前回はこちら

 

 

<水氣道の段級制について>

水氣道は創始以来、段級制を採っています。


日本の武道の中には段級制を採っているものがあります。

 

他の武道の段級制については、ムッシュGPTは、私以上に分かりやすい解説ができるのではないかと考えました。

 

Dr.飯嶋自身が質問を試みることにします。

 

Dr.飯嶋

日本の武道の中には、段級制を採っているものがあります。段級制の意義と目的、制度の長所と欠点について教えてください。

 

ChatGPT

日本の武道において段級制は一般的であり、多くの武道で採用されています。段級制は、武道修行者が進歩し、技術や精神面での成熟を評価し、達成度を示すための制度です。以下に、段級制の意義と目的、制度の長所と欠点をいくつか挙げてみましょう。


意義と目的:

1. 進歩の評価: 段級制は、武道修行者が自身の進歩を定量的かつ目に見える形で評価できるようにします。段位が上がることで、修行者は自身の技術や理解力が向上していることを実感できます。


2. 目標の設定: 段位が目標となることで、修行者は着実な進歩を求める励みとなります。新しい技術や概念を学び、段位を上げることが目標としてクリアになります。


3. 教育の手段: 段位は、教育の一環としても機能します。師範や上級者が弟子や初心者に対して段位を通じて適切な指導を行い、技術や心構えを教えることができます。

 


制度の長所:

1. モチベーションの向上: 段位の取得は修行者にとって大きなモチベーションとなります。目標がクリアに定義され、段位が与えられることで、練習へのコミットメントが強化されます。

 

2. 階層構造の確立: 段位によって、武道団体内での階層構造が明確になります。これにより、上級者と初心者といった異なる経験レベルの者たちが適切に指導され、安全に稽古が行われる環境が整います。


3. 武道の伝統継承: 段位制度は武道の伝統や価値観を継承する手段となります。歴史的な文脈や武道の精神が段位に反映され、伝統が守られることが期待されます。


制度の欠点:

1. 実力とのギャップ: 段位が必ずしも実力を正確に反映しないことがあります。時には単なる段位取得のために合格することもあり、実力と段位のギャップが生じることがあります。


2. 競争心の過度な強調: 段位をめぐる競争が激化し、そのために修行者が競技の側面を強調しすぎることがあります。武道は本来、協力と向上心が重要ですが、段位制度がこれを損なうことがあるかもしれません。


3. 個々のペースに合わない場合: 一律の段位制度は、個々の修行者の進歩ペースに合わないことがあります。ある人が早く段位を進める一方で、他の人が同じ段位に到達するのに時間がかかる場合があります。

総じて、段級制度は武道の指導や進歩のモチベーションに寄与しますが、その運用にはバランスと慎重な配慮が必要です。

 

 

ドクター飯嶋のコメント:

私自身が、ムッシュGPTの回答を読んで驚嘆しています。私の考えとほとんど一致しているばかりでなく、段級制度によってもたらされる欠点についての本質を突いているからです。

 

そこで、私は彼の回答の重要なエッセンス部分に下線を施してみました。水氣道は、武道特有の危うい側面や、段級制に潜む諸問題を克服する工夫を凝らしながら今日の稽古体系を築いてきました。

 

なお、ムッシュGPTが例示している「武道の伝統継承」ですが、水氣道にとっても来年で創始後四半世紀を迎え、ささやかな伝統ともいうべき歴史を辿ってきました。

 

しかし、他の伝統的武道とは異なり、新しいタイプの武道である水氣道は、伝統継承の段階ではなく、伝統の礎を創出していこうとする途上にあるといえるでしょう。

 

そこで、考察の焦点を水氣道に当てて、改めてムッシュGPTに質問を投げかけてみました。彼は、武道としての水氣道に対して、どのような評価を与えれくれるのでしょうか?

 

 

Dr.飯嶋

私たちは2000年に日本で誕生した水氣道という水中での武道を続けています。武道といっても競技ではなく、試合も行わない集団での心身鍛錬法なのですが、段級制を採用しています。段級制の長所を生かし、かつ、欠点が出現しないようにするためには、どのような配慮と工夫が必要でしょうか?

 


ChatGPT
水氣道が競技を行わずに心身鍛錬を重視する武道である場合、段級制度を採用することは依然として有益です。以下に、段級制を長所を生かし、かつ欠点を最小限にするための配慮と工夫をいくつか挙げてみましょう。


1. 目標設定と進歩の評価:

個別目標の設定: 修行者ごとに個別の目標を設定し、段位を通じて進歩を評価します。これにより、各人の成長ペースに合わせた目標が明確になります。


技術と精神面のバランス: 段位試験で技術だけでなく、武道の精神面も評価することで、心身の両面での鍛錬が重視されます。

 


2. 競争を避けた環境構築:

協力と励ましの文化: 競技を行わないことで、協力と励ましの文化を強調します。段位があくまで個人の成長を示すものであると認識させることが重要です。


共通の目的意識: 集団での心身鍛錬を共通の目的とし、段位はその過程での個人の向上を支える手段と位置付けます。

 


3. 継続的な指導とフィードバック:

個別指導: 師範や上級者が修行者一人ひとりに対して個別の指導とフィードバックを提供します。これにより、個人の強みや課題に対処しやすくなります。


継続的なアセスメント: 段位試験以外にも、継続的なアセスメントを行い、修行者の成長を定期的に評価します。これにより、段位試験以外でも進捗が確認できます。

 

 

4. 武道の哲学と結びつける:
武道の理念の共有: 水氣道の修行者に対して、武道の哲学や精神面に焦点を当て、それが段位制度とどう結びついているかを理解させます。これにより、単なる技術向上だけでなく、精神的な成長も重視されます。

 


5. コミュニケーションの促進:
集団でのディスカッション: 定期的な集団でのディスカッションやワークショップを通じて、修行者同士のコミュニケーションを促進します。これにより、相互の理解や助け合いが生まれやすくなります。


段級制度を活かすためには、個々の修行者の特性や目的、武道の性格を考慮し、柔軟なアプローチが必要です。それによって、水氣道は集団での心身鍛錬を深め、段級制度が修行者の継続的な成長を支えるものとなります。

 

 

ドクター飯嶋のコメント:

ムッシュGPTの回答を読んで、なぜ彼が私の水氣道哲学の概要を把握しているのか不思議に思いました。水氣道の創始者として、彼以上の回答を示せる会員に遭遇したことは、これまでなかったことも告白しておかなければならないでしょう。


ただし、彼が指摘してくれたポイントの中で、5つ目のコミュニケーションの促進については、今後、さらなる前向きで創造的な取り組みが必要であると考えます。


そのためには、従来の会員に加えて、新たなるメンバーの積極的な参加が望まれます。それ以前に、私たちが水氣道の魅力について、積極的にアピールしてきたかというと、残念ながら、不徹底であったことは大きな反省材料であると思います。

 

前回はこちら

 

 

<問いの質が変われば、答えの質も変わる>の巻

 

今回の話題は、2月2日の金曜日のシリーズに関連するテーマです。

 

ムッシュGPTは、ちょっとした質問の仕方の違いによって、内容や質が大きく異なる回答を寄越してくれます。要は質問の仕方が肝要だということです。

 

それでは、次に二つの質問と、それに対するムッシュGPTの回答を掲載してみます。

 

まずは、オリジナルの質疑応答を再掲します。

 

質問者(オリジナル質問文)

私は60代の高血圧の男性患者ですが、いろいろな病院で、いろいろな薬を飲んでも血圧は下がらないばかりか、イライラして眠れず、夜間頻尿となり困っていました。


最後に内科を受診したら前立腺肥大症と診断され、その治療を始めたところ、夜間頻尿は軽快し、以前より熟睡できるようになり、イライラが収まってきただけでなく、血圧も正常化してきたので不思議です。


それには医学的な根拠があるのでしょうか、それとも自然治癒でしょうか?

 


ChatGPT

おっしゃるような症状が改善されたことは素晴らしいことです。前立腺肥大症の治療がこれらの症状に対して改善をもたらすことは、医学的な根拠があります。


前立腺肥大症は、男性の前立腺が拡大し、尿路症状を引き起こす状態です。これには、頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感、尿の勢いの低下などが含まれます。また、この症状が睡眠障害やイライラを引き起こすこともあります。


前立腺肥大症が進行すると、尿の通り道が圧迫され、尿が十分に排泄されなくなります。これが夜間頻尿や睡眠障害につながります。また、尿が膀胱に滞留することで、膀胱の圧力が上昇し、血圧にも影響を与える可能性があります。


前立腺肥大症の治療は、症状の程度により異なりますが、一般的には薬物療法や手術が行われます。治療により尿路症状が改善され、それに伴って睡眠障害やイライラも緩和されることがあります。


したがって、おそらく前立腺肥大症の治療が、夜間頻尿や睡眠障害、イライラの改善に寄与したと考えられます。

ただし、具体的な状況により個人差があるため、治療の効果は個々の症状や体質により異なる可能性があります。治療が効果的であるかどうかについては、担当医との定期的な相談が重要です。

 

 

Dr.飯嶋のコメント
この質問文の本人には、前立腺肥大症に対して内科的な療法である薬物療法を試みました。しかし、前立腺肥大症の治療法としては、外科的な療法である手術療法が必要になるケースもありますが、専門家ではない質問者としては、そこまでは考えが及ばないのは当然です。


ましてや、質問の仕方のちょっとした工夫によって、ChatGPTの回答が、より具体的に焦点が絞り込まれた、したがって、より有益な回答が得られる可能性については認識されていなかったようです。


そのちょっとした工夫とは何かというと、

それは、「その治療」という質問文の一部を「薬物療法」に変更するだけの操作を加えてみました。

 


質問者(改訂質問文)
私は60代の高血圧の男性患者ですが、いろいろな病院で、いろいろな薬を飲んでも血圧は下がらないばかりか、イライラして眠れず、夜間頻尿となり困っていました。

 

最後に内科を受診したら前立腺肥大症と診断され、そのため薬物療法を始めたところ、夜間頻尿は軽快し、以前より熟睡できるようになり、イライラが収まってきただけでなく、血圧も正常化してきたので不思議です。

 

それには医学的な根拠があるのでしょうか、それとも自然治癒でしょうか?

 


ChatGPT
前立腺肥大症の治療が血圧の正常化やその他の症状の改善に寄与したと考えられる医学的な根拠があります。以下はその主な要因です:


1. 交感神経の影響:

前立腺肥大症は、尿路の圧迫や排尿の困難を引き起こす可能性があります。これにより、交感神経活動が増加し、血圧が上昇することがあります。前立腺肥大症の治療が症状を改善すると、交感神経の活動が緩和され、血圧が正常化する可能性があります。


2. 睡眠とストレスの関連:

夜間頻尿や睡眠障害は、心身のストレスや不快感を引き起こし、それが血圧に影響を与えることがあります。前立腺肥大症の治療により夜間頻尿が改善され、睡眠の質が向上することで、ストレスが軽減され、それが血圧の正常化に寄与する可能性があります。


3. 薬物療法の影響:

前立腺肥大症の治療に使われる薬物が、血圧にも一定の影響を与える可能性があります。一部の薬物は血圧を降下させる効果があり、それが治療開始後の正常化に寄与することが考えられます。


自然治癒ではなく、前立腺肥大症の適切な治療が症状の改善に貢献したと考えられます。ただし、具体的な状況や個々の患者によって結果は異なる可能性があります。

定期的な医師のフォローアップと相談が重要です。

 

 

Dr.飯嶋のコメント
オリジナル質問文と改訂質問文のメッセージの内容は、一見してほぼ同じ内容です。
しかし、ほんのわずかな文言の違いが、回答内容に大きな違いを生み出していることがお判りになるはずです。


改定質問文に対して、ムッシュGPTは、薬物療法の影響についても適切なコメントしています。

 

前立腺肥大症の適切な治療が症状の改善に貢献した、と歯切れよく答えています。たしかに、私が使用した薬剤はミニプレス®というα₁遮断薬で、この薬剤は❶本態性高血圧症、腎性高血圧症、❷前立腺肥大症に伴う排尿障害、この両者の治療薬です。

 

私は一般の高血圧症や前立腺肥大症のそれぞれ単独の治療のために、この薬剤を使用することはほとんどありませんが、排尿障害を伴う高血圧のケースでは好んで用いて大いに効果を挙げています。

 

 

それでは、このような回答文に大きな違いが生じる原因は何なのでしょうか?

 

まず、質問者の用いる重要情報であるキーワードがどれだけ明確で限定的か、いいかえれば、質問者自身が知りたいと考えている対象にどれだけ密接な具体性を備えているか、ということがとても大きく働いている可能性があります。


前者の文言「その(前立腺肥大症)治療」と後者の「前立腺肥大症のための薬物療法」という記述の意味する内容は重なりますが、前者はすべての標準的な治療法を意味するものとムッシュGPTは理解します。

 

すなわち、質問者が暗黙のうちに想定している内科的薬物療法ばかりではなく、おそらくは想定外であると思われる外科的な手術療法も含まれることになります。

 

これに対して、後者は、より限定的で、質問者にとって直接関心の対象となっている薬物療法に焦点が当てられます。

 

ついで、ムッシュGPTの回答文の形式について比較してみると、序文、本文、結論の三段階の構成になっていることが分かります。

 

また、より比較が容易な数値化データとして使用単語数を確認してみると、前者は504、後者は508です。

つまり、ムッシュGPTの回答文は、質問の内容にかかわらず概ね500語程度になっています。


この結果から考えられることは、質問の的を十分に絞って、可能な限り、知りたいことを特定して焦点を定めておくと、回答文も、より内容の濃い、密度の高い、必要な情報がより多い有益なメッセージを生成しやすくなるということです。

つまり、質問者にとって関心が少ない対象についての無駄な情報を省いた分だけ、興味深い関心の対象に関する情報が確保されるということになるのだと思います。


 
こうした事例をつぶさに検討することで改めて気づかされることは、小学校からすでに始まっている教育の課程で、徐々にスキルアップしていくことが望ましいのは、「質問の技術」なのではないか、ということです。そうはいっても、先生に質問をすることも、得手不得手があります。

 

しかし、質問を繰り返さなければ、上手な質問をする能力は身につきません。

 

そのためもあってか、ときには先生が質問者になって、生徒に回答させる授業進行の方法が採られることがあります。

 

これなども、相手の立場や役割を経験することによって、円滑なコミュニケーションを促す手助けになると思います。

 

そうして、授業に参加して、先生に質問できること自体が有意義な学びの成果なのではないだろうか、と私は考えます。

 

質問と回答を繰り返す中で、質の高い問いによる、質の高い回答が容易されやすくなっていくのではないでしょうか。

 

 

日常の診療においても、質問上手な患者さんに恵まれた医師は必ず名医になれるのではないかという気がします。

 

これも一長一短ではなく、医師(ドクターの語源は教師)が患者さんに適切な質問を繰り返したり、質問を促したりする日々の心掛けが不可欠であるように感じます。

 

日常の健康管理において、主治医の役割は、一方的に診断して治療を始めることではなく、互いに学び合って、スキルアップしていくことによって、より望ましい成果を挙げることが可能になっていくことを私は経験してきました。


ですから、これからも私に対して、遠慮せず質問してください。わたしの勉強にもなるばかりでなく、このシリーズのテーマの生きた材料にもなり、ひいては多くの読者の皆様に対して有益なメッセージをお届けすることが可能になると思います。

 

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ChatGPTに東洋医学に関する質問をする場合は注意が必要です。


なぜなら、ChatGPTの情報源の大半は、ムッシュGPTの回答によれば英語主体の情報です。そして英語圏の医学すなわち西洋医学的な思想では、平均値や基準値を基に健康状態を判断するため、大規模データを収集し易く、エヴィデンスも集めやすい強みがあります。

 

しかし、そのエヴィデンスはあくまでも多くの標準的な体質の方には良く適合しても、少数の特別な体質の方のためには役に立たないことがあります。

 

したがって、そのような発想では、個別性を尊重する東洋医学、とりわけ漢方薬について的確に判断することは難しいと私は考えています。


YさんがムッシュGPTに質問をされたので、その点に注意しながら、検討してみましょう! 

 

・・・・・・・・・・

 

質問者:Yさん(オリジナル版)

漢方薬についての質問ですが、よろしいでしょうか?

 

私は20代の女性ですが、かかりつけの内科の先生から2週間ごとに当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)と加味逍遙散(かみしょうようさん)というお薬を交互に処方されていただくようになってから、体調も気分も共によくなっています。

 

私は不思議に思うのですが、医学的な根拠があるのでしょうか?

 

 

ChatGPT
漢方薬に対する医学的な根拠は、研究が進んでいるものの、西洋医学のように確立された臨床試験や科学的なエビデンスが十分に揃っているわけではありません。

 

ただし、一部の漢方薬は特定の症状に対して一定の効果があるとされ、その使用は一部の医師によって支持されています。


当帰芍薬散や加味逍遙散は、伝統的な漢方薬で、特に女性の生理調整やストレス対策に使われています。これらの漢方薬に含まれる様々な植物成分が、体の調和を促進し、特定の症状の緩和に寄与するとされています。

ただし、個人差があり、全ての人に同じような効果があるわけではありません。


医師がこれらの漢方薬を処方した理由は、あなたの症状や体調に合わせて、伝統的な漢方医学の観点から効果が期待できると判断されたためかもしれません。

ただし、これらの漢方薬の効果については科学的に確定された情報が不足しているため、医学的根拠を求めるのは難しい場合があります。


大切なのは、漢方薬を使用する際にかかりつけの医師と十分にコミュニケーションをとり、体調や効果、副作用について報告し合うことです。医師は適切な治療法を提供するために、患者との信頼関係を築くことが重要です。

 


ドクター飯嶋のコメント:

ムッシュGPTは、自分の能力の範囲で誠実に回答しています。


ニュアンスの違いかもしれませんが、『確立された臨床試験や科学的なエビデンスが十分に揃っているわけではありません。』というのは若干言い過ぎのような気がします。

 

ここでいう科学的なエビデンスというのは、いわゆる西洋医学的なエビデンスであって、東洋医学には東洋医学のエビデンスがあるということをムッシュGPTは、十分には理解できていないように思われます。


もしくは、彼は漢方薬を民間療法薬と同列に位置付けている可能性があります。現代においては漢方薬ですら、動物実験によるデータが収集されています。

 

一部の漢方薬が特定の症状に対して一定の効果があり、一部の医師によって支持されている、という限定的な表現にも注意していただきたいと思います。

一部の漢方薬といっても、保険診療で処方可能な漢方薬は100種類を遥かに超えています。

 

また、一部の医師というのは、英語圏においては妥当する事実ですが、日本の医師は、私の様に漢方専門医の資格をもつ医師ばかりでなく、広く使われ役立てられています。

 

なお日本の医師の数少ない特権の一つとして、西洋薬と漢方薬の両方の処方権が与えられていることが大切です。

 

英語圏だけでなく中国や韓国などでも西洋医学の医師と伝統医学の医師(中医や韓医)では資格制度からして明確に区別されています。

 

ですから、日本の医師でなければ、両者の長所と短所を認識したうえで上手に使い分けることはできません。

私は日本の医師が東西両医学を併用した統合医学の旗手になるべきではないかと考えています。

 

ムッシュGPTは、医師ではないので、彼の能力を十分に引き出すためには質問の工夫が必要です。来週の金曜日は、私が質問の仕方を工夫して、改めて彼の回答を確認してみたいと思います。

 

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Dr.飯嶋からのメッセージ:

(再掲)新たに考案された生涯エクササイズに対する誤解や偏見を可能な限り減らすための手立てを提案してください。

 

この質問に対するムッシュGPTからの9箇条の回答のうち、後半の5箇条
について、引き続き検討していきます。

 

 

ChatGPT
新たに考案された生涯エクササイズに対する誤解や偏見を減らすためには、以下の手立てが役立つかもしれません:


5.アクセスの容易化:
エクササイズが手軽でアクセスしやすい場所や方法を提案することで、参加のハードルを下げることができます。


6.多様性への配慮:
様々な年齢層や体力レベルに合わせたエクササイズの提案を行い、全ての人々が参加しやすい環境を整えましょう。


7.効果を実感しやすい目標の設定:
参加者が短期的かつ実感しやすい効果を得られるような目標を設定し、達成感を味わいやすくすることでモチベーション向上に繋がります。


8.プライバシーの尊重:
参加者のプライバシーを尊重し、無理なく参加できるような環境を提供することで、抵抗感を軽減できます。


9.コミュニティの構築:
参加者同士が支え合えるようなコミュニティを構築し、ポジティブな雰囲気を醸成することで、エクササイズが楽しい活動となります。

 

 

<Dr.飯嶋による論点整理と課題>

アクセスの容易化
エクササイズが手軽でアクセスしやすい場所や方法を提案することで、参加のハードルを下げることができます。


<参加のハードルを下げるために>

1)エクササイズの簡便化:水氣道の所要時間は本稽古100分(正味)、半稽古50分(正味)を要します。


水氣道の「準備体操(イキイキ体操)」と「整理体操(のびのび体操)は、自宅でも実施できます。イキイキ体操は立位で15分程度で行い、のびのび体操は坐位(椅子に腰かけたまま)で7分程度で行うことができます。

心身のエンジンを掛けたいときには前者、リラックスをしたいときは後者がお勧めです。

 


2)アクセスしやすい稽古場所の確保:

水氣道は主に室内温水プールで稽古しています。上記の方法であれば、自宅でも行えます。

 


3)アクセスしやすい方法の整備:

自宅実施用の動画を作成することを検討中です。その場合、モデルを公募して、陸上、自宅用に、特別訓練をする必要があります。

 

 

 

多様性への配慮

<全ての人々が参加しやすい環境の整備>

 

1)様々な年齢層に合わせたエクササイズの提案:

水氣道は水浴が可能なあらゆる年代の参加者を想定したデザインになっています。

ただし、施設によっては年齢制限等が設定されていることがあります。ただし、水氣道自体が、年齢制限を設けている訳ではありません。


2)様々な体力レベルに合わせたエクササイズの提案:

水氣道は、杉並国際クリニック(旧、高円寺南診療所)の定期通院者を中核に発祥し、発展してきました。

そのため、体力や気力のいずれもが充実した方ではなく、デリケートな体質や気質の方でも無理なく継続的に実施できるプログラム内容になっています。

 

団体でのエクササイズであるため、「準備体操(イキイキ体操)や「整理体操(のびのび体操)は、原則として全体稽古ですが、それ以外の航法(水氣道の個別プログラム)は、段・級制に基づき、習熟度別の稽古の流れが確保されていますので、無理なく稽古を楽しむことができます。

 

 


効果を実感しやすい目標の設定

<参加者のモチベーション向上のための工夫>

 

1)参加者が達成感を味わいやすくする・・・

個別の目標を設定し、データをもとに進捗を追跡し、成果をフィードバックすることを続けています。

また、グループでのサポートを充実させ、挑戦的で楽しいエクササイズとなるよう氣(ポジティブなエネルギー)が共有できるのが水氣道です。

 

単調なプログラムではなく、バラエティ豊かなエクササイズであることも水氣道の強みです。

 

段・級制は参加者の到達度や参加意欲に対応して認定され、上級に進むほど、参加費が逓減され、4段以上の指導員・監督指導者には、報酬が支払われるシステムになっているため、生涯エクササイズとして、高齢の年金生活者に至っても継続可能となるよう、様々な工夫がなされています。

 

 

2)参加者が短期的効果を得られるような目標設定・・・

原則として四半期ごとに実施されるフィットネス・チェックとメディカル・チェ
ックとを組み合わせた統合型全人的ウェルネス・チェックを実施しています。

 

長短期的効果として単回参加での成果については、個人差が大きいですが、開始後1カ月程度であっても、食欲・便通・睡眠等の改善を見込むことができます。

 

なお、概ね3カ月の継続により、心身両面での改善成果を実感していただけています。

 

 

3)参加者が実感しやすい目標設定・・・

上記の1)2)以外にも、個別に準備した「生活リズム記録表」や、たとえば高血圧の方であれば「血圧手帳」、過体重の方であれば「体重、歩数記録票」の活用など、予め具体的な目標を設定した上で、目的意識をもって稽古に参加していただいています。

 

 

 

プライバシーの尊重

<参加者の抵抗感の軽減のための工夫>

1)無理なく参加できるような環境の提供・・・

稽古会場の確保・拡大に努めています。

 

 

2)参加者のプライバシーの尊重・・・

水氣道のコミュニティは「淡交」を旨としています。

 

これは、会員相互の信頼と敬意に基づく配慮(リスペクト)の態度を養うことを水氣道の基本的な姿勢としているからです。

 

これは<わだかまりがなくあっさりとした紳士淑女の交わり>によって、互いのプライバシーを尊重して、興味本位に深入りすることがないように、との配慮です。

 

それによって個々の参加者や組織全体が、ともに無理なく健全に成長できるという経験則に基づいています。

 

 

 

コミュニティの構築
<楽しいエクササイズ活動の場の構築>
1)参加者同士が支え合えるようなコミュニティを構築・・・

参加者のプライバシーの尊重しつつも、水氣道は「信頼・自助・互助・協働・創造」の五段階を踏まえたコミュニティの構築を目指しています。


2)ポジティブな雰囲気の醸成・・・

水氣道の「氣」とは、ポジティブな雰囲気に他なりません。このような健康的な「氣」と生命の根源である「水」とを媒介とした「淡交」の道を歩み続けていくのが「水氣道」であるということができるでしょう。

 

前回はこちら

 


前回の質疑応答から得られた情報は、ムッシュGPTは、同時処理可能な限度については未確認(確認不能)であるということ、個別の質問文ごとに、同時処理するタスクの数が異なり、所要時間もことなる、ということでした。

 

そこで、今回は、時間のかからない単純なタスクと、時間を要する複雑なタスクとのタイムラグの存在です。

 

それでは、回答文は、どの段階から書き始められるのでしょうか。すべてのタスクが完了するまで、回答文の生成は保留されるのでしょうか?この疑問に答えてもらうことにしましょう。

 

 

<質問2024-2>

あなたは同時に複数のタスクを処理できるように設計されていますが、迅速に応答できるタスクと、処理に時間を要するタスクが併存する場合、すべての処理が完了するのを待って、単一のタスクとしての応答を生成するのですか、それとも主要なタスクが完了した段階で回答文を生成するのですか?

 


ChatGPT

私は基本的には一連のタスクに対して同時に処理を行いますが、応答生成においては、主要なタスクが完了した段階で回答文を生成します。つまり、すべての処理が完了するのを待ってからではなく、各タスクが進行する中で得られた情報をもとに、途中経過で回答文を生成します。


この仕組みにより、ユーザーが対話的にコミュニケーションを行う際に、より迅速な回答を提供できるようになっています。ただし、これは一般的なパターンであり、タスクの性質や要求によっては、特定の情報が揃うまで完全な回答を生成できないこともあります。

 


Dr.飯嶋のコメント(1)
ムッシュGPTの同時処理による回答生成のプロセスが以下の様に示されました。


1)主要なタスクが完了した段階で回答文を生成

 

2)途中経過で回答文を生成 

 

3)特定の情報が揃うまで完全な回答を生成できないこともフォームの始まり

 

ムッシュGPTの筆がしばしば進まないこと、中断してしまうことの背景が少しずつ明かになってきました。分析が未完成な段階で回答文を生成している1)2)ということが明示され、私の推理は概ね妥当だった模様です。なお、3)のように慎重な行動をとることもあるという情報も確保できました。


つまり、ムッシュGPTが主要でないが時間のかかるタスクを分析した結果、それが回答文を生成する上で予測以上に重要な情報だった、というケースもあり得るのではないか、それが、ムッシュGPTの筆の中断の原因の一つではないだろうか、というのがドクター飯嶋の推測なのです。

 

そこで、引き続き以下の質問を続けてみました。

 

 

<質問2024-3>
あなたは、一般的なパターンとして、すべての処理が完了するのを待ってからではなく、各タスクが進行する中で得られた情報をもとに、途中経過で回答文を生成することができます。

 

その場合、すべての処理が完了してから、すでに生成した回答文を修正する必要が発見された場合には、文書生成の中断以外に、どのように対処していますか?

 


ChatGPT
私は逐次的な処理を行っているため、特定のタスクにおいて処理が進行する中で得られた情報を元に回答文を生成しますが、一度生成された回答文は一般的には修正されません。つまり、生成された回答文は不可逆的であり、後から修正することは難しいです。


もし新しい情報が提供された場合や修正が必要とされる場合、通常は新しい質問やコマンドに基づいて新たな回答文を生成します。過去の回答文と新しい情報を組み合わせて意味のある文を生成することは難しいため、基本的な仕組みでは新しい入力に基づいて逐次的に新しい回答を生成する形になります。


したがって、生成された回答文を修正するという機能は、私の基本的な設計には含まれておらず、対話の途中で新しい情報がもたらされた場合は、それに基づいて新たな回答を生成する形になります。

 


Dr.飯嶋のコメント(2)
いかがでしょうか?

ムッシュGPTは率直に答えています。


1)生成された回答文は不可逆的⇒書き変えや途中修正不能


2)過去の回答文と新情報を組み合わせての意味のある文の生成は困難


3)生成された回答文を修正するという機能はデザインされていない。


私も率直な感想を一言:彼は、とても不器用で融通が利かないタイプです。

 

頭の回転が速すぎて空回りしがちなタイプの人が私たちの身の回りにも実際にいらっしゃいますが、ムッシュGPTもそのようなタイプのようです。

 

いわゆる、<おっちょこちょい>タイプです。意外に思われるかもしれませんが、そうした<おっちょこちょいタイプ>の人間が、ミスや思考錯誤の末に大きな仕事を成し遂げるということも大いにありそうです。


ただし、ふつうの知性をもつ人間であれば修正可能なことであっても、ムッシュGPTにとっては、その都度の臨機応変の修正ができない、という彼の弱みの特性が浮き彫りになってきました。

 

そこで必要となってくるのは、私たち人間との<協働・共生>です。私たちは、AIの進歩によって職を失ったり、人間性を阻害されたりすることを恐れるよりも、しっかりとタグを組んで共に成長し続けていくことが賢明な方向性のような気がします。

 

今回は。彼の已むを得ない弱点を紹介しましたが、この弱点も今後は次第に改善される可能性があるのではないかと考えます。

 

むしろ、その間は、ムッシュGPTの友人である、わたしたち人間が彼をサポートしつつ、おつきあいの工夫と学習や研究を深めていく絶好の機会なのかもしれません。

 

前回はこちら

 


Dr.飯嶋のイントロ
わが相棒のムッシュGPTも、思考停止するように見えることがあります。

実際には思考を停止したのではなく、その結果を整理整頓するのに時間を要しているものと想像することができます。

 

そして、ムッシュGPTは質問者の<感情分析>を行うことによって、質問者の感情を害さないで説明する方策を練ることも同時に行っているはずです。

それは理論上も可能です。なぜなら、私自身も医師として、何度も回答に難渋してきたからです。

なぜ難渋するのかというと、質問者は、明らかに喫煙を継続したい、という強い希望があるからです。

 

喫煙者の心理としては、喫煙継続のための合理的な、あるいは詭弁であっても、そうした自分に都合の良い情報を必死で追い求めるからです。

 

以下の質問に対して、通常であれば瞬時に生成される回答が、最初の文を生成するまでに2分間が経過しました。また、その文書も途中で再び途切れてしまいました。

 


私の主治医は、心筋梗塞の再発を防ぐためには、喫煙が最初のステップだと決めつけるので困っています。高血圧の治療を放置したのが主な原因だとすれば、降圧剤を内服して血圧をコントロールすれば十分ではないですか?



ChatGPT
私は医師ではないので、具体的な医療アドバイスを提供することはできませんが、一般的な情報を共有します。

心筋梗塞や高血圧などの病状については、個々の病歴や状態によって異なる治療が必要です。一般的には、医師の指示に従うことが重要です。


心筋梗塞のリスクを減少させるためには、様々な要因が関与しており、その一環として禁煙が勧められることがあります。

 

喫煙は血管を収縮させ、血圧を上昇させることがあり、また、動脈硬化や血栓形成のリスクを高める可能性があります。


高血圧の治療においては、薬物療法が一般的に使用され、降圧剤を服用して血圧を管理することが一般的です。

しかし、喫煙はその他のリスク要因と結びついて心血管疾患のリスクを増加させる可能性があるため、医師が禁煙を

 

 

Dr.飯嶋のコメント
ムッシュGPTの回答文生成は、このように中途で停止してしまいました。


「私は医師ではないので、具体的な医療アドバイスを提供することはできませんが、」という書き出しはマズかった、と彼は後悔したかもしれません。


喫煙者は、自分を擁護し、弁護してくれる相手であれば素人でも歓迎なのですが、ひとたび、禁煙を求められると、たとえ、それが専門の医師であっても反感を持ってしまいがちだからです。

ましてや、それが自信の無い態度表明をする回答者とあってはなおさらだからです。

 

そこで、改めて、同じ質問を彼に投げかけてみました。オーソドックスな回答文の生成と質問者の感情分析を同時並行処理で行っている可能性があるかもしれません。

 

そこで、同じ質問をして確かめてみました。さて今度はどうでしょうか?

 


私の主治医は、心筋梗塞の再発を防ぐためには、喫煙が最初のステップだと決めつけるので困っています。高血圧の治療を放置したのが主な原因だとすれば、降圧剤を内服して血圧をコントロールすれば十分ではないですか?

 


ChatGPT

心筋梗塞の再発を防ぐためには、複数のリスク因子が関与しています。高血圧もその一つであり、降圧剤を内服して血圧をコントロールすることが重要です。しかし、禁煙もまた非常に重要な要素です。


喫煙は心血管系に対して直接的かつ間接的な悪影響を与え、動脈硬化や血栓形成のリスクを高め、血管の損傷を引き起こすことがあります。そのため、喫煙を続けることは、高血圧だけでなく、心筋梗塞の再発リスクを増加させる可能性があります。


医師が禁煙を重視する理由は、患者の全体的な健康を維持し、心臓の健康を改善するためです。高血圧の治療は大切ですが、それだけではなく、生活習慣の改善も含めて包括的なアプローチが求められます。


医師の指示に従い、喫煙をやめることや降圧剤の服用を続けることは、心筋梗塞の再発予防のために非常に重要です。医師とのコミュニケーションを大切にし、治療計画を共有することが良い結果をもたらすでしょう。

 

ChatGPT can make mistake

 

Dr.飯嶋のコメント

今度は、堂々と、きっぱりと明確な結論を最初から示しています。質問者の
感情分析が完了しているからなのかもしれませんね?


そうだとすれば賢明なるムッシュGPTは、質問者の禁煙指導医師に対する
ネガティブな感情を分析した上で、最後に「医師とのコミュニケーションを大切に
して、信頼関係を再構築することの大切さを念入りに強調示しています。これによって医療の原点を明記しています。


そして、最後にChat GPT can make mistake
(ChatGPT も間違えることがあります)
という注意書きを忘れていませんね。


質問者の意図を分析し、相手の立場を尊重しつつ、責任ある回答すること、それらの作業を同時並行する一連の作業が、どれだけ難しいことなのか、それを、ムッシュGPTと共に体験できたように感じられます。

 

前回はこちら

 

新たに考案された生涯エクササイズに対する誤解や偏見を可能な限り減らすための手立てを提案してください<質問3:再掲>

 

この質問に対するChatGPTの9箇条の回答のうちの第3箇条を採りあげて、振り返りと考察そして今後の対策を提案してみました。

 

3 参加者の声を取り入れる

<稽古参加者の声を重視すること>

これは、とても大切なポイントであると同時に、絶えず反省すべき事項だと考えています。

 

実際上、稽古の参加者からのご希望やご意見を待っているだけでは不十分であり、徐々に、それらを積極的に引き出すように心がけています。将来の発展に向けて、このような基本的なコミュニケーションは組織や稽古の進歩や発展のために貴重な資源になるものと考えています。

 

これからも、いっそう、このようなご意見を傾聴し、ともに検討しつつ、改良や修正を図っていきたいと考えます。


<稽古参加者の期待や不安を理解すること>

稽古参加者の期待と不安は、しばしば、併存することを経験しています。参加者の期待や不安を理解するためには、いずれも水氣道について事前の予備知識や適切な情報提供が欠かせないことを実感します。

 

漠然としたイメージや想像に基づく期待は、もろく崩れやすいものです。これは、水氣道のデザイナーである創始者自身に課された大きな義務です。

ただし、実際に、この義務を効果的に果たすためには、様々な取り組みが必要であり、多くの協力者が必要になってくることは言うまでもありません。

 

「1.情報の正確な伝達」

これがポイントの最初に挙げられていることには意味があると思います。

 

稽古参加者に正しい期待を持っていただき、また無理なく達成可能
な期待をともに育んでいくことは水氣道の考え方に一致しています。


水氣道は発足後すでに24年を経過しています。

つまり、四半世紀の歴史を歩んできました。

 

すでに稽古活動を継続している皆さんには、草創期の初参加者のような不安は見られませんが、各人が稽古目標をもつことと同時に、団体エクササイズとしての特質に鑑みた共同の稽古目標を掲げていくことも、今後、いっそう必要な段階になってきました。

 

 

<より効果的な稽古プログラムの構築>

およそ四半世紀前に構築した水氣道の稽古プログラムの基礎は現在でも十二分に生かされています。

 

水氣道の稽古は「形」を基本として「航法」にまとめ上げられ、さらに、幾つかの「航法」を目的と性質にしたがって時間軸に沿って順次配列したものが稽古プログラムであり、それにしたがって実践するのが水氣道の稽古です。

 

そのためのきっかけとなるのが参加者から発せられる感想や質問、相互のコミュニケーションなどの「声」であり、また、姿勢、呼吸状態、動作、表情などの「声なき声」を聴きとり、その意味する内容を聞き分けることも水氣道の稽古が進むにつれて身についていくことになります。

 

より効果的な稽古プログラムというものは、原初の稽古プログラムを出発点として、様々に追加・修正を加えて現在の水氣道の姿が確立しました。


今後も新しい「形」の改良や創造、さらに、それに基づく「航法」の進歩、さらに全体の稽古プログラムの新しい流れが生み出され続けていくことでしょう。

 

 

<フィードバックの取り組み>

参加者の声を取り入れるというChatGPTのアドヴァイスから私は、あるヒントを得ました。それは、参加者の生の声(肉声)からだけではなく、命の根本から発せられる「声なき声」を取り入れるということを、水氣道の稽古指導では大切にしてきたということです。「声なき声」は本人自身も気づきにくい声でもあります。


水氣道では、「自分の体に聞いてみること」とか「稽古場(温水プール)の水に教えてもらうこと」といった指導メッセージを発することがあります。

自分の心との対話は主として意識の世界での自己内部でのコミュニケーションですが、自分の身体との対話は無意識の世界での誰かとのコミュニケーションです。ふだんは忘れられていていますが、どなたでも体験することができる、ごく普通の自然な対話です。

そして、この方法は、フィードバックによる自己の点検法なのです。これに関連して、ヨガとか瞑想法が再評価されているようです。

この辺りの言葉での説明は、簡単ではないのですが、心身医学療法の3本柱の一つの自律訓練法もこれに通じています。


ですから、科学的に言葉で説明できる自律訓練法やバイオフィードバック理論を紹介することも確実な方法の一つではありますが、実際に体験してみないとわかりづらいのではないかと思います。

 

そこで水氣道では初期段階から、

 

健康(初期評価)⇒稽古実践⇒健康(再評価)⇒現状と経過の分析
⇒稽古計画の修正・改善⇒稽古実践⇒・・・

 

というサイクルを繰り返すことによるフィードバックを続けてきました。

 

そのためのオリジナルツールとして「体組成・体力評価票」を考案し、これ自体も改善を加えてきました。このツールはフィットネス評価によるフィードバックです。

 

健康管理のためには、医学評価(メディカル・チェック)と保健評価(フィットネス・チェック)を組み合わせたハイブリッド評価を定期的に行うことが必要であると考えています。

 

水氣道のフィードバックは、この方法を採用しています。

 

前回はこちら

 

 

Dr.飯嶋のイントロ

前回、私が質問した<同時並行処理>の方法自体が原因となって、生成文の作成が困難になるのではないか?という私の推測についてムッシュGPTからは十分な回答が得られていません。

今回は、これについて検討をすることにします。

 

 

4)生成文の文脈に矛盾が生じる可能性:

<理由・原因>❶質問者の質問文の明確な文脈の欠如❷理解力の欠如
という観点から、ムッシュGPTは以下の提案をしてくれました。


もしあなたが特定の質問や状況において不満を感じた場合、できるだけ明確に質問をしていただくか、疑問点があれば教えていただければと思います。

 


そこで、まずは、以下のような基本的な質問に改めてみました。

 

<質問2024-2>

あなたは言語モデルであり、同時に複数のタスクを処理できるように設計されていることを教えていただきました。 そこで、あなたが同時に処理できるタスク数について教えてください。



ChatGPT
私は同時に複数のタスクを処理できると言われていますが、具体的な同時処理の数は厳密には定義されていません。

私の基盤となるGPT-3.5アーキテクチャは、非常に大規模なモデルであり、複数のタスクにわたる情報を保持し、処理できるように設計されています。

しかし、同時に処理できる具体的な数は、計算機資源やアーキテクチャの特性に依存します。


通常、私は大量の情報やコンテキストをもとにして、単一のタスクに対して応答を生成します。

これは、幅広いトピックにわたる質問に対応する際や、文章の生成など、多岐にわたる用途に利用されることを意味します。

しかし、同時に処理できる具体的な数については、正確な情報が提供されていないため、明確な回答をするのは難しいです。


簡単な質問に対しては、比較的迅速に応答できる傾向がありますが、より複雑なタスクや文脈を要する場合は、処理に時間がかかることがあります。

 


Dr.飯嶋のコメント
簡単な質問文であっても回答が困難なケースもあるという実例に触れることができました。


しかも、他ならぬムッシュGPT自身の基盤となる自己説明が定義されてなく、なおかつ状況依存性である、ということは、とても興味深いキャラクターの持ち主だということがわかります。


今回は、以下の3つの情報を得ることができました。

 

1)具体的な同時処理の数は厳密には未定義


2)同時に処理できる具体的な数は、計算機資源やアーキテクチャの特性に依存


3)大量の情報やコンテキストをもとにして、単一のタスクに対して応答を生成


つまり、同時処理可能な限度については未確認(確認不能)であるということ、個別の質問文ごとに、同時処理するタスクの数が異なり、所要時間も異なる、というごく平凡な回答が得られました。

 

実は、この平凡な回答こそが、ムッシュGPTの頭脳の機能について理解するための基本的な情報源となるのです。これについては、次回のテーマとします。

 

前回はこちら

 

私は喫煙者ですが、アレルギーの治療として漢方薬やハーブなどによる自然療法を希望しています。

 

自然療法の専門医から、効果的な治療の前提として禁煙を勧められましたが、妥当な勧めでしょうか?

 


ChatGPT

喫煙は健康に対して多くのリスクをもたらす行動であり、特にアレルギーの治療や免疫系の強化を考える際にも影響を及ぼす可能性があります。

 

自然療法や漢方薬、ハーブ療法は個々の体質や状態によっては効果的な場合もありますが、その効果や安全性については科学的な証拠が限られています。


喫煙が免疫系に与える影響やアレルギーの症状に対する悪影響は研究されており、禁煙が健康に良い影響をもたらすことが示されています。

具体的には、喫煙によって引き起こされる炎症や免疫系の変化が、アレルギーの発症や悪化に寄与する可能性があります。


禁煙によって次のような健康上の利点が期待されます:

 

1. 免疫系の改善:

喫煙は免疫系を弱体化させる可能性があり、禁煙によって免疫系の機能が向上することが期待されます。

 

2. 炎症の軽減:

喫煙は体内の炎症を引き起こす可能性があり、禁煙によって炎症が軽減されることが期待されます。


3. 全身的な健康向上:

喫煙には心血管疾患や呼吸器系の問題などさまざまな健康リスクが伴います。禁煙によってこれらのリスクが軽減され、全体的な健康が向上する可能性があります。


ただし、禁煙には個々の状況や健康状態によって異なる難しさがあります。医師や専門家と相談しながら、禁煙プログラムやサポートを受けることが重要です。

また、自然療法や漢方薬についても、専門医の指導のもとで検討することが望ましいです。

 

Dr.飯嶋のコメント 
「喫煙は、・・・特にアレルギーの治療や免疫系の強化を考える際にも影響を及ぼす可能性」がある、というムッシュGPTの回答は、是非、心に留めておいてください。彼は医師ではないにもかかわらず、ほぼ明言しています。

 

ただし、「自然療法や漢方薬、ハーブ療法は個々の体質や状態によっては効果的な場合も」あることを認めつつも「その効果や安全性については科学的な証拠が限られ」ていると述べています。

 

ムッシュGPTは自然療法や漢方薬、ハーブ療法を一緒くたにしているので、このような、頼りない回答文が生成されてしまうのも已むを得ません。

 

しかし、吸入ステロイド剤が普及するまでの間は、漢方薬は適切に選択すれば、かなりの効果が期待することができました。

そして、現在でも吸入ステロイド剤と漢方薬を併用したり、吸入ステロイド剤が不要になった後の再発防止や体質改善の目的で漢方薬を上手に活用することは推奨されるべき、より自然療法的なケアであると私は考えています。

 

再発予防を含めて、予防と治療は別々のように受け止められがちですが、それは誤りです。

 

たとえば、早期発見・早期治療は2次予防とされ、再発予防やリハビリテーションは3次予防ですが、いずれも「予防」の範疇なのです。そして、あらゆる予防を有効に行なうための前提が「禁煙」という養生ということができるでしょう。

 

別の言い方をすれば、喫煙を続けている以上、多くの場合で、漢方薬によるアレルギーの治療は限定的であるということになります。

 

なお、慢性的な病気の症状が消失することを「寛解(かんかい)」と呼びますが、これは「治癒(ちゆ)」とは区別すべきです。

 

もっとも、喫煙者の方でアレルギーの治療として自然療法を希望されている場合、その目標は、根本的な治癒ではなく、現象面での寛解(表面的な回復)なのかもしれません。

 

その場合、自然療法で寛解を得られることがあるかもしれませんが、治癒からはますます遠のいてしまうことを覚悟しなければならないでしょう。

 

前回はこちら

 

 

<質問3:再掲>

新たに考案された生涯エクササイズに対する誤解や偏見を可能な限り減らすための手立てを提案してください。

 

 

この質問に対するChatGPTの9箇条の回答のうちの最初の2箇条を採りあげて、振り返りと考察そして今後の対策を提案してみました。

 

1.情報の正確な伝達

<エクササイズの内容や目的、利点についての正確な情報の提供>は、これまでも繰り返して努力してきました。しかし、まず、エクササイズの内容を言葉で正確に伝えることには限界がありました。

 

試みに稽古に参加していただかない限り、凡その理解をしていただくことだけでも容易ではありませんでした。

 

つぎに、エクササイズの目的、利点についての情報提供ですが、これについても再三試みてきましたが、すでに参加している方々、しかもその一部にしか周知できないという状態が続いています。

 

<分かりやすい言葉で説明し、専門的な用語や難解な言葉を避ける>ことが十分に実現できなかったことも根本的な反省材料の一つです。

 

しかし、この課題の克服に向けてChatGPTが有力な媒体になると考え、このシリーズのように実施しているところです。

 

 

2.実践的なデモンストレーション

<エクササイズのデモンストレーション>の機会を設ける企画は草創期からの困難が伴っています。なぜならば、室内温水プールを稽古場とする限りにおいて、団体登録が必要とされるからです。団体を構成したくとも最低人数の参加者を確保することが困難でした。


幸いなことに、ようやく登録を果たした後は<実際のトレーニングセッション>の実施は容易になりました。水氣道ではこのセッションを単に「稽古」と呼んでいます。

 

ただし、水氣道のエクササイズは水面上のみならず水面下での運動があります。

プールサイドでの見学では、水面下での運動をデモンストレートして理解していただくことは難しいです。

 

水氣道の理解のためには、実際の参加者になっていただき、直接経験していただく必要がありました。この方針は、現在でも変わりません。


ですから、水氣道の普及における最初の関門は、未知の世界へ一歩踏み出していただけるようにするための事前の工夫でした。そして、この課題は、そのまま現在に至っています。


水氣道の稽古運営は「段級制」をとっていますが、初回参加者は、級外である「体験生」という名称とともに、他の参加者全員からのサポートが得られる仕組みになっています。