ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

最後に高円寺南診療所からのメッセージを加えています。

 

 

アレルギーの病気についてQ&A

 

アレルギー性鼻炎①

 

Q

風邪による鼻炎とアレルギー性鼻炎の違いはありますか?

 

A

風邪による鼻炎では発熱、咳、のどの痛み、頭痛、全身倦怠感などを伴うことが多く、初期には水性の鼻汁ですが徐々に粘性、膿性と変化してきます。

 

鼻汁中の好酸球(アレルギーに関係する細胞)の割合、鼻の粘膜の所見、アレルギー検査などの結果を総合的に診断します。

 

季節型アレルギー性鼻炎の代表は花粉症です。

 

 

Q

アレルギー性鼻炎があると、喘息などのほかのアレルギー疾患を起こしやすいのでしょうか?

 

A

アレルギー性鼻炎の25%程度に喘息の合併がありますが、気管支喘息では約70%にアレルギー性鼻炎が合併します。

 

アレルギー性鼻炎が悪化すると喘息も悪くなる事が多く、アレルギー性鼻炎と喘息の治療を合わせて行う事が重要です。

 

特にアレルギー性鼻炎のような上気道の病気と、気管支ぜんそく等のような下気道の病気は一つの病気として治療する事が必要です。

 

またアトピー性皮膚炎など他のアレルギー疾患も合併しやすくなります。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

アレルギー性鼻炎(上気道)と気管支喘息(下気道)の炎症の場である呼吸器系粘膜は連続体であると考えることができます。

 

自覚症状が無いからといって病気が無いわけでもなく、治っているわけでもない、という可能性を頭においておく必要があります。

 

また、アトピー性皮膚炎とは、アレルギーという特殊な炎症の主座が粘膜ではなく皮膚にある場合であると考えることも不可能ではありません。

 

つまり、一つのアレルギー疾患をケアするときには、他のアレルギー疾患についても注意を払っておくことが必要だということになります。

ここで掲載する内容は、アステラス製薬提供の患者さん・ご家族の皆さまなるほど病気ガイドから引用したものです。

 

関節リウマチについてわかりやすい解説をしています。

 

HPで確認することができます。

 

 

関節リウマチは、免疫の異常により関節の腫れや痛みを生じ、それが続くと関節の変形をきたす病気です。

 

関節リウマチを治療することで、炎症や痛みを最小限に抑え、毎日の生活を快適にすることができます。

 

現在と将来の生活の質を保っていくためにも、病院・診療所を受診し、きちんと治療を受けましょう。

 

監修医:東邦大学医学部医学科 内科学講座膠原病学分野 川合 眞一 先生

 

 

解り易い解説であること、日本リウマチ学会では一般患者向けQ&Aが掲載されていないため、これを採り上げました。

 

ただし、記述内容が古いままで改訂されていないため、それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

 

 

関節リウマチ患者での運動、生活での注意点④

 

Q

普段の食事で気を付けることはありますか?

 

関節リウマチ患者が食べた方がいい物はあるのですか?

 

栄養バランスのよい食事をとりましょう。肥満には気をつけましょう。

 

関節リウマチの患者さんが食べてはいけないような食品はありません。

 

偏った食事を避けて、バランスよく栄養をとることを心がけましょう。

 

骨粗しょう症がある方はカルシウムを、貧血を起こしている方は鉄分をしっかりとることを心がけましょう。

 

食べ過ぎによる肥満は、関節の負担につながりますので、食事の量には気をつけましょう。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

関節リウマチそのものに対する食事療法については代替医療を含めて多数出版されていますが、積極的にお勧めできるものは見出せません。

 

だからといって、関節リウマチの患者さんが食事や栄養に無関心であっては良い結果はもたらされないでしょう。

 

川合教授は、簡にして要を得た回答をされています。

 

まず、関節リウマチという病気にこだわらないで、一般的に推奨されている健康な食生活をすること、次に、関節リウマチに合併し易い、肥満、骨粗鬆症、貧血に注意し、治療もしくは予防目的での栄養食事療法を工夫する、ということになるでしょう。

 

最近では、難治性の腎障害や肺病変(胸膜炎、間質性肺炎)の合併も以前より注目されています。

 

このように、関節リウマチは、関節滑膜という局所の病気ではなく全身病であるという理解ができれば、栄養管理も全身を見据えてすすめていくことの重要性に気づくことができるのではないでしょうか。

 

 

ここでさらにご紹介したいことがあります。

 

それは、有益な食事療法や運動療法に取り組むためには、開始時点でのアセスメント(評価)が必要だということです。

 

ご自分のフィットネス状況を把握しておけば、食事療法も運動療法も効果を挙げることができます。

 

つまり、関節リウマチに対する評価だけでなく、もっと一般的な健康水準を把握し、その変化を定期的にモニターすることで、セルフケアの有効性を客観視することができるからです。

 

高円寺南診療所では『体組成・体力テスト』というフィットネス・チェックを定期的に受けることを推奨しています。

 

人間ドックや自治体の健診は主として病気の早期発見ですが、フィットネス・チェックはそもそも病気になりにくい条件を整えていくための尺度で構成されています。

 

関節リウマチの治療効果が上がらないと、痛みや運動障害のため、どうしても運動不足になりがちです。

 

それはやがて肥満をもたらし、脂質異常症や糖尿病に発展します。

 

また、高血圧を引き起こします。これらの生活習慣病が重なると動脈硬化を進展させ生命予後の低下を来してしまいます。

 

 

大学病院で関節リウマチの専門外来を受診していた方が、高円寺南診療所を紹介されて来院されることがあります。

 

大学は研究機関を兼ねるため、安定期にある患者さんに対するケアは十分に行き届かないことがあることも已むを得ないと思います。

 

リウマチ科の専門医であれば、骨粗鬆症対策がきわめて大切であることを知らないはずはありません。

 

しかし、実際に骨量を計測して、適切なアドヴァイスを受けている方はほとんどいませんでした。

 

高円寺南診療所では、関節リウマチの患者さんには頸椎のX線検査と骨量計測は必ず行っています。

 

その結果、骨粗鬆症や上位頸椎の障害を早期のうちに発見することがあります。

 

骨粗しょう症の栄養指導や治療を併用することによって、関節リウマチの症状が改善し、薬剤を減量できた例は少なくありませんでした。

 

なお、水氣道®に定期参加して有酸素運動能力が高まると、筋肉量が増加するだけでなく骨量の増加も期待できます。

 

閉経直後の方ばかりでなく、70歳代後半の方でも骨量増加が見られました。

 

これは、もう少し症例数を集めてから統計学的に検証していきたいと考えています。

 

運動施設「ウェルネスエイジ」におけるプール施設貸出条件変更に関する要望書

 

 

8月10日付けで、千代田綜合法律事務所の出来村 隆裕 弁護士を代理人として、公益財団法人東京都福祉保健財団の理事長宛に要望書を提出しました。

 

要旨としては、

これまで火曜日の午後2時から午後4時、

水曜日と金曜日の午前9時から午前10時、

土曜日の午後4時から午後5時までの時間区分を希望し、利用してきた。

 

午前9時開始と午後5時終了の時間区分において、

施設全体の開館・退館時間と貸出時間が同時刻に設定されてる。

そのため他の時間帯と比べて十分な利用が難しく、

プール施設貸出条件の変更をご検討頂きたい。

 

現行は、使用時間単位が、9時から始まる1時間ごとの区分、

 

要望案として、使用時間単位を、9時から始まる30分ごとの区分に変更。

 

 

以上です。

 

9月10日現在返答は届いておりません。

 

出来村弁護士によると、

早急に見直しの検討に着手したとしても、既存のルールの変更となるため、

検討の時間や団体内部での承認手続が必要となり、2~3ヶ月は最低でもかかるのではないか、とのことでした。

 

 

平成元年に高円寺南診療所での診療を開始して10年余を経た頃、院長の飯嶋正広は、すでに日本の保険医療制度の運用上の矛盾や弱点・欠点に直面し、大いに困惑していました。

 

そこで、せめて実際のご縁ができた自分の患者の皆様に対して、それらの制度矛盾や弱点・欠点を、みずから補い克服する方策を考え始めていました。

 

そして、手始めに何が必要で、そのためには、どのような工夫や努力が必要なのかを探求し試行錯誤を繰り返していました。

 

 

幸いにその努力は無駄ではなく、その成果の一つが2000年(平成12年)に現在に続く水氣道を創始することができました。

 

現在では、登録商標を取得し、実際の活動会員数(正会員、一般会員および準会員)は70名余に登っています。

 

水氣道会員に限らず、診療所に継続通院されている皆様に、概ね3か月に1回程度実施しているのが体組成・体力検査(フィットネス検査)です。

 

 

最近、東北大学大学院運動学分野講師の門間陽樹氏らの研究グループが、簡便に測定できる体力テストの成績で、日本人の2型糖尿病の発症リスクを評価できる可能性を示しました。

 

「Journal of Epidemiology」7月28日オンライン版に発表しています。

 

原著論文:Momma H, et al. J Epidemiol. 2018 Jul 28. [Epub ahead of print]

 

 

そのフィットネス検査項目にも含まれているのが、高円寺南診療所ですでに実施してきたフィットネス検査項目にも含まれている握力と平衡(バランス感覚)機能検査です。

 

定期的な運動は、ほとんどの生活習慣病に有効です。

 

たとえば2型糖尿病の管理だけでなく予防にも有効なことが一般的に認められています。

 

運動を行うと身体の適応能力が向上します。

 

それにより習慣的な運動習慣が身に着くと体力が向上することがよく知られています。

 

これまでの研究で全身持久力が高いほど2型糖尿病の発症リスクは低いことが報告されています。

 

 

しかし、2型糖尿病のスクリーニングに全身持久力テストを導入することはコストや手間を考えると現実的ではないためか、あまり普及してきませんでした。

 

現行の保険医療の矛盾や弱点・欠点の典型例の一つが、予防医学ばかりでなく、こうした簡易で実用的な検査に対して、当然の支援を怠っていることです。

 

たとえば線維筋痛症支援の絶対的欠如もその延長線上にある、といっても過言ではないでしょう。

 

 

さて、東北大学の研究グループによる論文についてご紹介します。

 

目的:

2型糖尿病リスクの評価に適した、より簡便な体力テストの指標を探ること

 

対象:

糖尿病を発症していない成人(体力テストを2回以上行った糖尿病を発症していない成人2万1,802人)

 

研究手法:

観察研究 方法:新潟県労働衛生医学協会の健診データを用いて、対象を最大で6年間追跡して解析

 

結果:

対象者の年齢は20~92歳、女性が6,649人

 

体力テストには、筋力を評価する「握力」と下半身のパワーを評価する「垂直飛び」、バランス感覚を評価する「閉眼片足立ち」のほか、「立位体前屈」(柔軟性)や「全身反応時間」(反射神経)、「仰臥位足上げ」(筋持久力)が含まれた。

 

対象者をこれらの成績で4つの群に分けて、糖尿病の新規発症との関連を調べた。

 

結果:

対象者の年齢は20~92歳、女性が6,649人  中央値で5年の追跡期間において、972人が新たに糖尿病を発症した。

 

解析結果:

①体重当たりの握力の成績が悪いほど2型糖尿病リスクが高い(最も握力が高い群と比較した、他の3つの群における2型糖尿病発症のオッズ比は1.16~1.56)。

 

②閉眼片足立ちの成績も2型糖尿病リスクと有意に関連していた(同じくオッズ比は1.03~1.49)。

 

③垂直飛びと立位体前屈の成績についても2型糖尿病リスクとの関連が認められたが、BMIで調整後の解析ではこれらの関連は有意ではなくなった。

 

④仰臥位足上げと筋持久力については、2型糖尿病リスクとの関連は認められなかった。

 

考察:

今回の研究から、簡便に測定できる握力の成績で2型糖尿病リスクを評価できる上に、バランス能力と2型糖尿病リスクとの関連も初めて明らかになった。

 

展望:

これらの体力テストの成績は独立して2型糖尿病の発症に関与すると考えられ、今後のより詳細な検討が期待される

 

 

原著論文はこちら

Momma H, et al. J Epidemiol. 2018 Jul 28. [Epub ahead of print]

 

 

高円寺南診療所からのコメント:

東北大学が推奨する体力テストは<握力>と<片足バランス>のみで簡便に行えることから、糖尿病スクリーニングの指標として有用性が高いことを示しています。

彼らは従来の全身持久力テストに比較して、その有用性を主張していますが、あくまでも2型糖尿病のスクリーニングに限っての話であることに注意してください。

 

ただし、今回の研究が高円寺南診療所の臨床に有益な示唆を与えてくれた重要なエビデンスの一つは、単なる握力ではなく、体重当たりの握力、というコンセプトです。

 

つまり、体力テストといっても、やはり身体計測が必要であり、従来の高円寺南診療所のフィットネス検査(体組成&体力検査)の臨床的意義を検証するにあたって、重要な根拠を与えてくれたということになるでしょう。

 

また高円寺南診療所の継続的受診者は2型糖尿病に限らず、さまざまな病気の方が通院されています。

 

高円寺南診療所が従来実施してきた定期的なフィットネス検査は、今回、東北大学が実証した2つの検査項目を含むので、2型糖尿病のスクリーニングに有用であることのエビデンスが得られました。

 

しかし、2型糖尿病やその他の多くの疾患の治療効果や生活の質(QOL)の指標としては、今回の東北大学の簡易な方式では不十分であり、高円寺南診療所方式が質的に優れていることは改めて十分に認識しておく必要があると思われます。

 

高円寺南診療所では、今後、一層、積極的に定期的フィットネス検査<体組成・体力検査>を推進していきたいところです。

慢性疼痛や線維筋痛症など、痛みに関するお問い合わせが増えております。

 

そのため、慢性疼痛に関する相談室を平成30年9月1日より開設いたしました。

 

 

<高円寺南診療所 痛み研究室>

 

室長 坂本光昭 鍼灸師

職員 野口将成 メディカルソーシャルワーカー

 

顧問 飯嶋正広 医師 医学博士

 

 

職員2名、顧問1人でスタートしました。

 

長引く痛みで悩みの方のご相談を個別に承ります。

 

「長引く痛みで不安」

 

「あちこち痛くなってきた」

 

「調べたら線維筋痛症かもしれない?」

 

「線維筋痛症と言われたが、どんな治療をするの?」

 

など、慢性疼痛や線維筋痛を疑うような長引く痛みについて、ご相談を承ります。

 

 

線維筋痛症の受診手順の説明。

 

医師の診察について。鍼灸についての相談も一緒にどうぞ。

 

 

完全予約制です。

 

相談料

30分 3000円+税

 

電話:03-3318-1822

担当:野口将成

 

線維筋痛症の専門治療を希望される方は

<こちらをご覧ください>

 

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

 

今回は「人迎(じんげい)」です。

 

IMG_2982

 

場所は喉仏の外方の動脈部にあります。

 

 

「喘息」「頭痛」「めまい」「高血圧」「低血圧」等に効果があります。

 

<参考文献>

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

漢方治療一般に関しては

 

一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へのHPを検索してみてください。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

 

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

 

これに対して、慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&Aは比較的上手にまとめられていると思います。

 

ただし、その記載は概ね一般的ではありますが、慶應義塾大学医学部漢方医学センター受診者を想定して書かれているようです。

 

そこで、高円寺南診療所の立場から、<高円寺南診療所からのメッセージ>を加えてご紹介を試みることにしました。

 

Q

風邪の時に葛根湯を飲んだのにあまり効果がありませんでした。

 

A

「風邪には葛根湯」というのは、落語にも出てくるくらい有名な話です。

 

本来の漢方治療では、風邪と一言でいっても患者さんの体質、状態によって薬が全く異なります。

 

「熱がっているか?寒がっているか?」

「汗をかくか?かかないか?」

「便はどうか?」

「食欲はどうか?」

「普段の体力はどうか?」

など風邪とは関係がなさそうに見えることを総合し、患者さんの状態を考慮したうえで漢方薬を選ぶのです。

 

風邪の治療の際に、専門家が使う漢方薬は葛根湯だけでなく、20種類以上あります。

 

専門家に相談して漢方薬を飲まないと、逆に不快な症状が出て一向に治療効果が上がらない、などということにもなりかねません。

 

 

<高円寺南診療所からのメッセージ>

「風邪には葛根湯」というのは、普段比較的体力がある人のためには無難な選択だと思います。

 

ここで体力というのは、行動的な体力というよりは、防衛的な体力で、免疫力のようなもので、慢性的で消耗性の病気を持っていない人と考えてください。

 

具体的に言えば、子供たちの多くや、普段病気にかからない人たちです。

 

落語に出て来るかどうかは知りませんが、「葛根湯医者」という言葉が残っています。

 

江戸時代の話だと思いますが、風邪と発熱に葛根湯、頭痛と肩こりと寒気を訴えるお松さんに葛根湯、中耳炎のお梅さんに葛根湯、赤ちゃんのためのお乳が出なくて困っているに母親のお竹さんにも葛根湯、大工の熊さんの大事な右腕の神経痛にも葛根湯、蕁麻疹のお竹姐さんにも葛根湯、という具合に、なんでも葛根湯で済ませてしまう町医者がいたとしても不思議ではありません。

 

おそらく庶民から揶揄されもし、同時に親しまれてもいたのが、こうした「葛根湯医者」だったのではないでしょうか。

 

私は、「葛根湯医者」はむしろ名医だったのだと思います。

 

なぜならこうした葛根湯医者の処方例は、現代の視点からみても、ほぼ誤りではないからです。

 

葛根湯は、ふだん比較的体力があって、自然発汗がなく頭痛、発熱、悪寒、肩こりなどを伴う熱性疾患の初期に広く用いることができるからです。

 

 

風邪に葛根湯が効かない理由として、慶應義塾大学医学部漢方医学センターの回答は、葛根湯の処方の誤りに重点を置いて説明しています。

 

また<専門家に相談して漢方薬を飲まないと、逆に不快な症状が出て一向に治療効果が上がらない、などということにもなりかねません。>との解説をしています。

 

しかし、現場の臨床では漢方専門医は、処方が誤りでなくとも効かない場合を想定しなければなりません。

 

また、逆に誤った処方でも、症状が一時的に消失してしまうことも同様に忘れてはなりません。

 

不適切な結果をもたらさないための典型例を自らの訓戒の形でまとめてみました。

 

 

1)漢方薬で治すためには、漢方に不信感を抱いたままの患者に処方してはなりません。

 

2)医師または薬剤師は服用法のコツを患者に教えなければなりません。

 

3)漢方薬で治すためには、医師は患者に養生法(休養や食事など)の指導をしなければなりません。養生を軽視する患者には漢方は向きませんし、効きが悪いです。

 

ヘビースモーカーの方には漢方薬は効きません。癌を抑制できる漢方薬があるとはいえ、たばこの毒を中和できるほどの効能はないからです。

 

4)医師は「治る」ということの意味を、きちんと患者に理解していただかなければなりません。

 

自覚症状のみを速やかに解消したい、それが叶えば治った証拠、と誤解しがちな患者が多いことに注意を払わなければなりません。

 

5)急性期の症状を引き起こす背景、たとえば気づきにくい慢性的な発病因子(体質、気質、環境等)についても注意を払う必要があり、適宜指導する必要があります。

 

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会の

ホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に高円寺南診療所からのメッセージを加えています。

 

 

気管支喘息(小児)③

 

Q4

喘息は治りますか。

 

A

小児期に喘息になった人の6~7割は思春期までに治ると考えられてきました。

 

しかし、一時的によくなっても、また成人になってから喘息になる人がいます。

 

成人の喘息をみると50%の人が子どもの時から喘息があります。

 

海外のデータでは、子どもの時にひどい喘息発作を繰り返した人は成人になった時に、呼吸機能の低下がみられると報告されています。

 

自然に治るものではなく、正しい治療(気道の炎症を抑える)を行って喘息を治すことが最も大切です。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】 

成人喘息の50%が子どもの時から喘息だとされていますが、実際にはもっと多くて2/3 くらいではないかという感触です。

 

発作が見られなくなると、治った、と思いたくなるのが人情というものでしょう。

 

しかし、喘息発作が活火山だとすると、発作がなくなっても死火山になったと考えて油断するのではなく、休火山の状態になったのに過ぎないと考えて、ふだんから心身の養生や鍛練を継続するなどコンディションを整えておくことが望ましいのではないでしょうか。

 

Q5

喘息の子供にとって良い環境とは、どんな環境ですか。

 

A

タバコの煙は喘息をおこしやすくするし、発作もひきおこします。

 

換気扇の下で吸っていても、お子さんに影響します。家族は禁煙するのが一番ですが、もし、どうしても無理な場合は室外で吸うようにしましょう。

 

また、お子さんが大きくなってきたときには、喫煙は喘息に悪いということを説明して、成人になっても吸わないように早めに指導しましょう。

 

喘息の原因として、ダニによるアレルギーがあるお子さんが多くいます。

 

室内のダニ量が増えると喘息発作がおこる場合があります。

 

掃除機によりホコリを吸い取るのが効果的です。ジュータン、布製ソファー、古い布団や座布団にはダニが多くいので、なるべくこれらを使用しないほうがいいでしょう。

 

カーテンやぬいぐるみなども、洗濯機で洗いましょう。

 

水槽で飼育できるペットは問題ありません。

 

アレルギー症状をおこしやすいネコ、イヌ、ウサギ、ハムスターなどには注意が必要です。

 

外国の論文で出生時早期からイヌやネコを飼育しているとその後のアレルギー発症が少なかったと報告されていますが、わが国では証明されていません。

 

動物の毛そのものもアレルギーの原因となるし、毛にはダニがつきやすいので注意は必要です。

 

どうしても飼育する場合は室外で飼育し、シャンプーすることがすすめられます。

 

また、実際にペットと接触してアレルギー症状がでてしまった場合には飼育を中止する覚悟が必要です。

 

家庭環境以外に、運動や冷気は喘息発作をおこす誘因となります。

 

特に冷たく乾いた空気を吸う冬季のマラソン、スキーやスケートでおこりやすいです。

 

予防するには、鼻で呼吸、マスク着用、少しずつ運動することが有用です。

 

運動前に喘息治療薬を使用した方がいい場合もあります。

 

運動した時に発作がでる(運動誘発喘息)場合には普段の長期管理薬が十分でない場合があるので、担当医に相談しましょう。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】 

タバコは百害あって一利なし。そういわれ続けてきているのに、大切な家族の健康までも脅かしている喫煙者がいます。

 

タバコをやめようとしない喘息患者に対しては、アレルギー専門医でも処置なしです。

 

また、ペットのための医療費にはお金を惜しまないにもかかわらず、保険が効く自分の健康管理には消極的な患者さんにもしばしば遭遇します。

 

喘息患者が身体を鍛錬することはとても意味があります。

 

しかし、冷たく乾いた空気を吸う冬季のマラソン、スキーやスケートで喘息発作がおこりやすいことは良く知られています。

 

そこで新たに何らかのスポーツを始めたいと考える喘息患者の皆様には、是非、水氣道®をお勧めしたいところです。

 

年間を通じて水温、室温ともに30℃程度、湿度はほぼ100%であり、埃やダニ、花粉などのアレルゲンに晒されないために喘息発作は起こりにくい環境で安心して運動することができるからです。

 

 

ここで掲載する内容は、アステラス製薬提供の患者さん・ご家族の皆さまなるほど病気ガイドから引用したものです。

 

関節リウマチについてわかりやすい解説をしています。

こちらのHPで確認することができます。

 

関節リウマチは、免疫の異常により関節の腫れや痛みを生じ、それが続くと関節の変形をきたす病気です。

 

関節リウマチを治療することで、炎症や痛みを最小限に抑え、毎日の生活を快適にすることができます。

 

現在と将来の生活の質を保っていくためにも、病院・診療所を受診し、きちんと治療を受けましょう。

 

監修医:東邦大学医学部医学科 内科学講座膠原病学分野 川合 眞一 先生

 

 

解り易い解説であること、日本リウマチ学会では一般患者向けQ&Aが掲載されていないため、これを採り上げました。

 

ただし、記述内容が古いままで改訂されていないため、それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

 

 

関節リウマチ患者の運動、生活での注意点③

 

Q

飲酒、喫煙は、関節リウマチの症状を悪くしますか?

 

過度な飲酒は避けましょう。喫煙は関節リウマチを悪化させたり、肺の合併症を悪くすることがあるので、禁煙しましょう。

 

過度な飲酒は、血管を拡げて関節リウマチの炎症を悪くすることがあります。

 

それ以上に、体に良いことがありません。適量を楽しむのであれば、とくに問題はありません。

 

喫煙に関しては、そもそも関節リウマチの発病に関連するといわれています。

 

また、関節リウマチの患者さんが喫煙を続けていると、肺の合併症を引き起こしたり、悪くすしたりする危険性があります。

 

関節リウマチの患者さんは、禁煙しましょう。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

喫煙に関しては川合教授のご指摘の通り、関節リウマチの発病に関連するばかりでなく、関節リウマチの合併症や関節リウマチ治療薬による副作用である間質性肺炎をはじめ、慢性閉塞性肺疾患などさまざまな肺合併症を引き起こしたり、増悪させたりします。

 

関節リウマチの患者さんの中には

≪遺伝性の病気だからタバコは関係ない、タバコぐらい吸えなければ生きている意味がない≫

とまで断言する方がときどきいらっしゃいます。

 

たしかに関節リウマチに遺伝的要因が関与するのは確実です。

 

実際に、これまですでに100を超える疾患関連遺伝子が見いだされています。

 

しかし、最も重要なものでも遺伝要因の10~30%を説明すると推定されている遺伝子HLA-DRです。

 

特にSEと称されるアミノ酸の共通配列が抗原提示において関節リウマチの発症や病態に重要な関与をしていると考えられています。

 

このSEを有するひとが喫煙をすると、関節リウマチの発症リスクが約10倍増加するという報告があります。

 

これは喫煙により肺の慢性炎症を生じるためであり、その炎症を介してシトルリン化蛋白が増加することによるものと考えることができます。

 

関節リウマチの発症や進展様式で重要なのは、遺伝因子よりむしろ環境因子です。

 

環境要因としては喫煙や病原体(感染症)が挙げられます。

 

これらは臓器障害をもたらし、臓器障害の進行は治療リスクを増大させ、さらなる臓器障害への悪環境をまねき、生命予後を短縮させます。

 

また、わが国のリウマチ専門医・指導医が認識しておきながら放置しているのは、関節リウマチ患者の抑うつなどの精神状態への配慮です。

 

精神状態と関節リウマチの疾患活動性は密接に関連しています。

 

関節リウマチを直接悪化させる炎症性サイトカインの中枢神経への影響や、身体機能障害を伴う慢性疾患であることの心理的ストレスが想定されていますが、画期的な総合的治療体系の確立の方向に進んでいるようにはみられないのが残念なところです。

 

 

先ほどの患者さんですが、後にこう述べていました。

 

≪そういえば、リウマチの母もタバコを吸って紛らわせていました。

 

その母は、タバコを吸っていても決して幸福そうではありませんでした。

 

私にリウマチ体質をくれたそんな母を怨んでいましたが、体質が似たのではなくて、ストレスに弱くてついタバコに頼ってしまう性格が遺伝したのかもしれません。

 

水氣道をはじめてタバコを吸わなくても楽しい時間が過ごせることを知りました。

 

今は家事も仕事もこなせるし、痛みもなくなり、リウマトレックス®(メトトレキサート)の量も減らせました。

 

母を怨んでいた私は、母に申し訳ない思いでいっぱいです。≫

慢性疼痛に関する相談室を平成30年9月1日より開設いたしました。

 

 

<高円寺南診療所 痛み相談室>

 

室長 坂本光昭 鍼灸師

 

職員 野口将成 メディカルソーシャルワーカー

 

顧問 飯嶋正広 医師 医学博士

 

 

完全予約制です。

 

相談料

30分 3000円+税

 

慢性疼痛や線維筋痛等の長引く痛みについて、

医師の診察や、鍼灸治療等についてのご相談を承ります。

 

電話:03-3318-1822

担当:野口将成

 

 

線維筋痛症の専門治療が必要な場合は

<こちらをご覧ください>