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声楽の理論と実践から学ぶNo.4

 

水氣道の稽古と声楽のレッスンの共通点

 

私が声楽レッスンのためにウィーン国立音楽大学でクラウディア・ヴィスカ先生のマスタークラスで集中レッスンをうけていたとき、医師である私の研究分野を尋ねられたことがあります。

その際に、心身医学(Psychosomatische Medizin)とお答えしたところ、ヴィスカ先生は、ただちに、声楽も心身医学の芸術的表現です。」とお答えになったことを印象深く記憶しています。


わたしは水氣道を心身医学の実践体系として構築してきたためか、水氣道と声楽との繋がりを、ますます密接に感じながら今日に至っております。

 

現代のストレス社会においては、行政による理不尽な行動抑制や社会的同調圧力なども加味して、なかなか自分を解放することが難しくなってきています。  

 

そのような生活環境の中で抑圧された自分の現実を直視することから逃避していては問題を先送りにして解決を困難にするばかりです。そのためには、自分の感情をみずからが否定したり、押し殺したりすることを止めようとする勇気と決断が必要です。

 

つまり、自分を解放するためには、まず抑圧された、あるいは抑圧されて凍り付いていた自分の感情を、温め、解凍し、動き出すことが求められるのです。

動きが無ければ音楽が成り立たないように、水氣道にも動きがありますが、そのためには、まず自由な体の動きを可能とする、とらわれのない心の動きへ働きかけることから始めなければならないのではないでしょうか。

 

ちょっとした不愉快なできごとや心配事、その他ネガティブな体験をした瞬間に、私たちは無意識のうちに自己防衛システムが作動して、自動的に呼吸と筋肉が収縮します。

一瞬ではあっても、呼吸も動作も止まってしまいます。そのような状況下にあると、再び動き始めたとしても、息は浅いまま、動きもぎこちないままとなってしまいがちです。

 

私は水氣道や声楽によって自然に復帰した姿勢・動作・呼吸・発声を通じて、閉ざされていたエネルギーの通路が開いたことをしばしば体験し、その体験をくり返すことによって、そうしたメカニズムが、より確かに作動するようになるという経験を重ねてきました。

 

水氣道の体験生や修錬生たちも私と同じプロセスを経て成長を続けています。

これらの一つ一つはとても感動的な体験であり、また何度でも再現可能な解放的で美しい経験になっていきます。

 

私たちの無意識のうちに「凍りついて流動性を失った」感覚は、水氣道の実践によって、徐々に「解凍」され、溶けていき、流れるような、自由なスイングと感覚を持った本来の自分の心身の状態へ回帰していきます。

その瞬間から、鼓動や呼吸のリズムが再生し、心身の音楽が流れ始めるのです。

 

そこから、水氣道のメソッドに従ってさらに体系的に稽古をしていくこと、水氣道では、それを「修錬」と呼んでいます。この段階に至るためには、水氣道独自の感動的な「体験」を経て、自分の心身のあるがままの姿に対する気づきが促されなければなりません。

つまり、単回の偶然の事象や一過性の受動的な「体験」ではなく、反復して再現させることができる能動的な「経験」を「技」と体得していく必要があります。

そして、こうした「体験」や「経験」は単に主観的で個人的な感覚のレベルにとどまっている限りにおいては、「技」として定着するには至りません。他者との共有が必要だからです。互いに共鳴し、調和することができなくては水氣道は成立しないのです。

 

水氣道の「技」は教えられ、自ら実践して完成するものではなく、自らが教えられた通りに、自らの実践してきた通りに、未体験・未経験の参加者に伝達することができるまでのレベルに達していなければなりません。水氣道における「修錬」は、そこから始まるのです。

 

訓練(クンレン)の「レン」は練習の「練」で糸偏です。これに対して、修錬(シュウレン)の「レン」は鍛錬の「錬」で金偏です。

読みは同じ「レン」であっても、水氣道においては、「訓練」と「修錬」とにおいて存在する格段の質の違いをわかりやすく表示したものなのです。

 

水氣道は、無理なく、皆に楽しく味わっていただける稽古体系です。

多くの皆様を、より楽しくより充実した喜びに誘うためにも、稽古の体験・訓練・修錬という段階を、これからもいっそう丁寧に踏襲していきたいと思います。

 

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水氣道の3カ月周期システムについて

 

生涯エクササイズである水氣道は、稽古習慣を確立し、維持し、発展させるための仕組みをもっています。それが3カ月周期システムです。

 

3カ月周期システムが端的に表れているのが、<小審査制度>です。小審査制度とは、体験生と訓練生を対象として、稽古への参加状況や目標達成度等を評価して、昇級を吟味する制度です。3月、6月、9月、12月の下旬までに審査を実施し、翌月、4月、7月、10月、年明け1月には合格者の昇格を発表しています。

 

また小審査と期を一にして、訓練生5級(中等訓練生)および4級(高等訓練生)を対象とする<ファシリテーター認定>を実施しています。現在5つの技法のファシリテーター資格を認定しています。

 

 

訓練生になると、まずファシリテーター資格を2つ取得することを目標とします。そして、ファシリテーター資格を2つ取得した訓練生5級(中等訓練生)が、4級(高等訓練生)認定候補者となります。また、残りの3つのファシリテーター資格を取得した訓練生4級(高等訓練生)が、帽子の色を白から朱に替えて准3級(特別訓練生)を目指すための準備段階に入ります。
 

昨年は、このファシリテーター制度が確立し、今年も順調に発展しています。

 

そして、今年の課題は、半年ごとに実施される<中審査制度>に併せて実施している<インストラクター認定>です。
 

中審査の対象者は、准3級(特別訓練生)、3級(初級修錬生)、正・准2級(中等訓練生)、准1級(高等訓練生)です。インストラクター資格は現在のところ7つを予定していますが、詳細は、必要な段階になったら、改めて紹介いたします。

 

このように、水氣道では、3カ月周期で、昇級審査や技法資格授与(ファシリテーターおよびインストラクター)を行っています。

 

そのため、3カ月単位で、月ごとに甲の月(全体で同じプログラムを稽古する月)、乙の月(稽古の前半は全体稽古、後半は階級別稽古をする月)、丙の月(昇級対象者や技法資格取得予定者のための強化プログラムを軸とした稽古をする月)というローテ―トを実施していくことになります。

 

水氣道の3カ月周期システムは3カ月ローテートシステムと一体的に運用していくことによって、無理がかからず、マンネリズムに陥ることもない螺旋的な発展を目指すことが可能になることでしょう。

 

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声楽の理論と実践から学ぶNo.3


横隔膜と大腰筋の繋がりと、仙骨運動との関連性について

 

大腰筋は上部腰椎の側面から横隔膜の後を通って、腸骨筋とともに大腿骨の小転子につながっています。股関節を伸ばすと、大腿骨は大腰筋を介して上部腰椎を前に引っ張り、脊柱の動きを制限します。また、上部腰椎と第12肋骨は弓状靭帯でつながり、その弓状靭帯に横隔膜がつながっています。

 

大腰筋は、平地の歩行ではあまり鍛えられません。階段を上ったり、ハイキング登山を楽しむなどして適切に鍛えることができます。しかし、平坦であっても水中歩行であれば、大腰筋は大いに鍛えられます。

 

水氣道の基本航法の中でも第三航法(前蹴り歩き航法)などで、仙骨のうなずき運動が生じると第5腰椎が伸展します。腰椎が伸展運動を起こすと横隔膜の腰椎部である右脚と左脚が下方へ伸張され,横隔膜全体は下方へ牽引されます。それによって,横隔膜が下降し、横隔膜ドームの平坦化によって,胸郭の垂直径が増えます。また,横隔膜の下降によって,腹腔内容の圧縮,腹横筋のような伸張された腹筋群の他動的張力による腹腔内圧の上昇による抵抗を受けます。

 

腹腔内圧の上昇は,下部肋骨を側方へ拡大させます。腹腔内圧の上昇によって一旦固定されると引き続いて生じる横隔膜の肋骨線維の収縮により下位と中位の肋骨が挙上されます。また,仙骨の起き上がり運動により寛骨は外旋‐内転します。それに伴って,大腰筋は緩んだ状態となり,大腰筋と筋連結をもっている横隔膜も弛緩します。

 

これによって,仙骨のうなずき運動により横隔膜全体は下方へ牽引され,仙骨の起き上がり運動により弛緩が促されることになります。

 

水氣道の航法に組み込まれている、このような仙骨のうなずき‐起き上がり運動の反復訓練によって横隔膜の収縮‐弛緩がスムーズに行われるようになります。

 

その結果、呼吸機能が向上し、心肺機能ならびに全身の筋肉活動を高めることに繋がって行くことが期待できます。
呼吸効率の改善と有酸素運動能力の向上は脳の諸機能を活性化し、気分を安定化させ、認知能力を高めるのに役立ちます。
このようにして、水氣道は心身の両面に及ぶ全人的な鍛錬法として発展を続けています。

 

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声楽の理論と実践から学ぶNo.2

 

声楽の場合、体が楽器ですから、コントロールする上で、必要な知識が求められます。実は、水氣道にとっても、必要な知識があります。

 

声楽では、声のコントロールにおいて、脱力と緊張のバランスがどちらかに偏ってしまうと、声の揺れや上ずり、音程の低すぎや高すぎ、レガートやスタッカートができない、等の問題が起きます。

これは水氣道も同様なのですが、水氣道でいうリラックス状態というのは脱力状態とは異なることに気を付けてください。水氣道でいうリラックス状態とは、中庸の状態であり、それには一定の幅があります。脱力状態と緊張状態の間にある、その時点においてもっとも機能的かつ効率的な緊張バランスが水氣道でいうリラックス状態です。

 

 

また大変重要視しなくてはならないのは、舌の訓練です。

 

舌は普段の生活では、本来の長さよりも萎縮しています。そうなると、萎縮した舌と横隔膜が原因で安定した声が出ません。

 

それはなぜでしょうか。声楽のレッスンでは『支え』という言葉を使って指導をうけることがあります。日本語の『支え』とは、素晴らしい言葉ですが、より具体化しなければ体得できない心身の状態です。

 

それから、呼吸は筋運動に伴う生命現象です。しかも、主たる吸気筋である横隔膜でさえも単独では動きません。浅い呼吸によって、声が平坦に聴こえるのは、横隔膜と大腰筋の繋がり(註)である、ある部分を活発に使えていないからです。

 

呼気と吸気のバランスは、人それぞれ違い個人差がありますが、歌唱の際はフレーズとフレーズの間で息を吸う際に、特に注意しなければなりません。

 

(註)横隔膜と大腰筋の繋がり

腸腰筋は腰椎を介して横隔膜と連携しています。その腸腰筋は、大腰筋・小腰筋・腸骨筋からなっています。腸腰筋のうち大腰筋は第12胸椎あたりで横隔膜と筋連鎖することで横隔膜下制が起こり、ドームが平坦化します。吸気時すなわち横隔膜収縮時には腸腰筋は腰椎・骨盤を安定させています。そのため腹腔内圧上昇、下部胸郭拡張が起こります。

もし腸腰筋に過緊張や機能低下があった場合、連結している横隔膜など他の筋にも影響を及ぼします。その結果、呼吸運動が制限されてしまいます。

 

このように一見呼吸とは関係が薄そうな下肢筋でも、呼吸筋との連結を介して呼吸に関連する筋は多数存在します。そのため、筋の作用と繋がりを理解しておくことが大切であり、水氣道の技の体系は、このような理解の上に構築されています。

 

声楽では上半身が脱力すればするほど、下半身のエネルギーをより深く使うことができると教えられます。そうはいっても、下半身のエネルギーをより深く使うことができるようになるのは容易ではありません。その点に関して、水氣道では、水中歩行は下半身のエネルギーを要する運動であるため、必然的に上半身をリラックスに導くことができるのです。

 

以上のように、水氣道と声楽の発声法の共通点は、本来の自然な声に導き、体のバランスを整え、自ら気づくことを目覚めさせることに見出すことができます。

 

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声楽の理論と実践から学ぶNo.1

 

私が水氣道を創始したのは、平成12年(2000)でしたが、同16年(2004)には、本格的に声楽を始めるようになりました。

 

これは、私に限ってのことではなく、水氣道は自然に姿勢を矯正し、呼吸を深くし、動作を円滑にするため、発声や歌唱を容易にしてくれるのです。

 

声楽は、長年にわたる訓練によって鍛えられた発声、音楽解釈、ディクション(註)等によりなる複合的な芸術です。そして、プロの声楽家は音楽解釈の時間、ディクションの時間と同じくらい、発声について研鑽しなければなりません。
 

(註)ディクション:

朗読、演劇、声楽などにおける言葉の発音法を指します。劇場など一定の広さを持つ場所においては、朗読、演劇、歌唱を行う場合、聴衆に言葉が明瞭に聞き取れる発音、すなわち「舞台発音法」が必要となります。

 

 

しかし、私たちアジア人は普段から顎の位置、肩の位置が習慣的に前に重心が倒れやすく、結果的に、本来十分あるはずの喉の空間が狭くなっています。

そのため、気づかないうちに、喉に負担をかけて、過剰に筋肉を疲弊させています。
 

 

水氣道の稽古を続けていると、習慣的に前に重心が倒れやすくなっている顎の位置、肩の位置が自然に矯正されていきます。

自然に、というのは意識せずに、無意識のうちに、ということです。水氣道の稽古理論には<意識性の原則>がありますが、これには無意識のうちに体得できることの意義も含まれています。

意識して稽古したものは、絶えず意識し続けなければならないことでもあるといえるでしょう。

 

これに対して、無意識のうちに修得した技は、日頃、特段の意識をもったり、注意を払ったりすることなく身についている状態に達することができます。

もっとも、意識せずに身に付いたものは、稽古を中断してしまえば、気づかぬうちに忘れてしまいかねないので、いずれにしても稽古の継続は必要です。

 

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懸垂理論から学ぶNo4

 

懸垂のパラドックス<結論>時間をかける

 

簡単な運動ですが、正しく行うには時間と努力が必要です。

文責:クリスティ・アシュワンデン

 

The Pull-up paradox
It’sa simple exercise,but getting it right takes time and efforts
By Christie Aschwanden

 

 

 

水氣道の稽古を続けていくうえで学ぶべきエッセンスは、懸垂のような一見シンプルな競技ほど豊かです。

 

時間をかけること、辛抱すること、トレーニングの一貫性を保つこと、周期的に継続すること、目的とするパフォーマンスを習得するためには、その手段としての準備的なエクササイズを用いること、生まれつき有利な人と不利な人や向き不向きはあるがトップアスリートを目指すのでなければ努力と工夫で達成できること、など。

 

そうして得られるものは、より強くなれること、達成の暁には大きな満足感が得られること、スーパーヒーローになったような気分になれること、他の動きや技も軽々と行えるようになること、など・・・

 

懸垂や重量挙げには、身長や体重、腕の長さや筋力、体形などによって向き不向きがあり、かなりの根気や辛抱が求められるようです。また孤独に打ち勝たなければなりません。

 

これに対して、水氣道には、ほとんど向き不向きはありません。老若男女が同じ土俵(プール)で一緒に楽しく稽古できることが水氣道の素晴らしさであることを改めて感じさせられます。団体での生涯エクササイズは、自然で健康的な世代間交流の場を提供しています。

 

 

 

<結論>時間をかける

 

「辛抱してください」とキングさん。一晩でできることではありません。

一貫性が重要だと彼女は言う。

「これは避けて通れない道です。毎週、毎月、取り組まなければならないのです。

 

健康科学ライターで、ウェイトリフティングのガイドブック「Liftoff」の著者であるケイシー・ジョンストンにとって、これは重要なことです。健康科学ライターで、重量挙げのガイドブック『Liftoff: Couch to Barbell』の著者であるケイシー・ジョンストンにとって、懸垂はより強くなるための大きな探求の一部にすぎませんでした。

懸垂ができるようになるまでには、1年ほど重量挙げを続けていましたが、その甲斐あって達成感を味わうことができました。「懸垂をする必要はないんです。「私は腕が長く、そして、比較的体が大きく、その両方ともが難題です。」

確かに、懸垂が簡単にできる人とそうでない人がいるのは事実です。

「一般に、体重が増えるほど、体重に対する強度の比率は下がる」とは、StrongerBySceience.comの創設者で、3つの世界記録を持つパワーリフト競技者のGreg Nucklosの述懐です。背の高い人は、同じような体格であっても、背の低い人よりも引き上げる質量が多くなる可能性が高いのです。

 

手足が長い私が懸垂の記録を出すことはないだろう。しかし、私にはいくつかの有利な点がある。

クロスカントリースキーで鍛えた上半身の強さと、中年体型でないことだ。 懸垂はまだまだ努力が必要だが、その分、満足感も大きい。

 

「鉄棒、塀の上、壁の上など、何かに向かって体を引き上げると、スーパーヒーローになったような気分になります」とキャラウェイさんは言います。それだけでなく、近くの遊び場の鉄棒も少し楽しくなります。

 

 

以下、 原文

 

TAKE YOUR TIME

“Be patient,” Ms.King said. Your first pull-up “takes time and a lot of consintency; it doesn’t happen overnight.”

 

Consistency is important, she said.
“There is no way around this. You have to work at it, week after week and month after month.”

 

For Casey Johnston, a health and science writer, and author of the weight lifting guide “Liftoff: Couch to Barbell,” pull-ups were just one part of a larger quest to get stronger. She’d been weight lifting for about a year before she could finally do one, but it was worth it for the sense of accomplishment. “No one is required to do pull-ups,” she said. “I have long arms and I’m relatively big, which are both challenges.”

 

It’s true that pull-ups are easier for some people than for others. “ In general, as mass goes up, strength to weight ratios go down,” said Greg Nucklos, founder of StrongerBySceience.com and a powerlifter who’s held three world records. A tall person is likely to have more mass to pull up than a shorter person, even if they are similarly built.

 

I will never set any pull-up records with my long arms and legs. But I do have a few advantages:

Good upperbody strength from years of cross-country skiing and not too much middle-aged pudge. I still have to work at pull-ups, but the payoff is deeply satisfying.

 

“Pulling yourself up onto something- a bar, over a fence, up a wall- makes you feel like a superhero,” Ms.Callaway said. Not only that, she added, it also makes the monkey bars at the nearby playground a little more fun.

 

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懸垂理論から学ぶNo3

懸垂のパラドックス<各論> 構成要素を練習する

 

簡単な運動ですが、正しく行うには時間と努力が必要です。

文責:クリスティ・アシュワンデン

The Pull-up paradox
It’sa simple exercise,but getting it right takes time and efforts
By Christie Aschwanden

 

<各論> 構成要素を練習する

懸垂は誰でも一回でできるわけではありません。完全な懸垂ができるようになる前でも動作を構成するパーツに分解して、それぞれをトレーニングするとよいでしょう。以下の4つのエクササイズで、懸垂動作の重要な部分をより強く、より上手にできるようにしましょう。

 

 

Step1)バーハング

 

まず、弛緩した状態ではなく、硬直した状態でぶら下がる方法を学ぶことです。キングさんは、初心者にバーをつかみ、腹筋と大臀筋を鍛えて板状に体を硬くし、30〜45秒キープするぶら下がり練習をさせています。

 

 

Step2)肩甲骨はがし

 

懸垂の初期動作の練習をする場所があります。まずバーにぶら下がり、背中の真ん中から上の筋肉を動かして、肩甲骨を背骨のほうに寄せます。このとき、ほんの少し体が高くなるのを感じるはずです。この状態でしばらくキープし、ゆっくりと元の位置まで下ろします。肘は曲げないでください。腕は最後までまっすぐのままです。

 

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写真:a scapula pull-ups

 

『コメント』

スカルプ・プルアップは「スキャプ・プルアップ」と短く呼ばれることもあるようです。  

プルアップをする時のように、手幅は肩幅より若干広めでバーからぶら下がります。   

腕は真っ直ぐにしたままで、肩と背中上部の筋肉を使い、バーを引き下げます。     

肩甲骨を上下に動かすようにイメージで行います。

バーにぶら下がってこれが出来なければ、足を使って体重を支えます。

 

スキャプ・プルアップのメリット

まず、肩の筋肉を収縮と弛緩を繰り返すことで、首周り、肩、背中の筋肉が徐々に大きくストレッチされます。

また、プルアップの最初のトレーニングにもなり、一番下の位置で筋力が鍛えられること、腕ではなく背中を使うことを修得することができます。

そして、握力の向上にもなります。

 

 

 

Step3)遠心性懸垂

 

懸垂の一番上の位置で、頭をバーの上に出し(必要であれば椅子の上に立って)、コントロールされた滑らかな動きでゆっくりとぶら下がる位置まで体を下げます。

 

 

 

Step4)斜め懸垂

 

背中を鍛え、肩の動きをよくする運動です。ベンチプレスをするように、ウエイトバーの下に身を置きます。ただし、ベンチに寝転がるのではなく、バーにぶら下がり、かかとを床につけます。体をまっすぐに保ち、腕ではなく背中の筋肉を使いながら体を引き上げる。ゆっくりとした動作で、元の位置に戻ります。肩甲骨を背骨から離し、胸郭の周りに移動させるイメージで行いましょう。

 

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写真:a version of inverted rows

 

『コメント』
斜め懸垂(インバーテッドロー)、は上半身の引く筋肉群である広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋に効果がある自重トレーニング種目です。

 

 

以下、原文

 

PRACTICE THE COMPONENTS

Not everyone can do a pull-up the first time. Even before you can do a complete pull-up,
You can break the movement down into its component parts and train for each of them. Use these four exercises to help get stronger and more skilled at the essential parts of the pull-up motion.

BAR HANGS

The first step is to learn how to hang in a rigid position, rather than flaccidly. Ms. King has beginners practice hanging by grabbing the bar, engaging their abs and glutes to make their body stiff like a board, and then holding for 30 to 45 seconds.

SCAPULA PULL-UPS

There are away to practice the initial pull-up movement. Start by hanging on a bar and then engage the muscles in your mid and upper back to move your shoulder blades in toward your spine. As you do this, you’ll feel yourself elevating just a tiny amount. Hold for a moment in this elevated position, then slowly lower yourself to the starting position. Don’t bend your elbows. Your arms should be straight for the entire motion.

ECCENTRIC PULL-UPS

Begin at the top position of a pull-up with your head above the bar (stand on a chair to get up there if you need to) and then slowly lower yourself to a hanging position using a controlled, fluid motion.

INVERTED ROWS

This exercise strengthens the back and improve shoulder mobility. Position yourself underneath a weight bar as if about to do a bench press. But instead of lying on a bench, hang from the bar, your heels on the floor. Hold your body in a straight, rigid line and pull yourself up, initiating the movement using your back muscles, rather your arms. Return to the starting position in a slow, controlled motion. Imaging moving your shoulder blades away from your spine and around your rib cage.

 

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懸垂理論から学ぶNo2


懸垂のパラドックス<総論>フォームを重視する

 

簡単な運動ですが、正しく行うには時間と努力が必要です。

文責:クリスティ・アシュワンデン
The Pull-up paradox
It’sa simple exercise,but getting it right takes time and efforts
By Christie Aschwanden

 

<総論>

フォームを重視する

 

まず理解すべきは、懸垂は全身運動であるということです。「多くの人が懸垂を純粋に上半身の運動として考えていて、胸から下がどうなっているのかを軽視しています」とキャラウェイさん。身体は硬く、たるんではいけません。硬い板と、同じ重さのペラペラのサンドバッグとでは、どちらが動かしやすいでしょうか?胴体、腰、下半身が硬ければ、自重よりもずっと楽に持ち上げることができます(足を振って勢いをつけて行うキッピング懸垂は別の運動です)。

 

『コメント』
キャラウェイ女史は、「身体は硬く、たるんではいけません」といいますが、水氣道では身体を硬くすることは、もともと筋肉が過緊張状態の人には健康維持上、望ましくない結果が生じたり、動作や呼吸を妨げたりするので推奨していません。しかし、だからといって身体をたるませることを目指すのではありません。水氣道の目指すリラックスとは緊張と脱力の間の中庸なポイントを起点とするものだからです。


なお、この記事の筆者は、厳格な(ストリクト)懸垂を推奨していることが読み取れます。ストリクトとは、反動をつけないで体を持ち上げるという意味です。大抵の人がイメージする懸垂です。あえてストリクトという場合には、キッピングやバタフライ式の懸垂と区別をつけるためです。ストリクト式では、完全に肘を伸ばしてバーからぶら下がり、そのまままっすぐ上に、顎がバーの上に来るまで体を持ち上げます。


これに対してキッピングでは大きく反動を利用し、足を振り上げて勢いをつけます。反動使用のため、広背筋強化のためには効果が低くなります。ストリクト懸垂が広背筋や肩など上腕の筋力のみを使うのに対し、キッピング懸垂では体幹の部分を多く使います。ただし、同じ回数の懸垂をこなすのに、キッピングの方がはるかに速く、そして楽にできるでしょう。キッピングの眼目は筋肉を肥大させることよって体の連動性を高め、実用的な体の動きを会得することにあります。この場合でも、筋肥大の効果が期待できないわけではありません。


水氣道のトレーニング体系は、懸垂にたとえれば、キッピング式のように容易に達成できる技法を訓練し、段階に応じて工夫を加えながら、徐々に練度を高めることによって、最終的にストリクト式を目指すような方式であるといえるでしょう。


懸垂も水氣道も全身運動であるということにおいては同じですが、水氣道では、完成形の習得という成果を得るまでの間に経験し、修得していくプロセスそのものの価値を高く評価しているという特徴があります。


肩幅よりやや大きめのバーを、手のひらを向けて握ります。体は比較的直線になるようにし、足は体の少し前に出し、少し弧を描くようにします。バーはつま先立ちで手の届くところにある方が良いのですが、玄関先で行う場合は、膝を曲げて足を後ろに出しても大丈夫です、とキャラウェイさんは言います。

 

 

懸垂を始めるには、肩甲骨を背骨の方へ動かし(肩をすくめるのとは逆だと考えてください)、同時に肘を肋骨の方へ打ち下ろします。腹筋と大腰筋をしっかり鍛え、体の硬い部分を維持します。引き上げるときは、あごを伸ばさず、ニュートラルな姿勢で、目線はまっすぐ前を見てください。

 

『コメント』

「あごを伸ばさず、ニュートラルな姿勢で、目線はまっすぐ前を見てください。」というキャラウェイ女史のアドバイスは、そのまま水氣道の指導内容に一致します。

 

ところで、キャラウェイ女史は、懸垂で大腰筋をしっかり鍛えることが可能であると述べていますが、大腿以下の下半身の自重による伸展は、直立姿勢を保持することには役立ちますが、大腿を引き上げるための筋力強化には繋がりません。

 

大腰筋は、大腿骨と背骨をつないでいる筋肉で、直立姿勢を保持するときや大腿(太もも)を引き上げるときに働くものです。

 

水氣道では、無理なく大腰筋が訓練されます。なお、この筋肉が衰えると、重い足を十分な高さまで上げることができなくなります。 つま先も下がってしまい、「すり足」気味になります。 すると、ちょっとした段差にもつまずきやすくなり、転倒・骨折が起きやすくなります。水氣道の会員が実感する実益の一つは、つまずきやふらつきが以前より少なくなっていくということです。そして、たとえ段差等でつまずいても、容易に点灯しなくなること、したがって、打撲や骨折のリスクが低下することを期待することができます。

 

 

以下、原文

I’ve always loved pull-ups, partly out of spite. There is a common fitness refrain that women can’t do them, and I don’t like to be told I can’t do something- especially if the reason is my gender. As a teenager, I pushed lawn-mowers and hauled rocks just to show that being a girl didn’t mean I was weak.

 

I love how pull-ups make me feel- powerful, strong. There’s nothing like the feeling of lifting yourself up. Pull-ups are also beautiful for their simplicity. They require nothing more than a bar, and engage at least a dozen muscles, from the lats all the way to the glutes. Experts say they improve upper-body strength, shoulder mobility and core stability, while helping to hone coordination, too.

 

Doing a pull-up is “an amazing feeling”, said Chilas King, a powerlifter and coach at LiftedMBK in New York. The exercise boosts confidence and turns heads at the gym, she said. “It’s a simple exercise that’s really hard to do.”

 

Therein lines the pull-up paradox: pull-ups are simple, but hard, and many people who think they can’t do one really could, if they put in the effort and time.

 

Everubody has a good chance of achieving a pull-up if they train for it, said Meghan Callaway, a strength coach based in Vancouver, Canada, and creator of The Ultimate Pull-Up Program. Most people who fail to master the pull-up struggle not because they are physically incapable, but because they are not training in the right way, she said.

 

FOCUS ON FORM

 

The first thing to understand is that pull-ups are a full-body exercise. ”A lot of people think of a pull-up purely as an upper-body exercise and they neglect what is going on from the chest down”, Ms. Callaway said. Your body should be rigid, not slack. What would be easier to move, Ms. Callaway asked, a stiff board, or an equally weighted floppy sandbag? If your torso, hips and lower body are rigid, it makes it a lot easier to lift them than if they’re dead weight.(Kipping pull-ups, done by swinging your legs for momentum, are a different exercise.)

 

Grab the bar slightly greater than shoulder width with your palms facing away. Your body should be aligned in a relatively straight line with your feet slightly ahead of your body so you’re in a slight arc. It’s better for the bar to be just within reach on your tiptoes, but if you’re doing them in a doorway, it’s OK to bend your knees with your feet out behind you, Ms.Callaway said.

 

To initiate the pull-up, move your shoulder blades toward your spine(think of it as the opposite of shrugging) while simultaneously driving your elbows down toward your ribs. Keep your abs and glutes tight to maintain rigid body position. As you pull up, don’t reach up with your chin, Ms.Callaway said, but in a neutral position and your eyes looking straight ahead.

 

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懸垂理論から学ぶNo1


懸垂のパラドックス<総論>フォームを重視する

 


簡単な運動ですが、正しく行うには時間と努力が必要です。
文責:クリスティ・アシュワンデン

The Pull-up paradox
It’sa simple exercise,but getting it right takes time and efforts
By Christie Aschwanden

 

 

はじめに

 

今回から、4回のシリーズで採りあげる話題は、ニューヨークタイムズ国際版3月25日の第12面WELLに掲載された記事です。これは、日本の新聞で言えば健康欄に相当するものといえるでしょう。ここで記者のクリスティ・アシュワンデン女史について検索したので簡単にご紹介いたします。新聞の読み方ですが、著者についての背景を知ることで、どのような読み方をすれば良いのかの手掛かりが得られることがあります。

 

クリスティ・アシュワンデンはアメリカのジャーナリストであり、FiveThirtyEightの元リードサイエンスライターです。彼女の2019年の著書『GOOD TO GO: WHAT THE ATHLETE IN ALL OF US CAN LEARN FROM THE STRANGE Science of Recovery』は、ニューヨークタイムズのベストセラーとなりました。彼女は2016年にアメリカ科学振興協会カブリ科学ジャーナリズム賞を受賞し、科学執筆の進歩のための評議会の理事を務めています。

 

なお、新聞という性質上、原文では<序論><本論><各論><結論>などの表記や、Step1、Step2などの記載はありませんが、分割してご紹介し、コメントを加える都合上、私が付け加えていることをお断りいたしておきます。なお水氣道創始者としての私のコメントは各所に『コメント』として挿入しました。そして、検証に供するために、最後に記事原文を添付しました。

 

 

<序論>

私は昔から懸垂が好きです。そして負けず嫌いというのも幾分かはあります。フィットネスの世界では、女性は懸垂ができないとよく言われます。しかし、私は何かができないと言われるのが好きではありません。特に、その理由が私の性別である場合はなおさらです。10代の頃、芝刈り機を押したり、石を運んだりしましたが、それは、女の子だからといって弱いわけではないことを示すためでした。

 

『コメント』

水氣道の女性会員のタイプも様々ですが、懸垂などは苦手である方は多いです。負けず嫌いの方も幾分いらっしゃいますが、どちらかと言えば、そうではないタイプの方の方が多いように観察されます。少なくとも男性に負けたくないという程の女性は多くはないような印象を持っています。そもそも水氣道は、他者と競ったり、能力を証明したりするためのフィットネスではありません。水氣道のようなフィットネスは欧米ではマイノリティなのかもしれませんが、だからこそ、日本発祥のフィットネスを世界に発信していくことが必要なのではないかと考えています。

 


懸垂をすると、パワフルで強い気持ちになります。自分を持ち上げるのは、何物にも代えがたい感覚です。懸垂は、そのシンプルさも魅力です。バー以外に何も必要とせず、大胸筋から臀部まで、少なくとも12個の筋肉を使うのです。専門家によると、上半身の筋力、肩の可動性、体幹の安定性を向上させ、協調性を磨くのにも役立つそうです。

 

 

『コメント』
フィットネスではシンプルさが魅力であることは私も同意見です。水環境以外に何も必要とせず、上半身の筋力、肩の可動性、体幹の安定性を向上させ、協調性を磨くのにも役立つ
という有用性については、他の専門家の指摘を待つまでもなく、水氣道では実証されています。しかも、使用する筋肉は大胸筋から臀部までに限られず、臀部から足にかけての下半身にも及んでいます。

 

懸垂をするのは「素晴らしい感覚」だと、パワーリフト選手でニューヨークのLiftedMBKのコーチであるチラサ・キングは言います。この運動は自信をつけ、ジムで注目されるようになると彼女は言います。「シンプルな運動なのに、本当に難しいんです」。

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写真:Chilasa King, a New York powerlifter and coach, said doing pull-ups improves confidence and is “an amazing feeling,” adding,“It’s a simple exercise that’s really hard to do.”

 

 


ニューヨークのパワーリフト選手タでコーチのチラサ・キングさんは、懸垂をすることで自信がつき、「すごい気持ちいい」と言い、「シンプルな運動なのに、すごく難しいんです」と付け加えました。

 

『コメント』

運動の目的や利益に関して、自信をつけ、ジムで注目されるようになることがモチベーションになることがあるのは容易に想像できます。この点に関して、水氣道を続けることによって、自分自身に自信がついていきますが、ジムで注目されることは考えにくいです。水氣道は、他人の注目を集めたい、という個人の欲望を満足させるためのプログラムではないからです。他者に抜きんでることではなく、仲間と共に成長することを眼目においているからです。

 

しかし、「シンプルな運動なのに、本当に難しいんです」というキング女史のメッセージは説得力があります。なぜならば、「シンプルな運動であるからこそ、難しい」と言えるからです。しかし、水氣道に関して言えば、決して複雑な運動ではないのですが、<航法>という形があり、シンプルな単純運動ではないという違いがあります。複雑ではないものの、シンプルな運動ではないからこそ、飽きることが少ない、という強みがあります。

 

そこには、懸垂のパラドックスがあります。

懸垂は単純だが難しいです。しかし、懸垂は自分にはできないと思っている人の多くは努力と時間をかければ本当にできるようになります。

 

 

『コメント』
タイトルの「懸垂のパラドックス」について述べられています。繰り返しになりますが、これは決してパラドックスではないと私は考えます。なぜなら、「単純だから難しい」からです。懸垂はできないと思っている人は、単純な運動の最終形(完成フォーム)だけをイメージして難しく考えてしまうので、「できるか、できないか」の2者択一の発想になりがちだからです。
これに対して、水氣道では、最終形(完成フォーム)を習得するに至るまでの細やかな工程がプログラムされています。少しずつステップ・アップしていく方式なので「スモール・ステップ・アップ(small step up)」と呼んでいます。ですから、無理のない小ステップの完成のたびに達成感が得られるようにシステムが工夫されています。水氣道が階級制を採っていることや、各種技法認定を行っているの背景には、この「スモール・ステップ・アップ
のコンセプトがあるのです。
それから、努力と時間をかけることは懸垂に限らず多くのフィットネスの成功に必要な条件ではありますが、努力(effort)を強調することはしていません。むしろ、「気づき」と「工夫」を促しています。水氣道はインテリジェント・エクササイズである、というのは、こうしたことを根拠にしています。

 

カナダのバンクーバーを拠点に活動する強化コーチで、「究極の懸垂プログラム」を開発したメーガン・キャロウェイは、「トレーニングすれば誰でも懸垂を達成できる可能性がある」と述べています。懸垂をマスターできない人のほとんどは、身体的に無理なのではなく、正しい方法でトレーニングをしていないからだと彼女は言います。

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写真:Meghan Callaway, a strength coach based in Vancouver, demonstrates a version of inverted rows, left, and scapula pull-ups, right.


バンクーバー在住の強化コーチ、メーガン・キャロウェイが、インバーテッドロー(斜め懸垂:左)とスカプラ・プルアップ(肩甲骨引き上げ:右)を実演する。

 


『コメント』
「懸垂をマスターできない人のほとんどは、身体的に無理なのではなく、正しい方法でトレーニングをしていないからだ」というキャロウェイ女史は、実に当り前のことを言っているに過ぎません。しかし、もっとも難しいのは、そもそも、懸垂のトレーニングを開始しようとするまでのモチベーションではないでしょうか。そして、ひとたびトレーニングをはじめても継続できないケースも少なくないはずです。問題はフィットネスを継続していても懸垂をマスターできない人についてなのだと思います。これに対して、水氣道で最も難しいのは、水氣道を始める気持ちになるまでの段階です。一度水氣道をはじめても継続できないかたもありますが、やはり身体的に無理なのではなく、稽古参加を習慣化できないことが最大の理由です。ただし、永らく中断した後であっても、ふたたび参加される方が少なくないことも水氣道の特徴と言えるかもしれません。

 

前回はこちら

 


2022年4月1日進級、各種認定合格者発表

 

 

Ⅰ 進級検定合格者

令和4年3月に実施された進級検定(小審査)において、小審査の対象者はありませんでした。次回の小審査は中審査・大審査とともに6月に予定しています。

 

 

Ⅱ 各種技法認定試験合格者

令和4年3月に実施された各種技法認定試験は、水氣道4級(高等訓練生)および5級(中等訓練生)を対象とするファシリテーター検定のみを実施しました。次回の検定は令和4年6月に予定しています。なお、水氣道3級(初等修錬生)以上の修錬生を対象とするインストラクター検定、水氣道弐段以上の支援員を対象とするトレーナー検定は令和4年6月を予定しています。

 

・F5、のびのび体操ファシリテーター認定
 

新規該当者なし
 

 

・F4、交差航法ファシリテーター認定

 

新規該当者なし

 

<註記>交差航法ファシリテーター認定は、ファシリテーター認定制度の中で最後の5番目に確立しましたが、水氣道の技法体系・稽古体系との整合性を考慮してF4とし、のびのび体操ファシリテーター認定をF5に位置付けました。

 


・F3、基本航法ファシリテーター認定

 

足立博史(現4級、高等訓練生)

福丸慎哉(現4級、高等訓練生)

小池享子(現4級、高等訓練生)

 

<註記>次回の認定も、現4級(高等訓練生)を対象とします。

 

 

・F2、いきいき体操ファシリテーター認定

 該当者なし

 

<註記>次回の認定は、現5級(中等訓練生)を対象とします。

 

 

・F1、親水航法ファシリテーター認定

 該当者なし

<註記>次回の認定は、現5級(中等訓練生)を対象とします。

 

 

来週の水曜日は、昨年のシリーズ水氣道稽古の12の原則に引き続き、
新たなシリーズとして水氣道実践の五原理の解説から始める予定です。