最新の臨床医学 9月29日(土)漢方治療についてのQ&A

漢方治療一般に関しては

 

一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へのHPを検索してみてください。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

 

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

これに対して、慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&Aは比較的上手にまとめられていると思います。

 

ただし、その記載は概ね一般的ではありますが、慶應義塾大学医学部漢方医学センター受診者を想定して書かれているようです。

 

そこで、高円寺南診療所の立場から、<高円寺南診療所からのメッセージ>を加えてご紹介を試みることにしました。

 

Q

通信販売で漢方薬を手にいれたのですが、飲んでもいいでしょうか?

 

A

最近、通信販売や新聞の広告などに「○○によく効く漢方薬」という宣伝文句をよく目にします。

 

中には中国からの輸入品で、日本では薬として認められていない成分が入っているために問題を起こした例もあります。

 

宣伝のうたい文句に惑わされないようにし、きちんと専門の医師・薬剤師に相談の上で漢方薬をお飲みになることをお勧めします。

 

Q

漢方薬と民間薬はどう違うのですか?

 

A

漢方薬と民間薬はともに生薬を使用し、何らかの薬効があり、古くから伝統的に使われてきたという点では同じです。

 

しかし、漢方薬は漢方医学の理論に基づいた処方の構成がなされており、原則として二種類以上の生薬が配合され、製法・用法・用量が決まっています。

 

一方、民間薬は伝承的・家伝的な薬で、概して一種類の生薬からなり、用法・用量も詳細には決まっていません。

 

最近では多くの民間薬、健康食品が巷間に出回っておりますが、漢方薬はあくまでも薬です。

 

きちんとした医師・薬剤師の指導のもとで服薬するものであることを強調しておきます。

 

 

<高円寺南診療所からのメッセージ> 

通信販売の漢方薬、民間薬、これらは互いに関連があるのでまとめて検討してみたいと思います。

 

これらの問題は未解決な重要案件です。慶應の先生方の結論は、いずれも

<きちんと専門の医師・薬剤師に相談の上で漢方薬をお飲みになることをお勧めします。>

<きちんとした医師・薬剤師の指導のもとで服薬するものであることを強調しておきます。>としています。

 

それでは、きちんとした専門の医師とはどのような医師なのでしょうか。

 

少なくとも、このQ&Aを執筆している慶應の先生方は、きちんとした漢方専門医という自負をお持ちであることは言うまでもないでしょう。

 

その記事にコメントを加えている私も漢方専門医として同様の責任を自覚しなければならないと思います。

 

 

残念ながら<宣伝のうたい文句に惑わされないように>との慶應の先生方のアドヴァイスが効果的であるとは思えません。

 

なぜなら、慶應の先生方も<宣伝のうたい文句>に秀でている方が少なくないからです。

 

通信販売の漢方薬や民間薬ばかりではなく、ジェネリック医薬品の事故(原料・生産はともに中国、発がん物質の混入)が現実のものになっているにもかかわらず、政府や厚生労働省をはじめ、大々的にジェネリック医薬品を推奨し、患者さん宛に文書で説得するなどのキャンペインを全国規模で強化展開しています。

 

日本医師会もそれに加担していました。<きちんとした専門医>の意見よりも、<俳優の高橋英樹氏、女優の黒柳徹子氏>のジェネリック宣伝の方が百万倍も効果的なのは明らかです。

 

 

そこで、高円寺南診療所の患者の皆様、このコラムをお読みになっている皆様へ一言だけコメントをさせてください。

 

あなたの主治医に相談してください。

 

あなたの主治医は何人いてもよいですが、あなたが一番信用できるドクターにお尋ねすることをお勧めいたします。