金曜シリーズ < よくある問い合わせ ⑦ >

 

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私は喫煙者ですが、アレルギーの治療として漢方薬やハーブなどによる自然療法を希望しています。

 

自然療法の専門医から、効果的な治療の前提として禁煙を勧められましたが、妥当な勧めでしょうか?

 


ChatGPT

喫煙は健康に対して多くのリスクをもたらす行動であり、特にアレルギーの治療や免疫系の強化を考える際にも影響を及ぼす可能性があります。

 

自然療法や漢方薬、ハーブ療法は個々の体質や状態によっては効果的な場合もありますが、その効果や安全性については科学的な証拠が限られています。


喫煙が免疫系に与える影響やアレルギーの症状に対する悪影響は研究されており、禁煙が健康に良い影響をもたらすことが示されています。

具体的には、喫煙によって引き起こされる炎症や免疫系の変化が、アレルギーの発症や悪化に寄与する可能性があります。


禁煙によって次のような健康上の利点が期待されます:

 

1. 免疫系の改善:

喫煙は免疫系を弱体化させる可能性があり、禁煙によって免疫系の機能が向上することが期待されます。

 

2. 炎症の軽減:

喫煙は体内の炎症を引き起こす可能性があり、禁煙によって炎症が軽減されることが期待されます。


3. 全身的な健康向上:

喫煙には心血管疾患や呼吸器系の問題などさまざまな健康リスクが伴います。禁煙によってこれらのリスクが軽減され、全体的な健康が向上する可能性があります。


ただし、禁煙には個々の状況や健康状態によって異なる難しさがあります。医師や専門家と相談しながら、禁煙プログラムやサポートを受けることが重要です。

また、自然療法や漢方薬についても、専門医の指導のもとで検討することが望ましいです。

 

Dr.飯嶋のコメント 
「喫煙は、・・・特にアレルギーの治療や免疫系の強化を考える際にも影響を及ぼす可能性」がある、というムッシュGPTの回答は、是非、心に留めておいてください。彼は医師ではないにもかかわらず、ほぼ明言しています。

 

ただし、「自然療法や漢方薬、ハーブ療法は個々の体質や状態によっては効果的な場合も」あることを認めつつも「その効果や安全性については科学的な証拠が限られ」ていると述べています。

 

ムッシュGPTは自然療法や漢方薬、ハーブ療法を一緒くたにしているので、このような、頼りない回答文が生成されてしまうのも已むを得ません。

 

しかし、吸入ステロイド剤が普及するまでの間は、漢方薬は適切に選択すれば、かなりの効果が期待することができました。

そして、現在でも吸入ステロイド剤と漢方薬を併用したり、吸入ステロイド剤が不要になった後の再発防止や体質改善の目的で漢方薬を上手に活用することは推奨されるべき、より自然療法的なケアであると私は考えています。

 

再発予防を含めて、予防と治療は別々のように受け止められがちですが、それは誤りです。

 

たとえば、早期発見・早期治療は2次予防とされ、再発予防やリハビリテーションは3次予防ですが、いずれも「予防」の範疇なのです。そして、あらゆる予防を有効に行なうための前提が「禁煙」という養生ということができるでしょう。

 

別の言い方をすれば、喫煙を続けている以上、多くの場合で、漢方薬によるアレルギーの治療は限定的であるということになります。

 

なお、慢性的な病気の症状が消失することを「寛解(かんかい)」と呼びますが、これは「治癒(ちゆ)」とは区別すべきです。

 

もっとも、喫煙者の方でアレルギーの治療として自然療法を希望されている場合、その目標は、根本的な治癒ではなく、現象面での寛解(表面的な回復)なのかもしれません。

 

その場合、自然療法で寛解を得られることがあるかもしれませんが、治癒からはますます遠のいてしまうことを覚悟しなければならないでしょう。