「医療券のみでの線維筋痛症外来、心療内科の初診受付」は
平成29年10月31日で終了いたしました。
「医療券のみでの線維筋痛症外来、心療内科の初診受付」は
平成29年10月31日で終了いたしました。
一般内科(循環器・消化器・内分泌・代謝・栄養関連の病気)
<胸痛が出たら・・・>
胸痛とは、胸部の不快感の総称です。
具体的には、圧迫感、絞扼感、灼熱感、激痛などと表現される主観的な症状です。
胸痛を訴える患者さんでは、生命にかかわる緊急性の高い4つの病気を見逃すことはできません。
その4つとは、急性冠症候群、大動脈解離、肺塞栓症、緊張性気胸です。
逆に、これらの病気でないことがわかれば、緊急性は低くなるので、じっくりとその原因を考えていくことになります。
胸痛をきたすその他の病態も4つに分けて考えると見落としを減らせると思います。
太字は緊急疾患に準じる可能性があるもの、下線は高円寺南診療所でこれまで多数経験してきたもの、です。
その1.
循環器疾患(狭心症、急性心膜炎、大動脈弁狭窄症、閉塞性肥大型狭心症)
心膜炎は前屈位をとると胸痛が弱まるので手掛かりになったことがあります。
その2.
循環器以外の胸部疾患(肺炎、悪性腫瘍、自然気胸、胸膜炎、縦隔気腫、肋骨骨折、肋軟骨炎、肋間神経痛)
胸膜炎は吸気(息を吸い込むこと)で胸痛が強くなることで手掛かりとなったことがあります。
その3.
消化器疾患(特発性食道破裂、急性膵炎、逆流性食道炎、食道痙攣、消化性潰瘍、胆石)
その4.
その他(帯状疱疹、頚椎症、パニック障害などの不安障害、心臓神経症など心気症)
このように、胸痛の訴えは、日常的な訴えですが、
原因や緊急性も多様ですので、慎重に鑑別して、適切な対応が必要です。
特に新規の症状発現の場合は、特段の注意が必要で、自己判断をすることはとても危険です。
放置せずに、必ずご相談くださいますように。
<分類困難な患者群から学んできたこと>その2
先週は、タイプA:自分の悩みが病気に該当するのかどうかがわからない、というタイプについて考察を加えました。
今週はタイプBを取り上げてみます。
ところでタイプBとは、自分の病気の相談窓口かどこなのかがわからない、というタイプです。
このタイプも3つほどのサブ・タイプがあります。
タイプB1:
そもそも病院の診療科目の内容が良くわからない、というタイプ
このタイプは、わかっていないことをわかっていないことが多いようです。
タイプB2:
自分の病気をどのように表現したらよいのかがわからない、というタイプ
このタイプは、あやふやな思い込みの医学用語や病名で語る方が多いようです。
タイプB3:
どの病院にかかって良いのか決めかねてしまう、というタイプです。
もっと深刻なのが、タイプB1の特殊事例です。
特殊事例とはいえ整体院・接骨院と診療所(医院)との区別がつかない方が多いのが現実です!ケースを2つ紹介します。
ケース1:整体院(整体師)通所例
医師の立場から誠意をもって病歴等の質問をさせていただいている際に、患者さんがしばしば、ご自分自身でのお答えではなくて、
『整形の専門の先生がおっしゃっていたので…』とお答えになる方が多数いらっしゃいます。
余りにも医学的な常識とかけ離れた理解不能の内容の場合は<どちらの整形外科を受診されているのですか>とお尋ねします。
すると、それが整形外科(医師)はおろか接骨院等(柔道整復師)でもない整体師(民間療法家)だったりします。
整体師の知識・技術の水準はバラツキが大きく、ときには平均的な柔道整復師の水準を遥かに超えている場合もあります。
中には、巧みに医師に成りすましている例もあるので注意が必要です。
健康保険取扱い対象外ですから、施術家も受療者も必然的に意識が高くなるので、私は代替医療として自己責任で上手に活用することも悪くはないとさえ考えています。
ただし、条件があります。整体師と医師を同列に扱うことだけはご一考いただきたいということです。
私は内科医ですがリウマチや骨粗しょう症、変形性関節症を専門的に診ていますが内科医なので比較的冷静に対処することができます。
しかし、整形外科医の先生は、これらの業者と同一視されることに対し内心穏やかではないと思い、同情いたします。
以下に、注意点をまとめてみます。
整体師は公的な資格ではない、つまり無免許です。
整体師はあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師ではないので、
当該国家資格を持たない限りあん摩・指圧・マッサージ・はり・灸・接骨、整骨等は禁止されています。(あはき法第一条/第十二条、柔道整復師法)
医業類似行為を行い、それが著しく好ましくない結果をもたらした場合、刑法の定める業務上過失傷害罪などに問われます。
ケース2:接骨院/整骨院(柔道整復師)通所例
慢性の痛みの治療目的で接骨院/整骨院に通所する方が最近顕著に増えています。
中には優秀な柔道整復師の先生があり、リウマチや膠原病あるいは痛風などの患者さんを私のところへ紹介してくれます。
それも、『自分では判断がつかないため、よろしくお願いいたします。』と依頼書に書かれているのですが、
その先生の見立てはほとんど外れることはありません。
しかし、最近困った例もあります。
膠原病の患者さんで、膝の変形があるため、ヒアルロン酸ナトリウムの関節注射を開始する必要があることを説明しました。
ところが『整形外科のお医者さんが関節注射はクセになるから良くない、とおしゃるので注射は結構です』という患者さんがいらっしゃいました。
相当の御立腹であったため、詳細についての情報交換もできないままお帰りになりました。
その後、一月ほどして、その患者さんが受診されました。
『注射はダメだといった若いイケメンのお医者さんが毎日通うように言うので、その通りにしていたら、膝がだんだん腫れてきて歩けなくなってきたのでタクシーでこちらに来ました。』
そこで、その患者さんにお尋ねすると『膠原病があることを、その若いイケメンのお医者さんに伝えると、なぜ最初に言ってくれなかったのか、自分は医者じゃないから病院に行ってほしい』と言われ、訳が分からないといって泣いておられました。
幸い、彼女は関節注射を受け入れてくれたのでたった1回の注射で歩行可能となりました。
ヒアルロン酸の注射は5回以内で終了するのが原則ですので、『注射がクセになる』という指導は見当はずれです。
もっとも、その発言の主は医師ではなく柔道整復師でしたので知識不足であると同時に、
みずから関節注射をする資格も経験もないはずなので、甚だしい思い込みであったと断言せざるを得ません。
柔道整復はあん摩マッサージ指圧、はり、きゅうと並んで医業類似行為の一つとされ、柔道整復師は国家資格です。
そしてスポーツや日常生活の中で生じた、打撲、捻挫、脱臼および骨折などの急性の損傷を治療対象とします。
しかし、怪我等によるものではない、また慢性化した病態の患者は引き受けることはできません。
つまり、応急的もしくは医療補助的方法により、その回復を図ることを目的に施術を行います。
また、骨折や脱臼の場合には、応急手当てを行う場合以外は、治療について医師の同意を得てから行うこととされています。
医師ではないため、レントゲンその他の画像検査、外科手術、薬品の投与等は許されていません。
私は、柔道整復師の多くが純粋な志で職業選択をされたのであろうと思います。
問題なのは養成施設です。
それは法的な扱いを含めてきちんとした教育を行っていないどころか、脱法行為を暗黙の裡に推奨しているかのような印象を受けざるを得ないからです。
最後に、インチキ整骨院の見分け方をお伝えします。
その第一は、医師法違反の表記をしているところです。
甚だしく僭越なのは<整形外科さんと接骨院の違いを教えます>などと表示してはばからないところです。
説明できるのは柔道整復師ではなく整形外科医です。
たとえば柔道整復師の職業名の例示として 整骨医、接骨医を挙げることができます。
しかし、医師法第18条は、医師でなければ、医師又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない、と定めています。
そして、柔道整復師向け情報サイトでも「接骨医」「整骨医」「東洋医学医」など「医」を付けた名称を用いてはならないと呼びかけています。
治療という言葉は使用可能ですが、「診」という言葉は一切使用できません。
なぜなら、診察は医師の専権事項だからです。ですから診察、診療、往診などの用語は医師でなくては用いることはできません。
往診とは言えず往療(おうりょう)という言葉を使わなくてはなりませんが、ほとんど見かけません。
つまり、柔道整復師業界がこぞって医師法違反を既成事実化しようとしているといっても過言ではないでしょう。
これは、個々の柔道整復師の問題というよりは、養成施設や業界全体の問題であると思います。
一般の患者さんが柔道整復師を医師と同格・同列あるいはそれ以上の上級の専門家と誤解してしまうのも無理はありません。
インチキ整骨院の見分け方の第二は、適応外表示です。
例<頭痛を治します><うつ治します> これなどは無知の極致です。
私は医学博士号を持つ医師ですが、開業してこの方、自信をもって<頭痛を治します>と表明したことはありません。
否、表明できませんでした。なぜなら、頭痛は生死にかかわるケースも少なくないことを熟知しているからです。
そのため、11月10日(金)をわざわざ休診にして大阪で頭痛専門医受験資格取得のための最後の研修を受けてくるのです。
賢明なる皆様は、ご自分自身の健康のみならず国の医療制度を良くしていくことができるはずです。
総合医療・プライマリケア
<家庭医学から産業医学へ>
高円寺南診療所での際立った特徴の一つに受診者の年齢層を挙げることができます。
小児科ではないため、中学生以下はほとんど受診されませんが、高校生以上から高齢者まで幅広い中でも、とくに働き盛りの年代の方々が中心です。
つまり、労働者の心身両面での健康管理が大きな比重を占めています。
人々の生活の場は家庭だけではなく、職場も重要な場です。
そして大多数の皆様は何らかの職場ストレスを抱えていることに気づきました。
そこで、当診療所では、家庭医学のみならず産業医学の重要性に早くから着目し、研鑽を積んできました。
産業医とは
労働者の健康管理を行うための医師のことです。
労働者が作業場で安全かつ健康に働くためには、専門知識を得た人材が適切に管理をすることが必要となります。
そのため、労働者たちの健康を守るとともに、適切な職場環境を作ったり改善したりするために産業医を置くのです。
産業医は、労働者たちにとっても企業にとってもメリットが大きいはずです。
健全な経営は、労働者の健康管理なくしてあり得ないからです。
産業医に関しては、労働安全衛生法によって一定の条件を満たす事業場で選任の義務があります。
産業医の職務とは
〇健康診断の実施
〇月100時間以上残業(過重労働)をした労働者に対する面接指導
〇労働者のストレスチェックの実施
〇労働者の作業環境の改善と指導
〇毎月1回以上の作業場巡回
〇労働者に対する衛生教育
〇そのほか労働者の健康維持に関する指導
上記のように、産業医は労働者たちの健康に関する責任を負っています。
産業医になるには
まず医師資格があることが大前提です。
医師であることに加え、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について厚生労働省令で定める要件を備えた者でなければならないとされています(労働安全衛生法第13条第2項)。
医師が、規定の研修(日本医師会の産業医講習会など)を修めたり、労働衛生コンサルタント(保健衛生)の国家資格を得たり、といったキャリアをもつことでなることができます(労働安全衛生規則第14条第2項)。
高円寺南診療所では、医師である飯嶋正広が日本医師会認定の産業医資格を取得した後に、労働衛生コンサルタントの国家試験に合格し、高円寺南労働衛生コンサルタント事務所という名称で登録しています。
こうしたキャリアは受診者が病気養生のため休職や退職をする際に、あるいは再就職や段階的・計画的復職(リワーク)を支援する上での診断書作成や患者さんの勤務する職場の産業医との連携、担当上司への働きかけなどの際に、十分に活用できている実感があります。
しかし、国家資格である労働衛生コンサルタントとして当然とされる報酬をいただいたことは一度もありません。
その場合の報酬は、本来、労働者である患者さんから直接いただくものではなく、企業から受け取るべきものと考えているからです。
今後は、企業の健康管理のコンサルタントとしての需要にも応じ、労働者の生活の場でもある職場の環境改善に積極的に関与していくことを考えています。
それによって、身体・精神のみにとどまらず環境の側面にも関心をもつことによって、心身医学・全人的医療のコンセプトを実際の現場においても発展・展開していくことが可能になるのではないかと期待している次第です。
<何が変わって、どこが変わっていないか>
前回「今回での最終回です。」と書いてしまい。
え!今回で終わるの?という指摘を受けました。
正しくは、「今回で「記録をとる」の最終回です。」でした。申し訳ありません。
さて、生まれ変わったNogucciですが、変えられたことと、変えられていない所を検証していきます。(個人の感想です)
まず良い方、変えられたこと(あくまでも個人の感想です)
事前の準備をするようになった。
取り掛かりを早くするようになった。
仕事を先に先に追いかけるようになった。
ご飯をゆっくりとよく噛んで食べられるようになった。
炭水化物(特にごはん)をかき込まなくなった。
事前に準備をするようになったことで、仕事に余裕を持てるようになったと思います。
変わっていないこと
思い込みで動く
都合のよい方に考える
報告・連絡・確認・相談(ほうれんそう)がまだまだ
特に報告が抜けていたり遅かったり
同じようなミスを繰り返しがち
といった所でしょうか?
まだまだ有りそうですが…。ご意見お待ちしてます。
次回は変えられていないことを検証していきます。
》往く週《 10月25日:第30回聖楽院週例コンサート(90分プログラム)
(音海水曜コンサート発足、通算100回特別記念プログラム)
リハーサル
イタリアのミラノから来日したアコーディオン奏者のエチオ・ギバウドさんの来場を、特任コーディネータのマルコ・アニョレッティさんと共に、出演者一同と音海スタッフ一同が今か今かと待ちながら、直前のリハーサルを続けていました。
台風の後でもあり、最悪の事態まで予想していたのですが、悪天の中、大きなアコーディオンを抱えたギバウドさんが来場されたときは、関係者一同大きな安堵感に包まれました。
会場はすでに満席でした。
到着直後から、ギバウドさんと私たちのフルーティスト西巻有希の合わせを始めていただきました。
すると、これが初顔合わせとは思えないくらい息が合っていました。
それで、もう一度、大きな安心がもたらされました。
満席にもかかわらず、何とか立ち見でも、という熱心なお客様も3名ほどいらして、オープニングを前に前代未聞の熱気に包まれ始めました。
前半45分
定刻を若干渡過したところで、オープニングを開始することができました。
10月のテーマはカッチーニのアヴェマリア、先週に引き続き、この曲を歌いこなしているソプラノ若月櫻子の歌唱が敬虔で芸術的な音楽会の幕を開けてくれました。
若月櫻子の声と吉田奈津子のピアノ伴奏は前半のプログラムの要所要所を支え、聴きごたえのある充実した演奏をしてくれました。
ギバウドさんとの共演を希望して準備していたフルートの西巻の他に、ギバウドさんのレパートリーにも関連するピアソラの作品を演奏したサックスの冨士田紗季は、馴染みのお客様だけでなく、ギバウド氏にもしっかり音楽的メッセージをアピールできたのではないかと思います。
後半45分
特別出演のイタリア人アコーディオン奏者Ezio Ghibaudo氏のクラシックアコーディオンによる近代アコーディオン演奏プログラム
ギバウド氏は、私の予想通り、寡黙で控えめな方のようでした。
今回来日されて、すでに鳥取大学や京都大学でのコンサート、さらにはイタリア文化会館のアニェッリ・ホールでの演奏など過密なスケジュールをこなしていたようです。
来場のお客様の中には、すでにイタリア文化会館での演奏を聴きにいかれた方がいらして、彼女の報告によると350席が満席だったそうです。
はじめにギバウド氏に簡単な自己紹介をお願いすると、彼はアコーディオンの説明をしてくれました。
彼の表現を元にクラシック・アコーディオンを端的に説明すると
Piccolo Organo(ピッコロ・オルガン:小さなオルガン)になるようです。
このキーワードは、彼の演奏を聴き言っているうちに生きた言葉になっていくのを感じました。
まず、マルチェロ 作曲、バッハ (1685-1750) 編曲の協奏曲ニ短調 BWV 974,第1楽章テンポ指示なし, 第2楽章アダージョ,第3楽章 プレスト
ついで、デルベンコ (1949- ) のコラール前奏曲
ギバウドさんのアコーディオンは、音海という小さな空間をすっかりと小聖堂に変化させてしまっているのに気が付きました。
大聖堂にはパイプオルガンは定番ですが、小聖堂にはクラシック・アコーディオンが似合いそうです。
なぜなら、それは小さなパイプオルガンだからです。
引き続いて、スカルラッティ (1685-1757) のソナタK9ト短調 (アレグロ)、ソナタK159 ハ長調 (アレグロ)、ソナタK58 ハ短調 (フーガ)、
3つのソナタは短調・長調・短調とメリハリがあり、テンポもアレグロからフーガへと変化し、聴く者の心を捉えて飽きさせることがありませんでした。
小聖堂もしくは礼拝堂の扉を開けて、教会に守られた外の世界へと広がっていくイメージが喚起されました。
そこで、ピアソラ (1921-1992)の、フルートとアコーディオンのために、と題した古歌であるアヴェ・マリアが、最高のタイミングで演奏されました。フルート西巻の面目躍如でありました。
最後は、ぐっと世俗的で親しみやす曲、
ファンチェッリ(1928-1953) 、キューバの水彩画(ルンバの印象)、窓から10キロメートル (旅の印象)、君去りし後(After you’ve gone)以上の3曲でした。
これらは異国情緒溢れる新世界へ向かうイメージと過去から現在そして未来に向かう、それまでとは一味も二味も違う音色と、アコーディオンならではのハーモニーで今一度、大きな拍手が沸き起こり、演奏会の幕が華やかに閉じました。
イタリア語でアコーディオンをフィズハルモニカ(fisarmonica)というようですが、ハーモニカのような音色が独特の個性的なハーモニーを演出していました。
そうして後半45分のプログラム全体は、念入りに吟味されたコース料理のようでした。
西巻のフルート演奏は単なる料理のスパイスを超えて、アコーディオンの魅力を大きき引き立たせることに成功しました。
《 来る週 》11月1日:第31回聖楽院週例コンサート(60分プログラム)
担当ピアニスト:鈴木 美穂 (聖楽院特任ピアニスト)
この回は、水曜ミニサロン・コンサート初回から101回目、発足3周年目に突入です。
そこで今回は、水曜ミニサロン・コンサートの原点に戻り、シンプルに親しみのある演奏を心掛けたいと思います。
とは言っても、聖楽院週例コンサートは、かつての水曜ミニサロン・コンサートから大きく発展し、オープニングではその月のテーマとなる聖歌ではじまり、第一部は小倉百人一首で歌うシリーズ2曲が定番となりました。
11月は、シューベルトのアヴェ・マリアをテーマとします。その後は、鈴木美穂のピアノ演奏、なつかしの日本歌曲など、演奏者どうしのお話を交えながらのアットホームなコンサートとなるように心がけたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
<今後の外部演奏会の予定>
〇11月5日(日)バロック・アンサンブル<アジア・コレギウム・ムジクム>
どうぞよろしくお願いいたします。
開演18:15 開演18:30
場所:青山学院大学のIVY HALL (アイビーホール)5F / GLORY CHAPEL(グローリーチャペル)〒150-0002 東京都渋谷区渋谷4丁目4番25号
チェンバロ奏者として荻原由実(聖楽院協力ピアニスト)が出演します。
〇11月23日(勤労感謝の日)第1回聖楽院レッスン生内部発表会
第二部の指導者コンサート(ソプラノ小松奈津子、テノール藤原拓海、フルート八木華沙璃)
お蔭様で、予約チケットは全て完了いたしました。ありがとうございます。
プログラムが完成しました。第一部のレッスン生発表会は無料です。
〇12月3日(日)Le Salon de Clavier コンサート(午後の音楽会事務局主催)
フルーティストとして西巻有希子(聖楽院協力フルーティスト)が出演します。
13:30 開場 14:00 開演 JR 田端駅北口より徒歩7分
入場料 ¥2,000 (全席自由)
ご予約・お問い合わせ yukiko.nishimaki.flute@gmail.com (西巻)
〇12月24日(土)音楽之友社ホール、17:50ベルタガラ・クリスマスコンサート。
<及川音楽事務所主催>にテノール飯嶋正広が出演します。演奏曲目は調整中です
ピアノ伴奏:向阪由美子
〇2018年1月28日(日)タカギクラヴィア松濤サロンコンサート(及川音楽事務所主催)に出演予定、演奏曲目、ピアノ伴奏者未定
〇2018年2月25日(日) タカギクラヴィア松濤サロンコンサート(及川音楽事務所主催) に出演予定、演奏曲目、ピアノ伴奏者未定
統合医学 (東西医学、補完・代替医療)
<自然療法のお役立ち情報:温泉・気候・物理医学>
日本温泉気候物理医学会は温泉療法(温熱)、気候医学、物理療法を通じ国民の疾病治療・予防および健康保持・増進を目指しています。
昭和10年に設立され、今年で82周年を迎えるこの学会は現在の総会員数1869名(医師数1600名)、温泉療法医982名(温泉療法専門医211名)です。
現在、我が国では高齢化が急速に進み介護と医療の連携が大きな役割を果たすべき時代となっています。
日本温泉気候物理医学会は従来から温泉療法(温熱)、気候医学、物理療法(温冷・気圧)を中心とする非薬物療法は高齢社会においてその役割は大きくなると思われます。
また、増加する医療費や介護費の抑制にも期待されます。
なお、温泉利用型健康増進施設の認定施設を利用して温泉療養を行い,かつ要件を満たしている場合には,施設の利用料金,施設までの往復交通費について,所得税の医療費控除を受けることができますので、是非、ご相談ください。
温泉Q&A
【学会ホームページより抜粋】
Q湯治にあたり,温泉療法医の指導のもと実施した方がよい、と書いてありましたが,温泉地に行かないと温泉療法医は存在しないのでしょうか?
A温泉療法医は全国におります。
湯治に行かれるのであれば,お住まいのご近所の療法医の先生や,湯治に行かれる現地の療法医に相談されてはいかがでしょうか。
⇒高円寺南診療所では、院長が温泉療法医であり、かつ温泉療法専門医の資格を持っています。
3週間以上滞在して湯治に行かれる場合で、現地の療法医がいる場合にはご紹介いたします。
なお水氣道®は通常の稽古を室内温水プールで行っていますが、保養地において自然水や温泉水を用いた稽古を究極の水氣道®の在り方と考えています。
Qどう診察を受ければいいのか,費用はどうなのか,保険適用はどうなのか教えて下さい
A温泉療法医に問い合わせていただくことになります。
通常の外来診療になるのであれば,保健適応になります。
温泉利用型健康増進施設であれば,
認定施設を利用して温泉療養を行い,かつ要件を満たしている場合には,施設の利用料金,施設までの往復交通費について,所得税の医療費控除を受けることができます。
日本健康開発財団ホームページ
(http://www.jph-ri.or.jp/onsen-nintei/index.html)
をご参照ください。
Q温泉療養に興味があるのですが,どなたか相談にのっていただける先生はいらっしゃいませんか?
A皆様のお住まいの地域や訪れる温泉地の温泉療法医や温泉専門医の先生に相談されてはいかがしょうか。
当学会には,温泉療法医や温泉専門医の先生が所属されております。
温泉療法医や温泉専門医の先生の連絡先は,
日本温泉気候物理医学会ホームページ
(http://www.onki.jp/doctor/doctor_intro/)
で調べられます。
Q現在持病があり,通院しておりますが,温泉を利用する際に注意することはあるでしょうか?
Aまずは主治医の先生にご相談ください。
また,環境省ホームページには,日本温泉気候物理医学会が監修した
「あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは」
が公開されておりますので参考にしてください。
Q関節リウマチに効く温泉はどこですか?
Aよく耳にする質問ですが、特定の泉質に対する適応疾患というのは飲泉も含めて考えると多少はあるものの、関節リウマチなどは泉質によらず、療養泉の一般的適応症です。
多くの疾患に対する温泉療養の効能は同様に考えられ、泉質や温泉地にこだわることなく、療養先で正しい生活を送ることが、効果を高めるために重要です。
正しい温泉療養については「あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは」を参照して下さい。
Q妊娠中の温泉は禁忌ではなくなったと聞きますが、まだ禁忌と表示されているのをよく見かけるのは何故ですか?
A環境省は平成26年7月1日付けで改訂された温泉施設に掲示を行う際の禁忌症及び入浴又は飲用上の注意事項と適応症を発表しましたが、
それが各旅館や温泉施設まで周知されるのに時間がかかっているのが現状です。
改訂された内容については「あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは」を参照して下さい。
Q温泉利用型健康増進施設と温泉利用プログラム型健康増進施設の違いは何ですか?
A 温泉利用型健康増進施設は温泉利用プログラム型健康増進施設と比較して、温浴設備・運動設備・配置人材がより充実していることが要件となっています。
温泉利用型健康増進施設は利用料・交通費が医療費控除の対象となりますが、温泉利用プログラム型健康増進施設は対象となりません。
東洋医学
<気とは何か?>
気という病理観は、わが国の漢方(古方漢方)にも、中国伝統医学(中医学)にもあります。
中医学では“気”を“血”、“水”と共に全身を、くまなく巡り人の生命活動を支える基本物質としています。
これに対して古方漢方の大家である吉益南涯は、“気”は形がなく働きだけがあるもの、としています。
つまり、“気”とは物質ではなくエネルギーであると捉えているようです。私は、南涯の説に賛同しています。
南涯によると、“気”は総ての生命活動を司る生体エネルギーであり、
血や水を全身に巡らせ、栄養を身体の隅々にまで送る原動力です。
この考え方を受け入れてみると、“気”の働きの障害によって血や水の働きが阻まれることは理解しやすいです。
たとえば、気力に乏しいものを<気虚(ききょ)>といい、
気の巡行が障害されたものを<気滞(きたい)>と呼びます。
<気虚>とは、元気の不足や気の消耗によってもたらされます。
その場合の全身症状は、虚弱と無力です。気虚が進行すると、
生命維持に必要な熱(体温)の産生が低下し、これを<陽虚(ようきょ)>といいます。
気は陽に属するからです。
気虚の原因は、慢性病、加齢、先天的虚弱、脾胃(消化器系)の障害、栄養不良、過労、消耗などです。
以下に、気虚の患者さんはすぐに見分けがつきます。
まず目力が弱い表情で、声が小さいです。
舌を診ると湿っているだけでなく腫れぼったい。
脈は柔らかく弱い。腹部は軟弱です。
気虚の症状をリスト・アップしてみます。
1)特徴的な訴え(全身症状):身体がだるい、疲れやすい、すぐ眠くなる、気力がない
2)消化器系:食欲不振、腹満感(食べるとすぐに腹が張る)
3)呼吸器系:かぜをひきやすい、かぜがなかなか治らない
4)神経系:物事に驚きやすい
なお、気虚の特殊なものには<気陥(きかん)>があります。
これは本来上昇すべき気(脾気)が逆に下陥するものです。
内臓下垂、脱肛、習慣性下痢などの症状として現れます。
治療方法は、補気、すなわち不足した気を補います。
漢方薬では気剤のうち補気剤(人参、黄耆、炙甘草などの生薬を主体とする漢方薬)、
鍼灸では補法、水氣道では理気航法の補陽・補気術です。
<気滞>とは、気の円滑な流通が障害されていること。
それによって関連する臓腑や経絡に病変を起こすものです。
また、人体のどこかで病変が起こると、気の流通が妨げられるので気滞が生じます。
人間の感情は肝の疏泄作用によって支配調節されているので、
精神的ストレスなどで肝に気滞を生じることがあり、特に<肝氣鬱結>と呼んでいます。
気滞の主な症候は、局所の疼痛です。
気滞の症状
1)特徴的な訴え(全身症状):停滞感(滞り,詰まり)
2)神経系:氣の巡りの悪さ(自律神経失調、ノイローゼ、不眠)
3)呼吸器系:咳、くしゃみ、鼻づまり、声かれ、ため息、あくび、いびき
4)大腸:腹部膨満(感)
5)四肢:痛み、麻痺、しびれ感
6)皮膚:多汗、皮膚のかゆみ・皮膚病
なお気滞の特殊なものに<気逆(きぎゃく)>があります。
気逆の症状
1)頭痛、めまい、
2)のぼせ、赤面・顔面紅潮
3)目の疲れ、目に力が無い
4)難聴
5)動悸(緊張、興奮してドキドキする)、精神不安、神経質、イライラ
治療法は、理気、すなわち気の流れを整えます。
漢方薬では気剤のうち理気剤(柴胡、香附子、薄荷、紫蘇葉、半夏、陳皮、厚朴、桂皮、枳実などの生薬を含む方剤)、
鍼灸では理気法あるいは瀉法、水氣道では理気航法の宣発・調気術です。
なお、理気薬の特徴としては香りが強く、香辛料や料理のスパイスに使用されるものが多いです。
たとえば、紫蘇葉は食用でも使われるシソの葉、陳皮はミカンの皮、さらに薄荷はミントです。
そこで、アロマセラピーは理気薬として使用することも有益だと思います。
心身医学科(心療内科、脳神経内科、神経科を含む)
<心身医学を正しく理解しましょう!>
心身医学とは、患者を身体面とともに心理面、社会面(生活環境面)を含めて、総合的、統合的にみていこうとする医学です。
つきつめれば、心身医学は総合医学を超えて統合医学を志向する医学です。
このように紹介させていただきながら、私は、心身医学は臨床医にとって、ごく当たり前の基本的な医学だと感ぜずにはいられません。
つまり、日々の臨床を振り返るに当たって、一人一人の患者さんに対して、身体面はもちろんのこと、
心理面、社会面(生活環境面)を含めてきちんとみていたかどうか、という反省を繰り返し、積み重ねていくことこそが現場の実地医療だと考えるからです。
しかしながら、現代医療は専門分化が極端にまで進み、また診断や評価の手続きは煩雑であり、
そのため、たとえば大学病院での診察は、たとえば身体面でさえ、その一部をみるのが精いっぱいというのが実情です。
これは已むを得ない現実です。
また、地域の基幹病院である総合病院も、多種多様な専門診療科の寄せ集め(総合)ではありますが、それぞれの診療科相互の連携は必ずしも密接ではありません。
患者さんは一つの体で一つの人格を持つ存在であるにもかかわらず、多数の症状を訴えると、複数の科を受診することになりますが、
健康状態や全体的な病態について統一的に理解することはとても難しいはずです。
なぜ難しいのかというと、それは各科のいずれの専門医に答えを求めても、おそらく彼らの能力を超える質問だからです。
それでは、誰がその役割を果たしてくれるでしょうか。
まずは、身体面が基本ですから、内科医、それも総合内科医ということになりますが、残念ながら総合内科=統合内科ではありません。
それでも諦めてしまうには及びません。それを担当することを目指して修錬を続けているのが心身医療専門医です。
心療内科医というのは、まさに心身医療の内科分野を担当する医師です。
心療小児科、心療婦人(女性)科、心療皮膚科、心療整形外科といった分野を提唱する向きもあり、
とても重要な領域だと思いますが、ほとんど認知されていないのが実情ではないでしょうか。
心身医療の分野の中核として確立したはずの心療内科専門医にしても
2017年10月1日現在で全国では118名、都内では27名、杉並区では2名、末松弘行先生(東大心療内科名誉教授)と私の2名のみです。
心療内科の看板は、とくに精神科に併記されていることがほとんどです。
それが心療内科を解りにくくさせている主要な原因の一つであることは否めません。
それも、精神科を明示せず、神経科、心療内科を併記する精神科医がほとんどなので、さらに患者さんは迷うことになるのではないでしょうか。
心療内科医は、少なくとも身体面(主に内科領域)の診療を基盤として、そこから心理面、社会面(生活環境面)を含めて、総合的さらには統合的にみていこうとする臨床医です。
たとえば線維筋痛症の患者さんは、心療内科専門医こそが責任をもって担当すべきだと思います。
精神科専門医は、しばしば線維筋痛症の患者さんに身体表現性障害という診断名を付けて、向精神薬を中心とする薬物療法を試みがちであるし、
整形外科やペインクリニックの専門医は慢性疼痛ということでオピオイド(麻薬性鎮痛剤やその関連合成鎮痛薬)を処方して痛みを強力に抑え込もうとする例が目立ち、
患者さんの苦悩を受け止めることが困難な場合は、心療内科を受診するように勧めるケースが多いようです。
ただし、紹介先が心療内科専門医であればまだしも、心療内科を標榜するだけの精神科医を受診させるのが圧倒的に多いように思われます。
多くの精神科の先生方もご苦労されているようです。
この現状を解決するためには、心療内科専門医の積極的育成が急務であるはずです。
しかし、心療内科専門医になるには、内科の専門的研修に加えて、心理学・精神医学、家庭医学や産業医学を含め心身医学を学び十分な訓練を受けなくてはなりません。
そのため、道のりは遠く厳しく、苦労の割には経済的見返りが乏しい、と映るためなのでしょうか、
心療内科専門医を志そうという平成生まれの若手医師はとても少ないのが残念でなりません。