質問1.私は泳げないのですが、大丈夫ですか?

 

 

回答1.大丈夫です。

 

水氣道は水泳訓練ではありません。

 

水中での立位運動が主体だからです。

 

 

 

質問2.年齢制限はありますか?

 

 

回答2.原則、入会時の年齢に上限はありません。

 

その理由は、水氣道は生涯エクササイズを目指し、

 

高齢になっても継続可能な理論と技法を開発してきたからです。

 

ちなみに、現時点の最高年齢は88歳です(H29.10.1現在)

 

 

ただし、稽古会場によっては、施設側の規則により、

 

たとえば18歳未満では使用が認められないことがあります。

 

(例:新宿ウェルネス・エイジ室内プール等)

 

個別にご相談下さい

 

 

 

質問3.入会手続きの流れを教えてください!

 

回答3.①水氣道の趣旨制度の説明

 

(遠慮なくご質問してください、担当者:野口将成)

 

②フットネスチェック(20~30分)

 

③初回稽古参加の予約(見学のみも可能です)

 

④体験生(階級未認定)として一定期間、ご参加いただい後に、

継続の御意思を確認させていただいた後、

改めて特別体験生(水氣道7級)の認定を受けていただくことにより

 

正式入会となり水氣道の一般会員として登録されます。

 

 

 

質問4.入会のための健康条件について教えてください!

 

回答4.  現時点では、車いすを使用している方の場合は、

 

残念ですがお受入れすることができません。

 

現在、症例に向けての重要な課題として体制を準備しております。

 

杖使用歩行の方である場合は、ほとんどの場合は受け入れ可能ですので、

 

どうぞ積極的にお問い合わせください。

 

 

 

質問5. 実際にどのような方が参加していますか?

 

回答5.① これまで運動習慣が無かった方。

 

② 個人でのトレーニングが続かない方。

 

③ 安全かつ効果的に、しかも楽しく体質を改善したい方。

 

④ 気分や情緒の安定に向けて自己調整力【セルフコントロール能力】を獲得したい方。

 

⑤ 団体や組織での活動の苦手意識を克服したい方。

 

⑥ 他者とのコミュニケーション能力や人前での発現に自信をつけたい方。

 

その他色々な方が楽しく継続参加し、効果を獲得していただいております。

 

 

 

質問6.稽古はどこで行われていますか?

 

回答6.杉並区を中心に、新宿区、武蔵野市等、主に都内及び都下の各会場で行っています。

 

都外では茨城県水戸市などで行っています。その他、関西方面をはじめ全国での開始を準備しています。

 

また不定期的ですが、ドイツ(ベルリン・ミュンヘン・バートヴェーリスホーフェン)、

 

オーストリア(ウィーン)、イタリア(ミラノ・モンテカッティーニ)、フランス(パリ、ボルドー、

 

ビアリッツ)など諸外国での実施経験があります。

 

 

      都内・都下の主な会場は、

 

杉十小温水プール(杉並区和田)主に月・水曜日

 

大宮前体育館室内温水プール(杉並区南荻窪)主に金曜日

 

上井草スポーツセンター(杉並区上井草)主に月曜日

 

高井戸プール(杉並区高井戸東)不定期

 

ウェルネス・エイジ室内温水プール(新宿区歌舞伎町)主に火・土曜日

 

新宿コズミック・センター(新宿区大久保)不定期

 

藤村水泳教室室内温水プール(武蔵野市)主に水曜日

 

 

 

質問6.稽古の日時は決まっているのですか?

 

回答6.稽古の日時は、高円寺南診療所のホームページからご確認できます。

 

ご確認方法は、まずホームページのトップページを開いてください。

 

http://www.suikido.jp/

 

トップページのメニューの中から「水氣道」をクリックしてください。

 

「水氣道」の専用ページに移行すると、水氣道活動予定表が現れます。

 

この表で、稽古の日時と会場をご確認することが可能です。

 

月、水、土は毎週、火、金は月2回(隔週)実施しています。

 

 

 

質問7.参加費について教えてください!

 

回答7.初回会費は2,000円、二回目以降は1,500円です。

初回会費には水氣道専用帽子代500円が含まれています。

 

ただし、藤村水泳教室会場での稽古に関しては、

初回会費は3000円、二回目以降は2500円です。

 

尚、一般会員から正会員に会員区分が変更になると、年会費制に移行します。

 

最初は全員が一般会員です。

 

一般会員として継続的に稽古に参加され、定期的に実施している資格審査に合格されると、昇級することができます。

 

順調に昇級を続けて水氣道4級(高等訓練生)までは一般会員です。

 

それ以降の昇級を希望する方は、ご本人の選択により正会員として、

 

年会費制に変更することができます。

 

 

 

質問8.どのような稽古を行っているのですか?

 

回答8.公式稽古の基本的なプログラム同じです

 

本稽古(2時間枠)と半稽古(1時間枠)の2種類があります。

 

本稽古の稽古内容をもって水氣道の標準稽古とします。

 

 

半稽古は標準稽古である本稽古の稽古の短縮版であるとご理解ください。

 

実際の稽古の内容や流れについては水氣道のホームページをご覧ください。

 

http://www.suikido.jp/suikido/

 

 

 

 

質問9.事前に見学することは可能ですか?

 

回答9.可能です。水氣道の公式稽古実施の時間帯にご来場いただければ、いつでも見学可能です。

 

 

 

 

質問10.どのような資格を持った方が指導してくれるのですか?

 

回答10.日本水氣道協会が認定した各水準の資格を持った複数の会員です。

 

水氣道は段・級制度があり、重層的に指導に当たっています。

 

この資格は、日本水氣道協会独自のものです。

 

各水準の資格は、定期的に実施している資格審査試験の成績に基づいて授与いたします。

 

初回参加の方は、水氣道入会審査に合格された段階で水氣道<体験生>という資格が与えられます。

 

そして、初回稽古に際しては水氣道専用の(白帽子)を着用していただきます。

 

その<体験生>の皆様を直接ご案内するのが水氣道7級<特別体験生>以上の階級の会員です。

 

皆様を直接お世話するのが水氣道6級<初等訓練生>以上の資格と階級をもつ会員です。

 

なお、水氣道は団体運動であるため、基本的には単位で稽古し、さらにという小グループを編成して稽古します。

 

原則として、組のリーダーは水氣道初段<初等支援員>(黄帽子)以上もしくは、

 

それに準じる資格と階級をもつ正会員、また班のリーダーは水氣道3級<初等修錬生>(朱帽子)以上

 

もしくはそれに準じる資格と階級をもつ正会員もしくは一般会員が担当します。

 

 

水氣道は、さらに四段(厳密には従四段上)以上の水氣道指導員になると、

 

日本水氣道協会から職業水氣道家(プロ)として規定額の報酬を受け取ることができます。

 

 

 

質問11.稽古に参加するにあたって、特別な注意事項はありますか?

 

回答11.以下の状態での参加はお控えいただいております。

 

 過度な満腹状態や、吐き気・下痢の症状がおさまらない場合。

 

空腹・脱水状態あるいは酩酊状態

 

体温が平熱より1℃以上高い場合。

 

1人で会場に来るのが困難な場合。

 

刺青のある方で、刺青をカバーできない場合。

 

 

 

質問12.水着の指定はありますか?

 

回答12. 原則として指定はありません。

 

ただし、露出の多い水着(男性ブーメラン、女性ビキニ等)はお控え下さい。

 

また、水氣道は団体での稽古活動をするため、階級(段や級)制度があります。

 

階級の識別の唯一の方法が帽子の色の種類やストライプの数であるため、

 

稽古で使用していただく帽子のデザインには規定があります。

 

白(体験生・訓練生)⇒(修錬生)⇒(支援員)⇒(指導員)⇒(監督指導者)

一般内科(循環器・消化器・内分泌・代謝・栄養関連の病気)

 

<H.ピロリ菌感染の診断>

 

 

高円寺南診療所に通院中の患者さんから、最近、ピロリ菌除菌の相談が出ます。

 

ピロリ菌の正式な名前はヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)です。

 

この菌に感染すると胃・十二指腸潰瘍のみならず、胃MALTリンパ腫や胃癌にもなることがあります。

 

しかし、除菌治療後の除菌判定が行われていないケースが多く、

 

そうした患者さんを放置できないため、他の医療機関でピロリ菌の除菌を行った患者さんの除菌判定を始めることにしました。

 

 

ただし、高円寺南診療所では、ピロリ菌の除菌療法は行いません。

 

その理由は、除菌によるデメリットとして抗生剤による副作用や逆流性食道炎の増加、食道腺がんの発生、喘息やアトピー性皮膚炎の増加などの問題が明確に解決していないからです。

 

また抗生剤による副作用は軟便や軽い下痢などが10%程度に認める以外には1%以下の副作用として蕁麻疹など薬剤アレルギーなどが知られています。

 

アレルギーの専門診療をも担当する高円寺南診療所としては、ピロリ菌除菌によるデメリットの可能性を軽視できない立場です。

 

 

日本では、世界に先駆けてすべてのピロリ感染胃炎が保険診療での感染診断・除菌が可能となりました。

 

これについては日本ヘリコバクター学会ガイドライン(初版2000年)に詳しく記されています。

 

その後、2003年の改訂版では、除菌すべき疾患として「胃MALTリンパ腫」が加えられ、

 

除菌治療が望ましい疾患として、「早期胃癌に対する内視鏡的粘膜切除術後胃」、「萎縮性胃炎」、「胃過形成ポリープ」の3疾患が追加されました。

 

 

現在では、上部消化管内視鏡検査で胃炎を確認した後に、適切なピロリ菌感染診断法を実施し、

 

「ピロリ感染胃炎」と診断することになっています。

 

内視鏡下での組織生検を用いた診断法として、

 

1)培養法、2)迅速ウレア―ゼ試験、3)病理組織学的検査、

 

の3法があります。しかし、これら生検による方法では取りこぼし(サンプリングエラー)を生じやすいことが問題となります。

 

そこで治療の成績判定のためには別の方法が勧められます。

 

1)尿素呼気試験、2)便中抗原法、3)抗体測定法 の3つの方法です。

 

 

この中で、一般的には1)尿素呼気試験、2)便中抗原法がより推奨されています。

 

欧州のガイドラインでは、除菌判定には、これら1)、2)のいずれも同等とされています。

 

いずれにせよ、潰瘍後の除菌判定でなければ、急いで除菌判定をする必要はないので、

 

除菌効果が不確かな場合には6か月以降に再検査をすることが実際的です。

 

 

他の医療機関で、次の様な検査を受けたことがあれば、それは尿素呼気試験です。

 

 

尿素呼気試験によるピロリ菌の感染診断

 

 

ここでピロリ菌除菌判定について詳しく説明します。

 

 

除菌治療後には必ず除菌判定を行います。

 

高円寺南診療所では、他の医療機関で除菌後に除菌判定を受けずに放置されているケースが多数あるため、

 

他の医療機関でピロリ菌の除菌療法を受け、除菌判定を受けずにいる方の除菌判定を行っています。

 

 

除菌判定は、ピロリ菌の治療において、最も注意しなければならない点のひとつです。

 

除菌後、胃の中に本当にピロリ菌が存在していないのか、

 

それともピロリ菌がまだ存在しているのかを除菌判定によって知ることはとても重要です。

 

ピロリ菌がいなければ、その人の胃は徐々に健康になっていきますが、

 

ピロリ菌がいればまたいろいろな病気が出現する可能性が残ります。

 

 

除菌の成否は、その後の方針を決めるためにも必要な情報です。

 

それにもかかわらず、ピロリ菌治療の除菌判定が行われていない場合がいまだに少なくないことが問題となっています。

 

除菌成功率が100%の方法は存在しないので、一次・二次除菌療法も含めて、

 

治療後は一定期間後に除菌の成否を判定することにしています。

 

 

治療前の感染診断と違って、除菌判定で大事なことは、

 

「ピロリ菌が感染していないことを確実に診断すること」です。

 

 

日本ヘリコバクター学会のガイドラインでは、すべての治療が終了した後、4週間以上経過してから、ピロリ菌除菌に成功したのかどうか、除菌判定を行う必要があります。

 

この根拠は、除菌後1ヶ月経つと95%以上の症例で菌体数が回復するためです。

 

 

当院では、各報告を検討した結果、除菌判定は除菌療法終了後4週間以降、なるべく遅い時期に行うのがよいと考えています。

 

除菌療法終了後から除菌判定までの間隔が長いほど判定精度が高くなるからです。

 

 

高円寺南診療所では除菌判定を除菌療法終了後8週間以降半年頃までの間に行います。

 

当院では、除菌診断として便中ピロリ菌抗原測定法を用います。

 

 

便中抗原測定法は改良により感度・特異度共に優れた感染診断法となり、

 

尿素呼気試験と同等の正確さが示され除菌判定にも有用です。

 

 

尿素呼気試験(UBT)による除菌判定においては、特にプロトンポンプ阻害剤(PPI)を服用している方に対する注意が必要となります。

 

 

プロトンポンプ阻害剤(PPI)はピロリ菌の胃内分布に影響を及ぼしています。

 

すなわち、プロトンポンプ阻害剤(PPI)服用により、ピロリ菌感染密度は低下し、この低下は胃体部に比べて幽門部でより強くなります。

 

 

尿素呼気試験(UBT)のプロトンポンプ阻害剤(PPI)服用時の偽陰性率は6%前後と報告されています。

 

 

これに対して便中抗原法はプロトンポンプ阻害剤(PPI)服用の影響を受けないとされています。

 

すなわち、プロトンポンプ阻害剤(PPI)を休薬することが困難な方の除菌判定は、尿素呼気試験(UBT)よりも便中抗原法が有用です。

 

また、小児や胃切除後の方にも便中抗原法が用いられます。

 

また残胃例では尿素呼気試験(UBT)の偽陰性率が高いことが問題となりますが、

 

便中抗原法は他の方法に比べて正診率が高いとする報告もあり、残胃の判定にも便中抗原法が推奨されています。

 

 

プロトンポンプ阻害剤(PPI)は、逆流性食道炎の治療や、抗血小板療法・抗凝固療法を受けている虚血性心疾患や脳梗塞の患者さんの消化管出血予防としてよく使われていますが、

 

プロトンポンプ阻害剤(PPI)を服用していることを自覚していない患者さんも多いのです。

 

 

プロトンポンプ阻害剤(PPI)や抗菌薬などピロリ菌に対する静菌作用や抗菌活性のある薬剤の使用がある場合は、

 

偽陰性を防ぐためにも、少なくとも2週間、できれば4週間中止することが望ましいとされています。

 

 

当院では、必ず除菌療法前に現在の内服薬を確認しています。

 

高円寺南診療所での除菌判定の指針

 

①他の医療機関で除菌後、放置されている患者さんの対応をします。

 

②他の医療機関で除菌療法を受けた方の除菌判定を行います。

 

③除菌判定を除菌療法終了後、8週間以降に行っています。

 

④除菌診断として便中ピロリ菌抗原測定法を用います。

 

⑤除菌判定に備えて、必ず除菌療法前に現在の内服薬を確認しています。

 

平成元年7月開院以来、高円寺南診療所は一貫した信念をもって禁煙指導を継続してきました。

 

しかし、いくら健康のためとはいっても、人さまの嗜好品に対して、

 

禁止を宣言するのは患者・医師双方にストレスフルな局面を避けられません。

 

 

すぐに、思い浮かぶのは、以下の3つのパターンです。

 

パターン1)

禁煙を勧めた途端に、あからさまに不愉快そうな顔をして、二度と来ないと言いたげに診察室のドアを叩きつけるように去って行った患者さん。

 

 

パターン2)

喫煙を続けなければならない理由を延々と語ろうとする患者さん。

 

 

パターン3)

ひとたび禁煙を決断して、禁煙努力を始めたが、

 

約束が果たせず、自己嫌悪に陥って、受診の敷居が高くなり、中断してしまう患者さん。

 

 

いろいろなケースに遭遇しつつも、コンセプトを曲げずに続けてこられたのは、

 

今日ご紹介する大坂旭さんのような患者さんの存在だと思います。

 

AO1

 

大坂さんは、上記のうちパターン3)のタイプでした。

 

率直なところ大坂さんタイプの患者さんのことが一番、心残りとなります。

 

大坂さんは高円寺南診療所の事務次長、野口将成が着任した平成19年より少し前に、

 

それまで継続していた高円寺南診療所の通院、水氣道を突如中断されました。

 

それから私も折に触れて彼のことを思い出し、祈り続けていました。

 

それが、平成25年に、見事禁煙を果たした大坂さんとの感動の再会を果たしました。

 

大坂さんは、自力で禁煙を達成した努力の人ですが、

 

久しぶりで水氣道を再開すると、7年間以上のブランクがあるとは思えない基礎が維持されていました。

 

初期に稽古を積んでいた水氣道が、彼の心身を7年以上も支え続けていたのか、と思うと大いに励まされた次第です。

 

 

大坂さんは、現在福祉関連の専門職に就き、これをライフワークとすべく日夜奮闘努力中です。

 

多忙であるにもかかわらず、毎週土曜日の午後、新宿歌舞伎町のハイジアで水氣道に参加されています。

 

大坂さんは現在、水氣道3級(初等修錬生)となり、朱帽子の姿で活躍されています。

 

現在、水氣道2級(中等修錬生)加藤博文君の下で、調血航法を習得に勤しんでいます。

 

水氣道では、こうした二者の関係を対番(たいばん)と呼んでいます。

 

そして、彼には、水氣道の初級幹部候補生の一人となるべく、

 

水氣道の特殊技法である空手航法の手ほどきをはじめたところです。

 

一方、大坂旭さんは、水氣道の入門者である体験生や、初心者である訓練生のお世話をし、さりげなく励ましています。

 

 

水氣道の<氣>という文字に込められているもののなかに、精神<スピリット>があります。

 

大坂旭君は、水氣道の<氣>とは何かを体得することができる種が、すでに播かれているように思われます。

 

 

高円寺南診療所の禁煙指導にも水氣道の<氣>を、さらに活かしていきたいものです。

総合医療・プライマリケア

 

<総合医療>

 

 

"総合医"か"総合力のある専門医"か?

 

近頃、総合医(General Physician:ドクターG)という言葉が流行っているようです。

 

しかし、私が数回テレビ番組で見た限りドクターGは、

 

残念ながら私がモデルとしたいと思えるような実際的な医師像からはかけ離れ、むしろマジシャンのように思えました。

 

 

実際的な総合医が活躍できない理由は、なぜでしょうか。

 

それは日本の医療事情が非常に奇妙な現象に晒されていることと無関係ではなさそうです。

 

日本は世界でも有数の診療レベルを誇っている一方で、世界でも有数の医師不足に陥り、とても歪(いびつ)な様相を呈しています。

 

そのため医療資源の地域格差、診療科格差はますます深刻な問題となっています。

 

 

国民皆保険の下で、万人が医療保険を負担しながら、

 

受けることのできる医療の質と量には不公平な地域間格差、疾患間格差が出ています。

 

疾患間格差というのは、現行の保険医療で高額な薬剤費までもカバーしてできる病気がある一方で、

 

十分安価に治せるのにもかかわらず、その多くが非薬物療法であるためか、治療法を健康保険がカバーしてくれないため、

 

医療経営を逼迫させるほど採算がとれない、たとえば線維筋痛症、心身症などの病気が存在するからです。

 

 

医療供給の客観的な指標としての医師数は1980年を最高に増え続けた後、年々減少に転じました。

 

そればかりではなく質においても、各臓器の専門医数の減少だけではなく、自分の専門以外は診ない、あるいは診ることができない医師の急増、

 

その結果、患者の<たらい回し現象>を引き起こしてしまったのです。

 

ドクター・ショッピングなどと患者を批判する資格は国にも医師にもありません。

 

それ以前に、患者に信頼される医師を育成し、そうした本物の医師を社会全体が継続して支援すべきすべきではないでしょうか。

 

 

そこで「旧き良き時代に戻れ」、とばかりに専門以外の患者も診ることの重要性が再認識され新臨床研修制度が始まりました。

 

しかし、「専門以外の患者も診る」ことは、医療訴訟などのトラブルに巻き込まれ易いという、患者・医師の双方にとって大きなリスクを伴います。

 

そのような事情もあるためか患者の大病院集中、専門医志向は一向に改まりません。

 

とりわけ権威主義、ブランド大病院志向の患者に対しては、診療所の医師は専門医資格を複数取得していても信頼を得ることは難しく、全く無力ですらあります。

 

しかも、有効かつ安全、そして適切に行える一般医療の提供すら拒否されかねないのが現実なのです。

 

心身の衰弱によって大病院に通院することが困難にならない限り、診療所受診を受け入れようとはされません。

 

もっとも、受け入れてくださるのではなく、やむを得ず受診され、これまで受けてきた医療の様式の継続を要求しようとされるわけです。

 

これは双方にとって不幸と言わざるを得ません。

 

この現実を知らずに“総合診療医”もしくは“総合力のある専門医”を目指す若手医師の大半が、

 

やがて厳しい現実に直面して失望し、途方にくれるのではないか、と憂いています。

 

近未来を見通せる勘の良い若者は大学受験の段階で、すでに医学部医学科を候補から外していることでしょう。

 

 

2008年には医学部定員を増やす国の施策が開始。徐々に年間1000人の医学部増員となりました。

 

しかし、地域格差を埋めるほどの専門医育成には少なくとも10年を要するとされます。

 

日本は10年も経たないうちに2025年問題に遭遇します。

 

患者の高齢化とともに多疾患を抱え病態が複雑化した患者が激増してくるのです。

 

そこで求められる医師の能力・責任・リスクも加速度的に拡大していきます。

 

しかし、経済的・社会的評価はむしろ低下し、ひたすら理不尽で不合理な奴隷化へ向かっている、といっても過言ではないようにさえ思えてきます。

 

 

この現実に対応できる医師像として、“総合診療医”もしくは“総合力のある専門医”に他ならないと考える単細胞な医学教育者が現れ出しました。

 

また同様の認識に立ち危機感を覚えたに厚労省は、遅ればせながら2020年東京オリンピックまでに30,000人の総合医育成の目標を掲げました。

 

その甲斐あってか2017年現在で、すでに家庭医療専門医(日本プライマリケア連合学会)579人、総合内科専門医(日本内科学会)26,679人、合計で27,000人強に達しました。

 

家庭医療専門医もしくは総合内科専門医が“総合診療医”もしくは“総合力のある専門医”という認識であれば、少なくとも数の上では、概ね目標に到達したことになります。

 

 

新専門医制度は、こうした総合医、総合力のある専門医育成を願って始まる制度でもあり、当初、新専門医制度は2017年開始予定でした。

 

それが実際には様々な矛盾含みであったため、意見の集約や実施のための足並みがそろわず2018年にして漸く開始できるかどうか、という状況です。

 

それで確たる展望を持てず、落ち着く先が見えない若手研修医を大いに悩ませる結果を招くことになっています。

 

 

“総合診療医”もしくは“総合力のある専門医”では不足であり、

 

“総合診療医”かつ“総合力のある専門医”となることを目標とすべきでしょうが、

 

それは他のあらゆる臓器別専門医になるよりも、はるかに高度で長期の忍耐を要する道程です。

 

しかも、それに見合った社会的評価(医師からも、患者からも)受けることができるだろうとは、到底思えません。

 

厚労省にとっても患者にとっても都合の良い、救世主ともいうべき医師であるはずの“総合診療医”かつ“総合力のある専門医”を助けてしかるべきであるにもかかわらず、

 

助けると見せかけて、実のところは次々と裏切りを続け、足を引っ張る結果を招いてきた、という歴史がすべてを物語っているからです。

 

 

次回からは、こうした厳しい現実を踏まえながら、それにもかかわらずたくましく継続していくことが可能な総合医療・プライマリケアについて、皆様と共に実践していく方法を考えていきたいと思います。

<まめにチェックすることについて>

 

Nogucciはものぐさです。

 

あれ?また同じ話ですか?

 

前回は、始めることに関してでした。

 

今回は継続している時のことです。

 

 

減量している時に大切なことの1つに

 

「体重を記録する」ということがあります。

 

 

「あたりまえだのクラッカー。」という声が聞こえます…。

 

 

順調に体重が落ちている時は良いのです。

 

ルンルン気分で記録ができますので。

 

 

しかし落ちなくなり、次に体重が落ち始めるのを待つ期間がやって来ます。

 

その時に、

「気分がのらない」「どうせ落ちてない」「記録したくない」

 

という「気分」がやってきます。

 

さてNogucciはどうしたでしょうか?

 

次に続きます。

 

 

》往く週《 9月27日:第26回聖楽院週例コンサート(90分特別プログラム)

  

担当ピアニスト 吉田奈津子(聖楽院ピアノ伴奏科主幹)

 

今回は、担当ピアニストの吉田奈津子女史の感想通り、ソプラノ若月櫻子、テノール藤原拓実をはじめ、サックス冨士田紗季など共演者の助けもあり、盛り上がりのあるとてもよいコンサートになりました。

 

ソプラノ若月さんは今年、いくつかの大きな個人リサイタルを経験されてますます豊かな表現力が発揮され、彼女本来のお人柄が自然に演奏に現れてきているのを多くの聴衆は楽しんでいました。

 

 

今回印象的なエピソードとしては、テノールの藤原さんは、これまで以上に充実したプログラムを準備してこられ、かつ余裕をもってアリア2曲の演奏も立派にこなされたことです。いくらでも輝きを増し加えることができそうなスケールの大きさを感じた次第です。

 

 

ソプラノとテノールの二重唱も人気のプログラムであり、来年以降も、これをさらに発展させ、

 

皆様に楽しんでいただけるように企画したいと考えております。

 

 

9月30日(土)に、聖楽院の第一フルーティストの西巻有希子さんのオータムコンサートが開催されました。

 

場所は文京区本郷7丁目、東大の竜岡門(東大病院入口)近くの名曲喫茶カデンツァでした。

 

 

私がこの会場を知ったのは去年でした。東大には大学院を修了するまで、文京区在住の頃から長い間通っていたのですが、まさに灯台下暗し(東大元暮らし)。

 

最近までその存在にまったく気づかないで過ごしてきたのも不思議です。

 

 

ピアノとフルートのみのコンサートでしたが、ドビュッシーやピアソラなど秋のフルートのコンサートは、とても甘美でした。今後は、皆様に早目にご紹介できるよう工夫したいと考えております。

 

 

西巻さんのプロフィールに「聖楽院協力アーティスト」と記載されていることに気づいた複数の聖楽院レッスン生が興味を持ったようです。

 

コンサート本番でのご案内で、西巻さんが今月の10月25日の第30回聖楽院コンサートにてミラノから来日するアコーディオンの名手エツィオ・ギバウドとのアンサンブルについての紹介のみならず、

 

聖楽院や主宰である私の紹介していただき、とても恐縮に感じるとともに、彼女の聖楽院に対するお志に深く胸を打たれた次第です。

 

今後も、聖楽院の第一フルーティストとしてご活躍していただけることを楽しみにしております。

 

 

 

来る週10月4日:第27回聖楽院週例コンサート(60分プログラム)

  

担当ピアニスト 鈴木美穂(聖楽院特任ピアニスト)

 

 

この10月で、水曜夜の音海でのコンサートは第3周年を迎えます。

 

この間、コンサートは予定通り、中断することなく継続することができました。

 

これも、聴衆のお客様、音海店主の片野様、鈴木美穂女史をはじめ多数の協力アーティスト各位の貢献があったからこその実績であることを改めて感じております。

 

皆様、ありがとうございます。

 

 

そこで、今月から、コンサートのサブタイトルを変更することにしました。

 

従来:クラシック音楽“希望”と“癒し”の夕べ

 

今後:クラシック音楽“友愛”と“癒し”の夕べ

 

 

それから、聖楽院の趣旨と名称に立ち返り、月ごとにテーマとなる聖歌を決め、その月の間、

 

コンサートのオープニングはアヴェ・マリアをはじめとする聖歌を演奏することにしました。

 

 

演奏は各回とも声楽、ピアノその他の楽器のいずれかでおこないます。

 

 

今回は、地味ながら聖楽院主宰としてのテノール飯嶋正広が、皆様に感謝をこめてドナウディの歌曲をお届けいたします。

 

鈴木さんのピアノ演奏は、季節感漂うドビュッシーとスカルラッティの珠玉の名曲です。

 

また、冨士田紗季さんは、はじめての第一水曜日出演に相応しいサックスという楽器の持ち味を十二分に生かした演奏に期待が集まっています。

 

 

 

なお今後の予定ですが、

 

10月25日(水)第30回聖楽院週例コンサート

 

(音海水曜コンサート発足、通算100回目特別記念プログラム)に特別出演のイタリア人アコーディオン奏者Ezio Ghibaudo氏のプログラムが決定しましたので公開いたします。

 

聖楽院協力アーティストであるフルート西巻有希子とのアンサンブルもお楽しみいただけます。

 

 

11月23日(勤労感謝の日)に開催予定の第1回聖楽院レッスン生内部発表会のプログラムはほぼ完成しました。

 

見学をご希望の方は、ワンドリンク・ワンフード付きで2000円でご来場いただくことができます。

 

参加レッスン生は延べ11名(男性4名、女性7名)です。

 

指導はソプラノ小松奈津子、テノール藤原拓実、ピアノ伴奏は吉田奈津子です。

 

指導者による模範歌唱プログラム付です。

 

なお、聖楽院の新人フルート奏者八木華沙璃による特別演奏も決定しました。

 

この発表会で優秀な成績を収めたレッスン生は年明け以降の聖楽院プレ・コンサートに出演する資格が授与されます。

 

皆様の御支援を心よりお願い申し上げます。

 

毎月、第一日曜日に発表いたします。

 

選者は水氣道4級高等訓練生 西田孝司 さん。

 

皆様のご感想、ご投稿をお待ちしております。

 

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No1

 

統合医学(東西医学、補完・代替医療)

 

<補完代替医療>

  

いわゆる難病の患者さんに向けて高円寺南診療所が積極的に推進してきた医療でもある補完代替医療は、

 

英語のComplementary & Alternative Medicine の訳語です。

 

この頭文字を取って CAM(カム)と言います。

 

 

CAMには、2つの要素があります。

 

1)現行の医療をすべて止めて何か別のものに置き換える代替医療

 

2)現行の医療に何かを上乗せして、さらにQOLを向上させる補完医療

 

の2つですが、両者を厳密に分けることができないものも存在します。

 

 

CAMは当初、がんの終末期患者や治療法の確立されていない難治疾患を対象とした代替医療としてスタートしました。

 

 

ところが、現行の医療に補うところの補完医療へと、

 

さらには未病者に対する予防医学へと、漸次、前倒しの傾向がみられます。

 

 

CAMは、米国の国立補完代替医療センター(NCCAM)によれば、

 

通常の医療の領域外の治療法でまだ科学的にその効果が証明されていないもの」と定義されています。

 

鍼灸治療や心理療法は、高円寺南診療所では通常の医療の領域です。

 

 

臨床において、CAMは、がんを筆頭に婦人科疾患、神経・精神疾患、脳・心血管疾患、整形外科など広い領域を包括しています。

 

 

CAMの特徴を挙げてみますと、以下のように考えられています。

 

 

①予防こそが最善の医療であるという考え方・・・疾病の予防がCAMにおける究極の目的であるとすること。

 

高円寺南診療所で重視しているのは、再発予防です。

 

それは、発作性の病気で来院される患者さんの多くが、

 

発作が消失すると治ったものと早合点し、更なる発作を繰り返しているのを目の当たりにしているからです。

 

 

②自然治癒力を利用しようとする考え方・・・現代医療も基本的には同じであるべきですが、実際にはそれとは逆の方向へと進んでいます。

 

化学的あるいは生物学的に合成された薬物療法中心の医療には、自然治癒力という言葉さえ馴染まないように感じられます。

 

生活習慣【生活リズムの是正・食事の改善など】の改善などの行動療法、心理療法、運動療法や物理療法など

 

非薬物療法を統合的に組み合わせた治療体系が準備されていなければ、

 

自然治癒力を利用することは難しいのではないでしょうか。

 

高円寺南診療所は、薬物療法中心の内科から脱皮し、

 

心理療法や物理療法をも必要に応じて適宜併用する物療・心療内科専門医療機関であるともいえます。

 

 

③全人的な医療であること・・・現代の医療が専門医による部分的医療であることのアンチテーゼであるともいえるでしょう。

 

しかし、多くの識者の意見とは異なり、高円寺南診療所は複数領域の専門医資格に担保された総合的な医療を提供することは、

 

現代においても決して不可能ではない、という立場に立っています。

 

単なる総合医では全人的な医療を担っていくことは困難だと思います。

 

 

④安全性が第一であること・・・副作用や医療事故が少ない医療であるとはいえ、完全に安全な医療は存在しません。

 

水や食物さえも毒になることがあります。ましてや薬ですから、たとえば漢方薬でさえ副作用をもたらすことがあります。

 

心理・社会的なストレッサー(ストレス要因)に晒されているような方は、

 

副作用や医療事故を起こしやすいハイリスク群であるという認識で診療に当たっています。

 

 

⑤利用者が積極的な係りをもつこと・・・我が国の国民皆保険制度はすべての患者のニーズに応えられる完璧なものではないにもかかわらず、

 

理想化して幻想を抱いているナイーブな患者さんは少なくありません。

 

こうしたナイーブな患者さんは、しばしば制度規制と仁術の行使との狭間で苦悩する医師の現状を知りもしなければ、知ろうともしません。

 

知ろうとしないアマチュアが素人(しろうと)であり、

 

知っているがゆえに苦労と共に生きるプロフェッショナルが玄人(くろうと)なのかもしれません。

 

自分の健康は自分が守る。自分自身の健康上の本質的な問題から

 

「逃げたり、避けたり、その場を誤魔化したり」して病気を悪化させた挙句、

 

健康保険制度の限界や矛盾を知り、改善を図るために取り組むべき根本的な問題意識からも

 

「見ざる、聞かざる、言わざる」を続けている利用者でいる間はCAMと積極的な係りをもつことは難しいのではないかと思います。

 

高円寺南診療所は、自分の問題の本質の理解と対処法について、

 

ともに学んでいきたいと願う患者さんが徐々に増えてきました。

 

患者さんに積極的に病気の治療に関与していただくことによって、

 

はじめて安全性が高く、個人の自然治癒力を育むことのできる全人的な医療を実現できるのだと思います。