ムッシュGPTと学ぶOpenAIの世界 ⑤

 

前回はこちら

 


チャットGPTが翻訳ソフトを使用していないというメリットの一端
某高性能有料「翻訳ソフト」にみられる専門用語の誤訳の捏造性?

 


(その1)

今回は、2月9日(金)の記事で採りあげた材料を用いて、外国語でチャットGPTに質問する際の注意点について考えてみたいと思います。

 

ムッシュGPTとの出会いは、彼の誤訳、それも真逆の意味の訳語という甚だし誤訳に遭遇することにはじまりました。私としては、彼が使用している翻訳ツールについて検証すべく、質問したところ、特定の翻訳ソフトは使用していない、との回答をえたこともすでにご報告しました。

 

それでは、いったいムッシュGPTはどのようにして翻訳を行っているのか、ということをユーザーは知っておく必要があります。この問題は、今後も、引き続き検討することにして、ムッシュGPTが高性能の翻訳ソフトを使用したとしたら、その誤訳がさらに増幅し、拡大してしまった可能性があるということを体験したので紹介いたします。

 


質問者:Yさん(ドクター飯嶋のアドヴァイスにより改訂版)


私は20代の女性ですが、かかりつけの内科の先生から2週間ごとに当帰芍薬散と加味逍遙散というお薬を月経周期に併せて交互に交互に処方されていただくようになってから、体調も気分も良くなって久しいです。これらの薬は以前、それぞれ単独で継続して内服しても効果が表れなかったので不思議です。どのような理由が考えられるでしょうか?

 

 

高性能とされる某有料翻訳ソフトによる中国語訳(一部修正:ドクター飯嶋)


我是一名二十多岁的女性,自从医生每两周给我开一次 "加味逍遥散 "和 "当帰芍薬散",并根据我的月经周期交替服用后,我的身体感觉越来越好。 这很奇怪,因为在此之前,即使我继续单独服用这两种药,也没有任何效果。 这可能是什么原因呢?

 

ドクター飯嶋のコメント:
"加味逍遥散 "和 "当帰芍薬散"の部分は、「汤吉牡丹散和上芍药散」と翻訳されていました。


これでは、「汤吉牡丹散」と「上芍药散」という意味になってしまいます。
また、この部分の中国語(らしき漢字列)を日本語に再翻訳させると、「唐辛子麦門冬湯」と「香包散」となってしまい、再び捏造の訳文が生成されました。


実際に「麦門冬湯」という漢方薬は存在しますが、まさかそれに「唐辛子」を加えた「唐辛子麦門冬湯」なるものが存在する可能性は少ないと思います。


また「香包散」は聞いたことがありませんが「香蘇散」は良く知られていてとても紛らわしいです。

 

このようにChatGPTを外国語で活用する際に、高精度優良翻訳ソフト併用に伴うシステム併用に伴う問題という観点から、次回2月19日(月曜日)にさらに掘り下げて検討したいと思います。