わが国における血液透析患者は2013年末の時点でさえ31万人を越え、それ以降も増加の一途をたどっています。
血液透析に至る原因疾患は、糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症をはじめとする慢性腎臓病(CKD)が多くを占めています。
慢性腎臓病(CKD)患者数は約1,330万人と推定され、日本人の8人に1人に相当します。
包括的かつ有効なCKD対策を、診療所外来等で実行しなければ、新規透析導入患者を有意に減少させることはできません。
診療ガイドラインとしては、日本腎臓病学会の2013年版「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013」、日本透析医学会の2015年版「慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドライン」があります。
また、各疾患別(多発性嚢胞腎、IgA腎症、ネフローゼ症候群、急速進行性糸球体腎炎)の2014年度版ガイドラインが日本腎臓病学会より公表されています。
慢性腎臓病(CKD)について高円寺南診療所が説明していること
①慢性腎臓病(CKD)の患者さんは、末期腎不全(ESKD)よりも死亡リスクが高いです。
②それは軽度の腎機能低下や蛋白尿がCVD(心筋梗塞や脳卒中)の大きな危険因子だからです。ですから、定期的な尿検査により蛋白尿をチェックし、血液検査で腎機能を評価することが大切です。
③CKDは動脈硬化を促進し、またCVD(心筋梗塞や脳卒中)の患者さんではCKDを合併する頻度が高いです。
④CKDは単独でCVD(心筋梗塞や脳卒中)の予後規定因子です。
⑤CKDとCVDの危険因子の多くは共通しています。
⑥CKD独自の合併症には、CKD-MBDや腎性貧血があります。
⑦またCKD-MBDや腎性貧血は、CVD(心筋梗塞や脳卒中)の危険因子となります。
➇慢性腎臓病(CKD)とCVD(心筋梗塞や脳卒中)は、同時に並行して発症・進展を予防し、増悪を防ぐようにすることが重要です。
⑨そのための具体的な方法は、臨床栄養学を学んで実践すること、水氣道®など医学の専門家によって体系化された方法に基づく運動習慣を持つことが肝要です。
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