木曜日のテーマ:骨粗鬆症についてQ&A

 

ここで掲載する内容は、公益財団法人 骨粗鬆症財団のホームページから引用したものです。骨粗鬆症についてわかりやすい解説をしています。

以下のHPで確認することができます。

http://www.jpof.or.jp/

骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。最初は、自覚症状はありませんが、ひどくなると骨折を起こし、寝たきりの原因となる場合もあります。多くは腰や背中に痛みが生じて医師の診察を受けてからみつかります。

 

しかし、骨粗鬆症になってから治すのはたいへんです。骨粗鬆症にならないように、日ごろから予防を心がけることが大切です。骨粗鬆症を予防することが、ほとんどの生活習慣病を予防することにつながります。

 

そのために、高円寺南診療所では女性では、45歳以上、男性でも50歳以上の皆様に骨量計測を推奨し、骨年齢を算出し、骨粗鬆症の早期発見、早期対応に力を注いでいます。それでは、骨粗鬆症についてもっと詳しく勉強していきましょう。

 

私は、昭和学院短期大学のヘルスケア栄養学科で、臨床栄養学を担当していたことがありますが、「臨床栄養学」の教科書を2冊出版して、改訂を重ねています。どうぞご参考になさってください。

 

それぞれのQ&Aのあとに【杉並国際クリニックからのコメント】を加えました。

 

 

Q8

アメリカ人と日本人のカルシウム摂取量について

 

日本人のカルシウムの摂取量が、アメリカ人よりも少ないといわれているのはなぜでしょうか。日本人の方が、魚類などからカルシウムをとっていると思っていたのですが

 

A

日本人と比較して、アメリカ人は牛乳をはじめとする乳製品の摂取量が多いといわれています。また、魚や海草など、日本の伝統的な食材にもカルシウムは多く含まれていますが、牛乳と比較すると、一度に大量に摂取しにくいことも原因の1つと思われます。

 

 

【杉並国際クリニックからのコメント】

カルシウムの摂取量とカルシウムの吸収率との違いを認識して議論しないとちぐはぐなやりとりになってしまいかねません。

 

<日本人と比較して、アメリカ人は牛乳をはじめとする乳製品の摂取量が多いといわれています。>

その通りですが、牛乳をはじめとする乳製品のカルシウム吸収率は概ね40%にのぼります。

これに対して、<魚や海草など、日本の伝統的な食材>のカルシウム吸収率はおよそ20ないし30%に過ぎません。

 

食材の違いによるカルシウムの吸収率の違いについては、もっと注目すべきではないかと思います。これら日本の伝統的な食材の摂取量が乳製品に比べると少量しか摂取できないか、というと個人差はありますが、必ずしもそうとまではいえないのではないでしょうか。

 

それでは、アジア人はカルシウム摂取量が少ないのに、乳製品の大消費者であるアメリカ人よりも骨粗鬆症や骨折の発症率が少ないのはなぜでしょうか?

 

アジア人は乳製品摂取量が少なく、カルシウム摂取量も少ない(500mg以下/ 日)こと、平均的に大腿骨(骨盤)骨折の発生率が欧米人よりも低いことは事実です。 このことは次のように説明されます。

• 遺伝:骨密度の高さと関連する遺伝子はアジア人に多く見られる

• 体型:アジア人の背が低い(つまり低い高さから転ぶ)、大腿骨の頸部の形が 異なり、外傷性全身症状に抵抗性が高い

• 環境:体を動かすことがアジアではヨーロッパ人よりも大切なこと(また、しゃがむという姿勢が骨への有効性を高めると考えられる)。たとえば、香港や シンガポールでは骨折の発生率は、米国よりもわずかに少ないだけである。

• ビタミンD:アジア人は一般的に脂肪身の魚からより多くのビタミンDを摂取しています。

 

日本では脊椎骨の圧縮が頻繁に見られる。寿命の延長に伴い、骨粗鬆症に関連する骨折は、多分、アジアでは高い速度で増加しています。これは多くのアジア諸国で骨粗鬆症は公衆上の健康問題となっています。

 

政府当局者は、予防策を訴えるとともに、アジア人にとってのカルシウムと乳・乳製品摂取の重要性と利点を示す最近の研究成果を訴えています。 *コーカサス系人種(白人)と同様、アジア人の骨密度は、カルシウム摂取量に依存しています (摂取量が多いほど骨密度が高くなる)が、アジア人のリスク要因は活動量の不足、 カルシウム摂取不足と転倒です(カルシウム不足の人ではリスクが2、3倍高くなる)カルシウム摂取の増加は、骨密度の増加を伴います(3つの介入試験、子供対象 1件、成人対象2件により示されています)。

 

カルシウム摂取と水氣道(体を動かす活動性の増加、しゃがむ動作、転倒を防止する平衡感覚の鍛錬など)は、骨粗鬆症対策にとっては理想的なコンビネーションであることが理解できるものと思われます。

 

当クリニックは、新時代の要請にこたえることにとどまらず、その一歩先の未来を見据えたモデルクリニックを目指しています。

 

そして、この杉並国際クリニックのHPの新着情報は、当クリニックからの一方的なメッセージの発信ばかりであってはならないと考えています。

 

皆様の声をいただき、この<読者の声>を通して、私たち全員の共有財産にしていくことができればとても素晴らしい展開が期待できると思います。

 

 

そこで、杉並国際クリニックのHPの新着情報は、現在、当クリニックを継続受診されていない方にも開放させていただいております。

 

高円寺南診療所時代(平成元年7月~平成31年4月)の受診者の方で、

全快して無事卒業された方はもちろん、遠方に転居されて受診されていない方、

今後、当院の受診を検討されている方など、いずれの皆様も大切な存在です。

 

現代医療制度の問題、健康不安などについてのメッセージや、逆に、ご自分が励行している健康法や、生き甲斐論など、どのようなテーマでも歓迎します。

 

 

投稿先は、suikido@gmail.com です。

 

なるべく、多くの皆様のご参加をお待ちしております。

 

収載については可能な限り反映させていただくつもりですが、公益性その他の観点から、当方で検討の後、1週間程で、掲載日程を通知させていただきます。

 

皆様の投稿をお待ちいたしております。

糖尿病はもはや国民病です。糖尿病専門医だけに任せておけばよい病気ではありません。薬物療法の発展は目覚ましいのですが、食事療法、運動療法、生活習慣編世用のための行動療法を駆使して治療に当たるのでなければ、コントロールに至ることは難しいです。

 

糖尿病は動脈硬化性疾患とならんで臨床栄養学の中では中心的な病態です。私は、糖尿病専門医ではありませんが、たいていの糖尿病専門医よりは、糖尿病について深くかかわり、実践してきたという自負があります。

 

私は、昭和学院短期大学のヘルスケア栄養学科で、臨床栄養学を担当していたことがありますが、「臨床栄養学」の教科書を2冊出版して、改訂を重ねています。どうぞご参考になさってください。

 

 

 

糖尿病治療の目標と指針

 

Q2-1 

糖尿病の治療の目標は?

 

【要点】

糖尿病治療の目標は、

 

① 高血糖に起因する代謝異常を改善すること、に加え

 

② 糖尿病に特徴的な合併症、および糖尿病に併発し易い合併症の発症、 増悪を防ぐこと、さらには

 

③ 健康人と変わらない生活の質(quality of life: QOL)を保つこと、

 

④最終的には、健康人と変わらない寿命を全うすることにあります。

 

 

【 杉並国際クリニックの実地臨床からの視点 】

言うは易く、行うは難し。それは、糖尿病治療の目標達成も例外ではありません。この難題を解決するにあたっては、まず、その理由を分析することが大切だと思います。

 

治療目標①:高血糖に起因する代謝異常を改善すること

高血糖に起因する代謝異常は、その程度が軽度であれば、ほとんど自覚症状として気づかれることはありません。気づきがなければ、認識がかわらないので、生活習慣態度や健康行動に向けての行動変容は期待できません。

 

糖尿病はインスリン作用の不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝性疾患であるため、インスリンの作用不足に気づくための工夫が必要であるということになります。気づかないために、長期間放置されることがあります。

 

そうなると、治療目標 ② 糖尿病に特徴的な合併症、および糖尿病に併発し易い合併症の発症、増悪を防ぐこと、を達成することは困難になってしまいます。代謝障害が軽度でも長く続けば特徴的な慢性合併症(網膜症、腎症、神経障害)を発症するリスクが高くなるからです。

 

さらに、糖尿病では全身の動脈硬化症が促進され、これが心筋梗塞、脳梗塞、下肢の閉塞性動脈硬化症の原因となります。また、細菌感染に対する抵抗力の低下をもたらします。

 

この状態になると、治療目標 ③ 健康人と変わらない生活の質(quality of life: QOL)を保つこと、は望むべくもありません。

 

また、血糖値が著しく高くなる代謝状態では口渇、多飲、多尿、体重減少がみられるようになります。さらに急速に進行すると、急性合併症として意識障害や昏睡に陥り、効果的な治療が行われなければ死に至ることもあります。

 

治療目標 ④ 健康人と変わらない寿命を全うすること、

この目標を達成するためには、早期に治療目標①:高血糖に起因する代謝異常を改善すること、この目標を達成することが大前提であるということがわかるはずです。

 

気づきにくい病状に気づくためには、自覚症状のみを唯一の健康尺度にしている多くの人々の意識を変革する大胆な手立てが必要です。

 

とはいっても、それは必ずしも難しいことではなく、定期的な住民健診や職場健診を積極的に活用し、健診の結果に基づいて、適切な対応をすることだけでも十分な解決策であると思います。

 

「安くて便利、良心的というキャッチは、多くの皆様方にとっては魅力的なようですが、多くの消費者にとっては落とし穴であることが多く私は常に警戒しています。」これは、1月29日のコラムの冒頭に書いた文です。

 

かし、なぜ、このようにインフルエンザが流行するのかについての確かな情報は得られていません。多くは仮説の域を脱していないようです。そもそもインフルエンザは、どのようにして人から人へと感染していくのでしょうか。

 

インフルエンザは、安くて便利を志向し、公共心が乏しく、自己中心的、目先の損得勘定に走りがちで、なおかつ無知に加えて傲慢な大衆が増加するほど流行する感染症です。

 

 

Q5.ワクチンは万全な予防対策か?

ワクチンには予防効果があります。このワクチンを打っても、インフルにかかることはあります。しかし、重症化を防ぐことがより大切です。

 

日本全体では、毎年多くの人がインフルエンザに関連した原因で亡くなっています。そのような重症化を防ぐために、ワクチン接種は積極的にすすめています。しかし、「打ったから、かからない」と、その効果を過信して、日常での感染予防対策を忘れないで励行することも大切です。

 

 

Q6.インフル迅速検査キットがないとインフルの治療はできないか?

インフルの診断は問診および臨床症状・徴候と診察のみで診断可能です。このような問い合わせが殺到する背景は、経験ある臨床医の技術に対する世間様の信頼が著しく低いことの表れだと思います。

 

当院では、インフル迅速検査キットを採用しておりません。

 

その理由は、検査の感度が不十分で、インフル患者でも陰性の結果を出してしまうと、保険診療で抗インフル薬を処方できなくなるからです。それは、当院のホームページにも掲載していますが、相変わらず電話での問い合わせが多くで難儀いたしております。

 

インフルの流行のピーク時にワクチンの接種を希望される方と同様に、無知な方々が多く、結論を決めつけていて、専門的な立場からの説明に耳を傾けようともされないので仕方がありません。医師である私よりも窓口を担当している職員が、とても残念に感じている現状です。

 

患者さんがインフルの迅速検査を希望したら、無条件に引き受けてしまう無責任な医師が大半を占めています。愚かで頑固でパワフル・傲慢な患者を説得することは骨の折れることであるにせよ、プロフェッショナルの一人として実に嘆かわしいご時世です。このようなことで、患者(顧客)満足度をあげ、収益増加をはかることは医師の職業倫理に反することです。

 

 

今回のまとめ:

「第三のバカの壁」は、無知・傲慢のバカの壁、ということでした。賢い人ほど謙虚で柔和、愚かな人ほど強情で傲慢、この責任は、一般人や医療従事者よりも、国民教育の在り方にこそあります。

内科Ⅱ(循環器・腎臓・老年医学)

 

日本腎臓病学会のHPには、有益情報が満載されています。

 

そこで今回から、テーマは腎臓内科の慢性腎臓病(CKD)です。

 

「エビデンスに基づくCKD 診療ガイドライン2018」を紹介します。

最後に、杉並国際クリニックからのコメントを加えました。

 

 

慢性腎臓病(CKD)とは、何らかの腎障害が3ヶ月以上持続する場合と定義されています。症状が出現することはほとんどないため、永らく見落とされてきた新たな国民病であり、多くの皆様に関わってくる病気です。蛋白尿や腎機能異常(eGFRの測定)により診断されます。

 

少し専門的で難しい部分もあるので、全てを理解する必要はありませんが、CQ2とCQ4は知っておくと良いと思います。私のコメントを読んでください。

 

 

第1章    CKDの診断と意義

 

CQ 1-1 

CKDはどのように診断されるのですか?

 

A

推奨 CKDの定義は以下の通りであり,①,②のいずれか,または両方が3カ月以上持続することで診断します。

 

 

① 尿異常,画像診断,血液,病理で腎障害の存在が明らか,特に0.15 g/gCr以上の蛋白尿(30 mg/ gCr以上のアルブミン尿)の存在が重要.

 

②糸球体濾過率(GFR)<60 mL/分/1.73 ㎥ 

 

なおGFRは日常診療では血清Cr値,性別,年齢から日本人のGFR推算式を用いて算出します。  

 

eGFRcreat(mL/分/1.73 m2)= 194×血清Cr(mg/dL) -1.094×年齢(歳) -0.287  

女性の場合には×0.739

 

注:酵素法で測定されたCr値(少数点以下2桁表記)を用いる.18歳以上に適用します。

 

 

CQ 1-2 

CKDの重症度はどのように評価するのですか?

 

A

推奨  CKDの重症度は,原疾患(Cause),腎機能(GFR),蛋白尿・アルブミン尿(Albuminuria)に基づく CGA分類で評価します A 1 .

 

CQ 2 

尿蛋白1+以上の健診受診者は医療機関への受診が推奨されるか?

 

A

推奨  健診受診時に尿蛋白1+以上の受診者は-や±の受診者と比べてESKDに至るリスクのみならず, 心血管死や総死亡のリスクも高いことが示されています。医療機関での診療を受けることにより,これらのリスクを軽減できる可能性があるため受診が推奨されます。 

 

 

CQ 3 

65歳以上の健診受診者でeGFR 45未満の場合,医療機関への受診が推奨されますか?

 

A

推奨  65歳以上であってもeGFRが45より低値では,総死亡およびESKDのリスクが上昇することから,eGFR 45未満の場合には腎臓専門医・専門医療機関への受診が推奨されます。 B 1 .

 

 

CQ 4 

特定健康診査(メタボ健診)においてアルブミン尿・蛋白尿検査は推奨されるますか?

 

A

推奨  メタボ健診においてアルブミン尿・蛋白尿陽性者は全死亡, CVD発症,腎機能低下の高リスク群であるため,アルブミン尿・蛋白尿検査を行うよう推奨します .

 

 

 

杉並国際クリニックからのコメント

高円寺南診療所開設の初期から、初診時には尿検査を行ってきました。採尿用の紙コップに尿を採っていただければ、簡単に蛋白尿を調べることができます。

杉並区の健診などにも基本的な検査項目に含まれています。この検査は、半定量法といって、アナログ数値ではなく、

「ー ± + ⧺・・・」

で評価します。

 

なお測定対象は尿蛋白であり、尿アルブミンではありません。アルブミンは蛋白の主要な成分の一つです。

 

CQ-2の回答では<健診受診時に尿蛋白1+以上の受診者は-や±の受診者と比べてESKDに至るリスクのみならず, 心血管死や総死亡のリスクも高いことが示されています。>と説明しているとおり、健診受診時に尿蛋白1+以上であれば、再検査することをお勧めします。

そして、その際には、より厳密な方法で、尿中のタンパク濃度のみならずアルブミン濃度の数値データを得ることが大切です。

 

またCQ-4は、特定健康診査(メタボ健診)におけるアルブミン尿・蛋白尿検査の必要性についてですが、回答では<アルブミン尿・蛋白尿陽性者は全死亡, CVD発症,腎機能低下の高リスク群>であることを説明しています。国民的な広がりを持つのがCKDであり、しかも、初期には症状に乏しいために、見落とされがちなので、特定健康診査(メタボ健診)においてアルブミン尿・蛋白尿検査を実施することは、受診者にとってCKDの早期診断のために価値のあるものだと思います。

日本消化器病学会ホームページを検索してみました。

 

すると、「患者さんとご家族のためのガイド」が公開されていますので、ご参考になさってください。

 

規定により直ちに転載できませんので、「消化性潰瘍」の概要を紹介し、コメントを加えることにしました。

 

 

Q6 

消化性潰瘍の治療は、どうするのでしょうか?

 

Q6-1

消化性潰瘍は、お薬でなおせるのですか?

 

A6-1 

基本的には内服薬による治療を行います。

胃酸の分泌を抑える薬、胃粘膜の防御機能を高める薬など、

 

 

Q6-2 

消化性潰瘍は、治療をはじめてどのくらいの期間で治せますか?

 

A6-2

通常、薬を始めてから6~8週間で潰瘍は治癒します。

しかし、日常生活全般の改善を図らないと、再発します。

 

Q6-3 

消化性潰瘍は、再発することがあるとのことですが、再発を防ぐにはどのようなことに注意したらよいですか?

 

A6-3

暴飲暴食を避けるなどの食事上の注意や、喫煙やアルコールを控える、ストレス解消に努める、などはよく心がけてください。ヘリコバクター・ピロリ菌に感染していると消化性潰瘍がいったん治っても再発し易いこと、がんの原因になり易いことなどが知られています。

このため、ピロリ菌が見つかった場合には、適切なタイミングで除菌治療を受けることをお勧めします。

 

また、他の病気の治療のために投与される非ステロイド性抗炎症薬やアスピリンなどは、消化性潰瘍の原因になりえます。主治医とともに、なるべく、これらの薬物を減量できるような工夫をはじめましょう。

 

最近はかなり減りましたが、消化性潰瘍の合併症として穿孔(潰瘍が深くなって胃や十二指腸の壁に穴が開いてしまうことで、腹膜炎を発症します)や吐血などがあります。消化性潰瘍の再発防止はとても大切です。

心療内科についてのQ&Aをご紹介いたします。

 

大学病院の心療内科のHPを紹介します。

 

まずは、東北大学心療内科です。

 

<杉並国際クリニックの立場から>でコメントを加えることにしました。

 

東北大学付属病院のホームページから

 

心療内科のご案内

 

対象疾患と診療内容

 

消化器疾患 (その2)

 

機能性消化管障害では、ストレスを受けてから脳機能が変化し、消化管が影響を受ける脳→腸の病態経路があります。

それだけでなく、各臓器の信号が脳に伝達されて脳機能が変化する腸→脳の経路が病態形成を担っています。

これらの病態は、消化管機能検査と脳機能画像を用いて明らかにできます。

このため、機能性消化管障害はストレス関連疾患全般に応用可能なモデル病態と見なされています。

これらに対しては、消化管内圧測定、胃電図、バロスタット、マーカー消化管通過時間測定、脳機能画像、遺伝子多型分析、バイオマーカー、計量心理学的評価など、国内で最も充実した評価システムを用いて評価と診断を行っています。

 

 

<杉並国際クリニックの立場から>

<ストレスを受けてから脳機能が変化し、消化管が影響を受ける脳→腸の病態経路があります。それだけでなく、各臓器の信号が脳に伝達されて脳機能が変化する腸→脳の経路が病態形成を担っています。>

と解説されていますが、

これを<脳腸相関(brain-gut interactions)>といいます。

これを簡単に言い換えると、中枢神経系と消化器の働きが繋がっている、ということです。

 

日常臨床では「心理社会的ストレスによって過敏性腸症候群患者の消化器症状が発症もしくは増悪する」あるいは「消化管刺激に対する過敏性腸症候群患者の内臓知覚が過敏である」という現象がその代表例です。

 

これらの病態は、消化管機能検査と脳機能画像を用いて科学的・視覚的に分析できるようになりました。こうした脳腸相関の分析手法の発達により、<機能性消化管障害はストレス関連疾患全般に応用可能なモデル病態>と見なされるになりました。

 

東北大学心療内科は、こうした理論をもとに、消化管内圧測定、胃電図、バロスタット、マーカー消化管通過時間測定、脳機能画像、遺伝子多型分析、バイオマーカー、計量心理学的評価などを駆使できるので、国内で最も充実した評価システムを用いて評価と診断を行っているという自負が見られます。

 

第一線の医療機関は、このような環境には恵まれないので、世界最先端の研究に参画することは望めません。しかし、大学での研究成果は、日常臨床において大きな助けになってきたことは間違いありません。

漢方治療に関しては一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へ

のHPを検索してみました。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

 

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

そのため、以下のQ&Aを採り上げ、解説を加えてきました。

 

慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&A

 

富山県立中央病院 内科和漢・リウマチ科-Q&A

 

現在は、三和生薬株式会社のHP「よくあるご質問」をご紹介しております。

 

Q

中国の漢方薬と日本の漢方薬は同じですか?

 

A

違います。原点は中国の古医書に基づきますが、江戸時代にオランダから西洋医学が伝来し「蘭方(らんぽう)」と呼ばれたため、日本の医学は漢に由来する医学ということで「漢方」と呼ぶようになり、この時期から日本独自に発達したものです。

 

中国の漢方薬は「中薬(ちゅうやく)」と言い中医学という考えに基づいています。

 

「中薬(ちゅうやく)」の中には日本と同じ名前の処方もありますが内容や配合比率、量などは同じとは限りません。

 

また、日本で製造販売される漢方薬は厳しい安全基準が定められていますが、外国製の場合、日本で認められていない農薬や添加物などが使われていることがあります。

 

 

<杉並国際クリニックからのメッセージ> 

質問者は「中国の漢方薬」、「日本の漢方薬」という表現を用いています。質問者は医学、とりわけ漢方医学の専門家ではないと想定されますので、回答者は、まず用語の意味について解説するところから説明をはじめることが大切ではないかと思います。

 

そのそも漢方薬とは、日本の医薬品です。そして意外に思われるかもしれませんが漢方医学は、日本で発達した日本医学です。ですから、ことさらに「中国の漢方薬」というのは不適切な表現であり、ふつうは「中医薬」ということになります。専門家が、あえて「中国の漢方薬」と表現する場合には、特別な背景や事情があると考えてよいでしょう。

 

漢方医学は「気血水」「虚実」などの理論や、「葛根湯」などの方剤(複数の生薬の組み合わせ)を中国医学と共有し、テキストとして中国の古典医学書が用いられてきました。しかし両者には多くの違いがあり、漢方医学の特徴としては具体的・実用主義的な点が挙げられます。

 

現在の漢方の主流の一つである古方派では、中国医学の根本理論である陰陽五行論を観念的であると批判し排除しました。そのため、古方派漢方には病因病理の理論がなく、主に「証」の概念に応じて『傷寒論』など古典の記載に則って処方をします。証を立てるための診断法としては、腹診を重んじることが特徴です。脈診を重視する中医学とは対照的です。

 

また、日本で使われる生薬の種類は中国より少なく、一日分の薬用量は中国に比べて約3分の1です。

 

漢方医学の処方は、『傷寒雑病論』(『傷寒論』及び『金匱要略』と呼ばれる2つのテキストとして残る)を基本とした古い時代のものに、日本独自の経験に基づいて改変を加えたものです。「温病」(うんびょう)など、明から清にかけて中国で確立した理論は、温病論に関心のある専門家を除いて、ほとんど漢方医学には受け継がれていません。

 

杉並国際クリニックが使用する漢方製剤は、保険適応となっている漢方エキス製剤のみであり、一日分の薬用量も中国に比べて概ね3分の1以下です。ただし、古方派漢方医学のように腹診を尊重し、経験の蓄積に基づく実証的な立場を維持しつつ、中国医学の根本理論である陰陽五行論を軽視せず、むしろ尊重し、さらには西洋医学との組み合わせにより統合的な診断・治療を実践しています。

<東洋医学の話をしよう2ー氣・血・津液・精・神(6)>

<はじめに>

 

前回は「五臓」と「血」の関係についてお話しました。

 

 

今回は「津液」と「氣」の関係についてお話します。

 その前に復習。

 

「血」は西洋医学でいう「血液」、「津液」とは西洋医学でいう「リンパ液」にあたります。

 

<「」と「津液」の関係>

 

 

」は「津液」に対しても「血」と同じ関わりを持っています。

 

 

「氣」は「津液」を「作り」「めぐらせ」「漏らさない」働きをします。

 

 

つまり

「氣」の 5つの作用のうちの

 

 

「氣」ちからによって「津液」を身体に循環させる「推動(すいどう)作用」、

 

 

「氣」から「津液」に変化する「気化(きか)作用」、

 

 

無駄に「津液」身体から漏らさない「固摂(こせつ)作用」が 「津液」にたいしても深

 

く関わっているのです。

 

 

「氣」の重要性がわかりますね。

 

 

まとめ

 

・「氣」が変化して「津液」になる(気化作用)。

 

・「氣」は「津液」を身体中に巡らせる(推動作用)。

 

・「氣」は「津液」を身体から漏らさない(固摂作用)。

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

会場:帝京大学板橋キャンパス臨床大講堂および講義室

 

1日目:2019214日(木)

 

 

毎週木曜朝の心理カンファランスを終えて、板橋の会場に向かいました。

午後2時からの診療に間に合うように、以下のプログラムに参加しました。

 

 

一般口演2「尿酸と腎・トランスポーター」

 

特別講演「オートファジーの分子機構と生理的意義」

 

ランチョンセミナー1「糖尿病の病態における尿酸代謝の役割」

 

 

とりわけ、有意義だったのは、

 

ランチョンセミナー1「糖尿病の病態における尿酸代謝の役割」でした。

 

演者の朝日生命成人病研究所糖尿病代謝科の櫛山暁史先生(平成12年東大医学部卒)は、

 

<糖尿病専門医は、一般的に高尿酸血症や痛風に関心が無い>との発言(裏話?)されたのが特に印象的でした。糖尿病専門医が血清尿酸値にすら大した関心を払わないとすれば、糖尿病の患者さんにとっては極めて不利益な現状といえるでしょう。

 

 

このセミナーをチョイスしたのは、私の臨床経験上かねてから<痛風患者には糖尿病が少なく、糖尿病患者で痛風発作を訴える方が少ないのはなぜか>という疑問があったからです。

 

 

高尿酸血症は2型糖尿病発症のリスクがあることは知られていますが、実際には、高血糖状態では血清尿酸血が低くなります。その原因は、高血糖に伴う尿糖排泄の増加は尿酸排泄増加を伴うからです。また、糖尿病合併症である最小血管障害、大血管障害は血清尿酸血との相関関係があり、尿酸、あるいは尿酸の産生状況が関与する可能性が示されつつあります。

 

 

今後は、たとえ糖尿病専門医を受診中の方であっても、むしろ、そのような方であるからこそ、しっかりと、血清尿酸血の確認をし、潜在的な高尿酸血症を見落さないようにすることを心掛けたいと思います。

 

 

今回のテーマに関しては、研究をさらに深めて、水曜日の内科Ⅱなどで再度記事を掲載したいと思います。

 

明日の午前中も、第2日目も有意義な講演を聴きに行く予定です。