最新の臨床医学:4月12日 <脳卒中(1)その現状について>

わが国では、脳卒中は高齢者要介護原因疾患では最大であり全体の約2割を占めています。

 

脳卒中を発症すると1年以内の死亡原因の多くが脳卒中そのもの、またはその再発によるものです。また、1年以後は心血管合併症による死亡がこれらを上回ります。

 

ですから、脳卒中患者の外来診療に当たっては、脳卒中再発予防が最も重要ですが、同時に、心筋梗塞などの心血管事故の予防、認知機能の低下に留意して早期発見に努めることになります。

 

 

脳卒中の診療は発症予防、発症した場合の急性期治療、リハビリテーションと慢性期再発予防に大別されます。

 

そして脳卒中の急性期治療は、ほとんどの症例が専門特化された急性期病院で実施されるために、高円寺南診療所を含め、大多数の医療機関は急性期治療を終結した後に診療に参加することになります。

 

また、神経後遺症のため歩行障害、運動障害を有する場合は訪問リハビリテーションなどの介護サービスを利用して日常生活動作の維持に努めることが必要です。

 

しかし、医療機関はいずれも、脳卒中再発予防のためのガイドラインに基づいた外来診療に努めることになります。

 

問題点は、医療と介護の分離、医療においても急性期と安定期など、脳卒中の患者さんに対しての連続的なケアが確保しづらいことです。

 

 

脳卒中再発予防の内科的管理の3本柱は、

 

①内科的危険因子の管理(高血圧管理が最重要!他に糖尿病、脂質異常症、心房細動、慢性腎臓病などの管理)

 

②抗血栓療法(心原性脳塞栓症の抗凝固療法、非心原性脳梗塞の抗血小板療法)

 

③生活習慣改善(禁煙、節酒、運動、適正な体重維持など)

です。

 

 

脳卒中に対する高円寺南診療所の力点は、そもそも脳卒中にならないようにするための予防においています。

 

いかに医学が進歩しても、ひとたび脳卒中になると、様々な不都合が生じてしまうことは避けられないからです。

 

 

水氣道®に定期的に参加することは、生活習慣の全般的な改善に繋がります。

 

水氣道は血圧の正常化などのメカニズムによって脳卒中予防に役立つ他、脳卒中の急性期治療後の神経後遺症のリハビリテーション、さらには再発予防の目的にもかなう、理想的な有酸素運動です。