を読んだだけで、この日刊紙(The New York Times)の購読の中止を思いとどまった理由については、当クリニックの会員の皆様であれば、容易にご理解いただけると思います。

 

今後の開業医の在り方としては、フィンランドの情報教育の考え方や実践の仕方が大いに参考となるのではないかと思います。

 

皆様、本年もよろしくお願いいたします。

 

令和5年1月16日

 

杉並国際クリニック 院長 飯嶋正広

 

前回はこちら

 

わが国医学界・医療界の忌々しき課題

 

特論6<我が国の医学と医療の現状> 

 

同一日(12月10日)に集中した3学会の関東地方会

 

 

土曜日をフルに診療することが難しい理由の一つが、学会参加です。

 

その点、専門医資格を持たない開業医は、土曜日の診療に時間的制約がないというメリットがあるかもしれません。

 

開業医といっても、都心にアクセスが良好であれば、全国大会や地方会への参加のためのアクセスには恵まれているといえるでしょう。

 

これに対して、地方で開業してしまうと、なかなか開催地に足を運ぶということは難しくなります。

 

最近では、新型コロナ対策のためもあって、Web配信(ライブ)とのハイブリッド方式が盛んに取り入れられているため、在宅のまま学会参加が可能になりました。

 

しかしながら、会場に出席していないと、質疑応答に参加できないという制限もあります。

 

 

12月10日(土)の朝7時に御一人様だけの診療を済ませると、そのまま、学会会場の六本木ヒルズに向かいました。

 

幸い8時10分から開始されるセッションで発表される目当ての3演題に間に合うことができました。

 

同一日程で3学会開催となると、そのすべてに参加することは至難の業です。


しかし、今回は幸運にも3学会の主要なプログラムの時間帯とアクセスの便が好都合であったため、すべてに参加することができました。

 

 

 

7:30am丸ノ内線東高円寺⇒霞が関駅⇒日比谷線六本木駅

 

●第32回日本リウマチ学会関東支部学術集会(5単位)
 

会長:針谷正祥(東京女子医科大学医学部内科学講座膠原病リウマチ内科分野教授)
 

会場:六本木アカデミーヒルズ

 

 

 

10:00am六本木アカデミーヒルズ⇒南北線麻布十番駅⇒永田町駅

 

●第683回日本内科学会関東地方会(5単位)

教育セミナー(2単位)
第67回関東支部主催生涯教育講演会(5単位)
 

会長:後藤淳(済生会横浜市東部病院脳血管・神経内科)
 

会場:日本都市センター(平河町) 

 

3:30pm有楽町線永田町駅⇒JR有楽町駅⇒JR山手線秋葉原駅

 

 

●第8回日本アレルギー学会関東地方会(5単位)
 

会長:今井孝成(昭和大学医学部小児科学講座准教授)
 

会場:秋葉原コンベンションホール

 

 

明日から3日間にわたって、それぞれの場での学んだことを報告することにします。

 

前回はこちら


わが国医学界・医療界の忌々しき課題

 

特論5<我が国の医学と医療の現状> 

 

続々・勇気ある学会発表、新型コロナワクチン副反応例3発表!

(第32回日本リウマチ学会関東支部学術集会抄録集から)

 

今回は3例目の症例報告から勉強させていただきます。

 

O2-5:SARS-CoV-2ワクチン初回接種後に発症した難治性成人発症Still病(AOSD)の一例

<自治医科大学附属埼玉医療センターリウマチ膠原病科、矢部寛樹ら>

2-5SARS-CoV-2

 

3例目もリウマチ・膠原病・免疫関連疾患です。
 

この症例は、初回COVID-19ワクチン接種後6日後に副反応が発症した症例です。第2例目の演題同様に、ワクチンの銘柄は記載されていません。
 

なお、基礎疾患としてEvans 症候群(自己免疫性溶血性貧血+特発性血小板減少症)、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群など、複数の自己免疫性疾患の合併が記載されています。

 

このような基礎疾患を持つ患者に、新型コロナワクチンを接種することに対して、私個人としては慎重であるべきだと考えております。

 

賛否については、ワクチン接種によるメリットとデメリットをどのように比較衡量すべきかにかかってきます。

 

 

成人発症Still病(AOSD)とは、原因不明の発熱(不明熱)をきたす代表的な重要疾患です。単に成人スティル病とも呼ばれています。

 

この疾患よりさらに知られていないスティル病という病気に類似する病態で、16歳以上の成人に発症するのが、この成人発症Still病(AOSD)です。
 

ただし、これには小児のスティル病が成人になって再発した場合と、成人期に新たに発症した場合の両方があります。ですから、小児スティル病と成人スティル病との境界は明確ではないと考えてもよさそうです。

 

日常診療において、この疾患を診断するのは容易ではありません。

 

診断のためには、除外診断が必須だからです。つまり、感染症(敗血症、伝染性単核症)、悪性腫瘍(悪性リンパ腫)、膠原病などが除外項目として限定列挙され、これらの疾患との鑑別のための精密検査が必要になります。

 

この疾患を疑う鍵としては、1)原因不明の発熱を呈する若者、2)発熱時に出現するサーモンピンク色の皮疹(頸部、体幹、四肢近位部)が重要です。
 

この疾患については成人スティル病分類基準(旧厚生省成人スティル病研究班、1992年、その後一部改訂)によって診断を進めることがコンセンサスになっています。

 

診断の根拠となる項目は〔大項目〕4項目、〔小項目〕4項目からなり、第一段階として〔大項目〕2個以上を確認することが診断の前提条件となります。
 

 

それでは、〔大項目〕を確認していきましょう。

 

❶ 発熱<39℃以上、1週間以上持続;弛張熱>

 

❷ 関節痛(2週間以上持続)

 

❸ 定型的皮疹(体幹・四肢近位部にサーモンピンク皮疹、ケブネル現象)

 

❹ 好中球比率上昇(≧80%)を含む白血球増加(≧10,000/μl)

 


〔大項目〕抄録については4項目のうち3項目についての記載が認められます。

 

文字数のスペースに十分な余裕があるため、❹についての記載が欲しいところです。

 

また❶、❷では症状持続期間の記載があればなお良いと思われました。

 

リウマチ膠原病科の専門医は内科医の中でも皮膚病変の観察所見を明確に記載できることが望ましいですが、皮疹の所見として<紅斑>に留め<サーモンピンク疹>とまでは記載しなかったのは、確定診断のために慎重な態度の表れであるとも感じられますが、皮膚科専門医のコンサルを受けていない可能性も考えられます。

 

ただ、その場合でも、ケブネル現象(健常皮膚に摩擦や日光などの刺激を加えると、病変部と同様の変化を生じる現象)の確認は日常診療でも可能なはずです。

 

この徴候は乾癬、扁平苔癬、扁平疣贅、自家感作性皮膚炎などで陽性となります。
 

以上より、完全ではありませんが、〔大項目〕のうち3項目が該当しているため、次に〔小項目〕を照合してみます。

 

❶ 咽頭痛

 

❷ リンパ節腫脹あるいは脾腫

 

❸ 肝機能異常

 

❹ リウマトイド因子(陰性)、抗核抗体(陰性)

 

 

残念ながら、抄録においては、これらの所見は記載されていません。

 

❶咽頭痛は多くの症例で認められるのため、この所見の記載は欲しいところです。

 
なお、成人スティル病分類基準には含まれていない重要な所見として、

臨床所見としては、心膜炎/心外膜炎や胸膜炎、

血液検査では血中フェリチンの増加が知られています。

 

抄録には、このいずれとも関連する所見も記載されています。

 

<右胸水貯留>は胸膜炎の存在を疑わせます。

血中フェリチン値(1000台)という数字について、基準値は、男性20~250ng/ml,女性10~80ng/ml.です。

 

この報告例は52歳の女性であるため、閉経後の女性では男性の基準値に近くなることを考慮しても250ng/mlを上限と見積もっても1000ng/mlを超える数値は、明らかな著増であることは確かです。

 

以上から、この症例は概ね成人スティル病としての基本的特徴を備えているとみてとれると思います。

 

しかし、リウマチ膠原病免疫疾患の多くは、原因不明とされ、さらに単純とは言い難い分類基準による手続きによって診断されます。

 

このことは、新型コロナワクチン接種による副反応という人為的な原因により発症する病態が、必ずしも従来の病態と厳密に一致するかどうかは疑問の残るところです。

 

言い換えれば、新型コロナワクチン接種による副反応は、未知の病態を形成する可能性がある、ということができるのではないかと考えます。

したがって、一例ごとの詳細な報告がとりわけ重要になってきます。

 

 

近年の医学研究において、エビデンスレベルという言葉が過剰にもてはやされている傾向があります。

 

これは、「エビデンス(科学的根拠、医学的根拠)の信頼性の強弱や指標のランク付け」のことをいいます。

 

たとえば、「その医学研究のエビデンスレベルは高い」とは、「その医学的根拠の信頼性は高い」という意味合いになります。

 

症例報告は、副反応報告は、一例ごとの丁寧な症例報告が極めて重要であるにもかかわらず、残念ながら五段階の最低レベルとして扱われています。

 

個々においては個性的で多様な反応とならざるを得ないこれらの症例は、細分類されて特殊な病態として分類されしまうことが問題になります。

 

その場合、個々の症例は貴重な意味を持つにもかかわらず、個性的であるがゆえに例外的かつ稀な発症との印象が植え付けられてしまいます。

 

したがって細分化された診断名が与えられてしまうと、情報の集積を待って高いエビデンスを獲得するために、誠実で地味な労力を前提としても、途方もない長い時間を要することになります。

 

成人発症スティル病の治療は重症度によって対応の目安が異なります。

 

軽症例:

ステロイド中等量(体重1㎏あたりプレドニゾロン0.5㎎)

 

重症例:

①ステロイド(体重1㎏あたりプレドニゾロン1.0㎎)
    

➁ステロイドパルス療法
   

③メトトレキサート(MTX)
   

④シクロスポリン

 

難治例:

トシリズマブ

 

 

この症例の女性(52歳)の体重の記載はありません。

 

仮に体重を50㎏とするならば、軽症例であっても中等量25㎎を要します。

 

<ステロイド剤の投与量の変化>

発症前:

プレドニゾロンとして4㎎(少量)

⇒エバンズ症候群、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群

 

★初回COVID-19ワクチン接種

12日後、プレドニゾロンとして15㎎(やや少量)

←ワクチンの副反応を想定

ステロイド(デキサメサゾンとして)点滴により症状改善

 

19日後、プレドニゾロンとして30㎎(中等量)

←成人発症スティル病と診断

 

その後3回の入退院後、プレドニゾロンとして20㎎(中等量より減量)

 

その後、症状再燃

←難治性成人発症スティル病と判断

 

 

抄録は最後に<本邦においてもCOVID-19ワクチンにより発症したAOSDの症例報告を散見する>ことに言及しています。

 

成人発症スティル病(AOSD)は、医師国家試験受験経験者であればだれでも認識しているくらいの病気です。

 

抄録が<新規かつまれな病態>と考えられると締め括っているのは、本来、この疾患は原因不明であるとされてきたところ、COVID-19ワクチン接種という原因が存在することによる<新規かつまれな病態>という意味で解釈すべきではないか、と考えます。

 

 

前回はこちら

 

わが国医学界・医療界の忌々しき課題

 

特論4<我が国の医学と医療の現状> 

 

 

続・勇気ある学会発表、新型コロナワクチン副反応例3発表!

 

(第32回日本リウマチ学会関東支部学術集会抄録集から)

 

今週末の10日(土)・11日(日)に、六本木にて上記学会が予定されています。

 

ちょうど同じ期日に秋葉原にて日本アレルギー学会関東支部の学会も重なるため、私は<はしご>をすることになります。

 

とりわけ、10日(土)8:10からの一般演題2(RA・ワクチン)のセッション(座長:東京大学大学院医学系研究科整形外科、田中栄先生)の6演題のうちの3演題は新型コロナワクチンの副反応に関する発表です。

 

本日は、2例目です。

 

O2-4:新型コロナワクチン接種後に発症したIgG4関連疾患の1

<東京大学医科学研究所付属病院アレルギー免疫科、青地翠己ら>

2-4新型コロナワクチン接種後

 

前回紹介したTAFRO症候群ほどではないにしても、今回のIgG4関連疾患もありふれた病気ではありません。一般の方はほとんど耳にすることはないかもしれません。そこで、まず概略の説明を試みます。

 

IgG4関連疾患とは、大雑把に言えば全身諸臓器が腫大しする特殊な慢性炎症性疾患です。この病変は組織で結節の形成や肥厚を来します。その背景としてリンパ球や特殊な形質細胞(抗体を産生し分泌するBリンパ球由来の細胞)が著しく組織を浸潤し線維化がみられます。

 

原因はよくわかっていません。抄録によれば、患者は心房細動の治療中の78歳の女性で、新型コロナワクチンの2回目の接種を受けて2週間後に発症したとのことです。このようなケースの多くは、臨床報告されずに放置されるか、あるいは、新型コロナワクチンの接種との関連性を積極的には疑わないようにする風潮があることを鑑みるならば、勇気ある症例報告であると評価したいです。

 

特殊な形質細胞と説明したのは、この形質細胞が免疫グロブリンの一種であるIgG4(免疫グロブリンGの一種)に陽性となる性質をもつからです。

 

この症例報告によると、この症例(患者さんのこと)の受診のきっかけは、両側の顎の下が徐々に腫れてきたことであるようです。

 

両側の下顎部の腫脹を診る場合は、通常、唾液腺炎やリンパ節炎などの炎症や悪性リンパ腫などを疑うことになります。

 

診断の端緒は血液検査であったようです。IgG4血症とは、血液中のIgG4の濃度が異常高値を示す検査所見名であり、特定の病名ではありません。通常5種類とされる血清免疫グロブリンの中で最も高濃度なのがIgGなのですが、その成分であるIgG4が著増する病態は比較的限られているため、診断の手掛かりになります。

 

IgG4関連疾患の包括的診断基準(厚労省、2011年)によると、高IgG4血症とは135/dl以上としていますから、この症例の1,100/dlというデータは顕著な高IgG4血症であるということになります。

 

もっとも、臨床的には臓器(単一か複数かを問わない)に特徴的な腫大(びまん性か限局性かを問わない)、腫瘤、結節、肥厚性病変を認めることが前提条件です。

 

上記のように、臨床症状と高IgG血症とが確認されれば、IgG4関連疾患(疑診群)とされます。確定診断のためには、さらに病理組織診断が必要になります。しかし、患者本人の同意が得られなかったため、顎下腺生検は実施されなかったと報告されています。

 

検査において病理像が特徴的であり、診断価値が高いのではありますが、画像診断としてCTで病変部位(両側の顎下腺および膵臓)の腫大が確認され、さらにFDP-PET検査での陽性所見が得られていることは、診断の根拠を支持しているといえるでしょう。

 

この疾患は原則としてステロイド治療が有効とされます。幸いこの症例もプレドニゾロン(ステロイド剤)が著効したようです。

 

さて、この報告を勇気ある症例報告と評価したのには、抄録本文に発表者の心理的葛藤を読み取ることができるからです。

 

この症例報告も〔利益相反の有無:無〕と標示されていますが、私は疑問を感じます。

 

患者が接種した新型コロナワクチンのタイプを明記するのが、抄録とは言え学術報告の常識と言えるのではないかと考えるからです。しかも、ワクチン接種は2回目であるとすれば、1回目のワクチンの銘柄も記載していただきたいところです。それを加筆しても文字数の制限を超えることはありません。

 

また、〔考察〕においては不要と思われる根拠の乏しい感想文が加えられています。

 

<新型コロナワクチンは世界中で接種が行われ>この前振りは厳密ではないとしても許容範囲ですが、COVID19の重症化や死亡率低下に大きく貢献した。>とのコメントには疑問を感じます。

 

素人相手のプロパガンダであれば良くあるお決まりのフレーズですが、フロアに出席しているのは専門医であることをお忘れなのでありましょうか?この文言は論理の飛躍であるだけでなく、十分な根拠に乏しい感想文に過ぎません。

 

むしろ、これらの共同演者たちに過剰な忖度(そんたく)を強いているのは何者なのかという背景を知りたいところです。

 

<一方で、稀ではあるが新型コロナワクチン接種後の免疫疾患発症の報告も増えつつある。>という警告こそが彼らの良心であると考えたいところです。

 

 

抄録だけに頼って、これ以上の追求したくはないというのが率直なところなのですが、<稀ではあるが>という文言も、私には一種の忖度の、婉曲的表現であるように感じられてなりません。

 

たしかに、新型コロナワクチン接種後にIgG4関連疾患という限定された疾患が発症することは稀であるかもしれません。しかしながら、新型コロナワクチン接種後の免疫疾患全体の発症頻度という括りに対してまでも<稀である>と言い切ることは難しい現状になりつつあると考えます。

 

免疫疾患の概念や、副反応の病態メカニズムやについて不得手な医師にとっては、新型コロナワクチンによる副反応の発生は<稀である>と判断してしまっても已むを得ないところです。しかし、専門医、とりわけ、そのエキスパートまでが、真に<稀である>と考えているとは信じがたい、というのが現時点での私の個人的な見解です。

 

前回はこちら


わが国医学界・医療界の忌々しき課題


特論3<我が国の医学と医療の現状> 

 

 

勇気ある学会発表、新型コロナワクチン副反応例3発表!

 

(第32回日本リウマチ学会関東支部学術集会抄録集から)

 

今週末の10日(土)・11日(日)に、六本木にて上記学会が予定されています。

 

ちょうど同じ期日に秋葉原にて日本アレルギー学会関東支部の学会も重なるため、私は<はしご>をすることになります。
 

とりわけ、10日(土)8:10からの一般演題2(RA・ワクチン)のセッション(座長:東京大学大学院医学系研究科整形外科、田中栄先生)の6演題のうちの3演題は新型コロナワクチンの副反応に関する発表です。
 

残念ながら、この時間帯は複数の診療予約を受け付けてしまっているため出席が叶いません。そこで、抄録の概要のみの検討を試みることにしました。

 

 

O2-3:SARS-CoV2ワクチン(ⅿRNA1273)接種を契機に発症したTAFRO症候群の一例

 

<上都賀総合病院リウマチ膠原病内科、相澤真希;獨協医科大学リウマチ・膠原病内科、坂上友亮ら>
 
 

 

O2-4:新型コロナワクチン接種後に発症したIgG4関連疾患の1例

 

<東京大学医科学研究所付属病院アレルギー免疫科、青地翠己ら>

 

 

O2-5:SARS-CoV-2ワクチン初回接種後に発症した難治性成人発症Still病(AOSD)の一例

 

<自治医科大学附属埼玉医療センターリウマチ膠原病科、矢部寛樹ら>

 

 

O2-3:SARS-CoV2ワクチン(ⅿRNA1273)接種を契機に発症したTAFRO症候群の一例


・・・・・・・・・・・・・・・
 

本日は、上記のうち、最初の症例報告について考えてみたいと思います。

 

O2-3:SARS-CoV2ワクチン(ⅿRNA1273)接種を契機に発症したTAFRO症候群の一例

 

<上都賀総合病院リウマチ膠原病内科、相澤真希;獨協医科大学リウマチ・膠原病内科、坂上友亮ら>

2-3SARS-CoV2ワクチン

 

この症例発表者に敬意を表したいのは、まず、接種したワクチンを明確に特定して記載していることです。

 

これがモデルナ製でなく、ファイザー製であった場合にも積極的に記載したかどうかは、現時点で私には不明です。

 

抄録には【利益相反の有無:無】とあります。

 

 

TAFRO症候群は、

1)明らかな原因なしに、

2)急性あるいは亜急性に、

3)発熱、全身性浮腫(胸水・腹水貯留)、血小板減少を来し、

4)腎障害、貧血、臓器腫大(肝脾腫、リンパ節腫大)などを伴う、

5)全身炎症性疾患、とされます。(この症例報告の抄録に記載のある症状・所見に下線を施しました)

 

上記のうち、「1)明らかな原因なしに」、という条件については、発症5日前に接種したモデルナ製の新型コロナワクチン接種が明かな原因といえるかどうかですが、原因としての可能性があっても、現段階では「明らかな」とまでは断定できないため、この条件も満足することになります。

 

ワクチン接種副反応の件で、たびたび問題になるのは、まさに「明らかな原因」となっていることを証明できるか?ということです。


その場合、アナフィラキシーショックのように1)接種直後、2)急激で他覚的にも明確な症状、3)一般医にも周知されている疾患の典型的な症状パタン、などの条件が揃えば、副反応であることを否定することは難しくなります。

 

しかし、逆にいえば、ほとんどの副反応は、上記のすべてを同時に満たすものは少ないため、ほとんどのケースにおいて「明確な因果関係は認められない」と判断され、被害者の救済が見送られることになってしまいがちです。

 

この症例では1)接種直後でなく5日目の発症、2)他覚的にも明確な症状ではあるが、症状出現は、段階的、3)一般医には周知されてなく、限られた数の専門医にとっても診断に日数を要する、典型的な症状パタンや検査所見を得るために複雑な手続きを要する、といったタイプでした。

 

そもそもこの疾患の名称の5つのアルファベットは症状の頭文字からとられています。2010年に高井らにより血小板減少(Thrombocytopenia)、全身性浮腫/胸水/腹水(Anasarca)、発熱(Fever)、骨髄細網線維化(Reticulin fibrosis)、臓器腫大/肝腫大/脾腫/リンパ節腫大(Organomegaly)を呈した3症例の報告が最初で、各頭文字を取ってTAFRO症候群として報告されました。

 

(この症例報告の抄録に記載のある症状・所見に下線を施しました)

 

抄録には、骨髄生検実施の記載がなく、骨髄細網線維化(Reticulin fibrosis)の有無については不明です。学会当日の口頭で説明されるものと推定されます。

 

治療法として、ステロイド(パルス療法)や免疫抑制剤、生物学的製剤(トシリズマブ、リツキシマブ)などの有効例が報告されてはいますが、様々な治療に抵抗性の症例も存在します。

 

この疾患の取り扱いが慎重を要する状況は、抄録でも示されています。

 

「入院後血小板数は急激に減少、腎障害が出現。TAFRO症候群と診断し、ステロイドパルス療法とトシリズマブを開始したが無尿となり人工透析開始。血漿交換療法とリツキシマブを追加し改善。」との記載がありますが、この患者さんは、極めて恵まれた条件下にあって、適切な対応をうけることができた例外的ケースであるといえるのではないかと思います。

 

この疾患は、全身症状の悪化が急速なため、迅速かつ的確な診断と治療が必要な疾患なのですが、最初期の段階で適切かつ的確な診断が可能な専門医の管理下に置かれる可能性はとても低いのではないかと考えます。残念ながら、日本国民のほとんどの方は、このような恩恵に預かることは期待できないと思います。

 

新型コロナワクチンが引き金になって発症したことが疑われる病態の多くは、厳密な診断を下すことが容易ではないような疾患です。

 

診断がついたとしても「稀な疾患」とされがちです。しかし、よく考えていただきたいのは、人は一人一人別の遺伝子情報をもっているということです。

 

ですから、副反応の出現も多種多様になり得るということです。そして、個々に生じる疾患が「稀な疾患」であっても、「稀な疾患」が多数報告されている以上、決して「稀なできごと」ではないのではないか、ということです。

 

 

「稀な疾患」は、往々にして、非特異的症状として片付けられてしまいます。ですから、「因果関係は不明」という結論になってしまいます。

 

以上のような現実から、新型コロナワクチンの副反応は、過小評価されている可能性が少なくないのではないか、と考えます。

 

前回はこちら

 


各論8 <国際関係No1>

 

わが国での様々な分野での課題や疑問について、その根源を追求していこうとするときに、国内問題としてのみ完結できそうなテーマは意外に少ないことに気付かされます。

 

私たちの身近な問題も、実に様々な側面において実に複雑な国際関係との繋がりや世界情勢と切り離して考察することには限界がありそうです。

 

そのような現実に逢って、当然の如く検討すべき国際関係のテーマは今後も増加の一途を辿るのではないかと思われます。

 

ここで、国際関係という意味は、英語で表現するならばInternational Relationsに対応するものと考えたいと思います。

 

私はInternational(国際的)という言葉とGlobal(全球的)という言葉とを使い分けています。

 

その違いは、国境線を尊重するのがInternational、これを評価しないのがGlobalというふうに分けて考えています。ただし、扱うテーマの対象によっては、両者の区別が必ずしも明確ではなくなるケースも生じ得るのではないかと思います。

 

国際関係1):

日本はもっと開放的な移民政策で利益を得ることができるのか?

 International Relations 1:

Would Japan benefit from a more open immigration policy?

- Relations internationales 1:

Le Japon bénéficierait-il d'une politique d'immigration plus ouverte ?

 

 

国際関係2):

日本政府は諸外国の人権のためにもっと努力すべきなのだろうか?

 International Relations 2:

Should the Japanese government do more to promote human rights in other countries?

- Relations internationales2 :

Le gouvernement japonais devrait-il faire davantage pour promouvoir les droits de l'homme dans d'autres pays ?

 

 

国際関係3):

途上国の経済成長を促進するために、海外援助は最良の方法か?

 International Relations 3:

Is foreign aid the best way to promote economic growth in developing countries?

- Relations internationales 3:

L'aide étrangère est-elle le meilleur moyen de promouvoir la croissance économique dans les pays en développement ?

 

 

国際関係4):

発展途上国の労働者の搾取を止めるために十分な措置がとられているか?

 International Relations 4:

Is enough being done to stop the exploitation of workers in the developing world?

- Relations internationales 4:

Les mesures prises pour mettre fin à l'exploitation des travailleurs dans les pays en développement sont-elles suffisantes ?

 

 

国際関係5):

先進国は世界的な難民危機に対処するために十分なことをしているか?

 International Relations 5:

Are developed nations doing enough to deal with the worldwide refugee crisis?

- Relations internationales 5:

les nations développées font-elles suffisamment d'efforts pour faire face à la crise mondiale des réfugiés ?

 

 

国際関係6):

貧しい国々は自国の発展に責任を持つべきか?

International Relations 6: 

 Should poor nations be responsible for their own development?

- Relations internationals6 :

Les pays pauvres doivent-ils être responsables de leur propre développement ?

 

 

国際関係7):

ある国が他の国の内政に干渉することは正当化されうるか?

 International Relations 7:

Can it be justified for one nation to interfere in the internal affairs of another?

- Relations internationales 7:

Peut-on justifier l'ingérence d'une nation dans les affaires intérieures d'une autre ?

 

 

国際関係8):

外洋での海賊行為に対抗するためにもっと努力すべきか?

 International Relations 8:Should more be done to fight piracy
on the open seas?

- Relations internationales 8:Faut-il en faire plus pour lutter contre la piraterie en haute mer ?

 

 

国際関係9):

宇宙探査の利益はコストを正当化できるか?

 International Relations 9:

Does the benefits of space exploration justify the costs?

- Relations internationales 9:

les avantages de l'exploration spatiale justifient-ils les coûts ?

 

 

国際関係10):

宇宙の軍事化は、将来の世代に対する脅威か。

 International Relations 10:

Is the militarization of space a threat to future generations?

- Relations internationales 10:

La militarisation de l'espace est-elle une menace pour les générations futures ?

 

 

前回はこちら


各論 7 <政治全般>


医学・医療からはじまって、様々な領域での課題を列挙してきましたが、行きつくところの一つの焦点は政治的課題かもしれません。

 

逆に、政治の在り方について、日頃から一定程度の私見を固めておかないと、身の回りの多くの課題が、いつまでたっても未解決なままの不可解なお荷物になってしまいかねないのではないでしょうか。

 

そうなると、厄介払いのために、問題意識を持つことすら放棄したくなってしいます。

 

多くの市民が、こうした状況に陥ると民主主義は形骸化し、政治はますます腐敗していくことになるのではないでしょうか?

 

 

- 政治全般1)

投票は義務化されるべきか?

• General Politics1:
Should voting be mandatory?
- Politique générale 1:
Le vote devrait-il être obligatoire ?

 

 

- 政治全般2)

女性の人権は十分に注目されているか?
• General Politics 2:
Do women’s rights get enough attention?
- Politique générale 2:
Les droits des femmes reçoivent-ils suffisamment d'attention ?

 

 

- 政治全般3)

有名人は政治に関わらない方がよいか?

• General Politics 3:
Should celebrities stay out of politics?
- Politique générale3 :
Les célébrités doivent-elles rester en dehors de la politique ?

 

 

- 一般政治4)

お金は政治に影響を与えすぎているか?

• General Politics 4:
Does money have too much influence on politics?
- Politique générale 4:
L'argent a-t-il trop d'influence sur la politique ?

 

 

- 政治全般5)

ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)は、今の世の中に本当に必要なのか?
• General Politics 5:
Is capitalism the only realistic economic system in a globalized world?
- Politique générale5 :
Le capitalisme est-il le seul système économique réaliste dans un monde globalisé ?

 

 

- 政治全般6)

消費税は政府の歳入を増やすのに良い方法か?
• General Politics 6:
Are consumption taxes a good way to raise government revenue?
- Politique générale 6:
Les taxes à la consommation sont-elles un bon moyen d'augmenter les recettes publiques ?

 

 

- 政治全般7)

消費税増税は経済成長を助けるのか、妨げになるのか?
• General Politics 7:
Does raising the consumption tax help or hinder economic growth?
- Politique générale 7:
L'augmentation de la taxe sur la consommation favorise-t-elle ou entrave-t-elle la croissance économique ?

 

 

- 政治全般8)

報道機関は政府によって規制されるべきか?
• General Politics 8:
Should the news media be regulated by the government?
- Politique générale 8:
Les médias d'information devraient-ils être réglementés par le gouvernement ?

 

 

- 一般政治9)

政府はほとんどの公共サービスを提供すべきか?
• General Politics 9:
Should the government provide most public services?
- Politique générale 9:
Le gouvernement devrait-il fournir la plupart des services publics ?

 

 

- 一般政治10)

民主主義は最高の政治形態か?
• General Politics 10:
Is democracy the best form of government?
- Politique générale 10:
La démocratie est-elle la meilleure forme de gouvernement ?

 

 

- 政治全般 11)

グローバル化した世界では、資本主義だけが現実的な経済システムなのか?
• General Politics 11:
Is political correctness really necessary in today’s world?
- Politique générale 11:
Le politiquement correct est-il vraiment nécessaire dans le monde d'aujourd'hui ?

 

前回はこちら

 

各論6 <経済・社会No2>


経済・社会のトピックスのリストの後半部分です。

このようなテーマを一つ一つ挙げていくだけでもきりがありません。

 

特に経済の素人が想起できる社会問題についてのテーマの立て方自体が十分に練られたものとは程遠いものであるとの思いも伴っています。

 

トピックによっては、中学生や小学生とも共有できる課題であるかもしれません。むしろ、そのようなテーマこそ、世代間交流の場での学び合いの材料として相応しいのではないでしょうか。

 

これらの素朴な疑問を、たとえば3世代にわたってディスカッションするような家庭やコミュニティーが形成されるならば、日本の社会の未来にも晴れ間がさしてくるのではないかと思います。

 

 

経済・社会17):

日本は社会福祉の危機に直面しているか?

Economy&Society:17
Is Japan facing social-welfare crisis?
(Économie et société 17) :
Le Japon est-il confronté à une crise de la protection sociale ?

 

 

経済・社会18):

公共サービスの民営化は、一般市民にとって良いことなのか?

Economy&Society18:
Is the privatization of public services good for the general public?
(Economie & Société 18)
La privatisation des services publics est-elle bonne pour le grand public ?

 

 

経済・社会19):

日本の少子化を国難と考えるべきか?

Economy&Society19:
Should Japan’s low birthrate be considered a national crisis?
(Économie & Société 19) :
La faible natalité du Japon doit-elle être considérée comme une crise nationale ?

 


経済・社会20):

ホームレスは現代社会では避けられないことなのか?

Economy&Society20:
Is homelessness inevitable in a modern society?
(Économie & Société 20) :
Le sans-abrisme est-il inévitable dans une société moderne ?

 


経済・社会21):

人種差別は社会から完全に無くせるか?
Economy&Society21:
Can racial discrimination be totally eliminated from society?
Économie et société 21) :
Le racisme peut-il être complètement éliminé de la société ?

 


経済・社会22):

日本の農業は、今日のグローバル化した経済の中で生き残ることができるか?

Economy&Society22:
Can Japanese agriculture survive in today’s globalized economy?
Economie & Société 22) :
L'agriculture japonaise peut-elle survivre dans l'économie mondialisée d'aujourd'hui ?

 


経済・社会23):

日本は他の国の経済発展の良いお手本になるか?

Economy&Society23:
Is Japan a good role model for the economic development of other nations?
(Economie & Société 23) :
Le Japon est-il un bon modèle pour le développement économique d'autres nations ?

 


経済・社会24):

日本の地方都市は活性化できるか?
Economy&Society24:
Can Japan’s rural communities be revitalized?
(Économie & Société 24) :
Les communautés rurales du Japon peuvent-elles être revitalisées ?

 


経済・社会25):

テロリズムの問題は悪化していきそうか?
Economy&Society25:
Is the problem of terrorism likely to get worse?
(Économie et société 25) :
Le problème du terrorisme risque-t-il de s'aggraver ?

 

 

経済・社会26):

人類は暴力的な傾向を克服できるのか?

Economy&Society26:
Can humanity overcome its violent tendencies?
(Économie et société 26)
L'humanité peut-elle surmonter ses tendances à la violence ?

 


経済・社会27):

資本主義に基づく経済システムは、すべての人に公平でありうるか?
Economy&Society27:
Can an economic system based on capitalism ever be fair to all?
(Économie & Société 27) :
Un système économique basé sur le capitalisme peut-il jamais être équitable pour tous ?

 


各論5<経済・社会No1>


現代社会を生きていくために、ますます必要とは、社会そのものにたいする問題意識を、日頃から涵養することではないでしょうか。

 

ただし、社会を観察するにあたって数値化データをどのように活用するかについてですが、これがなかなか難しいです。

 

多くの社会事象がますます経済との結びつきで理解されようとしていますが、専門家でもない限り、それらを読み解くことは簡単ではありません。それでも、私たちは対話といったコミュニケーション手段を活用することができます。

 

それを想定して、経済と社会というトピックについて考察したいテーマを列挙していくと、かなりの数に上ってしまいました。そこで、これらを二部に分けて掲載してみました。

 

皆様と共に、是非、勉強させていただきたい課題です。

 

 

経済・社会1)

今の若者の価値観は前世代と違うのか?

Economy&Society1:
Are the values of young people today different from those of previous generation?
(Économie et société 1)
Les valeurs des jeunes d'aujourd'hui sont-elles différentes de celles des générations
précédentes ?

 

 

経済・社会2):

大企業は利益を上げることにしか興味がないのか?

Economy&Society2:
Are large corporations solely interested in generating profits?
(Économique et social 2) :
Les grandes entreprises ont-elles pour seul objectif de générer des profits ?

 

 

経済・社会3):

現代社会において、終身雇用はもはや現実的ではないのか?

Economy&Society:
Is lifetime employment no longer practical in modern society?
(Économie et société 3) :
L'emploi à vie n'est-il plus réaliste dans la société moderne ?

 

 

経済・社会4):

企業は倫理的でありながら利益を上げることができるのか?

Economy&Society4:
Can businesses be ethical and still profitable?
(Économie & Société 4) :
Les entreprises peuvent-elles être éthiques tout en restant rentables ?

 

 

経済・社会5):

企業が従業員のソーシャルメディア利用を監視することは許されるのか?

Economy&Society5:
Is it ever acceptable for companies to monitor employees’ social media use?
(Économie et société 5)
Est-il jamais acceptable pour une entreprise de surveiller l'utilisation des médias sociaux par ses employés ?

 

 

経済・社会6):

インターネット広告は効果的か?

Economy&Society6
Is internet advertising effective?
Économie et société 6) :
La publicité sur Internet est-elle efficace ?

 

 

経済・社会7):

ソーシャル・ネットワーキング・サイトは益となるよりも害となることが多いのか?

Economy&Society:7
Do social networking sites more harm than good?
Économie et société 7) :
Les sites de socialisation font-ils plus de mal que de bien ?

 

 

経済・社会8):

報道機関は報道内容についてもっと説明責任を果たすべきか?

Education&Culture8:
Should the news media be more accountable for what it reports?
(Économie & Société 8) :
Les médias d'information devraient-ils être plus responsables de ce qu'ils rapportent ?

 

 

経済・社会9):

社会はフェイクニュースの問題を十分に深刻に受け止めているか?

Economy&Society9:
Is society taking the issue of fake news seriously enough?
(Économie et société 9)
La société prend-elle suffisamment au sérieux la question des "fake news" ?

 

 

経済・社会10):

現代社会では汚職は避けられないのか?

Economy&Society10:
Is corruption an inevitable part of modern society?
(Économie et société 10) :
La corruption est-elle inévitable dans la société moderne ?

 

 

経済・社会11):

監視カメラはすべての公共の場所に設置されるべきか?

Economy&Society11:
Should surveillance cameras be installed in all public places?
(Économie & Société 11) :
Faut-il installer des caméras de surveillance dans tous les lieux publics ?

 


経済・社会12):

現代社会において、プライバシーの喪失は避けられないか?
Economy&Society12:
Is a loss of privacy inevitable in modern societies?
(Economie & Société 12) :
La perte de la vie privée est-elle inévitable dans la société moderne ?

 


経済・社会13):

社会階級は現代社会でも重要か?
Economy&Society13:
Is social class still relevant in modern society?
(Économie et social 13) : La classe sociale est-elle encore pertinente dans la société moderne ?

 


経済・社会14):

現代社会の人々は社会的に孤立しつつあるか?
Economy&Society14:
Are people in today’s world becoming more socially isolated?
(Économie & Société 14) :
Les gens de la société moderne sont-ils en train de s'isoler socialement ?

 


経済・社会15):

合法化されたギャンブルは国の経済に良い影響を与えるか?
Economy&Society15:
Has legalized gambling positive effect on a country’s economy?
(Économique et social 15) :
La légalisation des jeux d'argent a-t-elle un effet positif sur l'économie d'un pays ?

 


経済・社会16):

ギャンブル合法化のメリットはデメリットを上回るか?
Economy&Society16:
Does the advantages of legalized gambling outweigh the disadvantages?
(Économie et société 16) :
Les avantages de la légalisation des jeux d'argent l'emportent-ils sur les inconvénients ?

 

前回はこちら


特論2<戦後最大の超過死亡率> 

 

戦後最大、東日本大震災を上回る超過死亡の原因は?


超過死亡率とは、年次ごとの「死亡率の変動」として表現されることが普通です。

これは特定の母集団の死亡率が一時的に増加し、本来想定される死亡率の取りうる値を超過した割合のことです。 これは通常、熱波、寒波、伝染病、パンデミック、飢饉、戦争などによって引き起こされます。
 

 

「今年1月からの累積での超過死亡は7万1千人。」
去年よりも7万1千人も多くの人が亡くなっているということを意味します。

 

これは、とんでもなく異常な数字です。この数値は、東日本大震災のあった2011年をも上回り、戦後最大です。
 

 

なぜこんなにも日本で死亡者が多いのでしょうか?

 

しかし、多くの大手マスコミはこの事実を報道しようとしません。

そうした中でも、政府やNHK等が公開する情報を頭から否定してしまうことは賢明ではないと考えます。

 

要は、それらを海外の信頼できる複数の情報(英語圏の情報ばかりに偏り過ぎるのは危険です)との整合性を検証しつつ読み解いていこうとする本格的なインテリジェンスが求められる時代に突入してきたのではないか、と考えます。

 

 

ここでは、まず資料を3点、出典を明記した上で提示します。

 

 

厚労省の資料1)は、具体的には国立感染症研究所の資料2)によって、より具体的に説明されています。

 

両者の比較による、整合性の検討が不可欠であることを裏付ける事件が、今年発生しましたが、ここでは深入りすることは控えることにします。

 

 
資料1)

厚生労働省 人口動態統計速報(令和4年8月分)

 

出典:

人口動態統計速報(掲載日:令和4年10月25日)

 

 

資料2)

国立感染症研究所の感染症疫学センター
(掲載日:2022年8月12日)


出典:

我が国における超過死亡数および過少死亡数 (2022年5月までのすべての死因を含むデータ分析) (niid.go.jp)

 


すべての死因を含むデータ分析

 

東京都等17都府県において、2022年5月中の全ての死因を含む超過死亡数が例年の同時期より多い結果でした。

 

2022年1月から5月までの期間の全ての死因を含む全国の超過死亡数は、過去(2017~2021年)の同期間と比べて、最も大きい規模でした。

 

(以上原文のまま、以下省略)

 

 

資料3)

NHK特設サイト 新型コロナウイルス

 

出典:

世界のワクチン接種状況|NHK

 

世界のワクチン接種回数(100人あたり)

接種回数

 

Our World in Dataの集計で接種回数が上位18番目までの国や地域と日本・韓国のデータを表示しています。

 

ワクチンの接種回数が多い国や地域でも Our World in Dataの集計に入らない場合があります。

 

グラフ右下の更新日は、Our World in Dataからデータを取得した日付です。

それぞれの国や地域のデータは、更新日までに得られたデータの中で最新のものを表示しています。

 

各地の事情により新たなデータが反映されるまでに時間がかかる場合があります。(以上、原文のまま)

 

・・・・・・・・・・

 

以上に対して、以下は考察のための2次資料です。

人口動態統計

 


上のグラフからも分かる通り、ちょうどワクチン接種が始まった2021年に死者の数が急増しています。


とりわけ今年2022年2月は、前年2月に比べて、月間で約1万9千人も、死亡者数が急激に増加しています。コロナ感染による死亡者数は、パンデミック発生以来の累積でも5万人弱です。

 


なぜこのように死者が急増したのでしょうか?

 

一般の方は気づきにくいかもしれませんが、医療従事者として思い当たることがあります。

 

それは、まず2022年2~3月には、ワクチンの3回目接種が本格化した時期とぴったりと重なっているということです。
 

つまり、ワクチンの3回目接種数と死亡者の増加数との間の相関です。

 

また、グラフによると、2022年8月もまた前年より死者が激増しています。

 

これは4回目接種との関係が疑われます。

 

 

このような事実やデータがあるにもかかわらず、

疑問1)

ワクチン接種と死者急増との間に因果関係がないと言い切れるでしょうか…

 

統計的に相関関係が証明されても、それだけでは因果関係までを証明したことにはなりません。

 

しかし、超過死亡の急増は、通常、熱波、寒波、伝染病、パンデミック、飢饉、戦争などによって引き起こされます。

わが国において、この間に、異常なまでの熱波や寒波、飢饉、戦争などは発生していません。

 

残りは、伝染病、パンデミックなどですが、感染症による死亡者数は限定的であるため説明不可能です。

 

疑問2)

国民の生命と健康を守る厚労省は、なぜこの事実を隠していたのでしょうか…

 


厚生省の職員の中にも国民の健康と命を守るために日夜奉仕している方々も多数いるにもかかわらず、何故でしょうか?その理由は、日本政府をも支配する大きな影の力が作用しているからではないか、と疑ってみる視点も排除すべきではないと私は考えています。


疑問3)

なぜ、マスコミはこの事実をきちんと報道しないのでしょうか…

 

日本ばかりでなく米国の大手マスメディアは、この現実を闇に葬り、全く報道しません。

 

言い方を変えれば、英語以外の外国語に興味のないタイプの多くのエリート層ほど簡単に洗脳されています。英米の主流メディアは、に「ワクチン接種の推奨」(ワクチンキャンペーン)ばかりしているからです。

 

ですから、多くの多くの日本国民が亡くなり続けているにもかかわらず、
日本は世界で最もワクチンを接種しています。
 

日本と同じように、欧州でも超過死亡は激増しています。

 

あいにくNHK発表の資料3)には掲載されていませんが、たとえば、ワクチン1回目の接種率が83.3%で、追加接種も進んでいる「アイスランド」では、超過死亡率が55.8%も上昇しています。


一方、「ブルガリア」では、ワクチン1回目の接種率は30%と非常に低く、超過死亡率も1.4%に留まっています。

 

カナダで、コロナに感染して死亡した人のうち、およそ92%がコロナワクチンを接種済みであったことが明らかになりました。


きわえて、ワクチン接種を義務付けられているカナダの医師の死亡事例が増加の一途を辿っていますが、主要メディアは採りあげようとしません。
 

スイスのさる循環器専門医が、コロナワクチンの副反応に関する統計調査を行ったところ、ワクチン接種を実施したことで、心筋炎を発症した患者が800倍も増加したことを明らかにしました。
 

また欧州議会議員のミスラフ・コラクシッチ氏が、ヨーロッパ諸国のうち、コロナワクチン接種を積極的に推進した国ほど、超過死亡率の大幅な上昇を記録していると指摘しました。

 

このように、世界中の多くの専門家や医師たちがワクチン接種と超過死亡の関係性に警鐘を鳴らしています。

 

新型コロナワクチン接種に関しては、健康の安全や命にも関わる、とても大切な問題であるにもかかわらず、政府機関や大手メディアは限られた情報しか提供していません。

 

 

そもそもワクチンを打つも打たないの決定は個人の自由です。

 

他者から強要されるべきものではありません。

 

しかし、事実上、政府や、その方針に盲従する自治体等では、ワクチン接種者に特権を付与し、逆に、未接種者に対して、相対的に不利益な取り扱いを勧めています。

 

これこそは不平等であり、国民の自由を実質的に蹂躙する非民主的政策ではないでし
ょうか。

 

私は決してすべてのワクチン全体に反対しているわけではありません。

 

ただ、ほとんどの大手メディアが報道しない情報から、ご自身で考え決断していただきたく思います。