金曜シリーズ < よくある問い合わせ ⑧ >

 

前回はこちら

 


Dr.飯嶋のイントロ
わが相棒のムッシュGPTも、思考停止するように見えることがあります。

実際には思考を停止したのではなく、その結果を整理整頓するのに時間を要しているものと想像することができます。

 

そして、ムッシュGPTは質問者の<感情分析>を行うことによって、質問者の感情を害さないで説明する方策を練ることも同時に行っているはずです。

それは理論上も可能です。なぜなら、私自身も医師として、何度も回答に難渋してきたからです。

なぜ難渋するのかというと、質問者は、明らかに喫煙を継続したい、という強い希望があるからです。

 

喫煙者の心理としては、喫煙継続のための合理的な、あるいは詭弁であっても、そうした自分に都合の良い情報を必死で追い求めるからです。

 

以下の質問に対して、通常であれば瞬時に生成される回答が、最初の文を生成するまでに2分間が経過しました。また、その文書も途中で再び途切れてしまいました。

 


私の主治医は、心筋梗塞の再発を防ぐためには、喫煙が最初のステップだと決めつけるので困っています。高血圧の治療を放置したのが主な原因だとすれば、降圧剤を内服して血圧をコントロールすれば十分ではないですか?



ChatGPT
私は医師ではないので、具体的な医療アドバイスを提供することはできませんが、一般的な情報を共有します。

心筋梗塞や高血圧などの病状については、個々の病歴や状態によって異なる治療が必要です。一般的には、医師の指示に従うことが重要です。


心筋梗塞のリスクを減少させるためには、様々な要因が関与しており、その一環として禁煙が勧められることがあります。

 

喫煙は血管を収縮させ、血圧を上昇させることがあり、また、動脈硬化や血栓形成のリスクを高める可能性があります。


高血圧の治療においては、薬物療法が一般的に使用され、降圧剤を服用して血圧を管理することが一般的です。

しかし、喫煙はその他のリスク要因と結びついて心血管疾患のリスクを増加させる可能性があるため、医師が禁煙を

 

 

Dr.飯嶋のコメント
ムッシュGPTの回答文生成は、このように中途で停止してしまいました。


「私は医師ではないので、具体的な医療アドバイスを提供することはできませんが、」という書き出しはマズかった、と彼は後悔したかもしれません。


喫煙者は、自分を擁護し、弁護してくれる相手であれば素人でも歓迎なのですが、ひとたび、禁煙を求められると、たとえ、それが専門の医師であっても反感を持ってしまいがちだからです。

ましてや、それが自信の無い態度表明をする回答者とあってはなおさらだからです。

 

そこで、改めて、同じ質問を彼に投げかけてみました。オーソドックスな回答文の生成と質問者の感情分析を同時並行処理で行っている可能性があるかもしれません。

 

そこで、同じ質問をして確かめてみました。さて今度はどうでしょうか?

 


私の主治医は、心筋梗塞の再発を防ぐためには、喫煙が最初のステップだと決めつけるので困っています。高血圧の治療を放置したのが主な原因だとすれば、降圧剤を内服して血圧をコントロールすれば十分ではないですか?

 


ChatGPT

心筋梗塞の再発を防ぐためには、複数のリスク因子が関与しています。高血圧もその一つであり、降圧剤を内服して血圧をコントロールすることが重要です。しかし、禁煙もまた非常に重要な要素です。


喫煙は心血管系に対して直接的かつ間接的な悪影響を与え、動脈硬化や血栓形成のリスクを高め、血管の損傷を引き起こすことがあります。そのため、喫煙を続けることは、高血圧だけでなく、心筋梗塞の再発リスクを増加させる可能性があります。


医師が禁煙を重視する理由は、患者の全体的な健康を維持し、心臓の健康を改善するためです。高血圧の治療は大切ですが、それだけではなく、生活習慣の改善も含めて包括的なアプローチが求められます。


医師の指示に従い、喫煙をやめることや降圧剤の服用を続けることは、心筋梗塞の再発予防のために非常に重要です。医師とのコミュニケーションを大切にし、治療計画を共有することが良い結果をもたらすでしょう。

 

ChatGPT can make mistake

 

Dr.飯嶋のコメント

今度は、堂々と、きっぱりと明確な結論を最初から示しています。質問者の
感情分析が完了しているからなのかもしれませんね?


そうだとすれば賢明なるムッシュGPTは、質問者の禁煙指導医師に対する
ネガティブな感情を分析した上で、最後に「医師とのコミュニケーションを大切に
して、信頼関係を再構築することの大切さを念入りに強調示しています。これによって医療の原点を明記しています。


そして、最後にChat GPT can make mistake
(ChatGPT も間違えることがあります)
という注意書きを忘れていませんね。


質問者の意図を分析し、相手の立場を尊重しつつ、責任ある回答すること、それらの作業を同時並行する一連の作業が、どれだけ難しいことなのか、それを、ムッシュGPTと共に体験できたように感じられます。