1) 脳卒中合併症対策

 

① 脳卒中後けいれん:発症後1年以内に起こりやすく、高齢者てんかんの最大の原因です。抗てんかん薬を考慮します。

 

②脳卒中後認知症:脳卒中発症後1年以内に約10%が発症します。

ビンスワンガー病など血管性認知症の他、脳血管障害を伴ったアルツハイマー型認知症があります。コリンエステラーゼ阻害薬を考慮します。

 

③ 誤嚥性肺炎:肺炎再発予防にACE阻害薬、シロスタゾール、アマンタジン塩酸塩を考慮します。

 

④血管障害性パーキンソニズム:薬物療法の効果は限定的です。

 

⑤ 攣縮:片麻痺にともなう上下肢の攣縮には筋弛緩剤、ボツリヌス療法を検討します。

 

 

2) 脳卒中再発予防

 

① 生活習慣改善

 

禁煙:喫煙は脳梗塞、くも膜下出血の危険因子であり、再発予防においては禁煙が強く推奨されます。

 

飲酒制限:脳梗塞には大量飲酒を控えさせます。これに対して脳出血には禁酒を勧めます。

 

肥満の是正:肥満者には適正体重に近づけるように支援します。

 

運動:運動不足は肥満とともに、脳卒中、特に脳梗塞のリスクを高めます。

脳卒中既往患者においても30分の有酸素運動を週2回以上行うことが推奨されます。水氣道®であれば、半稽古(45分)を週2回以上行うように促しています。

 

 

②内科的リスク管理

 

高血圧:血圧140/90mmHg未満を目標とします。ラクナ梗塞、脳出血既往、抗血栓薬内服中の患者では脳出血発症を予防する目的で、忍容性があれば130/80mmHg未満を目標とします。

 

糖尿病:HbA1c7.0%未満の管理が推奨されています。近年では低血糖リスクや副作用の少ないDPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬が登場し、安全な血糖管理が可能となってきています。

 

脂質異常症:LDLコレステロール120mg/dL未満への管理が推奨されています。

 

 

③ 抗血栓療法

 

心原性脳塞栓症:原因の約8割は非弁膜症性心房細動であり、抗凝固療法が必須となります。

 

非心原性脳塞栓症:アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞が主であり、抗血小板薬を選択します。従来から使用されているアスピリンにかわり、シロスタゾールまたはクロピドグレルの使用が望ましいとされます。

 

 

高血圧は、心血管病(脳卒中および心疾患)の最大の危険因子です。

 

現在、わが国における高血圧有病者数は約4,300万人と推定されています。

 

今後は人口の高齢化に伴い、有病者数はさらに増加することが予想されます。

 

 

一般的に高血圧のみでは特異的な症状を伴わないので血圧測定の習慣のない方には気づかれない病気です。

 

重篤な心血管イベントを発症したときや、健診や予防接種、感冒などによる受診の際に、偶発的に気付かれることが多いです。

 

 

わが国では日本高血圧学会が2014年4月に独自の高血圧ガイドライン(JSH2014)を公表しました。

 

高血圧は心血管病の最大の危険因子であるばかりでなく、血圧水準と心血管病リスクの間には、段階的、連続的な正の相関があります。

 

理想的な血圧(至適血圧)は診察室血圧で120/80mmHg未満であり、リスクは最小です。

 

全死亡者のうち約20%が至適血圧を超える血圧によって発生するものと推定されています。

 

診察室血圧と家庭血圧の間に診断の差がある場合、家庭血圧値を優先します。

 

 

家庭血圧測定の方法と評価について

 

(日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン、2014)より

 

測定環境(詳細はプリントを差し上げます)

 

測定条件(詳細はプリントを差し上げます)

 

測定回数:1機会原則2回測定し、その平均をとります

 

評価の対象:朝測定値5日(5回)以上の平均、晩測定値5日(5回)以上の平均

 

評価:高血圧とは、朝・晩それぞれの平均値≧135/85mmHg

   正常域血圧とは、朝・晩それぞれの平均値<135/85mmHg

 

 

高血圧について高円寺南診療所で説明し、推奨していること

 

①高血圧は代表的な慢性疾患の一つです。

生涯にわたり病気と付き合っていくという自覚をもって生活することが大切です。

 

②家庭血圧計による自己血圧測定を施行し、所定の血圧手帳に記録し、受診の際に医師に報告していただきます。

 

③治療の基本は、塩分制限が最も重要です。それと同時に、定期的な有酸素運動をすることが効果的です。

現在行っている運動療法による降圧効果が十分でない方には、水氣道®をお勧めします。確実な降圧効果をもたらします。

なお、ヴォイストレーニングや歌唱など聖楽院で行っているレッスンは、有酸素運動と同等の降圧効果が期待できます。

 

④医師の指示通りの服薬の順守がとりわけ重要です。

自己判断で内服調整することは禁物です。

血圧が安定しない場合は、速やかに医師に相談してください。

 

 

高円寺南診療所から他の専門病院に紹介する事例について

 

高円寺南診療所の院内対応能力の向上に伴い、高血圧専門医をはじめ循環器内科に紹介する事例は減少しています。

 

しかし、今後とも腎臓内科、内分泌内科などへの紹介は必要に応じて行う必要があります。

 

逆に、妊娠中の患者さんをはじめ産科医からの相談を受けることは増えてきました。

 

①二次性高血圧が疑われる症例・・・鑑別能力向上のため減少

 

②治療抵抗性高血圧・・・治療成績向上のため減少

 

③妊娠高血圧・・・相談件数増加

 

④高血圧緊急性・切迫性・・・症例数減少傾向

 

⑤ACE阻害薬 / ARB治療で腎機能が悪化した症例・・・少量慎重投与によりまれ

 

⑥腎障害、心不全、脳卒中合併高血圧における治療方針の確認・・・精密検査目的で紹介

 

⑦降圧薬の副作用が疑われる場合・・・降圧剤の種類を変えることで初期対応します

 

➇血圧の変動が大きい症例・・・生活習慣の他、心理・社会的環境因子を検討します

 

⑨白衣高血圧の判断に迷う症例・・・白衣高血圧は自律訓練法にて改善傾向を示します

 

⑩妊娠高血圧の判断に迷う症例・・・産科医と連携して診断・治療に当たります

慢性腎臓病は、慢性腎不全の原因のほとんどを占めています。慢性腎不全など、自分には無関係だと、根拠をもって言い切れる人は、医師である私自身を含めて皆無だと思います。

 

一般論として、病気になってやっと治療を始めるのではなく、病気にならないように予防することが賢明であることは言うまでもありません。慢性腎臓病の予防には、慢性腎臓病を予防することを考えるべきでしょう。

 

 

一口に慢性腎臓病(CKD)といっても、いろいろな段階(ステージ)があります。

 

高円寺南診療所の初診時に尿検査をすると、ほとんどの人の尿蛋白は(±)以上なので、すでにCKDの初期以上に相当することがわかります。

 

1)CKDステージの進行を抑制するためのポイント

①禁煙

②飲酒

 

中等量以上のアルコール摂取(エタノール20~30g/日以上)とならないようにする。蛋白尿を発症させる可能性があります。

 

③睡眠

短時間睡眠、睡眠障害は蛋白尿の発症に、睡眠時無呼吸症候群ではCKDの合併が高率にみられます。

 

④水分

脱水は腎機能を悪化させる危険性があるため、適切な水分摂取が必要です。

 

⑤栄養

蛋白質制限は、ステージG3b以上に進行したCKD推奨されています。

蛋白質の質も重要です。リン(P)の摂取量を減らすためには、蛋白質制限だけではなく、P/蛋白質比の高い食品(乳製品、ナッツ、豆乳)や食品添加物の多い製品(加工食品、ファーストフード、インスタント食品、冷凍食品、スナック菓子、一部の清涼飲料などには、リン酸塩として非常に吸収効率の高い向きPが多い)は避けるべきです。

 

 

2)CKDの発症・進展に影響を及ぼす疾患の管理

① 高血圧

正常高値血圧でさえCKD発症のリスク

  

②血糖

早期腎症ではHbA1c(NGSP)7.0%未満にします。

 

 

3)CKD-MBD(慢性腎臓病と骨ミネラル代謝異常)

CKD患者においてカルシウム(Ca)、リン(P)のコントロールは必要です。

 

血清P値は基準内であっても相対的高値であることがリスクにつながります。

 

赤血球増加症の鑑別診断は、まず循環赤血球量が増加する絶対的赤血球増加症と、増加しない相対的赤血球増加症に大別されます。

 

さらに、前者は真性赤血球増加症二次性赤血球増加症とに鑑別されます。

 

二次性赤血球増加症とは、血清エリスロポイエチンが高値となることによって赤血球が増加するもので、原因としては、低酸素状態やエリスロポイエチン産生腫瘍等があります。

 

なお、慢性骨髄性白血病以外の骨髄増殖性腫瘍(真性赤血球増加症、本態性血小板血症、原発性骨髄線維症)に共通してJAK2遺伝子が見られます。

 

また、真性赤血球増加症の診断基準の大項目にJAK2V617FもしくはJAK2exon12変異を認めることが盛り込まれています。

 

わが国では、JAK2阻害薬でルキソリニチブが2015年に保険適応になりました。

 

 

高円寺南診療所でも、しばしば多血症(赤血球増加症)を発見しますが、そのほとんどが相対的赤血球増加症です。その原因は、喫煙、慢性的なストレスや疲労、高血圧によるものがほとんどでした。

 

 

赤血球増加症の鑑別

赤血球

全国の人間ドックの受診者の33%、すなわち3人に1人に肝障害があります。

 

その大部分が脂肪肝です。

 

脂肪肝は肥満や糖尿病に伴う過栄養性とアルコール性があります。

 

脂肪肝である場合1日平均アルコール摂取量が男性30g以下、女性20g以下であれば、非アルコール性と診断します。

 

エタノール20g/日以下の飲酒でもアルコール性肝炎と類似した病理組織像を呈し、肝硬変から肝癌へと進行する脂肪肝を非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)と呼びます。

 

肝硬変の成因は、約8割が肝炎ウイルス(B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス)感染ですが、アルコールや非アルコール性脂肪肝炎(NASH)も原因となることは注意すべきです。

 

しかし、NASHの診断は肝生検が必須なために、日常診療でNASHの診断をする機会は限られています。

 

近年、NASHが増加傾向にあります。厚生労働省研究班による全国集計によると、NASH症例は、約100万人いると推計されています。

 

 

脂肪肝は、肝臓が発する生活習慣に対するイエローカードであるため、動機づけ面接法などを取り入れて患者教育と生活指導を十分に行うことが基本です。

 

NASHの治療では、食事と運動による体重の減量が必要です。

 

ビタミンEウルソデオキシコール酸、インスリン抵抗性改善薬などの有効性が報告されています。

 

アルコール性脂肪肝の治療法は断酒または節酒に尽きます。

 

 

組織による確診が無い場合には非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と呼びます。

 

妊娠末期には妊娠性急性脂肪肝を発症することがあり、この場合が分娩の促進や人工流産を行い、劇症肝炎に準じた治療が行われます。

 

 

脂肪肝予防のための高円寺南診療所からのガイダンス

 

お酒の1単位=エタノール(純アルコール)20g

お酒の1単位を超えて飲酒すると、脂肪肝のリスクが発生するため、1日の飲酒量が

1単位を超えないようにしましょう。

 

アルコール摂取量の基準とされるお酒の1単位とは、純アルコールに換算して20gです。

 

この1単位を各種アルコール飲料に換算すると、

ビールは中びん1本(500ml)、

日本酒は1合(180ml)、

ウイスキーはダブル1杯(60ml)、

焼酎0.6合(110ml)が目安となります。

 

複数種類のお酒を呑んでいる人は、単位数が加算されますので要注意です。

 

酒単位

 

 

参照:NASH・NAFLDの診療ガイド2015(日本肝臓学会)

シェーグレン症候群(SS)は涙腺、唾液腺などの外分泌腺に対するリンパ球浸潤と自己抗体産生を特徴とする自己免疫疾患です。

 

わが国では2015年7月よりSSが指定難病になりました。

 

専門医には診療ガイドラインに基づいた正確な診断・重症度判定が求められます。

 

2017年に厚生労働省「自己免疫疾患に関する調査研究班」拡大SS分科会による診療ガイドラインが公開されました。

 

 

一次性SS(他の膠原病を合併しない)が60%、二次性SS(関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの膠原病を合併する)が40%を占めます。

 

したがって、何らかの膠原病を診断した際にはSSの合併を考慮してスクリーニングを行うべきである。

 

臨床症状は、腺病変(乾燥症状を主体)と、腺外病変(その他の臓器病変)に分けます。

 

 

シェーグレン症候群の口腔乾燥症に対して、コリン類似薬セビメリン(エボザック®、サリグレン®)が用いられます。

 

これは末梢性副交感神経系の刺激薬であり、唾液腺に存在するM受容体を刺激することによって、唾液分泌を促します。

 

一般に副交感神経刺激薬(コリン作用薬)とは、副交感神経を刺激したときの効果と同様の作用を発現する薬物です。

 

直接型と間接型作用薬があります。前者はムスカリン(M)受容体に直接作用するものでコリンエステル類とアルカロイド類があります。

 

 

シェーグレン症候群(SS)に対する高円寺南診療所の対応

 

①一次性SSは基本的には予後良好です。

 

②しかし、経過中は腺病変の悪化と、新たな腺外病変の出現に注意します。

 

③予後に影響する合併症として、悪性リンパ腫や、頻度は低いけれども肺高血圧症があります。

 

④高リスク群では特に慎重に経過観察をさせていただきます。

 

 

悪性リンパ腫の発生予測因子として、耳下腺腫脹、リンパ節腫脹、紫斑、ESSDAI高値、M蛋白血症、低補体血症、クリオグロブリン血症、リウマトイド因子、小唾液腺生検における胚中心様構造などが知られています。

わが国では、脳卒中は高齢者要介護原因疾患では最大であり全体の約2割を占めています。

 

脳卒中を発症すると1年以内の死亡原因の多くが脳卒中そのもの、またはその再発によるものです。また、1年以後は心血管合併症による死亡がこれらを上回ります。

 

ですから、脳卒中患者の外来診療に当たっては、脳卒中再発予防が最も重要ですが、同時に、心筋梗塞などの心血管事故の予防、認知機能の低下に留意して早期発見に努めることになります。

 

 

脳卒中の診療は発症予防、発症した場合の急性期治療、リハビリテーションと慢性期再発予防に大別されます。

 

そして脳卒中の急性期治療は、ほとんどの症例が専門特化された急性期病院で実施されるために、高円寺南診療所を含め、大多数の医療機関は急性期治療を終結した後に診療に参加することになります。

 

また、神経後遺症のため歩行障害、運動障害を有する場合は訪問リハビリテーションなどの介護サービスを利用して日常生活動作の維持に努めることが必要です。

 

しかし、医療機関はいずれも、脳卒中再発予防のためのガイドラインに基づいた外来診療に努めることになります。

 

問題点は、医療と介護の分離、医療においても急性期と安定期など、脳卒中の患者さんに対しての連続的なケアが確保しづらいことです。

 

 

脳卒中再発予防の内科的管理の3本柱は、

 

①内科的危険因子の管理(高血圧管理が最重要!他に糖尿病、脂質異常症、心房細動、慢性腎臓病などの管理)

 

②抗血栓療法(心原性脳塞栓症の抗凝固療法、非心原性脳梗塞の抗血小板療法)

 

③生活習慣改善(禁煙、節酒、運動、適正な体重維持など)

です。

 

 

脳卒中に対する高円寺南診療所の力点は、そもそも脳卒中にならないようにするための予防においています。

 

いかに医学が進歩しても、ひとたび脳卒中になると、様々な不都合が生じてしまうことは避けられないからです。

 

 

水氣道®に定期的に参加することは、生活習慣の全般的な改善に繋がります。

 

水氣道は血圧の正常化などのメカニズムによって脳卒中予防に役立つ他、脳卒中の急性期治療後の神経後遺症のリハビリテーション、さらには再発予防の目的にもかなう、理想的な有酸素運動です。

わが国の不整脈患者数は増加しています。

 

とりわけ最も多くみられるのは心房細動です。

 

心房細動の患者数は約130万人と推定されています。

 

心房細動は加齢と共に増加するので、わが国でも高齢化に伴い患者数はさらに増加する傾向にあります。

 

わが国では日本循環器学会から「不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)」

 

「不整脈の非薬物治療ガイドライン(2011年改訂版)」

 

「心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版)」が公表されています。

 

 

期外収縮やⅠ度房室ブロック、ウェンケバッハ型Ⅱ度房室ブロックは生命予後には影響しません。しかし、その他の不整脈は生命予後に影響を及ぼします。

 

特に、心室細動や心室頻拍などの重症不整脈では突然死が起こりえますが、植え込み型除細動器(ICD)や抗不整脈薬による治療が適切になされれば、生命予後は基礎心疾患の重症度に依存することが多いです。

 

 

不整脈について高円寺南診療所で説明していること

 

 

①不整脈の診断には、症状を感じたときの心電図を記録することが必須です。

 

②心電図を記録することが困難であれば、自己検脈により脈拍数、脈が規則正しいかどうかを確認していただくだけでも診断に役立ちます。

 

③“動悸”を感じるからといって不整脈とは限りませんし、また、不整脈であっても動悸を感じないことがあります。

 

④人間ドックや健診での心電図検査の結果で、期外収縮はよくみられる所見ですが、治療の必要はほとんどありません。

 

⑤心房細動は、たとえ無症状であっても、塞栓症予防のため抗凝固療法の必要性を検討します。また、症状が無いからといって安易に抗凝固療法を中止してはいけません。

 

⑥心房細動の中でも、発作性の場合は、カテーテルアブレーションによる根治が期待できます。

 

⑦発作性上室頻拍・心房粗動は、カテーテルアブレーションにより治療可能であり、第一選択の治療法ですらあります。

 

➇不整脈治療薬により、既存の不整脈が増悪したり、新たに別の不整脈が出現したりすることがあるので、抗不整脈薬の調整は外来ではなく、入院を前提にして行うことを勧めています。

冬期に流行するインフルエンザは「季節性インフルエンザ」と呼ばれています。

 

これにより、わが国では毎年の流行期間中に1,000~2,000万人が医療機関を受診すると推定されています。

 

一般には、比較的予後良好な疾患ですが、高齢者や基礎疾患をもつ方では重症化することがあります。

 

季節性インフルエンザの治療については、日本感染症学会による「抗インフルエンザ薬の使用適応について(改訂版)」がわが国での治療ガイドラインと言ってもよいでしょう。

 

 

インフルエンザ迅速診断キットの正確さを検証した海外のメタアナリシスによると、検査の感度は62.3%(95%信頼区間57.9~66.6%)でした。

 

つまり、迅速診断キットでは3分の1以上も診断見落としがあるということです。

 

わが国からの報告では感度は80~90%以上とされますが、これは疑わしいです。

 

その理由は感度が低くなる条件が複数存在するからです。

 

それは、成人であること、B型インフルエンザの場合、発症6時間ないし12時間くらいまでの病初期、あるいは5日以降の病後期、高熱がない場合などです。

 

当方の説明にもかかわらず専門性と臨床経験のある医師による総合的な判断より、インフルエンザ迅速診断キットの結果を信頼する方は、初診の段階で他の医療機関を受診していただくようにお勧めしています。

 

 

季節性インフルエンザについて高円寺南診療所が説明していること

 

①健常成人では、季節性インフルエンザは通常予後良好であり、1週間程度で治癒するとされています。

 

②しかし、そもそも健康なライフスタイルを維持して、インフルエンザワクチンを接種していれば、季節性インフルエンザに罹るリスクが小さくなり、症状も軽度で済むことが多いです。

 

③また、季節性インフルエンザに罹る方は、たとえ本人が健常であると思い込んでいても、

実際には検診や人間ドック等を受けていないケースが散見され、根拠が乏しいことが多いです。その場合は、1週間では完全に治癒しない場合もあります。

 

④重症化・合併症のハイリスク者では、重症化、合併症併発により、重症化し、死に至ることもあり得ます。

 

⑤治療開始後、食事を摂ることができ、症状が改善傾向にあれば、そのまま様子をみてよいですが、その判断はできるかぎり、主治医と共に行ってください。

 

⑥治療開始後も発熱が続き、症状が悪化する場合は、必ず再受診してください。

 

⑦特に呼吸困難、意識障害、けいれんなどの症状が出現した場合は、直ちに救急車を呼んでください。

 

➇成人が季節性インフルエンザに罹患した場合の休職期間も、概ね学校保健安全法によるインフルエンザに罹患した場合の出席停止期間を参考にします。

「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまで」と決められていますが、事前に職場に連絡しておきましょう。

 

⑨禁忌でなければ、毎年流行期間が訪れる前に、早めにインフルエンザワクチンを接種してください。

わが国における血液透析患者は2013年末の時点でさえ31万人を越え、それ以降も増加の一途をたどっています。

 

血液透析に至る原因疾患は、糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症をはじめとする慢性腎臓病(CKD)が多くを占めています。

 

慢性腎臓病(CKD)患者数は約1,330万人と推定され、日本人の8人に1人に相当します。

 

包括的かつ有効なCKD対策を、診療所外来等で実行しなければ、新規透析導入患者を有意に減少させることはできません。

 

診療ガイドラインとしては、日本腎臓病学会の2013年版「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013」、日本透析医学会の2015年版「慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドライン」があります。

 

また、各疾患別(多発性嚢胞腎、IgA腎症、ネフローゼ症候群、急速進行性糸球体腎炎)の2014年度版ガイドラインが日本腎臓病学会より公表されています。

 

 

慢性腎臓病(CKD)について高円寺南診療所が説明していること

 

①慢性腎臓病(CKD)の患者さんは、末期腎不全(ESKD)よりも死亡リスクが高いです。

 

②それは軽度の腎機能低下や蛋白尿がCVD(心筋梗塞や脳卒中)の大きな危険因子だからです。ですから、定期的な尿検査により蛋白尿をチェックし、血液検査で腎機能を評価することが大切です。

 

③CKDは動脈硬化を促進し、またCVD(心筋梗塞や脳卒中)の患者さんではCKDを合併する頻度が高いです。

 

④CKDは単独でCVD(心筋梗塞や脳卒中)の予後規定因子です。

 

⑤CKDとCVDの危険因子の多くは共通しています。

 

⑥CKD独自の合併症には、CKD-MBDや腎性貧血があります。

 

⑦またCKD-MBDや腎性貧血は、CVD(心筋梗塞や脳卒中)の危険因子となります。

 

➇慢性腎臓病(CKD)とCVD(心筋梗塞や脳卒中)は、同時に並行して発症・進展を予防し、増悪を防ぐようにすることが重要です。

 

⑨そのための具体的な方法は、臨床栄養学を学んで実践すること、水氣道®など医学の専門家によって体系化された方法に基づく運動習慣を持つことが肝要です。