前回はこちら

 


糖尿病に限らず一般の患者さんにおいて時折観察される傾向の一つとして、期待している治療法については、メリットの情報のみに関心が向きやすく、デメリットの情報については無視しがちであるということです。

 

これとは逆に、不審を抱いている治療法については、メリットの情報については耳に入りにくく、これとは逆に、デメリットの情報ばかりを集めようとする傾向があるように思われます。

 

いずれの場合にも、メリットとデメリットとの両方の情報を集めて、自分自身の諸条件に照らし合わせて冷静かつ客観的に比較衡量することが大切だと考えます。


私の個人的な印象に過ぎませんが、日本人は、自分の耳に心地よい情報に飛びつきやすく、不快あるいは不本意な情報には耳を傾けない傾向があるような気がしています。これは、国際社会において、日本国への信頼や日本人の能力や信用に対する評価を著しく低下させる要因になっているのではないか、と危惧しています。


今回は、ChatGPTの特性について検討を加えることをテーマとする月曜日シリーズとして、これらの課題(和文質問と英文質問に対する回答内容の違い、質問の仕方の工夫)を検討してみます。


まず、大多数の読者のために、Aさん(米国人)の質問の和訳を再掲します。

ムッシュGPTの英文回答の後にも、和訳を掲載します。

 


Aさんの質問(日本語訳)

私は糖尿病患者です。主治医から適切な治療を受けており、セルフケアを怠らなければコントロールは良好です。しかし、私は食欲旺盛で、しばしば血糖値を大きく上昇させてしまいます。そこで、食欲を減退させる注射タイプの糖尿病治療薬があると聞き、興味を持ちました。その注射薬の利点と欠点を教えてください。

 

Aさんの質問(英文オリジナル)
I am a diabetic patient. I am receiving proper treatment from my doctor and am in good control as long as I do not neglect self-care. However, I have a voracious appetite, which often causes my blood glucose levels to rise significantly. So I was interested to hear that there is an injectable diabetes drug that decreases appetite. What are the advantages and disadvantages of that injectable drug?

 


ChatGPT
It's possible that you're referring to medications known as GLP-1 receptor agonists, which are a type of injectable medication used in the treatment of type 2 diabetes. While these medications primarily focus on improving blood sugar control, they often have secondary effects on appetite and weight.

 

Advantages:
1. Blood Sugar Control: GLP-1 receptor agonists can help lower blood sugar levels by increasing insulin secretion and reducing the production of glucagon, a hormone that raises blood sugar.


2. Weight Loss: Many people using GLP-1 receptor agonists experience weight loss as a side effect. This can be particularly beneficial for individuals with type 2 diabetes who are overweight, as weight loss can improve insulin sensitivity.


3. Appetite Reduction: GLP-1 receptor agonists can lead to a reduction in appetite, which can help control overeating and contribute to weight loss.


4. Cardiovascular Benefits: Some GLP-1 receptor agonists have demonstrated cardiovascular benefits, including a reduction in the risk of major cardiovascular events.


Disadvantages:
1. Injectable Formulation: GLP-1 receptor agonists are typically administered via injection, either subcutaneously or intramuscularly. Some people may find this inconvenient or uncomfortable.


2. Gastrointestinal Side Effects: Common side effects include nausea, vomiting, and diarrhea. These symptoms may improve over time, but they can be challenging for some individuals.


3. Cost: Injectable medications can be more expensive than oral medications, and insurance coverage may vary.


4. Limited Long-term Data: While these drugs have shown efficacy in improving blood sugar control and providing cardiovascular benefits in the short term, there is still limited long-term data available on their safety and effectiveness.


5. Hypoglycemia: While GLP-1 receptor agonists themselves do not typically cause hypoglycemia (low blood sugar), they are often used in conjunction with other diabetes medications that can. This can be a consideration when managing multiple medications.


It's crucial to discuss your specific situation and preferences with your healthcare provider. They can provide personalized advice based on your medical history, current health status, and treatment goals. Additionally, they can help you weigh the potential benefits and drawbacks of any medication in the context of your overall diabetes management plan.

 

チャットGPT
2型糖尿病の治療に使われる注射薬の一種であるGLP-1受容体作動薬のことを指している可能性があります。GLP-1受容体作動薬は、2型糖尿病の治療に使用される注射薬の一種です。これらの薬は主に血糖コントロールを改善することに重点を置いていますが、食欲や体重に対する二次的な作用があることも少なくありません。

 

利点
1.血糖コントロール:
GLP-1受容体作動薬は、インスリンの分泌を増加させ、血糖を上昇させるホルモンであるグルカゴンの産生を低下させることにより、血糖値を下げるのに役立ちます。


2.体重減少:
GLP-1受容体作動薬を使用している人の多くは、副作用として体重減少を経験しています。体重減少はインスリン感受性を改善するため、体重過多の2型糖尿病患者にとって特に有益です。


3.食欲減退:
GLP-1受容体作動薬は食欲を減退させるため、過食を抑制し、体重減少に貢献します。


4.心血管への有益性:
一部のGLP-1受容体作動薬では、主要な心血管イベントのリスク低下など、心血管への有益性が示されています。


欠点
1.注射剤:
GLP-1受容体作動薬は通常、皮下または筋肉内注射により投与される。人によっては、これを不便または不快と感じるかもしれません。


2.胃腸の副作用:
一般的な副作用には、吐き気、嘔吐、下痢などがある。これらの症状は時間の経過とともに改善することもあるが、人によっては困難な場合もあります。


3.費用:
注射薬は内服薬よりも高額になることがあり、保険の適用範囲も様々です。


4.限られた長期データ:
これらの薬剤は短期的には血糖コントロールの改善や心血管系への有効性が示されているが、安全性と有効性に関する長期的なデータはまだ限られています。


5.低血糖:
GLP-1受容体作動薬自体は通常、低血糖(低血糖)を引き起こしませんが、低血糖を引き起こす可能性のある他の糖尿病治療薬と併用されることが多いです。
複数の薬剤を管理する場合は、この点を考慮する必要があります。

 

あなたの特定の状況や嗜好について医療従事者と話し合うことは非常に重要です。医療従事者は、あなたの病歴、現在の健康状態、治療目標に基づいて、個別のアドバイスを提供することができます。さらに、糖尿病の全体的な管理計画との関連で、それぞれの薬剤にはどのような潜在的な利点と欠点を比較検討することもできます。

 

 

ドクター飯嶋のコメント:
米国人のAさんの質問は、日本人のBさんの質問より、質問の内容が、より個人的で、限定的であるため、回答の守備範囲を絞り込みやすくなります。その分だけ、的の当たった質問者にとって有益な回答情報が得られやすくなります。


ムッシュGPTは、不要な主語をも敢えて省略して「2型糖尿病の治療に使われる注射薬の一種であるGLP-1受容体作動薬のことを指している可能性があります。」と見事に切り込んでいます。ご名答です。Aさんが質問したかった注射薬とは、まさにGLP-1受容体作動薬だったのです。

 

このように、OpenAIと上手に付き合っていくために、ユーザーとして求められるのは、質問の仕方を工夫することです。

 

質問者は、独りよがりな漠然とした質問をしても、ある程度の回答を得ることができます。ただし、そのような場合の回答の質は、質問のレベルによって規定されてしまうことを知っておくこと必要があるでしょう。


つまり、質問者の質問の質によって、回答の質が決定されるということなのですから、改めて「質問」という文字はよくできているものと感心します。


もっとも、このばあいの「質問」の「質」とは「問いただす」という意味なのではありますが、問いただすことによって、得たい情報の精度が高まり、文字通り、質の向上に繋がる訳です。


ですから、ChatGPTを意識的に活用することによって、質問の仕方を向上させるスキルが身につくことが期待できます。初回の質問の回答に満足がいかなかったり、見当違いの回答内容だったり、その他、期待していた内容でない場合には、質問の仕方を工夫して、改めて質問してみることが勧められます。


このような、反復操作の課程で、より有益なフィードバックが得られるのではないでしょうか?


また、Aさんからしっかり学んでおきたいことは、質問の際に、一面的な価値判断ではなく、相対立する両面(長所と短所、メリットとデメリット、など)の情報を得るための条件設定をしていることです。


GLP-1受容体作動薬は、確かに有益な薬剤ですが、望ましくないポイントや注意点、その他、運用面すなわち、制度上の限界などについてもムッシュGPTは回答してくれています。


私自身も、OpenAIの活用に当たっては、このような様々な知的スキルを身に着けていきたいと考えているところです。


衛生講話年間計画(案)の作成方法について

 

この記事の一部は、4月15日(月)に掲載する予定です。
しかしながら、新年度からの職場の安全衛生活動の年間計画を策定するために、至急、参考となる情報がほしいとの、複数の企業の担当者様からの要望がございました。
 

そこで、前倒しして、関連情報を掲載させていただくことにしました。

 

PDFファイルはこちら

企業の衛生委員会における産業医1

 

はじめに、一般的に「産業医による衛生講話」のテーマは、
A.関係法令分野、B.労働衛生分野およびC. 労働生理分野
の3分野から選ばれています。


これらは、「第2種衛生管理者試験」の出題範囲と完全に重なっています。なお、「第1種衛生管理者試験」の出題範囲は、これらの他にD.有害業務関係が加わるのみです。
 

それでは、全体を俯瞰して、イメージを把握しておくことにいたしましょう。

 

さっそく、オリエンテーションを始めます。


まずは、上記の3分野であるA、BおよびCの内容をご紹介いたします。
以下の具体的な内容は今後の総論および各論でレクチャーする予定です。

 

もっとも、産業医からの衛生講話とは、
産業医が、健康管理や衛生管理を目的に、社員に向けて実施する研修のことです。
これは、企業の希望に応じて行うもので、頻度・開催方法などが法に定められているものではありませんが、管理の行き届いた企業様においては、衛生講話が主(60分の衛生委員会の内の30~45分)となることもあります。


そして健康教育の一環として企業・組織の自発的な要望により開催されるものです。
ですから、本来であれば、産業医から自主的に提案するものではないのですが、衛生委員会の立ち上げからの支援が必要な企業、衛生委員会が完全に構築されていないまま継続中の企業、衛生委員会が十分に機能できていない企業等は決して少なくないため、産業医による積極的で系統的な「衛生講話」が有効に機能するケースも少なくないのが実際です。


以下は、カリキュラム一覧ですが、このリストの中から、毎回いくつかのテーマを企業の希望により選択していただき、産業医としては、工夫を凝らして、それらのテーマを組み立てて統合的で実践的なレクチャーになるように試みることにいたします。
なお、安全衛生委員会に参加する労働者側の委員の中の有志が、衛生管理者の資格取得を目指す際の有益なツールになるようなレクチャーに心掛けることによって、安全衛生委員会という会議体の質的向上が効果的に図れるものと考えております。


しかしながら、衛生管理者のみならず、安全衛生委員会もしくは衛生委員会を構成するすべての委員が、基本的な知識を共有することによって、委員会活動の内容は、より充実し、かつ実効性のある活動に繋げやすくなります。


年間計画策定のためには、以下、A.B.Cの3領域を毎回もれなく盛り込んでおくことが望まれます。


衛生管理者の方は、これらA.B.Cのテーマのうち、少なくとも2領域が相互に関連するものを組み合わせて立案を工夫すると良いでしょう。ただし、産業医が適宜サポートしますので、凡そのプランで十分です。


また、衛生管理者が未選任の事業所様においては、衛生推進者を任命し、任命を受けた方が、これらA.B.Cのテーマのうち、1領域について年間を通じてテーマを割り振っておくことをお勧めいたします。その後の作業は、産業医が適宜提案していくことが可能です。

 

以下は、今後も活用できる目次(項目の体系的リスト)です。

 

・・・・・・・・・


A.関係法令分野

A-1:労働安全衛生法および関連法令

 

労働安全衛生法:職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境を形成する目的で制定された法律
  

1)報告義務:労働基準監督署への報告義務
  

2)安全衛生教育:雇入れ時・作業内容変更時の安全衛生教育
  

3)労働安全衛生規則
① 気積・換気
➁ 採光・照度
③ 休養・清掃、食堂・炊事場
  

4)事務所衛生基準規則
① 事務室の空気環境の調整

➁ 事務室設備の定期的な点検
  

5)健康診断・面接指導
① 一般健康診断
➁ 健康診断実施後の措置
③ 面接指導
④ ストレスチェック

 

A-2:労働基準法:労働時間、賃金、休日などの労働条件について最低基準を定めた法律。

 

1)解雇の規制

 

2)労働時間および休憩、休日・休暇
① 法定労働時間・時間外労働
➁ 休憩・休日
③ 割増賃金
④ 変形労働時間制・みなし労働時間制
⑤ 年次有給休暇


3)妊産婦や年少者に対する特別な保護規定

 


4)就業規則

 

 

B.労働衛生分野

作業環境要素、職業性疾病(職業病)
労働者の生命を衛るための基本:3管理

① 作業環境管理、➁ 作業管理、③ 健康管理

 

労働衛生管理統計

救急処置
<労働衛生管理>
<労働衛生管理統計>
<健康の保持増進対策>

1)健康保持増進計画・健康測定

2)受動喫煙防止対策

3)メンタルヘルスケア:
労働者の心の健康の保持増進のための指針

 

<作業環境要素と管理>
1)温熱環境(温熱条件)
2)視環境(採光・照度)
3)必要換気量
4)事務室等の作業環境改善

 

<作業管理>
1)情報機器作業時の労働衛生管理:
  情報機器作業における労働安全衛生管理のためのガイドライン

2)腰痛予防対策

 

<救急処置>
1)救急:一次救命処置
2)脳血管障害
3)虚血性心疾患
4)食中毒
5)骨折・脱臼
6)熱傷(火傷)・凍傷
15)出血および止血法

 

 

C.労働生理分野

人体の構造や機能について

1)循環器系(心臓の働き)
2)血液系(血液の組織と機能)
3)呼吸器系(肺・気管支・鼻腔など)
4)消化管系(胃・小腸・大腸)
5)消化器系(特に肝臓・膵臓)
6)腎・泌尿器(腎臓)
7)神経系
8)感覚器系(特に視覚)
9)運動器系(筋肉・骨・エネルギー)
10)内分泌・代謝系
11)免疫系
12)生体恒常性(ホメオスターシス)
13)疲労生理学(分類・回復と予防)
14)睡眠

 

前回はこちら

 

 

日本内科学会の会員の手元には、日本内科学会雑誌が届きます。


今年初めの1月10日号の特集は、<慢性肝臓病の克服を目指して>
という私にとって興味深いタイトルでした。


なぜ、興味深いかというと、外来診療の際だけでなく、顧問を務めている企業の健康講話等においても、しばしば話題に取り上げられ、質問をお受けすることが多いからなのです。

 

ただし、この領域は、近年、用語や概念が大きく転換したため、混乱が生じやすいので医師としては、説明の際に慎重を期さなければならないテーマでもあります。

 

私たちの五臓六腑のなかでも、寿命をささえる重要な臓器として、肝臓と腎臓は昔から経験的に注目されてきました。極めて重要なことを「肝心要(かんじんかなめ)」と表現することも、その名残りではないでしょうか?

 

その一方の腎臓について<慢性腎臓病>についての認知は、少なくとも内科医の間では確かなものになりつつありますが、意外にも<慢性肝臓病>という概念は新しい内容が含まれています。しかし、肝臓の健康管理のお話をする際には、<慢性肝臓病>について避けて通ることはできません。

 

そこで、今回は<慢性肝臓病>について、一般的にどのように理解されてきたか、という観点から、ムッシュGPTに回答して貰いました。

 

ただし、注意すべきなのは、ムッシュGPTは<慢性肝臓病>として回答しているとしても、実際には<慢性的な経過をたどる肝臓の代表的な病気>についてまとめてくれるはずなので、それを前提としてお読みいただきたいと思います。

 

 

慢性肝臓病とはどのような病気なのでしょうか?


ChatGPT
慢性肝臓病は、肝臓が炎症や損傷を長期間にわたり経験する状態を指します。通常、肝臓は体内の多くの重要な機能を担っており、代謝物質の処理、毒素の除去、タンパク質の合成、免疫機能の維持などが含まれます。


慢性肝臓病の主な原因は、以下のような要因によるものです:


1. 慢性ウイルス感染:

B型肝炎ウイルス (HBV) やC型肝炎ウイルス (HCV) の慢性感染が肝臓の損傷を引き起こすことがあります。


2. アルコールの慢性摂取:

長期間にわたり過剰なアルコール摂取は、肝臓に損傷を与え、慢性肝臓病を引き起こす可能性があります。


3. 脂肪肝症:

過剰な脂肪が肝臓に蓄積する脂肪肝症は、アルコールの摂取がなくても、糖尿病や肥満などに関連して発生することがあります。


4. 自己免疫疾患:

免疫系が誤って肝臓を攻撃する自己免疫性の疾患も慢性肝臓病の原因となります。
慢性肝臓病はしばしば無症状で進行し、初期には気付かれないことがあります。しかし、症状が現れるとしても、疲労感、食欲不振、体重減少、腹部の不快感などが含まれることがあります。重篤な場合、肝硬変や肝癌などの合併症が発生する可能性があります。


診断や治療は、慢性肝臓病の原因や進行度に基づいて医師が行います。早期の発見と管理が重要であり、特に原因に対する治療や生活スタイルの変更が含まれることがあります。

 

 

ドクター飯嶋のコメント:
私が予測した回答より、一歩前進した理解をムッシュGPTが前提としていることが確認できました。


ここでムッシュGPTは「慢性肝臓病」を「肝臓が炎症や損傷を長期間にわたり経験する状態」であると前置きしていますが、細部はともかく基本的には、このような理解から説明を出発しても問題はないと考えます。

 

ただし、わが国の日本肝臓学会は2023年6月に「奈良宣言2023」を発表し、「慢性肝臓病(CLD: Chronic Liver Disease)」をより明確に定義しました。


これは「肝炎ウイルスや脂肪肝、アルコール、免疫異常等さまざまな原因により生じる肝臓の慢性炎症状態」とすることに加えて、一般の住民健診や職場健診の血液検査等で広く測定されているALT(GPT)値に注目し、これが30U/Iを超える場合にCLD診断の糸口とするように推奨するようになったことは重要な変革なのです。

 

この「奈良宣言2023」というキーワードは、少なくとも内科医にとって、今年はさらに注目され、普及していくことになることが予想されますが、この2023という数字は、ムッシュGPTの判断材料の範疇外の情報であることを意味します。

 

この件に関しては、OpenAIであるChatGPTのシステムに関する話題であるため、月曜日のシリーズである3月11日のテーマとして検討することにします。

 

前回はこちら

 

世間一般の方に未だほとんど知られていない水氣道の存在意義について、詳細に説明することは限界があります。

それよりも、多くの皆様にとってイメージしやすい一般の競技スポーツとの比較において検討していただくことは意味のある事だと思います。

 

そこで、とくに競技スポーツ選手の引退後や老後の健康管理という、これまであまり注目されてこなかったテーマについて焦点を当ててみたいと思います。

 

 

質問者(ムッシュGPTへのインタービューアー):ドクター飯嶋

 

スポーツ選手が高齢になる前に引退したのち、健康的な生活を送り、適切なトレーニングを続けることで、生涯現役や健康長寿を実現することは理論的には十分に可能のようですが、その実践が難しい方も少なくありません。どのような手助けが可能でしょうか?

 



ChatGPT
スポーツ選手が引退後に生涯現役や健康長寿を実現するために、以下のような手助けが可能です。


1. トランジション・サポート:
引退後、新しい生活への適応が必要です。スポーツ選手が一流の競技から一般の生活に転換する際、心理的なサポートやカウンセリングが役立ちます。専門家のアドバイスを受け、新しい目標や生活スタイルに対する適応力を高めましょう。


2. カスタマイズされたトレーニングプログラム:
引退後も適切なトレーニングを継続することが重要です。ただし、新しいライフスタイルや身体の状態に合わせたカスタマイズされたトレーニングプログラムが必要です。トレーナーや専門家の指導を受けながら、無理のない範囲でトレーニングを行いましょう。


3. 栄養指導:
適切な栄養は健康に不可欠です。引退後は特に、スポーツ選手の栄養状態を維持しつつ、新しい生活スタイルに合った食事アプローチを考える必要があります。栄養士やダイエットの専門家に相談し、適切な栄養指導を受けましょう。


4. 健康チェックと予防医療:
定期的な健康チェックや予防医療が健康長寿をサポートします。定期的な健康診断を受け、生活習慣病やその他の健康リスクに早期に気付くことが大切です。


5. 趣味や新たな挑戦:
引退後は新しい趣味や挑戦を見つけることが重要です。これにより、モチベーションが保たれ、充実感を感じることができます。新しい興味を見つけ、自分の好奇心を追求しましょう。


6. 社会的なサポート:
友情や家族のサポートは非常に重要です。新しい生活への適応やトランジションを円滑に進めるために、周りの人々とのつながりを大切にしましょう。


これらの手助けを組み合わせることで、スポーツ選手は引退後も健康的で充実した生活を送りながら、生涯現役や健康長寿を実現することができます。個々の状況や目標に合わせ、適切なサポートを活用することが重要です。

 

 

ドクター飯嶋のコメント:
さすがにムッシュGPTは、歯切れのよい回答を準備してくれます。

とくに、項目1の<トランジション・サポート>という言葉は今後も活用できそうです。わかりやすい日本語に改めるとすれば<移行期支援>という表現も可能かもしれません。

 

ところが、日本語に直してみて、改めてこれまでの経験を振り返ってみるといささか残念な思いがこみ上げてきます。

 

それは、競技スポーツ選手は外傷や手術を要する病気については、受け入れやすいのですが、それ以外の健康管理について、医師に支援を求めることを快く思わない、積極的になろうとせず、自らの経験に基づく、従来の考え方や方法に固執しようとする方が少なからずいらっしゃったからです。

 

上記の6項目の中で、医師として最も関与し易いのは、4の<健康チェックと予防医療>になるかもしれません。ただし、これについての受容の程度もひとにより大きく異なります。過去の栄光ばかりに固執することなく、移行期を大切に過ごすことができれば、その後の長い<新たな生活>を、より有意義に創造的に過ごすことができるのではないかと、私は考えています。

 

水氣道は、元競技選手といったキャリアをもつ方々にとっても充実したプログラムを提供できる内容になっているのですが、効果的にアピールできる環境が整っていないという現実があります。今後の水氣道の在り方にとっても大切なテーマだと認識しています。

 

前回はこちら

 


「よくある質問」については金曜日のシリーズですが、

 

2月16日(金)金曜シリーズ < よくある問い合わせ ⑫ >

 

に取り上げたBさんの質問について、これを敢えて英語に翻訳して、ムッシュGPTに再度質問してみました。

 


オリジナルの質問文を再掲します。

 


質問者:Bさん(日本人)

私は糖尿病の患者です。主治医から適切な治療を受けているので、セルフケアを怠らなければコントロール良好です。将来、インスリンの自己注射を打つようにはなりたくないのですが、インスリン以外に糖尿病の注射薬があると聞き興味があります。その注射薬の概要について教えてください。

 


以下はChatGPTのシステムについての理解を深めるための英語での回答ですが、その場合、回答文も英語になります。生成された英語の回答文は、私が日本語に翻訳することにします。

 

 


質問者:Bさん(日本人)英語翻訳版


I am a diabetic patient. I am receiving proper treatment from my doctor and am in good control as long as I do not neglect my self-care. I do not want to have to self-inject insulin in the future, but I am interested to hear that there are other injectable drugs for diabetes besides insulin. Please give me an overview of these injectable medications.

 


ChatGPTの英文回答

 

Certainly! While insulin is a common injectable medication for diabetes, there are also other injectable medications available that can be used as alternatives or in combination with insulin. These medications are typically used to help manage blood sugar levels in people with diabetes. Here are some of the non-insulin injectable medications:
1. GLP-1 Receptor Agonists (Incretin Mimetics):
Examples: Exenatide (Byetta, Bydureon), Liraglutide (Victoza, Saxenda), Dulaglutide (Trulicity), Semaglutide (Ozempic).
These drugs stimulate the release of insulin and reduce glucagon secretion, leading to lower blood sugar levels. They also slow down gastric emptying, promoting a feeling of fullness and potentially aiding in weight loss.
2. DPP-4 Inhibitors (Gliptins):
Examples: Sitagliptin (Januvia), Saxagliptin (Onglyza), Linagliptin (Tradjenta), Alogliptin (Nesina).
DPP-4 inhibitors work by inhibiting the enzyme DPP-4, which in turn increases the levels of incretins. Incretins help regulate blood sugar by increasing insulin release and decreasing glucagon secretion.
3. SGLT-2 Inhibitors:
Examples: Canagliflozin (Invokana), Dapagliflozin (Farxiga), Empagliflozin (Jardiance).
SGLT-2 inhibitors work by blocking the reabsorption of glucose in the kidneys, leading to increased glucose excretion in urine. This helps lower blood sugar levels.
4. Amylinomimetic (Pramlintide):
Example: Pramlintide (Symlin).
Pramlintide is a synthetic form of amylin, a hormone that works with insulin to regulate blood sugar levels. It slows down the absorption of glucose from the digestive system, reducing post-meal spikes in blood sugar.
5. GLP-1 Receptor Agonist and Insulin Combination:
Examples: Insulin Glargine and Lixisenatide (Soliqua), Insulin Degludec and Liraglutide (Xultophy).
These are combination medications that include both a long-acting insulin and a GLP-1 receptor agonist in one injection. They aim to provide both basal insulin and postprandial glucose control.
It's important to note that the choice of medication depends on various factors, including the type of diabetes, individual health conditions, and treatment goals. Your healthcare provider will determine the most appropriate treatment plan for you based on your specific needs. Always consult with your healthcare team before making any changes to your diabetes management plan.
ChatGPT can make mistakes. Consider

 

 


質問者:Bさん(日本人)英語翻訳版の日本語訳

 

ChatGPTの回答文
確かに インスリンは糖尿病の一般的な注射薬ですが、インスリンの代わりとして、あるいはインスリンと併用できる他の注射薬もあります。これらの薬は通常、糖尿病患者の血糖値の管理に役立ちます。ここでは、インスリン以外の注射薬をいくつか紹介します:


1. GLP-1受容体作動薬(インクレチン関連薬):
- 例 エキセナチド(バイエッタ®、ビデュリオン®)、リラグルチド(ヴィクトーザ®、サクセンダ®)、デュラグルチド(トルリシティ®)、セマグルチド(オゼンピック®)など。
- これらの薬剤はインスリンの分泌を刺激し、グルカゴンの分泌を抑えて血糖値を下げます。また、胃排出を遅らせ、満腹感を促し、体重減少を助ける可能性があります。

 


2. DPP-4阻害薬(グリプチン類):
- 例 シタグリプチン酸塩水和物(ジャヌビア®)、サキサグリプチン水和物(オングリザ®)、リナグリプチン(トラゼンタ®)、アログリプチン安息香酸塩(ネシーナ®)など。


- DPP-4阻害薬は、DPP-4という酵素を阻害することにより、インクレチンのレベルを上昇させます。インクレチンは、インスリン分泌を増加させ、グルカゴン分泌を減少させることにより、血糖値の調節を助けます。

 


3. SGLT-2阻害薬:
- 例 カナグリフロジン水和物(インボカーナ=カナグル®)、ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物(フォシーガ®)、エンパグリフロジン(ジャディアンス®)。


- SGLT-2阻害薬は、腎臓でのグルコースの再吸収を阻害することで作用し、尿中へのグルコース排泄を増加させます。これにより、血糖値を下げることができます。

 


4. アミリノミメティック(プラムリンタイド):

- 例 プラムリンタイド(Symlin®)。


- プラムリンタイドは、インスリンと協力して血糖値を調節するホルモンであるアミリンの合成型です。消化器系からのグルコースの吸収を遅らせ、食後の血糖値の上昇を抑えます。

 


5. GLP-1受容体作動薬とインスリンの併用:
- 例 インスリン グラルギンとリキセナチド(ソリクア配合注ソロスター®)、
インスリン デグルデクとリラグルチド(ゾルトファイ配合注フレックスタッチ®)。


- これらは、長時間作用型インスリン製剤とGLP-1受容体作動薬の両方を1回の注射で投与する配合剤です。これらは基礎インスリンと食後血糖コントロールの両方を行うことを目的としています。

 

薬剤の選択は、糖尿病のタイプ、個々の健康状態、治療目標など様々な要因によって異なることに注意することが重要です。医療従事者は、患者さんの具体的なニーズに基づいて、最も適切な治療計画を決定します。糖尿病管理計画を変更する前に、必ず医療チームに相談してください。

 

ChatGPTは間違いを犯す可能性があります。要考慮のこと。

 

 

ドクター飯嶋のコメント:
英語による質問に対する英語での回答は、オリジナルの日本語による質問に対する日本語での回答と比べて、その内容や具体性が格段に向上していることが確認されました。

 

ただし、総論部分の回答には注意を喚起しておかなければなりません。

 

ムッシュGPTは、「確かに インスリンは糖尿病の一般的な注射薬ですが、インスリンの代わりとして、あるいはインスリンと併用できる他の注射薬もあります。」と回答していますが、インスリンはあくまでインスリンであって、ある種のインスリンの代わりになる注射薬はインスリン以外には考えられないからです。これは、ニュアンスの問題かもしれませんが、誤解を招きやすいので要注意です。


逆に「ここでは、インスリン以外の注射薬をいくつか紹介します」と回答していますが、実際には、ほぼすべての注射薬を網羅しています。ほぼ、というのは、ChatGPTの情報ベースが概ね2021年までのデータであることから、それ以降に承認された新薬があるとすれば、まだアップデートされていない可能性があるからです。

 

翻訳にあたっては、より正確を期するために、日本国内で使用されている薬剤については、その名称の表記にしたがい加筆・修正しました。

 

日本語版と英語版では、同じ内容の質問をしても、これだけ明らかな回答の違いがあります。日本語版ですら、一般の方々にはなじみにくい説明であったかもしれませんが、それにも増して、英語版での回答は、一般の内科医にとっても詳しすぎる程の情報量です。糖尿病専門医向けの備忘録的なサマリー情報といっても過言ではないでしょう。


それでは、質問原語の違いによる、このような回答内容の違いは何に由来するのでしょうか?

 

英語版では薬剤の一般名だけでなく商品名®まで掲載しているのがヒントになっているように思われます。

 

これは、あくまでも私の推測に過ぎませんが、米国等の巨大な資本力をもつ製薬会社の業界団体の影響力によるものではないかと私は推測しています。

 

ChatGPTのように、全世界に大きな影響力をもつシステムの開発には莫大な費用が必要であることは疑い得ないことです。ChatGPTを開発しているOpenAI研究所自体は、非営利団体とされますが、多数の営利子会社を擁しているとはいえ、外部から相当額の寄付を積極的に受け付けているものと推定することができるのではないでしょうか。

 

つまり、米国の大手の製薬会社が研究開発費を拠出している可能性が少なくないということです。そして、多額の寄付を受けるということは、人材についても出資者の意向に沿う開発者が送り込まれる可能性が高いことが示唆されます。

 

英語版では薬剤の一般名だけでなく商品名®まで掲載して具体的かつ詳細に紹介されている事実がヒントになっているように思われます。

 

前回はこちら

 


糖尿病の注射療法薬について日本人のBさんと同様の質問を米国人のAさんから寄せられました。

 

Aさんは、Bさんより、具体的な個人的背景となる情報が提供されています。

 

質問者が知りたいのは、一般的な情報だけでなく、本人にとっての個別の情報であることも多いのではないでしょうか。

自分自身にとって有益な情報を得るためには、Aさんのような、より個別的で具体的な質問の工夫が有効になります。

 

また、Aさんの質問の優れているもう一つのポイントは、メリットばかりでなくデメリットについても質問して、両方の観点から比較衡量して最終判断の参考にしたいという意向が反映されているところにみられます。


なお、米国人のAさんのオリジナルの質問は英語ですが、多くの読者の皆様の読みやすさを考慮して、私が日本語に直してムッシュGPTに質問を投げかけてみることにしました。

 

 

質問者:Aさん(米国人)

私は糖尿病の患者です。

主治医から適切な治療を受けているので、セルフケアを怠らなければコントロール良好です。

しかし、食欲が旺盛であるため、しばしば血糖値を大幅に上昇させてしまうことがあります。

 

そこで食欲を低下させる糖尿病の注射薬があると聞き興味が湧きました。その注射薬のメリットとデメリットについて教えてください。

 


ChatGPT

食欲を抑制し、かつ血糖値を管理するための糖尿病の注射薬としては、主にGLP-1受容体作動薬(GLP-1 RA)が挙げられます。以下にGLP-1 RAのメリットとデメリットを概説します。

 


メリット

1. 血糖値の管理:
GLP-1 RAは、膵臓からのインスリン分泌を増加させ、また肝臓からのグルコース生成を抑制することで、血糖値の上昇を抑制します。これにより、食後の高血糖を軽減する効果が期待できます。


2. 食欲抑制:
GLP-1 RAは中枢神経系に作用し、食欲を抑制する効果があります。これにより、過剰な食事や間食を抑え、体重の管理にも寄与します。


3. 一部の製剤は週1回の投与が可能:
一部のGLP-1 RAは週1回の投与が可能な長時間作用型の製剤があり、患者の利便性を向上させます。

 


デメリット
1. 皮下注射が必要:
GLP-1 RAは一般的に皮下注射として投与されます。これが他の経口薬と比べて患者にとって抵抗感をもたらすことがあります。


2. 副作用:
一般的な副作用には注射部位の発赤や腫れ、吐き気が挙げられます。これらの症状は通常軽度で一時的ですが、一部の患者には継続的な使用が難しい場合があります。


3. 費用:
一部のGLP-1 RAは高価な場合があり、医療保険の適用状況によっては経済的な負担がかかることがあります。

 

 

ドクター飯嶋のコメント
米国人Aさんの質問の仕方が上手なためか、Aさんが知りたい情報の要点は確保されたのではないかと思います。

限られた文字数の回答の場合、知りたい有益な情報を十分に確保するためには、不要な情報が入り込まないようにする工夫も必要であることがわかります。

 

Aさんばかりでなく、主治医である私自身も薬剤のデメリット、とりわけ、副作用(副反応)に関する情報を共有することが不可欠なので、事前情報として提供できることは有益な手続きになります。


ところで、日本人のBさんの質問を英語に翻訳してムッシュGPTに質問すると驚きの回答が得られたのですが、米国人のAさんの質問については、とりわけ、オリジナルの質問文(英文)でムッシュGPTに質問することも試みてみたいと思います。

 

その記事は、3月4日(月)で、とりあげる予定です。

 

前回はこちら

 


チャットGPTが翻訳ソフトを使用していないというメリットの一端
某高性能有料「翻訳ソフト」にみられる専門用語の誤訳の捏造性?
(その2)


ムッシュGPTにお仕事を引き受けていただくために、前回検証した、某高性能自動翻訳機の誤訳の部分に修正を加えて、以下の中文(中国語の文書)で質問してみました。

 

我不是医生,但我可以提供一些一般性的信息。首先,您的症状改善可能与医生为您开具的两种中药——"加味逍遥散"和"当帰芍薬散"——的配方和周期性服用有关。

 

1. 中药配方的综合作用: "加味逍遥散"和"当帰芍薬散"是中医中的经典方剂,通常被用于调理女性的月经

 

2. 调、经痛等问题。这两种方剂可能通过多种成分的协同作用,综合调理身体的平衡,从而带来症状的改善。

 

3. 根据月经周期的交替使用: 您提到医生根据您的月经周期让您交替使用这两种药物。这可能有助于更好地适应身体的生理周期,以更精准地应对周期性的变化和不适。

 

4. 个体差异: 每个人的身体状况和反应是独特的。有时候,特定的治疗在一些人身上可能表现得更为有效,而在另一些人身上效果较差。您的身体可能对这两种药物的组合产生了积极的反应。

 

5. 心理影响: 有时候,期望治疗会奏效可能会对治疗的效果产生一定的影响。心理因素对身体的影响并不容忽视。


然而,为了更准确地了解为什么您在这种情况下感觉良好,最好的做法是与您的医生直接沟通。医生能够根据您的具体病史、体检结果和症状变化为您提供更专业和个体化的建议。

 

 


高性能として知られている某有料翻訳ソフトによる日本語訳

 

私は医者ではありませんが、一般的な情報を提供することはできます。 まず、症状の改善には、主治医から処方された2つの漢方薬「滋陰益気散」と「当帰芍薬散」の処方と周期的な服用が関係している可能性があります。

 

1.漢方処方の相乗効果:

『滋陰降火散』と『当帰芍薬散』は漢方の古典的な処方で、通常、女性の月経不順や月経痛を調整するために用いられます。 この2つの処方は、様々な成分との相乗効果で身体のバランスを総合的に整え、症状の改善をもたらす可能性がある。

 

2.月経周期に合わせて交互に服用:

月経周期に合わせて2種類の薬を交互に服用するよう、医師から指示されているとのことですね。 そうすることで、周期的な変化や不快感により正確に対応するために、体の周期によりよく適応することができるかもしれません。

 

3.個人差:

体調や反応は人それぞれです。 特定の治療法が、ある人にはより効果的で、ある人にはあまり効果的でないこともあります。 2種類の薬を併用することで、身体が良い反応を示す場合もあります。

 

4.心理的な影響:

治療が効くという期待が、その効き目に影響を及ぼすことがあります。 心理的要因が身体に与える影響は無視できない。

 

しかし、このような状況でなぜ調子がいいのかをより正確に把握するためには、主治医と直接話すのが一番です。 主治医は、あなたの病歴、身体検査の結果、症状の変化などに基づいて、より専門的で個別のアドバイスを提供することができるでしょう。

 

・・・・・・・・・・・・・・・


ドクター飯嶋のコメント:

最初の日本語の質問文を某高性能有料「翻訳ソフト」で中国語変換すると、
せっかくムッシュGPTが正しく反映してくれた<当帰芍薬散と加味逍遙散>に相当する部分を「翻訳ソフト」はわざわざ<汤吉牡丹散和上芍药散>という表記に変換してしまいました。これは、明らかに不適切な変換であり、「汤吉牡丹散」と「上芍药散」というふうに訳が捏造されたようなものです。

 

この翻訳中国語文の誤訳部分を修復して、<当帰芍薬散と加味逍遙散>に還元して再び日本語に変換すると今度は、「唐辛子麦門冬湯」と「香包散」というふうに、実際には存在していない処方名の訳が再び捏造されています。

 

たしかに「麦門冬湯」という漢方薬は実際に存在しますが、まさかそれに「唐辛子」を加えた「唐辛子麦門冬湯」なるものが存在する可能性は少ないと思います。


また「香包散」は聞いたことがありませんが「香蘇散」は良く知られていてとても紛らわしいです。

 

ちなみに、「麦門冬湯」と「香蘇散」は、わが国において、いずれも風邪の際に処方されることがありますが、タイプが合えば新型コロナウイルス感染症(Covid-19)にも処方することができます。

 

なぜ、このような、もっともらしい訳語が生成されるのかは不明ですが、余りにも、もっともらしい誤訳なので、もし私に漢方薬の専門知識が備わっていなければ、私自身も誤りを発見することができなかった可能性があります。

 

漢方薬についての質問に関して、英語による情報ベースでの対するチャットGPTは回答には限界があるのではないか、ということで質問文を中国語に翻訳して質問するということを試みました。

 

ムッシュGPTへの質問を中国語に変換するための翻訳に当たっては、某高性能有料「翻訳ソフト」をしました。その結果、この翻訳ソフトは有料であるからといって、必ずしも優良ではないことが確認されました。

 

それは、専門用語の誤訳というよりは、訳語の捏造に近いものでした。


捏造というのは「事実でない事を事実のようにこしらえて言うこと」(広辞苑)ですが、「翻訳ソフト」は、結果的に訳語を捏造したのと同様の結果をもたらす危険性があります。

 

その場合「事実でない事」というより「実際には存在しない用語」をシステムに内在するプログラムのメカニズムによって自動的に生成してしまうことがあるからです。

 

母国語以外のある外国語に翻訳する場合には、最低限でも、その言語の基礎的な単語や文法についての知識が必要だと思います。その理由は、誤訳と用語捏造が頻繁に行われているため、それを検出できるだけの能力を確保しておかなければならないからです。

 

大切な情報を収集するにあたって、安易にChatGPTや翻訳ソフトに頼ることに対して、私は自らを含め、警鐘を鳴らしておきたいと思います。

 

前回はこちら

 

糖尿病の罹患者数はなかなか減少しません。


糖尿病の診断は難しくないのですが、初期においては無症状であるためか、治療開始に至らない症例や治療を中断する症例が就労世代に多いことは大問題だと思います。

 

ですから、私は嘱託産業医としての重要な健康管理業務で職場健診が不可欠であり、未治療あるいは治療中断状態にある労働者を医療へとつなげていくための啓発に力を注いでいます。

 

 

以下は、私のクリニックの患者さん(米国人Aさん)からの質問ですが、休職中の職員(日本人Bさん)の職場復帰のための産業医面談でも同様の質問を受けたため、まずムッシュGPTに質問を投げかけてみました。

 

 

質問者:Bさん(日本人)

私は糖尿病の患者です。主治医から適切な治療を受けているので、セルフケアを怠らなければコントロール良好です。

 

将来、インスリンの自己注射を打つようにはなりたくないのですが、インスリン以外に糖尿病の注射薬があると聞き興味があります。その注射薬の概要について教えてください。

 

 

ChatGPT
糖尿病の治療には、インスリン以外にもさまざまな注射薬があります。これらの薬は、異なる働きを持ち、患者の状態によって処方されることがあります。

以下に、主な非インスリン注射薬の概要を示します:

 

1. GLP-1受容体作動薬(GLP-1 RA):

GLP-1受容体作動薬は、膵臓のインスリン分泌を促進し、同時に食欲を抑制します。これにより、血糖値の上昇を抑える効果があります。これらの薬は通常、食事前に皮下注射されます。一部のGLP-1 RAは週1回の投与が可能であり、患者の利便性を向上させています。


2. DPP-4阻害薬:

DPP-4阻害薬は、血中のGLP-1の分解を阻害し、インスリン分泌を増加させます。食後の血糖値の上昇を抑制する効果があります。これらの薬は通常、経口薬として利用されますが、一部は注射薬としても存在します。


3. SGLT2阻害薬:

SGLT2阻害薬は、腎臓での糖の再吸収を阻害し、尿中に糖を排泄させます。これにより、血糖値を下げる効果があります。これらの薬は通常、経口薬ですが、一部は注射薬としても利用されます。


これらの非インスリン注射薬は、糖尿病患者の血糖管理をサポートするために使われます。

 

ただし、具体的な治療方針は患者の状態や医師の判断により異なるため、最適な治療法は主治医との相談によって決定されるべきです。

 

 

ドクター飯嶋のコメント:
 質問者は非インスリン注射薬(インスリン以外の糖尿病治療用注射薬)について質問していますが、同一の成分でも、注射製剤ばかりでなく内服製剤が使用できる薬剤があることをムッシュGPTは親切に教えてくれています。


この方は、そもそも注射が大の苦手なので、内服も可能であれば、内服の製剤を選択することになるでしょう。


しかし、この方はまた、自分自身の旺盛な食欲とも戦っているため、食欲を抑制できるのであれば苦手な注射であっても選択肢に入れることでしょう。


糖尿病は、世界中の先進国において等しく問題になってるばかりでなく、食生活の欧米化(むしろ単に、米国化か?)に伴い発展途上国でも増加しています。とりわけ米国は糖尿病大国で、米国人が多大な関心を寄せている代表的な生活習慣病の一つです。


そこで、次回は米国人のAさんの質問に対する回答について検討していきたいと思います。


なお、今回のBさんの質問を英語に翻訳して、ムッシュGPTの回答が日本語と英語で違いがあるかどうかを確認してみることは興味深い視点だと思います。

 


Bさんの質問を題材としての、この話題については、2月26日(月)の記事でさらに掘り下げていきたいと思います。

 

 

前回はこちら

 

 

水氣道の考え方について、水氣道は競技スポーツとは明確に区別している立場を取っていることは、とても重要です。その理由をわかりやすく説明するために、ムッシュGPTに問いかけてみました。

 

質問者(ドクター飯嶋)

生涯現役とか健康長寿を目的とする場合、スポーツ競技の様に個人の優れた能力をさらに引き延ばすアプローチと弱点を発見して少しずつ着実に底上げして体力全体の均衡を図るアプローチでは、どちらの方が優れていますか?



ChatGPT
どちらのアプローチが優れているかは、個人の好みや特定の目標に依存します。

 

ただし、生涯現役や健康長寿を目指す場合、両方のアプローチを組み合わせることが一般的に効果的です。


1. 個人の優れた能力を引き延ばすアプローチ:

利点:

特定のスポーツ競技や活動に専念することで、その分野での専門知識や能力を高めることができます。これにより、競技力やスキルが向上し、その競技を通じて生涯現役を保つことが可能です。


欠点:

過度な専念がケガや過労の原因となる可能性があります。また、ある特定のスポーツに依存することで、全体的な体力や健康の均衡が欠ける可能性があります。

 


2. 弱点を発見して底上げするアプローチ:

利点:

健康全体を促進するために、個々の弱点や不足している要素に焦点を当てることができます。バランスの取れた運動や全身のトレーニングを通じて、全体的な体力と健康を向上させることが可能です。


欠点:

ある特定のスポーツや活動には専念せず、広範なトレーニングを行うことが求められます。そのため、深い専門知識やスキルが身につくまでには時間がかかるかもしれません。


総合的なアプローチが最も効果的であるとされています。

 

特定のスポーツや活動に専念しつつも、全体的な健康を保つためにバランスの取れたトレーニングやライフスタイルの改善を行うことが望ましいです。

 

個人の目標や嗜好に合わせて、柔軟にアプローチを組み合わせていくことが重要です。

 

 


ドクター飯嶋のコメント:
賢明なる読者の皆様は、私の質問の意図を、すでにお察しになられたのではないかと思います。

 

私は、まず一般論での質問を試みました。しかし、これは「水氣道」という具体的な名称を挙げこそはしなかったものの、「水氣道」にとって大切な原則に通じる問いかけなのです。

 

重要な結論が示されました。

 

「弱点を発見して少しずつ着実に底上げして体力全体の均衡を図るアプローチ」をムッシュGPTは総合的なアプローチと呼び、したがって、水氣道タイプのエクササイズが最も効果的である、ということになります。

 

ただし、このような場合の大切なポイントは、社会に広く展開させようという活動を主宰するにお当たっては、その明らかな長所ばかりでなく、気づきにくい短所やリスクについて事前に把握しておくべきことだと思います。


私が、ムッシュGPTに期待するのは、そのような注意を見出して喚起してもらうことに他なりません。


水氣道タイプのエクササイズの欠点について、彼の指摘は妥当であると思います。


❶広範なトレーニングを行うことが求められること


❷深い専門知識やスキルが身につくまでには時間がかかること


しかし、彼が指摘する欠点は、水氣道にとってはむしろ、不可欠な長所でもあります。要は、短所と評価されがちなものを、どのように長所として活用し価値の転換を図っていけば良いのか、ということではないでしょうか?

 

次回、2月21日(水)は、この点に関して、より具体的に掘り下げていきたいと思います。

 

前回はこちら

 


チャットGPTが翻訳ソフトを使用していないというメリットの一端
某高性能有料「翻訳ソフト」にみられる専門用語の誤訳の捏造性?

 


(その1)

今回は、2月9日(金)の記事で採りあげた材料を用いて、外国語でチャットGPTに質問する際の注意点について考えてみたいと思います。

 

ムッシュGPTとの出会いは、彼の誤訳、それも真逆の意味の訳語という甚だし誤訳に遭遇することにはじまりました。私としては、彼が使用している翻訳ツールについて検証すべく、質問したところ、特定の翻訳ソフトは使用していない、との回答をえたこともすでにご報告しました。

 

それでは、いったいムッシュGPTはどのようにして翻訳を行っているのか、ということをユーザーは知っておく必要があります。この問題は、今後も、引き続き検討することにして、ムッシュGPTが高性能の翻訳ソフトを使用したとしたら、その誤訳がさらに増幅し、拡大してしまった可能性があるということを体験したので紹介いたします。

 


質問者:Yさん(ドクター飯嶋のアドヴァイスにより改訂版)


私は20代の女性ですが、かかりつけの内科の先生から2週間ごとに当帰芍薬散と加味逍遙散というお薬を月経周期に併せて交互に交互に処方されていただくようになってから、体調も気分も良くなって久しいです。これらの薬は以前、それぞれ単独で継続して内服しても効果が表れなかったので不思議です。どのような理由が考えられるでしょうか?

 

 

高性能とされる某有料翻訳ソフトによる中国語訳(一部修正:ドクター飯嶋)


我是一名二十多岁的女性,自从医生每两周给我开一次 "加味逍遥散 "和 "当帰芍薬散",并根据我的月经周期交替服用后,我的身体感觉越来越好。 这很奇怪,因为在此之前,即使我继续单独服用这两种药,也没有任何效果。 这可能是什么原因呢?

 

ドクター飯嶋のコメント:
"加味逍遥散 "和 "当帰芍薬散"の部分は、「汤吉牡丹散和上芍药散」と翻訳されていました。


これでは、「汤吉牡丹散」と「上芍药散」という意味になってしまいます。
また、この部分の中国語(らしき漢字列)を日本語に再翻訳させると、「唐辛子麦門冬湯」と「香包散」となってしまい、再び捏造の訳文が生成されました。


実際に「麦門冬湯」という漢方薬は存在しますが、まさかそれに「唐辛子」を加えた「唐辛子麦門冬湯」なるものが存在する可能性は少ないと思います。


また「香包散」は聞いたことがありませんが「香蘇散」は良く知られていてとても紛らわしいです。

 

このようにChatGPTを外国語で活用する際に、高精度優良翻訳ソフト併用に伴うシステム併用に伴う問題という観点から、次回2月19日(月曜日)にさらに掘り下げて検討したいと思います。