ロシアの医師の惨状

 

С «обычными больными» наша система здравоохранения, как правило, не церемонятся. «Поступил приказ: чтобы снизить смертность – выписать, кого можно успеть! Представляете, звонок: "Срочно заберите своего родственника домой!". И проклятия в адрес врача, потому что больную старушку в период эпидемии брать в семью страшно», - пишет супруга врача Галина Неволина на своей странице в Фэйсбуке.
К тому же выяснилось, что попасть в больницу на лечение с подозрением на коронавирус «простому смертному» совсем не просто.

私たちの国の医療制度は一般的に「普通の患者」にとっては、敬意が払われていない。<指示が下されました。死亡率を下げるように、手間取る者の名前を書きだすように!と。コールがあった時のことを想定してください。「あなたの身内を大至急自宅に連れて行くように!」と、そこで医師を呪うことになります。疫病のさなかに病気の高齢女性を家に連れ帰すなんてあまりにも酷い>と医師の妻であるガリーナ・ネヴォリーナは自分のフェイスブックに書きました。それだけではありません。コロナウイルス感染疑いで「危篤」な患者を治療のために病院にたどり着かせることが至難の業であることが明らかになりました。

 

«Муж, который без средств защиты несколько недель лечил больных коронавирусом, в конце концов сам заболел. Вызвал врача из поликлиники, врач дал больничный, сказал, что через сутки возьмут тест (мазок из носоглотки). На этом помощь государства и закончилась! Мазок взяли, сказали, что будет готов через два дня. Но тест не был готов и через 4 дня! Обоняния нет, еда вызывает отвращение... Супруг сам сбивал температуру лекарствами, которые были под рукой дома. Постоянно звонил в поликлинику с просьбой сделать КТ легких. Зав. поликлиникой ответил, что КТ делают по ОМС только после подтвержденного теста. А в больницу – только после подтвержденного по КТ диагноза «пневмония". Только на 5-й день пришел результат теста, который подтвердил у мужа коронавирус. И снова: "Ждите!" »

「夫は無防備で何週間もの間、コロナウイルス感染患者の治療に当たっていましたが、ついに自分自身も病に倒れてしまいました。クリニックから医師を呼び、その医師はある病院を指定し、その日のうちに検査(鼻咽頭からの擦過検体)をしましょうと言いました。それは国がしてくれた最後のことでした!擦過検体を採取した医師たちは、一両日後に準備が整うと言いました。それがすでに4日経っていても準備ができませんでした!嗅覚は失われ、食べ物を見るとむかつきを覚えると…夫は自宅にあった薬で自ら解熱を図りました。クリニックにはずっと肺のCTスキャンの検査を要請していました。クリニックの院長はCTスキャンは検査で診断が確定した後にOMSだけに行うと回答しました。つまり、肺炎の診断が確定した場合だけだということなのです。」「第5病日に至ってようやく検査結果が出て、夫のコロナウイルス感染は確定しました。すると再び『待て!』」とのことでした。

 

<これを訳していて、ロシアという外国のことには思えず、とても切ない思いがこみ上げてきました。現在の日本の状況も全くこれと同じです。未知のウイルスに対してはいずれの国の医師も弱者であり殉教者なのです。極限状態では懸命に救おうとしている患者やその家族からでさえも、精神的な迫害を受けるのも同じのようです。>

認知機能が低下した状態である認知症とは、何らかの「脳の疾患」によって、「認知機能」が障害され、これによって「生活機能」が障害された状態をいいます。

 

そして、このような「脳の疾患―認知機能障害―生活機能障害」の3者の連結を中核にして、さまざまな「身体疾患」、さまざまな「行動・心理症状」、さまざまな「社会的困難」が加わって、認知症の全体像が形づくられます。

 

認知機能の評価法と認知症の診断(その2)

2) 認知機能検査(スクリーニング検査)

認知機能障害が疑われる場合には、以下の表1に示すような認知機能検査を行うことが望ましいです。いずれもスクリーニング検査であり、検査の目的、検査の所要時間、実施者の職種などの施設の状況に応じて検査を選択してよいとされています。
表1 認知機能検査(スクリーニング検査)

 

1) HDS-R(Hasegawa's Dementia Scale-Revised:改訂長谷川式認知症スケール)(所要時間:6-10分)
 HDS-Rは年齢、見当識、3単語の即時記銘と遅延再生、計算、数字の逆唱、物品記銘、言語流暢性の9項目からなる30点満点の認知機能検査です。
HDS-Rは20点以下が認知症疑い(感度93%、特異度86%)

 

2) Mini-Cog(2分以内)
Mini-Cogは3語の即時再生と遅延再生と時計描画を組み合わせたスクリーニング検査
2点以下が認知症疑い(感度76-99%、特異度83-93%)MMSEと同様の妥当性

 

3) MoCA(Montreal Cognitive Assessment)【検査はこちらから参照可能、検査方法はこちらから参照可能】(10分)
 MoCAまたはMoCA-J(Japanese version of MoCA)は視空間・遂行機能、命名、記憶、注意力、復唱、語想起、抽象概念、遅延再生、見当識からなり、MCIをスクリーニングする検査。
MoCAは25点以下が軽度認知障害:MCI(感度80-100%、特異度50-87%)
MoCAはMMSEよりも糖尿病患者の認知機能障害を見出すことができます。

 

4) DASC-21(Dementia Assessment Sheet for Community-based Integrated Care System-21 items: 地域包括ケアシステムにおける認知症アセスメントシート)(5-10分)
 DASC-21は認知機能障害と生活機能障害(社会生活の障害)に関連する行動の変化を評価する尺度。介護職員やコメディカルでも施行できる21の質問。
DASC-21 は臨床的認知症尺度(Clinical Dementia Rating, CDR)と相関があり、その妥当性が報告されています。

 

5) MMSE (Mini-Mental State Examination:ミニメンタルステート検査)(6-10分)

MMSEは時間の見当識、場所の見当識、3単語の即時再生と遅延再生、計算、物品呼  
称、文章復唱、3段階の口頭命令、書字命令、文章書字、図形模写の計11項目から構
成される30点満点の認知機能検査。
MMSEは23点以下が認知症疑い(感度81%、特異度89%)
27点以下は軽度認知障害(MCI)疑い(感度45-60%、特異度65-90%)1

 

5) ABC-DS(ABC dementia scale:ABC認知症スケール)【検査はこちらから参照可能】(10分)
 ABC-DSは、13項目9件法の行動観察式スケール。評価者は、介護者から患者の 
ADL, BPSD, 認知機能に関する最近のエピソードを聴取して採点。
評価方法:項目毎、ドメイン毎、13項目の和(総合スコア)及びTDD(3次元距離法)。なお、TDDはADL, BPSD, 認知機能を統合して、「一人の患者の病態」として評価する手法。
標準的スケール(DAD, NPI-D, MMSE, CDR, FAST, 長谷川式認知症スケール、EQ-5D-5L)との相関
特に臨床的認知症尺度(Clinical Dementia Rating, CDR)との併存妥当性が高いです。

 

杉並国際クリニックでの実践
当クリニックですでに採用し、実施している認知機能のスクリーニング検査は、
上記のうち、1)HDS-R(改訂長谷川式認知症スケール)(所要時間:6-10分)
および5) MMSE(ミニメンタルステート検査)です。
検査を採用するうえで重要な指標は、第一に検査の感度と特異度です。

 

1) の改訂長谷川式認知症スケール(HDS-R)の感度93%、特異度86%であり、いずれの指標も満足のいくものであるため第一選択としています。

 

5)のミニメンタルステート検査(MMSE)も、認知症のスクリーニングでは、感度81%、特異度89%であり、比較的良好である上に、軽度認知障害(MCI)のスクリーニングが可能です。ただし、その場合の感度は45-60%あまり高くないため、あくまでも参考データとして経時的変化をみることにしています。
なお今後は、軽度認知障害(MCI)の段階でのスクリーニングの重要性に鑑みて、感度がより高い

 

3)のモントリオール認知評価(MoCA)日本版の併用を検討しています。

「自粛疲れ」にせよ、「報道疲れ」にせよ、真の専門家が欠如している中で、国民の日常は大いに振り回されています。感染症の専門家は国内にも多数いますが、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)によるCovid19感染症についての自称専門家は、たかだか最近、数カ月前までは、彼らとて全くの素人だったのですからやむを得ません。

 

5月17日【日】午後9:00~10:10(70分)のTV番組(NHK総合)で、

『ビッグデータでウイルスに挑む!膨大な科学論文を専門家とAIが解析』

というタイトルに興味をもって視聴してみました。NHKの司会者と山中伸也教授とが共同して、番組を展開していきました。

 

大いに期待していたためか失望と落胆も大きかったというのが偽らざる私の感想です。

ビッグデータをAIが解析した結果抽出された論文は、すでに良く知られた論文であり、新規性に乏しいものでした。

それでも四点だけ有益だったので、感謝すべきではありましょう。それは私が予め想定していた4つの予測仮説がすべて強化されたということです。

 

仮説1)

新型コロナウイルスはRNAウイルスなので、遺伝子変異が凄まじいのではないか?

アジア型と欧州型ではウイルスの遺伝子型が異なるということが改めて確認できました。これは、単独の万能ワクチンでは対応できず、混合ワクチンを開発しなければならない可能性を示唆します。

 

仮説2)

今期のパンデミック対策には新しいワクチンは間に合わないのではないか?

ワクチンの開発から実際に使用されるまでには早くとも再来年末頃までかかりそうだということです。私は、収束まで3年を想定しています。かなりの長期戦を覚悟せねばならないでしょう。

 

仮説3)ビッグデータをAIで解析しても、英語で書かれていない貴重論文は拾い上げることはできないのではないか?

番組で示されたキーワードは全く新規性はなかったのに加え、生薬、漢方、中医学などのキーワードが見出されず、疫病に関する古典的な記録を拾い上げられそうにはありませんでした。これは、決定的な盲点だと思います。

 

仮説4)

BCG接種は新型コロナ感染症の予防には使えないのではないか?

 

番組中に山中教授が紹介したイスラエルの論文(すでに報道されていましたが)で、「BCG接種と新型コロナ感染症の罹患率との間には統計学的に意味のある差は認められなかった」という結果が出されました。

 

 

そこで、明日から、

<私が推薦するわかりやすい大木博士のガイダンス>

をご紹介することにしました。

 

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ4症例の研究

 

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。感染した人や家族の話を通して、その一端を知るため、NHKが行ったインタビューの内容をできるかぎり詳細にお伝えします。

 

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は緑文字として区別しました。

症例4:集団感染 それから起きたこと

 

4月2日取材 北見放送局 関口祥子

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。集団感染が起きた北海道北見市の展示会に参加していた60代の男性。激しい症状とのたたかいや感染後の苦境を明かしました。

 

症例4(その3)

 

第3節:「あなたコロナの肺炎になってる」 

展示会の参加者に感染者がいたことを知り、男性はすぐに保健所に電話をした。しかし検査をしてもらえたのは3日後(今では5日以上待たされるようです)。感染確認は発症から10日後(発症後10日に判明したことはラッキーでした)だった


コロナと確信持ったときは、うつるんじゃないかって。保健所への電話でも、なんとかしてくれって懇願しました。自分を早く検査してくれって。

ここ(自宅)からいなくなりたいって。だって一家全滅したら大変(その通りです。5人以上の家族が同居していたとしたら、家庭クラスター発生の可能性もありました)でしょ。

とにかく家族にうつったら大変(<戦略2:『自分を守る最良の方法は、同居の家族を守ることである』ことを理解する>)
だって、ものすごく不安でした。


あれは28日、保健所から電話来て「○○病院の発熱外来行きなさい」って。26日に「病院紹介する」って言われて、なしのつぶてだったんだけど。

 

救急車が入るところの横っちょで血をとられて「待ってなさい」って言われて。そのあと「血液から炎症反応(おそらく、赤沈、CRP=C反応性タンパク、白血球数等の検査)出てるから、別の病院で診察受けなさい」って。

それで別の病院に行ってCTスキャン受けた(北海道の北見市の方が、東京都内よりすぐれた対応を迅速に手際の良い連携プレーで実施できていることに驚かされます!)後、ドクターがバタバタって走って入って来て、ドアをがらっと開けて、「あなたコロナの肺炎になってる」って。


そのときショックを受けました。がーんと頭痛くなって(精神的ショックを受けて頭痛を来すことは、典型的な心身相関の一例です)。疑ってはいたけど、肺炎になってると思ってなかった(予め可能性を疑っていた分だけ、精神的ショックが緩和された可能性があります。まったくの想定外の事態に急激に曝されることによって病状が急激に悪化してしまうことがあります。そして新型コロナに対する医療において、最も遅れている要素の一つは精神的ケアだと思います。私は「精神感染症学」という臨床分野の確立が必要だと考えています。)


「このまま家に帰ったら呼吸不全を起こすかもしれない」(的確な判断です!)と告げられ、男性は北見市外の病院に救急搬送された(とてもラッキーでした‼)


「とにかく今悪いところを探しましょう。コロナ菌(念のためですが、医学の専門家の間では、ウイルスと「菌」を明確に区別しているため、コロナウイルスとはいっても、決してコロナ菌とはいいません)を追い出しましょう(これも、分かりやすく提示していますが、このウイルスを体外に追い出すことは不可能です。)」って。


写真見ると、大腸がばんばんに腫れてる(急性ウイルス性大腸炎を起こして、大腸粘膜に激しい浮腫を来していた可能性が疑われます)のさ。

まず下痢を止めようってなって、点滴に栄養剤入れてもらって、丸2日くらい絶食(消化管の安静のために望ましい対処法です!)したんですよ。

全く口から入れないで、水くらい。それが功を奏して、かなり腸炎のほうが改善されたと。レントゲン見せてもらったら、少しずつ腸が元に戻ってますよって。肺炎のほうもよくなってる(大腸と肺は現代西洋医学では独立して扱っていますが、中医学・漢方では、蔵<臓>としての肺と腑<はらわた>としての大腸は互いに相関するものとして理解されています。だから、肺と大腸の両方を同時に整える生薬処方も考案されていて無理なく良く効くのです!)よって言ってくれた。


絶食終わってからは五分がゆ。体力つけてコロナを体から出すんだって、とにかく食べました。熱が下がったのは3月3日。熱上がるたびに解熱剤(解熱剤の反復内服は、この方のように実証タイプで相当に体力やスタミナがある人でないと危険であることを指摘しておきます。)飲んでさ。

部屋には毛布が1枚しかないから看護師さんに頼んでもう1枚持ってきてもらって。解熱剤飲むと汗かくのさ、だーっと。それが怖いのさ。


熱が上がる、薬飲む、汗かくの繰り返し。あとはけん怠感が強い。熱が下がってもけん怠感が強く(この方が、もし虚証タイプであったならば体力や抵抗力を消耗し、肺炎を増悪させ、敗血症性ショックとなり、命の危険すら招きかねなかったかもしれません。)て、眠い。寝て過ごしていたような感じ。だから不精ひげがぼーぼーでした。

 

いやもう自分は暇持てあまして、詠んだんだ、一句。「陰性となる身は天に舞い上がり」。わはは。へたくそなんですよ。不安打ち消すために、一生懸命考えて、詠んで、直してまた詠んでっていうのを支えにやってました(大変すばらしい養生姿勢です。まさに俳人の正岡子規の現代版です。芸術とユーモアは希望と生きていることの意味を与えてくれるので、確かに、不安や恐怖を克服する力を与えてくれます。未曽有の極限状況にあってユーモアが生命力を支えてくれることを、この方は認識していて実際に体験されたようです。実存分析のフランクル博士にも通じる境地ではないでしょうか!)

 

<明日へ続く>

<新型コロナ対策:北京中医薬大学国学院院長、李良松大学院教授からのアドバイス!>

 

新型コロナウイルス肺炎蔓延制御に対する古代疫病対策からの啓発No3

 

古代瘟疫治验对新冠病毒肺炎疫情防控的启示
说天下

2020年02月11日

新型コロナウイルス肺炎蔓延制御に対する古代疫病対策からの
啓発

 

2020年2月11日

古代关于瘟疫防控与治疗措施

一、疫病に対する古代の予防・制御措置


战争、疾病和自然灾害是危害人类生命的三大重要因素。特别是烈性传染病对历代的政治、经济和文化都产生了许多负面的影响,直接造成了管理的失控、经济的萧条和文化的衰退。因此,历代封建王朝对于防疫与救灾工作都非常重要。

 

戦争、疾患と自然災害は人生に危機をもたらす3つの重要因子です。特に、重症感染症はすべての王朝の政治、経済および文化に多くの負の影響を与えてきましたが、それらが元になって管理制御不能、不況、文化の衰退に直結するものでした。したがって、封建時代の王朝の存続にとっては疫病の制御と災難からの避難が極めて重要です。

 

古代对瘟疫的防控与治疗主要有五种方法:

過去の時代において疫病を予防し制御するための5つの主要な方法があります。

 

一是地域隔离。即将防病的村镇单独划片隔离,限制人口的进出,疫区内又将病人以家庭、家族和村落为单元,单独隔离在庙宇、祠堂、闲房和草屋。

第一は地域隔離(ロックダウン)。疾病を予防しようという町村は人の出入りを厳格に制限して孤立することになります。疫病流行地の患者は寺院、祖先の廟堂、仮設住宅に隔離され、諸家族と村落は一体となります。

 

二是官方施药。即官府配好药方并煮成汤药,让疫区所有的人群趁热服下,此法一直持续到瘟疫消失为止,如苏轼从高僧所得并献出的圣散子方,即是当时防治瘟疫的良药,史称“活人无数”。

第二は公的施薬。すなわち、役所が良い処方を準備して煎じ薬を作り、それが冷めないうちに疫病流行地の全住民がそれを内服します。この措置は疫病が無くなるまで続けます。たとえば、蘇軾(註8)は高僧から聖散子方(註9)を得て、それを寄贈することによって当時の流行病を予防した。この良薬は、「活人无数=(医者などが)数えきれないほどの人命を助けた」として歴史に名を残しています。

 

(註8)蘇軾

 

(註9)「聖散子」:『蘇沈良方』、『太平恵民和剤局方』、『医方類聚』に収載。

論聖散子「普予覽《千金方》三建散,雲於病無所不治。而孫思邈特為著論,謂此方用藥節度,不近人情,至於救急,其驗特異。乃知神物效靈,不拘常制,至理開感,智不能知。今予得聖散子,殆此類也。(後文省略)」(沈括、蘇軾著『蘇沈良方』)

〇 聖散子方の組成『蘇沈良方』:草豆蒄、木猪苓、石菖蒲、高良姜、独活、附子、麻黄、厚朴、藁本、芍薬、枳殻、柴胡、沢瀉、白朮、細辛、防風、霍香、半夏、茯苓、甘草

 

三是慈善收治。古代的慈善收治有两种情况,第一是寺院收容与救治,因为只有寺院才有比较大的空间和能力,而且寺院大多远离村镇,大面积感染的风险比较小;第二是具有善心的乡绅与大户,利用自己的别院和空余房屋用于爱心救助。

第三は慈善事業。昔の慈善事業には二つの状況があります。第一には修道院の施設修養と治療、これは修道院だけが比較的広い空間を確保していて、多くの修道院が街並みや集落から遠く離れているために、大規模感染のリスクは相対的に小さいからです。第二には、大きな屋敷をもつ篤志家が、自分の敷地や屋敷を使わせるというものです。

先月の第4週のテーマは高齢者糖尿病の血糖コントロールでしたが、血糖のコントロール目標設定のためには認知機能及びADLの評価が決め手となることについて述べました。
 

今月は、その認知機能及びADLの評価について神経内科あるいは老年医学科の視点から具体的に整理していこうと思います。

 

まず、簡単に復習してみますと、糖尿病の治療目標は、年齢、罹病期間、低血糖の危険性、サポート体制などに加え、高齢者では認知機能 や基本的 ADL、手段的 ADL、併存疾患なども考慮して個別に設定します。ただし、加齢に伴って重症低血糖の危険性が高くなることに十分注意します。

注 1:認知機能や基本的 ADL(着衣、移動、入浴、トイレの使用など)、

手段的 ADL:買い物、 食事の準備、服薬管理、金銭管理など)の評価に関しては、 日本老年医学会のホームページ を参照にします。


エンドオブライフ(人生の晩年の終末期)の状態では、 著しい高血糖を防止し、それに伴う脱水や急性合併症を予防する治療を優先します。

注 2:高齢者糖尿病においても、合併症予防のための目標は原則的には 7.0%未満です。ただし、適切な食事療法や運動療法だけで達成可能な場合、または薬物療法の副作用なく達成可能な場合の目標を 6.0%未満、治療の強化が難しい場合の目標を 8.0%未満とします。その際は特に下限を設けません。カテゴリーIIIに該当する状態で、多剤併用による有害作用が懸念される場合や、重篤な併存疾患を有し、社会的サポートが乏しい場合などには、8.5%未満を目標とすることも許容されます。

 

注 3:糖尿病罹病期間も考慮し、合併症発症・進展阻止が優先される場合には、重症低血糖を予防する対策を講じつつ、個々の高齢者ごとに個別の目標や下限を設定してもよいとされます。 65 歳未満からこれらの薬剤を用いて治療中であり、かつ血糖コントロール状態が図の目標や下限を下回る場合には、基本的に現状を維持するが、重症低血糖に十分注意します。グリニド薬は、種類・使用量・血糖値等を勘案し、重症低血糖が危惧されない薬剤に分類される場合もあります。

 

 

それでは、まず認知機能の評価法について、日本老年病医学会のHPから引用し、解説を加えます。

 

認知機能の評価法と認知症の診断(その1)

 

1) 認知機能障害を疑う手がかり

高齢糖尿病患者では記憶、遂行機能(実行機能)、情報処理能力などの認知機能の領域が障害されやすくなります。遂行機能とは目的をもった一連の行動を自立して有効に成し遂げる機能で、遂行機能障害があると段取りがうまく行かず、セルフケアが困難になりえます。糖尿病患者における遂行機能障害は高血糖、手段的ADL(買い物、食事の準備、服薬管理、金銭管理など)の障害、およびセルフケアの障害と関連します。
 

記憶障害、手段的ADLの障害などは認知機能障害を疑う手がかりとなります。高齢糖尿病患者の認知機能障害は手段的ADL低下と関連すします。一般の高齢者では買い物や金銭管理の障害は最も軽度認知障害(MCI)を予測するという報告があります。
 

特に以下のような状況では認知機能障害の頻度が高いことを認識する必要があります。
 

a) 75歳以上、b) HbA1c 8.5%以上、c) 重症低血糖の既往、d) 脳卒中の既往

 

 

杉並国際クリニックでの実践

最初に実施したのは、 

a) 75歳以上の方全員のb) HbA1cを確認する作業です。

75歳以上の受診者の中でHbA1cの検査をしている方は36.4%で、そのすべて糖尿病の患者さんですが、全員6.0%未満で、データの範囲は5.5~5.9%と、すべて良好な成績でした。しかも、c)重症低血糖の既往のある方はいませんでした。

 

一方、75以上の受診者でHbA1cの検査をしていない方は63.6%に上ることが判明しました。そこで、これらの方は、健診やドックなどを活用して、最低年に一回以上、HbA1cの検査データを確認していただくことにしました。

日本東洋医学会は10日までに、新型コロナウイルス感染症やその疑いのある患者に対し、医師が処方した葛根湯などの漢方薬や、解熱鎮痛薬などの対症療法がその後の重症化の有無とどう関連があるか調べるため、医療機関に症例の報告を呼び掛けた。同学会は1000例規模を集め、統計的に解析する。
 

症例募集は医療機関が対象で、同感染症(疑いを含む)患者に対し、熱やせきなどを抑えるための対症療法として投与した薬の内容、受診開始から14日目までの症状の推移と、重症化(酸素投与)の有無などの情報提供を求めている。
 

研究事務局の東北大病院漢方内科の高山真・准教授は「感冒症状に処方する漢方薬には抗炎症・抗ウイルス効果、免疫調整作用などが報告されているものもあり、新型コロナウイルス感染症でも一定の効果が期待できる可能性がある」と説明。その上で、漢方薬を希望する際には医師や薬剤師と相談した上で内服するよう呼び掛けた。

 

以下は、日本東洋医学会からのトップページから緊急告知!

 

COVID-19 一般治療に関する観察研究ご協力のお願い

 

(軽症から中等症の COVID-19 患者(疑い含む)に対する西洋薬、
漢方薬治療による症状緩和、重症化抑制に関する多施設共同、後ろ向き観察研究)

 

目的:対症療法と重症化との関連性を明らかにする

 

令和 2 年 4 月 24 日

 

日頃より学会活動にご協力いただきありがとうございます。

COVID-19 に対する治療薬として、現在抗インフルエンザ薬(ファビピラビル等)、抗 HIV 薬(ロピナビル・リトナビル等)の治験が進んでおりますが、有意に効果がある標準治療はいまだ確立されていません。

このため臨床の現場の医療者の皆様におかれましては、現状 COVID-19 患者への対応に苦慮されていることと存じます。

今後さらに COVID-19 患者数が増加した場合、それに伴い重症患者数の増加も見込まれることから、医療ニーズ(マンパワー、酸素、人工呼吸器、ECMO など)は加速度的に増えることが予想されます。すなわちこのままですと医療崩壊のリスクはますます高まっていくと思われます。

 

そこで日本東洋医学会では、重症化に伴う医療ニーズ増加の抑制に少しでも寄与すべく、COVID-19 患者に対する様々な対症療法と重症化との関連性を明らかにすることを目的とした後ろ向き観察研究の準備を現在進めています

(研究事務局:東北大学病院)。

 

・実施されました対症療法の内容(アセトアミノフェン頓用、総合感冒薬内服、漢方薬の葛根湯や柴胡桂枝湯など)

 

・14日目までの症状の推移

 

・重症化指標(14 日目までの酸素投与の有無)
を治療後に症例登録表(匿名化)にご記入いただき、これを集計して事務局にてデータベースを構築します。

 

第二に、構築したデータベースを解析して、重症化と選択した対症療法との関連性を明らかにします。

 

第三に、この研究結果につきましては COVID-19 の今後の治療に役立つよう広く情報発信致します。

 

つきましては、COVID-19 患者を診療した医療者に皆様におかれましては、是非とも症例登録のご協力をいただきたく存じます。ご協力いただける方がいらっしゃいましたら、下記にご連絡いただければ幸甚です。後程詳細資料、手順書などをお送りさせていただきます。

 

是非、ご協力のほどお願い申し上げます。

 

一般社団法人日本東洋医学会  会長 伊藤 隆

 

 

コメント:

上記の研究の結果を実際の診療に使えるようになるのは相当先の話です。
それでも、研究参加者を募っているのは、発症のピークを先延ばしすることによって、急激な患者増が発生しないようにする戦略を取っているからです。つまり、現状の方向性が続く限りにおいて、今後の第何波かのピークの際には幾分役に立つかもしれないからです。

 

しかし、当クリニックでは、アセトアミノフェン頓用、総合感冒薬内服はおろか、漢方薬として葛根湯や柴胡桂枝湯などは予防や治療の有力候補リスト外であるため、このプロジェクトには参加しておりません。むしろ、私共がすでに実施し、実績を重ねている方法が、さらにどれだけ有効であるかの検証を進めていきたいと考えています。

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ4症例の研究

 

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。感染した人や家族の話を通して、その一端を知るため、NHKが行ったインタビューの内容をできるかぎり詳細にお伝えします。

 

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は緑文字として区別しました。

症例4:集団感染 それから起きたこと


4月2日取材 北見放送局 関口祥子
新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。集団感染が起きた北海道北見市の展示会に参加していた60代の男性。激しい症状とのたたかいや感染後の苦境を明かしました。

 

症例4(その2)

第2節:数日後「なんか変だな」 
2月の18日、19日(14日、15日の展示会から約4日経過しての発症。WHOによると潜伏期は1から12.5日、多くは5~6日、厚生労働省によると14日以内としています)あたりにね、悪寒ていうのかな、寒気がする状態(ひょっとしたらアレルギー性鼻炎があって、大きな声で話をして、お酒を飲んで賑やかにするタイプの方かもしれません。漢方薬では「麻黄湯(まおうとう)」が効き易いです。もしかするとスモーカーかも。杉並国際クリニックの前身である高円寺南診療所の時代には、このタイプの方がたくさんいらっしゃいました。慢性的に鼻咽頭や気管支等の気道粘膜に炎症がある方は、それに慣れてしまって喉の痛みなどを感じないことがあります。普段から喉が荒れている可能性もあります。そういうタイプであれば、常備薬セットNo2. 金羚感冒散(きんれいかんぼうさん)が奏功します)でした。

ふだんはセーターなんか着ない(中医学・漢方では、「実証」という暑がりの体質であることを示唆します)んだけど、セーター着て仕事してたんです。なんか湯冷めするなって感じで布団に入ってもあったまんない。


熱なのかなっていうのは昼すぎから感じてた(実証の人は、体力やスタミナに自信がある人が多いが、その分、体調の変化を気づきにくいという弱点があります)

たまたまその晩、飲み会があった(アルコール摂取は、ウイルス感染症を増悪させます)

自分が言い出しっぺだったから断れなくて、焼き肉行ってすごくおいしかった(感染初期であり味覚・嗅覚は維持され、むしろ食欲旺盛、これも消化器系が丈夫な「実証」の特徴)

でも、なんか具合悪いな、なんか変だなって思って、途中でちょっとトイレ行きたくなって、どうもならん感じになって、うちにタクシーで帰ったら37度8分くらい(体温には個人差があるため、一律に37.5℃以上、といった基準より、平熱より1度以上高い状態、といった目安の方がまだ妥当であったのではないかと考えます。)をかな、発熱(この方の平熱を仮に36.5℃程度だとすれば、37.8℃もはや微熱の域を超えて中等度発熱でしょう。このよう発熱の程度の凡その目安をつけられるようにするためには、普段の自分の平熱の範囲をきちんと把握しておくことも大切です)してる。


これはかぜかインフルエンザだと思って、一緒に飲んでた友達にLINE送って。「俺発熱してるから、かかったら大変だから気を付けて」(素晴らしい対処法です!)って。LINEが返ってきて冗談で「コロナかもしれないね」(互いにそのように警戒しておくことは、更なる感染拡大を防ぐためにとても大切です。<戦略1:『自分はすでに新型コロナウイルス感染者である』という認識で行動する>)でなんて言ってね。

「間が悪いね」(インフルエンザと新型コロナの症状は、初期には区別がつかず、また肺炎になると肺炎球菌性肺炎との鑑別も必要なので、毎年のインフルエンザ・ワクチンと該当年齢に達したら2種類の肺炎球菌のワクチンは接種しておくことによって冬季の感染症の罹患リスクをトータルで低くすることができます。きちんと接種しておくことをお勧めします)ないので、っていうやりとりはしました。


僕としては嗅覚や味、そういうものは違和感なかった(鼻咽頭から上部消化管症状は維持されているタイプ)。咳や痰も全然ない(呼吸器症状が先行しないタイプ)んですよね。

ただ、下痢(下部消化管症状が顕著なタイプ⇒常備薬セットNo3. 藿香正気散(かっこうしょうきさん)の出番です。この段階で内服を始めていれば、この後の経過はずっと楽だったと思います。)

下痢と発熱。もう下痢が半端じゃない(激しい下痢に伴う、体液バランスの混乱、脱水による全身状態の悪化に伴う急性肺炎の発症に注意)

トイレに1日に5、6回は行ってるんじゃない。なんでこんなひどいのかなって。

 

24日は振替休日でしょう? けん怠感すごかったから、いつも行ってる病院に点鼻薬もらいかたがた熱を診てもらった。インフルエンザだったら嫌だから検査(私は、従来からインフルエンザキットによる検査は実施しないことにしていました。この検査が普及することによるメリットよりデメリットが多いと考えてきたからです!当り前のようにこの検査をするのが常識になっていましたが、かえって感染を拡大させている可能性を憂慮してきました。この件に関しては、いずれ改めて!)してもらったら「大丈夫、インフルでないよ」って言われたから、あーよかったよかったなんて言って。


でも25日になっても熱下がらんし(この段階で、常備薬セットNo4候補の「地竜(じりゅう)」という熱さましを使用していたら、その後もずっと楽だったと思います)

そしたら展示会の主催の会社からね、25日か26日に電話かかってきて、「コロナの患者が2人いた」(孤発例=感染源が特定できない感染者、ではないことを意味します。これは同時にクラスターが形成された可能性を示唆します)って聞いて。

これは間違いない、コロナだって確信した(この方は、とても素直に冷静なリスク判断をされているので関心です)

 

<明日へ続く>

<特集:ポルトガル再発見>

 

Diário de Notícias 

リスボンで発行されているポルトガルで最も有名な全国紙であり、内容は、政治から文化、スポーツなど多岐に渡っています。ポルトガル政府のスポークスマン的な存在の新聞です。しかし、これは単なる御用新聞以上の価値を持っているようです。

 

ポルトガルの政治の中枢を担う首相と財務大臣にまつわるニュースですが、国民とのおよび閣僚間での説明責任を果たすことが、個人的および政治的信頼(信任)に直結することの好事例であり、メディアの視点も健全です。また、新型コロナウイルスの蔓延で、いずれの国々も金融政策・経済政策・社会政策など大きな動きが出ています。このような時こそ、リーダーの説明責任が問われるところです。

 

Dia agitado termina com Costa a manter a "confiança pessoal e política" em Centeno

慌ただしい一日は、コスタ(首相)がセンテーノ(財務大臣)への「個人的・政治的信頼」を維持して終了

 

O primeiro-ministro e o responsável pela pasta das Finanças estiveram reunidos em São Bento, onde foi esclarecida a falha de informação sobre a injeção de 850 milhões de euros no Novo Banco. Após o encontro, Costa reafirmou "publicamente a sua confiança pessoal e política" em Centeno.
Susete Henriques

首相と財務省のトップがサンクトゥで会談し、新銀行への8億5000万ユーロの注入に関する情報不足が解消された。会談後、コスタ氏はセンテーノ氏について「公に彼の個人的、政治的な信頼」を再確認した。

セステ・エンリケス

 

 

14 Maio 2020 — 00:22
novo bancoPSD, BE e CDS-PP mantêm dúvidas sobre falha na informação a Costa de injeção no Novo Banco
O ministro das Finanças esteve reunido com o primeiro-ministro, em São Bento. A injeção de 850 milhões de euros no Novo Banco foi um dos temas abordados. Centeno e Costa numa espécie de abraço "à distância" que o covid-19 permite
Foto Clara Azevedo / Instagram de António Costa

2020年5月14日00:22

新銀行PSD、BE、CDS-PPは新銀行への注入に関してのコスタからの情報欠如に疑問を呈している。財務大臣(センテーノ氏)はサンクトゥで首相と会談した。新銀行への8億5000万ユーロの注入が話題の一つとなった。センテーノとコスタは、covid-19で許される一種の "距離確保モード "での抱擁で

 

Mário Centeno fica no Governo, pelo menos para já. O primeiro-ministro, António Costa, esteve reunido, esta quarta-feira, com o ministro das Finanças na residência oficial, em São Bento. O encontro aconteceu após as declarações de ambos sobre a injeção de 850 milhões de euros no Novo Banco, antes de ser conhecida uma auditoria, tal como Costa tinha prometido. Terminada a reunião, o chefe do Governo reafirmou "publicamente a sua confiança pessoal e política" em Centeno

マリオ・センテーノ(財務大臣)は、少なくとも今のところは政府にとどまる。アントニオ・コスタ首相は今週水曜日、サン・ベントの官邸で財務大臣と会談した。会議はコスタが約束していたように監査が予定されていたときより前に行われ、新銀行に8億5000万ユーロの注入に関する声明の後に行われました。会議後、政府の長(コスタ首相)はセンテーノ氏に「個人的および政治的な信頼」を再確認した。

 

O gabinete de António Costa informou, em comunicado, que se tratou de uma reunião de trabalho "no quadro de preparação do Eurogrupo" e do orçamento suplementar, que será apresentado na Assembleia da República em junho.

アントニオ・コスタ首相の執務室からの声明の中で、これが「ユーログループの準備の枠組みの中で」の作業中の会議であり、6月に共和国議会に提出される補足予算であると述べた。

 

A reunião serviu também para serem "esclarecidas as questões relativas à falha de informação atempada ao primeiro-ministro sobre a concretização do empréstimo do Estado ao Fundo de Resolução, que já estava previsto no Orçamento de Estado para 2020, que o Governo propôs e a Assembleia da República aprovou".
Fechar

会談では、「政府が提案し、国会が承認した2020年の国家予算ですでに予定されていた解決基金への国家融資の実施について、首相への通知が間に合わなかったことに関する問題点をも明らかにする」役割も果たした。

<聖楽院>

 

臨床聖楽法(聖楽療法の理論)

 

聖楽療法の体系構成

 

第一部では、聖楽療法の理論の背景としての心身医学について概説し、そのうえで新しい心身医学の考え方を明確にしました。

 

第二部は、聖楽療法の拠点としての聖楽院とは何かについて、その起源を述べ、いくつかの心身医学的アプローチをどのように応用して発展してきたかを省察します。

 

それでは、「第二部 聖楽療法 理論と実践の性質」のアジェンダを示します。

 

第3章 臨床聖楽法の起源と基礎

 

第4章 臨床聖楽法における芸術音楽の価値

 

第5章 臨床聖楽法の理論的根拠、実践、意味

 

第6章 音楽療法モデルにおける臨床聖楽法の考え

 

第7章 現代の音楽療法の枠組みにおける臨床音楽法の考え

 

今月は引き続き第3章 臨床聖楽法の起源と基礎

をすすめていきます。

 

 

前回までは媒体としての音楽―臨床聖楽法理論の一つの基礎

というテーマでした。

 

今回から新しいテーマに入ります。

 

 

第3章 臨床聖楽法の起源と基礎

 

音楽中心の実践の核としての芸術音楽活動

 

音楽中心アプローチの主な焦点は、クライエントをミュージッキング(音楽を演奏すること)の状態に導くことにあります。エリオットは、音楽演奏におけるミュージッキングは、意図的な人間の活動の一つの特定な形であるとし、また、音楽を演奏するということは、注意深い意図的な活動であると述べています。そして、エリオットの信念では、「音楽は多様性を持った人間の活動であり、直接的な意味でも間接的な意味でも、聴覚的・時間的なパターンを構成し、主に喜び、自己成長、自己を知ることの価値を創り出すものであり、自己の成長、自分を知ること、楽しみの時間を持つということが、人間が音楽をする主要な理由であり、ミュージッキングとは人間の体験の中でも最も価値のあるものだ」とします。

 

ミュージッキングには、自己を組織し強化する活動が含まれており、人間としてこのような欲求を反映する活動に係ることを私たちは目標とします。その背景には、わたしたちが自己を成長させるという基本的な欲求と一致する活動に、楽しみや意味を見出だそうとすることが考えられます。

 

アイゲンは、音楽とは一つの体系的な知識の「情報に基づいた」活動であり、ミュージッキングには知識を行動に移すことが含まれ、しかもその知識は内在的なもので「行動の中の知識」というシェーンの表現を借用したうえで、ミュージッキングしているという意味は、他の方法では確認することのできないクライエントの認知的能力が存在することであるとしています。これは、クライエントが音楽に対して何らかの意味のある関わりをしている状態を意味します。アイゲンは、音楽療法も音楽を創り出し体験することを目的としているとしたうえで、臨床的な技とは、「クライエントがミュージッキングの状態を体験できるように援助する方法」であり、「非臨床的な状況で音楽家がミュージッキングするのと同じようにクライエントがミュージッキングを体験できるよう、その障害となるものをうまく取り除いてやること」なのである、とまとめています。この考え方は、臨床聖楽法の立場と全く一致しています。

 

音楽中心の実践では、セラピストは音楽の流れ(フロー)に従います。それはフロー体験あり、自己の発展をより複雑なレベルの自己の組織化に導くことによって達成します。そしてアイゲンはミュージッキングをフロー体験の一つの例であると指摘します。それは「音楽を創造すること自体が、そこに内在する情報化された知識の産物である」という信念があるからです。そして音楽中心の立場は、音楽的な活動の中に知的プロセスを見出そうとします。

 

臨床聖楽法は水氣道の稽古実践の中での着想にはじまるものですが、水氣道の稽古のプロセス自体が音楽のような流れ(フロー)に従うものであることが想起されます。