もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

今回は「水溝(すいこう)」です。

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場所は鼻の下の溝の中央にあります。

 

 

「人事不省」「乗り物酔い」「鼻炎」「鼻出血」「歯痛」「顔面痙攣」「急性腰痛」等に効果があります。

 

 

<参考文献>

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

 

漢方治療一般に関しては

 

一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へのHPを検索してみてください。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

 

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

これに対して、慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&Aは比較的上手にまとめられていると思います。

 

ただし、その記載は概ね一般的ではありますが、慶應義塾大学医学部漢方医学センター受診者を想定して書かれているようです。

 

そこで、高円寺南診療所の立場から、<高円寺南診療所からのメッセージ>を加えてご紹介を試みることにしました。

 

Q

通信販売で漢方薬を手にいれたのですが、飲んでもいいでしょうか?

 

A

最近、通信販売や新聞の広告などに「○○によく効く漢方薬」という宣伝文句をよく目にします。

 

中には中国からの輸入品で、日本では薬として認められていない成分が入っているために問題を起こした例もあります。

 

宣伝のうたい文句に惑わされないようにし、きちんと専門の医師・薬剤師に相談の上で漢方薬をお飲みになることをお勧めします。

 

Q

漢方薬と民間薬はどう違うのですか?

 

A

漢方薬と民間薬はともに生薬を使用し、何らかの薬効があり、古くから伝統的に使われてきたという点では同じです。

 

しかし、漢方薬は漢方医学の理論に基づいた処方の構成がなされており、原則として二種類以上の生薬が配合され、製法・用法・用量が決まっています。

 

一方、民間薬は伝承的・家伝的な薬で、概して一種類の生薬からなり、用法・用量も詳細には決まっていません。

 

最近では多くの民間薬、健康食品が巷間に出回っておりますが、漢方薬はあくまでも薬です。

 

きちんとした医師・薬剤師の指導のもとで服薬するものであることを強調しておきます。

 

 

<高円寺南診療所からのメッセージ> 

通信販売の漢方薬、民間薬、これらは互いに関連があるのでまとめて検討してみたいと思います。

 

これらの問題は未解決な重要案件です。慶應の先生方の結論は、いずれも

<きちんと専門の医師・薬剤師に相談の上で漢方薬をお飲みになることをお勧めします。>

<きちんとした医師・薬剤師の指導のもとで服薬するものであることを強調しておきます。>としています。

 

それでは、きちんとした専門の医師とはどのような医師なのでしょうか。

 

少なくとも、このQ&Aを執筆している慶應の先生方は、きちんとした漢方専門医という自負をお持ちであることは言うまでもないでしょう。

 

その記事にコメントを加えている私も漢方専門医として同様の責任を自覚しなければならないと思います。

 

 

残念ながら<宣伝のうたい文句に惑わされないように>との慶應の先生方のアドヴァイスが効果的であるとは思えません。

 

なぜなら、慶應の先生方も<宣伝のうたい文句>に秀でている方が少なくないからです。

 

通信販売の漢方薬や民間薬ばかりではなく、ジェネリック医薬品の事故(原料・生産はともに中国、発がん物質の混入)が現実のものになっているにもかかわらず、政府や厚生労働省をはじめ、大々的にジェネリック医薬品を推奨し、患者さん宛に文書で説得するなどのキャンペインを全国規模で強化展開しています。

 

日本医師会もそれに加担していました。<きちんとした専門医>の意見よりも、<俳優の高橋英樹氏、女優の黒柳徹子氏>のジェネリック宣伝の方が百万倍も効果的なのは明らかです。

 

 

そこで、高円寺南診療所の患者の皆様、このコラムをお読みになっている皆様へ一言だけコメントをさせてください。

 

あなたの主治医に相談してください。

 

あなたの主治医は何人いてもよいですが、あなたが一番信用できるドクターにお尋ねすることをお勧めいたします。

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

最後に高円寺南診療所からのメッセージを加えています。

 

 

アレルギーの病気についてQ&A 

 

アトピー性皮膚炎①

 

Q

スキンケアはどのように行えばいいのですか?

 

A

皮膚を清潔に保つために、毎日の入浴、シャワーに心がけましょう。 以下に要点を列記します。

 

•汗や汚れは速やかに洗いおとしましょう。でも、強くこすらないようにしましょう。

 

•洗浄力の強い石けん・シャンプーを使用するのは避けましょう。

 

•石けん・シャンプーはよく泡立て、素手でしわを伸ばして丁寧に洗いましょう。

 

•石けん・シャンプーが残らないように十分すすぎましょう。

 

•痒みを生じるほどの高い温度の湯は避けましょう。

 

•入浴中・後にほてりを感じさせる沐浴剤・入浴剤は避けましょう。

 

•できれば1日2~3回の入浴・ シャワーで表皮表面の細菌の繁殖を防ぎましょう。

 

•風呂から上がる前に水をかぶると、体表温度が下がり痒みも押さまることがあります。

 

•入浴後には、必要に応じて適切な外用剤を塗布しましょう。

 

•入浴・シャワー後は速やかに保湿剤を塗付しましょう。入浴後の乾燥防止に有用です。

 

•保湿剤は市販のものでも構いません。使用感のよい保湿剤を選択してください。

 

•軽い皮膚炎は保湿剤のみで改善することがあります。

 

爪を短く切り、なるべく掻かないようにしましょう。手袋をはめたり、患部を包帯で保護したりして、ひっかき傷を作らないようにしましょう。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

アトピーに悩む皆さん。水氣道をはじめましょう。

 

プールの水は塩素消毒されていますので、アトピー肌には刺激的であることもありますが、これまで悪化した例はありません。

 

塩素による殺菌効果もあり、伝染性膿痂疹(とびひ)なども少なくなります。

 

ただし、水氣道の稽古の後には念入りにシャワーを浴び、帰宅後には入浴してください。

ここで掲載する内容は、アステラス製薬提供の患者さん・ご家族の皆さまなるほど病気ガイドから引用したものです。

 

関節リウマチについてわかりやすい解説をしています。

 

HPで確認することができます

 

関節リウマチは、免疫の異常により関節の腫れや痛みを生じ、それが続くと関節の変形をきたす病気です。

 

関節リウマチを治療することで、炎症や痛みを最小限に抑え、毎日の生活を快適にすることができます。

 

現在と将来の生活の質を保っていくためにも、病院・診療所を受診し、きちんと治療を受けましょう。

 

監修医:東邦大学医学部医学科 内科学講座膠原病学分野 川合 眞一 先生

 

 

解り易い解説であること、日本リウマチ学会では一般患者向けQ&Aが掲載されていないため、これを採り上げました。

 

ただし、記述内容が古いままで改訂されていないため、それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

 

 

関節リウマチ患者の遺伝、妊娠・出産について②

 

Q

現在、関節リウマチの治療を受けています。症状は強くありません。

 

子供が欲しいのですが、妊娠や出産で病状が悪くなることはありますか?

 

関節リウマチの患者さんが妊娠・出産をすることに大きな問題はありませんが、いくつかの注意点があります。主治医にかならず相談しましょう。

 

一般に関節リウマチの患者さんは、妊娠中に症状が良くなり、出産後に症状が悪くなります。

 

しかし、そのために関節リウマチの病気そのものが、妊娠・出産することに大きく問題になるわけではありません。

 

ただし、治療薬の中には、妊娠中や授乳中に飲んではいけない薬も少なくありません。

 

妊娠を希望する場合は、まずは必ず主治医に相談してください。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

これと同様な質問は、これまでも多数受けてきました。

 

系統的に説明することが必要な相談内容だと思います。

 

そこで川合先生の解説を捕捉してみます。

 

妊娠すると関節リウマチ患者のおおよそ4人のうち3人が改善し、とくに妊娠初期ほど改善を認めます。

 

しかし、残念ながら、多くの症例では出産後数か月以内に再び活動性が上昇し、治療の再開もしくは強化が必要になってきます。

 

そこで関節リウマチに限ったことではありませんが、薬剤が妊娠に与える影響を理解することが大切です。

 

薬物投与による胎児への影響は、妊娠週数で考えていくと良いでしょう。

 

 

○妊娠3週まで:

妊娠反応は通常、受精後約2週間で陽性となるため、生理予定日の頃に妊娠反応を行い、陽性であれば薬の服用を中止をする、という方法で、その薬剤への暴露は最小限に抑えることができます。

 

ですから、計画妊娠のためには、自分で妊娠反応をチェックする習慣が有用です。

 

 

○妊娠4~15週:

この期間は胎児の期間形成期に相当し、重要臓器は絶対過敏期といって、奇形に関しては最も敏感になる時期です。これが催奇形性の問題です。

 

妊娠8週以降は、薬剤に対する過敏性は低下しますが、外性器の分化や口蓋の閉鎖が起こる時期なので、催奇形性のため薬剤投与にはまだ注意が必要です。

 

 

○妊娠16週~分娩まで:

この時期になると、薬剤による奇形の心配はなくなります。

 

しかし、胎盤を介して胎児に移行した薬剤が胎児に有害な影響をあたえることがあります。これが胎児毒性の問題です。

 

ただし、催奇形性とは異なり、形の異常として捉えることができないので発見が難しいという問題があります。

 

 

以上をもとに、簡単なアドバイスを加えます。

 

1)関節リウマチの活動性が落ち着いている状態で妊娠を考えましょう。

 

2)代表的な抗リウマチ薬ではありますが、メトトレキサートを中止してから妊娠計画をはじめてください。

 

3)非ステロイド系鎮痛薬(NSAIDs)の使用は、不妊症例では極力は避けましょう。また、妊娠後期においてこれを使用することは禁忌です。

 

4)疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)の中には授乳が可能な製剤もあります。

水氣道5級の木村英一さんよりイキイキ体操のレ・ノビノビ体操のポートを頂きました。 

 

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水戸三高吹奏楽部合宿にて。

 

前回の合宿では、イキイキ体操だけでしたが、今回は練習の最後にノビノビ体操も行ってみました。

 

一部の生徒からですが感想を頂きましたので紹介いたします。

 

<クラリネット>

合奏前の(イキイキ体操)は体がほぐれてリラックスして吹けた。合奏後の(ノビノビ体操)は、合奏でつかれた体をほぐせてつかれがとれた。(3年)

 

体操をすることで体がほぐれて楽器が吹きやすくなった。(3年)

 

体に力が入らずにリラックスして楽器が吹けて、音もでやすくなった。指もまわやすくなりました。(3年)

 

何時間も座ったままだったので体がたまっていましたが、体操をすることによって肩など上半身の力がぬけ、血行が良くなり、集中力も高まりました。

楽器を吹く前だけでなく、集中力がきれてきた時などにも息抜きとして良いなと思いました。(3年)

 

体操をしてからいつもより息がすえて吹きやすかったです。

これから毎日楽器吹く前に体操したいです。(3年)

 

体操やって肩周りや、わきあたりがのびて力を抜いて吹けたような気がしてよかったです。

 

 

<サックス>

体操すると姿勢が良くなって吹きやすくなった(1年)

 

息が楽器に入りやすくなり音の大きさが変わった。響くようになった(1年)

 

リラックスした状態で演奏することができました。

また楽しいので、これからもやりたいです。

 

朝で頭も体も少しねていたけど、体操してきりかえることができた。

 

体操することで、体がほぐれる感じがして、リラックスすることができました!

 

 

今回も体操後に何らかの変化を感じた生徒がほとんどでした。

 

 

<飲酒について>

 

お酒は好きですか?

 

Nogucciはあまり飲みませんが、身内が大酒のみが多いです。

 

「今回はお酒はどのくらいが適量か?」がテーマです。

 

 

厚生労働省は「節度ある適度な飲酒」として「健康日本21」の中で以下のように定義しています。

 

「通常のアルコール代謝能を有する日本人においては、節度ある適度な飲酒として、1日平均純アルコールで20g程度である。」

20gを1単位として定義しています。

 

高円寺南診療所では毎日飲酒する方に、この単位を確認しています。

 

アルコール20g(1単位)は

「ビール中ビン1本」

「日本酒1合」

「チュウハイ(7%)350mL缶1本」

「ウィスキーダブル1杯」

などに相当します。

 

この数値は日本人や欧米人を対象にした大規模な疫学研究から、アルコール消費量と総死亡率の関係を検討し、それを根拠に割り出されたものです。

 

とありました。

 

厚生労働省が「健康を守るための12の飲酒ルール」を提案しています。

 

1.飲酒は1日平均1単位以下

節度ある適度な飲酒を守りましょう。

 

2.女性・高齢者は少なめに

中年男性に比べて、女性や高齢者は飲酒量を控えることをおすすめします。

 

3.赤型体質も少なめに

飲酒後にフラッシング反応を起こす人をここでは赤型体質とも呼びます。この体質はアルコールの分解が遅く、がんや様々な臓器障害を起こしやすいといわれています。

 

4.たまに飲んでも大酒しない

たとえ飲む回数が少なくとも一時に大量に飲むと、身体を痛めたり事故の危険を増したり依存を進行させたりします。

 

5.食事と一緒にゆっくりと

空腹時に飲んだり一気に飲んだりすると、アルコールの血中濃度が急速に上がり、悪酔いしたり場合によっては急性アルコール中毒を引き起こします。

 

6.寝酒は極力控えよう

寝酒(眠りを助けるための飲酒)は、睡眠を浅くします。

 

7.週に2日は休肝日

週に2日は肝臓をアルコールから開放してやりましょう。そうすることで依存も予防できます。

 

8.薬の治療中はノーアルコール

アルコールは薬の効果を強めたり弱めたりします。また精神安定剤と一緒に飲むと、互いの依存をはやめることが知られています。

 

9.入浴・運動・仕事前はノーアルコール

飲酒後に入浴や運動をすると、不整脈や血圧の変動を起こすことがあり危険です。またアルコールは運動機能や判断力を低下させます。

 

10.妊娠・授乳中はノーアルコール

妊娠中の飲酒は胎児の発達を阻害し、胎児性アルコール症候群を引き起こすことがあります。またアルコールは授乳中の母乳に入り、乳児の発達を阻害します。

 

11.依存症者は生涯断酒

依存症は飲酒のコントロールができないことがその特徴で、断酒を続けることが唯一の回復方法です。

 

12.定期的に検診を

定期的に肝機能検査などを受けて、飲み過ぎていないかチェックしましょう。また赤型体質の習慣飲酒者は、食道や大腸のがん検診を受けましょう。

 

ご自身の飲酒習慣を、一度ふりかえってみてください。

 

追記

飲んだアルコールが何時間で分解されるか、簡単に計算できるページがありました。

 

「アルコール摂取量と処理時間」のページ

心療内科についてのQ&Aをご紹介いたします。

 

それは日本心療内科学会のHPです

 

心療内科Q&Aのコラムを読むことができます。

 

ここでのQ&Aは、想定した事例です。

 

Q&Aや疾患についてのご質問、病院の紹介等は、受け付けておりませんのでご了承下さい。

 

※「質問」をクリックするとが表示されます。

 

と書かれています。

 

 

高円寺南診療所に通院中の皆様が、一般論であるこのQ&Aを読んでいただくためには、実際に即した具体的な解説が必要だと考えました。

 

そこで、「質問」「答え」の後に、<高円寺南診療所の見解>でコメントを加えることにしました。

 

 

「質問6」

48歳の男性です。

手のひらや足の裏が熱くなり、夜も眠れないときがありますが、人間ドックの結果では異常がないとのことです。

 

何が原因でしょうか? 

 

治療法や改善方法があったら教えてほしいと訴えています。

 

「答え」

男性更年期障害もしくはFSSと考えられます。

 

女性の更年期 (menopausal transition) は生殖期から非生殖期への移行時期であり、年齢では45歳~55歳ごろに該当します1。

 

この時期には発汗やほてり、性機能障害、抑うつ気分、睡眠障害などの身体的・心理的な症状が出現することが知られています。

 

女性ホルモンの補充療法はほてりを中心とした血管運動神経性の症状に有効であることが報告されています。

 

一方、男性ではテストステロンの分泌低下が起こり女性の更年期に該当する時期(andropause)があると言われていますが、性機能障害や認知機能低下などの症状は老化に伴うものと鑑別が難しく、現時点で男性更年期を独立した疾患概念とするのは未だ少数意見と考えられています2。

 

また、近年は機能性身体症候群 (functional somatic syndromes:FSS) と呼ばれる疾患概念が提唱されていて、FSSは“適切な診察や検査を行っても一般的な医学的疾患によって説明できない症状”と定義されています3。

 

他覚的な異常を伴わない機能性疾患では心理社会的因子の影響を受けることも多いため、身体疾患と精神疾患の境界が不明瞭ですが、FSSは心因よりも身体愁訴を基にした概念といえます。

 

FSSでは不安や抑うつとの関連が指摘されています。

 

FSSの症状によるQOLの低下や、長期にわたる症状の継続で医師-患者、家族-患者間の軋轢が生じることなどを通し、不安や抑うつを生じやすくなります。

 

一方で不安や抑うつの存在は、疼痛などの身体症状を増幅して感じさせます。

 

ご質問の方のように身体医学からのアプローチが難しいケースでも、心療内科では全身倦怠感などの身体症状、抑うつ・不安などの精神症状を手掛かりにして患者を評価していくことができます。

 

睡眠障害には睡眠導入薬、自律神経失調症状には抗不安薬、随伴する抑うつ症状には抗うつ薬の投与が行われますが、男性更年期症状=自律神経失調症(身体表現性障害)=不定愁訴症候群もしくはFSS=セルフコントロールが可能なストレス病ととらえ、あまり症状にこだわりすぎないようにすることが重要です。

 

(前川 道隆、芦原 睦)

 

<参考文献>

1.更年期障害.婦人科疾患の診断・治療・管理.日産婦誌 2009; 61: 283-242.

 

2.N Samaras, E Frangos, A Foster, PO Lang, D Samaras. Andropause: A review of the definition and treatment. European Geriatric Medicine 2012; 3:368-73.

 

3.神原 憲治、福永 幹彦.FSSの病態.日本臨床2009; 67(9): 1669-1675.

 

4.宮岡 等 編、「身体表現性障害」、こころの科学.日本評論社、2013年.

 

5.芦原 睦.心療内科がわかる本.PHP研究所、2010年.

 

 

<高円寺南診療所の見解> 

身体症状症、内臓型冷え性

 

「手のひらや足うらが火照って眠れない」のは内臓型冷え性を疑います。

 

この症例は、ひょっとすると名古屋在住のさる知的専門職に従事されている方かもしれません。

 

東京新聞のコラムで高円寺南診療所を受診され、通院の都合上、名古屋の中部労災病院の芦原睦先生に紹介させていただいたケースが想起されました。

 

その方は、精力的に仕事をこなす方でしたが、<冷え性>の存在を認めるには至らなかったことを思い出します。

 

身体を冷やすライフスタイルであるにもかかわらず、ほてりのためにますます冷やしたがるので対応に苦慮した記憶があります。

 

 

内臓型冷え性の症状の特徴:

 

1)手足の先が火照りやすいこと

 

2)おなかが冷えていることが多いが自覚がないこと

 

そのため3)冷え性であること自体に気が付かないこと。

 

お腹が本格的に冷えてくると、下痢や便秘になりやすいです。腸管は人体で最大の免疫機関でもあるので、免疫力が低下し、風邪を引きやすくなります。

 

その他、疲れが抜けず、顔色も赤黒いことが多いですが、青白くはないので、周囲の人々も体調不良に気づきにくいことがあります。

 

睡眠の質が低下し、その不眠ストレスを飲食によって解決しようとする傾向があります。

 

習慣的飲酒者や過食発作を伴うこともあります。その結果、肥満を伴うか、外見では目立たなくても『隠れ肥満』といって内臓脂肪が蓄積していきます。

 

つまり、冷え性に気が付かない間は、痩せにくいのが問題です。

 

 

内臓型冷え性のセルフチェック法:

冷えの自覚症状がない方の自覚を促すことは簡単です。

 

まずはご自分の掌(てのひら)でおなかを触れてみましょう。

 

すると、お腹の肌が驚くほど冷たいことに気づくことがあります。

 

また、お臍(へそ)の周囲はそれほど冷えていなくても、両脇腹が極端に冷えていると、温度差に気づくことができます。

 

それでも冷えを感じない方は、御自分の掌が暖かく感じられるかを確認してみましょう。

 

掌に触れたお腹が、しっかり暖かく感じられるようでしたら、内臓型冷え性か、もしくはその予備軍である可能性があります。

 

 

内臓型冷え性の原因:

1)クーラーや冷たいものを摂ることにより、腸など内臓を冷やすこと。そのため夏に起こりやすいです。最近では、秋口になって気温低下に気づかずに発症する例も増えています。

 

2)持続的なストレスが原因となり、また、朝寝坊や二度寝の習慣があると、交感神経の働きが疲弊して次第に弱まってくるために、手足の血管を収縮力が弱く、むしろ拡張傾向にあるため血液が鬱滞(うったい)します。

 

3)朝食抜きの生活習慣があると内臓の副交感神経の働きも不調となるために血液を身体の中央(腹部)に集められなくなります。

 

その結果、血液がますます足にたまり、滞るため、熱を帯び(血熱)て手足が火照るという結果をもたらします。

 

 

内臓型冷え性の対策:

身体の内側と外側の両方から温めましょう。

 

内蔵型冷え性の方に多いライフスタイルは、朝食抜きのシャワー党です。

 

浴槽(湯船)に浸かりながら、温かいお茶などの飲み物を飲むと、発汗しやすくなります。発汗するということは、収縮していた体表の血管が拡張することを意味します。

 

ついでに、そこで軽くストレッチ体操を加えると、内臓の冷えは解消し易くなります。

 

朝食ではしっかりと蛋白質を摂取すると、熱を産生し易くなります。食事により熱の産生を促す方法は、全身のバランスの良い体温分布を維持し易くします。

 

こうした方には、定期的に水氣道®に参加することをお勧めいたします。

 

生活リズムや食生活の見直しによる養生をはじめることが急務ですが、適度な鍛錬も必要です。

 

水氣道はおよそ30℃の水中で行う有酸素運動なので、冷えに気づかない熱がりの方でも快適に運動を続けることができます。

 

また、水圧を受けて行う運動なので下半身から腹部への血液の環流を促進します。

 

しっかりとした姿勢で、きちんとした呼吸法とともに水氣道の形にしたがって行えば、体表ばかりでなく、内臓マッサージにもなるので、胃腸の調子が良くなり、夜も良く眠れるようになるので根本的な解決になることが強みです。

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

今回は「攅竹(さんちく)」です。

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場所は眉頭で指で押すと凹みがあるところに取ります。

 

 

「近視」「視力減退」「頭痛」「三叉神経痛」「顔面神経麻痺」等に効果があります。

 

 

目が疲れたら指で押圧してみてください。

 

 

<参考文献>

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭