<曝露法とは? 「パニック障害」のしくみを通して> (第27回の続き)
曝露法のやり方は理屈ではわかったつもりでいても、
実際に自分一人でコントロールしてみようとすると、
なかなかむずかしいことに気づくことでしょう。
たしかに、感情(不安や恐怖など)や
身体反応(緊張や動悸、発汗など)を自力で抑えることはなかなか難しいです。
誰にとっても難しいことであるにもかかわらず、
それに気づかず、また認めようとせず、何とか自分だけで対処しようと無理を重ねると
誤った「認知」による不適切な対処「行動」を学習してしまうことになります。
それは、不愉快で破壊的な「感情」を生んでしまいます。
また、それによってストレッサーがかえって増強してしまい日常生活が大きく損なわれ、
さらなる「身体反応」をもたらすといった悪循環に陥りやすくなります。
自己流の対処法で、失敗を繰り返した結果、
焦燥感と絶望感と共に自信喪失や抑うつ状態に陥ってから、
ようやく相談を受けることが少なくありません。
もちろん、そうしたケースでも対応は可能ですが、
誤った対処法を消去するためには、それなりの時間が必要になります。
やはり、早めにご相談いただくことが、
その後の治療経過を良好なものにします。
ストレス対処 MIYAJI 心理相談室(高円寺南診療所内)
主任 臨床心理士 宮仕 聖子