8月14日(金)
週間<外国語>旅行

 

Papa Francesco invia un messaggio a 75 anni
dalla prima bomba atomica su Hiroshima

 

フランシスコ法皇は広島原爆以来
75周年目のメッセージを送る

 

 

Un breve testo per il Governatore della Prefettura della città nipponica, Hidehiko Yuzaki

 

日本のその市が所在する県知事の湯崎秀彦氏への短文

 

CITTÀ DEL VATICANO , 06 agosto, 2020 / 1:30 AM (ACI Stampa).-

バチカン市国 , 2020年8月06日 / 1:30 AM (ACI Press).

 

 

"L'uso dell'energia atomica per scopi bellici è immorale, così come è immorale il possesso di armi nucleari. Possano le voci profetiche dei sopravvissuti di Hiroshima e Nagasaki, conclude, continuare a servire da monito per noi e per le generazioni future”. Papa Francesco lo ha detto nel novembre del 2019 al Memoriale della Pace di Hiroshima e lo ripete nel messaggio per il 75° anniversario della prima bomba atomica esplosa su Hiroshima, inviato al Governatore della Prefettura della città nipponica, Hidehiko Yuzaki.

 

「戦争目的での原子力の利用は、核兵器の保有が不道徳であるのと同様に、不道徳である。広島と長崎の被爆者の預言的な声が、私たちと未来の世代への警告となり続けますように」と彼は締めくくっている。

教皇フランシスコは2019年11月に広島平和記念公園でこのように述べ、湯崎秀彦県知事に宛てて送られた広島初の原爆投下75周年記念メッセージの中で繰り返し述べている。

 

 

Come riporta vaticannews.va Francesco saluta in particolare i sopravvissuti all’ hibakusha:

 

vaticannews.vaによって報告されたように、フランシスコは特に被爆者の生存者に挨拶をしている。

 

 

“Ho avuto il privilegio di poter venire di persona nelle città di Hiroshima e di Nagasaki, scrive il Pontefice, durante la mia visita apostolica nel novembre dello scorso anno, nel corso della quale ho visitato il Memoriale della Pace di Hiroshima e il Parco dell'Ipocentro di Nagasaki”.

 

「私は広島と長崎の街を直接訪れる特権を得ました 」と教皇は書いています。
それは昨年11月の使徒的訪問の際、広島平和記念公園と長崎爆心地公園を訪問したときのことです。

 

 

Perché la pace fiorisca, sottolinea Francesco nel suo messaggio, tutti devono deporre le armi, soprattutto le più potenti e distruttive, come quelle nucleari, che possono paralizzare e distruggere città, interi Paesi.

 

平和を繁栄させるためには、すべての人が、特に最強の破壊力を持つ核兵器のように国全体で街を麻痺させて破壊することができる武器を捨てなければならない、とフランシスコはメッセージの中で強調しています。

8月14日(金)

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帯状疱疹は加齢に伴い発生頻度が高くなるありふれた疾患です。

社会の高齢化に伴い患者数は増加傾向になります。

 

急性の感染症で自然治癒しますが、重症例では病悩期間が遷延し、後遺症として神経症が残る場合があり問題視されてきました。

そのための早期診断・治療が重要となります。

 

帯状疱疹のガイドラインはわが国にはありません。しかし、治療の基本方針は早期の抗ウイルス薬の投与と疼痛に対する治療の2本立てです。

 

臨床診断で90%の例は診断可能です。診断のポイントは時間経過と臨床像で、ほとんどが典型例であるため、以下の5つの原則はきわめて有用です。

 

① 急な発症、

②前駆病変が無い、

③疼痛がある、

④皮膚の分布が片側性で神経支配域(デルマトーム)に一致、

⑤新しい水疱が単調

 

ただし、免疫不全者では非典型例も少なくないので注意を要します。

 

軽症・中等症の場合は、よくある疾患であり、大人には感染しないので大きな心配は少ないです。

しかし、ワクチンを接種していない未感染の小児との接触は避ける必要があります。

 

また、部位別の合併症があります。三叉神経第1枝領域では眼合併症の精査、耳介・外耳道に水疱がみられる場合や顔面神経がみられる場合、排尿困難・尿閉がみられる場合などは特別な対応を要します。

 

さらに、きちんと治療しても痛みが残る可能性があります。

そのため、せめて抗ウイルス薬はきちんと内服しておくことが大切です。また、患部を冷やすと痛みが増強するので暖かくして安静を維持します。

 

重症の場合は痛みが長期間残る可能性が高いです。帯状疱疹をきっかけとして感染症などで重篤になるリスクが高いのは末期癌や免疫抑制状態にあるケースです。

 

いずれにしても、帯状疱疹については、発症の予防をはかることが推奨されます。

 

帯状疱疹は、水痘ワクチン由来の弱毒生ワクチンを接種することで発症を抑制することが示されています。わが国では2016年4月に「水痘ワクチン」が50歳以上の者で「帯状疱疹のワクチン」としての使用が認可されました。

 

現在、杉並国際クリニックでは、乾燥弱毒水痘ワクチン「ビケン」を採用しています。また、2018年には発症予防率97%という高い効果をもつ新たなVZV成分ワクチン(不活化ワクチン)のシングリックス®が認可され、帯状疱疹の診療を大きく変えつつあり、当クリニックでの導入を検討しているところです。

8月13日(木)

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Un jour, je veux profiter du suïkido avec tout le monde
au spa onsen!

いつか、スパ温泉で皆と水氣道を楽しみたい。

 

 

Lesonesen   sont les sources d'eau chaude.Cependant ils ne sont pas seulement de l'eau chaude. Ils sont un mélange de divers éléments minéraux.  Ils sont aussi infusées de divers minéraux provenant de l'intérieur de la terre. Celles-ci donnent à l'eau des couleurs et des textures différentes, et chacune a son propre arôme unique. En plus de cela, il y a aussi des avantages pour la santé. Une autre attraction est que vous pouvez apprécier le beau paysage des bains en plein air.

温泉は水の源泉であり、水だけではなく、様々な鉱物ミネラルを混ぜ合わせたものです。これらは水に様々な色や質感を与え、それぞれが独自の香りを持っています。この他にも健康効果もあります。露天風呂の美しい景観を楽しめるのも魅力の一つです。

 

 

さて、ここで、フランス語ネーティブの温泉ガイドのサイトを発見しましたので、ご紹介します。

 

 

サイトはこちら

 

Le Japon, pays des sources thermales
温泉大国日本

 

3000… c’est le nombre de sources thermales, appelées Onsen, que l’on recenserait au Japon ! 3000 c’est énorme et surtout ça laisse le choix et quel choix. J’ai eu l’opportunité d’en tester des centaines au travers de mes différents périples nippons et j’avoue qu’un bon repos dans un bain chaud et en plein air c’est quand même agréable. Si je devais sortir une sélection de quelques Onsen au Japon qui valent l’expérience je donnerais les suivants :

3000...これだけの数の温泉が日本にあるんですね!温泉と呼ばれている温泉は、日本にもあります。3000カ所とは多いし、どれを選択するか、それはあなたに多くの選択肢を残します。私は様々な日本の旅を通して何百ものそれらを試す機会がありましたが、熱いお風呂と露天風呂での良い休息はやはり気持ちが良いことを認めます。日本の数少ない温泉の中から、経験値に見合うものを出すとしたら、次のようなものを挙げます


• Nyuto Onsen (Akita), surtout en hiver, pour ses bains extérieurs sous une grande quantité de neige. Imaginez-vous barboter dans une eau à 42 degrés quand tout autour de vous est blanc de neige. Un des bains est même mixte !
- 乳頭温泉(秋田)、特に冬場は雪の下の露天風呂が充実しています。周りが雪のように真っ白な時に、42度の水の中でパドリングをすることを想像してみてください。お風呂の一つは混浴までしています!

 

• Furofushi Onsen (Aomori), au moment du coucher du soleil, sur la mer du Japon. Tremper dans un bain chaud, en bord de mer et admirer l’astre se coucher face à soi. Magnifique !
- 日本海に沈む夕暮れの不老不死温泉(青森県)。海辺の温かいお風呂に浸かりながら、目の前に沈む夕日を眺めてみてはいかがでしょうか。素晴らしい!

 

• Hottarakashi Onsen (Yamanashi), qui ouvre une heure avant le lever de soleil et ferme une heure après. Pourquoi ? Parce que depuis les bains extérieurs on fait face au Mont Fuji et le spectacle en vaut plus que le coup d’œil et la trempette !
- 日の出の1時間前に開湯し、1時間後に閉湯するほったらかし温泉(山梨)。なぜ?露天風呂からは富士山に面していて、ショーの価値は一目ぼれ以上にあるからです

 

Pour compléter cette introduction, je vous invite à aller lire le guide complet des onsen japonais sur le blog d’Aala.
• この紹介を終えるには、ぜひアーラ(Aala)さんのブログで日本の温泉の完全ガイドを読んでみてください。

来週は、このアーラさんとはどんな方なのかご紹介したいと思います。

8月13日(木)


前回はこちら

 

乾癬は、炎症性皮膚疾患の一つで、全身の皮膚に大小の境界明瞭な紅斑局面が多数見られ、その表面には厚い銀白色の鱗屑が付着するという特徴を呈します。

男女比は2:1で男性に多い傾向があります。

 

近年では、メタボリックシンドロームとの関連が強く示唆されています。

実際に、肥満、脂質異常症、糖尿病、高血圧などを合併していることが多く、これらの疾患を伴っている乾癬患者は心筋梗塞につながるケースがあります。

 

そのため、皮膚のみならず全身性の炎症性疾患と捉えて健康管理を行うべきと考えられるようになってきました。

 

国内においては乾癬に関する正規のガイドラインはないため、ドイツのS3ガイドライン(2012)などが参考になります。

 

 

乾癬は、一言で言えば、長い付き合いになる全身性疾患だということになります。

そして糖尿病や脂質異常症、高血圧などと同様に治す病気ではなくコントロールする病気です。

 

しかし、幸いなことに適切な治療を継続することにより、より良い状態が保てるようになってきました。

 

炎症性疾患ではありますが、感染する病気でもなければ、必ずしも子どもに遺伝するわけでもありません。

そのかわり、これまで考えられてきた以上に、食事や喫煙などの生活指導が大切です。

 

 

このように、乾癬患者の健康管理は、すべて皮膚科専門医の手に委ねていれば良いというものではないことが明らかになってきました。

 

その他、他科の関与が必要になってくる具体的なケースとしては、皮疹のみならず関節症状を訴えている場合(整形外科、リウマチ内科)、患者QOLが著明に障害され、治療意欲が低下している場合(精神科、心療内科)、皮疹の急性増悪や膿疱化などが出現していないにもかかわらず発熱がみられる場合(内科)などです。

 


乾癬には5つの病型があり、それらは尋常性乾癬(90%)をはじめ、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、適状乾癬です。

しかし、実際には関節症性乾癬の割合は報告されているよりも多い印象です。

 

その理由としては、大多数を占める尋常性乾癬と診断されていたものの中から、経過中に関節症状を伴ってくるケースがみられるからだと考えています。

 

これは関節症性乾癬である可能性が高いです。関節症性乾癬を早期に発見することは有用であり、そのための質問票としてPASE(Psoriatic Arthritis Screening and Evaluation)などが知られています。

 

初診時の検査:

臨床症状と所見のみで判断できることがほとんどです。しかし、関節症状を伴う場合は、関節リウマチとの鑑別が必要となります。その場合は、採血にて抗核抗体、リウマチ因子、抗MMP-3抗体、抗CCP抗体、血沈、CRPなどを確認します。また画像評価も重要であり、単純X線、関節エコーは頻用されます。

 

治療方法:

①外用療法、②光線療法、③内服療法、④生物学的製剤に大きく分けられ、これらを単独あるいは併用して行われます。

 

治療評価:

乾癬の重症度を評価する際に利用されるのが10の法則(The Rule of Tens)です。

 

① 全身における病変面積の割合(BSA: body surface area)>10%

 

② PASI>10点(72点満点中)

 

③ DLQI>10点(30点満点中)

 

以上のうちのいずれかをみたす場合には、中等症~重症と判断し、生物学的製剤などの全身療法を考慮すべきとされています。

 

治療管理の目標項目:

①皮疹の改善、

 

②関節症状の改善(関節症性乾癬の場合)、

 

③ 患者QOLの向上

 

① については、従来はPASI(Psoriasis Area and Severity Index)スコアが治療開始前と比較して75%以上改善することを目標としていましたが、近年登場した生物学的製剤を使用する場合は90%以上の改善を目標とするようになってきています。

 

② については、より具体的にいえば、

②-1)疼痛の消失、

②⁻2)進行の抑制とし、米国リウマチ学会(ACR)基準で50%以上、最終的には70%以上の改善を目標とします。

 

③ については、さまざまなQOL指標があります。包括的なものではSF-36、皮膚疾患特異的なものではDLQI(Dermatology Life Quality Index)、さらに乾癬特異的QOLの指標としてはPDI(Psoriasis Disability Index)があります。

 

管理上の注意点:

いずれの治療法においても注意すべき副作用があるため、それらを極力回避した上で治療に当たることが必要です。たとえば、活性型ビタミンD₃外用薬であれば、高カルシウム血症の発生に注意します。確認しないままであると頭痛や嘔気などの症状がみられることがあるので定期的に血液検査を行いチェックする必要があります。

8月12日(水)

 


ドイツのメディアに出ていた、ちょっと気になる記事がありました。

 

もうとっくにご存知かとは思いますが、いちおう、お伝えします。

 

ZEIT ONLINE 2020.7.27.


石原さんから以上の情報をいただきましたので、急遽、掲載予定を変更して皆様のために翻訳してお伝えすることにしました。

 

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1. Seite 1 —Genesen heißt nicht immer gesund
第1頁 -回復したからといって健康になるとは限らない

 

2. Seite 2 —Gerinnsel können das Herz belasten
第2頁 -血栓は心臓に負担をかけることがある


3. Seite 3 —Was macht Corona im Gehirn?
第3頁 -コロナは脳内で何をするのか?

 

 

In Deutschland genesen immer mehr Menschen von Covid-19. Allerdings besteht die Gefahr, dass für manche von ihnen die Krankheit damit noch nicht vorbei ist. So geht das Bundesgesundheitsministerium davon aus, dass mit Spätfolgen von Covid-19 zu rechnen sein könnte. Vor allem, weil ein verhältnismäßig hoher Anteil von Patientinnen und Patienten auf einer Intensivstation behandelt oder sogar künstlich beatmet werden muss. Zwar fehlen noch verlässliche Daten, um das Risiko beurteilen zu können. Doch erste Studienergebnisse und Berichte von Medizinern deuten bereits an, wo im Körper Sars-CoV-2 auch längerfristig Schaden anrichten könnte.

 

ドイツではCovid-19から回復する人が増えているが、彼らの中にはまだ病気が終わっていない人もいる。(ドイツ)連邦保健省は、Covid-19の後遺症が予測できるとしている。これは主に、集中治療室での治療や人工呼吸を受けなければならない患者の比率が比較的高いためである。リスクを評価するには、信頼できるデータがまだ不足している。しかし、初期の研究結果や医師からの報告では、すでに体内のどこかにsars-CoV-2が長期的なダメージを与える可能性があるかを示している。

 

コメント:

Covid-19は、病名をあらわし、新型コロナウイルス感染症を意味しますが、
これに対して、sars-CoV-2は、Covid-19の病原体であるウイルスの名称を表します。

 

 

„Patienten, die auf Station behandelt werden müssen, haben oft einen ziemlich langwierigen Verlauf", sagt der Lungenarzt Michael Pfeifer, Präsident der Deutschen Gesellschaft für Pneumologie und Beatmungsmedizin. Ob die Patienten Folgen für Monate oder Jahre behalten, wisse man noch nicht, "aber zumindest für die erste Zeit nach der Infektion". Auch nach Wochen sieht der Pneumologe bei vielen Patientinnen und Patienten, die Covid-19 überstanden haben, noch Veränderungen in der Lunge. Oftmals sei die Lungenfunktion zwar nicht dramatisch eingeschränkt, einige hätten jedoch Probleme, ausreichend Sauerstoff aufzunehmen, vor allem unter Belastung.

 

「病棟で治療を受けなければならない患者は、かなり長い経過をたどることが多い」と、ドイツ呼吸器学会会長である肺呼吸器専門医のMichael Pfeifer氏は言う。「しかし、少なくとも感染後の最初の期間は」その患者が何ヶ月も何年もその結果が続くのかどうかは、まだ知られていない。数週間経った今でも、この呼吸器専門医はCovid-19を乗り切った多くの患者の肺の変化を見ている。多くの場合、肺機能が劇的に低下しているわけではないが、特にストレス下では十分な酸素の吸収に問題がある場合もある。

 

 

Millionen Lungenbläschen kollabieren
CORONA: Das Virus und seine Folgen

 

数百万個の肺胞崩壊

コロナ:ウイルスとその結果

 


Sars-CoV-2: Die Wege des Virus
サーズ・VoV-2ウイルス:ウイルスがたどる道筋

 

 

Immunität gegen Covid-19: "Ich bin immun, ich darf das!"

Verlauf der Corona-Pandemie: Das Virus ist noch lange nicht besiegt

 

コロナ―パンデミックの経過:ウイルスの克服には時間がかかる

 

 

Immunität gegen Covid-19: "Ich bin immun, ich darf das!"

 

コビド19に対する免疫力: 「免疫ができる、許される!」

 

 

Das ist auch kein Wunder, denn Sars-CoV-2 greift tief in der Lunge an. Über bestimmte Bindungsstellen docken die Viren an die Zellen an, infiltrieren und zerstören sie. Bei schweren Verläufen sammelt sich nach und nach immer mehr Zellschrott in den Tiefen der Lunge, gemischt mit eingewanderten Entzündungszellen und Flüssigkeit, die aus den leck gewordenen Blutgefäßen austritt. Gleichzeitig steigt die Oberflächenspannung der Lungenbläschen, wo das Blut mit Sauerstoff angereichert wird. In der akuten Infektionsphase kollabieren dadurch Millionen dieser Alveolen. Im Nachhinein lässt sich kaum unterscheiden, welche Effekte durch das Virus und welche durch die anschließende Abwehrschlacht zustande gekommen sind. Die Spuren allerdings sehen Radiologen beispielsweise in CT-Untersuchungen von Infizierten (European Radiology: Ye et al., 2020).

 

それも道理であって、サーズ-CoV-2は肺の奥深くを攻撃するからなのである。ウイルスは特定の結合部位を介して細胞にドッキングし、細胞に浸潤して破壊する。重症化すると、浸潤した炎症細胞や血管から漏出た体液に混じり、肺の奥深くに細胞の破片が徐々に溜まっていく。同時に、血液が酸素を豊富に含んでいる肺胞の表面張力が上昇する。感染症の急性期には、これらの肺胞の数百万個が結果として崩壊する。ウイルスによる影響とその後の防衛戦による影響を後になって区別することはほとんどできない。ただし、例えば、放射線科医ならば感染者のCT検査で痕跡を見ることがある(European Radiology: Ye 他、2020)。

 

 

"Die Angst ist, dass die Lunge so stark geschädigt wird, dass sie ihre normale Struktur nicht wieder komplett aufbauen kann", sagt Pfeifer. Etwa dann, wenn infolge der Entzündung das eigentlich zarte Bindegewebe zwischen den Lungenbläschen durch Narbengewebe ersetzt wird. So eine Fibrose kann dazu führen, dass die betroffenen Abschnitte dauerhaft nicht mehr so gut am Gasaustausch teilnehmen können. Lungenveränderungen wie diese sehe man aktuell vor allem bei Patienten mit schwerem Verlauf von Covid-19, die lange beatmet werden müssen, sagt Pfeifer. Allerdings sei noch unklar, wie viele Patienten wirklich betroffen sind.

 

「恐れているのは、肺が正常な構造を完全に再構築できないほどの損傷を受けることだ。」とファイファー氏は言う。例えば、炎症により、肺胞の間の実際にデリケートな結合組織が瘢痕組織に置き換わってしまう場合。このような線維化は、患部がガス交換プロセスに参加できなくなることにつながる可能性がある。現在、これらのような肺の変化は、主に長時間の換気を必要とする重度のCovid-19病に苦しんでいる患者に見られる、とPfeifer氏は述べた。しかし、実際にどのくらいの患者が罹患しているのかは、まだはっきりとはわかっていない。

 

コメント:

「肺が正常な構造を完全に再構築できないほどの損傷を受ける」のは、サイトカインストームと呼ばれる、過剰な免疫反応によるものであると考えられます。

 

 

Auch weiß derzeit noch niemand, ob die vielgestaltigen Veränderungen des Lungengewebes, die Medizinerinnen und Ärzte auf Röntgen- und CT-Bildern sehen, langfristig erhalten bleiben oder sich mit der Zeit zurückbilden. Von anderen schweren Lungenentzündungen – etwa durch Pneumokokken – sei aber bekannt, dass sich die Lunge vieler Patienten über Monate wieder erstaunlich gut regeneriere, sagt Pfeifer. Vielfach sogar so vollständig, dass die Menschen im Alltag beim Atmen gar nicht eingeschränkt sind. "Ich bin sicher, dass viele Patienten, von denen wir jetzt aufgrund der CT-Bilder glauben, sie werden lang anhaltende Schäden davontragen, sich wieder erholen", sagt Pfeifer. Wirklich abschätzen, auf welchen Anteil das zutrifft, könne man aber frühestens nach einem halben Jahr.

 

また、医師がX線画像やCT画像で見た肺組織の多様な変化が長期的に維持されるのか、時間の経過とともに退行するのかはまだわかっていない。しかし、肺炎球菌などの他の重篤な肺炎疾患を患っている多くの患者の肺は、数ヶ月の期間をかけて驚くほどよく再生することが知られているとファイファー氏は言う。多くの場合、肺が完全に再生するので、日常の呼吸が制限されることはない。「今、CT画像から、長期的なダメージを受けると思われる多くの患者さんが回復すると確信しています。」とPfeifer氏は述べている。しかし、これが適用される割合を本当に見積もるには、早ければ半年を要する。

 

コメント:

新型コロナウイルスに感染した患者さんの予後は早期には判断できず最短でも半年程度の経過観察が必要であるということになります。

8月12日(水)

前回はこちら

 

慢性的な痒みは、日常生活、すなわち、睡眠、就業、学業などのすべてに大きく影響し、また精神的にも大きな負担になります。

 

したがって、これらの影響と負担を少しでも緩和できるようにすることが治療目標になることは言うまでもありません。

しかし、これに加えて、同時に大切なことは、痒みの原因となる潜在的な基礎疾患を発見する継続的な努力を忘れず、少しでも見落としを減らすという地道な方針を堅持することです。

 

慢性的な痒みを来す可能性のある皮膚粘膜疾患群の中から、原因が特定されているものから特定困難なものという観点から、薬疹・蕁麻疹・皮膚掻痒症という順に解説を試みることにします。

 

 

<薬疹>
薬疹は、比較的多い皮膚粘膜疾患です。薬疹とは、「経皮投与を除く全身投与により体内に摂取された薬剤自体またはその代謝産物の直接的作用ないし間接的作用によって誘導される皮膚粘膜病変」です。

 

原因薬の中止により速やかに軽快する軽症例が多くを占めますが、まれに原因薬を中止しても病勢が進行し、生命予後を脅かし、後遺症を残す可能性のあるタイプがあります。

 

スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)、中毒性表皮壊死融解症(TEN)、薬剤性過敏症症候群(DIHS)などは、こうした重症薬疹に含まれます。

 

近年、SJSとTENは病態の多くが共通し、オーバーラップ(SJS/TEN)することが明らかになってきました。を来すことがあります。

 

薬疹の発症機序には多様性があり、

①アレルギー機序、

②毒性によるもの、

③原因薬の薬理作用を反映するもの、

④免疫環境を変化させるもの、

などがあります。

 

この中で、アレルギー機序(①)によるものが狭義の薬疹とされ、原因薬の中止が必要なことが多いです。しかし、分子標的薬など作用機序を反映する薬疹(③)では、薬疹を治療しながら原因薬の継続が可能です。

 

軽症から中等症の通常の薬疹では生命予後は良好であり、後遺症の問題もありません。

これに対して特に注意を要するのは、急性期の皮疹が軽快した後も、SJS/TENでは眼や呼吸器の後遺症を残す可能性、DIHSでは感染症や自己免疫疾患などを続発する可能性があるということです。

 

これらのケースでは、その後も定期受診していただきます。いずれの場合でも、原因薬をお薬手帳などに記載して医療機関受診時に担当医に示し、自主的に再発防止に努めていただくことが必要です。

 

なお薬疹に関しては、奥が深いため、今後も、折に触れて取り上げていきたいと思います。

 

 

<蕁麻疹>
蕁麻疹は特定の薬剤や食物に対する過敏症として単回のみ発現するもの、特に明らかな誘因なく長期にわたって浮腫性紅斑や膨疹が出没するもの、特定の刺激によって繰り返し膨疹が誘発されるものまで種々の病型があります。

 

急性蕁麻疹に対して慢性蕁麻疹は難治症例の割合が大きくなります。わが国では「蕁麻疹診療ガイドライン」(改訂版)が2018年11月に公表されました。

 

原因不明の特発性蕁麻疹(急性蕁麻疹、慢性蕁麻疹)の場合、原因追及のために無計画に血液検査や特異的IgE検査をしても解決につながらないことが多いです。もっとも、検査で異常が見いだせないから特発性蕁麻疹というので当然のことになります。特発性蕁麻疹では非鎮静性の第二世代抗ヒスタミン薬を中心とした内服療法が治療の中心になります。そして、慢性蕁麻疹では軟膏等の外用療法は無効であるため内服療法で病勢を抑制することが最初の治療目標になります。刺激誘発型の蕁麻疹の場合、誘発刺激を確認するための各種の負荷試験が診断に有効ではあります。その場合、基本的には確認された誘発刺激をできるだけ避け、併せて非鎮静性の第二世代抗ヒスタミン薬による内服療法が軸となります。

皮膚科専門医に紹介すべきケースとしては、以下が挙げられています。
① 発症後概ね6週間以上経過し、なお病勢が軽快しない慢性蕁麻疹
② 血圧低下、強い腹痛、呼吸困難などを伴う場合
③ 堪えがたいほどの症状(重度かつ広範囲の浮腫性紅斑、膨疹、激しい掻痒)が頻繁に繰り返される場合
④ 出現パターンが不規則(膨疹が毎日規則的に出没を繰り返すのではない場合)を示す場合で、直接的誘因が明かにできない場合

しかしながら、上記のうち②は、皮膚科専門医がではなく救急医療に繋げるべきケースであり、急性期を過ぎた後も内科的観察が必要となるものと思われます。むしろ、すでに皮膚科を受診していて、上記①、③、④の理由で杉並国際クリニックに問い合わせてくる例が増えているのが現状です。

<皮膚掻痒症>
わが国では、汎発性皮膚掻痒症に関しての信頼に足る疫学情報は乏しいです。2012年に日本皮膚科学会から「皮膚掻痒症診療ガイドライン」が公表されています。皮膚掻痒症とは、皮膚病変が認められないにもかかわらず痒みを生じる疾患です。この疾患は皮膚に病変が存在しないにもかかわらず、スキンケアや保湿は薬物治療の効果を上げる上で重要であるため、すぐに効果がでなくても怠りなく続けることが大切です。しかしながら、どの治療が最も効果的か、根気よく、いろいろな薬剤や治療法を試みることになります。非常に難治な痒みでは単に皮膚科専門医を頼るばかりでなく、積極的に悪性腫瘍を含めた基礎疾患の検索するための内科その他の科の医師に委ねざるを得ないということになります。

皮膚掻痒症は症状のある部位の拡がり具合によって汎発性皮膚掻痒症と限局性皮膚掻痒症に大別できます。汎発性皮膚掻痒症で最もよく見られるのは加齢による乾皮症が原因と考えられるものです。その他の原因としては、内分泌・代謝疾患(糖尿病、腎不全、肝障害、甲状腺機能異常など)、血液疾患(ホジキンリンパ腫をはじめとする各種のリンパ腫、真性多血症など)、その他の悪性腫瘍、神経疾患(多発性硬化症など)があります。さらに、妊娠、薬剤、精神・心因性疾患(皮膚心身症)なども原因となります。しかしながら、これらの疾患で誘発される痒みは抗ヒスタミン薬の効果が限定的であり、痒みの機序の多くは不明であるといわざるを得ません。

比較的明らかなのは血液透析患者や慢性肝疾患患者の痒みであり、これらはオピオイド受容体を介した中枢性の痒みが関与しています。また、胆汁うっ滞に伴う痒みにおいてはLPAの関与が示唆されています。その他、神経支配領域に一致する痒みでは、脊椎から皮膚に至るいずれかの部位が圧迫されて生じると推測できるものがあります。

初診時に必要な検査:加齢によるドライスキン、慢性腎不全ないし透析患者、原発性胆汁性肝硬変(PBC)などのように原因が明かなものは特段の検査は不要です。しかし、受診までの経過や治療反応性の面からみて頑固な痒みが続いている患者では、スクリーニングとして一般血液検査、腎機能、肝機能、糖尿病、甲状腺機能などの内科的検査が必要です。

治療方法:①生活指導とスキンケア、②内服療法、③外用療法、④その他の治療があります。その他の治療には、狭域UVBなどの紫外線療法が有効なことがあります。ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液(ノイロトロピン®)やプラセンタの注射、各種選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)などが選択肢として挙げられます。また、杉並国際クリニックならではの水氣道®による心身の鍛錬も長期経過を改善しています。

皮膚掻痒症は、わが国のガイドラインでは明らかな皮膚病変が無いのに痒みを訴えることから診断されるために、二次性皮膚病変であってもこれが認められる場合は、汎発性皮膚掻痒症とは診断されなくなります。これに対して、欧州のガイドラインでは、結節性痒疹は痒みと持続的掻破による二次的病変とされ、皮膚掻痒症に含めて考える立場であり、私も欧州の見解に賛成です。腎不全、糖尿病、肝不全などでは、痒疹、とくに結節性痒疹を伴っていることはしばしばですが、明らかな基礎疾患を見いだせない場合もあります。その場合であっても、外来加療経過中に原因疾患が明かになっていくことも少なくはありません。何らかの基礎疾患に起因するものでは、疾患の状態・病勢に左右され、また疲労度や精神状態やストレス強度などによって症状が変動することがあります。

8月11日(火)

トランプ大統領は米中覇権戦争において、中国包囲網のなかにロシアを誘い入れようとしています。したたかな、プーチンは容易にはトランプの思惑には従いそうもありません。


しかし、ロシアは産油国であり、原油価格の安定とそれによる収益は国家的な課題です。

 

ロシアは、アメリカをどのように捉えているのでしょうか。
そこで今週も、ロシアのプラウダ紙の記事を紹介します。


Фото: REUTERS
Президент США Дональд Трамп заявил, что ему удалось договориться с Россией, Саудовской Аравией и другими странами о значительном сокращении объемов добычи нефти. Речь идет об уменьшении добычи сырья почти на 10 миллионов баррелей в сутки.

 

ドナルド・トランプ米大統領は、ロシアやサウジアラビアなどと交渉して原油を大幅に減らすことに成功したと述べた。これは1日1000万バレル近くの減産についてである。
コメント:新型コロナウイルスのパンデミックがもたらした経済面での副産物が、石油価格の暴落でした。世界的な需要低下を受け、石油価格は2月後半から下がり始め、3月に入ると急落しました。その下落を決定的にしたのが、OPECとロシア等の産油国(いわゆるOPEC+という枠組み)の減産協議が3月6日に決裂したことでした。

 

しかし、3月から4月にかけての大暴落は、さすがに産油国を慌てさせたのでしょう。OPEC+は4月12日、5~6月に日量970万バレルの減産を行うことで最終合意しました。これは、世界の原油供給の約10%に当たる大幅な減産です。さらに、6月6日にOPEC+はこの歴史的な減産を7月末まで延長することで合意しました。

 

 

- Когда нефтяной рынок рухнул, я убедил Саудовскую Аравию, Россию и других, сократить нефтедобычу, убедил ОПЕК+ и Мексику согласиться на сделку, - заявил американский лидер на мероприятии в штате Техас, цитирует ТАСС.

 

- 原油市場が暴落したとき、「サウジアラビアやロシアなどに減産を説得し、OPEC+とメキシコを説得して合意させた」と、米国の指導者はテキサス州のイベントで語った、とTACCは引用した。

 

コメント:

これまでの間にも石油価格はジェットコースターのような変動を示し、4月20日にはニューヨーク市場で原油先物(5月物)のWTIが史上初めてマイナスの値を付けました。つまり、供給のだぶつきで5月には貯蔵施設が溢れてしまうので、売り手がお金を払ってでも誰かに引き取ってほしいという前代未聞の状況となったのです。マイナス価格になったのはあくまでも先物でしたが、筆者が普段参照しているブレント油価のスポット価格も、4月21日に1バレル当たり9.12ドルという近年の最安値を付けています。

 

 

Глава Соединенных Штатов выразил слова благодарности в адрес Саудовской Аравии, России и Мексики за сокращение объемов добычи черного золота, а также за заключенное в апреле текущего года соглашение ОПЕК+, которое вступило в силу 1 мая.

 

米国のトップは、サウジアラビア、ロシア、メキシコの3カ国に対し、黒金(註)の減産と、今年4月に締結されたOPEC+が5月1日に発効した協定に感謝の言葉を述べた。
(註)黒金:черного золота(露)black gold(英)英訳のblack goldは石油を意味する。これを黒金と直訳すると「石炭」の意味になってしまうので注意を要する。

 

 

В Кремле ранее заявляли, что в сделке нет проигравших, все выиграли. Российские власти считают такое соглашение стран выгодным для всех сторон.

 

クレムリンは以前、この取引に敗者はいない、全員が勝ったと述べている。ロシア当局は、このような合意はすべての当事者にとって有益であると考えている。

 

コメント:

ロシアは輸出の6~7割を石油・ガスで稼ぎ、連邦歳入の半分近くも石油・ガス収入で賄っている国です。通貨のルーブルも、ほぼ石油価格に連動して動いており、2020年に入って大幅なルーブル安が進んでいました。ロシアにとっては、米国に貸しを作るような体裁をとりながらも、自国の財政危機回避ができたということになるでしょう。

8月11日(火)

 

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厚生労働省が発表している接触皮膚炎の総患者数は2014年度で195,000人であり、年齢別構成比率では65~69歳が25,000人と最多です。

 

接触皮膚炎は、外来性の刺激物質や抗原(ハプテン)が皮膚に接触することによって発症する湿疹性の炎症反応です。

つまり、アレルゲンが関与する皮膚疾患です。

 

こうした外界よりの異物(接触アレルゲン)に対する生体の異物排除機構の作動に伴い皮膚症状が出現します。

アレルゲンは多数存在し、社会の変化に伴って、新しい化学物質が出現して、その使用頻度が変化することにより変化を遂げています。日本皮膚科学会による「接触皮膚炎診療ガイドライン」は2009年に発表されています。

 

 

平成時代の30年間(旧、高円寺南診療所)は、皮膚科も標榜していた時期は、皮膚疾患の受診者の比率が多かったです。

 

令和に入り、杉並国際クリニックが徐々に予約制診療に移行すると、様相が一変してきました。

ネット予約での問い合わせでは、主訴等ではなく、いきなり、「アレルギーの検査をして欲しい」とか「金属アレルギーを調べてほしい」という御要望が書かれていることが増えてきました。

 

しかも、紹介状なし、です。診療前から一方的に特別な要望が書かれているとケースバイケースなので事前にお約束することは難しくなり残念です。

そのような場合は、予約を行わず、他の専門的医療機関の受診をお勧めすることにしています。その理由を説明いたします。

 

 

接触皮膚炎は原因と推測される物質の特定と、原因物質が含まれる製品を含めて、接触を避けることが基本であると医師は考えます。

 

しかし、患者にとっては、代わり使用できる製品が重要であり、代替品を知ることが必須となる場合が多いです。

最近の患者さんはすでに特定の皮膚科専門医を受診しているにもかかわらず、主治医には相談なく、そのまま他の医療機関を梯子受診したがる傾向があるように思われます。

そのため、当然のことながら「紹介状」はありません。患者さんが、なぜそのような行動をとらざるを得ないのでしょうか。

 

それには、以下のような、いくつかの理由があるようです。

 

① 経過が長く、治らない、もしくは一進一退を繰り返す場合

 

② 局所ではじまったものが、次第に拡大してきた場合

 

③ 顔などの部位に生じた場合

 

④ 職業性に生じた場合であり、職業継続が困難になってきた場合

 

⑤ 診断が不確かで不安な場合

 

 

しかし、以上の理由は、むしろ一般医が皮膚科専門医へ紹介する目安となる基準に重なっています。これが、フリーアクセスの欠点ともいえる現代医療の難しい典型的な局面でもあります。

 

接触皮膚炎は大きく分類して刺激性とアレルギー性に別けることができます。これに、光線の関与したタイプを加え、以下のように分類することが多いです。

 

① 刺激性接触皮膚炎

 

② アレルギー性接触皮膚炎

 

③ 光接触皮膚炎(光毒性接触皮膚炎、光アレルギー性接触皮膚炎)

 

④ 全身性接触皮膚炎・接触皮膚炎症候群、接触蕁麻疹

 

 

初診時に必要な問診:
接触皮膚炎を疑った際には原因を明らかにするために詳しい問診を行います。

その際、時間的経過、部位によりアレルゲンを推測し、光線が関与しない接触皮膚炎のときにはパッチテストを、光線が関与することが疑われるときは光パッチテストを施行することになっています。

 

しかし、判定は48時間後、72時間後、1週間後に行うことが前提であるためか、皮膚科専門クリニックでも日常診療上ルーチンにパッチテストが行われるわけではないようです。

 

 

経過が短期的な場合には毛染めなどの日用品、食物や植物、外用薬や湿布薬(医薬品)などが原因として推測されることが多いです。

 

逆に、経過が慢性的な場合にはアレルゲンの推測は非常に困難です。

しかし、その中でもシャンプーやリンスなどの日用品、化粧品、ニッケル・コバルト・クロムなどを含む装飾品、食物に含まれる金属などに特に注意が必要です。

 

皮肉な話ですが、実際にしばしば遭遇するのは、皮膚科医から処方されている軟膏が接触皮膚炎を難治化させていた例や、点眼液で視力を低下させていた事例も経験したことがあります。

また、仕事の作業内容によっておこる職業性接触皮膚炎が原因だったこともあります。

 

 

問診や発症部位による推定が難しい場合は、標準アレルゲンを添加してあるパッチテストパネルを一緒に貼付試験することにより、広くスクリーニングすることも保険医療上不可能ではありませんが、コストと手数などに見合わないため 、公的医療機関でさえ積極的に実施することは控えているとの情報を得ています。

 

 

鑑別疾患:
境界明瞭な局面形成をする皮膚疾患の鑑別が重要です。

尋常性乾癬、白癬、脂漏性皮膚炎、ボーエン病、乳房外パジェット病などです。また手の領域では、汗疱、異汗性湿疹も鑑別となります。

 

原因除去とステロイド外用薬を主体とした治療法で通常は1~2週間程度で軽快します。軽快しないときは原因特定の検査が必要となります。

 

ただし、原因排除後も警戒しない場合があり、使用しているステロイド外用薬による接触皮膚炎の可能性を疑う必要もあるなどのケースもあります。

 

また、原因アレルゲンが多くの製品に含まれる場合があり、それらとの接触を避ける指導が必要となります。特に「毛染め」は 重症の接触皮膚炎になるにもかかわらず、使用をやめられない方が多く難渋します。

そのような場合はヘアマニキュアやパラフェニレンジアミン未配合の毛染め剤を勧めるなど、具体的な代替品の推奨が不可欠となりますが、「言うは易く行うは難し」、という感は待逃れません。

8月10日(月)

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環球時報(环球时报)は、中国共産党の機関紙『人民日報』の姉妹紙で、民族主義的観点を持つことで知られています。

 

海外のニュースを中心とした紙面構成なので、特に台湾についての記事が興味深いです。

 

先日亡くなった台湾の李登輝氏(旧日本名:岩戸正直)は生前「私は22歳までは日本人だった」と内外に公言して憚ることがありませんでした。

 

こうした台湾の元総統であった李氏の埋葬に関して、中国共産党の視点からのコメントを読んでみると、間接的にではありますが、中国共産党が日本に対してどのような公式見解を持っているのかが、かえって浮き彫りになってくるところがミソです。

 

 

台退伍军人反对李登辉葬五指山公墓:
他有何资格与将士们比邻而葬,同沐英灵?

台湾の退役軍人が五指山墓地に李氏を埋葬することに反対している。

将軍たちの隣に埋葬され、魂を分け合うに値する資格があるのか?

 

来源:环球时报作者:张天行
情報源:環球時報、記者:帳天行
2020-08-06 02:31


【环球时报综合报道】台湾地区前领导人李登辉7月底病亡,遗体规划下葬五指山军人公墓,引发退伍军人的强烈反对。

“中华民国退伍军人协会”南加州分会4日发表声明称,李登辉原名岩里政男,曾为日本人侵华作战,1988年蒋经国去世后继任台湾地区领导人与国民党主席,但在位期间开启“黑金政治”,成了“黑金教父”;他虽然成立“国家统一委员会”,也曾主张两岸统一,最后却变成“台独教父”,还曾宣称钓鱼岛是日本领土,并亲自到靖国神社参拜日本侵华战争的日本军人。声明称,“李登辉毁中华民国不遗余力,有何资格与我中华民国抗日战争奋勇抗敌的将军和官士们比邻而葬,同沐英灵?”


【環球時報総合報道】台湾の李登輝元総統は7月下旬に病死し、遺骨は五指山軍人公墓に埋葬される予定だが、退役軍人の強い反対を受けている。

「中華民国退役軍人協会(R.O.V.A.)南カリフォルニア支部は7月4日、声明を発表し、李登輝氏(旧名:岩戸正直)は日本の中国侵略のために戦い、1988年の死後、蒋経国を台湾の地域指導者、国民党委員長として継承したが、在任中に 『ブラックマネー政治』を始めたとしている。『国家統一委員会』を設立し、一度は両岸統一を主張したが、最終的には 『台湾独立のゴッドファーザー 』となった。また、釣魚島は日本の領土であると主張し、日本の中国侵略と戦った日本兵に敬意を表して靖国神社を参拝したこともある。彼らの声明は、『李登輝は中華民国を滅ぼすための努力を惜しまなかったのだから、中華民国の対日抵抗戦争で敵と戦った将軍や将校たちの隣に埋葬される権利があるのか?』と述べている。

 

 

“五指山国军公墓”坐落在新北市汐止区,1982年启用,依葬者军阶分为特勋区、上将区、中将区、少将区、上校区、中少校区、尉官区、士官长区、士官区及士兵区,约超过9000个穴位。台湾中时电子报称,李登辉如果确定安葬于此,规划将选在“特勋区”,成为继严家淦之后第二个安葬五指山的台湾地区领导人。前“行政院长”郝柏村和前“国防部长”蒋仲苓等高级将领也安葬于此。其他葬在“五指山国军公墓”的将领还有何应钦、顾祝同和薛岳等人。今年年初搭乘“黑鹰”直升机身亡的前“参谋总长”沈一鸣也符合安葬在特勋区,但家属属意放在“忠灵殿”,目前特勋区仍有5个空墓穴。


新北市西子区に位置し、1982年に開園した「五指山国軍公墓」は、被葬者の階級に応じて、特別栄誉区、上将(大将)区、中将区、少将区、上校(大佐)区、中少校(中・少佐)区、尉官区、士官長(曹長)区、士官(軍曹)区および士兵(伍長・兵)区に分かれており、約9,000箇所の骨ツボがあり、その中には、「五指山国家墓地」があります。 台湾の中時電子報によると、李登輝氏がここに埋葬されることが確定した場合、特別栄誉区に埋葬する計画が選ばれ、五指山に埋葬される台湾の指導者は嚴家淦氏に次いで2人目になるという。 また、元「行政院長」の郝柏村や「元国防相」の蒋忠玲氏ら高級将官もここに埋葬されている。 「五指山国軍公墓」には、他にも何應欽などの将軍が埋葬されている。 今年初めに「黒鷹」に乗って死亡した「元参謀長」沈一鸣も特別栄誉区に埋葬される資格があるが、家族は「忠霊殿」への埋葬を希望しており、この地域にはまだ5つの空いた墓があるという。

 

 

值得一提的是,“五指山国军公墓”有8道“精神牌坊”,其中一道为“异日国家得统一,家祭毋忘告乃翁”。台湾联合新闻网评论称,近二三十年台湾的“去中国化”,李登辉无疑是最大推手,按照先例他固然可以葬于此,将他下葬在充满“中国”与“统一”意象的地方,“恐非妥善之举,难免引发更多的纷扰与撕裂”。(张天行)


特筆すべきは、「五指山国軍公墓」には8つの「霊板」があることだ。
その中の一つに「他日、国家の統一が成し得たなら、家族の祭りでは義父にそれを伝えるのを忘れないように」というものがある。台湾聯合ニュースの解説によると、過去20~30年の間、李登輝氏は間違いなく台湾の「脱中国化」の主な推進力となってきたという。先例によれば、確かにここに埋葬することは可能だが、「中国」や「統一」を意図した場所に埋葬することは「適切な動きとは言えず、さらなる騒動と涙を誘うことは必至」だという。(張天興)

8月10日(月)

 

厚生労働省が発表しているアトピー性皮膚炎の総患者数は2014年度で456,000人です。成人のアトピー性皮膚炎患者が増加していて、たとえば、40~44歳で47,000人にのぼります。日本皮膚科学会・日本アレルギー学会による「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018」は2018年12月に改訂されたものが最新版です。

 

アトピー性皮膚炎は、一般に慢性に経過しますが、適切な治療によって症状がコントロールされた状態が長く維持されると、寛解も期待できる疾患です。しかも、年齢とともにある程度の割合で寛解します。

 

それでも長期にわたってアトピー性皮膚炎が改善しないケースにはある程度の共通点があります。

それは、

①治療の目的やゴールが明確になっていない(痒みが落ち着くと直ちに治療を中断してしまうケース)、

 

②根気強く治療を続けることができない、

 

③寛解導入療法や維持療法についての理解ができない、

などです。

 

つまり、そのときどきの炎症の程度に応じた対応をして、しかも炎症はしっかりと抑えておくことが大切であり、炎症がコントロールできた後もスキンケア(清潔、保湿)を続け、良好な状態を継続することが重要です。

軟膏等の使用法も鍵となり、必要十分量を塗ることが決め手になります。

 

 

軟膏療法を行なっても紅斑などの炎症が抑えられず、浸出液などが出ている状態や、紅皮症が生じている場合は、皮膚科専門医に紹介すべきと一般的には考えられています。

 

しかし、実際には、皮膚科を受診しているにもかかわらず、このような状態になって当院(当時は、高円寺南診療所)を受診する方が後を絶たなかった時代(平成10年代)がありました。

 

この頃は、ステロイド恐怖症という診断名が相応しくなるくいらいの極端に潔癖なキャラクターの患者さんが少なくなかったという時代背景もありました。

 

 

アトピー性皮膚炎の病態は、

 

①皮膚バリア機能、

②アレルギー炎症、

③掻痒の

3つの面から考えられています。

 

アトピー性皮膚炎の患者では、皮膚バリア機能の低下のため非特異的な刺激に対する皮膚の非刺激性が亢進し、炎症が起こりやすくなると考えられています。

 

アトピー性皮膚炎の患者の多くでは、皮膚組織でのインターロイキン(IL4、IL13)などのTh2サイトカイン優位の環境にあるため、角層細胞の実質部分に含まれるフィラグリンという物質量が減少しやすいアトピー性皮膚炎患者の皮膚は乾燥し、pHがアルカリ側に傾きやすいことが知られています。
 

 

アレルギー炎症については、皮膚バリア機能の低下による抗原(アレルゲン)の皮膚への侵入を促進し、非自己である抗原は免疫・アレルギー反応により排除される方向へと誘導されます。

 

コナダニや花粉のようなアレルゲンは蛋白抗原であり、また含有されるプロテアーゼ(蛋白分解酵素)によってTh2型の免疫反応を誘導します。とくにTh2型の免疫反応はIgEの誘導に繋がります。

 

この様な環境では、表皮からも産生されるTh2ケモカインであるTARC(CCL17)が産生されます。これは、現在、アトピー性皮膚炎の活動性(病勢の重症度)の指標として利用されています。

 

掻痒については、アトピー性皮膚炎患者の皮膚では、掻痒を伝達するC線維の分布が表皮や角層まで伸長しており、痒み過敏につながっていると考えられています。

 

近年、Th2細胞が産生するサイトカインの1つであるIL-31が掻痒を誘導することが報告されています。

 

 

初診時に必要な検査:

① 血清総IgE値(アトピー性皮膚炎患者の約80%で高値を示すため診断の助けになる)

 

② 特異的IgE抗体検査(ダニ、ハウスダスト、花粉、真菌、食物など)

 

③ 皮膚プリックテスト

 

④ 末梢血好酸球数(アトピー性皮膚炎の短期的な病勢と重症度の指標)

 

⑤ 血清LDH値(アトピー性皮膚炎の短期的な病勢と重症度の指標)

 

⑥ 血清TARC価(アトピー性皮膚炎の病勢をより敏感に反映する指標)

 

 

鑑別診断(除外すべき診断):

接触皮膚炎、乾癬、手湿疹、脂漏性皮膚炎、皮脂欠乏性皮膚炎、単純性痒疹、疥癬、魚鱗癬、

皮膚リンパ腫、膠原病(全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎)、

免疫不全による疾患(高IgE症候群、ウィスコット・アルドリッチ症候群など)、ネザートン症候群
 

 

このように、アトピー性皮膚炎の鑑別のためには、アレルギ―性疾患だけでなくリウマチ関連疾患である膠原病や免疫不全との鑑別が不可欠です。

 

アレルギー専門医・リウマチ専門医としては無関心ではいられない領域であることがご理解いただけることと思います。

 

 

治療方法:

アトピー性皮膚炎の治療方法は、その病態に基づいて、

①薬物療法、

②皮膚の生理学的以上に対する外用療法・スキンケア、

③悪化因子の検索と対策、

の3点が基本となります。

 

そして、アトピー性皮膚炎は遺伝的素因も含んだ多因子性疾患であり、現在、疾患そのものを完治させ得る治療法はなく、心身医学的配慮が必要な場合も少なくない、いというのが皮膚科専門医の代表的な見解です。

 

しかし、逆に言えば、皮膚科専門医が心身医学的アプローチを駆使できれば治癒率は顕著に増加することが期待できるのですが、「心療皮膚科」という部門を立ち上げて実践しているごく少数のグループを除いて適切に対応できる皮膚科専門医は少ないのが現状です。

 

 

アトピー性皮膚炎治療の第一のコツは、患者さんが皮膚を激しく掻破しないようにサポートすることが基本です。

 

私は「皮膚を全く掻破さえしなければ、重症例でも3カ月で治る」と保証しています。

 

しかし、全く皮膚を掻かないことは非現実的であるので、「皮膚を掻いて掻破しても、翌日までに回復する程度の侵襲であれば問題がない」ということも保証しています。

 

アトピー性皮膚炎治療の第二のコツは、「汗」との付き合い方を学んでもらうことです。

 

「発汗」すると痒みが増強する人には、「汗」の有難さを説明します。

まず、汗には皮膚の温度調節、感染防御、保湿といった大切な生理的役割があります。

次いで、「発汗」が症状を悪化させるという科学的根拠はなく、発汗を避ける必要はないことを説明します。

 

しかし、そうはいっても、「かいた後の汗」は痒みを誘発させることがあるのは事実です。

 

そこで、「かいた後の汗」はそのまま放置せず、洗い流すなどの対策を行うことが推奨されます。

つまり、「発汗(汗をかくこと)」と「かいたあとの汗」を明確に区別して混同しないようにして意識を整理していただくようにしています。

 

私は、むしろ「発汗」を促進することがアトピー性皮膚炎の治療に有効であるばかりか、根治療法にも繋がると考えています。

 

発汗に伴い分泌される皮脂は皮膚の防禦素材でもあるからです。

 

ですから、「発汗」した後は、シャワーもしくは入浴を勧めますが、可能であれば入浴とします。

そして、入浴に際しては、タオル等(スチールタオル等は最悪!)で擦らず、石鹸等も用いないで、素手で全身の皮膚を撫でるようにして汚れを取り除くだけにとどめていただきます。

ただし、頭皮のみは適切なシャンプーおよびリンスの使用は許可しています。

 

 

アトピー性皮膚炎治療の第三のコツは、アトピー性皮膚炎は皮膚に症状があらわれる全身の病気であるという疾患理解をもつことです。

 

単に皮膚に原因があって、その結果が皮膚に現れるだけであれば、真の専門的皮膚疾患ですが、アトピー性皮膚炎の原因としての皮膚の異常は比較的限定的であると、私は見ています。

 

アトピー性皮膚炎は遺伝的素因も含んだ多因子性疾患であることは、皮膚科専門医の間でも正しく認識されています。アトピー素因というものが確かに存在して、アトピー性皮膚炎の患者さんは、喘息や花粉症を併発していることが多いです。

 

そのような場合、総合アレルギー診療を行わない限り、アトピー性皮膚炎の完治は望めません。また、アトピー性皮膚炎には生活習慣病的要素も濃厚であることには、皮膚科専門医の間ではあまり触れられていません。

 

なぜならば、それは内科の領域になってしまうからです。さらにいえば、皮膚科専門医が難治性アトピー性皮膚炎としている症例の多くが、心身症傾向をもつ患者さんです。

そのような患者さんに対しては、心身医学的アプローチが必要となってきます。

 

これは、誤解が多いようですが、精神療法や心理療法とは異なります。

 

私が実践しているオリジナルの心身医学療法は水氣道®や聖楽療法ですが、いずれも身体鍛錬と精神修養を一体的に行なうものです。

 

「プールでの水中運動はアトピー性皮膚炎を増悪させるので禁止する」という皮膚科医は極めて残念です。

アトピー性皮膚炎の経過を観察するうえでも、短期的な指標と長期的な指標とに分けて判断しているはずであるにもかかわらず、短期的な観察のみで判断を下してしまうのは専門家としては甚だ情けない態度だと思います。

 

水氣道®に参加されている皆様であれば、かつて皮膚科専門医の指導下で軟膏療法を行なっても紅斑などの炎症が抑えられず、浸出液などが出ている状態や、紅皮症が生じていた患者さんが、それを見事に克服してリーダーとして立派に活躍している姿を確認することができるはずです。