ここで掲載する内容は、アステラス製薬提供の患者さん・ご家族の皆さまなるほど病気ガイドから引用したものです。

 

関節リウマチについてわかりやすい解説をしています。

 

HPで確認することができます

 

 

関節リウマチは、免疫の異常により関節の腫れや痛みを生じ、それが続くと関節の変形をきたす病気です。

 

関節リウマチを治療することで、炎症や痛みを最小限に抑え、毎日の生活を快適にすることができます。

 

現在と将来の生活の質を保っていくためにも、病院・診療所を受診し、きちんと治療を受けましょう。

 

監修医:東邦大学医学部医学科 内科学講座膠原病学分野 川合 眞一 先生

 

 

解り易い解説であること、日本リウマチ学会では一般患者向けQ&Aが掲載されていないため、これを採り上げました。

 

ただし、記述内容が古いままで改訂されていないため、それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

 

 

関節リウマチと他の病気との関係について①

 

Q

関節リウマチの方は糖尿病になりやすいと聞きましたが、本当ですか?

 

A

治療に使う薬の影響で、糖尿病になりやすくなることがあります。

 

関節リウマチそのものが、糖尿病を引き起こすことはありません。

 

ただし関節リウマチの治療に使われるステロイドや一部の抗リウマチ薬の影響で、糖尿病を引き起こしやすくなることはあります。

 

血糖値が気になる方や、糖尿病の心配がある方は、一度、主治医に相談してみましょう。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

治療薬以外にもっと基本的な問題がありそうです。

 

それは、関節リウマチの患者さんのライフスタイルです。

 

軽症で痛みのコントロールが達成できていれば、健康人と同様の運動量を維持することも可能ですが、関節炎の持続や関節破壊の破壊が進行している場合は、運動量が低下しがちなのではないでしょうか。

 

関節リウマチ患者さんで虚血性心疾患が多くなることが参考になります。

 

この現象の理由は、関節痛のために運動不足となってしまい、肥満、脂質異常(高コレステロール血症)をきたし、動脈硬化がおきやすくなるからではないかとか、非ステロイド消炎鎮痛剤との関連などが指摘されています。

 

さらに、炎症が動脈硬化を進めるのではないかということも最近分かってきて、関節リウマチの患者さんは炎症のために動脈硬化が進みやすく、虚血性心疾患が多いのではないかといった推測がなされています。

 

適切な運動習慣というのは適正な体重維持と筋肉量や骨量の維持のみならず、糖質や脂質の代謝を改善することは医学的常識です。

 

それに加えて、適度な運動習慣は、精神的なストレス発散にも役立つことを見逃してはならないと思います。

 

関節リウマチも糖尿病も精神的ストレスや緊張の持続によって増悪します。

 

また、精神的ストレスが引き金となって過食に陥る現代人は決して少なくありません。

 

高円寺南診療所では、水氣道®への参加を呼び掛けています。

 

関節リウマチの患者さんにとって、水氣道がどのくらい効果的であるのかの例証は枚挙に尽きません。

 

関節リウマチのみならず関連する生活習慣病全般を改善しているデータを持っています。

 

 

 

関節リウマチと他の病気との関係について②

 

Q

薬で関節リウマチの症状が良くなれば、骨粗しょう症などの合併症になる危険性もなくなるのでしょうか?

 

A

関節リウマチの症状にかかわらず、骨粗しょう症への注意を続けましょう。

 

関節リウマチを治療することは、関節の骨粗しょう症の予防にもつながります。

 

ただし、女性の閉経後など、高齢になると起こる骨粗しょう症は、関節リウマチとは直接関係しないので、常に注意を続ける必要があります。

 

また、関節リウマチの治療薬のひとつであるステロイドを飲み続けていると骨粗しょう症が進むことがあります。ステロイドを使っている方は、定期的に骨粗しょう症の検査を受けることが勧められます。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

関節リウマチにおける骨粗鬆症

 

上記の解説は誤解を生じるので改めて説明します。

 

関節リウマチは骨粗鬆症を合併しやすい疾患です。

 

(1)傍(ぼう)関節性と全身性

 

関節リウマチにおける骨粗鬆症は

1)傍関節性と、2)全身性、に大きく分類できます。

 

傍関節性とは、炎症があり腫れて痛い関節の近くの骨におきる局所的な骨粗鬆症です。

 

関節リウマチの初期に特徴的な所見の一つでもあります。

 

全身性はその名のとおり全身に生じる骨粗鬆症です。

 

 

(2)関節リウマチにおける様々な骨粗鬆症の誘因

 

関節リウマチに合併する骨粗鬆症の誘因は様々です。

 

1)女性の場合での閉経、2)加齢、3)炎症、4)動かさないこと、あるいは関節の動きが制限されていること、5)治療によるステロイド、など様々な複数の要因が重なっている場合があります。

 

関節リウマチは骨粗鬆症を合併しやすい疾患であるため、関節リウマチを診たら、骨粗鬆症のチェックをして予防を始めるべき、というのが高円寺南診療所での方針です。

 

実際に、某大学病院で関節リウマチに対する生物学的製剤による治療を勧められていた患者さんで、骨粗鬆症が進行していたケースを複数例経験しました。

 

骨粗鬆症の治療を併行したところ、骨量も増加し、関節リウマチの症状も軽快しました。高価な生物学的製剤を開始する代わりに、元気に水氣道®を続けています。

 

 

関節リウマチと他の病気との関係について③

 

Q

関節リウマチの方はがんになりにくいと聞いたのですが、ほんとうでしょうか?

 

A

関節リウマチとがんの関係はよく分かっていません。

 

以前は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を飲んでいる方は大腸がんなどになりにくいという説があり、そのため関節リウマチの患者さんはがんになりにくいと言われていました。

 

しかし、今は非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)が補助的な薬になったので、以前と同様かどうかは分かりません。

 

最近の研究では、逆に一部の治療薬はがんの発生率を高める可能性があるという報告もあります。

 

例えば、メトトレキサートや生物学的製剤を使用している患者さんでは、悪性リンパ腫が若干増えるとされていますが、そもそも活動性の高い関節リウマチは、その合併率が高いため、薬の影響がどの程度あるのかについては結論が出ていません。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

日本人の関節リウマチ患者の死因として重要なのは肺病変と悪性腫瘍(がん)です。

 

この両者に関しては、治療により頻度が低下する可能性よりも増加する可能性が懸念されています。

 

メトトレキサートや生物学的製剤の使用は関節リウマチの標準治療になってきています。

 

日本人のリウマチ患者の生命予後の改善を伴ったQOLの改善をいかに導くべきかまでの結論はでていません。

 

 

高円寺南診療所では、生物学的製剤の使用が不可避な症例に関しては、入院設備のある専門医療機関へご紹介する方針ですが、現在までのところ一桁台の少数例に留まっています。

心療内科についてのQ&Aをご紹介いたします。

 

それは日本心療内科学会のHPです

 

 

こちらで、心療内科Q&Aのコラムを読むことができます。

 

Q&Aは、想定した事例です。Q&Aや疾患についてのご質問、病院の紹介等は、受け付けておりませんのでご了承下さい。

 

※「質問」をクリックすると表示されます。と書かれています。

 

高円寺南診療所に通院中の皆様が、一般論であるこのQ&Aを読んでいただくためには、実際に即した具体的な解説が必要だと考えました。

 

そこで、「質問」「答え」の後に、<高円寺南診療所の見解>でコメントを加えることにしました。

 

 

「質問2」

仕事でミスをして、上司と取引先に急ぎ出向き謝っているうちに急に息ができなくなり、このまま死んでしまうのではないかという恐怖が襲ってきました。

 

その場は上司が対応してくれて事なきを得ましたが、あの苦しさのことを考えると仕事に集中できません。

 

検査などを受けた方がいいでしょうか?

 

 

「答え」

急に息ができない感じになり、「死んでしまうのではないか」という恐怖が襲ってきたのですね。

 

その場は何とかしのぐことができ、その後も強い症状はないようです。

 

調べても大きな病気はない可能性が高いでしょうが、その点を確かめる意味で、念のため医療機関を受診してもいいでしょう。

 

異常がなければ、「過換気症候群」という機能的な病気といわれるかもしれません。

 

この病気では、ほかに大きな病気がないのに、息が苦しくなる発作がみられ、そのときには頻回で深い呼吸が認められます。

 

それで過換気=「換気のし過ぎ」になり、二酸化炭素が抜けて血液がアルカリ性になるのです。

 

元に戻るのですが、一過性の血管収縮や神経系の障害が起こり、めまい感、指先や口周囲のしびれ感、動悸や腹部不調などの症状が出現します。

 

この病気は若年者や女性に多く、男女比は1対2といわれています。

 

発作は、不安・緊張や興奮、肉体的疲労や呼吸が荒くなる運動などが引き金になります。

 

アルコールやカフェインの過剰摂取でも起こることがあり、女性では月経と関連があることがあります。

 

今回の「仕事でミスをして、上司と取引先に急ぎ出向き、謝っているとき」というのは、不安・緊張場面に相当するでしょう。

 

この発作は「死んでしまうのではないか」という恐怖を伴うので、頻回に発作を繰り返したり、一回でも強い発作を起こしたりすれば、「また発作が起きるのではないか」という予期不安を持つようになります。

 

今回「あの苦しさのことを考えると仕事に集中できない」というのも、そのためかもしれません。

 

これに対しては、病気の本体をよく知り、発作は苦しいが死につながるものではなく、また短時間でおさまることをよく納得する必要があります。

 

万一発作が起きた場合でも、呼吸をゆっくりするようにし、自分に「大丈夫」と言い聞かすと、自然におさまります。

 

発作を繰り返したり、不安が長引いたり、外出恐怖や乗り物恐怖が合併したりする場合には、医療機関(心療内科が適切でしょう)を受診するとよいでしょう。

 

(江花 昭一)

 

 

 

<高円寺南診療所の見解>

 

不安発作(過換気症候群)

 

かつての高円寺南診療所は、パニック障害の患者さんで溢れていました。

 

その患者さんの大多数は治って終結していますが、およそ2割程度の方は、アレルギーなど他の内科の病気で通院を続けています。

 

最近数年間では、パニック障害での受診者数は減少していますが、パニック障害を発症する前段階であると思われる不安発作で来院される方がいらっしゃいます。

 

「死ぬのではないか」とか「また再発したらどうしよう」など予期不安と呼ばれる恐怖におびえている方も少なくありません。

 

 

さて回答者の江花昭一先生の最近のプロフィールは、1995年~ 日本大学医学部兼任講師、2001年~ 横浜労災病院心療内科部長、2012年~ 神奈川大学 特別教授(現職)とのことです。

 

江花先生は

<発作を繰り返したり、不安が長引いたり、外出恐怖や乗り物恐怖が合併したりする場合には医療機関(心療内科が適切でしょう)を受診するとよいでしょう。>

 

と締めくくっていまが、受診のタイミングについては私の見解とは異なります。

 

受診のタイミングですが、強い不安発作を一度でも経験し、「死ぬのではないか」とか「また再発したらどうしよう」など予期不安を伴うのであれば、必ず受診していただきたい、というのが高円寺南診療所の推奨です。

 

その根拠は、早期に対応することによって、病気の進展を防ぎ「発作を繰り返したり、不安が長引いたり、外出恐怖や乗り物恐怖が合併」するのを防ぐことができるからです。

 

パニック障害に伴う外出恐怖や乗り物恐怖を広場恐怖といいます。

 

広場恐怖は独立した障害である場合もありますが、パニック障害と合併し易く、その場合は、広場恐怖を伴うパニック障害という診断名になります。

 

高円寺南診療所での治療成績が良好なのは、特別に高度な医療技術によるものではなく、

1)早期発見・早期介入、

2)トータル医療(体も心も同時に診る)、

3)水氣道®や聖楽院などオリジナルなケアの活用による再発防止、

 

などの工夫の集積によるものだと考えています。

 

 

 

 

漢方治療に関しては

 

一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へ

 

のHPを検索してみました。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

 

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

 

これに対して、慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&Aは比較的上手にまとめられていると思います。

 

 

ただし、その記載は概ね一般的ではありますが、慶應義塾大学医学部漢方医学センター受診者を想定して書かれているようです。

 

そこで、高円寺南診療所の立場から、<高円寺南診療所からのメッセージ>を加えてご紹介を試みることにしました。

 

 

Q

漢方治療に向いている病気向いていない病気を教えて下さい

 

A

漢方治療の向いている病気

 

 ・胃腸障害(腹痛、下痢、便秘)、慢性肝炎

 ・アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、喘息、花粉症、蕁麻疹など)

 ・不妊症、習慣性流産などの産科疾患

 ・月経不順、月経痛、冷え症などの婦人科疾患

 ・心身症、自律神経障害、神経症など

 ・高齢者の老化にともなう種々の症状(前立腺肥大、しびれ、膝痛など)

 ・高血圧、糖尿病など生活習慣病

 ・風邪をひきやすい、おなかを痛がるなどの虚弱児童

 ・癌や膠原病などに伴うさまざまな体の不調や体力低下

 

 

漢方治療の向いている病気、向いていない病気

 ・がんや腫瘍などの手術が必要な病気

 ・ 抗生物質が必要な感染症

 ・緊急処置の必要が高い病気(急性腎不全、急性心筋梗塞など)

 

 慶應義塾大学病院漢方医学センター診療部には乳児から高齢者まで老若男女を問わず受診されています。

 

疾患としては上記に挙げたような様々な疾患で受診されます。

 

よくこの病気は漢方がいいのでしょうか?現代薬がいいのでしょうか?という質問を受けます。

 

どんな病気に対しても漢方は適応になる、と言っても過言ではありません。

 

大切なことは「治すべきは病気ではなくて患者さんの体である」ということです。

 

どちらが主となり従となるかは病状により異なりますが、現代医学と漢方医学のいい点を組み合わせることで、より良い治療効果を生むことが多いと考えて下さい。

 

こんな病気が漢方で治るだろうか、と悩む前に是非とも御相談下さい。

 

 

<高円寺南診療所からのメッセージ>

慶應義塾大学病院漢方医学センター診療部の取り組みは、高円寺南診療所と本質的に変わるものではありません。

 

ただし、文中、慶應で漢方治療の向いている病気、向いていない病気、と併記されている個所は、漢方治療の向いていない病気、の誤りではないかと思われます(現在未確認)。

 

慶應の漢方医学センターのリストのなかで、着目すべきは・アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、喘息、花粉症、蕁麻疹など)、・心身症、自律神経障害、神経症など、・癌や膠原病などに伴うさまざまな体の不調や体力低下、を列記していることです。

 

その理由は、漢方診療とアレルギー科、心療内科、リウマチ科という専門領域は密接な関係があるという私の考え方に通じているからです。

 

なお専門医療機関としての高円寺南診療所の柱は、漢方はもちろんのこと、アレルギー科、心療内科、リウマチ科(リウマチ科では関節リウマチをはじめとする膠原病を対象としています)であることは、偶然の成り行きではないことをご理解いただけたら幸いです。

 

慶應の漢方医学センターの見解と異なる点は、高円寺南診療所では、慢性肝炎に対しては漢方治療は向いていないと考えている点です。

 

もちろん胃腸障害(腹痛、下痢、便秘)に対しては慶應と同じ見解です。

 

また、逆に、慶で漢方治に療向いていない病気?に、がんや腫瘍などの手術が必要な病気、抗生物質が必要な感染症、緊急処置の必要が高い病気(急性腎不全、急性心筋梗塞など)がリストされていますが、これらの病気に対して漢方治療が有害であるとか無効であるとか、という意味ではありません。

 

漢方治療単独で対処すべきで病気であるといえるかもしれませんが、漢方を上手に併用する工夫や努力を放棄すべきではないでしょう。

 

なぜなら現代西洋医学による治療後には漢方治療しか選択肢が無い、というケースも少なくありません。

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会の

 

ホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に【高円寺南診療所からのメッセージ】を加えています。

 

 

気管支喘息(成人)②

 

Q3

早期介入(Early intervention)について教えてください。

 

A

喘息では咳喘息や週に1回以上発作を起こす軽症喘息から慢性的に症状がある持続型喘息に至るまで、喘息の本態である気管支の炎症を抑えるために早期から吸入ステロイド薬を中心にした治療を開始、継続することが有効であることがわかってきました。

 

早期の治療開始の結果、日常生活の制限の改善、発作に伴う入院日数の減少、救急外来受診回数の減少、呼吸機能の改善、重症化の予防、また喘息治療に関わる医療費も減少することなどがわかっています。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

早期介入の有効性については、以前から実感していたので、喘息の早期診断と早期介入を行ってきました。

 

かぜなどでの受診がきっかけで喘息が明らかになることがあります。

 

その場合、喘息やアレルギーの既往歴や家族歴が大いに参考になります。

 

 

Q4

短時間作用性吸入β2吸入薬の使用方法について教えてください。

 

A

短時間作用性吸入β2吸入薬は喘息発作の改善や運動により誘発される発作予防などの目的で用いられます。

 

吸入薬はネブライザーや携帯型ハンドネブライザーを用いた方式があります。

 

ハンドネブライザーを使う時は、息を吐いて、その後吸い込みながらガス型はボンベを1回強く押しながら、また吸入パウダー型はボタンを押しながら薬を吸い込み、吸い込んだ状態で数秒間息を止め、そのあとゆっくりはきだします。

 

効果が芳しくない場合は約20分後に再度吸入し、回復しない場合は再度反復(2~3回まで吸入)し、改善がなければ必ず病院を受診することが必要です。

 

なお薬により1回あたりの吸入回数が異なります。主治医によく相談してください。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

高円寺南診療所では、急性期を除いて短時間作用性吸入β2吸入薬を処方することは、ほとんどありません。

 

ただし、発作が頻発する急性期においては、とても有効であり、喘息の診断ばかりでなく、治療反応性の評価にも有用です。

 

ふだん喘息のコントロールが良好な場合でも、運動誘発性喘息や、年に数回の発作が避けられない方には、お守りとして処方することはあります。

ここで掲載する内容は、アステラス製薬提供の患者さん・ご家族の皆さまなるほど病気ガイドから引用したものです。関節リウマチについてわかりやすい解説をしています。

HPで確認することができます。

 

 

関節リウマチは、免疫の異常により関節の腫れや痛みを生じ、それが続くと関節の変形をきたす病気です。

 

関節リウマチを治療することで、炎症や痛みを最小限に抑え、毎日の生活を快適にすることができます。

 

現在と将来の生活の質を保っていくためにも、病院・診療所を受診し、きちんと治療を受けましょう。

 

監修医:

東邦大学医学部医学科 内科学講座膠原病学分野 川合 眞一 先生

 

 

解り易い解説であること、日本リウマチ学会では一般患者向けQ&Aが掲載されていないため、これを採り上げました。

 

ただし、記述内容が古いままで改訂されていないため、それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

 

 

 

関節リウマチの症状・検査値について③

 

指の腫れが気になって病院にいったところ、X線検査と血液検査だけで関節リウマチと診断されました。検査はそれだけで十分なのですか?

 

検査は、X線検査と血液検査が主ですが、医師はほかに症状などの診察の結果もあわせて、総合的に診断しています。

 

関節リウマチを診断するための検査は、関節の状態をみるX線検査と炎症の状態をみる血液検査でほぼ十分です。

 

医師はこれらに加えて関節の腫れ、痛み、こわばりの程度や症状が現れた時期などの診察の結果を考え合わせて、総合的に関節リウマチの診断をしています。

 

【高円寺南診療所からのコメント】

エックス線検査で関節の変形など関節病変の有無を調べます。

 

血液検査で調べるのは、急性期反応物質と血清学的因子です。

 

急性期反応物質とは、CRP(C反応性タンパク)やESR(赤血球沈降速度)で一般的な炎症反応物質をしらべるものであって、関節リウマチに特有の炎症反応ではありません。

 

これに対して血清学的因子とはリウマトイド因子や抗CPP抗体で、関節リウマチ特有の炎症をより検出し易い検査項目です。

 

その他に参考となるのは滑膜炎の期間が6週以上続いているかどうかということです。

 

以上の検査のみで関節リウマチの確定診断が可能になります。

 

 

 

関節リウマチの症状・検査値について④

 

Q

関節リウマチの症状は、年齢によって変わっていくのですか?

 

高齢になると痛みがひどくなったり、逆に軽くなったりすることはあるのでしょうか?

 

高齢になると関節リウマチの病歴も長くなるので、身体障害は進みます。

 

また、高齢になって発病した関節リウマチでは、他の病気ときちんと区別することが大切になってきます。

 

一般的には、炎症や痛みなどの関節リウマチの症状には年齢による差はありませんが、高齢になるほど若干軽くなる傾向があります。

 

しかし、これには個人差があり、病歴が長い患者さんでは、関節に変形が起きたり身体障害が起こったりして、生活に支障が出ている方も少なくありません。

 

また、お年寄りになってから関節リウマチを発病した場合では、病気の進行は遅いものの、炎症の検査値は悪いことが多いようです。

 

そのほかに、お年寄りでは「リウマチ性多発性筋痛症」など、関節リウマチと間違えやすい病気を発病することもあり、しっかりと検査を受けて正しい診断ができるようにしましょう。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

リウマチ性多発筋痛症は、高齢者に発症する肩甲帯、骨盤帯の疼痛と朝のこわばりを主徴とする炎症性疾患です。

 

高齢発症といわれていますが、60歳頃から発症がみられます。

 

男女比は1:2で女性に多いです。わが国での詳細な発症頻度は不明であり、病気の原因も不明です。

 

ただし、診断と治療方法はあります。朝のこわばりが1時間を超え、症状の持続が2か月を超える場合は、関節リウマチと鑑別しながら診断を進めていきます。

 

また高円寺南診療所では、線維筋痛症も多数経験していますが、関節リウマチを伴う線維筋痛症の他、リウマチ性多発筋痛症を見落されているケースもあるので注意深く診療しています。

 

 

関節リウマチの症状・検査値について⑤

 

Q

関節の腫れや痛みがありますが、関節の変形はなく、鎮痛剤だけ服用しています。

 

関節リウマチの治療は、発病初期に始めた方がいいと聞いたのですが、初期とはどれくらいの期間までなのでしょうか?

 

アメリカリウマチ学会では、発症6ヵ月未満を早期関節リウマチとしていますが(2012年発表)、治療はより早く開始することがすすめられています。

 

その観点からは、「初期」とは診断された時点ということです。

 

最近の治療の考え方では、関節リウマチの初期から抗リウマチ薬を使うことが勧められていますが、患者さんの状態によっては鎮痛剤だけということもあります。

 

不安があれば、医師に相談してみましょう。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

関節リウマチの治療目標の達成には、早期診断と早期治療、短期的目標である臨床的寛解に到達するための疾患活動性の評価とそれによる治療の適正化が重要です。

 

早期診断と早期治療が必要である根拠は、関節リウマチでは関節破壊や身体機能障害が不可逆的に進行してしまうからです。

 

持続性・破壊性の関節炎が生じてから関節リウマチと診断してからの治療開始だと確実に病態が進展してしまいます。

 

そこで、現在では持続性・破壊性のリスクが高い関節炎を生じた時点で関節リウマチの治療を開始します。

 

治療方法は禁忌が無い限り抗リウマチ薬のなかでもメトトレキサートを中心とした治療を開始することが推奨されています。

 

鎮痛剤だけでは、関節の持続性・破壊性のリスクを軽減させることはできないからです。

心療内科についてのQ&A

 

 

心療内科についてのQ&Aをご紹介いたします。

 

日本心療内科学会のHPで、心療内科Q&Aのコラムを読むことができます。

 

日本心療内科学会「一般の皆様へ」

 

Q&Aは、想定した事例です。Q&Aや疾患についてのご質問、病院の紹介等は、受け付けておりませんのでご了承下さい。

※「質問」をクリックするとが表示されます。

 

と書かれています。

 

 

高円寺南診療所に通院中の皆様が、一般論であるこのQ&Aを読んでいただくためには、実際に即した具体的な解説が必要だと考えました。

 

そこで、「質問」「答え」の後に、

 

<高円寺南診療所の見解>でコメントを加えることにしました。

 

 

 

「質問1」

新しい上司は、前の上司と違って業績重視型で、職場の雰囲気が180度変わりました。

 

2ヶ月程経った頃から、37度4分ぐらいの熱が続いています。

 

平熱は36度2分です。

 

仕事を休む程ではないのですが、倦怠感が続いていて仕事にも支障が出そうで心配です。

 

どうしたらいいでしょうか?

 

 

「答え」

微熱と倦怠感が続き仕事にも支障が出そうな状況のようですので医療機関にかかることが必要だと思います。

 

年齢、性別などの情報がありませんので、何科に受診するのが最適か判断困難ですが、まずはかかりつけの内科でよろしいかと思います。

 

そこで、症状を起こしうる感染症などの病気がないかの診断を受けましょう。

 

微熱、倦怠感を引き起こす体の病気は少なくありませんが、診察(問診・身体診察)と必要に応じて最小限の血液検査(炎症反応、白血球数など)やレントゲン検査などで多くは診断がつきます。

 

例えば、結核、甲状腺の病気、関節リウマチなどが見つかれば、適切な治療が必要となるでしょう。

 

ご質問では、職場の雰囲気が全く変わって2カ月程度で体調不良を感じるようになったので、その環境の変化が症状に関係しているのではないかと心配されているようにも読めます。

 

もちろん、職場での環境変化という社会的要因が微熱、倦怠感を引き起こすことは考えられます。

 

一般的な診察・検査で体の異常がなく問題なしと判断された場合、あるいは解熱剤での対処のみの治療が続き改善がみられない場合などは、一度、心療内科を受診して下さい。

 

職場でのストレスと体の反応(発熱)について関係が深いかどうかの判断や、自律神経のバランス不全による症状が考えられるかの診断をつけることができるのが心療内科です。

 

また、うつ病・うつ状態による症状と考えられる場合も適切な治療法を提案できるのも心療内科の強みだと思います。

 

このように、症状に対して心身両面からの診断と治療をするのが心療内科の特徴とも言えます。 

(金子 宏)

 

 

<高円寺南診療所の見解>

職場不適応と身体化障害【心因性発熱の疑い】

 

この症例のようなケースは高円寺南診療所でもしばしば経験しています。

 

さて回答者の金子宏先生の最近のプロフィールは、2006年4月 藤田保健衛生大学医学部内科学(心療内科)教授、2011年7月 星ヶ丘マタニティ病院副院長・内科部長です。

 

金子先生は、心療内科でしばしば遭遇する事例をもとに、医療機関の選び方について具体的に説明しています。

 

ここで、金子先生は、①まずはかかりつけの内科、そこで身体的な検査で異常が無ければ②心療内科の受診を勧めています。

 

これには少々説明が必要です。身体症状の種類と程度にもよりますが、この症例のようなケースであれば、最初から心療内科専門医を受診することができます。

 

心療内科専門医は、資格のある内科医なので、かかりつけの内科医として十分にその役割を果たすことができるからです。

 

しかし、実際には、心療内科専門医の数は全国的に診てもきわめて少数(2017年10月1日現在で118名)であり、しかも、地域差もあって、心療内科専門医が一人もいない県もあります。

 

たとえば関東地方では、心療内科医は東京都、神奈川県、千葉県に集中し、他の県(茨城、栃木、群馬、埼玉)にはいません。

 

学会のホームページは全国版であるため、上記のように説明せざるをえないのではないかと思います。

 

 

また、金子先生は、かかりつけの内科受診の後、必要な場合は心療内科の受診をすすめていますが、心療内科専門医が近所にいない地域で心療内科を受診するとなると、実際上は心療内科を標榜する精神科医を受診する確率が極めて高くなることが推定されます。

 

心療内科専門医数が最低10倍以上増えない限り、心療内科のQ&Aの回答も歯切れの良いものにはなりにくいのではないかと心配です。

 

 

高円寺南診療所を受診される皆様は、従来通り、かかりつけの内科医として受診していただくのが良いと思いますので、どうぞご安心ください。

 

アレルギーの病気についてQ&A

 

 

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

https://www.jsaweb.jp/

 

最後に【高円寺南診療所からのメッセージ】を加えています。

 

 

アレルギーの病気についてQ&A 

No.1

気管支喘息(成人)①

 

Q1

吸入ステロイド薬の使用方法について教えてください。

 

A

吸入ステロイド薬には、自分の力によって薬剤を吸入するドライパウダー製剤(フルタイドディスカス®、パルミコート®)と加圧ガスによって吸入するエアゾール製剤(フルタイドエアー®、キュバール®、オルベスコ®)があります。

 

ドライパウダー製剤は、薬剤を吸い込むときにある程度強く吸入する必要があります。

 

一方、エアゾール製剤は、タイミングを合わせる必要があり、うまく吸入できない場合は補助器具を使用すると効率よく吸入できます。

 

いずれの製剤も気管支の末梢まで薬が達しないと十分な効果が得られないので、それぞれの吸入薬にあった吸入法で適切に吸入する必要があります。

 

また、声がれや口腔カンジダなどの副作用予防のため、吸入後はどの製剤もうがいが必要です。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

高円寺南診療所で処方する吸入薬は、かつては、上記のステロイド吸入薬を使用していました。

 

しかし、最近では薬単剤のものはほとんど使用しなくなりつつあります。少しずつ吸入ステロイド・β2刺激薬配合剤(シムビコート®、レルベア®)に切り替えてきました。

 

配合剤の導入によって、吸入ステロイドの減量も可能となり治療成績も改善されています。

 

 

 

Q2吸入ステロイド薬の副作用について教えてください。

 

A

吸入ステロイド薬の副作用は、局所性には咳、のどの違和感、声のかすれ、口腔内真菌(かび)症などがあり、予防や症状軽減対策のためにうがいやスペーサーなどの吸入補助具が使用されます。

 

吸入ステロイド薬は病変部に直接作用するため使用量が微量で、吸入に伴い消化管から吸収されるわずかの薬剤も肝臓で分解されるため、一般的な吸入量では注射薬や内服薬に比べ成長障害、骨粗鬆症、肥満、免疫機能の低下、白内障などの全身性の副作用はきわめて少ないとされます。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

吸入ステロイド薬は内服ステロイドのような全身性の副作用は極めて少ないとされます。

 

ただし、局所の副作用にはしばしば遭遇します。とくに鼻炎合併喘息の場合には、要注意です。

 

鼻炎の治療を併行して行わない限り、喘息の治療成績は満足のいくものでなく、副作用の頻度も少なくありません。

関節リウマチについてQ&A

 

 

ここで掲載する内容は、アステラス製薬提供の患者さん・ご家族の皆さまなるほど病気ガイドから引用したものです。

 

関節リウマチについてわかりやすい解説をしています。

 

以下のHPで確認することができます。

 

関節リウマチQ&A

 

 

関節リウマチは、免疫の異常により関節の腫れや痛みを生じ、それが続くと関節の変形をきたす病気です。

 

関節リウマチを治療することで、炎症や痛みを最小限に抑え、毎日の生活を快適にすることができます。

 

現在と将来の生活の質を保っていくためにも、病院・診療所を受診し、きちんと治療を受けましょう。

 

監修医:東邦大学医学部医学科 内科学講座膠原病学分野 川合 眞一 先生

 

 

解り易い解説であること、日本リウマチ学会では一般患者向けQ&Aが掲載されていないため、これを採り上げました。

 

ただし、記述内容が古いままで改訂されていないため、それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

 

 

 

関節リウマチの症状・検査値について①

 

リウマトイド因子が陰性でも、関節リウマチと診断されることはあるのですか?

 

○関節リウマチの患者さんの20%は、リウマトイド因子が陰性ですから、リウマトイド因子が陰性でも関節リウマチと診断されることはあります。

 

 

○関節リウマチの原因はまだ完全には分かっておらず、これがあれば必ず関節リウマチである、というような検査はありません。

 

リウマトイド因子は、関節リウマチの患者さんの約80%が陽性を示し、診断に役立ちますが、リウマトイド因子だけで診断はできないのです。

 

【高円寺南診療所からのコメント】

リウマトイド因子の感度は70%程度です。

 

健常者でも陽性者が存在し、特に高齢者では10%以上がリウマトイド因子陽性です。関節リウマチ以外でリウマトイド因子が高率に陽性となる疾患があります。

 

シェーグレン症候群(50%以上)、全身性エリテマトーデスや全身性硬化症などの膠原病、慢性肝炎、結核(20~30%)などが知られています。

 

リウマトイド因子が陰性でも関節リウマチを否定することはできません。

 

逆にリウマトイド因子が陰性であることが診断根拠になるリウマチ性疾患があります。

 

強直性脊椎炎を含む血清反応陰性脊椎関節症,乾癬性関節炎、成人発症スティル病、リウマチ性多発筋痛症などが代表的です。

 

 

 

関節リウマチの症状・検査値について②

 

数ヶ月前から階段を上る時に両ひざに痛みが出るようになりました。

 

人間ドックで、リウマトイド因子陽性といわれていますが、これは関節リウマチの症状ですか?

 

○関節の痛みが関節リウマチの症状かどうかは、医師がリウマトイド因子やその他の要素も考え合わせて、総合的に診断します。

 

リウマトイド因子は健康な方の5%でも陽性になるため、両ひざの痛みが関節リウマチによるものかどうかは、リウマトイド因子だけでは判断できません。

 

その他の血液検査の結果や画像診断の結果などもみて総合的に医師が診断します。

 

【高円寺南診療所からのコメント】

関節リウマチの診断は、1か所以上の臨床的滑膜炎(関節腫脹)があるかどうかからはじまります。

 

両ひざに痛みがあっても関節腫脹がなければ関節リウマチは否定的ですが、臨床的滑膜炎の有無の診断は簡単ではないので血清学的診断をすることで関節リウマチの早期発見ができることもあります。

 

関節リウマチの血清学的診断には、リウマトイド因子の他に、現在では抗CCP(シトルリン化ペプチド)抗体を検査します。

 

この2項目のいずれか一方が高値陽性(基準上限の3倍超)であれば、それだけで関節リウマチ新分類基準(2010年米国リウマチ学会/欧州リウマチ学会)のスコア3点と評価されます。

 

スコアは6点以上で関節リウマチの診断は確定します。他には関節病変の有無(0~5点)などが重要な診断項目になります。

コーヒー摂取と死亡率の関連

‐カフェイン代謝関連遺伝子変異解析による‐

 

 コーヒーにはさまざまな健康効果(循環器系疾患や癌による死亡率の低下など)が報告されています。

 

ただし、コーヒー摂取者のカフェイン代謝関連遺伝子の変化や毎日5杯より多いコーヒー摂取者での検討はされていませんでした。

 

 

最近の研究では、コーヒーの摂取量が多い人は早期死亡リスクが低下し、この効果は1日8杯以上のコーヒーを飲む人でも認められることが分かりました。

 

また、こうしたコーヒー摂取による寿命の延長効果は、カフェイン含有の有無にかかわらず認められました。

 


この研究は、米国立癌研究所(NCI)のErikka Loftfield氏らによるものです。

 

対象は英国バイオバンク(the UK biobank)に参加した英国の成人49万8,134人(平均年齢57歳、女性54%)の地域住民です。

 

研究方法は、この対象を2006年から2016年まで追跡した大規模な前向きコホート研究です。

 

研究の目的は、遺伝子的カフェイン代謝スコアを用いてコーヒーの摂取量と死亡率との関連を調べることです。

 

 

事前背景:対象者の78%にはコーヒーを飲む習慣がありました。

 

調査結果:10年以上の追跡期間中に1万4,225人が死亡した。

 

 

カフェイン代謝関連遺伝子変異解析の結果:

 

①コーヒーの摂取量が多いと全死亡リスクは低下する

 

②コーヒーを全く飲まない人に比べて、1日8杯以上飲む人は、追跡期間中の死亡リスクが14%低く、1日6~7杯飲む人の死亡リスクが16%低かった。

 

③1日1杯以下の人では全死亡リスクの低下は6~8%にとどまった。

 

④コーヒーの摂取による寿命の延長効果は、レギュラーコーヒーやインスタン トコーヒーだけでなく、カフェインレスコーヒーでも同様に認められた。

 

⑤カフェインの代謝に関係する遺伝子多型の違い(カフェインの分解が遅いため多くは飲めない人、あるいは代謝が速く多く飲める人)で効果に差はみられなかった。

 

 

 

考察

 

Loftfield氏:米国立がん研究所(NCI)

 

①「コーヒーにはカリウムや葉酸をはじめ、身体に影響を及ぼす化学物質が1,000種類以上含まれている。今回示されたコーヒー摂取による早期死亡の抑制効果は、カフェイン以外の成分によるものである可能性が高い。

 

②この結果はコーヒー好きには朗報だが、コーヒーを飲まない人が寿命が延びることを期待して、わざわざ飲み始める必要はない。

 

 

Samantha Heller氏:ニューヨーク大学ランゴン医療センター栄養士

 

(ア)「多くの植物性食品と同様に、コーヒー豆にはポリフェノールが豊富に含まれている。ポリフェノールには抗酸化作用や抗 炎症作用、抗がん作用があるほか、血圧や血糖値を下げることが知られている」

 

(イ)「野菜や果物、豆類などが豊富な食事を取る人は、がんや肥満、糖尿病、認知症、心疾患、うつ病などの慢性疾患になるリスクが低いことが分かっている」

 

(ウ)「コーヒーの摂取は健康に良い習慣の一つになり得る」

 

(エ)「コーヒーを飲めば、不健康な食習慣や喫煙などによる健康への悪影響を打ち消せるものではない」

 

(オ)「人によっては、コーヒー中のカフェインは身体に良くないこともある」

 

 

 

コメント(飯嶋正広:高円寺南診療所、医学博士)

 

コーヒー愛好者の一人として、コーヒーが健康に及ぼす影響には、個人的にも以前から大きな関心がありました。

 

開業医の業務の傍らで、東京大学の大学院(保健学修士課程および医学博士課程)を無事終了し、50歳にしてようやく2つの学位を取得できたのもコーヒーの御蔭であったように思えます。

 

また、特定の医局に所属せずに、東洋医学(漢方)、アレルギー、リウマチ、心療内科などの専門医試験に合格できたのもコーヒーの助けが大きかったと思われます。

 

ただし、カフェイン中毒にならないで済んだのは、水氣道や声楽家としての活動を続けていたことが大きかったのだと確信しています。

 

 

ヘラー女史(ニューヨーク大学栄養士)もコメントしているように、コーヒー豆にはポリフェノールが豊富に含まれているので、抗酸化作用や抗炎症作用、抗がん作用があるほか、血圧や血糖値を下げることが期待できます。

 

抗酸化物質としてのポリフェノールはカレー粉や赤ワインにも豊富に含まれています。

 

また漢方生薬は「抗酸化物質の宝庫」といわれますが、植物由来であるから当然のことです。

 

生薬に含まれる抗酸化物質として、カロチノイドやビタミンC・Eなどの天然抗酸化剤のほか、フラボノイドやタンニンなどのポリフェノール・カフェー酸誘導体・リグナン類・サポニン類などが知られています。

 

 

高円寺南診療所での処方方針は、ミネラル⇒ビタミン⇒漢方薬⇒現代薬としていますが、これは病気の表面的な症状を抑えることにとどまらず、できる限り病気の根本を治して、健康長寿につなげようとする診療哲学に基づくものだからです。

 

コーヒー摂取に関して大切なことは、コーヒーの健康効果はカフェインによるものではないということです。

 

そしてコーヒーは適量摂取では栄養あるいは嗜好品ですが、大量に摂取すると薬物さらには毒物になりかねない二面性を持つということです。

 

この点は、徹底的に毒物であるタバコとの大きな相違点です。

 

 

カフェインは栄養ドリンクなどにも含まれていますが、キサンチン誘導体であり、栄養素ではなく薬物です。

 

眠気、倦怠感、血管拡張性・脳圧亢進性頭痛(片頭痛、高血圧性頭痛、カフェイン禁断性頭痛など)に用いられることがありましたが、最近ではあまり処方されません。

 

 

カフェインの主たる副作用は、心身両面に及びます。

 

主として振戦(ふるえ)、めまい/ふらつき、動悸/不整脈、不眠、不安/緊張などを挙げることができます。

 

 

高円寺南診療所には不眠や不安の相談で受診される方は多いですが、中には喫煙者であるうえに、夜間にコーヒーをたくさん摂取している方が少なくありません。

 

他院で安定剤(抗不安薬)を複数処方されているにもかかわらずパニック発作に苦しんでいる方のなかにも、同様の生活習慣の方が見られます。

 

特に注意していただきたいのは、動悸/不整脈ふるえ/めまいをはじめ意識障害のある方です。そのような方は、早めに相談してください。

かぜの診断、とくに『夏かぜ』について

 

一般に、かぜ(寒邪、風邪、感冒)は感染によって生じる上気道を中心とした急性炎症を指します。そして、症状の主体が上気道の急性炎症によるものであれば、急性上気道炎と診断されることが多いです。

 

急性上気道炎(風邪)の80%以上がウイルス性であり、基本的には自然軽快します。

 

ウイルスは多領域に分布し症状を引き起こす、という特徴があります。

 

そこで気管、鼻腔、咽頭の3領域のうち、少なくとも2つが同時に同程度、急性に存在する場合に、「ウイルス性上気道炎(風邪)」と診断することができます。

 

ただし、ウイルスはその他の領域にも分布することがあり、他の症状(発熱、関節痛、痰、眼脂、嘔吐、下痢など)も起こり得ます。

 

多くある症状のうちで、上気道炎の症状として診断に有用なのが、咳嗽(気管領域)鼻汁(鼻腔領域)咽頭痛(咽頭領域)です。

 

鼻汁症状が強い場合は副鼻腔炎などが疑われるが、疼痛が強い場合などを除いて多くはウイルス性です。

 

これらの症状が揃わない急性上気道炎も、感染初期などには存在し得ます。

 

また急性上気道炎の診断に「発熱」は必須ではありません。

 

 

さて今はやりの夏かぜについてですが、夏かぜの病原体は、主としてウイルスです。

 

代表的な御三家がアデノウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルスです。

 

夏かぜの症状の特徴は咽喉頭症状です。

 

咽頭痛、嗄声(声がれ)、咳、喀痰、喘鳴(ゼイゼイ)などの症状は、アデノウイルスやコクサッキーウイルスなどによるケースが多いです。

 

 

いずれにせよウイルス感染の咽頭痛はのど飴などが効き、むしろ飲み込むと喉はすっとすることも多いです。

 

トローチを処方することがありますが、その場合は、噛みくださずにゆっくりと唾液に溶かして服用します。

 

抗菌薬はウイルス感染には不要であり、また細菌感染症の合併予防の効果もありません。

 

本人の症状に合わせて、解熱鎮痛薬、鎮咳薬等での対症療法を行います。

 

 

「風邪」を正しく診断することで、重篤化し得る疾患を除外し、不要な抗菌薬治療による菌交代現象や副作用、耐性菌の出現を抑えることができます。

 

しかし、その場合でも安易にウイルス感染と診断せず、きちんと細菌感染を除外するようにすることが望ましいです。

 

細菌はウイルスとは異なり、1つの臓器(領域)のみを好む傾向があります。嚥下できないほど咽頭痛が強ければ、細菌性咽頭炎扁桃周囲膿瘍急性喉頭蓋炎が鑑別に上がります。

 

咳嗽のみが強ければ肺炎気管支炎を疑います。

 

発熱のみであれば、他の随伴症状の有無や診察所見から、必要に応じて尿路感染胆嚢炎蜂窩織炎なども検索します。

 

上気道炎は基本比較的元気であり、たとえ風邪の症状であっても、ぐったりしている場合は、心筋炎髄膜炎川崎病なども考慮しないといけません。

 

『風邪は万病の元』といわれる所以です。風邪を軽視してはいけない理由がここにあります。