最新の臨床医学:4月11日 <不整脈>

わが国の不整脈患者数は増加しています。

 

とりわけ最も多くみられるのは心房細動です。

 

心房細動の患者数は約130万人と推定されています。

 

心房細動は加齢と共に増加するので、わが国でも高齢化に伴い患者数はさらに増加する傾向にあります。

 

わが国では日本循環器学会から「不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)」

 

「不整脈の非薬物治療ガイドライン(2011年改訂版)」

 

「心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版)」が公表されています。

 

 

期外収縮やⅠ度房室ブロック、ウェンケバッハ型Ⅱ度房室ブロックは生命予後には影響しません。しかし、その他の不整脈は生命予後に影響を及ぼします。

 

特に、心室細動や心室頻拍などの重症不整脈では突然死が起こりえますが、植え込み型除細動器(ICD)や抗不整脈薬による治療が適切になされれば、生命予後は基礎心疾患の重症度に依存することが多いです。

 

 

不整脈について高円寺南診療所で説明していること

 

 

①不整脈の診断には、症状を感じたときの心電図を記録することが必須です。

 

②心電図を記録することが困難であれば、自己検脈により脈拍数、脈が規則正しいかどうかを確認していただくだけでも診断に役立ちます。

 

③“動悸”を感じるからといって不整脈とは限りませんし、また、不整脈であっても動悸を感じないことがあります。

 

④人間ドックや健診での心電図検査の結果で、期外収縮はよくみられる所見ですが、治療の必要はほとんどありません。

 

⑤心房細動は、たとえ無症状であっても、塞栓症予防のため抗凝固療法の必要性を検討します。また、症状が無いからといって安易に抗凝固療法を中止してはいけません。

 

⑥心房細動の中でも、発作性の場合は、カテーテルアブレーションによる根治が期待できます。

 

⑦発作性上室頻拍・心房粗動は、カテーテルアブレーションにより治療可能であり、第一選択の治療法ですらあります。

 

➇不整脈治療薬により、既存の不整脈が増悪したり、新たに別の不整脈が出現したりすることがあるので、抗不整脈薬の調整は外来ではなく、入院を前提にして行うことを勧めています。