漢方治療一般に関しては

 

一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へのHPを検索してみてください。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

 

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

 

これに対して、慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&Aは比較的上手にまとめられていると思います。

 

ただし、その記載は概ね一般的ではありますが、慶應義塾大学医学部漢方医学センター受診者を想定して書かれているようです。

 

そこで、高円寺南診療所の立場から、<高円寺南診療所からのメッセージ>を加えてご紹介を試みることにしました。

 

 

 Q

煎じ薬を続けるのは大変ですか?

 

A

本来の漢方薬は煎じて飲むものが多く、確かに手間はかかります。

 

しかし、現在普及している多くの漢方薬はエキス剤と呼ばれる粉薬の形態です。

 

中には錠剤、カプセル剤もあります。

 

これらの剤型であれば皆様が飲み慣れている普通の薬とほぼ同じような手間で服用ができます。

 

エキス剤はいわばインスタントコーヒーやスープのような物で大体の病気には対応できますが、細かい調節を必要とする場合には煎じ薬の方が好ましい場合もあります。

 

煎じ薬は、確かに手間はかかりますので、お忙しい方では挫折してしまうこともあります。

 

しかし、毎日煎じることも健康意識を高め、治療の一つと考えております。あなたに合った飲み方で是非続けてみてください。

 

 

<高円寺南診療所からのメッセージ> 

治療に要する手間というのは、必ずしも悪いことばかりではありません。

 

慶應の先生方も<毎日煎じることも健康意識を高め、治療の一つと考えております。>とのことですが、ご尤もだと思います。

 

自分の健康管理の重要性を深く認識し、それなりに必用な時間や経費や手間をかけ、感謝の心で毎日煎じることができたら、それはまるで茶道の御点前のように思えます。

 

多忙で極端にまで便利になれてしまった大多数の現代人にとって、一日に二度、三度、お点前を実行し継続する環境を整えることは並大抵ではないかもしれません。

 

それが、もし可能だとすれば、その方は自らがマインドフルネスな養生法を実践していることになるのではないでしょうか。

 

生薬を煎じる過程で、五官が総動員されます。生薬には独特の香味成分がありますから、いわば生薬アロマセラピーでもあります。

 

多くの揮発成分は煎じ薬でないと摂取することはできません。

 

ですから漢方治療をつきつめていくと、自分で煎じることが最高ということになるでしょう。

 

 

ところが<現在普及している多くの漢方薬はエキス剤と呼ばれる粉薬の形態です。>そして<細かい調節を必要とする場合には煎じ薬の方が好ましい場合もあります。>その通りです。

 

それにもかかわらず高円寺南診療所も漢方はエキス剤のみを処方しています。

 

その積極的理由は、煎じ薬の場合は、朝、昼、夕のすべてを概ね同じ薬で済まさなければならないからです。

 

時間薬理学的処方を実践する高円寺南診療所では、煎じ薬は極めて不便で不都合です。

 

次に、消極的理由としては<細かい調節を必要とする場合>であっても、複数のエキス剤を組み合わせるなどの工夫を凝らすことによって、煎じ薬には及ばないもののかなり細かい調整が可能だからです。

 

何よりも大切なのは、服薬アドヒアランスといって、患者さんが無理なく処方指示通りにきちんと服用することができるかどうか、ということです。

 

高円寺南診療所の時間薬理学的漢方処方による患者さんの服薬アドヒアランスは満足できる成績を維持しています。

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会の

 

ホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に高円寺南診療所からのメッセージを加えています。

 

 

アレルギー性鼻炎②

 

Q3

アレルギーがあると副鼻腔炎になりやすいと聞きましたが本当でしょうか?

 

A

副鼻腔炎は顔の骨の中にある副鼻腔におこる病気です。

 

鼻腔と副鼻腔は中鼻道でつながっています。現在の副鼻腔炎の40%はアレルギーに関係していると考えられており、アレルギー性鼻炎は副鼻腔炎を悪化させる原因です。

 

小児ではアレルギー性鼻炎のある場合約1/2で副鼻腔炎を合併しているとされています。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

たしかにアレルギー性の副鼻腔炎は増えているような気がします。

 

アレルギー性鼻炎の患者さんには頭痛持ちの方が少なくありませんが、その場合は副鼻腔炎の有無をチェックします。

 

また鼻炎や副鼻腔(びくう)炎など鼻の病気でこの仕組みがうまく働かなくなると、鼻水が増えて鼻の奥にたまったり、粘っこい鼻水が喉に落ちたり、という症状が現れます。

 

これが「後鼻漏」です。後鼻漏には慢性鼻炎や慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿=ちくのう=症)が関係していると思います。

 

エックス線検査で副鼻腔に炎症があれば副鼻腔炎と診断し、抗生物質や鼻水を出しやすくする薬で治療します。

 

大抵はこの治療で鼻炎の症状に加えて頭痛や後鼻漏などの症状も軽くなります。

 

 

Q4

妊娠中に鼻症状が強くなりますが薬は飲まないほうがよいでしょうか?

 

A

飲み薬に関しては、妊娠の時期、症状の強さを考える必要があります。

 

点鼻薬は血管収縮薬以外は比較的安全に使用する事ができます。

 

国立成育医療センター「妊娠と薬情報センター」で妊娠、授乳中のお薬に関して相談することができます。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

高円寺南診療所では、そもそも点鼻薬の血管収縮薬を処方することはありません。

 

ですから、点鼻薬に関しては比較的安全に処方できていると思います。

 

問題は内服薬です。妊娠、授乳中のお薬に関しては極力制限すべきだと思います。

 

国立成育医療センター「妊娠と薬情報センター」の活用も良いことだと思います。

 

 

Q5

アレルギー性鼻炎の治療について教えてください

 

A

アレルギー性鼻炎は自然治癒のすくない病気です。

 

原因をさける環境整備に加えて、症状が日常生活にさしさわらない程度まで治療を行います。

 

治療の中心は抗ヒスタミン薬と点鼻薬で、小青竜湯などの漢方薬が効く場合もあります。

 

手術には鼻閉を改善する手術、鼻汁を減らす手術、レーザーを用いてアレルギー反応の場を減らす手術があります。

 

また最近では免疫療法も根本的な治療法として注目されています。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

<漢方薬が効く場合もあります。>と解説する方は、少なくとも漢方専門医ではなさそうです。

 

私は小青竜湯の他に越婢加朮湯を頻用しています。

 

小青竜湯はくしゃみや鼻汁に効き覚醒水準を高めますが、越婢加朮湯は鼻閉によく効き鎮静効果があります。

 

そのため、朝食前に小青竜湯、就寝前に越婢加朮湯を服用することによって、日中と夜間の自律神経のバランスが回復し、睡眠の質が向上し、日中の生産性が高まることが期待できます。

 

くしゃみや鼻汁が軽快すると苓甘姜味辛夏仁湯に変更するとより胃腸にも優しく作用してくれます。

ここで掲載する内容は、アステラス製薬提供の患者さん・ご家族の皆さまなるほど病気ガイドから引用したものです。

 

関節リウマチについてわかりやすい解説をしています。

 

HPで確認することができます。

 

関節リウマチは、免疫の異常により関節の腫れや痛みを生じ、それが続くと関節の変形をきたす病気です。

 

関節リウマチを治療することで、炎症や痛みを最小限に抑え、毎日の生活を快適にすることができます。

 

現在と将来の生活の質を保っていくためにも、病院・診療所を受診し、きちんと治療を受けましょう。

 

監修医:東邦大学医学部医学科 内科学講座膠原病学分野 川合 眞一 先生

 

 

解り易い解説であること、日本リウマチ学会では一般患者向けQ&Aが掲載されていないため、これを採り上げました。

 

ただし、記述内容が古いままで改訂されていないため、それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

 

 

関節リウマチ患者の遺伝、妊娠・出産について①

 

Q

現在関節リウマチの治療をしていますが、リウマチは遺伝しますか?

 

私の子供や孫も、いずれは関節リウマチになるのでしょうか?

 

関節リウマチのなりやすさに遺伝は関わりますが、心配し過ぎる必要はありません。

 

関節リウマチのなりやすさに、遺伝が関わることは分かっていますが、関節リウマチはある遺伝子を持っていると、決まった確率で発病する遺伝病ではありません。

 

例えば、全く同じ遺伝子を持つ一卵性双生児で、ひとりが関節リウマチになった場合、もうひとりも関節リウマチを発病する確率は15%程度だと言われています。

 

関節リウマチの患者さんの子供や孫が、同じように発病することを心配し過ぎる必要はありません。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

関節リウマチの発病の機序として、自己免疫が関与しており、増殖した滑膜細胞が産生する炎症性サイトカイン、蛋白分解酵素が炎症の増幅に重要であることが知られています。

 

関節リウマチの原因には、遺伝的要因と環境的要因が関与すると考えられています。

 

関節リウマチの患者さんには、たしかにHLA-DRB1という抗原が多いとはされますが決定的なものではありません。

 

関節リウマチの明らかな原因となる抗原は依然として不明です。

 

 

HLAを知ることのメリットは、どのような病気に、どの程度かかりやすいかがわかることがあります。

 

ただし、マーカーとなるHLAをもつ人が必ず発症するわけではありません。

 

これに対して、喫煙、歯周病などの環境因子は、リウマチの診断に有力な手掛かりとなるシトルリン化蛋白(抗CCP抗体)の産生に関与する可能性が指摘されています。

 

 

自分のHLAを自覚することによって、日頃から体調に気を配り検診回数を増やすなどの自己管理で病気の早期発見に役立てることができます。

 

また予防することができるのは環境因子です。予防は誰にでも実践できる究極の医療です。

 

 

註:HLA(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原)は1954年、白血球の血液型として発見され、頭文字をとってこう呼ばれてきました。

 

しかし、発見から半世紀以上を経て、HLAは白血球だけにあるのではなく、ほぼすべての細胞と体液に分布していて、組織適合性抗原(ヒトの免疫に関わる重要な分子)として働いていることが明らかになりました。

水氣道5級の木村英一さんよりイキイキ体操のレ・ノビノビ体操のポートを頂きました。

 

 

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水戸三高吹奏楽部合宿にて。

 

前回の合宿では、イキイキ体操だけでしたが、今回は練習の最後にノビノビ体操も行ってみました。

 

一部の生徒からですが感想を頂きましたので紹介いたします。

 

 

<フルート>

 

前回の体操に加えて、合奏後の整理運動を行ったおかげで前回以上に効果が得られました。

 

息を吸う練習、支えをつくる練習へとつながっていくことを意識しながら体操を行うことができた。(3年)

 

全体的に軽くなった気がします。(2年)

 

 

<オーボエ>

吹きやすくなったです!整理体操むやったおかげで疲れもとれました(2年)

 

自分のできないところがを理解することができた。次はできるようになりたい。

 

久しぶりに体操して体がほぐれた。

 

とても楽しかった。またやりたい。

 

みんなと体操して楽しかった。(1年)

 

 

<クラリネット>

肩の力がスッとぬけて指が動かしやすくなりました。

 

終了後に行った体操もすごく効果的でした。(2年)

 

体が軽くなって楽器が吹きやすくかった。(2年)

 

普段使わないような筋肉を使って、とてもよい運動になりました。

 

練習前に体を動かすことは大切だなと感じました。(2年)

 

今回も体操後になんらかの変化を感じた生徒がほとんどでした。

水氣道のサポートシステムと最新の研究報告について

 

高円寺南診療所には患者会組織はありません。

 

しかし、水氣道の会員は、自然発生的に患者会のような機能を持ち始めています。

 

こうした自然発生的なコミュニティの存在意義は大きく、将来が不安で孤独になりがちな患者さんの多くを力づけ、治療効果ばかりではなく、再発防止にも役立つケースを多数経験してきました。

 

そこから、水氣道には対番制度(1対1のお世話係)から発展し、水氣道の各技法のファシリテーター、トレーナー、インストラクター制度が整い、将来的には水氣道の組織運営を担うスーパーバイザーを育成していく方向で展開しています。

 

 

今回、以下にご紹介する論文は、日本とは医療制度の異なる英米での研究で、しかも精神疾患を対象とするものですが、とても興味深い内容です。

 

水氣道会員の皆様はもちろん、会員ではない皆様にとっても貴重な情報ではないかと思います。

 

 

英国や米国では精神障害の経験者が患者の回復を支援するプログラムが導入されています。

 

精神疾患の急性期治療を終えた患者が、それらの疾患の経験者による支援によって再受診率低下に寄与することが示されました。

 

この結果は、英・University College LondonのSonia Johnson氏らが実施したランダム化比較試験(RCT)で初めて明らかにされLancet(2018; 392: 409-418)に発表されました。

 

 

精神疾患の急性期治療を終えた患者に対する

 

疾患経験者による支援

 

ARTICLES| VOLUME 392, ISSUE 10145, P409-418, AUGUST 04, 2018

 

Peer-supported self-management for people discharged from a mental health crisis team: a randomised controlled trial

 

精神疾患の急性期治療を終えた患者が、それらの疾患の経験者による支援によって再受診率低下に寄与する。

 

この結果は、英・University College LondonのSonia Johnson氏らが実施したランダム化比較試験(RCT)で初めて示された。Lancet(2018; 392: 409-418)に発表された。

 

対象:英国の6つの危機解決チーム(地域で精神疾患患者の危機介入を行うチーム)によるケアを受けた精神障害を有する441例(統合失調症、双極性気分障害、うつ病、不安障害など)

 

目的:対象者の疾患の経験者(以下、経験者)による介入効果を検証する

 

解析技法:RCT

 

方法:自己管理による回復を促すワークブックを配布する群(対照群)に220例、経験者による支援を行い、ワークブックを併用する群(経験者支援群)に221例ランダムに割り付けられた。なお、両群とも試験期間中も通常の治療を継続した。

 

 

両群で使用したワークブックは、

 

① 回復へ至るための目標設定

 

②地域および支援ネットワークでの居場所づくり

 

③早期に再発の徴候に気付くための情報

 

④再発を予防したり遅らせたりするための行動計画の作成

 

⑤良好な状態を維持するための対策

 

といった内容で構成されていた。

 

 

対照群ではワークブックを郵送しただけであったが、

 

経験者支援群では経験者がセッション時に記入の支援を行った。

 

経験者支援群におけるセッションは1時間を週に1回、計10回実施した。

 

 

セッションの内容

① 経験者はワークブックの記入の支援

 

② 患者が抱える問題について話を聞き、自身の回復過程で身に付けたスキルや対処法の伝授。

 

 

なお、経験者はRCTが開始される前に傾聴のスキルや文化的意識、自己開示、守秘義務について指導を受けた他、ワークブックの使用法についても学んだ。

 

 

主要評価項目

 

1年以内の急性期ケアサービス(急性期入院病棟、危機解決チーム、危機ハウス、急性期デイケアサービス)の再受診率とした。

 

結果

① 1年後の急性期ケアの再受診率は、対照群の38%に対して経験者支援群では29%と有意に低かった(オッズ比0.66、95%CI 0.43~0.99、P=0.0438、ロジスティック回帰分析)。

 

②経験者支援群では患者の72%がセッションに3回以上参加し、ほぼ3分の1が10回全てのセッションに参加した。

 

③ワークブックを読んだ患者の割合は対照群で84%、経験者支援群で88%と同程度だった。

 

④ワークブックに計画を記入し活用している患者の割合は対照群の28~44%に対し、経験者支援群では58~64%と高かった。

 

⑤ 重度の有害事象は71件(経験者支援群29件、対照群42件)発生したが、試験に関連していると考えられるものはなかった。

 

 

考察:Johnson氏の見解

①「経験者は、自身の経験を生かして患者に温かく、親身になって支援が行えるのではないか。また、患者にとって回復へのロールモデルにもなりうる」

 

②「この介入法は患者に許容可能なものであり、症状の再発を避けたいと考える経験者支援サービスの管理者やその利用者が実行できる内容であることが示された」として、「今回の結果は重要な意味を持つのではないか」

 

なお、英国では精神科で急性期治療を受けた患者の半数以上が1年以内に再受診しているのが実態。しかし、現時点でエビデンスに裏付けられた再受診率を低下させる方法はない。

 

③「今回の研究は、精神障害の経験者が患者の回復を支援するプログラムによる支援の有効性を示した初のRCTといえる」としている。

 

④ただし、「介入のどの要素が再受診率の低下に寄与したかは不明である」

 

⑤「ワークブックを受け取っただけの対照群でも再受診率は英国の全国平均を下回っていたため、ワークブックが一定の効果を果たしている可能性がある」

 

 

 

高円寺南診療所からのコメント:

皆様、いかがでしたでしょうか。米英でのこうした試みは、わが国の保険診療制度のもとで実現することには、まだ長い道のりを要することが予測されます。

 

そもそも病気を経験するということは、一般的にはマイナスの価値と受け止められがちですが、決してそうばかりではありません。病気を克服した経験は、むしろその人の本来の潜在能力を引き出す貴重な体験であるばかりか、他者にとっても有益な資源になるのだという着眼点は、とても大切だと思います。病気を克服した先輩患者は、必ずしも理想的なサポーターであるとは限りません。

 

しかも、先輩患者自身が再発する可能性もあります。ただし、後輩患者にとっても先輩患者にとっても、患者同士でなければ分かち合うことが難しい領域もあります。

 

それが可能であれば、助け手さえもが相手から助けてもらっている、ということも可能です。

 

たとえ医療の専門家であっても、自らが直接その病気を経験下のではない限り、共感や理解にも限界はあるのではないかと思います。

 

無資格の経験者が治療に関与することと、専門家による治療というのは、互いに拮抗するものではなく、互いに補い合う関係で発展していけるものではないかと思います。

 

水氣道は、現実の身近な場で、それを実践し続けています。

<予防接種について>

 

9月に入り、朝夕が涼しい日がでてきました。

 

今年の夏は猛暑でした。厳しい残暑の日も続き急に気温が低下したため疲れが出ている方もいらっしゃると思います。

 

診療所にも、ノドの痛みや、咳で来院される方が増えています。

 

Nogucciも体調管理に気を付けていきたいと思います。

 

 

10月に入るとインフルエンザ予防接種がスタートします。

 

そこで高円寺南診療所で行っている予防接種ついて代表的なものをまとめてみました。

 

①インフルエンザワクチン

毎年10月から予防接種を実施しています。

 

 

②肺炎球菌ワクチン

23価ニューモバックと13価プレベナーがあります。

 

23価は65歳以上の方の定期接種となっています。

13価は任意接種です。

 

23価と13価を組み合わせるとブースター効果があります。

 

詳しくはこちら

 

 

③風疹ワクチン

風疹は流行の兆しがあります(朝日新聞デジタル版)

 

抗体検査、予防接種は随時受け付けております。

 

杉並区では、今まで風疹にかかったことが無く、抗体検査・予防接種を受けたことがない方で、19歳~49歳までの妊娠を希望される方に、抗体検査と予防接種に補助が出ます。

 

男性も条件付で補助が出ますので杉並区のホームページで確認してください。

 

 

③麻疹ワクチン

沖縄で発生した麻疹(はしか)の流行は6月11日に終息宣言が出されました。

風疹・麻疹の混合ワクチンも用意があります。

 

 

④帯状疱疹(水痘ワクチン)

2016年から、65歳以上の方を対象に、帯状疱疹予防のために水痘(みずぼうそう)ワクチンが接種できるようになりました。

 

主な予防接種を紹介しました。

 

記載の無いものについてはお問い合わせ下さい。

 

 

 

心療内科についてのQ&Aをご紹介いたします。

 

それは日本心療内科学会のHPです。

 

 心療内科Q&Aのコラムを読むことができます。

 

Q&Aは、想定した事例です。Q&Aや疾患についてのご質問、病院の紹介等は、受け付けておりませんのでご了承下さい。

 

※「質問」をクリックするとが表示されます。

 

 

と書かれています。

 

高円寺南診療所に通院中の皆様が、一般論であるこのQ&Aを読んでいただくためには、実際に即した具体的な解説が必要だと考えました。

 

そこで、「質問」「答え」の後に、

<高円寺南診療所の見解>でコメントを加えることにしました。

 

 

「質問5」

年度末で、仕事が多忙な日が続いたある日、いつものように電車に乗っていると急に不安に襲われ、電車を降りてしまいました。

 

その日は、会社を休みました。

 

それ以降、電車に乗るのが怖くて会社に行けません。

 

どうしたら良いでしょうか?

 

 

「答え」

お近くの心療内科のある医療機関への受診をお勧めします。

 

不安発作に伴って出現した広場恐怖症である可能性が高いからです。

 

電車に乗っているときに急に不安に襲われたことは、専門用語で「不安発作」と言います。

 

肉体的な疲労や精神的なストレスがたまっているときに出現しやすいと言われています。

 

一般的に一度でも不安発作が起きると、また不安発作が起きてしまうのではないかという不安(予期不安)が生じやすくなります。

 

特に過去に不安発作が起きたときと似た状況下では、予期不安が強くなり、似たような状況が怖くなったり、そういった状況を避けるようになったりします。

 

このような状態のことを専門用語で「広場恐怖症」と言います。

 

不安発作に関しては、抗不安薬などによる薬物療法により、起きてしまった発作の症状を改善することもできますし、発作自体の予防も可能です。

 

広場恐怖症に関しては、認知行動療法的なアプローチ(エクスポージャー法;薬物療法等により不安発作が十分に予防できている状態で、あえて段階的に苦手な状況にさらされることを練習していくという治療法)で治療が可能です。

 

また、甲状腺機能亢進症などの身体(からだ)の病気が隠れている場合や、うつ病などの別の心の病気が隠れている場合もあり、その場合は、それらの治療も必要になります。

 

心療内科では、血液検査などの検査を受けることで、身体の病気の有無を確認することができますし、問診などを通して、心の病気の合併の有無を確認することもできます。

 

不安発作自体が命にかかわることはありませんし、十分に休養がとれれば、それだけで不安発作は起きにくくなることが多いです。

 

しかし、このまま放置をして、不安発作を繰り返してしまうと、電車に乗ることだけではなく、家から外出すること自体も怖くなり、さらに日常生活に支障をきたしてしまうことにもなりかねません。

 

現時点で心療内科を受診してみてはいかがでしょうか?

 

(大谷 真)

 

 

<高円寺南診療所の見解> 

広場恐怖をともなうパニック症?

 

大谷先生の最終的なお勧めは、現時点で心療内科を受診することです。

 

私の考えは、少しだけ違っています。

 

もし内科の主治医をもっているなら、まず、その先生と相談してみることをお勧めしたいからです。

 

そのうえで、必要があれば、心療内科ではなく、精神神経科の標榜がある医療機関を受診することが肝要だと思います。

 

なぜなら実際に心療内科を標榜している医療機関の99%以上は、精神科医であって、心療内科専門医は稀有の存在だからです。

 

そして、すべてではありませんが、ほとんどの精神科の先生方は身体疾患に余り関与しようとされませんが、それは専門性のゆえにある程度やむを得ない現実があります。

 

それでも複数の医師の併診ではなくて、あくまでも一人の医師に診てもらいたい方は、標榜だけでなく、実際に心療内科専門医の資格をもつ医師に診ていただくことをお勧めします。

 

 

大谷先生の解説の中から、キーワードを拾い上げてみます。

 

症状に関するもの:不安発作、広場恐怖、予期不安

 

原因に関するもの:肉体的疲労(身体的疲労)、精神的ストレス

 

診断名に関するもの:広場恐怖症

 

鑑別診断に関するもの:甲状腺機能亢進症、うつ病

 

検査に関するもの:問診、血液検査

 

治療に関するもの:予防、休養、抗不安薬、

 

認知行動療法的アプローチ(エクスポージャー法)

 

 

以上のように、大谷先生は要点を漏らさずコンパクトに解り易く解説されています。

 

また、診断基準に関する情報が不十分であるためか、一歩踏み込んだ言及は控え、慎重に解説されているのがうかがわれます。

 

というのは、パニック症あるいはパニック発作という用語を用いていないからです。

 

この用語は、精神障害の診断と統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, DSM)第5版(DSM-5)では以下のように記載されています。

 

このDSM-5は、精神障害の分類のための共通言語と標準的な基準を提示するものであり、アメリカ精神医学会によって出版された書籍であって、世界的に認知されている疾患分類であり診断基準で、現時点において最新のものです。

 

 

【DSM-5によるパニック症の診断基準】

1繰り返される 予期しない パニック発作

 

2少なくとも1回の発作の後1ヶ月間(またはそれ以上)、以下のうち1つ(またはそれ以上)が続いている:

 

(1) さらなるパニック発作またはその結果について持続的な懸念または心配

(例:抑制力を失い、心臓発作が起こる、どうかなってしまう)

 

(2) 発作に関連した行動の意味のある不適応的変化(パニック発作を避けるような行動)

 

3その障害は、物質(薬物)または他の医学的疾患(例:甲状腺機能亢進症)によるものではない

 

4その障害は、以下のような精神疾患ではうまく説明されない。

 

社交不安症、心的外傷後ストレス障害、分離不安症

 

 

「質問5」で提示された症例は、概ね「広場恐怖を伴うパニック症」に近いケースであると思われます。

 

パニック症の症状としては、身体症状、精神症状、行動異常の3領域に及びます。

 

そして思考、感情、行動および身体症状の4側面から診断し治療することが必要です。

 

鑑別疾患として、甲状腺機能亢進症をはじめとする身体疾患の他に、社交不安症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、分離不安症は、うつ病とともに見落してはならない病気であり、パニック症に合併し易いことも知られています。

 

問診では、症状、経過の他に、物質(薬物)使用については確認しておかなければなりません。

 

診断では、MMPI(ミネソタ多面人格目録)、MINI(精神疾患簡易構造化面接法)を使用することで精神疾患の診断、鑑別および合併症に関して、しっかりした裏付けが得られます。

 

検査では、心電図、呼吸機能検査による確認は、血液検査と同様に、身体疾患の見落とし防止と、患者さんへの生命安全の保障のため、追加しておくべき最低限の検査だと思います。

 

治療に関しては、認知行動療法や薬物療法を、より有効なものとするために社会訓練(生活リズムの見直し)、生活習慣の改善、自律訓練法をはじめとするリラクゼーション法やストレス対処法の習得の他、その多くが養生法に属しますが、それだけでは再発を減らすには、不十分です。

 

有酸素運動によるスタミナの増強など適切な鍛錬が必要であり、場合によっては積極的音楽療法(音楽による身体・感情表現)を併用することも意義があると思います。

 

高円寺南診療所では、水氣道®や聖楽院を通じて広場恐怖症やパニック症の治療に役立てています。

 

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

今回は「頬車(きょうしゃ)」です。

 

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場所は歯を食いしばった時に筋肉が盛りあっがったところに取ります。

 

 

「顔面神経麻痺」「三叉神経痛」「歯痛」「顎関節症」等に効果があります。

 

 

<参考文献>

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

漢方治療一般に関しては

 

一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へのHPを検索してみてください。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

 

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

 

これに対して、慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&Aは比較的上手にまとめられていると思います。

 

ただし、その記載は概ね一般的ではありますが、慶應義塾大学医学部漢方医学センター受診者を想定して書かれているようです。

 

そこで、高円寺南診療所の立場から、<高円寺南診療所からのメッセージ>を加えてご紹介を試みることにしました。

 

Q

漢方薬は長く飲まないと効きませんか?

 

A

必ずしもそうではありません。病気の状態にもよります。

 

たとえば風邪のひきかけに漢方薬を使って、うまく薬があっていれば、30分ほどで効果は実感できるはずです。

 

病気の重症度や個人の体質差がありますので、はっきりと言うことが出来ませんが、風邪の初期の場合などは、1〜2回の服用で治ることがあります。

 

反対に慢性疾患などでは、すぐには効果があらわれにくいようです。

 

 

実際に漢方薬が使われる機会は、西洋医学でも長期の治療になる慢性病の場合が多いのです。

 

年単位の服用になることも珍しくありません。

 

しかしこうした場合でも、服用中の漢方薬が患者さんの状態にあっているかいないかは、2週間から4週間ぐらい服用を続けてみれば、判断できます。

 

効果がないと判断がつけば、薬の種類を変更する必要があります。

 

患者さんの状態は毎日、変わっていくものですから、それに合わせて薬を変えていくということもよく行います。

 

効果がよくわからないままに、漫然と同じ漢方薬を長い間飲み続けるようなやり方は、避けた方が賢明です。

 

 

<高円寺南診療所からのメッセージ>

慶應義塾大学医学部漢方医学センターの回答は、とても親切だと思います。

 

大学病院という社会的立場を背景にすると、厳密に記述しようとして、かえって説明を複雑にしてしまいます。

 

高円寺南診療所は、民間の一開業医の個人的医療機関であるにもかかわらず、漢方専門医としての意識のせいか、歯切れの良い説明がむずかしく感じているので、慶應の先生方に深く敬意を表したいところです。

  

風邪の初期の場合などは、高円寺南診療所でも<1〜2回の服用で治ること>は珍しくありません。

 

それは慶應の先生方と同じ意見です。

 

これに対して、慢性的な病気を一発で治すことは、残念ながらほぼ不可能です。

 

慶應の先生方は<実際に漢方薬が使われる機会は、西洋医学でも長期の治療になる慢性病の場合が多いのです。>と解説していますが、高円寺南診療所の場合も全く同様です。

 

ただその場合でも<服用中の漢方薬が患者さんの状態にあっているかいないかは、2週間から4週間ぐらい服用を続けてみれば、判断できます。>と書かれていますが全く同感です。

 

 

高円寺南診療所では様々なアレルギー疾患、リウマチ関連疾患、再発を繰り返す発作性の疾患、心身症や神経症、それに線維筋痛症などを専門にしているため、どうしても漢方薬の助けが必要になってきます。

 

それは、なぜかというと、西洋医学の標準的な現代薬を長期に続けていかざるを得ない場合には、治療効果の他に、長期に亘る服用による副作用発現を懸念しなければならないからです。

 

初期治療のうちから、漢方薬を併用しておくと、治療の相乗効果が得られるばかりでなく、安定期になり、さらに改善してくると、現代の医薬品を減量したり、中止したりすることに成功する確率を高めることができるからです。

 

 

さて高円寺南診療所の患者さんに漢方を処方すると、このQ&Aの御質問とは異なり、「漢方は気長に続けると、体質が改善されてくるのですよね」という反応が多いです。

 

私にこの様な問いかけをして喜んで漢方を始める方は、概して反応が良いようです。

 

すると、「先生、この漢方薬をはじめてまだ2週間も経っていないのに、ずいぶんと体調も気分もよくなってきました。漢方はこんなに早く効いてくるものなのですか」などと喜んで尋ねてこられます。

 

そのような場合には、次のようにお答えすることがあります。

 

「それはとても良かったですね。漢方は体調と同時に気分も安定させてくれるものが多いです。

あなたが実感しているように、この漢方がお役に立てたことは間違いないと思います。しかし、それ以上に大切な理由があります。

それは、あなたが生活記録をきちんと続けて養生法と鍛錬法の両方が身に着いてきてから漢方薬をはじめたという事実です。

それから、禁煙にもみごとに成功されましたね。とても立派なことです。」

 

 

最後の引用は<患者さんの状態は毎日、変わっていくものですから、それに合わせて薬を変えていくということもよく行います。>です。

 

実は、患者さんの状態は毎日どころか、時間帯ごとに周期的に変化していることがほとんどなのです。

 

これは時間生理学でも証明されています。その結果、病気ごとに薬が効きやすい時間帯があります。

 

この原理を応用した薬物療法が時間薬理学的方法です。

 

高円寺南診療所では、朝、昼、夕すべてに異なる漢方薬を処方することがしばしばですが、時間薬理学的な効果を考えているからです。

 

また、女性では概ね4週間の周期で心身のコンディションが変動します。

 

さらに患者さんに限らず人間は季節ごとに体調や気分が変化しますから、生理学的な周期的変動や季節の変化に応じて漢方薬の処方を工夫するようにこころがけています。