ヴィリニウス

 

行動目的:

1)確実な移動Wien出発(10:00am)⇒Vilnius到着(00:45pm)

2)明日(第3日)の学会初日に備える

3)視力の補助手段の確保(オペラグラスの購入等)

 

 

第2日の行動目的は、本来であれば、

 

1)無事に欧州での拠点に到着する

 

2)明日(第3日)の学会初日に備えるのみ良いのですが、眼鏡の紛失という事故の経験をしたため、新たに

 

3)視力の補助手段の確保(オペラグラスの購入等)を追加しました。

 

 

行動計画:

①Wien国際空港へ

②Vilnius国際空港からバスにて市内のHotel へ(荷物預け)

③Vilnius市内でオペラグラスの購入

④学会会場へ(翌日以降の下見)

⑤★★★★Novotel Vilnius Centreチェック・イン(02:00~)

⑥人形劇場Vilnius Teatras Lèlèへ(開演06:30pm)

 

 

活動成果: 

ウィーンのホテルは私の欧州での活動の拠点に相応しい複数の条件を兼ね備えて居ます。

第一に空港からのアクセスの良さ、第二に市内での活動の場へのアクセスの良さ、第三に朝食サービスが6:00(日本時間では14:00)からであることなど、第四に手荷物預かりサービスの質です。Free LAN (Wi-Fi)設備については、今では当たり前になってきています。

極東の国から来た旅行者にとっては、時差の関係上、朝食サービスの開始時間は大きなポイントになると思います。

 

一回の旅行であまりにも移動が多くなることは、一般的にはお勧めできません。

しかし、私はこの移動日を無駄にせず、逆に有効活用することによって、限られた日数での経験を豊かにしたいと考えております。

 

わけても移動のたびに重くて嵩張るケースを引きずって歩くのはなるべく避けたいところです。ウィーンには3月3日(日)に戻るので、荷物はなるべくコンパクトにまとめ、その間ケースはウィーンの定宿で預かっておいてもらうのが便利です。

 

EU加盟国間の移動は、あっけないくらいスムーズでした。

第2日目の安心・確実な朝を迎えるため、寝坊の予防として、第1日目の夜は、あらかじめ徹夜の日と決めておりました。

 

①予定時刻より早めにVilniusのホテルに到着し、すぐにチェック・インを済ませることができました。12:00にはチェックイン可能とのことで、とても有難かったです。しかも受付の若手の男性職員は、いかにも誠実そうであり、実際に丁寧で洗練された聞き取り易い英語を話してくれました。

 

そこで、オペラ・グラスを売っていそうなお店の情報をマーキングした現地地図をいただき、さらに、72時間有効な市内交通プリペイドカード(ヴィリニチオ・コルテレの入手方法の情報も貰うことができました。

 

②部屋は、そのレセプショニストが、あらかじめ説明してくれた通り、最高の間取りでした。7階の東向きの窓からの眺めは絶景で、まるで中世のおとぎ話の世界が展開していました。これから、3日間、朝日とともにこの景色を楽しむことができるのであれば、最高です。

 

③出発の少し前にパソコンを新しくしたのと、インターネットの接続が容易になったことにより、ストレスは減りました。すると、野口さんから連絡が入っていて、私が落とししたメガネについて空港に問い合わせてくださいとメールがありました。その情報を受け、ホテルの近所でオペラ・グラスを探しに出かけることにしました。

 

そこで知ったことは、ヴィリニュスの中心街で働いている現地の人々は、ガイドブックに書いてあるほど英語には慣れていないことです。ガイドブックは簡単な英語しか使えない多くの読者を想定して書いているのでやむを得ないと思いました。コミュニケーションのリアクションは、欧米人というより日本人に近いような印象をもちました。

 

 

1件目の店頭の女性は、<I do not speak English.私は英語を話さないので>、ということで別の店員が対応してくれました。その女性も、ごくシンプルな定型文のような英語でないと通じにくいようで、困ったような顔をされてしまいました。ましてやオペラ・グラスなんて知らないという様子なので、早々に諦めて2件目に。そこでも、何とか英語で通しましたが、英語でなくてロシア語は通じないかと聞いてくる有様。年配の方はソ連支配下の時代が長かったことをいまさらながらに想起させられます。初歩的な英語を重ねていって意思疎通をはかろうと試みましたが、<オペラ・グラスは対応できません。メガネでよければお受けしますが、最低5日かかります>という話なので、ここもアウト。

 

そこで、発想を切り替えて、チケット販売所に行ってみました。そこで、72時間市内交通カードを購入した際に、二人の女性から、もう1件の眼鏡店を勧められました。<オペラ・グラスを探すのは難しいから、明日の仕事に間に合うように眼科医の処方であれば今日中にメガネを手にしてみては>というアドヴァイスでした。なるほど、ご尤も、ということで、お勧めの眼鏡店へ行きました。

 

この頃から天気が悪化して、小雨が降り始めていました。その眼鏡店では、受付の比較的若い女性が英語で対応してくれました。一時的な繋ぎでよいので、と申し出ましたが、どうしても、眼科医の処方が必要であること。眼科医の処方であれば1時間程度でメガネを用意することができることの説明を受けました。5日では諦めますが、1時間であれば日本並みです。そこで、明日に備えて新しい眼鏡を入手することにしました。

 

店員が、最初にフレームを選んで欲しいということなので、<私はファッショナブルな人間ではないので、あなたのセンスで選んでいただけないか>と持ち掛けたところ、たくさんの中から、瞬時に選んでくれました。それから、2回の眼科の女医さんのところで、検査を受けました。

<メガネなしでも近くはよく見えるが、学会の英文スライドや街中や空港での標識が読めないのは困る>旨を伝えたら、さっそくレンズ処方のための検査を始めてくれました。乱視の検査は省略されていましたが、その他は日本の標準的な眼科の水準と変わりがないような印象を受けました。

そういえば、旧ソ連時代からの眼科のレベルは比較的高かったような印象をもっていますが、おそらくそれは正しかったのではないか、と思います。視力に対する英語の会話は、さすがに高水準なやりとりまでできましたが、周辺の話になるとさすがの女医さんでも今一つのようでした。

 

支払いを済ませて、メガネの受け取りまでの1時間は、降雨から霰交じりになってきたため、カフェで過ごそうかとも考えましたが、ホテルの窓から見える教会の塔が目の前にあったので、そこを見学することにしました。

 

そこは、教会といっても司教座教会の大聖堂がギリシア神殿のような壮大さです。大聖堂の正面の大きな扉は開きそうもありません。そこで、大聖堂の右手前にがっちりと聳える鐘楼であるレンガ造りの塔の博物館に入ってみました。今日の報告のトップの横長の写真の左に赤い屋根の王宮の建物の背後にそびえているのがそれです。ちょうど私の部屋からとは逆の方角から撮った写真だと思われます。

 

出発前の徹夜続きで起こした右坐骨神経痛を引き起こしていました。それもあって高い塔に上るようなことは避けるべき、と考えていましたが、直前の火曜日の水気道が功を奏してか、体が前へ前へ、上へ上へと向かっていくのは不思議でした。レンガつくりの塔の壁から八方に窓があり、そこから周囲を展望しながら、らせん状に塔を上ることができます。オーディオ・ガイドが備えてあるので、時間潰しも兼ねてすべてのガイドの音声を聞きました。このガイドの音声はロシア語と英語です。英語よりロシア語に馴染みが深い市民や観光客が多いのだと思いました。英語のガイドはとても興味深いものでした。上の階は窓にガラスがなく吹き曝しの状態です。鐘がいくつもあって、現在でも使われているようです。

 

先ほどの眼鏡店では、すでにメガネが出来上がっていて、実際にかけてみて安心しました。レンズはSEIKO製で、女医さんから、<あなたの国から輸入した優秀な材料ですよ>と言われたので、<このメガネをかけたら急に世界が明るくクリアになりました。そして私のために親切にしてくれたあなた方が本当に素敵な女性たちだったこともわかりました>と返しました。いずれにしても有難かったです。明日以降の学会参加が台無しにならないで済むからです。

 

悪天ということもあって、あえて学会会場の下見や人形劇場へ行く予定は中止にして、ホテルの自室で明日の準備のための調べものをすることに変更しました。

 

窓から見える景色が刻々と変化し、日没になると、市内の主な建物がライトアップされて、とても感動的な時間が流れています。

 

 

 

国際学会のアナウンスについて

以下は、学会の内容を事前にアナウンスしているメッセージです。内容はとても平易であり、たいていの皆様に関係する日常的な内容であるため、翻訳してみました。

 

 

診療所で診察のたびに血圧を測定していただいていることの意味、高血圧の患者さんには血圧手帳を交付して自宅血圧を測定し、記録していただいていることの意味、水気道の稽古の前後で血圧測定をする意味、3か月ごとにフィットネス・チェックを推奨していることの意味、半年ごとに頸動脈超音波検査を実施していることの意味、これらのことがすべて明らかになっていくことでしょう。

 

 

About PreHT 2019

 

Dear Colleagues,

It is our pleasure to invite you to participate in the 6th International Conference on Prehypertension, Hypertension, Metabolic Disorders and Cardiovascular Disease, which will take place in Vilnius, Lithuania from 28 February – 3 March, 2019.

 

高血圧前症、高血圧症、代謝性疾患および心臓血管系疾患に関する第6回国際会議へようこそ

 

 

Prehypertension is a part of the continuum from normotension to hypertension it is a part of a dynamic process of stiffening and aging of the arteries and of the heart with its consequences. Patients in the prehypertensive range will become finally hypertensive. Diseased arteries will not only participate in propagation of end organ damage but will enhance the progression of additional damage in the arteries and the heart. Understanding the risk of borderline conditions in the metabolic syndrome will enable us to understand the nature of end organ damage and will create a possibility of better prevention of this continuous process.

 

高血圧前症とは正常血圧から高血圧症へと連続的に移行していく時期の状態です。それは動脈および心臓の硬化と加齢が次第に進行していく過程に相当します。高血圧前症の患者は最終的には高血圧症になります。動脈が病的になると、それが末梢へと進展して臓器障害を引き起こすばかりでなく、動脈や心臓の更なる障害の進展が加速されます。メタボリック・シンドロームの(健常者との)境界領域のリスクを理解すれば終末臓器の性状を理解することが可能になると同時に、このような連続的な病気の進行過程を予防するためのより優れた方略を見出せることでしょう。

 

 

Hypertension, Diabetes, Dyslipidemia and Obesity are considered as major risk factors for Atherosclerosis of cerebral, coronary and peripheral arteries. This process causes Development of Ischemic heart disease, obstruction to cerebral flow and PVD. Clustering of these risk factors is very common and their accumulation causes faster propagation of end organ damage and cerebrovascular events. The diagnosis of risk factors, especially when they are clustered, justify multidisciplinary aggressive therapeutic approach which should be started as soon as possible with the diagnosis.

 

高血圧症、糖尿病、脂質異常症および肥満症は、脳、冠状動脈および末梢動脈の動脈硬化の主たる危険因子であると考えられています。この過程で、虚血性心疾患、脳血流障害および末梢循環障害への進展がもたらされます。これらの危険因子が重なり合うことはとても多くみられることであり、これらの危険因子が集積すると、末梢臓器および脳血管障害の進展がより加速されます。危険因子の診断は、それらが複数重なる場合はとりわけ、集学的な治療アプローチを積極的に行うことが正当化され、それは診断とともに可及的に速やかに開始されなければなりません。

 

 

The association of multiple CV risk factors enhances rate of progression of end organ damage and affects morbidity and mortality. The presence of multiple risk factors changes the prognosis of the patients and should affect our therapeutic approach- an area with insufficient information and guidelines.

 

心臓血管系の危険因子が複数重なり合うと、終末臓器の障害の進展の度合いを増強することによって、疾病率や死亡率に影響を及ぼします。複数の危険因子が存在すると患者の予後を変化させるので、われわれ(=内科医)の治療の進め方‐情報やガイドラインが不十分な領域‐にもそれが反映されるべきです。

 

 

Systolic blood pressure (BP) of less than 140 mm Hg and diastolic BP of less than 90 mm Hg were for years considered as normal. Mounting evidence suggest that BP in the high reference range is associated with an increased risk of cardiovascular disease. The ESH report of 2006 defined it as “high normal” and the seventh report of the Joint National Committee on the Prevention, Detection, Evaluation and Treatment of High Blood Pressure defined a new BP category “Prehypertension” for systolic and diastolic BP: 120 to 139 mm Hg and 85 to 89 mm Hg, respectively. This new category is a continuum to hypertension and is a risk factor for cardiovascular disease.

 

収縮期血圧140㎜Hg未満かつ拡張期血圧90㎜Hgという状態は長い間正常血圧であるとされてきました。科学的裏付けが集積されることによって(正常血圧とされてきた領の中でも)高めの血圧は心臓血管系の疾患リスクの増加に結び付いていることが示唆されるようになってきました。環境・安全・健康活動2006は、この領域の血圧を<正常高値>と定義し、さらに高血圧の予防、検出、評価および治療に関する第7回連合国家委員会は、収縮期血圧120から139mmHgかつ拡張期血圧85から89㎜Hgを血圧の新しい領域として<高血圧前症>と定義しました。この新しい血圧領域は高血圧へと連続的に繋がっていくものであり心血管系疾患の危険因子の一つです。

 

 

In most developing countries and in the urban areas of many countries, one in five to one in three adults fall in the category of prehypertension. Recently published ACC/AHA guidelines (2017) suggested change in the threshold levels to much lower levels which were considered normal previously. This change caused again scientific discussion. Recommendation and guidelines in the field have substantial public health importance and enormous economic consequences.

 

大半の発展途上国や多くの国々の都市部では、成人5人当たりで1人が高血圧前症に相当します。近年出版されたACC/AHAガイドライン2017は、かつては正常血圧であるとされていた水準より、かなり低い血圧基準を推奨しました。この変化によって再び科学的議論が引き起こされました。この領域の推奨やガイドラインは公衆の健康にとって重要な意味をもち、膨大な経済的波及効果があります。

 

 

The Conference will aim to deal with all aspects related to early diagnosis, including innovative technologies and treatments as well as discussion of target organ damage, cardiac, renal, neurological and peripheral arteries. The conference will bring together professionals from the fields of Hypertension, Cardiology, Nephrology, Endocrinology, Internal Medicine and more.

 

本学会は、心臓、腎臓、神経および末梢動脈といった目標臓器の障害を議論するとともに、革新的技術や治療法を含め、早期発見に関するあらゆる視点を取り上げることを目的とします。

 

 

Wien到着(6:00am)

 

行動計画:

①Wien市内のHotel Ananasへ(荷物預け)

② 市内のWien国立音楽大学へ(11:00am~)

③★★★★Hotel Ananasチェック・イン(03:00pm~)

④フォルクス・オーパーへ(開演06:30pm)オペラ・ピノッキオ/PierangeloValtinoni

 

 

 

活動成果:

①Wien国際空港には、予定より15分早めに到着。

機中(ANA)は、比較的快適でした。

 

深夜(01:55)出発の便は、身動きの取れない状態での機内食の提供が1回なので消化管への負担が少ないうえに、到着後の1日がフルに活用できるメリットに気が付きました。ただし、欠点は初日のチェックイン(15:00)までの時間が長いことです。

            

空港から市内の交通の要衝であるウィーン・ミッテ駅に直結している列車(CAT)が速くて快適です。3月3日と4日に開催される国際線維筋痛症学会の会場は、この駅を出てすぐの通りに面しているヒルトン・ホテルです。

            

しかし、ここまでの間に、すでに大失敗をしてしまいました。それは、メガネの喪失です。これは、早急な対応を要します。

            

定宿のホテルの前の地下鉄U4路線のPilgramgasse駅が来年の1月まで改修工事で閉鎖されているため、一駅手前のKettenbrücken駅で下車して15分ほど歩きました。それでも07:35には、宿に到着することができました。さっそく、留守中の診療所を管理している野口氏、本日おせわになるピアニストの今泉弘江さん、去年、お世話になったピアニストでテノールPablo Cameselle先生の仕事仲間でもある由里Pranzlさんとネットで連絡を取りました。大きな荷物だけホテルに預かってもらい身軽になりました。

        

 

②Wien国立音楽大学は、U4路線のSchönbrunn駅から歩きました。

           

ホテルの最寄りの駅が使えないことで、外出のたびに必ず一駅は歩くことになりましたが、快適な天候であり、時差を積極的に解消するためにも役に立ったような気がしました。

 

伴奏ピアニストの今泉弘江さんには、ここ数年お世話になっています。

 

声楽レッスン指導者はソプラノのClaudia Visca教授、ピアノ伴奏者は今泉弘江さんで、このお二人には毎年お世話になっています。

 

声楽個人レッスン(於:ウィーン国立音楽大学)は予定通り、11:00から1時間。

(公用語表記: ドイツ語: Universität für Musik und darstellende Kunst Wien)

(英語表記: University of Music and Performing Arts Vienna)

 

これまではドイツ語でのレッスンでしたが、今年はレッスンの録音をすること、報告の便のために英語でのレッスンをお願いしました。Visca先生は67歳とのことで、ウィーン在住歴は長いのですが、米国人です。

 

 

レッスン曲目:

1)コンコーネ50番(イタリア語訳小倉百人一首歌詞付き)から5曲(No8,9,11,16,26)

 

2)モーツアルトのオペラ・アリアから・オペラ「ドン・ジョヴァンニ」第1幕から

Dalla sua pace la mia dipende(彼女こそ私の宝)

 

レッスン内容は、聖楽院所属の皆様には後日、音源付きでご報告いたします。

     

さて、レッスンの後は心地の良い公園の中を通り抜けて再びU4のSchönbrunn駅に戻りました。U4の路線は最も慣れ親しんだ路線で、丸ノ内線のミニチュア版のような感じです。ただし、ターミナルの駅名が、HütteldorfとHeiligenstadt、前者が荻窪駅だとすると後者は池袋駅ということになるでしょうか。頭文字がいずれもHなので、混同しがちです。チェックインの15:00までに時間があること、

    

乗り放題の1日券をもっていること、などもあるため両方の駅まで乗車してみました。まず、Schönbrunn駅から近いSchönbrunn駅、引き続き、逆方向のHeiligenstadtに向かいました。

 

Heiligenstadtはベートーベンゆかりの土地、近くにはホイリゲで有名なGrinzingがあります。Heiligenstadt駅前にはすでにバスが停車していたため、目的地も確認せずに乗り込んだところ、幸いGrinzing行きでした。下車してすぐに教会の尖塔を発見しました。このそばを通りかかったときに鐘の音が重厚に鳴りました。帰りには立ち寄るようにという神様のお告げのような気がしました。さて、ホイリゲといえば夕刻以降の酒場ですが、ランチタイムも営業しているZum Martin Seppというホイリゲをすぐ近くに見つけました。この店は、すでにお客で賑わっていました。平日の昼下がりということもあってか、ドイツ語の世界でした。

 

私は声楽レッスンを終えたあとの解放感も手伝ってか、ハウスワイン(白)を注文して堪能した後、Spezialitëtenのリストの中からThymianbuchteln mit Schwammelgulasch(vegetarisch)を選びました。

Thyme filled yeast dumplings with mushroom goulasch(vegetarian)という英語表記も書かれていたのでイメージしやすく助かりました。

二つ目はSuppennの中からAlt Wiener Suppenntopf mit Nudeln,Rindfleisch und Gemüseを選びました。昔のウィーン風のスープというのに惹かれたのと、内容がうどん、牛肉、野菜類というのが分かりやすかったからです。

スープの塩気はごく薄口で、セロリをはじめとする野菜の風味とサイコロ型の牛肉が程よく調和していて美味であると同時に、食後に疲れが癒された実感がありました。給仕人はやや年配の素朴で誠実な微笑を浮かべた現地の男性でした。彼は、私の希望や好みを上手に聞き取り、平易で聞き取り易いドイツ語の平易な言葉で物静かに丁寧に話す方なので、とても良い印象を持ちました。

 

     

食事の後に、先程目に留まった教会を訪れました。Pfarrkirche Grinzing十いう名のローマ・カトリック教会でした。聖堂ではすでに祈りを捧げている男性がいて、私もしばらく時間を過ごしましたが、教会の外に出るとまた鐘の音が響き渡りました。

     

ホテルに戻ったのはちょうど15時過ぎで、正式のチェックインを済ませて、部屋でインターネットを整備したところ、カトリック医師会から私指名でメールが届いていました。それは、筋痛性脳脊髄炎(慢性疲労症候群)についての講演の示唆です。この病気は、線維筋痛症との合併例も多く、両者の異同は必ずしも明らかではありません。

     

また、ピアニストのPranzlさんからもメールが届いており、17:30にVolks Operの前のカフェで会うことになりました。30分程度でいたが定評あるメランジェを飲みながら今後の音楽活動について語り合いました。

 

   

 

④オペラ観劇(於:国民歌劇場/Volks Oper)

 オペラ・ピノッキオ/PierangeloValtinoni

 

可愛くて元気な子供たちが多数出演していて、童心にかえることができました。家族連れが目立ち、出演している子供たちのフィナーレには盛んに」声援を送っていました。

       

ピエランジェロ・ヴァルティノーニのオペラ「ピノッキオ」は、子供たちにオペラのライブの魅力を知らせるのに理想的との定評があります。カルロ・コッローディの「ピノッキオの冒険」に基づいて、パオロ・マドロンが書いた「才能あふれる人形ピノッキオ」の台本に、ヴァルティノーニが曲をつけ、2001年、ヴィチェンツァのオリンピコ劇場で初演されました。ヴァルティノーニは、その後、タイトルを単に「ピノッキオ」と短くし、作品は1幕ものから2幕ものへと長くしました。この新しいバージョンは、2006年、ベルリンの コーミシェ・オーパーで初演され、3年間のロングランとなりました。評論家たちは、ヴァルティノーニの音楽について、プッチーニ、ラヴェル、バーンスタインの抒情性や響きを持つものだと絶賛しました。オペラ「ピノッキオ」は、物語性についても、さまざまな点から評価すべき点が多く、音楽性のみならずストーリーテリングの最高峰とも言えるでしょう。

 

ピノッキオは人形であるにも関わらず、他の少年たちと同じように、自分で歩いたり話したりできます。ピノッキオを作った大工のジェペットは、彼を学校に送りますが、ピノッキオは、マリオネット劇場に行ってしまいます。この劇場の親方マンジャフオコは、新しい演目のためのストーリーが見つからず、ピノッキオに託して旅立たせます。旅の途中、ピノキオは泥棒に遭い、お金も、食べ物も宿も失い瀕死の状態であったところ仙女に助けられ、息を吹きかえします。けれども、仙女に苦境のわけを尋ねられた時、彼女にバカだと思われることを恐れて嘘をついてします。すると彼の鼻はどんどん長くなってしまい、仙女は、本当のことを言わなければ、どのような結果になるかをピノッキオに忠告します。

 

ピノッキオは旅を続けます。途中で、誰も仕事も勉強もしなくていい、怠け者の国を知り、その魅力に勝つことができませんでした。それは実は意地悪な魔法使いの作り出した世界でした。その魔法使いは、囚われ人をロバに変えてしまいます。自分の姿の変化に驚いたピノッキオは、海に飛び込み、サメに飲み込まれてしまいます。そして、そのお腹の中で、ピノッキオを探して旅をしていたジェペットに出会います。

 

 

糖尿病はもはや国民病です。糖尿病専門医だけに任せておけばよい病気ではありません。薬物療法の発展は目覚ましいのですが、食事療法、運動療法、生活習慣編世用のための行動療法を駆使して治療に当たるのでなければ、コントロールに至ることは難しいです。

 

糖尿病は動脈硬化性疾患とならんで臨床栄養学の中では中心的な病態です。私は、糖尿病専門医ではありませんが、たいていの糖尿病専門医よりは、糖尿病について深くかかわり、実践してきたという自負があります。

 

私は、昭和学院短期大学のヘルスケア栄養学科で、臨床栄養学を担当していたことがありますが、「臨床栄養学」の教科書を2冊出版して、改訂を重ねています。どうぞご参考になさってください。

 

 

Q2-2 

糖尿病の基本的治療方針はどう考えるべきですか?

 

【要点】

 

●糖尿病の基本的治療方針は、糖尿病の病型、病態、年齢、代謝障害や合併症の程度などにより異なります。

 

 

●インスリン治療の適応

 

①インスリン依存状態

 

②インスリン非依存状態においても、

1)妊娠時、全身管理が必要な外科手術、重篤な感染症の際

 

2)経口血糖降下薬やGLP-1(glucagon-like peptide 1)受容体作動薬によっても目標の血糖コントロールが得られない場合

 

 

●インスリン非依存状態での治療方針

 

十分な食事療法、運動療法を2~3カ月間行っても良好な血糖コントロールが得られない場合:経口血糖降下薬やGLP-1受容体作動薬により治療します。ただし、代謝障害の程度によっては、食事療法、運動療法に加えて、最初から経口血糖降下薬やインスリンなどの薬物療法を開始します。

 

糖尿病は慢性疾患であり、合併症の発症、増悪を防ぐには、継続的治療が必須です。チーム医療による糖尿病教育は糖尿病治療の根幹を成すものです。

 

 

【 杉並国際クリニックの実地臨床からの視点 】

糖尿病でインスリン治療が直ちに必要なのは、まず

①インスリン依存状態です。多くの1型糖尿病はこの状態にあります。

 

② インスリン非依存状態にある2型糖尿病でも、代謝障害が中等度以上(随時血糖値250~300mg/dL程度またはそれ以上)であれば、食事療法、運動療法に加えて、最初から経口血糖降下薬やインスリンやGLP-1受容体作動薬による薬物療法を行います。

 

高円寺南診療所時代に基礎を確立した水氣道は、糖尿病の患者さんのためにも理想的な運動療法プログラムを具体的に提供して実践を続けてきました。杉並国際クリニックの時代に入って、水氣道のもつ生活習慣改善効果を一層引き出すための取り組みを展開しつつあります。

 

2型糖尿病でも、急性代謝障害を認めない代謝障害が中等度以下(随時血糖値250~300mg/dL程度またはそれ以下で尿ケトン体陰性)、まず、患者の病態を十分に解析して、適切な食事療法と運動療法を行います。この場合、生活習慣改善に向けて糖尿病教育を十分に行い、患者さんが治療に向けての意識を高められるようにすることが大切です。

 

こうした治療を2~3か月程度続けても、なお、目標の血糖値(HbA1c 7.0%未満)を達成できない場合には、経口血糖降下薬またはインスリンやGLP-1受容体作動薬などを用いられます。この場合、血糖のコントロール目標は、患者の年齢や病態などを考慮して患者ごとに設定するといった個別臨床的立場で決定します。

 

ただし、体重の減量や生活習慣の改善により、代謝状態が改善し、薬物の投与量の減少~中止が可能になってくることがあります。こうした効果は、食生活を含む生活習慣改善指導とともに水氣道を続けている糖尿病の患者さんにとっては、顕著な傾向であり、とくに、年間を通して水氣道の稽古に励んでいる会員でインスリンを使用している方はゼロになりました。

日本腎臓病学会のHPには、有益情報が満載されています。

 

そこで今回から、テーマは腎臓内科の慢性腎臓病(CKD)です。

 

「エビデンスに基づくCKD 診療ガイドライン2018」を紹介します。

 

最後に、杉並国際クリニックからのコメントを加えました。

 

 

慢性腎臓病(CKD)とは、何らかの腎障害が3ヶ月以上持続する場合と定義されています。症状が出現することはほとんどないため、永らく見落とされてきた新たな国民病であり、多くの皆様に関わってくる病気です。蛋白尿や腎機能異常(eGFRの測定)により診断されます。

 

慢性腎臓病は、腎臓という単一臓器の疾患ではなく、生活習慣病としての側面をもつ多臓器疾患、すなわち全身病へと発展するリスクのある疾患であることを理解してください。

 

 

第2章    生活習慣

 

Q 1 

CKD患者に禁煙は推奨されるか?

 

A1

 CKD進行やCVD発症および死亡リスクを抑制するためにCKD患者に禁煙は推奨されます。

 

Q 2 

CKD患者の適度な飲酒量はどの程度か?

 

A2

CKD患者を対象とした観察研究が少なく,適度な飲酒量についての推奨は困難です。

 

 

Q 3 

CKD患者の睡眠時無呼吸症候群に対する治療は推奨されるか?

 

A3 

CKD患者の睡眠時無呼吸症候群に対して治療を行うよう提案します。

 

Q 4 

CKD患者にワクチン接種(肺炎球菌ワクチン・インフルエンザワクチン)は推奨されるか?

 

A4

CKD患者における肺炎球菌ワクチンおよびインフルエンザワクチン接種の感染予防効果は明らかではないが,ワクチン接種後の抗体価の上昇が認められており,接種するよう提案します。

 

 

杉並国際クリニックからのコメント

禁煙は、患者指導の基礎の基礎であり、教養ある社会人として、東京のような人口密度の高い大都市で生活するのであれば、なおさら最低限度のマナーの一つであると考えます。そして、ワクチン接種(肺炎球菌ワクチン・インフルエンザワクチン)は必ず接種してください。

 

喘息や慢性気管支炎あるいは狭心症や心筋梗塞の既往があるにもかかわらず、禁煙する意思のないかたも少なくありません。中には肺癌で手術を受けて片肺になって酸素療法をしているのにタバコを吸い続ける強者までいらっしゃいます。

 

喫煙者は喫煙継続のためには実にしたたかな言い訳をして、ときには禁煙指導者を敵視することさえあります。そうした喫煙者の口からしばしばこぼれ出てくる言葉が「医師はサービス業ではないのか?」とか、「患者中心の医療の時代だろ?」などの表現です。こうした言葉を頻繁に使っている患者さんの中には、言葉の意味を弁えていない人が少なくありません。  

 

まさか<無料で物や労務の提供をする業務をする人である>とまで思い込んでいるひとは居なくなりましたが、<お客様相手の商売人で、お金さえ払えばわがままをきいてくれて当然の仕事をする人>と考えている方は、残念ながら未だに後を絶ちません。このような方たちは、無責任で無教養なカタカナ日本語のニュアンスで感覚的に受け止めている人たちであって、彼らの理解のレベルといえば、ひどいものです。試みに、サービス業に関する彼らの認識のレベルを分類してみます。

 

レベルⅠ:商売で、値引きしたり、おまけをつけたりすること。

 

レベルⅡ:商売で、客をもてなすこと。

 

少なくとも、そうした彼らには、以下のレベルでの理解を期待することは経験上極めて困難です。言語である英語のServiceには以上のような意味はありません。

 

「医師はサービス業ではないのか?」とか、「患者中心の医療の時代だろ?」と発言する人は、せめてレベルⅢもしくはレベルⅣの意味を前提として発言していただきたいものです。

 

 

レベルⅢ:人のために力を尽くすこと。

 

レベルⅣ:質的財貨を生産する過程以外で機能する労働。用役。役務。

 

これに対して杉並国際クリニックが目指す医療は、次のレベルⅤの意味を前提とするものです。

 

 

レベルⅤ:プロフェッションとして人のために尽くすこと。プロフェッションとは,西欧で,宗教家・医師・法律家の3つを指し,「人のために尽くすよう天地神明に誓うことが求められる専門職」という意味の言葉です。

少し脱線してしまいましたが、この記事をお読みになっている皆様には必要のないコメントであったかもしれません。

「安くて便利、良心的というキャッチは、多くの皆様方にとっては魅力的なようですが、多くの消費者にとっては落とし穴であることが多く私は常に警戒しています。」

 

 

なぜ、インフルエンザが流行するのかについての確かな情報は得られていません。多くは仮説の域を脱していないようです。そもそもインフルエンザは、どのようにして人から人へと感染していくのでしょうか。

 

インフルエンザは、安くて便利を志向し、公共心が乏しく、自己中心的で、目先の損得勘定に走りがちで、なおかつ無知に加えて傲慢、スマホ情報を盲信する横着な大衆が増加するほど流行する感染症です。

 

 

ゾフルーザ®の出現でインフルは減少するか?

 

 

たった1錠で治せる便利なインフルエンザ薬に対する懸念

 

塩野義製薬(大阪市)が開発、昨年発売したゾフルーザは、タミフルのように5日間連続でのみ続けたり、吸入が必要だったりする従来の薬と比べ、1回錠剤をのめば済み便利な夢の薬というイメージで24日TV東京の大衆番組の話題になったそうです。安くて便利を志向し、公共心が乏しく、自己中心的で、目先の損得勘定に走りがちで、なおかつ無知に加えて傲慢な大衆には受けが良いはずです。

 

このような人々の口から発せられる言葉を列挙してみます。

 

タイプ1:

「インフルエンザにかかるやつは気合が足りぬ!」

(どの時代の発想でしょうか?)

 

タイプ2:

「何もしなくてもインフルエンザに罹らないかもしれないのに、ワクチンするのはもったいない。」

(ワクチン接種で命拾いできるかもしれないのに?)

 

タイプ3:

「ワクチンを接種した翌日にインフルにかかった!」

(流行シーズンに入る前に早目に接種しましょう。すでに、予防接種なので、あなたのように、すでに罹っている人には効きません。)

ゾフルーザ®登場によって、新種のバカの増殖が懸念されます。

 

タイプ4(新型):

「インフルエンザに罹っても、たった一錠の薬で治るのだったら、便利で安くて、お得、合理的、手洗い面倒、マスク面倒、ワクチン料金もったいない。俺って超賢い!」

(そういうあなたは、大損するかもしれませんよ!!)

 

 

さて、ゾフルーザの番組放映があった同日の1月24日に、皮肉なことに、 国立感染症研究所は、新しいインフルエンザの治療薬「ゾフルーザ」を使った患者から、治療薬に耐性をもつ変異ウイルスが検出されたと発表しました。

 

この日は、くしくも国立感染症研究所での発表があった日ですが、こちらの情報にすぐにアクセスするのは限られたスペシャリストに過ぎません。

 

しかし、臨床試験の段階から、従来のインフルエンザ治療薬より耐性ウイルスが生まれやすいと指摘されていたため、当院では当初から処方を控えてきました。1日1回内服の翌日から通常通りに出勤してしまう人は、とても危険だと思います。自分が治っていないばかりでなく、周囲にうつしてしまう可能性が大です。

 

その理由を説明しましょう。ゾフルーザの臨床試験では、耐性変異ウイルスの検出率が12歳未満で23・3%、12歳以上で9・7%と高いため耐性ウイルスが広がると薬の効果が薄れることが懸念されます。これに対してタミフルの耐性変異ウイルスの検出率は0~2%程度です。註)

 

昨年12月に耐性変異ウイルスが発見されました。変異を持たないウイルスに比べて、ゾフルーザに対する感受性が約80~120倍低く、これは臨床的には、ほとんど無効であることを意味します。

 

タミフルのように5日間内服するのは厄介に感じる人がたくさんいるので、とても心配です。インフルでは最低でも5日程度は養生していただく必要がありますが、

 

タミフル服用者は、薬を服用することによって自覚が促されますが、ゾフルーザの処方を希望するようなタイプの方々には余り期待できそうにありません。ゾフルーザの処方数が延びるにつれて、インフル感染者は増えることでしょう。これは私共の大胆な予測ですが、来年から、厚労省の処理法が変更するに及んで、単純に比較検討できなくなることも懸念材料の一つです。

 

「薬の特徴を踏まえた上で適切で注意深い処方を」と呼びかける専門家もいるようですが、「ゾフルーザは使用すべきではない」と解り易く断言できないのは残念なことです。

 

 

今回のまとめ:

「第四のバカの壁」は、<しみったれ>のバカの壁、ということでした。賢い人ほど必要な努力や投資を惜しまず、誠実に社会貢献の務めを果たしています。

愚かな人ほど怠け者で<しみったれ>で丸損してしまい、周りにも不利益をもたらしてしまいます。この責任は、いったい誰が負えばよいのでしょうか?賢明な皆様、私共と一緒に対策をかんがえていただけませんか?

 

 

<お知らせ>

2月27日(水)から3月12日(火)までは、国際学会に出席します。

その間は昨年同様、国際学会や滞在中のエピソードをお伝えします。

最新の臨床医学は、2月は28日(木)までを通常通りの執筆とし、3月1日(金)から3月10日(日)までお休みさせていただき、3月12日(月)から再会します。

日本消化器病学会ホームページを検索してみました。

 

すると、「患者さんとご家族のためのガイド」が公開されていますので、ご参考になさってください。

 

規定により直ちに転載できませんので、「消化性潰瘍」の概要を紹介し、コメントを加えることにしました。

 

 

Q7 

ピロリ菌の除菌治療は、どうするのでしょうか?

 

Q7-1

ピロリ菌の除菌治療は、どんなお薬を使うのですか?

 

A7-1

最初の治療は、胃酸分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬またはカルシウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)と2種類の抗生物質(アモキシシリン、クラリスロマイシン)を7日間内服します。これらの3種類の薬がパックになった製剤があり、内服を忘れないために便利です。

 

ただし、除菌の成功率は70~90%程度で、失敗の理由としては、①きちんと薬を服用できていなかった場合、②抗生物質が効かない場合(近年では、クラリスロマイシンが効かない耐性菌が増えていることが懸念されています。)

 

なお、除菌治療がある程度成功したように自覚できる場合であっても、ピロリ菌が残っていると、いずれ潰瘍が再発するおそれがあります。そのため、除菌の成否を確認することが重要です。もっとも正確な除菌判定法は尿素呼気試験ですが、プロトンポンプ阻害薬の影響を受けるために、この方法での除菌判定は、プロトンポンプ阻害薬の内服終了から4週間以降に行います。

 

杉並国際クリニック(高円寺南診療所改め)では、ピロリ菌感染の診断には、プロトンポンプ阻害薬の影響を受けず、検査法も煩雑ではない血中抗体検査でピロリ菌除菌後の評価を行っています。検査の結果、1回目の治療で除菌できない場合は、お薬を少し変更して二次除菌を行います。

 

Q7-2

ピロリ菌の二次除菌とは、どんな治療ですか?

 

A7-2 

1回目の除菌が成功しなかった場合に、お薬を替えて行う2回目の除菌療法を二次除菌と呼びます。二次除菌は、プロトンポンプ阻害薬またはP-CAB・アモキシシリン・メトロニダゾールを7日間服用します。

 

二次除菌の際に気をつけるべきこととして、メトロニダゾールの服用時はお酒を飲むことが禁じられています。

 

二次除菌の成功率は約90%であるため、2回の除菌により約97%の人は除菌に成功します。

 

 

Q7-3

二次除菌に失敗した後にも治療できるのですか?

 

A7-3 

二次除菌に失敗しても三次除菌を行うことはできます。しかし、三次除菌は保険診療では行えないため、自費での治療となります。除菌治療による副作用の多くは軽い軟便程度ですが、薬疹や重い下痢が見られた場合は、速やかに主治医に相談するようにしましょう。一度、除菌が成功すれば、ピロリ菌の再感染はまれであり、除菌後にピロリ菌が再陽性となるのは、年間0~2%程度とされています。

心療内科についてのQ&Aをご紹介いたします。

 

大学病院の心療内科のHPを紹介しております。

 

まずは、東北大学心療内科です。

 

<杉並国際クリニックの立場から>でコメントを加えることにしました。

 

東北大学付属病院のホームページから

 

心療内科のご案内

 

対象疾患と診療内容

 

消化器疾患 (その3)

治療法としても、薬物療法だけでなく、自律訓練法、交流分析法、認知行動療法、絶食療法を行っています。東北大学病院心療内科の機能性消化管障害に関する診療・研究レベルは世界的に高い評価を得ています。

 

機能性消化管障害に似ていますが、明瞭な消化管運動異常を示す疾患群には消化管機能検査が必要です。この消化管運動異常症の代表は、【慢性偽性腸閉塞(CIPO)】や【重症便秘】などの小腸・大腸運動異常、【ガストロパレーシス】などの胃運動障害、【食道アカラシア】や【膠原病による食道運動障害】などの食道運動異常などです(図2)。治療は、食道アカラシアに対しては、バルーンを用いた食道拡張術を施行しています。これらの疾患群の根本には筋層間神経叢変性などがありますので、外科、内科各科、総合病院と連携します。

 

 

<杉並国際クリニックの立場から>

<東北大学病院心療内科の機能性消化管障害に関する診療・研究レベルは世界的に高い評価を得ています。>その通りです。消化器内科や心療内科の指導医・専門医で、これを疑問視する人は皆無だと思います。

 

たしかに、消化管運動異常症としては、【重症便秘】などの小腸・大腸運動異常、【ガストロパレーシス】などの胃運動障害、等が代表的疾患であり、東北大学病院心療内科の得意分野であると思われます。

 

ただし、【慢性偽性腸閉塞(CIPO)】、【食道アカラシア】や【膠原病による食道運動障害】などの食道運動異常は、消化器内科の専門領域ではあっても、心療内科の領域であるとは考えにくいです。

 

ここでは、心療内科が取り組む小腸・大腸運動異常による【重症便秘】について概説することにします。これは、慢性便秘(症)の分類に当てはまらない便秘症です。症状として排便困難感や残便感を訴えるが、大腸通過時間検査や排便造影検査等による精査を行っても異常を認めず、大腸や直腸内に非生理的な便の貯留を認めない状態です。

 

「慢性便秘症診療ガイドライン2017」に準拠して原因、症状ならびに病態から慢性便秘を考える消化器内科医の定義と分類からすれば、真の便秘症ではないこととされてしまう可能性があります。しかしながら、便秘とは、量的にも質的にも生理的排便ができない状態です。したがって、毎日排便があっても、その排便がスムーズでなく不快であれば、便秘であることには変わりがないはずです。

 

排便することに反復的・持続的な思考や衝動を持ってしまう排便強迫性障害(排便強迫神経症)であると考えられます。背景としては、過去に排便に関する辛い経験をしたことがある人に発症することが多いようです。

 

便秘の重症度

便秘の重症度は、過去1週間を振り返って便秘の症状がどうであったかを記録した。便秘の症状については、下記の5段階で評価した。

 

0:なし(便秘の症状が全くない)

 

1:軽度(便秘の症状がほんのわずかある)

 

2:中程度(便秘ではあるが、便秘の症状は強くない)

 

3:重度(便秘が強く排便が困難である、またはトイレに行ってもわずかな

排便感しかない)

 

4:きわめて重度(頑固な便秘、排便がほとんどない、またはトイレに行って

もほとんど排便感がない)

<東洋医学の話をしよう2ー氣・血・津液(7)ーまとめ >

 

<はじめに>

前回まで氣・血・津液・臓腑の触りの部分までお話しました。

たくさんの用語が出てきて、混乱された方もいらっしゃるかと思いますので、

ここで一旦、今までの話を復習しましょう。

 

 

 

 

<(鍼灸)東洋医学の話をしよう1ー人体を構成する3つの要素>

では、

 

東洋医学では人体が3つの要素で構成されていることをお伝えしました。

人体を構成する3つの要素とは

 

氣(き)」、「五臓(ごぞう)」、「経絡(けいらく)」であると言うお話でした。

 

 

<東洋医学の話をしよう2ー氣・血・津液・精・神(1)>

では、

 

「氣」の作られ方について解説しました。

 

・「氣」は「精(せい)」が変化したもので、

 

・「精」は「先天の精(せんてんのせい)」「後天の精(こうてんのせい)」の2つの種類があり、

 

・「先天の精」は両親から受け継いだのもで「腎」に蓄えられ、

 

・「後天の精」は飲食物から消化器官である「脾・胃」で作られ「先天の精」を補充する

 

というお話でした。

 

 

 

<東洋医学の話をしよう2ー氣・血・津液・精・神(2)>

では、

 

「氣」の身体内の働きによって4つに分類され、

 

・氣には働き方によって「元氣(げんき)」、「営氣(えいき)」、「衛氣(えき)」、「宗氣(そうき)」に分類され、

 

・「元氣」は生命活動の原動力であり

 

・「営氣」は全身を栄養を送り

 

・「衛氣」は身体を病原体などから防衛し

 

・「宗氣」は心肺機能を支えて氣や血(けつ)(血液)や津液(しんえき)(水)を循環させる

 

というお話をしました。

 

 

 

<東洋医学の話をしよう2ー氣・血・津液・精・神(3)>

では、

 

氣の役割についてお話しました。

 

・氣には5つの役割があり

 

推動(すいどう)作用ー臓腑、経絡の活動、血液を巡らせ、

 

防御(ぼうぎょ)作用ー身体を病原体や外部の環境から守り、

 

固摂(こせつ)作用ー体液が無駄に出てしまうのを防ぎ、

 

気化(きか)作用ー氣が*血や*津液に変化させ、

 

温煦(おんく)作用ー全身を温める

 

というお話をしました。

 

 

 

<東洋医学の話をしよう2ー氣・血・津液・精・神(4)>

では、

 

血(けつ)」と「津液(しんえき)」について説明しました。

 

・「血」は血管内の赤い液体で「営氣」とともに流れ、

 

・「津液」は体内の水分の総称で無色透明であり

 

・「血」「津液」は体内を循環して栄養を運び身体を潤す

 

というお話をしました。

 

 

 

<東洋医学の話をしよう2ー氣・血・津液・精・神(5)>

では、

 

「五臓」と「血」(血液)の関係についてお話しました。

 

・「氣」から「血」が作られる(氣化(きか)作用)

 

・「氣」と「心」の働きによって「血」は身体を流れる(推動(すいどう)作用)

 

・「氣」と「脾」の働きによって「血」が体外に漏れない(固摂(こせつ)作用)

 

・「肝」は「血」を貯蔵する

 

というお話でした。

 

 

 

<東洋医学の話をしよう2ー氣・血・津液・精・神(6)>

では、

 

    「津液」と「氣」の関係についてお話しました。

 

・「氣」が変化して「津液」になる(気化作用)

 

・「氣」は「津液」を身体中に巡らせる(推動作用)

 

・「氣」は「津液」を身体から漏らさない(固摂作用)

 

    というお話でした。

 

     それぞれの表題をクリックすると、該当するページに飛びますので、読んでみて下さい。

 

      来週から、臓腑の話が始まります。よろしくお願いします。

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

三和生薬株式会社のHP「よくあるご質問」をご紹介しております。

 

Q

漢方薬をオブラートに包んで服用しても良いですか?

 

A

漢方薬は、本来その香りや味も重要な薬効の一つです。しかし、どうしても苦手な人がいるのも事実です。止むを得ない場合はオブラートに包んで服用しても問題ありません。胃の中で早く溶けるように少し多めの白湯(さゆ)を一緒に飲むのを忘れずに!

 

 

<杉並国際クリニックからのメッセージ>

漢方薬がどうしても苦手な人には、治療の必要性があっても、敢えて内服を勧めません。その理由は、不快な有害反応が若干発生しやすくなるからです。

 

しかし、何とか漢方薬を服用できそうな方には、治療の必要性があれば、積極的にお勧めしています。今まで内服の経験の無い方ばかりでなく、これまで漢方薬を我慢して内服していた方であっても、お薬に慣れて内服が苦でなくなり、あるいは習慣になり、また効果が出始めると、親しみを感じて美味しく感じられるという方もいらっしゃいます。

 

漢方薬の飲み方については、クラシエ薬品のウェッブサイトが役に立つと思いますので、紹介します。

 

クラシエ薬品が運営する医療用医薬品ウェブサイト

 

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に杉並国際クリニックからのメッセージを加えています。

 

蕁麻疹②

Q2 

蕁麻疹にはどのようなタイプがありますか

 

A

蕁麻疹は、大きく4つのグループに分けられます。明らかな原因がなく自発的に症状が現れる特発性の蕁麻疹、特定の刺激により症状が出る刺激誘発型の蕁麻疹、目や口などの皮膚、粘膜が腫れ上がる血管性浮腫、そして蕁麻疹関連疾患です(表)。刺激誘発型の蕁麻疹の中には、特定の食べ物や薬などで症状が現れるアレルギー性の蕁麻疹、アレルギーではない薬剤による蕁麻疹、特定の物理的な刺激により現れる物理性蕁麻、発汗刺激により起こすコリン性蕁麻疹などがあります。物理性蕁麻疹では、皮膚が擦れた時に現れる機械性蕁麻疹、冷たいものに触れて起こる寒冷蕁麻疹、日光に曝されて起こる日光蕁麻疹などが主な病型です。なお、これらは一つだけが現れる他に、患者さんによっては複数の蕁麻疹の病型を併せ持っていることも少なくありません。

 

 

杉並国際クリニックからのメッセージ

蕁麻疹の特徴は個々の皮疹の経過にあります。つまり、痒みを伴う紅斑が24時間以内に出没することが確認できればほぼ蕁麻疹と考えて良いということです。しかし,その対処のしかたは蕁麻疹の種類により大きく異なり,緊急性の判断と正しい病型診断が重要です。

 

また,蕁麻疹の発症機序,膨疹出現の直接刺激,およびその他の臨床的特徴は多岐に亘り,かつそれらが必ずしも1対1に対応しないのが問臨床上での困難な点です。

 

「蕁麻疹診療ガイドライン2018日本皮膚科学会ガイドライン」の分類(表2)は,主として臨床的な特徴に基づくもので,症例によっては二つ以上の蕁麻疹の病型が認められることがあり,また,必ずしもこれらの分類に当てはまりにくいものもあります。

 

それゆえ,診察に際しては個々の症例における蕁麻疹の全体像を捉え,各病型の特徴を踏まえてゴールに至るための道筋を見いだすことが大切です。

 

なお、今回のガイドラインの改訂により、急性蕁麻疹と慢性蕁麻疹の境界を発症後1カ月から6週間に変更し,血管性浮腫の病型が改定されました。

 

 

表2 蕁麻疹の主たる病型

Ⅰ.特発性の蕁麻疹 spontaneous urticaria

1. 急性蕁麻疹 acute spontaneous urticaria(発症後6週間以内)  

2. 慢性蕁麻疹 chronic spontaneous urticaria(発症後 6週間以上)

 

Ⅱ.刺激誘発型の蕁麻疹(特定刺激ないし負荷により皮疹を誘発することができる蕁麻疹)inducible urticaria※

1.アレルギー性の蕁麻疹 allergic urticaria  

2.食物依存性運動誘発アナフィラキシー FDEIA  

3.非アレルギー性の蕁麻疹 non-allergic urticaria  

4. アスピリン蕁麻疹(不耐症による蕁麻疹)

aspirin-induced urticaria(urticaria due to intolerance)  

5. 物理性蕁麻疹physical urticaria

(機械性蕁麻疹mechanical urticaria,寒冷蕁麻疹cold urticaria,

日光蕁麻疹solar urticaria,温熱蕁麻疹heat urticaria,

遅延性圧蕁麻疹delayed pressure urticaria,

水蕁麻疹aquagenic urticaria)  

6.コリン性蕁麻疹cholinergic urticaria  

7.接触蕁麻疹contact urticaria

 

Ⅲ.血管性浮腫 angioedema  

1.特発性の血管性浮腫 idiopathic angioedema  

2. 刺激誘発型の血管性浮腫 inducible angioedema

(振動血管性浮腫 vibratory angioedemaを含む)  

3. ブラジキニン起因性の血管性浮腫

bradykinin mediated angioedema  

4.遺伝性血管性浮腫 hereditary angioedema(HAE)

 

Ⅳ.蕁麻疹関連疾患 urticaria associated diseases  

1.蕁麻疹様血管炎urticarial vasculitis  

2.色素性蕁麻疹 urticaria pigmentosa  

3.Schnitzler症候群およびクリオピリン関連周期熱症候群

 

※国際ガイドラインでは,6週間以上続く蕁麻疹は刺激誘発型の蕁麻疹を含めてchronic urticariaに分類されます。