3月11日(水) 水氣道の現代医療における位置づけNo2

2型糖尿病の治療指針(杉並国際クリニック2020初版)

 

A.

非薬物療法:

生活習慣の改善(食事療法、運動療法、生活習慣改善に向けて糖尿病教育)
  

日常生活:

日常の剤時間が長くならないように注意し、生活活動を増加させる

 

嗜好改善:

禁煙(受動喫煙防止も含む)⇒動脈硬化症予防に必須

節酒(エタノール換算;男性≦20mL/日、女性≦10mL/日)

 

減量:

BMI<25(個別に目標体重を設定する)

 

食事療法:

 

① 目標体重を基に生活強度を考慮して1日の総エネルギー摂取量を算出

② 炭水化物、蛋白質、脂質を適切な比率で摂取

③ 適量のビタミン、ミネラル、食物繊維の摂取
  

運動療法: 

❶ 有酸素運動:中強度、≧150分/週、≧3回/週
  運動をしない日が2日以上続かないように実施
       

❷ レジスタンス運動:2、3回/週、連続しない日程で実施
  

心身医学療法:

水氣道®、聖楽療法
  

<解説>有酸素運動、レジスタンス運動、あるいは両者を組み合わせた運動は、血糖コントロールや心血管疾患危険因子を改善させることが実証されています。

特に水氣道®は有酸素運動、レジスタンス運動の両者を組み合わせた優れた運動プログラムであり、血糖降下効果や動脈硬化予防効果の実績があります。

また、持続的な緊張や不安・抑うつやストレス状態では交感神経緊張が亢進し、血糖値を高めます。そのため水氣道®や聖楽療法への参加を推奨しております。

 

 

B.

薬物療法:

血糖コントロール目標は、患者の年齢や病態などを考慮して個別に設定する。

❶ 経口血糖降下薬の分類

 

A.

インスリン分泌促進作用⊖:

αグルコシダーゼ阻害薬、SGLT2阻害薬、ビグアナイド類、チアゾリン誘導体

 

B.インスリン分泌促進作用⊕:

B-1: 血糖依存性⇒インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬)

B-2: 血糖非依存性⇒スルホニル尿素類、速効型インスリン分泌促進薬

 

❷ 薬剤選択

①  第1選択薬:上記A群もしくはB-1群の単剤

②  同群薬併用療法:同群の薬剤の中から併用

③  異群薬併用療法:A群の薬剤とB-1群の薬剤の併用

 

<解説>

糖尿病治療で最も注意すべきは低血糖(血糖値≦70㎎/dL)です。

上記B-2群の薬剤は単独で用いても低血糖を来すことがあるので要注意です。