親水航法が従来のすり足・なんば・そぞろ歩きに二つの航法を加え五航法となりました。

 

今回は、親水五航法についてです。

 

 

深いプール(杉十・上井草)では従来どおり親水三航法で、

 

親水第一・第二・第五航法として継続します。

 

浅いプール(ハイジア・大宮前体育館)では新たな親水航法(親水五航法)を採用し、

 

親水第一から第五のすべての航法を行います。

 

 

 

<親水五航法の紹介>

 

〇親水第一航法:すり足歩き

 

手を前後(特に後ろを)に大きく伸ばし、水面で水をつまむようにします。

 

手と足は互い違いに動かします。

 

 

〇親水第二航法:なんば歩き

 

手を前後に大きく伸ばし、水面をつまみます。

 

手と足は同じ側を出します。

 

 

〇親水第三航法:前膝伸ばし歩き

 

前方大きく踏み出し、後ろ側の脚を伸ばした状態で沈みこみます。

 

後ろに残した足の、大腿前側が伸びように意識して動きます。

 

 

〇親水第四航法:後膝伸ばし歩き

 

前に踏み出した足を伸ばし、そのまま沈みこみます。

 

前屈した時のように、大腿の裏側が伸びるのを意識します。

 

 

〇親水第五航法:そぞろ歩き

 

全身の力を抜きます。特に肩・首・顎の力を抜いて歩きます。

 

首の力を抜くため頭は上を向き、顎はやや開いた状態で、

 

バランスをとりながら静かに漂うように歩きます。

 

 

文責:水氣道准3級特別訓練生 野口将成

9月3日(日)8:30~9:30、高円寺南診療所にて

 

 

運営会議での議題や決定したことをお伝えしていきます。

 

 

①イキイキ体操の動画を公開

 

こちらで公開しています

 

皆様のご意見をお待ちしております

 

 

 

②火曜日の水氣道稽古の時間を変更

 

午後1:30集合を午後2:30集合に変更いたしました。

 

 

 

③水氣道Q&Aの作成

 

これから水氣道に参加される方や、スタートして間もない方向けに制作

 

なるべく早く公開できるよう努力しております

 

 

主な議題は以上3点でした。

 

次回は10月1日(日)に開催予定です。

 

今回は、3名の水氣道会員の声をご紹介いたします。

 

ケース番号1:M.Uさん40代女性

 

M.U

 

緊張しやすい方は、一般的に身体だけでなく精神的にもその影響が及びます。

 

緊張が身体と精神の両方に及ぶと表情や動作・行動にも硬さやぎこちなさが生じます。

 

すると対人関係において少なからず苦手意識が生まれやすくなります。

 

そうなると悪循環が生じて、自信を喪失し、引きこもりがちになります。

 

彼女は、水氣道をはじめてから、実際に、表情が明るく柔和になりました。

 

仕事にも、プライベートにも、意欲的に取り組んでイキイキとしています。

 

 

ケース番号2:T.Cさん50代女性

TCさん

 

正しい姿勢を獲得することは一生の財産です。

 

外見的な姿勢というのは内面的な姿勢の顕れです。

 

生きる姿勢が美しい人は、外見にも表れてくるものです。

 

ただし、残念なことに自分の姿勢が良いかどうかに気づくことは意外に難しいものです。

 

TCさんの素晴らしい点は、御自分の姿勢の悪さを自覚していたこと、

 

そのうえ、具体的にどのような姿勢のくせがあるのかまで、きちんと把握していたことです。

 

 

しかし、そんなTCさんでも気づけていないことがあったようです。

 

それは無意識で行っている「力み」です。

 

陸上の運動ではなかなか気づけないことであっても、水中では気づきやすい環境になります。

 

水氣道で気づいたこと、学んだことは、水中だけではなく、

 

陸上の運動や日常生活にも役立つということを、多くの会員が報告してくれている通りです。

 

 

彼女は、誰に教えられることなく、水氣道に継続して参加して稽古を重ねるうちに、大切な技術を体得することができました。

 

しかし、それは、彼女だけの賜物ではありません。なぜならば、水氣道は、自己整体術そのものだからなのです。

 

 

 

ケース番号3:T.Mさん70代?男性

 

T.M

 

この方の存在なくして、今日の水氣道は無かったと言っても過言ではありません。

 

彼は運動が大嫌いで、食べ物の好き嫌いが激しく栄養も極端に偏っていいました。

 

その結果、初診時の彼は、率直に申し上げれば、様々な病気の総合卸商社でヨレヨレで、余命いくばくもない、という風情でした。

 

そして、高度に専門分化した総合病院から逃げるように高円寺南診療所に来られた方なのでした。

 

彼は、気管支喘息、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、腎不全、骨粗しょう症、神経痛による歩行障害など、

 

ありとあらゆる生命と生活の危機を水氣道と共に乗り越えてきた英雄です。それにもかかわらず、彼はユーモアに満ちています。

 

 

茶目っ気に満ちていて、ときどきボケたふりをされるので、ヒヤリとさせられます。

 

水氣道は、もちろん他の競技やスポーツと同様に身体面・精神面で参加者各人の優れたところを見出して、さらにそれを育むことをします。

 

しかし、水氣道にはもっと大切な視点があります。

 

それは、むしろ各人が自らの身体面・精神面・社会面でネックになっている弱点にきちんと目を向けることを促すことです。

 

それは、ときには不愉快で辛いことであるかもしれません。

 

しかし、弱点や欠点を補強・修正することは全人的な健康の増進や充実感・自己実現のための効率的な方法です。

 

 

水氣道の目指すのは、単なる“自己実現”ではありません。

 

団体で組織的な共同体での活動であることの意味は、“自己超越”にこそあると考えているからなのです。

 

 

以上三人の皆様の御報告は、お役に立ったでしょうか。

 

今、これをお読みの貴方も、私たちの水氣道の仲間になってみませんか。

 

そして、素晴らしい気づきを共有財産とし、

 

善意の拡大再生産を図り、共に自己実現を図り、さらには自己超越を目指してみませんか。

 

 

ご投稿をお待ちいたしております。

中川流の奥義:

水氣道の世界に遊戯して調身、調息、調心、

 

これら三調の統合がはかれる感動。

 

 

この3つの調節を達成できれば、辛い今より、

 

もうちょい楽に生きやすくなるかなあ?

 

 

体を自由に動かしたい、体を自由にできると心も自由に。

 

正しい行為(能作と所作の一致)を通して、心と身が繋がっていく。

 

私は、そのことを自分のからだ(心身)を通して日夜、検証を続けています。

 

 

日本水氣道協会 上席支援員 水氣道従弐段下

 

水氣道中川流 遊戯三調航法 奥伝 中川良子

 

 

 

註:能作と所作について(解説:日本水氣道協会)

 

 

身・口・意(しん・く・い)の三業を能作というのに対して、

 

その発動した結果の動作・行為を所作といいます。

 

身口意の三業とは、身業・口業・意業の三つをいい、

 

人間の行為を身・口・意志の三種に分類したものです。

 

 

業とは行為・造作のことで、善悪にわたる行為そのものだけでなく、

 

その行為の余力()としての習慣力も含まれます。

 

人の行為経験は、いかなるものでもに流すことができず、

 

そのまま消滅することはなく、必ずその余力を残します。

 

それは気質・体質などの素質、気分・体調などのコンディション、

 

あるいは気力・体力などのエネルギー()として保存・蓄積されるのです。

 

 

能作の「」は「~ する」という能動を示し、

 

所作の「」は「~ される」という受身を示す語です。

 

 

これを私たちの行為について言えば、はたらきかける主体が「能作」であり、

 

その行いの仕業や振る舞いという客体が「所作」です。

 

 

委ねるべきものに委ねることができない人は、

 

その人の所作が、さらなる迷いや災いをもたらす、

 

という悪循環に陥ることがあります。

 

現実に、多くの人々は委ねるべきものすら見いだせずに生涯を迷い続けています。

 

真に正しく委ねるべきものを見いだせた人の能作と所作は一体不可分となり、

 

その恩恵は他者にも次々と及んでいき、善意の拡大再生産が始まります。

 

私たちは、私たちの所作によって、

 

私たちの能作の良し悪しを吟味することができます。

 

その方法は認知行動療法をはじめとする

 

心身医学的治療法に通じるものだと思います。

 

 

所作心身との関係については、徒然草でも触れられています。

 

所願心に来たらば、妄心迷乱(もうしんめいらん)すと知りて、一事をもなすべからず。

 

直(ただ)ちに万事を放下(ほうげ)してに向ふ時、

 

さはりなく、所作なくて、心身(しんじん)永くしづかなり。

 

(徒然草 第二百四十一段より)

 

 

現代語訳(飯嶋正広)

願いが心に起こったら、迷いの心が迷い乱すことを知って、

 

一つの事をも成してはならない。

 

ただちに一切を投げ捨ててに向かうとき、

 

差し障りなく、煩わしいこと無く、心と体は永く静かになるのである。

 

 

皆様、人は遊ぶために生まれてきたのでしょうか。

 

戯れるために生まれてきたのでしょうか。

 

遊んでいる子供の声を聴いていると、

 

感動して私の体さえも動かされてしまいます。

 

 

遊戯航法:

遊(あそ)びをせんとや生(うま)れけむ

 

戯(たわむ)れせんとや生れけん

 

遊(あそ)ぶ子供(こども)の声(こゑ)きけば 

 

我(わ)が身(み)さえこそ動(ゆる)がるれ

 

梁塵秘抄 巻第二 四句神歌 雑 より

 

 

中川流の奥義:

 

水氣道の世界に遊戯して調身、調息、調心、これら三調の統合がはかれる感動。

 

 

<調身>

胎児のようにしなやかな身体が自由に動いて、

 

しかも、使いやすく、働きやすくなりますように!

 

そう願うのではなく、に身を委ねてみる。

 

 

<調息> 

心と体の間をとりもつ息。

 

その出入りが聖霊のようにスムーズに働きますように!

 

そして、心と体、自分と仲間のハーモニーによって一体感が味わえますように!

 

結果を切望するのではなく、その過程で得られる雰囲を味わってみる。

 

 

<調心> 

「今、ここ」に意識を傾け、生かされていただけている実感が得られますように!

 

何をすべきか迷うのではなく、何かをさせていただけているを歩んでみる。

 

 

この3つの調節を達成できれば、辛い今より、もうちょい楽に生きやすくなるかなあ?

 

 

日本水氣道協会 上席支援員 水氣道従弐段下

 

水氣道中川流 遊戯三調航法 奥伝 中川良子

水毒は、体を内側からも外側からも冷やさず、利尿と発汗を促す、

 

という日々のちょっとした習慣である程度改善できます。

 

しかし、相当な工夫と配慮が伴わなければ克服することはできません。

 

そのために、水氣道の活水航法では、冷え対策という受身(消極的身のかわし)の姿勢でなく、

 

冷えに打ち克つ捨身(積極的働きかけ)の意識をもって、

 

胃腸などの消化管をはじめ、下半身や、関節周辺組織など、

 

特に体液が貯留しやすい身体部位を鍛錬します。

 

 

足腰の筋力を強化しながら、

 

徐々に関節の可動域を拡大していくことを可能とする

 

運動技法の体系が水氣道の活水航法なのです。

 

 

 

日本水氣道協会 上席支援員 水氣道従弐段下

 

水氣道活水航法 直伝 林 亮博(はやし あきひろ)

活水航法は、文字通り身体の「水」を「活かす」ことを目的とする航法です。

 

そもそも東洋医学では「気・血・水(き・けつ・すい)」が

 

体内を巡ることによって、体が正常に機能すると考えます。

 

気は元気の気(エネルギー)、血は血液に対応するのに対して、「水」は体液です。

 

それぞれ理気航法、調血航法、そして活水航法が対応しています。

 

 

この「水」が必要以上に体内に溜まって悪さをすることを「水毒」と考えます。

 

代謝が低下している人や冷え症の人は水毒になりやすい体質といえます。

 

水毒は生活習慣の改善、具体的には食生活の見直しや、

 

適切な運動習慣を身に着けることで改善できます。

 

 

水氣道の活水航法とは、まさに、この「水毒」を解消することを目的とする航法です。

 

水氣道の活水航法は、また、水毒を改善することで、

 

気と血のめぐりも相乗的によくすることができます。

 

 

日本水氣道協会 上席支援員 水氣道従弐段下

 

水氣道活水航法 直伝 林 亮博(はやし あきひろ)

調血航法 No.2

 

調血航法は、理気航法と密接な相互補完関係があります。

 

 

理気航法では呼吸法を訓練しますが、その主役となる臓器は肺です。

 

しかし、肺は肺自身が筋肉でできているわけではないので、単独では動けない臓器です。

 

横隔膜や腹筋群をはじめとする呼吸筋のはたらきによって、

 

はじめて肺は収縮・拡張を繰り返して呼吸をつかさどることができます。

 

そして、私たちの意志によって呼吸の深さや呼吸数を調節することができます。

 

つまり、理気航法といえども呼吸筋という筋肉の鍛錬が基礎になっているのです。

 

 

これに対して、調血航法の血液循環の主役となる臓器は心臓です。

 

心臓はそれ自体が心筋という特別な筋肉によって成り立っているので、

 

自動能がありリズミカルに収縮・拡張を繰り返すことができます。

 

しかし、私たちの意志によって心拍数をコントロールすることは簡単にはできません。

 

簡単ではないですが、不可能ではありません。

 

脳を使って、調血航法は各自が脈拍をチェックしながら

 

運動の強度や疲労度と心拍数・脈拍数との関係に関する感覚を

 

身に着けるための訓練も含まれています。

 

 

特に立位の姿勢では下半身の組織から心臓に戻ってくる静脈の血液の流れは、

 

重力に逆らう方向になります。

 

この流れを助けるポンプが下肢の筋肉です。

 

 

ここからは前回の重複となりますが、大事なことですので再度ご紹介いたします。

 

調血航法では、左右両方の大脳を使って(考えると同時に感じながら)、

 

心臓のリズムのように1・2、1・2…と、心地良く歌う気持ちで声に出し、

 

皆と合唱するように、リズムカルに体を動かしていきます。

 

 

一歩一歩段階的に、単純な動きから、次第に複雑な動きに向けて、

 

それぞれ目的とする筋肉を意識しながら、関節の屈伸運動を律動的に繰り返していきます。

 

それによって、最終的に全身の筋肉の瞬発力(パワー)と持久力(スタミナ)を

 

無理なく強化し、平衡感覚や協調運動能力を磨くことによって、

 

その目的を実現することができるのです。

 

 

日本水氣道協会 水氣道2級(中等修錬生)

 

調血航法直伝 加藤博文

調血航法 No.1

 

人は肺で取り入れた酸素を栄養素と共に血液で全身に運び、筋肉を使って体を動かします。

 

調血航法という名称で、<調血>というのは血液の成分と血流とを整えることからきています。

 

中国医学では血の異常を”瘀血”(おけつ)および

 

“血虚”(けっきょ) という概念でとらえます。

 

簡単にいえば ”瘀血”は血流停滞、“血虚”は血流不足ということです。

 

 

血液がドロドロしていたり、

 

心臓や筋肉の働きが十分でなかったりすると血流停滞が生じます。

 

逆に血液の希薄な貧血状態や冷え性などをともなう血行不良や血流不足となります。

 

 

調血航法は、脳を使って、心肺機能と筋肉の働きを鍛錬します。そして、

 

全身のしなやかな筋肉を作り、怪我を起こしにくく、障害に陥りにくい、

 

しかも回復力に優れた体作りを目的とします。

 

繰り返し鍛錬することによって血液を

 

心臓から頭や指先・爪先まで滞りなく送り出し、

 

また全身から心臓へ戻ってくる循環を促します。

 

 

血液を全身に送り出すポンプである心臓は、変則二拍子のリズムで歌っています。

 

 

心臓の真上の胸壁に聴診器を当てて聴くと、

 

日本人の耳では、コッ・コロ、コッ・コロと聞こえます。

 

それが、心(こころ)の語源だと言われています。

 

第一心音(コッ)は高調音で、第二心音(コロ)は低調音です。

 

また、英語のネイティブの方はラップ・タップ、ラップ・タップと聞こえるそうです。

 

人体は楽器性がありますが、何と心臓自体が楽器なのです。

 

 

調血航法では脳を使って心蔵の鼓動のようにリズムカルに1・2、1・2…と声に出しましょう。

 

それに合わせて体を動かし、全身の筋肉の屈伸運動を繰り返します。

 

それによって、無理なくその目的を実現し、

 

瞬発力(パワー)と持久力(スタミナ)を強化し、

 

平衡感覚や協調運動能力を磨くことができるのです。

 

 

 

日本水氣道協会 水氣道2級(中等修錬生)

 

調血航法直伝 加藤博文

 

 

※次回は調血航法と理氣航法の関係についてです。