水氣道へのご招待 第18回<調血航法No.1>

調血航法 No.1

 

人は肺で取り入れた酸素を栄養素と共に血液で全身に運び、筋肉を使って体を動かします。

 

調血航法という名称で、<調血>というのは血液の成分と血流とを整えることからきています。

 

中国医学では血の異常を”瘀血”(おけつ)および

 

“血虚”(けっきょ) という概念でとらえます。

 

簡単にいえば ”瘀血”は血流停滞、“血虚”は血流不足ということです。

 

 

血液がドロドロしていたり、

 

心臓や筋肉の働きが十分でなかったりすると血流停滞が生じます。

 

逆に血液の希薄な貧血状態や冷え性などをともなう血行不良や血流不足となります。

 

 

調血航法は、脳を使って、心肺機能と筋肉の働きを鍛錬します。そして、

 

全身のしなやかな筋肉を作り、怪我を起こしにくく、障害に陥りにくい、

 

しかも回復力に優れた体作りを目的とします。

 

繰り返し鍛錬することによって血液を

 

心臓から頭や指先・爪先まで滞りなく送り出し、

 

また全身から心臓へ戻ってくる循環を促します。

 

 

血液を全身に送り出すポンプである心臓は、変則二拍子のリズムで歌っています。

 

 

心臓の真上の胸壁に聴診器を当てて聴くと、

 

日本人の耳では、コッ・コロ、コッ・コロと聞こえます。

 

それが、心(こころ)の語源だと言われています。

 

第一心音(コッ)は高調音で、第二心音(コロ)は低調音です。

 

また、英語のネイティブの方はラップ・タップ、ラップ・タップと聞こえるそうです。

 

人体は楽器性がありますが、何と心臓自体が楽器なのです。

 

 

調血航法では脳を使って心蔵の鼓動のようにリズムカルに1・2、1・2…と声に出しましょう。

 

それに合わせて体を動かし、全身の筋肉の屈伸運動を繰り返します。

 

それによって、無理なくその目的を実現し、

 

瞬発力(パワー)と持久力(スタミナ)を強化し、

 

平衡感覚や協調運動能力を磨くことができるのです。

 

 

 

日本水氣道協会 水氣道2級(中等修錬生)

 

調血航法直伝 加藤博文

 

 

※次回は調血航法と理氣航法の関係についてです。