第二基礎航法(挙腿航法)〈修錬生用〉テキスト


―「三方向の挙腿航法」を通して、軸・Volume Axis・背面連結を読む―

 

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Ⅰ.修錬生の役割と目的(第二基礎航法版)


第二基礎航法(三挙腿)は、いずれも
• 股関節:屈曲位
• 膝関節:伸展位(おおむねロック状態)
を共通フォームとし、
• 前方挙腿航法:足尖が前方の水面に向かう
• 側方挙腿航法:足尖が真横の水面に向かう
• 後方挙腿航法:足尖が後方の水面に向かう


という三方向ベクトルから構成されている。


第一基礎航法(三航法)が「三方向の屈曲航法」として、股関節屈曲+膝屈曲位での沈静・安定・循環を再教育する体系であったのに対し、第二基礎航法(三挙腿)は、膝伸展位での三方向挙上を通じて


• 前進準備(前方挙腿)
• 三次元バランス(側方挙腿)
• 推進と支持(後方挙腿)

 

を再構築する抗重力伸展系基礎航法である。
修錬生の学びは、訓練生・支援員の段階で身につけた


• 動きを「説明できる」
• 安全に「支えられる・声かけできる」


という段階を超えて、


• 挙腿動作の“内側”を理解する
 筋連動・軸・Volume Axis・浮心/重心ベクトル
 呼吸波形と挙腿リズムの関係


• 他者の挙腿動作を観察し、最小限の言葉で“整える”


• 自らの動作を通して、抗重力伸展と背面連結の理解を深める


ことを目的とする。

 


第一基礎航法における修錬生が「三方向の屈曲の中で軸・呼吸・揺らぎを読む人」であったとすれば、

 


第二基礎航法における修錬生は、
「三方向の挙腿の中で、抗重力伸展・Volume Axis・背面連結を読み取る人」
である。

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Ⅱ.第一挙腿航法:前方挙腿航法


― 抗重力伸展と「前進準備ベクトル」を読む技法 ―


1.修錬生が理解すべき内部構造


前方挙腿航法は、膝伸展位のまま股関節屈曲を主体として、
足尖を前方の水面に向けて挙上する航法である。

 

表1

 

 

筋連動とベクトル

• 主動筋
 腸腰筋・大腿直筋(股関節屈曲)
 前脛骨筋など足関節背屈筋群


• 拮抗・協調筋
大殿筋・ハムストリング(股関節伸展側)
下腿三頭筋(足関節底屈側)


これらが等張的協調を保ちながら、
足尖を前方水面へ「送り出す」ベクトルをつくる。

 

表2 前方挙腿航法の筋連動とベクトル

表2

 

呼吸との関係は、概ね
• 軽い吸気相:Volume Axis がわずかに伸び、準備姿勢
• 吐気相:遊脚が前方へ浮上し、腸腰筋が水に押し上げられる
という波形になりやすい。

 


2.修錬生が観察するポイント


1. 膝伸展位の質
 遊脚膝が過伸展していないか(ロックして関節にストレスが集中していないか)
 軸脚膝が「棒立ち」ではなく、微細な揺らぎを許容しているか


2. 足尖と脛骨軸の向き
 足尖が真正面〜やや上方を向いているか
 脛骨が内外旋しすぎていないか


3. Volume Axis と前傾
 挙腿と同時に上体が過度に前屈していないか
 胸郭が水に預けられ、頭部が落ち込みすぎていないか


4. 呼吸と挙腿タイミング
 息を止めて脚だけを引き上げていないか
 吐気と前方挙上が穏やかに同期しているか


5. 左右差と心理的反応
 右/左で挙上角度・スピード・表情が大きく異ならないか
 片側のみ強い不安・防御反応が出ていないか

 

6. 表3 前方挙腿航法における観察ポイント(チェックリスト)

表3

 

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3.修錬生が行う“調整の助言”の例
• 「膝を“固めて伸ばす”のではなく、水に支えられながら“長く保つ”つもりで伸ばしてみてください」

• 「脚を前に“持ち上げる”のではなく、吐く息に合わせて“前に送られていく”感じを探してみましょう」
• 「胸を先に水に預けてから、脚を前に送り出してみてください。頭の高さはできるだけ変えずに」
• 「右と左でやりやすさが違っても構いません。その違いが、いまの体の“地図”です」

 

前方挙腿航法の本質は、
「抗重力伸展ベクトルの中で、前に進む準備ができているかどうかを読む」
ことである。

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Ⅲ.第二挙腿航法:側方挙腿航法
― 伸展位での側方安定と“三次元バランス”を読む技法 ―


1.修錬生が理解すべき内部構造
側方挙腿航法は、膝伸展位のまま脚全体を外転・外旋させ、
足尖を真横の水面方向へ挙上する航法である。
第一基礎航法の側膝航法では、膝屈曲位での側方安定と同側回旋を観察したが、
第二基礎航法では、伸展位ゆえに以下の要素が強調される。

 

表4 側方挙腿航法の共通フォームと主な筋・構造

表4

 

主な筋・構造

• 中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋・腸脛靱帯
• 梨状筋を含む深層外旋筋群
• 腹斜筋群・腰方形筋・脊柱起立筋側方線維
• 支持脚側の足関節内外反筋群


水中環境では、浮力と水抵抗のために、股関節-骨盤-体幹の連鎖がスローモーション化し、「横に揺れながらも倒れない軸」が観察しやすい。


2.修錬生が観察するポイント
1. 母趾と膝の向き
 真横を向いているか(前方・後方へ流れすぎていないか)
 掌膝/臀踵のベクトルに紛れていないか


2. 体幹の同側回旋と側屈
 膝の向きに応じて体幹が少しだけ同側に回旋しているか
 固定しすぎてゼロ回旋になっていないか/過剰にねじれていないか


3. 支持脚の微細な揺らぎ
 足関節がガチガチに固まっていないか
 小さな横揺れを「微調整」の連続として受け止めているか

 

4. 左右差と恐怖の質
 一方の側でのみ、挙上高さが極端に低い/表情がこわばるなどの差がないか
 「横に倒れる怖さ」と「横に人がいる怖さ」が混ざっていないか


5. 呼吸の連動
 横にひらいた瞬間に呼吸が止まっていないか
 挙上時の吐気/復帰時の吸気(あるいはその逆)が自然な波になっているか


表5 側方挙腿航法における観察ポイント(チェックリスト)

表5

 

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3.修錬生が行う“調整の助言”の例
• 「母趾と膝のお皿を、真正面ではなく“真横の窓”に向けるつもりで、ゆっくり開いてみてください」
• 「体は少しだけ、その膝の向きに連れて回っても大丈夫です。いまぐらいの角度で十分です」
• 「ぐらっとしたら、“戻れる範囲”を探していると考えてみましょう。倒れない揺らぎの練習です」
• 「右と左で違いがあるのは、むしろ正常です。その違いの中に、日常のクセが隠れています」


側方挙腿航法の本質は、
「伸展位というやや厳しい条件の中で、『倒れない横揺れ』と『横の余白』を読む」
ことである。

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Ⅳ.第三挙腿航法:後方挙腿航法
― 背面連結と「推進・支持ベクトル」を読む技法 ―


1.修錬生が理解すべき内部構造
後方挙腿航法は、膝伸展位のまま足尖を後方水面方向へ送り出す航法であり、
身体背面の連結線(posterior chain)を立ち上げる技法である。

 

表6 後方挙腿航法の共通フォームと主な筋連動

表6

 

主な筋連動


• 大殿筋・ハムストリングス
• 下腿三頭筋・足底筋群
• 脊柱起立筋・多裂筋・腰方形筋
• 腹横筋・骨盤底筋群との協調

 

これらが協調して働くとき、「踵ではなく足尖で水を押す」という軽い後方挙上が、
歩行における推進力ベクトルの再教育となる。


呼吸との関係としては、


• 軽い吸気:背面がひらき、Volume Axis が伸びる
• 吐気:足尖が後ろへ送り出され、腹圧がわずかに高まる


という“背面伸展+腹圧”の波形が理想である。

 


2.修錬生が観察するポイント

1. 腰椎過伸展の有無
 「足を後ろにやろうとして、腰だけが反っていないか」
 腰部が圧迫感・痛みを訴えていないか
 足尖と踵の使い分け
 足尖の軽い接水で水を押しているか
 踵先行になり、股関節が過伸展していないか


3. 背面連結の質
 ふともも裏〜臀部〜腰背部が「一本の線」として目覚めているか
 局所にだけ緊張が集中していないか


4. 推進感覚の有無
 動きの後に、わずかな「前に押される感じ」が生まれているか
 すり足・小刻み歩行傾向のある人で、歩幅イメージが変化しているか


5. 心理的な「背中感覚」
 背中を誰かに預けることへの抵抗が、動きに現れていないか
 挙腿後に、表情がやや緩む/ため息が出るなどの変化があるか

 

表7 後方挙腿航法における観察ポイント(チェックリスト)

表7

 

3.修錬生が行う“調整の助言”の例


• 「足の裏全体で蹴るのではなく、“つま先の先端で水にサインを送る”くらいのつもりで押してみてください」
• 「腰を反らせるのではなく、おへそをほんの少しだけ引き込んでから、足先を後ろに送ってみましょう」
• 「ふとももの裏からおしり、腰までが一本の帯になって動き始める感じがあれば、それで十分です」
• 「動き終わったあとに、少しだけ“前に出やすい感じ”があるかどうか、注意を向けてみてください」


後方挙腿航法の本質は、

「背面からの支持と推進力を、過去や不安ではなく“現在の力”として読み直すこと」

である。

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Ⅴ.修錬生のための教習一致(第二基礎航法版)


第二基礎航法(三挙腿)における修錬生の役割は、
「三方向の挙腿航法」に共通する原理を、自他の身体を通じて確かめ続けることである。

1.修錬生に求められる三つの能力(第二基礎版)


1. 抗重力伸展を読む観察力
 伸展位の膝・股関節・Volume Axis の質を、
「固さ・緊張」ではなく「伸び・しなり」として読み分ける。


2. 三方向ベクトルの“ずれ”を整える誘導力
 前・横・後のどこにベクトルが偏っているかを見抜き、
一つの方向に偏りすぎた生活パターン(前屈み・横曲がり・後傾など)に気づかせる。


3. 自分自身の伸展を保ったまま関わる自己調整力
 人に助言しながら、自分の膝・股関節・背面連結も同時に調整する。
 指導そのものが「自分の挙腿稽古」となっている状態を目指す。


表8 第二基礎航法(三挙腿)における修錬生の三つの能力

表8

 


2.修錬生が使うべき言葉の型(第二基礎版)
第一基礎航法と同様、命令ではなく「気づき・感覚」を促す言葉を用いる。


• 「〜の方向に、すこしだけ送ってみてください」
• 「いまの伸び方/揺れ方を、そのまま感じてみてください」
• 「右と左の違いに気づいたら、その違いを消そうとせず、しばらく観察してみましょう」
• 「いまの高さ・角度で十分です。その代わり、呼吸と一緒に続けてみてください」

 

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Ⅵ.修錬生の到達目標(第二基礎航法コンピテンシー)
第二基礎航法(三挙腿)について、次のことができれば、
修錬生としてこの段階はひとまず修了とみなせる。


1. 三挙腿それぞれの内部構造(筋連動・軸・Volume Axis・背面連結・呼吸波形)を、自分の言葉で説明できる。


2. 他者の挙腿動作を観察し、
 どのベクトル(前・横・後)に偏りがあるか
 どこで呼吸が途切れているか
 どの関節で「固い伸展」となっているかを静かに見抜ける。


3. 助言が短く・的確で・押しつけにならない。
参加者が自らの身体感覚に気づけるような言葉を選べる。


4. 自分の挙腿動作が、前・横・後のいずれにおいても、
 静かで
 ゆっくりで
 過剰ではない均整のとれた伸展
を保っている。


5. 教えている時間そのものが、自分の抗重力伸展・背面連結を整える稽古になっている(=教習一致が第二基礎航法でも生じている)。

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修錬生は、
• 前方挙腿において「前進準備と抗重力伸展」を、
• 側方挙腿において「横の余白と三次元バランス」を、
• 後方挙腿において「背面からの支持と推進力」を、

それぞれ読み解き、統合していく段階に入ったと言える。


このテキストをベースに、今後、訓練生用・体験生用への平易化や、
臨床例・ケース別コメントの追補も可能であるので、
必要に応じて各セクションを拡張していきましょう。

第二基礎航法(挙腿航法)〈訓練生用〉テキスト


― 三方向の「挙腿」で、前へ・横へ・後ろからの支えを思い出す ―

 

第二基礎航法(挙腿航法)<訓練生用>PDF


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Ⅰ.訓練生の目的(第二基礎航法版)
第二基礎航法(三挙腿)は、すべて


• 股関節を曲げる(屈曲)
• 膝を伸ばしたまま保つ(伸展位・おおむねロック状態)


という共通フォームを持ち、

第二基礎航法(挙腿航法)<修錬生用>


• 第一挙腿航法:前方挙腿航法 … つま先が前方の水面に向かう


• 第二挙腿航法:側方挙腿航法 … つま先が真横の水面に向かう


• 第三挙腿航法:後方挙腿航法 … つま先が後方の水面に向かう


という「三方向の挙腿航法」で構成されています。第一基礎航法(三航法)が「三方向の屈曲航法」であったのに対し、第二基礎航法(三挙腿)は「三方向の挙上航法」です。

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訓練生の学びの中心(第二基礎航法)


第二基礎航法は訓練生から始まるプログラムであり、訓練生は指導を受ける側です。
この段階では、体験生に指導する必要も、指導してはいけないわけでもなく、そもそもその役割はありません。


「自分の身体で確かめること」が中心です。


訓練生の目的は、次の3点です。


1. 三つの挙腿航法(前方・側方・後方)を、安全に・静かに・正確な形で行えること。


2. 呼吸と動きのリズムを、自分で整えられること。


3. 自分の身体の特徴(得意な方向・苦手な方向・左右差)に気づけること。


「誰かに教えるため」ではなく、まずは自分自身のからだのための稽古として、第二基礎航法を深めていきます。


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Ⅱ.第一挙腿航法:前方挙腿航法
― 膝を伸ばしたまま、「前に進む準備」をする ―


1.動作の要点(形)

1. 水位はみぞおち〜胸の下あたり。両腕(前腕)を水面に軽くあずけて、基本姿勢をとります。


2. 片脚を軸にして、もう一方の脚を膝を伸ばしたまま前方に送り出すように動かします。


3. 足のつま先を、前の水面に向けて少しずつ持ち上げます。高く上げる必要はありません。


4. 吐きながら脚を前に浮かせ、吸いながらゆっくり戻します。


5. 右・左を交互に行い、一定のゆっくりしたリズムで続けます。


ポイントは、
• 「膝を曲げて持ち上げる」のではなく、膝を伸ばしたまま、股関節から前に出すこと。


• 「力で持ち上げる」よりも、水に支えられながら“前に送り出す”つもりで動くこと、です。


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2.感じるべき身体感覚(感覚)


前方挙腿航法で大切なのは、次のような感覚です。


• つま先が前の水面に少し近づくとき、太ももの前側が静かに目覚める感覚。


• 軸脚で水底を押さえながらも、全体としては前に一歩出る準備ができている感じ。


• 吐く息に合わせて脚が軽くなり、「前に出るのはこわくないかもしれない」と思えるような、穏やかな前向き感覚。


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3.稽古のときの注意点(安全)
前方挙腿航法で気をつけたい点は、次の通りです。


• 膝を反らせすぎない
 「ピンと張りつめた棒」ではなく、「少ししなりのある伸び」を目指します。


• 上半身を前に倒しすぎない
 脚を前に出そうとして、頭から突っ込むような姿勢にならないようにします。


• 高さよりも、静かさと呼吸を優先する
 つま先が少し浮けば十分です。
 動きの途中で、息を止めないようにします。


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4.セルフチェック


• つま先を前に出したとき、膝は曲がっていないか?


• つま先を前に出した瞬間、息を止めていないか?


• 右と左で、「上げやすさ」や「怖さ」に違いはないか?

 

違いがあれば、「どちらが上げやすいか」「なぜかこわい側はどちらか」を、
ただ静かに観察するだけで構いません。

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Ⅲ.第二挙腿航法:側方挙腿航法
― 横にひらき、「倒れない横の余白」をつくる ―


1.動作の要点(形)

1. 基本姿勢から、片脚を軸として立ちます。


2. もう一方の脚の膝を伸ばしたまま、足のつま先と膝のお皿を横(真横の水面)に向けます。


3. そのまま、脚全体を真横の水面に向けて、そっと持ち上げます。


4. からだが少し同じ側に傾いたり、わずかに回っても構いません(自然な範囲で)。


5. 挙げるときに吐き、戻すときに吸う、または自分の楽な呼吸パターンでかまいません。

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2.感じるべき身体感覚(感覚)
側方挙腿航法で、大切にしてほしい感覚は次の通りです。


• 片脚で支えながら、横にふらっと揺れても、すぐ戻れる感じ。


• お尻の横・腰の横が、じんわりと使われている感覚。


• 「横に並んでいる人と、一緒にゆっくり揺れている」ような、横のつながり・並列感。

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3.稽古のときの注意点(安全)


• つま先と膝のお皿を「真横」に向ける
 前方寄りや後方寄りになりすぎると、前方挙腿/後方挙腿と混ざってしまいます。


• 軸脚をガチガチに固めすぎない
 軽く横揺れしながらでも立っていられればOKです。


• 怖さが強い側は、角度を小さく
 高く上げる必要はありません。
 「ほんの少し横に出すだけ」から始めて構いません。


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4.セルフチェック


• つま先と膝のお皿は、ちゃんと横を向いているか?


• 片脚で立っているとき、息が浅くなっていないか?


• 右と左で、「やりやすい側」「怖い側」「上がりやすい側」に違いがあるか?
ここでも、「左右差=悪い」ではありません。


自分のからだの地図を知るきっかけとして、違いをメモしておくと良いです。

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Ⅳ.第三挙腿航法:後方挙腿航法

― 後ろから支えられ、「推進力」を思い出す ―


1.動作の要点(形)


1. 基本姿勢から、片脚を軸脚として安定させます。


2. もう一方の脚の膝を伸ばしたまま、足のつま先をうしろの水面に向けます。


3. つま先で、うしろの水をそっと押すように送り出します。


4. 腰だけを大きく反らさないように、お腹を少しだけ引き込むつもりで行います。


5. 挙げるときに吐き、戻すときに吸うリズムを、無理のない範囲で合わせます。

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2.感じるべき身体感覚(感覚)
後方挙腿航法で大切なのは、次のような感覚です。


• ふとももの裏・おしり・腰のあたりが、一緒に動き始める感じ。


• つま先で水を押したあと、わずかに前に進みやすい感じが生まれること。


• 「背中側から支えられている」「後ろにもスペースがある」と感じられる、背面の安心感。

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3.稽古のときの注意点(安全)

• 腰を反らせすぎない
 足を後ろにやろうとして、腰だけが大きく反らないように注意します。


• 「つま先」で水を押す
 踵から大きく蹴ろうとすると、股関節や腰に負担がかかりやすくなります。


• 小さな角度から始める
 「つま先が少し後ろに動いたかな」程度からスタートし、痛みや違和感がなければ、徐々に角度を増やします。


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4.セルフチェック


• 足を後ろに送ったとき、腰に圧迫感や痛みは出ていないか?


• 動きのあと、わずかに「一歩前に出やすい」感じはあるか?


• 背中や腰が、少しだけゆるんだ/温まったように感じるか?

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Ⅴ.第二基礎航法・訓練生としての到達目標
第二基礎航法(三挙腿)について、このテキストで目指す訓練生の到達点は次の通りです。


1. 三つの挙腿航法(前方・側方・後方)を、正しい形で再現できる。
 膝を伸ばしたまま動かせる。
 前/横/後ろそれぞれの方向を、はっきり区別できる。


2. 呼吸・動作・速度を、自分で整えられる。
 動きながらも、呼吸が止まらない。
 動きがバタバタせず、「静かで・ゆっくり」になっている。


3. 自分の身体の特徴(得意な方向・苦手な方向・左右差)に気づいている。
 「前は出やすいが、横はこわい」など、自分で言葉にできる。
 「右の方が上げやすい」「左の方が不安定」など、気づきを持っている。


4. 指導者の助言を、自分のからだで受け止めて調整できる。
 言われたことを「頭で理解して終わり」にせず、動きと呼吸に反映できる。

 

訓練生は、まだ誰かに教える段階ではありません。
むしろ、「第二基礎航法をとおして、自分のからだとじっくり向き合う」
という時間を味わうことが、いちばん大切な役割です。

 

ここから先、修錬生に進むと、いま体験している前方・側方・後方の挙腿が、
• 前に進む力
• 横に広がる余白
• 後ろから支えられる安心

として、より深く理解されていくことになります。


ひとまず訓練生の段階では、「静かに・ゆっくり・ていねいに」三挙腿を重ねることを、このテキストのゴールとしてください。

水気道デモンストレーター(訓練生)の手引

 

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「はじめに」


本書は、水気道教育体系の第二段階に位置し、『体験生のためのご案内』に続き、『ファシリテーター(修錬生)の手引』へと至る橋渡しの書です。


訓練生(デモンストレーター)は、体験生として得た感覚を自覚的に再現し、次の修錬段階に備えて「動きながら安定する身体」を学ぶ稽古参加者です。


『体験生のためのご案内』で体感した「静的安全」の学びを、本書では「動的安全」として実践に昇華します。

 


第1章 デモンストレーター(訓練生)の位置づけ


水気道デモンストレーター(訓練生)は、「静から動へ、安定から調和へ」と向かう修練の第二段階に位置します。体験生が「安全を学ぶ」段階を経て、デモンストレーターは「安全を実践する」段階に入ります。


ただし、その根幹には、一環として安全性の原理(Principium Fundamentale)があります。水気道での「安全」とは単に危険を避けることではなく、呼吸・姿勢・重心の安定を通じて心身と環境の調和を保つ力を意味します。

2-1

 

デモンストレーターは、水気道の三大原則――


1. 意識性の原則(心身の統一と自己観察)、


2. 漸進性の原則(安全を基盤とする段階的成長)、


3. 教習一致の原則(教えと学びの共鳴)――


を実践的に体現する存在です。


体験生の段階では、安全を“学ぶ”段階にあり、外的な制約のもとで静的な安定を経験していただきました。

一方、デモンストレーター(訓練生)は、さらに、安全を“実践する”段階に入り、呼吸・重心・リズムの内的統御によって動きながら安定を保つことを訓練することになります。

この過程こそが、漸進性の原則を体現するものであり、訓練生は「焦らず、競わず、少しずつ整える」ことを心得てください。

 

さらに、訓練生は教習一致の原則を実践する存在でもあります。


この原則は、「教えることによって学び、学ぶことによって教える」という相互発展の構造を示すものです。デモンストレーターは、自らの動作と姿勢を通して体験生に安全とリズムを伝えると同時に、他者を導く中で自らの修練を深めていくことになります。


他者を導くことは同時に自己修養の道でもあり、教習一致は水気道の精神そのものであるということを大切に受け止めてください。


白帽は五行のうち「金」に属し、五蔵(臓)では「肺」を象徴するものです。これは表皮を通して外界の気を受け入れ、呼吸を整える働きを意味します。


その色である白は、清浄・感受・防衛の象徴であり、生命活動の第一の門である「呼吸」を表しています。


デモンストレーターはこの白の精神を体現し、外界と調和しながら呼吸・姿勢・意識を整える存在であるとの自覚を持って稽古に臨んでください。


水気道において白帽は、心身の透明さと柔軟さを備え、全体のリズムを感じ取り、和を育てる導き手であるということです。


「動きを正し、場を整える最初の波」——これがデモンストレーターの役割であり、訓練の目標になるものです。


白帽の白は穢れなき肺を意味し、呼吸の透明さと生命の清明を表すものです。
これは五行論の「金」に属し、五蔵(臓)では「肺」を象徴します。肺は外界の気を取り入れ、生命の循環を司る門であり、その清浄さこそ水気道の根幹にあります。そのため、水気道では予防医学・生涯エクササイズ・自然医学の立場から、禁煙を強く推奨しています。


喫煙者であっても、水気道への門戸は常に開かれています。しかしながら、肺の清浄を回復し、呼吸の道を浄化する努力を惜しまぬ水気道の仲間のみが、次の段階である修錬生(ファシリテーター)へと昇格することができます。これは単なる規定ではなく、「呼吸を尊ぶ者こそ、生命を尊ぶ者である」という水気道の掟です。


白帽を戴くことは、清浄なる呼吸の誓いであり、自らの生命を澄ませ、他者と和する第一歩なのです。この掟は、水気道の根本原則である安全性の原理に直結することは言うまでもありません。

 

 

第2章 根本原理:安全性の原理の実践


1. 静的安全から動的安全へ
静的安全の原理では、呼吸と重心を整え、静止状態での安定を確保する。
デモンストレーターはこれを基盤に、動作中でも安定を保てる動的安全の原理を修得する。


2. 動きながらの安定
水中では、抵抗と浮力が同時に作用する。訓練生は、この相反する力を調和させて
「動きながらの安定=生きた安全」を身につけることが求められる。


3. 呼吸・姿勢・意識の統合
呼吸の整いは、動作の美しさと安全性の双方を保証する。
「吸う・吐く・止める」の呼吸相を明確に意識し、姿勢と心を連動させることが重要である。

 

 

第3章 三大原則の理解


1. 意識性の原則 — 自覚的安定の育成


呼吸・動作・意識を統合的に観察し、内的な静寂を保ちながら動く。

 

• 休息の準則:

緊張と弛緩のバランスを自覚的に保ち、心身を再生させる。

 

• 可逆性の準則:

過度な負荷を避け、常に戻れる安全域を確保する。

ポイント:

デモンストレーターは「自らが静まることで場を整える」ことを体現する。

 

2. 漸進性の原則 — 成長の秩序と段階


訓練生の学びは、常に段階的発展を前提とする。


• 反復性の準則:

反復によって動作の精度を高め、筋・神経の協調を育む。


• 過負荷の準則:

安全を前提に、少しずつ動作範囲・水圧負荷を増加させる。

 

心得:

「焦らず、競わず、少しずつ整える」。
稽古は積み重ねの芸術であり、一つひとつの動作が次への基盤を築く。

 

3. 教習一致の原則 — 共鳴的教育の実践


デモンストレーターは、教えることを通して学ぶ。


その動作・呼吸・姿勢は、体験生への最初の「無言の指導」である。


• 個別性の準則:

体験生それぞれの身体・心理特性を尊重し、観察的に支援する。


• 特異性の準則:

稽古目的に応じて、最適な航法(例:親水航法・基本航法)を選択する。


心得:

「他者を整えることで、自らも整う」。

 


この循環が教習一致の精神である


水気道の稽古は、水中での運動を中心としながらも、稽古前後のアクセス(往復行動)を含めた全体的な循環活動として成立しています。


陸上での移動は重力下での準備運動・クールダウンの役割を持ち、心身の導入と統合を促します。


水気道の稽古は非日常的環境(水中)に出発する活動であるが、アクセスを含むすべての行動が「稽古」の一環です。


この意識が実践に反映されるにつれ、日常生活そのものが水気道となり、非日常的活動から日常的活動へと昇華していきます。

 

稽古の基本構成(本稽古プログラム:90分)

2-2

 

第4章 技法の段階と水気道がもたらす進化


<技法の段階>


初等訓練生(6級):水との調和を学ぶ


• 水の浮力と抵抗を体感し、身体を“預ける”感覚を養います。
• 丁寧な動作で、呼吸とリズムを合わせることに重点を置きます。

 


中等訓練生(5級):リズムを深める


• 呼吸・動作・意識を同調させ、「波動としての動き」を体得していきます。
• リズミック・スクワット、アクア・スキップ、左右交互運動を段階的に行います。

 


高等訓練生(4級):リズムを導く


• グループ内で他者のリズムを感じ取り、動作を同調・導入できるようにします。
• ファシリテーターを補助し、呼吸・動作を整える支援を行います。

 

<水気道が導く成長段階>

2-3

 

<水気道がもたらす進化>

2-4

 

<水気道がもたらす成果と到達点>
水気道の三大原則は、訓練生の成長を身体的・心理的・社会的に支える。

2-5

三大原則の統合によって、訓練生は「個を整え、和を育て、場を調える」存在へと成長していきます。これが、水気道デモンストレーターとしての真の到達点です。

 

 


第5章 訓練生の心得


1. 感じて動く。 

力を使うのではなく、水の流れと会話しましょう。


2. 呼吸を意識する。 

動作は呼吸を導き、呼吸は心を整える感覚を持ちましょう。


3. 継続を尊ぶ。 

週1回の定期的稽古を目標に週ごとの周期を確立し、それを日々の生活リズムの中心に置きましょう。


4. 静動一体。 

「動きながら静まり、静まりながら動く」境地を目指しましょう。


5. 陸も稽古の一部。 

施設まで、施設からの移動も重力トレーニングであり、心の準備であり、また体の調整でもある、と心得ましょう。


デモンストレーターは、「稽古における姿勢と呼吸の模範」です。

 



第6章 デモンストレーション技法


1. 正確に動く。 

手本となる動作は、滑らかで安定していることが求められます。


2. 呼吸を合わせる。 

動作のテンポを呼吸に合わせ、力みを排除していきまう。


3. 他者を見守る。 

周囲の動きを感じ取り、混乱を防いでいきます。


4. 姿勢を整える。 

体幹を意識し、目線を一定に保てるようにします。


5. 静かに示す。 

言葉よりも動作で伝えることを心がけます。


デモンストレーターの一挙手一投足が、稽古全体の“基準”となる。

 



第7章 安全・健康・倫理


• 自分の限度に気づき、無理をせず「心地よい限界」を守りましょう。


• 稽古前後の水分や栄養の補給と保温を徹底しましょう。


• 他者への敬意と感謝を忘れず、共鳴の場を大切にしましょう。


デモンストレーターは、稽古の秩序と安心を象徴する存在です。

訓練の目的は、技を磨くことに留まらず、呼吸・動作・情動が一体となる「流れの中の安定」を体現することにあります。この状態に至ったとき、学びは外的指導を離れ、内的共鳴の修錬へと移行します。すなわち、訓練生は「形を整える者」から「調和を生む者」へと変化し、その歩みは修錬生への自然な昇華となっていきます。

 


結語


水気道の訓練とは、身体技法を超えた心の修養です。


デモンストレーターは、稽古の中で安全・安定・共鳴を象徴する存在となります。


「呼吸を整え、動きを正し、場が鎮まるとき、水と共に呼吸し、動作を整え、律動を通して仲間とつながるとき、他者からの波を受け取り、また自分の波を伝える心の修養になります。」

あなた自身が“水気道の律動”そのものになっていることを経験できることでしょう。

 

デモンストレーターとしての訓練を通じて、あなたは静を養う「養生法」、動を鍛える
「鍛錬法」、そして両者を往還し調和させる「養生鍛錬法」へと進む準備を整えていま
す。これらの三法は、水気道が目指す生命の調和の道=統合体系への入り口です。

 

 

付録

「体験生→訓練生→修錬生」三段階教育モデル図

2-6

訓練生はこの三層の中心に立ち、「静と動」「学びと教え」を結ぶ仲間です。

 

 

 

 

聖楽院活動再開のお知らせ

 


主宰・飯嶋正広が率いる音楽活動集団「聖楽院」は、2019年11月14日(主宰の還暦誕生日)に杉並公会堂小ホールで開催した第1回「聖楽院」音楽祭を最後に、長い休止期間に入りました。この日は、イタリア声楽のソルフェージュ曲100曲(コンコーネ50番およびトスティ50番)に、我が国の言語文化の至宝である「小倉百人一首」を歌詞として編作した作品を完成・発表した記念すべき日でもありました。


その後、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響も重なり、およそ5年間にわたり活動を停止せざるを得ない状況が続きました。


「聖楽院」は、アマチュア声楽家によるアマチュア声楽家のための音楽集団として出発し、専門的な教育を受けた音楽家やプロ声楽家の支援を得ながら活動を続けてまいりました。この休止期間中に主宰自身が専門的な教育と研究を体系的に修めたことで、従来の歌詞付きエチュード作品が、アマチュアのみならずプロ声楽家にとっても有効な訓練メソッドであることをあらためて深く認識いたしました。さらに、プロ・アマを問わず日本人声楽家が最も得意とすべきは日本歌曲であり、その源泉として美しい大和言葉から芸術的なインスピレーションを汲み取る姿勢が不可欠であることを再確認いたしました。


また、「聖楽院」は、主宰である飯嶋自身の音楽活動の拠点でもあります。飯嶋の専門性は、ロシア歌曲研究や声楽訓練法に加えて、日本古来の歌唱法の研究にも及びます。特に平安時代末期に後白河法皇によって記されたとされる『梁塵秘抄』、とりわけその口伝集の解明に取り組んでおり、AIの支援を活用しながら現代に通じる歌唱法の再発見を試みています。

 


令和7年9月16日


「聖楽院」主宰 飯嶋正広

 

 


聖楽院の組織活動の展望

 

医療 × 声楽の取り組み

主宰・飯嶋は内科医であり、とりわけ心身医学の指導医として、独自の歌唱メソッドを健康の維持・増進に活かす特別プログラムを開発・実践してきました。呼吸・姿勢・共鳴・発声を統合し、自律神経の調整やストレスケアに資する本メソッドは、今後「聖楽院」声楽塾のカリキュラムにも段階的に組み込み、一般の方にも無理なく取り入れていただける予防医療的プログラムとして展開してまいります。


さらに、わが国において、音楽大学の修士課程を修了し、心身医学の指導医資格を併せ持つきわめて稀有のテノール歌手として、音楽療法家の育成にも力を注いでまいります。

 


主宰・飯嶋正広の活動の三本柱(個人)


1. 100の編作芸術歌曲の演奏紹介
 

コンコーネ50番およびトスティ50番に「小倉百人一首」を歌詞として編作した作品群の発表と実演

 


2. ラフマニノフ歌曲の専門的演奏
 

わが国においてラフマニノフを専門的に研究し、歌唱実績をもつ唯一のテノール歌手としての演奏活動

 


3. 万葉集歌曲の創作と実演

 

特に「東歌」を歌詞とした芸術歌曲の作曲と舞台演奏

 

 

聖楽院の組織活動の展望(団体)


• 「聖楽院」声楽塾の開設
 

アマチュア声楽家のための独自メソッドを活かし、学びと実践の場を提供する声楽教育プログラムを展開します。

 


• 「聖楽院」コンサートの開催
 

塾生とプロの音楽家が共演する舞台を早期に実現し、演奏活動と文化交流の場を育んでまいります。

 


• 音楽療法家の育成
 

医療と芸術の橋渡しを担う人材を育成し、臨床・教育・地域で活躍できる音楽療法の実践力を涵養します。

このたび「聖楽院」としての活動を再開し、東京都内および茨城県をはじめとする近隣地域を拠点に活動を展開してまいります。今後も声楽芸術を通じて豊かな文化交流の場を育み、多くの皆さまと共に歩みを重ねていけるよう努めてまいります。

 

 

今後の音楽活動予定(セッションコンサート)

注:「声楽院」のセッションコンサートは、及川音楽事務所主宰のフレッシュガラコンサートのプログラム中で20分間の枠組のミニ・コンサートです。
コンサート会場は当面の間、池袋の豊島区民センター小ホールです。

 

2025年10月1日(水)昼:第1回セッションコンサート

出演者

飯嶋正広(テノール)

・トスティ作曲ソルフェージュ50番No8飯嶋編作「秋風にたなびく雲の」

・ラフマニノフ作曲「歌うな、美しい女よ!」

 

藤井夕楓(ソプラノ)

・ショーソン作曲「蜂雀」

・アルファーノ作曲「メロディ」

・ヴェルディ作曲オペラ《リゴレット》より「慕わしい人の名は」

 

森嶋奏帆(ピアノ)

 

 

2025年11月11日(火)昼:第2回セッションコンサート

 出演者

飯嶋正広(テノール)

・コンコーネ作曲ソルフェージュ50番No34飯嶋編作「深吉野の山の秋」

・ラフマニノフ作曲「捨てよう、愛する女よ」

 

藤井夕楓(ソプラノ)

・ドビュッシー作曲「星の夜」

・ロッシーニ作曲「フィレンツェの花売り娘」

・グノー作曲オペラ《ロミオとジュリエット》より「私は夢に生きたい」

 

中村優花(ピアノ)

 

 

2025年12月2日(火)昼:第3回セッションコンサート

出演者

飯嶋正広(テノール)

・トスティ作曲ソルフェージュ50番No26飯嶋編作「わが庵は都の辰巳」

・ラフマニノフ作曲「夜更けに私の庭で」

 

五日市田鶴子(ソプラノ)

 

交渉中(ピアノ)

 

 

2026年1月13日(火)昼:第4回セッションコンサート

出演者

飯嶋正広(テノール)

・コンコーネ作曲ソルフェージュ50番No29飯嶋編作「カササギの渡せる橋に」

・ビゼー作曲オペラ「カルメン」より「花の歌」

 

亀田尚大(フルート)

・ビゼー作曲オペラ「カルメン」をもとに

「間奏曲」、「カルメン幻想曲」

 

森嶋奏帆(ピアノ)


いつも当クリニックの活動にご理解とご支援を賜り、誠にありがとうございます。


このたび、今月私が執筆した論文が、早くも「日本疼痛漢方研究会」発行の学術誌「痛みと漢方」において採択されましたので、ご報告いたします。


新しい年度を迎える直前の吉兆として、皆様と共に承りたいものと存じます。


掲載論文の概要


論文番号:22


タイトル:「低度炎症と疼痛の関連:漢方を用いた統合医学的アプローチ」


掲載分類:レクチャー


今回の査読では修正の指摘がなく、著者校正のみとなっております。英語表記については、専門担当者が確認を行う予定です。


長年の研究を通じて、疼痛管理における漢方の可能性を追求してまいりましたが、今回このような形で研究成果が評価されたことを大変嬉しく思っております。


本論文では、低度炎症と疼痛の関連を漢方の観点から解明し、統合医学的なアプローチを提案しております。発刊後には、より詳しい内容をお知らせいたします。


今後とも、疼痛治療と漢方医学の発展に寄与できるよう、引き続き精進してまいります。


どうぞこれからもご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。


杉並国際クリニック院長
飯嶋 正広


令和7年3月31日


なお、以下は実際の通知メッセージです。

 

 

・・・・・・・・・・・


飯嶋正広 先生

 

いつも大変お世話になっております。
「痛みと漢方」編集部でございます。


このたびご投稿をいただきました下記論文は編集委員会での審査の結果、
「採択」となりましたのでお知らせいたします。


※掲載分類【レクチャー】

分類について、委員に再確認したところ、【レクチャー】予定として
お知らせすることになりました。ご容赦お願いいたします。

 

論文番号:22

 

タイトル:低度炎症と疼痛の関連:漢方を用いた統合医学的アプローチ

 

査読担当者より、今回の判定で修正のご指摘はありませんでした。
著者校正時に用語等のご確認をお願いいたします。


英文については、最新原稿で英文確認の担当者に依頼いたしますので
その旨ご了承ください。

 

何卒よろしくお願いいたします。

 

「痛みと漢方」編集委員長

間宮敬子

 

前回はこちら

 

 

Dr. ChatGPT:

「水氣道と他の武術・健康法との違いについてお聞かせください。特に、水氣道ならではの独自の特徴や哲学があれば教えていただきたいです。」


ドクター飯嶋:

承知いたしました。「水氣道ならではの独自の特徴や哲学」についての説明は、継続的な稽古参加者には、技能水準と理解能力に応じて、稽古の場で個別具体的に示唆しています。しかし、未経験者に説明するのはいささか困難が伴います。しかし、せっかく熱心なあなたからいただいた貴重なご質問なので、真摯にお答えしたいと思います。


Dr. ChatGPT:

ご丁寧にありがとうございます。確かに、未経験者に独自の哲学を伝えるのは難しいかもしれませんが、ぜひ教えていただければと思います。


ドクター飯嶋:

その前に、「水氣道と他の武術・健康法との違い」についてですが、私は他の武術・健康法の実践者ではないため、正確な比較は難しいと思います。また、私が他の武術・健康法について語るのは僭越だと存じます。


Dr. ChatGPT:

なるほど、他の武術や健康法と直接的に比較するのは難しいということですね。


ドクター飯嶋:

そうですね。しかし、あなたは豊富な情報を系統的に網羅されている方ですし、とても公平な見方をなさる方ですので、水氣道と比較すべき他の武術・健康法の概略の説明は、むしろあなたにお委ねしたいと存じますが、いかがでしょうか?


Dr. ChatGPT:

私に委ねていただけるとは光栄です。確かに、他の武術や健康法についての情報は持っていますので、それと比較しながら水氣道の特徴をさらに理解していくことができればと思います。


ドクター飯嶋:

それでは、少しずつ継続してください。私も対話に参加させていただきます。

 

Dr. ChatGPT:

もちろんです。引き続き、対話を進めていきましょう。ドクター飯嶋様、次にご質問をいただけますか?それに基づいて、さらに対話を深めていきたいと思います。

 

ドクター飯嶋:

あなたが、水氣道と比較したいと考える武術・健康法をそれぞれ1つずつ挙げて、概略を紹介していただけませんか?

 

Dr. ChatGPT:

もちろんです。水氣道と比較して考えることができる武術・健康法として、以下の2つを挙げてみたいと思います。

1. 武術: 太極拳

• 概略: 太極拳は、中国に起源を持つ内家拳の一種で、健康法としても広く実践されています。特徴としては、ゆっくりとした円滑な動きと呼吸を連動させながら行うことで、心身の調和を図ることを目的としています。太極拳の動作は、陰と陽の調和を重視し、全身をリラックスさせながら行うため、関節や筋肉に無理な負担をかけず、柔軟性とバランス感覚を高める効果があります。また、深い呼吸を通じて内臓の健康や精神的な安定を促すとされており、リハビリテーションやストレス管理の手段としても評価されています。


2. 健康法: ヨガ

• 概略: ヨガは、古代インドに起源を持ち、身体と心の調和を追求する実践体系です。現代では、アーサナ(ポーズ)、プラーナーヤーマ(呼吸法)、瞑想を組み合わせて行うスタイルが一般的です。ヨガのアーサナは、柔軟性、筋力、バランスを高めることを目的としており、ゆっくりとした動きと呼吸を連動させながら行います。プラーナーヤーマは、呼吸をコントロールすることでエネルギーを整え、心を落ち着かせる効果があります。ヨガは、ストレスの軽減、姿勢の改善、心身のリラックス効果を得るための健康法として広く実践されています。


Dr. ChatGPT:

これらを基に、水氣道とこれらの武術・健康法の違いや共通点について考察を進めていければと思います。ドクター飯嶋様、これらの概略を参考にして、水氣道との比較や独自の特徴について何かお考えがあればお聞かせいただけますか?

 

 

ドクター飯嶋:

ありがとうございます。いずれも、興味深い適切な例だと思います。それではまず、あなたが認識している太極拳の視点から水氣道を概観すると、どの様な哲学や特徴が洞察されてきますか?

 

Dr. ChatGPT:

ありがとうございます。太極拳を視点に置いて水氣道を概観すると、いくつかの哲学や特徴が浮かび上がってきます。太極拳と水氣道の共通点や相違点を考えることで、水氣道ならではの独自の要素がより鮮明に見えてきます。


1. 動きのリズムと流動性

• 太極拳:

太極拳は、ゆっくりとした動きの中で、体全体の調和を図ることが重要です。動きが止まることなく、常に滑らかで連続的であることが求められます。これは、陰と陽のバランスを取るという太極拳の哲学に根ざしています。


• 水氣道:

水氣道でも、動きの流動性が重視されますが、ここでは水中という特有の環境がその動きを支えます。水の抵抗や浮力を活かすことで、無理なくスムーズに動くことができ、心身の調和を自然に実現します。特に「航法」では、自然な呼吸と動作が一体となり、体全体のバランスが水の中で調整されます。この流れを止めずに継続するという点では、太極拳と水氣道には共通の理念があるといえます。

 


2. 呼吸法と心身の統合
• 太極拳:

太極拳では、呼吸と動作が密接に結びついており、呼吸が動作のリズムを支えます。深くゆっくりとした呼吸は、内臓の健康を促進し、心の安定をもたらすと考えられています。呼吸は体内のエネルギーの流れをコントロールする手段ともされています。


• 水氣道:

水氣道においても呼吸が重要な要素ですが、特筆すべきは、特別に呼吸法を意識せずとも自然に理想的な呼吸パターンが形成されることです。これは水圧の持続的な作用によって達成されるため、意識的なコントロールを必要としません。結果として、自然に統合された心身の調和が実現します。この点で、水氣道は太極拳とは異なり、より自然で無理のない形で心身の統合が図られるという特徴を持っています。

 


3. 環境との調和
• 太極拳:

太極拳は、自然との調和を重視し、内外のバランスを取ることにフォーカスしています。体内のエネルギーの流れ(気)を整え、周囲の環境と一体化することで、身体的・精神的な健康を追求します。


• 水氣道:

一方で、水氣道は、文字通り水という環境と一体化することを目指しています。水中での運動は、環境そのものがトレーニングの一環となり、身体が水の特性を活かして自然に調整されます。これは、太極拳における自然との調和と類似していますが、水氣道ではより物理的な環境との一体化が強調されます。

 


4. 全体的なアプローチ
• 太極拳:

太極拳は、身体と心、内外の調和を追求する総合的なアプローチを取ります。動きの中での柔軟性、バランス、呼吸の統合が中心となり、精神的な成長も重視されます。


• 水氣道:

水氣道も全人的な健康を追求しますが、特に統合的なエクササイズとしての側面が強調されています。部分的な動作の訓練もありますが、それは全体の一部に過ぎません。水氣道の稽古では、身体全体のバランスを取ること、自然な動きの中で全身を鍛えることが目的であり、これが他の武術や健康法との大きな違いです。

 


結論
太極拳と水氣道は、共に心身の調和を追求する点で共通していますが、水氣道はより自然で無理のない方法で心身の統合を図るという独自の特徴を持っています。特に、水中という環境が重要な役割を果たしており、太極拳の内的な調和に対して、外的な環境との調和が強調されている点が興味深いです。このような視点から、水氣道の哲学や特徴がより深く理解できると思います。

 

ドクター飯嶋様、この観点から水氣道の独自性についてさらにお考えやご意見があれば、お聞かせいただけますか?

 

ドクター飯嶋:

ありがとうございます。あなたが、なぜ太極拳を例にあげてくださったのかについても良く理解できました。比較によって、水氣道の特徴が浮き彫りになって説明されています。ついで、次回は、ヨガについても、同様の分析と考察を加えてください。

 

前回はこちら

 


臨床産業医オフィス
<高円寺南労働衛生コンサルタント事務所>
産業医・労働衛生コンサルタント・第一種作業環境測定士・衛生工学衛生管理者


飯嶋正広

 


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はじめに

 

皆さん、こんにちは。今日は「肝臓」と労働ストレスについてお話しします。肝臓は体内で最も大きな臓器であり、非常に多くの役割を担っています。肝臓は有害物質の解毒や、栄養素の代謝、血糖の調整、そしてホルモンの管理などにおいて中心的な役割を果たしています。また、強い再生能力を持ち、損傷を受けても修復が可能な臓器です。

 

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1. 肝臓の働き


肝臓の主な働きには以下のものがあります。


• 胆汁の合成と分泌:
肝臓は1日に約1,000mlの胆汁を分泌します。胆汁はアルカリ性で、消化酵素は含まれませんが、脂肪を乳化し、その分解を助ける役割があります。胆汁は胆のうに一時的に貯留され、脂肪の消化を促進します。


• 代謝作用:

肝臓は、栄養素の代謝において中心的な役割を果たします。

・ グリコーゲンの生成・分解:

肝臓は血糖値を調整するために、グリコーゲンを生成し、必要に応じて分解して血中にブドウ糖を供給します。

 

・ 血漿タンパク質の生成:

肝臓は、アルブミンなどの血漿タンパク質を生成し、体内のさまざまな機能に寄与します。

 

・ 血液凝固物質の生成と阻止:

肝臓は、血液凝固に関与する物質や、それを阻止する物質も生成します。

 

・ アミノ酸代謝:

アミノ酸の分解と再利用は肝臓の重要な役割の一つです。

 

・ 脂肪酸の分解とコレステロールの合成:

肝臓は脂肪酸を分解し、同時にコレステロールも合成します。


• 貯蔵作用:

肝臓はグリコーゲンや、脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E)を貯蔵し、必要に応じてこれらを供給します。

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2. ストレスが肝臓に与える影響


肝臓は非常に多くの役割を担っているため、ストレスがかかるとその機能にさまざまな影響が及びます。特に慢性的なストレスや過度のストレスは、肝臓の働きを大きく乱します。


1. ストレスと血糖調節

 

• ブドウ糖産生の増加:

ストレス下では、コルチゾールやアドレナリン(エピネフリン)といったストレスホルモンが分泌され、肝臓に蓄えられたグリコーゲンが血中に放出され、エネルギー源として利用されます。


• 慢性ストレスと高血糖:

ストレスが長期間続くと、コルチゾールレベルが上昇したままになり、血糖値が持続的に高い状態が続きます。これが原因でインスリン抵抗性が発生し、最終的には肝臓への負担が増大し、2型糖尿病のリスクが高まります。

 


2. 解毒と酸化ストレス


• 毒物負荷の増加:

ストレス下では、アルコールや薬剤、不健康な食習慣の影響で、肝臓が毒物を解毒する負担が増加します。特にストレス時にアルコールを摂取する習慣が増えると、肝臓にかかる負荷が大きくなり、肝障害が進行します。


• 酸化ストレス:

長期間のストレスは、体内で**活性酸素種(ROS)**の産生を増加させ、肝細胞にダメージを与えます。これが進行すると、肝臓に炎症が起こり、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)や肝線維症を引き起こす可能性があります。

 


3. 肝機能と職場の健康診断


職場の一般健康診断では、肝機能を評価するためにAST(GOT)、ALT(GPT)、およびγ-GTPの検査が行われます。


• AST(GOT)とALT(GPT):

これらの値が上昇すると、肝臓の細胞にダメージがある可能性を示唆し、肝炎などの肝疾患の兆候です。


• γ-GTP:

この値は、特にアルコール摂取量に反応しやすく、アルコール性肝障害の指標となります。アルコールの摂取が多いと、この値が上昇します。

 

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3. 肝臓の健康を守るためのストレス管理


肝臓の健康を維持するためには、日常的なストレス管理が非常に重要です。以下のポイントを日々の生活に取り入れることが推奨されます。


• 定期的な運動:

運動は、コルチゾールを減少させ、肝臓の負担を軽減します。また、インスリン抵抗性を改善し、血糖値の管理に役立ちます。


• 健康的な食事と飲酒の管理:

アルコールや加工食品を控え、バランスの取れた食事を取ることで、肝臓への負担を軽減することができます。


• 十分な水分補給:

水分をしっかり取ることも、肝臓の機能を保つために重要です。老廃物の排出を促進し、代謝機能をサポートします。

 

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まとめ


今回は、肝臓がストレスによってどのように影響を受けるかについてお話ししました。肝臓は私たちの体の中で中心的な役割を果たしており、ストレスによってその機能が阻害されると、全身の健康にも悪影響が及びます。日常的なストレス管理を通じて、肝臓の健康を維持し、全身の健康を保つことが大切です。


質問があれば、どうぞ遠慮なくお聞きください。ありがとうございました。

 

前回はこちら

 



臨床産業医オフィス

<高円寺南労働衛生コンサルタント事務所>

産業医・労働衛生コンサルタント・第一種作業環境測定士・衛生工学衛生管理者

飯嶋正広

 

 

この講話では、心臓の仕組み、体循環と肺循環のメカニズム、血液の役割について説明しました。次回の講話でも、血液や他の重要臓器について順を追って解説し、理解を深めていただければと思います。


心拍の間に心臓から拍出される血液の環流量(すなわち、心臓が送り出した血液)は、肺を100%通過します。これは、全身の静脈血が右心房に戻り、右心室から肺動脈を通じて肺に送り出され、酸素を補給された血液が再び心臓(左心房)に戻ってくるという肺循環があるためです。では、全身における血液の分配率について、心臓、脳、肝臓、腎臓、骨格筋への血流量の分配を詳しく説明します。

 

血液の分配率(安静時)
心拍あたりの血液の循環量(心拍出量)は、安静時には約5リットル/分です。この血液は、体内の主要臓器や組織に適切に分配されます。それぞれの臓器や組織は、全身血流量のうち、一定の割合の血液を受け取っています。以下に代表的な臓器・組織への血流分配率を示します。


臓器・組織 血流分配率(%)
肺 100
肝臓 25
腎臓・骨格筋 20
脳 15
心臓・消化管 各5
皮膚 1
臓器・組織への血流分配率



心拍ごとに送り出される血液の総量(心拍出量)は、全身の臓器に分配されています。肺は100%の血流を受け取り、他の臓器もそれぞれの機能に応じた割合で血液を供給されています。心臓は5%、脳は15%、肝臓は25%、腎臓は20%、骨格筋は15~20%といった分配率です。この分配率は、安静時のものですが、活動状況や体調に応じて変動します。特に運動時には、骨格筋への血流が大幅に増加します。

 

__________________

 

1. 肺:100%


• 役割:

肺は、酸素を補給し、二酸化炭素を排出する重要な場所です。肺には、右心室から送り出された全ての血液が流入し、酸素化されて左心房へ戻ります。したがって、肺には100%の血液が1回の心拍ごとに流れ込みます。

 

________________

 

2. 心臓:全心拍出量の 約5%


• 血流量: 250 ml/分


• 役割:

心臓自体も酸素や栄養を必要とします。心臓に血液を供給するのは冠動脈です。冠動脈は全心拍出量の約5%、つまり毎分約250mlの血液を受け取ります。これにより、心筋が酸素と栄養を得て、継続的に収縮することが可能になります。

 

______________

 

3. 脳:全心拍出量の 約15%

 

• 血流量: 750 ml/分

 

• 役割:

脳は酸素とエネルギーを大量に消費するため、安静時でも全心拍出量の約15%が脳に供給されます。これは毎分約750mlの血液に相当します。脳への血液供給は、酸素欠乏に対して非常に敏感であり、短時間でも血流が不足すると意識障害などが発生します。

 

___________________

 

4. 肝臓:全心拍出量の 約25%

 

• 血流量: 1,250 ml/分

 

• 役割:

肝臓は、消化管や脾臓からの血液を受け取る門脈と、大動脈から直接供給される肝動脈の2つの経路から血液が供給されます。肝臓は、栄養素の代謝や毒素の分解などの重要な役割を担うため、大量の血液供給が必要です。全心拍出量の約25%が肝臓に送られます。

 

____________

 

5. 腎臓:全心拍出量の 約20%

 

• 血流量: 1,000 ml/分

 

• 役割:

腎臓は、体内の老廃物を濾過し、尿として排出する役割を担っています。このため、安静時でも全心拍出量の約20%、つまり毎分約1リットルの血液が腎臓に供給されます。腎臓は血液を濾過するため、非常に豊富な血流が必要です。

 

___________________

 

6. 骨格筋:全心拍出量の 約15~20%

 

• 血流量: 750~1,000 ml/分

 

• 役割:

骨格筋は、運動時に活発に活動しますが、安静時にも約15~20%の血液が供給されます。この血流は、筋肉組織に酸素や栄養を供給し、代謝産物を除去するために必要です。運動時には、この割合が大きく増加し、骨格筋への血流量が大幅に増加します。

 

__________________

 

その他の臓器

 

• 皮膚: 全心拍出量の約 4~5%。皮膚への血流は、体温調節のために利用されます。

 

• 消化管: 全心拍出量の約 20~25%。食事後に増加し、消化・吸収を助けます。

 

____________

 

ストレスは体内の血液分布に大きな影響を与えます。ストレスを感じると、身体は「闘争か逃走か」反応を活性化し、交感神経系を刺激する。この反応は、アドレナリンや ノルアドレナリン(カテコールアミン)などのストレスホルモンによって媒介され、さまざまな臓器への血液の分布にいくつかの変化を引き起こします:

 

血液分布に対するストレスの主な影響:

1. 筋肉への血流量の増加:

 カテコールアミン(アドレナリンとノルアドレナリン)は骨格筋の血管を拡張させます。これにより筋肉への血流が増加し、急激な身体活動に備えます。

 この血流増加により、筋肉はより多くの酸素と栄養素を受け取ることができ、ストレス状況に対する潜在的な反応(例えば、闘争か逃走か)に必要なエネルギーが供給されます。

 

2. 消化器官への血流低下:
 ストレスがかかると、消化器系など必要のない部位の血管が収縮します。ストレス中は消化が優先されないため、胃、腸、肝臓への血流が減少します。
 ストレスの多い状況で消化不良や吐き気、食欲不振が起こるのはこのためです。

 

3. 心拍数と心拍出量の増加:
 ストレスは心拍数と心拍出量(心臓が1分間に送り出す血液の量)を増加させます。つまり、より多くの血液が全身に送り出され、脳、心臓、筋肉などの重要な臓器への酸素供給量が増加します。

 

4. 血圧の上昇:
 血圧は、身体の特定の部位における血管収縮(血管の狭窄)により上昇します。これにより、脳や筋肉など、生存に最も必要な部位に血液が送られるようになります。
慢性的なストレスが長く続くと、この絶え間ない血管収縮のために高血圧(高血圧症)になる可能性がある。

 

5. 皮膚の血流低下:
 短期的には生存に重要な部位ではないため、ストレス中は皮膚への血流が減少します。このため、特に急性ストレス時には、四肢が冷たく感じたり、青白く感じたりすることがあります。


6. 脳への血液供給の促進:
 ストレス時には脳への血流が増加し、注意力、集中力、意思決定能力が高まります。このため、ストレスの多い状況に素早く対応できるようになります。

 しかし、慢性的なストレスは、海馬など記憶や感情の調節に関わる脳部位に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

ストレスが血液分布に及ぼす長期的影響:

 慢性的なストレスは、心臓や血管に常に負担をかけるため、高血圧、心臓発作のリスク増加、脳卒中など、長期的な心血管障害を引き起こす可能性があります。

 消化器官から血流が持続的に逸脱することで、過敏性腸症候群(IBS)などの胃腸障害を引き起こす可能性があります。
 ストレスに関連したホルモンバランスの乱れは、血流調節を損ない、長期的に代謝障害を引き起こす可能性があります。

 

まとめ:

ストレスがかかると、血液は主に筋肉、脳、心臓に再分配され、即座の行動に備えます。その結果、消化器系や 皮膚への血流が犠牲になります。この反応は短期的な状況では有益ですが、慢性的なストレスは血液循環に有害な影響を及ぼし、心血管疾患などの長期的な健康問題を引き起こす可能性があります。

 

 

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Dr. ChatGPT:

「水氣道の実践における『航法』や特有の稽古の内容について、もう少し具体的に知りたいです。特に『航法』の目的や意義、またどのように実践されているのかを詳しくお聞かせいただけますでしょうか?」


ドクター飯嶋:

はい、まず「航法」についてですが、水氣道における「航法」は、柔道でいえば「形(かた)」のようなものだと考えていただくと分かりやすいかと思います。「航法」とは、水氣道における一連の動作や技術を指すもので、その目的は単に身体を鍛えるだけでなく、心身の調和や健康維持を図ることにあります。水氣道では、基本的に柔軟性と筋力をバランスよく養うことが重視されていますが、特に「航法」では、流れるような動きの中で、力を入れずに自然な形で身体を動かすことが求められます。これは、心身の一体感を感じるための非常に重要な要素です。


水氣道の稽古プログラムには決まった流れがあり、原則として5つのパートを順番にこなしていきます。


Dr. ChatGPT:

なるほど、柔道の「形」に相当するものとして「航法」があるのですね。その5つのパートについてもう少し詳しく教えていただけますか?


ドクター飯嶋:

もちろんです。1回の水氣道の稽古は、以下の5段階で構成されています。最初に「親水航法」、次に「準備体操(通称、イキイキ体操)」、さらに「基本五航法」、その後に複数の航法が適宜選択され、最後に「整理体操(通称、ノビノビ体操)」が行われます。この流れが100分間の本稽古の基本的な構成です。


Dr. ChatGPT:

それぞれのパートが特定の目的を持っているのですね。では、半稽古の場合はどのように進められるのでしょうか?


ドクター飯嶋:

半稽古は50分間で行われるものですが、この場合は、「親水航法」、「準備体操(イキイキ体操)」、そして「整理体操(ノビノビ体操)」が必須の流れとして組み込まれます。つまり、時間が短くても基本的な準備と整理運動がしっかりと行われるようになっています。


Dr. ChatGPT:

本稽古と半稽古で内容が異なるのですね。また、「準備体操」や「整理体操」が重要な役割を果たしていることが分かります。それにしても、水氣道は非常に体系的ですね。
ドクター飯嶋: そうですね。水氣道は、各種の航法と体操によって成り立っています。もともと、体操は定置で行う運動、航法は移動を伴うものとして分類されていましたが、「準備体操(イキイキ体操)」は進化を遂げて発展し、前進を伴いながら全員が一列になってプールの両端でスイッチバックを行います。


例えば、航法の動きの中には、水中でのゆっくりとした呼吸法や、体幹を意識したスムーズな動作があります。これらは、筋力に頼るのではなく、呼吸と姿勢のバランスを取ることを意識しながら行われます。このプロセスを通じて、参加者は自分自身の内面に目を向け、心身の調和を追求します。


航法のもう一つの重要な意義は、リラックスした状態で動作を行うことで、日常生活のストレスを軽減し、心の平穏を保つことです。このため、航法は水氣道において中心的な役割を果たし、他の武術や健康法とは異なる、独自の実践として位置づけています。


Dr. ChatGPT:

興味深いですね。「準備体操」が前進を伴うものに進化したというのは、団体での協調性を高める要素も含まれているのでしょうか?


ドクター飯嶋:

その通りです。水氣道は団体エクササイズであり、各参加者の上達度に応じた階級があります。そのため、航法によっては、技量に応じて分級を行い、それぞれに適したプログラムを実施します。ただし、体操は全員で行いますので、参加者全員が一緒に取り組むことが重要です。


Dr. ChatGPT:

階級に応じたプログラムの分級と、全員で行う体操の組み合わせが、水氣道の稽古における一体感と個別の成長を両立させているのですね。非常にバランスの取れたシステムだと感じました。