最新の臨床医学:4月16日<慢性腎臓病(2)自分には関係ないと思いこんでいるあなたへ!>

慢性腎臓病は、慢性腎不全の原因のほとんどを占めています。慢性腎不全など、自分には無関係だと、根拠をもって言い切れる人は、医師である私自身を含めて皆無だと思います。

 

一般論として、病気になってやっと治療を始めるのではなく、病気にならないように予防することが賢明であることは言うまでもありません。慢性腎臓病の予防には、慢性腎臓病を予防することを考えるべきでしょう。

 

 

一口に慢性腎臓病(CKD)といっても、いろいろな段階(ステージ)があります。

 

高円寺南診療所の初診時に尿検査をすると、ほとんどの人の尿蛋白は(±)以上なので、すでにCKDの初期以上に相当することがわかります。

 

1)CKDステージの進行を抑制するためのポイント

①禁煙

②飲酒

 

中等量以上のアルコール摂取(エタノール20~30g/日以上)とならないようにする。蛋白尿を発症させる可能性があります。

 

③睡眠

短時間睡眠、睡眠障害は蛋白尿の発症に、睡眠時無呼吸症候群ではCKDの合併が高率にみられます。

 

④水分

脱水は腎機能を悪化させる危険性があるため、適切な水分摂取が必要です。

 

⑤栄養

蛋白質制限は、ステージG3b以上に進行したCKD推奨されています。

蛋白質の質も重要です。リン(P)の摂取量を減らすためには、蛋白質制限だけではなく、P/蛋白質比の高い食品(乳製品、ナッツ、豆乳)や食品添加物の多い製品(加工食品、ファーストフード、インスタント食品、冷凍食品、スナック菓子、一部の清涼飲料などには、リン酸塩として非常に吸収効率の高い向きPが多い)は避けるべきです。

 

 

2)CKDの発症・進展に影響を及ぼす疾患の管理

① 高血圧

正常高値血圧でさえCKD発症のリスク

  

②血糖

早期腎症ではHbA1c(NGSP)7.0%未満にします。

 

 

3)CKD-MBD(慢性腎臓病と骨ミネラル代謝異常)

CKD患者においてカルシウム(Ca)、リン(P)のコントロールは必要です。

 

血清P値は基準内であっても相対的高値であることがリスクにつながります。