<土曜日特集:統合医学(心身医学・漢方医学)カンファランス>

中国で新型コロナウイルス肺炎のガイドライン第6版(新型冠状病毒肺炎诊疗方案(试行第六版))が発表している文書は、先週ご紹介いたしました。

 

今回のガイドラインでは、治療薬として抗マラリア薬であるリン酸クロロキン(磷酸氯喹)が有効としています。日本では認可されないと思われます。また抗インフルエンザ薬のアルビドール(阿比多尔)の記載あります。

日本の保険処方では「ラピアクタ®」です。

ただし、新型コロナウイルスの治療目的では保険が効きません。

 

また中医(漢方)治療では漢方の注射薬も入っていたり、清熱への配慮に力が入れられたりいろいろ変更がありました。

 

中医治療は「医学観察期」「軽症」「通常型」「重症」「重篤」「回復期」に分けて行ないます。

 

今回は、医学観察期の処方の一部について紹介いたします。

 

1 医学観察期

臨床表現1:乏力伴胃腸不適

推奨中成薬

藿香正気膠嚢(丸、水、口服液)(藿香、白朮、厚朴、半夏、紫蘇葉、白芷、陳皮、茯苓、桔梗、甘草、大棗、大腹皮、生姜)

 

<解説>

臨床表現1:

乏力伴胃腸不適 推奨中成薬とありますが、これは臨床症状として胃腸の不調を伴う倦怠感がある場合の推奨薬ということです。


藿香正気膠嚢の膠嚢とは、日本語でも膠嚢(こうのう)と読み、薬のカプセルを意味します。厳密に詳細に確認したわけではありませんが膠(こう)とは<にかわ(ゼラチン)>の意味で、嚢(のう)とは袋状の形態を表し、カプセルの形態も嚢です。

 

ですから、膠嚢とは元来ゼラチン製カプセルを意味したものかもしれません。日本で販売されるとしたら、たとえば、藿香正気カプセル剤のような名称になるかもしれません。

 

この薬剤は、保険調剤が可能な漢方薬ではありませんが、日本でも市販薬として購入することができます。

 

「藿香正気散(かっこうしょうきさん)」という名称です。

 

藿香正気散(かっこうしょうきさん)は「和剤局方(わざいきょくほう)」という漢方の古典で紹介されている漢方薬です。

 

処方名の頭についた藿香(かっこう)は、体に取り付いた邪(ウイルスなどの病原菌)を発散させる生薬で、この処方の主薬あり、また適度に体を温めて湿気も発散させてくれます。

 

藿香正気散にはこのほかにも、胃の中にたまった水分を取り去る作用のある生薬などが含まれています。

 

次の「正気(しょうき)」とは、からだの内外の冷えや湿気などが原因で、乱れてしまった気を正すという意味で、この処方名が付けられました。

 

藿香正気散は、日本では夏かぜの特効薬として用いられることがあります。

そして古くから夏の食欲不振に、ネギやミョウガ、シソなど香りが強くて辛みのある薬味や香辛料などを使用してきました。

 

また、刺身のツマには必ずシソの葉が添えられています。

それは、香りなどの刺激が胃腸の働きを活発にすることや、シソを添えることで食中毒が予防できるということを経験的に知っていたからです。

 

実際に構成生薬である藿香や蘇葉(そよう:シソの葉)など香りの高い生薬も多く含まれており、暑さや冷たい飲食物をとり過ぎて働きの悪くなった胃腸を癒し、食欲不振などを改善することができます。

世界保健機関(WHO)の公式ホームページ(3月11日付)を閲覧してみました。


事務局長のテドロス氏の見解を、皆さんはご存じでしょうか。

全文は、WHOのホームページ参照


WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は3月11日(現地時間)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大について、

 

① WHOは24時間態勢で感染の発生状況を評価し、拡大と深刻度の警告、対策行動の遅れに対する警告することによって、大きな懸念を抱いていることを表明しました。

 

そこで

② 「COVID-19はパンデミック(世界的大流行)とみなせる」と表明しました。

 

 


① 原文:

WHO has been assessing this outbreak around the clock and we are  deeply concerned both by the alarming levels of spread and severity, and by the alarming levels of inaction.

 

② 原文:

We have therefore made the assessment that COVID-19 can be characterized as a pandemic.
 

 

 

 

ここでCOVID-19についてのWHOのこれまでの対応を時系列的に整理してみます。

 

❶ 1月30日(現地時間):緊急委員会を開催、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」に該当すると宣言。

 

❷ 2月28日:世界全体の危険度を4段階で最高レベル「非常に高い」に引き上げ。

 

❸ 3月9日:テドロス事務局長会見、パンデミックになる恐れは「非常に現実的だ」と警告、ただし「抑制は可能」。

 

❹ 3月11日:テドロス事務局長会見、① 過去2週間で、中国以外のCOVID-19の感染者数は13倍に増加、影響を受ける国の数は3倍になった上、② 感染は114カ国・地域で、計11万8000人を超え、死亡は4291人に上り、③ 何千人以上もの入院患者が生死の間をさまよっていると説明。④ 今後数日および数週間で感染者数、死亡者数、感染に見舞われる国々の数がさらに拡大する、との見通しを表明。ただし、⑤ 「パンデミックと表現しても、このウイルスによってもたらされる脅威に関するWHOの評価、行動、各国が取るべき行動は変わらない」とも説明しました。

 

 

① 原文:

In the past two weeks, the number of cases of COVID-19 outside China has increased 13-fold, and the number of affected countries has tripled.

 

② 原文:

There are now more than 118,000 cases in 114 countries, and 4,291 people have lost their lives.


③ 原文:

Thousands more are fighting for their lives in hospitals.

 

④ 原文:

In the days and weeks ahead, we expect to see the number of cases, the number of deaths, and the number of affected countries climb even higher.


⑤ 原文:

Describing the situation as a pandemic does not change WHO’s assessment of the threat posed by this virus. It doesn’t change what WHO is doing, and it doesn’t change what countries should do.
   

 

 

また、テドロス事務局長は、

「① 世界114カ国118,000 人の感染者は4カ国だけで感染者の90%以上を占め、そのうち中国と韓国の2カ国で流行が著しく減少した、② 81カ国では感染者の報告はなく、57カ国での感染者数は10人以下である。COVID-19を抑制、制御できることが実証されているほか、大規模なクラスター、地域での流行が見られる国でも制御が可能である」としました。

 

① 原文:

Of the 118,000 cases reported globally in 114 countries, more than 90 percent of cases are in just four countries, and two of those – China and the Republic of Korea - have significantly declining epidemics.

 

② 原文:

81 countries have not reported any cases, and 57 countries have reported 10 cases or less.
   

 

 

その上で、❶ 「単なる公衆衛生危機ではなく、全てのセクターに影響を与える危機」と捉え、以下の❷ 「対策強化」を呼びかけました。

 

原文

❶ This is not just a public health crisis, it is a crisis that will touch every sector – so every sector and every individual must be involved in the fight.

 

原文❷ <註:解説を加えました>

第1に、感染のリスクと予防方法の周知(First, prepare and be ready.)

 

第2に、全ての感染者の発見、隔離、治療、全ての接触者の追跡(Second, detect, protect and treat.)

 

第3に、<医療体制を整え、医療従事者からの>感染を減らす(Third, reduce transmission.)

 

第4に、<革新し学習する>(Fourth, innovate and learn.)

 

 

 

杉並国際クリニックの見解

WHO事務局長とはどのような立場なのか、残念ながら私には十分理解しかねるとことがあります。

それでもテドロス氏の言語感覚と政治的姿勢の一端だけはうかがい知ることができます。

彼は、パンデミック(Pandemic)という言葉の使い方に関して独自の方針があるようです。

 

 

以下も、HP上に掲載されている氏のメッセージです。

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Pandemic is not a word to use lightly or carelessly. It is a word that, if misused, can cause unreasonable fear, or unjustified acceptance that the fight is over, leading to unnecessary suffering and death.

 

飯嶋試訳:

パンデミックという言葉は軽々に不用意に用いるべき言葉ではありません。この言葉は、誤用されてしまうと、無分別な恐怖、あるいは(なすべき)戦いは終わったのだ(何をしても無駄、もはやお手上げ状態)という不当な認識の受容をもたらし、無用の被害や死を招くことになります。

 

We have never before seen a pandemic sparked by a coronavirus. This is the first pandemic caused by a coronavirus.

飯嶋試訳:

当機関は未だかつてコロナウイルスが引き金となったパンデミックに遭遇した経験はありません今回がコロナウイルスによって引き起こされた最初のパンデミックなのです。

 

 

いかがでしょうか。テドロス氏のメッセージは後付けの言い訳で潔くない印象を受けます。そこで、あえてこのメッセージを容認した上で、氏が被災各国の努力に対してどのような評価をしているかを文脈からうかがってみることにしましょう。

 

We are grateful for the measures being taken in Iran, Italy and the Republic of Korea to slow the virus and control their epidemics.
飯嶋試訳:

ウイルス感染を遅らせ疫病制御のためにとられているイラン、イタリア、韓国でとられている措置に対して当機関は謝意を表します。

 

We know that these measures are taking a heavy toll on societies and economies, just as they did in China.
飯嶋試訳:

これらの措置を取ることは、中国でなされたように、社会や経済に重い負担がかかることを当機関は知るところです。

 

氏のメッセージの中にはJapanの文字のみはまったく見出せません。WHOとテドロス氏の見解を最大限尊重して後れを取ってしまった日本が全く無視されているのは意図的であるとさえ言えます。

 

そこで、テドロス氏が事務局長に就任している間は、日本政府としては、WHOの勧告ばかりを鵜呑みにせず、国内の叡智の総力を結集してより確かな情報を収集し、より確かな分析に基づき、早期から自覚を持った行動決定をすべきであったことを深く反省していただきたいところです。

 

そして、私たちの英知と勇気を結実させて世界に冠たる賢明な模範的対応ができるような実績を挙げていきたいものです。

安倍首相:国際協力・決断と実行の成果は如何

WHOのテドロス事務局長は今月11日に至って、新型コロナウイルス感染症について「パンデミック(世界的大流行)と表現できるとの判断に至った」とわざわざ表明しました。

 

この用語は、WHOの規定上はインフルエンザに対してのみ使用され、新型コロナウイルスでは本来適用されない用語とのことです。

 

コロナウイルスによる大規模感染症は、これまでにも重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)などが発生しましたが、WHOがこうした大規模なエピデミックの事態をパンデミックと称したのは今回が初めてであるということを確認しました。

 

それならばWHOの事務局長が今頃になってなぜ異例の「パンデミック宣言」に踏み切ったのか、ますます謎だらけです。テドロス氏は「パンデミックの定義は明確なものではないが、それでもまだパンデミックと呼ぶまでには至っていない」という発言もあったことを考えると、今回の事象をパンデミックと形容することで事態の深刻さを訴える緊急の必要性が生じたものと考えざるを得ません。

 

テドロス氏は、各国に呼び掛けてきたウイルス封じ込めは「依然主要な柱だ」と強調しましたが、今後は感染経路特定などの拡大防止策一辺倒ではなく、社会的・経済的な影響の緩和や、発症者の治療といった対症療法にも注力する必要があると訴えました。

 

テドロス氏はまた「感染者や死者、国の数は今後も増えるとみられる」と予測しました。

感染が世界に拡大し早期終息が見通せなくなってきた現状を受け、WHOの規定上存在しない表現をあえて用いることで、各国に一層の取り組み強化を促したものと受け止めるのが妥当ではないかと考えます。

 

流行が進むに従い「パンデミック期」に入ったと宣言することでワクチン増産を促す狙いがあるとの見方もできそうです。パンデミック(Pandemic)とは、ギリシャ語のパン(全ての)とデモス(人々)を語源とする英単語(名詞もしくは形容詞)です。これは一般用語としては、一国全体あるいは全世界の(あるいは大部分の)国々に蔓延している病気を意味します。

 

ただし、WHOのニュアンスでは、世界中の人に感染する可能性がある病気が、制御不能で大規模に流行している状態を示唆しているものと思われます。

 

noun:

a disease that spreads over a whole country or the whole world

名詞(一国の全土もしくは全世界におよび拡大する病気)

<Oxford 現代英英辞典>

 

adj:

(of a disease) prevalent over a whole country or large part of the world.

 

形容詞(一国の全土もしくは世界の大部分にわたって蔓延する<病気の>)

 

noun:

an outbreak of such a disease.

 

名詞(そうした病気の勃発)

 

<Concise Oxford 英英辞典>

 

 

 

新型コロナウイルス(COVID-19)による大規模感染は現在までに、中国やイタリア、韓国、日本、イラン、エジプトなどのクラスターから他国に拡大し、世界の感染者数は約12万人、死者は約4380人に上っています。

 

トランプ米大統領は同じ11日に、感染拡大防止措置として、英国を除く欧州から米国への入国を13日から30日間停止すると発表しました。

欧米諸国の交流が滞れば、世界経済の悪化懸念が強まりそうです。

 

安倍晋三首相は官邸で「国際社会と協力し対応を強める。必要な対策は躊躇なく決断して実行する」と述べました。   

はじめに、この記事は2月25日に記載しました。この記事がアップされるまでの間に、新しい情報が公開される可能性があることを予めお断りしておきます。

 

短報:中国の肺炎患者から検出された新型コロナウイルス(COVID-19)

 

ニューイングランドジャーナル オブ メディシン 

 

Lirong Zou, et al. NEJM. 2020 Feb 19. [Online ahead of print]

 

< 無症状でも発症者と同等のウイルス量 >
 

中国・広東省疾病管理予防センターのLirong Zou氏らが、COVID-19の患者18例の症例報告がNEJM誌オンライン版2020年2月19日号CORRESPONDENCEにて発表。

COVID-19の患者18例の鼻と喉から採取したサンプルを調査。

 

対象:

中国・広東省珠海市で新型コロナウイルス陽性と確認された患者18例

 

方法:

❶ 鼻腔スワブと咽頭スワブから検体を採取

 

❷ 発症日とウイルス量の相関を連続的にモニタリング

 

 

結果:

18例中1例が無症状。

1例を除く17例の鼻腔スワブ72本と咽頭スワブ72本から検体を採取。
 

主な疫学的・臨床的特徴は以下のとおり。

 

・患者の年齢中央値は59歳(範囲:26~76)
男性・女性ともに9例ずつで、うち4例は2つの家族内における2次感染例。

 

・初めに発症した14例は2020年1月7日~26日までに武漢市帰りで37.3度以上の発熱が見られ、COVID-19と診断。

このうち13例については、CTで肺炎の所見あり。

その後3例はICUでの治療を要した。

他の10例はいずれも中程度~軽度の症状。

 

・1例は臨床症状が見られなかったが、発症者との接触7~11日後に採取された鼻腔スワブ(サイクル閾値[Ct]:22~28)および咽頭スワブ(Ct:30~32)から新型コロナウイルス陽性の反応が確認。

 

・発症者17例については、発症直後に高いウイルス量が検出。
また、咽頭よりも鼻腔においてより多くのウイルスが検出。

 

・COVID-19におけるウイルス核酸の放出パターンはインフルエンザと類似。
ウイスルの広がり方は、ゲノム配列が類似しているSARS-CoVよりもインフルエンザに近い。

 

・無症候者から検出されたウイルス量は、発症者のウイルス量と同程度。

 

 

考察:

無症候者およびごく軽症者からの感染の可能性が示唆。

 

 

杉並国際クリニックの見解

いかがでしょうか。中国からの論文ですが、信用に足る有益な報告です。

 

誤解が多いようですが、中国の医師や研究者の中には、政府からの迫害や自らの生命の危機をも顧みずに、使命を果たそうとする立派な方々が多数活躍しています。

 

国家からの不当な干渉を受けていなければ、現代の中国の医学のレベルは日本と同様に決して低くないことが理解できると思います。

 

日中共に医学研究者は輝かしい業績を挙げ、医学は今日でも進歩を続けています。低いのは現場の医療をコントロールする行政機構の水準です。医学水準と医療水準との大きな格差を生み出しているのが行政機構です。

 

年明けの正月5日の時点の新聞情報で、都内の片隅の一開業医ですら、早くも想定できていた事態は、どのように推移していったでしょうか。

 

内閣総理大臣や厚生労働省その他の担当大臣の分析・管理能力の水準は、彼らの動静を冷静に観察するならば、おおよそその知れてきます。

 

いまや日本国の言論封殺・情報統制は、中国以上であるという見方もあながち誇張した意見ではないと考えます。

 

このような為政者が憲法改正を主張していますが、笑止千万、危険極まりない、ということの認識を国民一般が持ち得ていないとしたら、それこそ一大事ではないでしょうか。

 

自分たちや将来の子孫たちの運命に直結する医療・環境・平和に関する課題について、国民の側から真剣に考えていく動きが生まれなければなりません。

 

そうしたステップを踏まえて改憲すべきであれば、しっかりと改憲に向けて踏み切るための明確な意思表示をすることが必要だと考えます。

<新型コロナ『世界的大流行』 感染拡大、終息見通せず> 

 

世界保健機関(WHO)は1月30日、新型コロナウイルス感染症を巡り、国際保健規則に基づく最高レベルの警告である「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。

 

この「緊急事態宣言」がWHOは最高レベルの警告であるということは、この時点で事実上の「パンデミック」宣言であったのかもしれません。

 

なぜならば、WHOの現行規定では、「緊急事態宣言」を上回る「パンデミック宣言」は存在しないからです。

私は、なぜWHOのテドロス氏がこれまでの間に「パンデミック」を宣言しなかったかについてこれまで疑念を持っていましたが、不勉強の極みでした。

 

WHOは2月28日にはさらに、世界全体の危険性評価を中国と同じ「非常に高い」に引き上げ、世界的な流行と既に認定しました。

遅くともこの段階で確実なパンデミックであったと考えても良いでしょう。

 

これまでは、ニューヨークタイムズの紙面でもエピデミック(epidemic)という単語ばかりが用いられていました。

 

エピデミック(Epidemic)とは、元来は病気の蔓延を意味するギリシャ語のepidemiaに由来し、後期ラテン語を経て、さらにフランス語のépidémieからépidémiqueを経て英単語(名詞もしくは形容詞)になったようです。

 

これは一般用語としては、一つの共同体内で急激に発生し周囲に拡大する伝染病や感染症を意味します。

 

皮肉にもこの言葉自体が伝搬しています。

ただし、今日のWHOのニュアンスでは、世界中の人に感染する可能性がある病気が、制御不能で大規模に流行している状態を示唆しているものと思われます。

 

noun:

a large number of cases particular disease happening at the same time in a particular community:

名詞(特定の共同体内で同時に発生する多数の事例、とりわけ疾病)

 

<Oxford 現代英英辞典>

noun:

a widespread occurrence of an infectious disease in a community at a particular time. 

 

名詞(特定の時期の一定の共同体で感染性疾患が拡散的に発生すること)

 

 A sudden, widespread occurrence of an undesirable phenomenon.
(厄介な現象が、突発的に拡散的に出現すること)

 

adj:

relating to or of the nature of an epidemic.

 

<Concise Oxford 英英辞典>

 

 

 

Développement et propagation rapide d'une maladie contagieuse, le plus souvent d'origine infectieuse, dans une population.

 

集団における伝染性疾患の拡大と急速な伝播で、主として感染に起因する。

< La Rousse仏語辞典>

 

フランス語のニュアンスでも、特定の集団からの突然の発生、急激な拡大と伝播を呈する感染症といった感じであり、疫病発生の初期の相対的に限局された地域の疫病という印象を受けます。

 

英語の例では、厄介な性質であることも含意され、対処が容易でなく更なる拡大の可能性を示唆しますが、危機的な警告を与えるまでのインパクトは持っていません。

 

しかし、言葉のもつ影響力は大きいものであることを感じずにはおれません。

 

WHOの事務局長のテドロス氏の発言は、世界に対して誤った印象を世界中の指導者に与えたまま、迷走を続けてきたように思われてなりません。

 

またわが国の安倍首相をはじめ、厚労省幹部、一部の無責任かつ無能力な感染症の自称エキスパート等が、習近平氏に対する忖度やオリンピック利権ばかりでなく、テドロス氏の能力と発言の真意を読み違えていたのではないかと、残念に思います。

昨日に引き続き、一般社団法人 日本感染症学会のHPの症例報告から、国立国際医療センターの症例報告を掲載します。

 

ただし、すでに1カ月以上を経過している情報であり、現在は異なる見解になっている可能性があることにご注意ください。

 

楽観的に過ぎる見解本来あるべき注意に色分けを施しました。
なお、最後に、杉並国際クリニックの見解を付記しました。

 

新型コロナウイルス(COVID-19)感染症への対応について 医療従事者の方へ

 

• 一般診療として患者を診られる方々へ(2020年2月3日現在)
一般診療として患者を診られる方々へ 新型コロナウイルス感染症に対する対策の在り方について (2020 年 2 月 3 日現在)

 

 

5. 感染対策の基本は標準予防策+飛沫・接触感染予防策です。

コロナウイルスは、新型コロナウイルスを含めて主に飛沫感染により伝播します。

現時点では空気感染の可能性はきわめて低いと考えられます。

したがって、外来での対応は通常のインフルエンザ疑い患者への対応に準じて標準予防策、飛沫予防策・接触予防策の徹底が基本となります。

ウイルスで汚染した手指を介して目・口の粘膜から感染が伝播される可能性にも注意しなければなりません。

手指衛生の徹底は感染対策の基本です。患者および医療スタッフが飛沫を直接浴びないように、サージカルマスクやガウンを着用して診療にあたることになります。

正しいマスクの着脱、適切な手洗いが重要であることは言うまでもありません。

気管吸引、挿管などのエアロゾル発生のリスクが高い処置を行う場合には、一時的に空気感染のリスクが生じると考えられているため、N95 マスクを含めた対応も考慮します。

 

6. 特別な治療法はありません。二次性の細菌性肺炎の合併に注意しなければなりません。

新型コロナウイルスによる感染症に対する特別な治療法はありません。

脱水に対する補液、解熱剤の使用などの対症療法が中心となります。

一部、抗 HIV 薬(ロピナビル・リトナビル)や抗インフルエンザ薬(ファビピラビル)が有効ではないかという意見もありますが、まだ医学的には証明されていません。

新型コロナウイルス感染症による死亡の原因に関しての情報は限定的ですが、高齢者における死亡例が多いことからも二次性の細菌性肺炎の合併には十分注意する必要があります

ステロイド等の使用に関する知見も不十分です。

本邦において新型コロナウイルスの分離・培養が成功したことから、将来的なイムノクロマト法による迅速診断法の確立、また SARS や MERSを含めた新型コロナウイルス感染症に対する特異的な治療薬の開発が期待されるところです。

2019-nCoV アウトブレイク事例は、将来的な新たな新型病原体の出現を示唆するものであり、人類への脅威として備えていく必要があると思われます。

 


7. 新型コロナウイルス感染症および対策に関する重要な情報

(1)厚生労働省: 新型コロナウイルスに関する Q&A

(2)国立感染症研究所:

(3)CDC 情報:

 

(4)中村 啓二 他: 当院における新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染症患者 3 例の報告.感染症学会ホームページ(2020.2.5)


2020 年 2 月 3 日

一般社団法人日本感染症学会

舘田 一博

 

一般社団法人日本環境感染学会

吉田 正樹

 

 

 

杉並国際クリニックの見解

現時点では空気感染の可能性はきわめて低いとする一方で、一時的に空気感染のリスクが生じると考えられているという注意を喚起された一般医療従事者は、すこぶる困惑するはずです。

一般市民に対して、このまま責任をもって説明できる内容にはなっていません。

2019-nCoV アウトブレイク事例は、将来的な新たな新型病原体の出現を示唆するものであり、人類への脅威として備えていく必要がある、というのが唯一了解可能な見解です。

 

一般医療従事者に向けては、全文を文字通りではなく、「行間を読め、国や専門学会の立場を忖度せよ、医療従事者なら裏事情を察しなさい」と説教されているような気分です。

令和2年3月10日(火)19:00~21:00     

天候:降雨にて始まるも稽古後に止む

鷺ノ宮体育館温水プール(第5レーン使用)第2次報告

 

参加者総数9名(先発6名、後発3名)

 

指揮監督者:水氣道正七段 飯嶋正広 兼A班担当

 

支援員トレーナー:水氣道正弐段下 林亮博 兼B班担当

 

修錬生インストラクター:水氣道2級 坂本光昭

 

総合ファシリテーター:水氣道准3級 田辺幸子

 

報告担当ファシリテーター:水氣道4級(高等訓練生)濱屋幸一

 

受付:主当番支援員・林亮博、副当番なし、副々当番訓練生・野口将成

 

水氣道理事会よりのおしらせ

今後、受付の構成は、主当番支援員、副当番修錬生、副々当番訓練生とします。

なお、直接の実務に関しては、副々当番の役割とします。

 

 

【稽古内容】

1) 親水航法
先着の者から各自稽古を実施。

 

2) 準備体操(いきいき体操)一列縦列行進方式
修練生1名、訓練生1名を頭尾位に配置し、指導トレーナーがサポート
   

稽古参加者全員に対し、「イキイキ体操」新項目の周知した。

 

 

・・・以後2班を編成し、班単位での稽古となる・・・

 

3) 基本五航法(完全版) 

 

4)各種航法:名宣り稽古方式

実施航法(理気、舞踊、将成)の各航法

 

特別体験生役の訓練生が「初伝」名宣り

訓練生が「脇伝」名宣り

特別訓練生が「中伝」名宣り

以上を稽古した。

 

また、指揮監督者の指導により、将成航法、舞踊航法を5枚目程度まで実習した。

 

 

5)整理体操(のびのび体操) ※2班に分かれて実施

修錬生が3パート各担当を指名しFull Versionでの稽古となった。

 

 

【感想】

・雨天、火曜日にしては、大勢の人が集まりました。(K.H記)

 

・東京都の施設がほぼ閉館状態の今、鷺ノ宮は予約団体のみですが使用可能、貴重な施設であると思います。週に1回は水の中に入りたいと思って通い、参加メンバーからも同じ思いが伝わって来る感じです。(S.T 記)

 

<会員手記>

朝6時に起床して、部屋を出るのは7時50分頃。

桃園川緑道に入って左右の緑に囲まれてマスクも外して阿佐ヶ谷目指して歩く。

阿佐ヶ谷からはバスで鷺ノ宮駅まで、そこから都立家政まで歩く。

 

午前は9時~12時30分午後は13時30分~17時まで勤務、

緊張とストレスの連続。

だから、19時からの鷺体プールの水気道の稽古は悩み。

できることならこのまま帰りたい。「帰れば」とサタンの呟き。

「よしっ」と自分に気合いを入れて雨の中を体育館に向かう。

 

そこには林さんを始め笑顔のお出迎え、

体温、血中酸素、血圧測定は無事にパスして着替え室に向かう、

がらんとしている、そうだ一般の方は入場禁止だった。

 

プールの眺めもいつもと違って見える、保温室で身体を暖めてから水に入る、

冷たいやっぱり冷たい、だけど来て良かったと実感する、

さぁこれから稽古が始まる。

(K.M記)

 

 

令和2年3月10日(火)19:00~21:00


鷺ノ宮体育館温水プール(第5レーン使用)

第2次報告(B班)

 

参加者総数9名(先発6名、後発3名)

 

進行指揮監督:

水氣道正七段 飯嶋正広 兼A班担当

 

支援員トレーナー:

水氣道正弐段下 林亮博 兼B班担当

 

修錬生インストラクター:

水氣道2級 坂本光昭

 

総合ファシリテーター:

水氣道准3級 田辺幸子

 

報告担当ファシリテーター:

水氣道5級(中等訓練生)植田栄喜

 

受付:

主当番支援員林亮博、副当番なし、副々当番訓練生野口将成

 

水氣道理事会よりのおしらせ

今後、受付の構成は、主当番支援員、副当番修錬生、副々当番訓練生とします。

なお、直接の実務に関しては、副々当番の役割とします。

 

 

<稽古内容>

1) 親水航法

 

2) 準備体操(イキイキ体操)一列縦列行進方式   

修練生1名、訓練生1名を頭尾位に配置し、指導トレーナーがサポート
   

稽古参加者全員に対し、「イキイキ体操」新項目の周知した。

 

・・・以後2班を編成し、班単位での稽古となる・・・

 

 

以下はB班(4名)の稽古内容です。

 

3) 基本五航法(短縮版):一列縦列行進方式

 

動作確認に心掛けた。

 

4) 各種航法:名宣り稽古方式
   

実施航法(理気、調血、活水、経絡)の各航法

特別体験生の名宣り「初伝」、訓練生の名宣り「脇伝」の稽古を実施

活水航法は11枚目、経絡航法は12枚目まで実施

 

5) 整理体操(のびのび体操)省略

 

既定の稽古終了後、 特別技法訓練:希望者

 

 

 

【総括】

・稽古プログラムの流れは、水氣道の原則にしたがって実施した。

 

 

【感想】

・B班では、経絡航法は全て、活水航法も一区切り全てを久しぶりに行うことが出来たので良かった(H.U記)

 

 

昨日に引き続き、一般社団法人 日本感染症学会のHPの症例報告から、国立国際医療センターの症例報告を掲載します。ただし、すでに1カ月以上を経過している情報であり、現在は異なる見解になっている可能性があることにご注意ください。楽観的に過ぎる見解、本来あるべき注意に色分けを施しました。

 

なお、最後に、杉並国際クリニックの見解を付記しました。

 

新型コロナウイルス(COVID-19)感染症への対応について 医療従事者の方へ

 

• 一般診療として患者を診られる方々へ(2020年2月3日現在)

 

一般診療として患者を診られる方々へ 新型コロナウイルス感染症に対する対策の在り方について (2020 年 2 月 3 日現在)

 


3. 中国における死亡数の増加に関して引き続き検討が行われています。
武漢市を中心に中国のほとんどの地域から17,000人を超える感染例が報告されており、中国における死亡者数は 360 人以上と報告されています。

また世界的には、日本を含めて、タイ、香港、マカオ、米国、オーストラリア、シンガポールなど 26 カ国で感染例が報告されています。これら中国以外での感染報告例のほとんどは中国(多くが武漢市)からの旅行者であり、輸入国における二次感染例・重症例の報告はほとんどありません

なぜ中国、特に武漢市にこれだけの死亡者が集中しているのかに関しては明らかになっていません。

武漢市の医療機関に多くの方が集中しパニックに近い状況になっていることが繰り返し報道されています。

医療機関への受診の遅れ、高齢者や免疫不全宿主における感染例の増加、二次性細菌性肺炎の合併などの可能性が考えられます。

現時点での死亡率は約2%とされていますが、検査をされていない患者が多数存在することを考えると、その数字は今後さらに低下する可能性があります。


4. 免疫不全宿主、高齢者を守る対策が必要になります。
新型コロナウイルス感染症の特徴の1つとして、高齢者における感染例の集積があり、小児における重症例が少ないことが特徴です。

本邦においても、長期療養型施設における高齢者は、さまざまな基礎疾患を有しており、インフルエンザやノロウイルス、さらにはメタニューモウイルスに対する感受性が高いことが知られています。

新型コロナウイルス感染症がこのような高齢者施設で流行しないように、細心の注意を払って対応する必要があります。

インフルエンザにおいても高齢者や免疫不全患者において重症化がみられることは
良く知られた事実です。

新型コロナウイルス感染症患者では発熱がほぼ必発でみられており、それに加えて呼吸器症状が重要な徴候となります。

発熱に加えて呼吸器症状がみられた患者に対しては、速やかに隔離対応を行うことが必要となります。

また、高齢者においては二次性の細菌性肺炎の合併に注意する必要があります。

 

 

 

杉並国際クリニックの見解

楽観的に過ぎる見解本来あるべき注意に色分けを施しましたが、楽観的に過ぎる見解の中には、すでに誤りであったことが判明している情報が複数含まれていることにご注意ください。

微妙な個所は、新型コロナウイルス感染症患者では発熱がほぼ必発という記述ですが、新型コロナウイルス感染症患者の中には発熱はおろか無症状のまま、感染に気付かずに他者に感染させてしまうケースが多発しています。

繰り返しになりますが、この見解を、一般市民ではなく、医療従事者向けで発表し、この記事を書いている2月18日現在に至っても書き改められていないのは残念なことです。

2型糖尿病の治療指針(杉並国際クリニック2020初版)

 

A.

非薬物療法:

生活習慣の改善(食事療法、運動療法、生活習慣改善に向けて糖尿病教育)
  

日常生活:

日常の剤時間が長くならないように注意し、生活活動を増加させる

 

嗜好改善:

禁煙(受動喫煙防止も含む)⇒動脈硬化症予防に必須

節酒(エタノール換算;男性≦20mL/日、女性≦10mL/日)

 

減量:

BMI<25(個別に目標体重を設定する)

 

食事療法:

 

① 目標体重を基に生活強度を考慮して1日の総エネルギー摂取量を算出

② 炭水化物、蛋白質、脂質を適切な比率で摂取

③ 適量のビタミン、ミネラル、食物繊維の摂取
  

運動療法: 

❶ 有酸素運動:中強度、≧150分/週、≧3回/週
  運動をしない日が2日以上続かないように実施
       

❷ レジスタンス運動:2、3回/週、連続しない日程で実施
  

心身医学療法:

水氣道®、聖楽療法
  

<解説>有酸素運動、レジスタンス運動、あるいは両者を組み合わせた運動は、血糖コントロールや心血管疾患危険因子を改善させることが実証されています。

特に水氣道®は有酸素運動、レジスタンス運動の両者を組み合わせた優れた運動プログラムであり、血糖降下効果や動脈硬化予防効果の実績があります。

また、持続的な緊張や不安・抑うつやストレス状態では交感神経緊張が亢進し、血糖値を高めます。そのため水氣道®や聖楽療法への参加を推奨しております。

 

 

B.

薬物療法:

血糖コントロール目標は、患者の年齢や病態などを考慮して個別に設定する。

❶ 経口血糖降下薬の分類

 

A.

インスリン分泌促進作用⊖:

αグルコシダーゼ阻害薬、SGLT2阻害薬、ビグアナイド類、チアゾリン誘導体

 

B.インスリン分泌促進作用⊕:

B-1: 血糖依存性⇒インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬)

B-2: 血糖非依存性⇒スルホニル尿素類、速効型インスリン分泌促進薬

 

❷ 薬剤選択

①  第1選択薬:上記A群もしくはB-1群の単剤

②  同群薬併用療法:同群の薬剤の中から併用

③  異群薬併用療法:A群の薬剤とB-1群の薬剤の併用

 

<解説>

糖尿病治療で最も注意すべきは低血糖(血糖値≦70㎎/dL)です。

上記B-2群の薬剤は単独で用いても低血糖を来すことがあるので要注意です。