最新の臨床医学 9月20日(木)関節リウマチについてQ&A

ここで掲載する内容は、アステラス製薬提供の患者さん・ご家族の皆さまなるほど病気ガイドから引用したものです。

 

関節リウマチについてわかりやすい解説をしています。

 

HPで確認することができます。

 

関節リウマチは、免疫の異常により関節の腫れや痛みを生じ、それが続くと関節の変形をきたす病気です。

 

関節リウマチを治療することで、炎症や痛みを最小限に抑え、毎日の生活を快適にすることができます。

 

現在と将来の生活の質を保っていくためにも、病院・診療所を受診し、きちんと治療を受けましょう。

 

監修医:東邦大学医学部医学科 内科学講座膠原病学分野 川合 眞一 先生

 

 

解り易い解説であること、日本リウマチ学会では一般患者向けQ&Aが掲載されていないため、これを採り上げました。

 

ただし、記述内容が古いままで改訂されていないため、それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

 

 

関節リウマチ患者の遺伝、妊娠・出産について①

 

Q

現在関節リウマチの治療をしていますが、リウマチは遺伝しますか?

 

私の子供や孫も、いずれは関節リウマチになるのでしょうか?

 

関節リウマチのなりやすさに遺伝は関わりますが、心配し過ぎる必要はありません。

 

関節リウマチのなりやすさに、遺伝が関わることは分かっていますが、関節リウマチはある遺伝子を持っていると、決まった確率で発病する遺伝病ではありません。

 

例えば、全く同じ遺伝子を持つ一卵性双生児で、ひとりが関節リウマチになった場合、もうひとりも関節リウマチを発病する確率は15%程度だと言われています。

 

関節リウマチの患者さんの子供や孫が、同じように発病することを心配し過ぎる必要はありません。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

関節リウマチの発病の機序として、自己免疫が関与しており、増殖した滑膜細胞が産生する炎症性サイトカイン、蛋白分解酵素が炎症の増幅に重要であることが知られています。

 

関節リウマチの原因には、遺伝的要因と環境的要因が関与すると考えられています。

 

関節リウマチの患者さんには、たしかにHLA-DRB1という抗原が多いとはされますが決定的なものではありません。

 

関節リウマチの明らかな原因となる抗原は依然として不明です。

 

 

HLAを知ることのメリットは、どのような病気に、どの程度かかりやすいかがわかることがあります。

 

ただし、マーカーとなるHLAをもつ人が必ず発症するわけではありません。

 

これに対して、喫煙、歯周病などの環境因子は、リウマチの診断に有力な手掛かりとなるシトルリン化蛋白(抗CCP抗体)の産生に関与する可能性が指摘されています。

 

 

自分のHLAを自覚することによって、日頃から体調に気を配り検診回数を増やすなどの自己管理で病気の早期発見に役立てることができます。

 

また予防することができるのは環境因子です。予防は誰にでも実践できる究極の医療です。

 

 

註:HLA(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原)は1954年、白血球の血液型として発見され、頭文字をとってこう呼ばれてきました。

 

しかし、発見から半世紀以上を経て、HLAは白血球だけにあるのではなく、ほぼすべての細胞と体液に分布していて、組織適合性抗原(ヒトの免疫に関わる重要な分子)として働いていることが明らかになりました。