前回はこちら



水氣道稽古の12の原則(1)心身統合の原則

 

心身統合とは何か?ということについて、まず、自分が健常者あるいは健康だと信じている人たちといえども、日々、心と身体のアンバランスに悩ませられている方が多いということから考えていきましょう。

つまり、それだけ、自力では心身の不統合は気づかれにくい、気づきにくい課題だということであり、意識化されていないために、有効なケアや予防的な訓練が行われないまま放置されている課題だということになります。


心身統合は、単なる精神統一をはかるためのメンタルトレーニンではありません。

そこで、逆説的ではありますが、心身統合とは何かを理解するためには、心身統合の対極にある最も重い(心身分離、解離の)精神障害である PTSD やトラウマ関連の研究から学んで健常者の日常的実践に繋げていくことが有意義であると考えます。

「光(意識)」と「影(無意識)」の統合によってこそ、本当の意味での『光明』の域(トランスパーソナル領域)に入ることが可能となります。心身統合のプロセスに関わる実践上の問題点は、PTSD とトラウマの知見を深めることでより鮮明になります。
 

そもそも、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状は、アメリカで 1970 年代以降、特にベトナム戦争によってトラウマを受けた兵士の調査や、主に女性に対する性的暴行などの調査を通じてよく知られるようになり、1980 年に正式な診断名として DSM-III(米国精神医学会 APA の診断基準)に登場したものです。

日本では特に、1995 年の “ 阪神・淡路大震災 ”や同時期に起きた “ 東京地下鉄サリン事件 ” などを契機として一般にも浸透しました。
 

「水氣道は防災訓練に通じる」という私の言葉を度々聞いている方は、その理由がお分かりいただけるものと思います。トラウマは、心だけではなく身体にも深い傷つきと影響を与えます。

記憶や神経系など最新の科学的研究をもとに、身体接触をせずに身体に働きかける方法として心身統合的アプローチが心理療法の領域に紹介されています。
 

水氣道®で実践している心身統合アプローチとは、心理アプローチの理論と行動実践を統合することです。これは、水氣道の心・技・体の原則と共に水氣道実践の五原則の一つである、「統合性の原理」を構成します。

 

1)脳科学・神経生理学等の科学の世界と臨床心理学・心理療法の世界との橋渡しする心身医学的アプローチです。

 

2)言葉が中心の旧来の心理療法の世界と言葉と非言語の双方を統合して利用する身体心理療法(ボディ・サイコセラピー、またはソマティック心理学)とを橋渡しするアプローチです。
 

 

とは言え、水氣道の会員にとって馴染みにくいのは、水氣道の稽古体系に自然に取り入れられているメンタルトレーニングとしての要素ではないかと思われます。

 

メンタルトレーニングは、自分で自分のこころを制御する能力を高めるために行います。自分のこころを制御するためには、自分の現状を把握し、課題を解決するための稽古を行うことが大切です。競技だけでなく、生活全般の自身の感情や行動、身体やこころの状態や課題、こころと身体のつながりを知ることがこころを制御するための第一歩になります。

 

日本では、「ちゃんちゃらおかしい。笑止である。」という意味で「片腹痛し」という古語があります。これは傍ら(カタハラ)を片腹の意に誤ったことから起こった語だとさています。これは、日本人が相手の言動によって心理面だけでなく身体面にまで影響を受けることがあることを象徴しているかのような言葉です。古来から「頭が痛い」、「胸が熱い」、「断腸の思い」、「足が重い」など身体の状態を示すことによって、こころの状態を比喩することがあります。これは両者が切り離して考えられないということを示しています。

 

自分の現状を理解し、課題に対する自分なりの対処方法を身につけることで発揮できる実力(パフォーマンス)の向上につながっていきます。こころも、技術や体力トレーニングと同じように継続的に稽古することが必要です。

 

凡そ意味のある人間活動には、多少なりとも緊張や興奮を伴います。むしろ、適度な緊張や興奮は活動の資源になります。

ただし、緊張や興奮のレベルは、高すぎても低すぎても、パフォーマンスは低下します。緊張や興奮が高過ぎれば力みや焦り、注意散漫などにつながります。反対に、それらが弱過ぎるとぼんやりとしてしまったり、集中できなくなったりしてしまいます。

一般的に、緊張・興奮が強い場合にはリラクセーションによって気分を落ち着かせます。緊張・興奮が弱い場合にはサイキングアップによって気分を高揚させます。

 

いずれ、リラックスする方法として呼吸法と自律訓練法や筋弛緩法(漸進的筋弛緩法)、気持ちを盛り上げる方法としてサイキングアップを御紹介することになるでしょう。

9月18日のWall Street Journal(日本語電子版)によると、

「日本の新リーダー、米中緊張で難しいかじ取りに同盟国の米国と経済的な利益がからむ中国との間で」


という記事で、日本で最も大きな経済的影響力をもつ経済団体である経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)(74歳)は、『日米同盟が何より優先であることを中国に明示すべきだ』とするJR東海の葛西敬之名誉会長(79歳)の意見に対して『そうした態度は自滅的だ。できるだけ仲良くすべきだ。』と述べています。

 

私は『(中国とも)できるだけ仲良くすべきだ。』という総論には賛成ですが、葛西会長の真剣な意見に対して『そうした態度は自滅的だ。』とまで発言することに違和感を覚えます。第一、いささか無礼なのではないでしょうか。一言で言えば、わが国に広くはびこっている典型的狡猾的偽善者です。

 

この中西という人物は、決してバカではありません。かつて東京大学文科二類を受験するが、不合格、ただし、1年の浪人を経て理科一類へ入学、工学部電気工学科を卒業し、日立製作所へ入社、その後、スタンフォード大学大学院でコンピュータエンジニアリング学修士課程を修了しています。

東大の理科から文科という変更は珍しくないが、この人物は決断力と実行力は並みではないと思われます。

 

その後、リーマンショックなどの影響から経営危機に陥った日立の再建のため異例の人事で本社に復帰し、社長や会長兼最高経営責任者を歴任し、V字回復による同社の再建を実現しています。

「強い日立」を経営のスローガンとし、福島第一原子力発電所事故の後も原子力発電を推進してきましたが、2019年5月から悪性リンパ腫の検査・療養をしているとのことです。2020年10月5日、病室からのオンライン記者会見で、ドナルド・トランプアメリカ合衆国大統領の新型コロナウイルスへの感染について、「ちょっと不注意ではないか。ある意味、典型的な自業自得だ」との見解を示しました。

たしかに、トランプ氏は不注意ではあり、バイデン氏のように慎重な杉並国際クリニックの患者の皆様と比較してもかなりの劣等生です。

しかし、彼は、いとも簡単に周囲の空気を読んでしまい、その空気に流されて国策をしくじるような意志の弱いリーダーではありません。

仮に彼がバイデン氏のようにきちんとマスクをして、おとなしく引き籠っていたとしても、ホワイトハウス内外に自由に出入りしている見えない中国エージェントによって感染させられていた可能性があります。

トランプ氏は中国によるコロナ暗殺計画をすでに認識していたと思います。

彼は決して上品ではありませんが、米国にとっての本音を世界に明らかにし、私たちの米国理解を助けてくれた恩人かもしれません。

 

これまでのように鳩派でリベラルを看板にしながら謀略の限りを尽くす米国民主党の実像を知ることもできました。

これに対して日米の大手メディアは何と偽善的なのでしょうか。

私はニューヨーク・タイムもウォールストリートジャーナルも購読していますが、今年からは、常に騙されないように読みながら、日本語や英語以外の情報で裏付けしながら分析することによって、世界の構図がよりはっきりと見えてきました。

TVだけを見ていると、本当にバカになってしまいます。つまり、私たちは、手っ取り早い便利なメディアにバカにされ、食い物にされているのです。

 

それを知ってか知らずか、中西氏は中国共産党のボスである習近平氏には格別の配慮をする一方で「自由主義圏の世界のリーダーに対して『典型的な自業自得だ』」とまで言い切ってしまいます。

そうした中西氏の国際感覚には愕然とします。EU諸国をはじめ良識ある諸外国から蔑視され、とえいわけ米国に恨みを買うばかりでなく、中国共産党に抑圧されている人民の恨みも買うことになるでしょう。

 

いささか極論と受け取られる嫌いがありますが、国際政治経済のインテリジェンスのある政経リーダーの中で、来る米国大統領選でトランプ氏が敗北するのを望んでいるのはわが国では自民党の二階氏と経団連の中西氏が双璧だと思います。

少なくともEU圏ではとっくに中国離れに舵を切っていて、トランプが敗北した場合の懸念が読み取れます。

 

日米の大手メディアとリベラルを自称する極左の学者のようにトランプ氏の敗北を予想していますが、私はトランプ大統領の勝利を予測しています。

 

今年のコロナパンデミックの成り行きに対する私の予測は90%以上が当たりましたが、政治経済は勝手が違うので、さあ、どうなることでしょう⁉

 

そこで、ベルリンのSWPの記事を読んでみましょう。

 

EU-Sondergipfel: Klare und gemeinsame Position gegenüber China
EU特別首脳会議:中国に対する明確かつ共通の立場

 

Kurz gesagt, 30.09.2020
2020年9月30日

 

Regionen: China
地域:中国

 

Themen:
テーマ:

 

EU-Außenhandel und -Außenwirtschaftspolitik, Europarat, Europäische Union, Europäische Außenpolitik, Handelsbeziehungen, Menschenrechte, Wirtschaft und Finanzen eines Landes / einer Region, Handelspolitik
Angela Stanzel

Während des EU-Sondergipfels sollten das EU-China-Investitionsabkommen sowie die Menschenrechtslage in China auf der Tagesordnung stehen. Bei beiden Themen sollten die Mitgliedstaaten zu einer entschlossenen Position kommen. Das kann sich die EU auch leisten, meint Angela Stanzel.
Anfang Oktober kommt der Europäische Rat zu einem Sondergipfel in Brüssel zusammen. Auf der Tagesordnung steht unter anderem das Thema einer gemeinsamen Strategie gegenüber China. Die Staats- und Regierungschefs sollten hier die Themen Investitionsabkommen und Menschenrechte aufgreifen und zu einer klaren gemeinsamen Position kommen. Sie können diese selbstbewusst vertreten und Zugeständnisse von China fordern. Denn gerade heute ist das Land von der EU so abhängig wie selten zuvor.
Das liegt zum einen am Konflikt mit den USA, mit denen sich China seit zwei Jahren in einem Handelsstreit befindet. Selbst wenn im November US-Präsident Donald Trump die Präsidentschaftswahl verliert, kann China nicht mit einer Kehrtwende der amerikanischen China-Politik rechnen. Einen Konflikt an zwei Fronten, also mit den USA und der EU, wird die chinesische Regierung daher auch zukünftig zu vermeiden versuchen.
Zum anderen hängt Chinas wirtschaftliches Wachstum auch von der Entwicklung auf dem Weltmarkt ab – und das gerade im Kontext der COVID-19-Pandemie. Zweistellige Wachstumsraten hatte das Land zuletzt im Jahr 2010. Im vergangenen Jahr legte das chinesische Bruttoinlandsprodukt nur noch um 6,1 Prozent gegenüber dem Vorjahr zu. Bei einer durch die COVID-19-Pandemie ausgelösten schweren wirtschaftlichen Krise, etwa durch das Wegbrechen von Lieferketten zwischen der EU und China, drohen großflächige Insolvenzen, insbesondere im chinesischen Mittelstand. Millionen Arbeitsplätze wären gefährdet.
China braucht daher seinen größten Handelspartner mehr denn je: die EU. Im vergangenen Jahr belief sich das gesamte Handelsvolumen zwischen beiden auf mehr als 540 Milliarden Euro. Der europäische Markt bietet 500 Millionen Konsumenten sowie Technologien, Unternehmen und Know-how, die China benötigt, um seine im Hochtechnologiebereich angestrebte Spitzenposition zu erreichen.

 

トピックス
EUの対外貿易と対外経済政策、欧州評議会、欧州連合、欧州の対外政策、貿易関係、人権、一国・地域の経済・金融、貿易政策
アンジェラパンチ

EU特別首脳会議では、EUと中国の投資協定と中国の人権状況を議題にすべきである。いずれの問題についても、加盟国は毅然とした態度をとるべきである。EUには余裕があるとアンジェラ・スタンツェル氏は言う。
10月初旬、欧州理事会はブリュッセルで臨時首脳会議を開催する。議題の一つに、中国に対する共通の戦略がある。各国首脳は、投資協定や人権問題を取り上げ、明確な共通の立場に立つべきである。自信を持ってこれらを擁護し、中国に譲歩を要求することができる。結局のところ、今日は特に、以前よりもEUに依存している国である。
その理由の一つに、中国が2年前から貿易紛争を起こしているアメリカとの対立がある。11月の大統領選挙でドナルド・トランプ米大統領が敗北したとしても、中国は対中政策の大転換を期待できない。そのため、中国政府は今後も米国やEUとの2つの面での対立を避けようとするだろう。
一方で、中国の経済成長は世界市場の動向にも依存しており、特にCOVID19のパンデミックの文脈では、中国の経済成長は世界市場の動向に依存している。中国の直近の二桁成長率は2010年で、昨年の中国の国内総生産はわずか6.1%の増加にとどまった。COVID-19パンデミックに端を発した深刻な経済危機、例えばEUと中国間のサプライチェーンの寸断などが発生した場合、中国の中小企業を中心に大規模な債務超過が発生する恐れがある。何百万人もの雇用が危険にさらされることになる。
そのため、中国はこれまで以上に最大の貿易相手国であるEUを必要としている。昨年の2つの間の貿易の総量は、540億ユーロ以上に達しました。欧州市場は5億人の消費者に加え、中国がハイテク分野で主導的な地位を目指すために必要な技術、企業、ノウハウを提供している。

 

 

Unzureichende Fortschritte beim EU-China-Investitionsabkommen

 

EU・中国投資協定の進展が不十分

 

 

Zuletzt trafen sich die EU und China Mitte September zu Spitzengesprächen. Zu den seit 2014 laufenden Verhandlungen über ein Investitionsabkommen zwischen beiden hat es auch dort aus Sicht der EU keine für einen Abschluss ausreichenden Fortschritte gegeben. Sie forderte Verbesserungen, insbesondere bei Marktzugang und nachhaltiger Entwicklung. China sagte zwar weniger staatliche Einflussnahme auf seine Staatsbetriebe sowie mehr Transparenz bei technologischen Transfers und Subventionen zu. Die Regierung drückte sich damit aber um die zentrale Forderung der Europäer. Deren Unternehmen haben nach wie vor nur sehr eingeschränkten Zugang zum chinesischen Markt – vor allem in der Digitalbranche, im Bereich der Elektromobilität und dem Gesundheitssektor. Für chinesische Unternehmen ist die EU hingegen ein weitgehend offener Markt, auch wenn die Investitionskontrollen in den vergangenen Jahren verschärft wurden.

 

直近では、9月中旬にEUと中国がトップレベルの会談を行った。2014年から続いている両国間の投資協定交渉において、EUは協定締結に向けて十分な進展があったとは考えていない。それは、特に市場アクセスと持続可能な開発において改善を求めた。中国は、国有企業に対する国家の影響力を減らし、技術移転や補助金の透明性を高めることを約束した。しかし、(中国)政府はこのようにして、ヨーロッパ人の中心的な要求を軽視したのである。彼らの企業は中国市場へのアクセスがまだ非常に限られており、特にデジタル分野、エレクトロモビリティ分野、健康分野でのアクセスは非常に限られている。一方、中国企業にとっては、近年投資規制が強化されているとはいえ、EUは大きく開かれた市場である。

 

 

Verbindliche Schritte hin zu größerer Öffnung des chinesischen Markts sowie verbessertem Investitionsschutz kann die EU nur erreichen, wenn sie bei einer harten Verhandlungsposition bleibt. Sie muss auf ihren Forderungen bestehen, so wie sie es während des September-Gipfels und auch in den sechs vergangenen Jahren bereits getan hat. Einzig das drohende Ende der Verhandlungen kann die chinesische Seite zu den Zugeständnissen bewegen, die die EU schon so lange fordert. Angesichts der wirtschaftlichen Abhängigkeit Chinas von der EU ist ein Einlenken Pekings nicht ausgeschlossen. Andernfalls bleibt wohl nur eins: die Verhandlungen zum Investitionsabkommen zu beenden. Dann müsste die europäische Wirtschaft sich mit der strukturellen Benachteiligung in China abfinden, was jedoch bei weiterhin erfolglosen Verhandlungen ohnehin der Fall wäre. China nur um des Abkommens willen entgegenzukommen, wäre nicht zum Vorteil Europas.

 

EUは、中国市場の開放拡大と投資保護の改善に向けた拘束力のあるステップを達成できるのは、EUが厳しい交渉姿勢を維持している場合のみである。9月のサミットや過去6年間のように、要求を主張しなければならない。交渉終了の脅しだけが、中国側を説得して、EUが長い間要求してきた譲歩を実現させることができる。中国の経済的なEU依存度を考えれば、北京の譲歩も否定できない。そうでなければ、投資協定の交渉を終わらせるしかないであろう。そうなれば、欧州経済は中国の構造的な不利な点に折り合いをつけなければならず、このまま交渉が失敗に終われば、いずれにしてもそうなるだろう。中国は合意に応じるだけでは欧州の利益にはならない。

 

 

Die Menschenrechtssituation in China

中国の人権事情

 

 

Ein anderes konfliktbeladenes Thema, mit dem die EU sich weiter auseinandersetzen muss, sind die Menschenrechte in China. Gerade die Lage der chinesischen Minderheiten und Hongkongs sind zunehmend dramatisch. Feste Zusagen zum Schutz der Menschenrechte sind daher wichtig. Bereits während des EU-China-Gipfels wurden die Details vertagt, als die euro¬päi¬sche Seite das Sicher¬heits¬ge¬setz für Hong¬kong und den Umgang mit Minder¬hei¬ten in Tibet und Xinjiang ansprach.

 

EUがさらに取り組まなければならないもう一つの紛争問題は、中国の人権問題である。中国の少数民族、特に香港の状況はますます劇的になっている。したがって、人権を守るための確固たるコミットメントが重要である。すでにEU・中国首脳会談では、欧州側が香港の安全保障やチベット・新疆のマイノリティの扱いを取り上げた際に、詳細は先送りされていた。

 

 

In Xinjiang werden nach Ein¬schät¬zung von Men¬schen¬recht¬lern und Wis-sen¬schaft¬lern bis zu eine Million Uighuren in Um¬er¬zie¬hungs¬la¬gern fest¬ge-hal¬ten. In Hongkong ist seit Anfang Juli ein kontroverses »Sicherheitsgesetz« in Kraft, ein Instrument der chinesischen Regierung, um die Autonomie der Sonderverwaltungsregion einzuschränken und gegen Oppositionelle vorzugehen. Auch verstößt das Sicherheitsgesetz gegen internationales Recht. Es bricht mit dem seit 1984 geltenden Prinzip »Ein Land, zwei Systeme«. Damals einigten sich Großbritannien und China auf die friedliche Übergabe aller Territorien im Jahr 1997 sowie auf Freiheitsrechte und Autonomie der Hongkonger.

 

新疆ウイグル自治区では、人権と科学の専門家が再教育センターに最大100万人のウイグル人が拘束されていると推定している。香港では、中国政府が特別行政区の自治を制限し、反対派の人物に対して行動を起こすための道具として、物議を醸している「安保法制」が7月に入ってから施行されている。安保法制も国際法に違反している。1984年から施行されている「一国二制度」の原則を破るものである。その際、イギリスと中国は1997年に全領土の平和的引き渡しと香港の自由権と自治権について合意している。

 

 

Beim Thema Menschenrechte sollte die EU in Zukunft mehr Beharrlichkeit zeigen als bislang – vor allem Deutschland als größte Volkswirtschaft der EU und Chinas wichtigster europäischer Handelspartner. Beim nächsten EU-China-Menschen¬rechts¬dia¬log, der noch in diesem Jahr stattfinden soll, aber auch bei weiteren EU-China-Dialogen muss die EU konkrete Ergebnisse einfordern. Das bedeutet, die chinesische Seite beim Wort zu nehmen und beispielsweise auf den bereits zugesagten unabhängigen Beobachtern für Tibet und die Arbeitslager in Xinjiang zu bestehen. Darüber hinaus sollte die EU auf dem nun anstehenden Sondergipfel Konsequenzen formulieren für den Fall, dass die chinesische Regierung ihre Menschenrechtspolitik nicht ändert. Das könnten ein Verbot für den Import von Produkten aus Zwangsarbeit oder andere Sanktionen gegen beteiligte Personen sein.

 

人権の問題に関しては、EUは今後、これまで以上の忍耐力を発揮すべきである。今年後半に開催される次回のEU・中国人権対話をはじめ、他のEU・中国対話においても、EUは具体的な成果を求めなければならない。これは、中国側の言葉を鵜呑みにして、例えば、チベットや新疆の労働収容所のためにすでに約束されている独立監視員を主張することを意味する。また、現在開催中の特別首脳会議では、中国政府が人権政策を変更しない場合、EUは結果を策定すべきである。これらは、強制労働からの製品の輸入禁止や、関係者に対する他の制裁などが考えられる。

 

 

Entschlossenheit und Geschlossenheit sind es, die die EU beim anstehenden EU-Sondergipfel aufbringen muss. Dass dies gelingt ist nicht so unwahrscheinlich wie noch vor einigen Jahren. Gerade bei diesen zwei Themen, Investitionsabkommen und Menschenrechte, tritt die EU mittlerweile immer geschlossener gegenüber China auf. Nun braucht es starke Vorreiter wie Deutschland und Frankreich, die auch bei den hier vorgeschlagenen Schritten Einigkeit unter den EU-Mitgliedstaaten herbeiführen.

 

決意と団結こそが、来るべきEU特別首脳会議でEUが示さなければならないものである。数年前のように成功する可能性は低くない。特に投資協定と人権という2つの問題について、EUは現在、中国に対してより一貫した行動をとるようになっている。今ではドイツやフランスのような強力な先駆者が必要であり、ここで提案された手順でEU加盟国間の結束をもたらすことができる。

第4週:神経病・内分泌・代謝病    

 

前回はこちら


 
認知症になって施設で生活している老親に久しぶりに会いに行ったところ「あなた誰?」といわれて悲しくなった、という話をときどき聞きます。実の親にそのように言われたらとてもショックだと思います。そして「悲劇が始まった」と感じた方もいらっしゃいました。このように、よく知っている人の顔を見てもその人が誰かわからない病態を相貌失認といいます。

 

前回まで、カプグラ症候群の症例を解説しました。今日は要点を整理してみます。
1990年にEllisとYoungは、カプグラ症候群を相貌失認に妄想的加工が加わったものと解釈する「相貌失認の鏡像」仮説を提唱しました。この仮説では、相貌の情報処理に関わる二経路が仮定されています。

 

① 後頭葉の視覚皮質から下縦束を通り側頭葉へ至る「腹側経路(意識的な相貌の認知に関与)」及び

 

② 後頭葉の視覚皮質から下頭頂小葉を経由して大脳辺縁系へと至る「背側経路(無意識的な相貌の認知に関与)」です。

 

 

 

相貌失認は①腹側経路のみの障害で②の背側経路は健全な場合で、カプグラ症候群は、①腹側経路が健全で、②背側経路のみの障害として説明されます。

 

① 正常な腹側経路によって相貌そのものは正しく意識的に処理されるが、

 

② 背側経路の損傷により、既知の相貌に対する無意識の「親しみ」が感知されなくなため、結果的に「この顔は知人の特徴を備えているが「親近感」が沸かない」といった葛藤が生じることになります。この葛藤を何とか解決しようとする心理的メカニズムが働くために、「瓜二つだが偽物である」という誤判断が生まれるとされます。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

頭部外傷後にカプグラ症候群を呈したが、人物誤認は対象を見た場合にのみ生じ、電話で話した場合には生じなかった、という症例をHirsteinとRamachandranが提示しました。このような症状では、障害が聴覚提示では出現せず、視覚提示によってのみ出現している点で、上記のEllisとYoungの仮説と矛盾しません。

 

後頭葉は視覚情報を司り、一次視覚野と視覚前野 によって構成されます。したがって、頭部外傷や脳血管障害あるいは脳腫瘍などの疾患が後頭葉で生じると視覚に関する認知が障害を受けることになります。

 

一次視覚野は、視覚情報から形、色、動き、奥行きなどの情報を抽出し、各情報を、より高次の視覚野へ送ります。この領域が障害されると、同名半盲やアントン症候群を来すことがあります。両側の後大脳動脈遠位部(後頭葉皮質の鳥距野または視放線)が障害されると両側の一次視覚野が広汎に障害されて完全な盲(皮質盲)になりますが、ときに目が見えていないこと(盲)を否認し、「見えている」かのようにふるまったり、腫脹したりすることがあり、これをアントン症候群といいます。

 

視覚前野は、一次視覚野の視覚情報を処理・統合し、物体の認識や空間認知を高次の視覚野です。この領域が障害を受けると、以下のようなさまざまな障害が生じます。

 

・相貌失認:よく知っている人の顔を見てもその人が誰かわからない。

 

・物体失認:聴覚などでは物体の同定が可能だが、視覚だけではが同定できない障害。

 

・色彩失認:色名の呼称、物品と色の照合ができない(塗り絵などができない)

 

・視覚性運動盲:対象の動きを認識できず、静止して見える。
ただし、上記の生涯のうち、相貌失認と物体失認は、後頭葉から側頭葉にかけての部位(側頭後頭葉:舌回、紡錘状回など)が責任病巣と考えられています。

 

・・・・・・・・・・・・
 

それまで見慣れて親しんできた対手に「親しみ」を感知すること、つまり「近親感」が湧くということは、意識ではなく無意識の働きであるということですが、いかがでしょうか。

 

私が専門とする心身医学は、「意識」の世界ばかりでなく「無意識」の世界にも深いかかわりをもっています。

 

その「無意識」がなせる病をもつ患者さんは、実際には多数を占めています。したがって、心身医学の対象となる患者さんは、常識的に認知されている以上であり、むしろ大多数であるといっても過言ではありません。

 

「無意識」に関わる病気に対して、何らかの説明を「意識」レベルで行っても理解を深めることができません。

そこで「無意識」に働きかけることができる治療法の開発が必要になってきます。

 

自律訓練法をはじめ交流分析や行動療法といった心身医学療法は、そこで役立つのですが限界もあります。そこで私は独自に水氣道®や聖楽療法を開発することになったのです。

週間<外国語>旅行


今回は、医学・医療の話題から外れて、北方領土交渉をテーマとしました。

 

北方領土返還交渉についての新聞のタイトルを目にして、「またもやロシアのお家芸か?」と疑いつつ記事を読んでみますと、「今度ばかりは瓢箪から駒がでる」かもしれないと少しだけ期待してしまいました。

 

これ以上だまされたくないので、ロシア国民も周知の報道なのかどうか、ということを確認してみました。すると、ロシアを代表する日刊紙であるイズベスチア(Известия:「報道」の意味)紙にも発表されていました。これは大切な裏付けとなることでしょう。

 

さて、産経新聞など日本の報道によりますと、9月29日に菅義偉首相とロシアのプーチン大統領が電話会談を行った際、プーチン氏から領土問題を取り上げました。露側から平和条約交渉を提起するのは異例です。

 

昭和31年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約締結に向けた交渉を加速化するとした平成30年の日露首脳合意を確認するよう促したことが分かりました。2島先行返還をにらんだ安倍晋三前首相の方針が菅、プーチン両氏の間でも引き継がれることも明確になりました。
 

30年11月に安倍、プーチン両氏がシンガポールで会談した際、交渉の基になる文書として確認した日ソ共同宣言は「平和条約締結後にソ連は歯舞(はぼまい)群島と色丹(しこたん)島を日本に引き渡す」としています。双方は交渉を加速化させることでも一致しました。

 

シンガポール合意をめぐっては政府・与党内に「四島返還を放棄するものだ」との批判もあった。菅政権の発足で対露交渉方針の見直しを求める声もありました。

 

ところが安倍氏は退陣直前にプーチン氏との電話会談でシンガポール合意を自ら読み上げて重要性を強調したとのことです。それが功を奏したためか、プーチン氏はこれに応じる形で菅首相との会談で同合意に言及したとみられます。

 

 

В Кремле раскрыли темы переговоров Путина и премьера Японии
29 сентября 2020, 14:57

 

クレムリンがプーチンの日本の首相との会談の話題を
明らかにした

 

 

2020年9月29日 14:57

Президент России Владимир Путин и новый премьер-министр Японии Ёсихидэ Суга в ходе телефонных переговоров обсудили перспективы взаимодействия в области медицины, в том числе создание вакцин от коронавируса. Об этом во вторник, 29 сентября, сообщает пресс-служба Кремля.

 

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と日本の菅義偉新首相は電話会談で、コロナウイルスに対するワクチンの作成など医療分野での協力の見通しを話し合った。これは9月29日(火)にクレムリンの報道機関が発表したものである。

 

Также Путин и Суга договорились продолжать контакты по мере нормализации эпидемической ситуации.

 

また、プーチンと菅は、感染症の状況が正常化するにつれ、接触を継続することで合意した。

 

 

«Подтверждено обоюдное намерение продолжать усилия по продвижению всего комплекса отношений между Россией и Японией в интересах народов двух стран и Азиатско-Тихоокеанского региона в целом», — добавляется в сообщении.

 

「日露両国の国民とアジア太平洋地域全体の利益のために、日露関係の複合的な全体を促進するための努力を継続するという相互の意思が確認された」とメッセージは付け加えている。

 

 

О беседе Путина и японского премьера ранее 29 сентября сообщило агентство Kyodo. Это первая их беседа с момента назначения нового главы правительства Японии.

 

共同通信社は9月29日未明、プーチン氏と日本の首相との会話について報じた。日本の新首相就任後、初めての会話となる。

 

 

26 сентября сообщалось о планах японского премьера провести переговоры с Путиным. Суга хотел обсудить заключение мирного договора с Россией, а также сотрудничество двух стран.

 

9月26日には、日本の首相がプーチンとの会談を計画していることが報道された。菅はロシアとの平和条約や両国の協力について話し合いたいと考えていた。

 

 

На прошлой неделе Суга провел телефонные переговоры с президентом США Дональдом Трампом, лидером КНР Си Цзиньпином и канцлером Германии Ангелой Меркель.

 

先週、菅はアメリカのドナルド・トランプ大統領、中国の習近平指導者、ドイツのアンゲラ・メルケル首相と電話会談を行った。

 

 

О том, что Суга стал новым премьер-министром Японии, сообщалось 16 сентября. В тот же день было сформировано новое правительство. 23 сентября его предшественник Синдзо Абэ выразил надежду на то, что Суга сможeт активизировaть переговoры с Мoсквой и рeшить вопрoс мирногo договорa.

 

9月16日に報じられたように、菅が新総理に就任した。同日、新政権が発足した。前任の安倍晋三氏は9月23日、菅氏がモスクワとの交渉を強化し、平和条約の問題を解決することに期待を示した。

 

 

По итогам Второй мировой войны Россия и Япония так и не подписали мирный договор из-за притязаний Токио на острова Кунашир, Итуруп, Шикотан и еще ряд территорий Малой Курильской гряды. Япония продолжает их считать своими «северными территориями», хотя по итогам войны они перешли СССР. Совместная декларация от 19 октября 1956 года позволила положить конец состоянию войны между двумя странами и восстановить дипломатические отношения. В декларации СССР выразил готовность передать Японии остров Шикотан и ряд прилегающих небольших необитаемых островов Малой Курильской гряды с условием, что их фактический переход под контроль Токио будет осуществлен после заключения мирного договора.

 

第二次世界大戦末期、ロシアと日本が平和条約を結ばなかったのは、東京が国後島、択捉島、色丹島、その他千島列島の多くの領土を主張していたからである。日本はこれらを「北方領土」として捉え続けているが、終戦後はソ連に渡された。1956年10月19日の共同宣言で両国の戦争状態は終結し、国交は回復した。宣言の中で、ソビエト連邦は、色丹島とそれに隣接する千島列島のいくつかの小さな無人島を日本に譲渡する用意があることを表明した。

 

コメント:

64年前の丁度、10月19日に日ソ共同宣言が発表されたということ、それにあわせてプーチン大統領が提案してきたこと、ロシア国内にも明らかにしていること、などから一定程度の進展が期待できるのではないかという、これまでよりは楽観的な見方も可能ではないかと考えます。

第4週:神経病・内分泌・代謝病    

 

前回はこちら
 

患者と医師の信頼関係が医療の基本であるといわれていますが、信頼関係が構築されなくても診療を続けていかなければならないことがあります。その場合、患者さんが受診を続けてくださる限り、根源的な「信頼関係」が存在し、法的には準委任の関係が成立していると推定することになります。

 

しかし、笑うに笑えないケースがあり得ます。たとえば、永年にわたり定期的な受診を続けていた患者さんから、「飯嶋先生とは別の先生が診察室にいる」、「あなた(受付職員)があんな先生を連れてきたから、飯嶋先生が辞めてしまった。あなたのせいで飯嶋先生の診察が受けられない」と職員を詰るようになった。診察室に入るのは別の医師ではないことを説明しても、「確かに顔も背格好も声は同じかも知れない、でも飯嶋先生とは違う」と飯嶋先生とは似ている点は認めるが、あくまで別人だと主張するようになったら、どうしたらよいでしょうか。

 

結果は明らかです。通常の外来医療の枠組みでの診療継続は不可能です。その患者さんのご家族と相談の上、まずは、しかるべき神経内科専門医に紹介させていただき、各種の認知症や脳の器質的疾患などの精密検査を行うようにお勧めすることになるでしょう。

 

そこで日本神経学会の神経内科専門医試験問題として出題された症例を提示します。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

72歳女性。認知症の診断で通院中であるが、数日前から「娘とは別人の女が家にいる」、「あなた(娘婿)がこんな女性を連れてきたから娘が出て行った。あなたのせいで娘が返ってこられない」と娘や娘婿を叱責するようになった。家にいるのは他人ではなく娘であることを説明しても、「確かに服や声は同じかもしれない、でも娘とは違う」と娘とは似ている点は認めるが、あくまで別人だと主張するようになった。

 

・・・・・・・・・・

 

この症例では顔や衣服、声は認識できています。しかし、別人と主張しています。
身近な人の姿はそのままであるが、実は他人とすり替わっているという妄想がみられています。カプグラ症候群とは、このように近親者などが瓜二つの偽物と入れ替わったと確信する妄想です。

 

これは周囲の他者(通常、親しい関係にある人)が、本来の人物によく似た「替え玉」に置き換えられているという妄想的確信を持つ病態です。

「替え玉」は本物そっくりだが、時に患者は本物とのわずかな「差異」(雰囲気や身体的特徴)を指摘します。すり替えられた対象は、動物や非生物であることもあり、自分自身を含む場合もあります。配偶者、両親など自分が愛着を持つ人物が偽物であることが妄想の主題であり、本物の居場所や偽物の正体は二次的な問題となります。一般的には、被害妄想や誇大妄想と関連して体系的妄想の一部を構成し、入れ替わった対象(偽物)に対して猜疑的、被害的であることが多いです。

 

Vié (1930)は、患者が不在の差異を見いだす(既知の人を未知と誤認)ことから、「瓜二つの替え玉」を意味するソジ―に対して、カプグラ症候群を「陰性ソジー」(sosies négatifs)と呼びました。Vie, J.はCourbon, P. とFail, G.が報告した「フレゴリの錯覚」をカプグラ症候群と合わせ、「人物誤認」というカテゴリーに一括しました。フレゴリの錯覚(Fregoli delusion)とは、誰を見ても、それを特定の人物と見なしてしまう現象です。

 

全くの見知らぬ他人を、よく見知った人物と取り違えてしまう現象です。錯覚という名で知られているが妄想の一種です。1927年、フランスの精神科医 P.CourbonとG.Failによって報告されました。早変わりとモノマネを得意としたイタリアの喜劇俳優、レオポルド・フレゴリ(1867-1936)の名にちなむ名称ですが、笑うに笑えない喜劇です。

 

成因論的には、1960年代までは対象の妄想的否認や感情的判断などと言った心因を重視する見解が支配的でしたが、1970年代以降、器質因を重視する立場が出現し、知覚や相貌認知の障害として解釈しようとする立場が優勢となっています。大脳の右半球や前頭葉の病変との関連が指摘され、カプグラ症候群を認知心理学的に説明する仮説も提唱されています。

 

1979年、Alexander, Stuss & Bensonは、カプグラ症候群が「重複記憶錯誤」(Reduplicative Paramnesia)の一型であり、二つの症状の神経心理学的、脳病理学的基盤が同一であると主張しました。重複記憶錯誤は「今いる場所ないし人物は確かに本物であるが、同じ場所ないし人物がもう一つないしそれ以上存在している」という確信で、一般的には器質性疾患において認められ、神経学的背景として右半球損傷、前頭葉損傷が指摘されています。カプグラ症候群を認める症例においても右半球や前頭葉の損傷が関連するとされているが、重複記憶錯誤ほど明確ではありません。

 

1986年、Christdoulou, G.N.は、「妄想的人物誤認症候群 」(delusional misidentification syndromes) を提唱し、カプグラ症候群、フレゴリ症候群、相互変身症候群、自己分身症候群をその4つの亜型としました。 カプグラ症候群は妄想型統合失調症に多いが、認知症や頭部外傷で見られることもあります。そのために、精神神経科の前に神経内科を受診していただく必要があるのです。

 

台湾の楽山に設置されている軍事レーダーは、半径5000㎞の対象物を捉えることができ、これと同等のレーダーは米国しか保有していません。にしかありません。

 

中国の人民日報の姉妹紙である環球時報の記事は、このところの習近平氏の発言の変化興味津々です。

 

残念ながら、<环球网版权作品,未经书面授权,严禁转载或镜像,违者将被追究法律责任>(WWW上の著作物は、書面による許可なしに転載やミラーリングをすることはできず、違反者は法的責任を負うことになります。)という当たり前の文言が、香港の件以来、いつになく不気味に響くため、今後、直接の紹介は控えることにしました。


さて台湾の総統・蔡英文さんは勇敢な女性であり、李登輝氏に続いて世界史上に名前が刻まれる女傑だと思います。総統というと、どうしてもナチスドイツのヒットラー総統を想起してしまう人がいます。実は私自身もその一人でした。ただし、Führer Hitlerを勝手にヒトラー総統と訳した人がいるだけの話であり、「総統」という漢字の肩書はヒトラーとは縁もゆかりもないものなのであります。

 

蔡英文総統の中華民国建国109年祝賀演説覚悟、信念、誇りとともに、明確な将来ヴィジョンが示されています。中国に対する忖度のため菅首相の訪台は計画されることすら困難でしょうが、今後の台湾は、日本にとってますます重要な「独立国」に成長していくことでしょう。

 


蔡英文総統、中華民国建国109年祝賀演説の概要
発信日: 2020/10/12 

 

蔡英文総統は10日、総統府前で行われた中華民国建国109年祝賀大会で「団結台湾、自信前行(=台湾を団結させ、自信をもって前進する)」と題する演説を行った。(総統府)


蔡英文総統は10日午前、総統府前で行われた中華民国建国109年祝賀大会で「団結台湾、自信前行(=台湾を団結させ、自信をもって前進する)」と題する演説を行った。概要は以下のとおり。

 

 

新型コロナウイルス対策の成果と世界貢献

 
きょう(10日)は中華民国109年の「国慶日(=建国記念日)」です。今年は新型コロナウイルスの影響で式典の規模を縮小しましたが、すべての国民が、どこにいようとも心から中華民国台湾を祝賀し、そして挑戦に満ちたこの一年を過ごしていることでしょう。

 
2020年という年は、新型コロナウイルスの脅威が台湾のみならず、全世界に驚きと波乱をもたらしました。しかし、この世界的危機があったからこそ、国際社会は台湾という「強靭な島」の特性と忍耐力を目の当たりにすることになりました。

 
我々はコロナ禍にあっても、適切な規制措置を実施しながら、プロ野球公式戦をスタートさせ、大型の芸術・文化活動を再開した世界で数少ない国の一つとなりました。さらには誇るべきその国力をもって、感染症対策のための医療物資を世界各地に無償提供しました。

 
今年3月以降、台湾の新型コロナウイルス対策について言及した海外での報道は3,300件を超えました。国際社会における台湾の存在感はますます明確になり、過去のいかなる時期よりも輝きを増しています。

 
このような成果は、台湾の人々の団結と協力のたまものです。最も大変だった医療・看護、検疫関係者の皆さんに、私たちは感謝しなければなりません。製造業者の皆さんも手を取り合って協力し、感染症を予防するための医療物資を生産しました。ハイテク企業はアプリを開発しました。薬局やコンビニで働く人々は、サージカルマスクの販売に協力しました。そして台湾のすべての住民が、秩序を守ってこれに協力し、感染症対策を徹底しました。

 
日本の森喜朗元首相、チェコのビストルチル上院議長、アメリカのアザー厚生長官、クラック国務次官が相次いで台湾を訪問し、台湾に対する敬意を示されました。これは多くの国民に無類の勇気を与えました。

 
新型コロナウイルスに立ち向かうことを通して、私たちはこの国が逆境の中でも生存能力を持つことを証明しました。そして国民の自信を確立しました。なによりも重要なのは、私たちが団結したことです。なぜなら私たちは、国家を守ることの重要性を、身をもって理解したからです。だからこの一年は確かに苦しく、厳しい一年でしたが、収穫もあった一年となりました。

 


二、新たな情勢下の経済戦略
 
新型コロナウイルスの封じ込めに成功したことから、台湾はGDP成長率がプラスを維持できる、世界でも数少ない国の一つとなりました。私たちは新型コロナウイルス収束後を見据え、経済発展においても先手の対策を講じます。台湾はいま「六大核心戦略産業」の推進に向けて積極的に取り組み、「将来を見据えたインフラ建設計画」も段階に分けて特別予算を計上し、現在推進を加速しているところです。


 
最も私たちを奮い立たせたのは、数十年来で最大の回帰投資を迎えることができたことです。海外に進出していた台湾企業による対台湾回帰投資はすでに1兆台湾元(約3.7兆日本円)を超えています。それに加えて数千億台湾元規模の海外資金が続々と台湾に投資されています。多くの外資系企業や有名な多国籍企業が対台湾投資を強化しています。これらはいまも現在進行形です。

 
国際経済・貿易分野の協力について見ると、我々には少なからぬ進展がありました。台湾と米国はハイレベルの経済対話を通して、グローバル・サプライチェーンの再構築、テクノロジー協力、インフラ建設などの分野で、これからも協力の可能性を模索していくことで一致しています。

 
先週、台湾と米国の双方は「対インフラ建設融資の台米協力フレームワーク」の立ち上げについて協定を結んだと発表しました。双方は米国やインド太平洋地域におけるインフラ建設計画で協力することになります。台米経済協力の深化は、すでに実際の行動の段階に入っているのです。これも、私たちが国際的な経済・貿易協力において、全面的なブレークスルーを模索するためのスタートとなるでしょう。

 
今後を展望すると、さらに困難な道のりが私たちを待ち受けています。コロナ後の世界経済の回復で、人類の生活形態は大きく変わるでしょう。世界及び各地域の経済・貿易情勢は劇的に変化します。そして経済秩序の再編成が行われます。どれも私たちの経済の耐久性、そして全体的な適応能力を試すことになるでしょう。

 
過去数十年来で最大ともいえる国内外の情勢変化に向き合うため、中華民国政府は3つの戦略で対応し、皆様が期待される新たな台湾経済を作り出します。

 
まず、私たちは全力且つ全方位的に、サプライチェーンの再構築に取り組みます。現在、世界のサプライチェーンは急速に崩壊し、そして再構築されています。これはすでに後戻りできない趨勢です。世界各地を拠点に活動する台湾企業もいま、市場の差別化、生産拠点の移転、台湾への回帰投資などを加速させています。

 
私たちはすでに「5+2産業イノベーション」、「六大核心戦略産業」などの重点産業へのテコ入れ、1兆元規模の投資計画、「新南向政策」、台米経済協力、地域経済統合への参与などを進めています。これらはすべてサプライチェーンの再構築と密接に関係するものです。

 


私たちはこれらの関連する政策や計画をつなぎ合わせ、そして官民の資源を融合し、省庁を越えてエネルギーを集約することで、全力且つ全方位的に取り組み、台湾をグローバル・サプライチェーンにおいて不可欠な存在とするべく努力します。

 
第二に、私たちは台湾を世界から資本、人材、デジタルテクノロジーが集約する拠点とします。

 
第三に、私たちは経済と社会がバランスよく発展できるよう、全力で取り組みます。コロナ後の経済や産業の発展は、バランスを失するリスクをはらんでいます。資金の供給が大幅に増えることは、後遺症を残すことになりかねません。

 
ですから、これから政府は資源の合理的な分配をより重視しなければなりません。経済システムの転換によって衝撃を受ける弱者を守り、若者の雇用促進を強化し、資金が最も効果的に利用されるよう導く必要があります。台湾経済の再起によってもたらされるメリットを、全国の国民が共有できるようにしなければなりません。

 

 
三、堅実な国防で国家の安全を維持
 
当然ながら台湾経済の前途は、大部分が地域の平和と安定に依存しています。そして私たちは明確に知っています。弱さを見せて後退しても平和はもたらされないことを。準備を十分に行い、防衛にかける強い決意と実力を持つことによってのみ、台湾の安全を保障し、地域の平和を守ることができるのです。

 
国防力を高め、戦争のリスクを減らすこと。これは現時点におけるわが国の国防政策の原則です。最近、対岸(=中国を指す)の軍用機や軍艦が台湾周辺に出没し、台湾海峡両岸の情勢を緊張させていますが、私たちの軍隊は随時状況を把握し、これに対応することで防衛を死守するという任務を達成しています。

 
対岸の軍事拡張と挑発に対し、私たちはこれからも防衛戦力の近代化と「非対称戦力」の強化を継続します。つまり、海外からの武器・装備を購入すると同時に、これからも国防自主(=軍備の自主開発、国産化)の推進を加速していきます。高等練習機や潜水艦の国産化はすでに大きな成果が上がっています。私たちは今後も、この二つを同時並行で進めることで、私たちの防衛の実力を強化していく考えです。

 
武器・装備の性能を上げるだけでなく、国軍にはより素質の高い戦士が必要です。志願制の職業軍人の専門的素養を高めるだけでなく、予備役に関する制度を改善し、国軍のマンパワーの素質と戦力を強化する必要があります。「常備軍と予備役の一体化」を原則に、これから予備役動員制度の改革を急ぎたいと考えています。

 
地域の平和と安定が脅かされているとき、私たちは「戦いを恐れず、戦いを求めず」の原則を貫き、一触即発の事態を避けなければなりません。国防部(日本の防衛省に相当)は適時、中国人民解放軍の動向を発表し、周辺諸国と情報を交換し、安全のためのパートナーとしての役目を強化しています。国民に台湾海峡の動きを明確に知らせることで、「全民国防」をより堅実なものにしています。

 

 
四、積極的に地域の協力に参加
 
最近、私たちは地域の安全保障に関わる情勢の変化に高い関心を寄せています。それには南シナ海、東シナ海における主権問題、中国とインドの衝突、台湾海峡情勢の変化、ひいては各国が関心を寄せる香港版「国家安全法」の実施などを含みます。インド太平洋地域の民主主義、平和、繁栄はいずれも大きな問題に直面しているのです。

 
私たちは、この変化による試練を、歴史の転機に変えようとしています。主権を堅持し、民主主義の価値を守るという私たちの原則に変化はありません。但し、戦略上は柔軟性を持ち、臨機応変に振る舞う必要があります。

 
情勢が変化する中、先手の政策を講じることで、未来を掌握できます。そうすれば変化の波に流されたり、他人によって運命を決められたりすることがありません。

 
私たちは、これからの世界や地域の新たな秩序の確立に、積極的に参与していきます。私たちは「価値の同盟」を原則に、国際社会と広く良い関係を作り上げ、近い理念を持つ国々や、台湾に友好的な国々とのパートナーシップを強化していきます。私たちはまた、地域及び国際的な多国間協力や多国間対話に、積極的に参与していきます。

 
平和を維持し、繁栄と発展を促進すること。これが中華民国台湾の、地域における最も重要な価値なのです。

 
私はまた、対岸の指導者(=習近平氏を指す)が最近行なわれた国連総会一般討論のビデオ演説で、「中国は永遠に覇権主義を唱えず、拡張せず、勢力範囲の拡大を求めない」と発言したことに注目しています。

 
この地域の国々、ひいては全世界の国々が、中国の覇権主義に懸念を示しています。私たちは、これが本当の変化の始まりになることを願っています。

 
とりわけ全世界がインド太平洋及び台湾海峡両岸の情勢変化に高い関心を寄せているこの重要な時期、北京当局が台湾の声を受け止め、両岸関係(=中台関係のこと)と向き合う態度を変え、台湾と共に両岸の和解と平和的対話を実現することができれば、この地域の緊張状態を必ず解くことができると信じています。

 
両岸関係について、私たちが暴走することはありません。私たちは原則を堅持します。両岸関係の安定の維持は、両岸共通の利益です。私たちは両岸の安定を維持する決意があります。しかしこれは台湾が一方的に担うことではなく、双方の共同責任なのです。

 
現在、両岸にとっての当面の急務は、互いに尊重し、善意をもって相手を理解しようとする態度で、平和と共存の道や方法を共に議論することです。北京当局に対立を解消し、両岸関係を改善しようという意思があれば、対等・尊厳という原則の下、私たちは有意義な対話を実現したいと考えています。これが台湾の人々の主張であり、与野党の一致した見方です。

 

 
五、結論:団結と協力で共に挑戦を乗り越える
 
最近、私たちはより明確に感じています。台湾の対外関係や国家安全の議題において、台湾の人々の考え方が少しずつ近づきつつあることを。台湾の人々は、地域の平和と繁栄が、これからも永遠に続くことを願っています。

 
私は台湾の各政党に呼びかけます。一緒に手を携えて努力しようと。国家の生存と発展のために、民主主義の価値のために、私たちは対外的に一致団結して努力し、手を取り合って国家がこの挑戦を乗り越えられるように導くべきなのです。

 
過去71年間、台湾が経験してきたように、苦境は私たちの強さを磨いてきました。挑戦は私たちの士気を高めてきました。今回の新型コロナウイルスは、台湾の人々の団結に対する意識を固め、さらに前進しつづける勇気を私たちにくれました。

 
私たちが新型コロナウイルスの侵入を防ぎ、経済発展のための戦略を練り、地域情勢の安定と台湾の安全を守ろうとするのは一体なんのためでしょうか?それはつまり、壮大な国家を台湾の次世代に残すためです。

 
私たちがいまここで奮闘しているのはすべて、台湾の次世代、子々孫々に至るまでが、自分たちの創作に自信を持ち、この土地の文化や価値を誇りに思い、そして世界へ向かって果敢に歩み出せるようにするためです。

 
中華民国の国慶(建国記念日)というこの日、私たちは一緒に願いましょう。20年後の台湾人が2020年を振り返ったとき、あの年、私たちが時代の転機をつかみ、変化の中で勇敢に前進し、課題を克服し、足枷から脱したからこそ、(20年後の)彼らが真に自分の意思で未来を選択する機会を持てるようになったと思えるように。

 
中華民国、誕生日おめでとう!皆様、ありがとうございました。
 

 

 

第4週:神経病・内分泌・代謝病    


神経内科は心療内科と同様に内科の一専門領域であり、精神神経科とは別の括りです。しかし、神経内科の専門医が開業すると、一般の方には神経科(精神科)と紛らわしく、誤解して来院する受診者との間に種々のトラブルが生じることがありました。そのため、神経内科を標榜せず、脳卒中外来、認知症外来、パーキンソン外来などと更に細分化した表示を行っているところもあるそうです。

 

かつては、一般内科診療で検査の異常が見られないのにもかかわらず訴えの多い患者さんに対して「精神科」と言いたいところだけれど、「精神科」という言葉に偏見と嫌悪感を示しそうな相手を刺激しないように「神経科」という言葉で受診を勧めているという話を聞いていました。それが現在では「心療内科」が置き換わってしまったため純系の心療内科医は現在でも悪戦苦闘しています。

 

もっとも、精神科で診るべき病気なのか神経内科で診るべき病気なのかは、しばしば議論される領域があります。また、両方で協力しながら見ていかなければならない病気もあります。そこで1923年にCapgras. J. とReboul-Lachoux. J.によって報告された症例をご紹介します。なおCapgrasはカップグラスではなく、フランス名なのでカプグラと呼びます。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

症例は53歳の女性。「自分が高貴な家の出身である」、「悪の結社によって子供やパリ市民が地下に幽閉されている」ことの他に、「乳児期に死んだ彼女の子供、夫、彼女が結社を告発している警察庁の長官、彼女が入院している精神病院の医師や看護婦や患者、及び彼女自身に、それぞれ数人から数千人におよぶ瓜二つの外見をした替え玉(Sosies:ソジ―)が存在する」と言う訴えが含まれた。 しかし、これらの訴えは事実ではなく妄想であった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ソジー (Sosie) とは、最初期の演劇家である古代ローマの劇作家ティトゥス・マッキウス・プラウトゥス(Titus Maccius Plautus, 紀元前254年 – 紀元前184年)の戯曲「Amphitryon」の登場人物です。Amphitryonの妻Alcmeneの篭絡を企むJupiter(ジュピター)は、Mercure(メルキュール)をAmphitryon 家の召使に変身させて送り込むが、この召使の名前がSosieでした。17世紀後半、フランスの劇作家Molière(モリエール) がこのPlautusの戯曲を題材にして同名の作品を上演して以来、ソジー(sosie) は「瓜二つの替え玉」を意味する一般名詞になりました。
 

提示した症例は、1923年にCapgras. J. とReboul-Lachaux. J.によって最初に報告され、「ソジーの錯覚」と呼ばれました。フランスの医師たちの教養の深さがうかがわれます。ただし、その後1929年、Lévy-Valensi, J.はソジーの錯覚を「カプグラ症候群」と呼ぶことを提唱し、自己や近親者に関する事物、居住する街などに関わる誤認もカプグラ症候群に含めました。


カプグラ症候群とは、友人や配偶者、両親その他近親者などが、瓜二つの外見の別人に入れ替わってしまったと誤認する妄想です。誤認の対象は人物以外にも場所、物体、時間など様々なものがあります。症状は一過性であることもあれば、繰り返し出現することもあります。これは独立した臨床単位ではなく、多様な病態を背景にして出現する「症候群」の一症状にすぎないとする立場からは、カプグラ妄想 (Capgras delusion)、カプグラ現象、カプグラ症状、「ソジーの錯覚」などと呼ばれます。

1970年代以降、カプグラ症候群に関する報告が急速に増加し、かつて考えられたほど稀な病態ではないと考えられています。当初は女性に多いとされたが、1936年にMurray, J.R.が男性例を報告し、現在では性差について諸説があります。カプグラ症候群の病態や成因についてはいまだ見解が一致しておらず、この現象が妄想なのか認知障害なのか議論があります。
 

カプグラ症候群は妄想型統合失調症において最も頻度が多く、統合失調感情障害や気分障害の症例も報告されています。これら内因性精神病の場合は精神神経科が担当すべきでしょう。しかし、器質性疾患で認めたとする報告が1980年代後半から増加しています。カプグラ症候群の報告例全体のうち、約25~40%程度において器質因の合併が認められました。

たとえば、各種の認知症(アルツハイマー型認知症、レヴィー小体型認知症、脳血管性認知症)、頭部外傷、てんかん、脳血管障害、脳腫瘍、脳炎、AIDS、偽性副甲状腺機能低下症、ビタミンB12欠乏症、糖尿病、片頭痛発作、ケタミンの使用などです。このような病態では、精神神経科ではなく神経内科や内分泌代謝科など内科の複数の領域が関与することになります。逆に言えば、純粋に身体疾患として広く認識され、そのように扱われている偽性副甲状腺機能低下症、ビタミンB12欠乏症、糖尿病、片頭痛発作のような疾患が精神症状をもたらす原因となる可能性があるということにもなります。さらに、頭部外傷、てんかん、脳血管障害、脳腫瘍などが原因となる場合には脳神経外科の協力も必要になることがあるでしょう。
 

また、明確な身体疾患がなくても、器質性を示唆する異常脳波などとの関連や、カプグラ症候群を伴う統合失調症患者は、伴わない群より前頭葉と側頭葉の萎縮が有意に強いことを指摘する報告もあります。

週間<外国語>旅行

 

公共の場における新型コロナウイルス感染防止対策には、情報や知識だけで対応することには限界があります。優秀な指揮官の下で、日頃から訓練された身体をもつ部隊が、用意周到な戦略と戦術に従って活動できることが有用です。

 

わが国でも、厚生労働省の職員ではなく、自衛隊の活動が安全確実な成果を挙げたように思われます。

 

新型コロナウイルス・パンデミックに襲われている世界は、大惨事(第三次)世界大戦の様相を呈しています。軍においては広大なフィールドで活動する陸軍より、閉鎖空間で組織的に密集して活動する海軍の方が、パンデミックの影響は深刻です。軍の最高指揮官である大統領が、たとえ感染症に無頓着であっても、海軍の将官達は現実を受け止め、「冷静沈着」に対コロナ戦を指揮しています。

 

 

Ministério da Defesa
Marinha do Brasil
Protegendo Nossas Riquezas, Cuidando da Nossa Gente
Toggle navigation
Combate ao COVID-19

 

国防省
ブラジル海軍
財産を守り、人々を大切にする
トグルナビゲーション
COVID-19との戦い

 

 



MANUEL DE PRONTO-USO DA MARINHA DO BRASIL

 

ブラジル海軍の即席マニュアル

 


MARINHA NO COMBATE

AO NOVO CORONAVIRUS

 

新型コロナウイルスに対して戦闘中の海軍

 

 


07/04 - Nota à imprensa: Operação COVID-19 – Forças Armadas desinfectam Estação das Barcas em Paquetá-RJ

 

07/04 - プレスリリース:COVID-19作戦 - 軍隊がパケタ-RJのボートステーションを消毒する

 

 

26/03 - Nota de esclarecimento a matéria “Tripulantes denunciam contaminação de coronavírus em massa em navio da Marinha”

 

26/03 - 「乗組員が艦艇のコロナウイルスの大量汚染を報告している」件についての注意喚起

 

 

26/03 - Militares de navio da Esquadra testaram positivo para o COVID-19

 

26/03 - 海軍飛行隊の軍人がVOCID-19に陽性反応を示した。

 

 

Serenidade: Ações preventivas, individuais e coletivas, para neutralizar os efeitos do vírus, evitando informações que não conduzam à solução.

 

冷静さ:解決につながらない情報を避けて、ウイルスの影響を中和するための個人的・集団的な予防行動。

 

 

Firmeza: Decisões assertivas, mantendo a máxima capacidade operativa para cumprir a missão e atuar em prol da sociedade.

 

堅実さ:自信をもって意思決定を行い、使命を果たし、社会を代表して行動するための最大限の運用能力を維持する。

 

Ações da MB

ブラジル海軍

 

AÇÕES REALIZADAS

実施された措置

 

 

_________________________

 

14/10/2020

 

Comando Conjunto Leste realiza desinfecção no Hospital Federal Cardoso Fontes

東部方面隊合同部隊は、連邦カルドソフォント病院で消毒を実行

 

 

No dia 13 de outubro, a Marinha do Brasil, por meio do Comando Conjunto Leste, realizou desinfecção no Hospital Federal Cardoso Fontes, no bairro de Jacarepaguá, no Rio de Janeiro. A ação envolveu 22 militares com o objetivo de controlar a disseminação do novo Coronavírus.

 

ブラジル海軍は10月13日、東部方面隊合同司令部を通じ、リオデジャネイロ州ジャカレパグア地区のカルドソ・フォンテス連邦病院で消毒作業を実施した。この行動には、新型コロナウイルスの蔓延を抑制する目的で、22人の軍人が参加した。

 

 

A desinfecção foi feita por militares, especializados em Defesa Nuclear, Biológica, Química e Radiológica, em uma área de aproximadamente 1250 m2, sem atrapalhar o contínuo atendimento aos pacientes.

 

核・生物・化学・放射線防護を専門とする軍人が約1250㎡の敷地内で、患者の継続的なケアに支障をきたすことなく消毒を行った。

 

 

O hospital, que é vinculado ao Ministério da Saúde, é uma das principais referências hospitalares da zona Oeste do Rio de Janeiro, e realiza atendimentos de média e alta complexidade.

 

保健省と連携しているこの病院は、リオデジャネイロの西部にある主要な病院の一つで、中・高度の複合的医療を提供している。

 

 

Com o objetivo de homenagear os profissionais de saúde do hospital, permitindo com que a rotina do hospital seguisse normalmente, alguns militares músicos fizeram uma ação de alento, enquanto cada ambiente recebia a desinfecção.

 

病院の医療従事者を称えるために、病院の日常業務を通常通りに行うことができるようにするために、一部の軍楽隊は励ましの活動を行い、各環境は消毒を受けていた。

 

_____________________________

 

09/10/2020

Comando Conjunto Leste realiza ação social em paróquia no Rio

リオの教区で社会貢献活動を行っている東部方面隊合同司令部

 

 

No dia 8 de outubro, a Marinha do Brasil, por meio do Comando Conjunto Leste, realizou ação social em parceria com a Paróquia Nossa Senhora da Guia, no bairro do Lins, no Rio de Janeiro. A ação visa minimizar os danos sofridos pela população decorrentes da pandemia do novo coronavírus.

 

ブラジル海軍は10月8日、東部方面隊合同司令部を通じ、リオデジャネイロ州リンズ近郊のノッサ・セニョーラ・ダ・ギア教区と連携して社会活動を実施した。この活動は、新しいコロナウイルスのパンデミックによる住民の被害を最小限に抑えることを目的としている。

 

 

As pessoas assistidas pertencem às comunidades do Complexo do Lins e já haviam sido previamente cadastradas na paróquia. Ao chegarem, as pessoas passaram por aferição de temperatura e higienização das mãos com álcool e receberam máscaras descartáveis.

 

アシストされた人々はリンズ・コンプレックスのコミュニティに属しており、以前は教区に登録されていた。到着すると、アルコールによる温度測定と手指消毒を受け、使い捨てのマスクを渡された。

 

 

A ação social foi composta por vacinação contra a gripe (H1N1), corte de cabelo masculino e distribuição de, aproximadamente, meia tonelada de hortaliças.

 

社会行動は、インフルエンザ(H1N1)の予防接種や男性のヘアカット、約半トンの野菜の配布などで構成されていた。

 

 

Durante toda a ação social, as pessoas puderam desfrutar de boa música. Os militares músicos tocaram clássicos da música popular brasileira enquanto as pessoas aguardavam a sua vez, respeitando o distanciamento para evitar aglomeração.

 

すべての社会活動の間、人々は良い音楽を楽しむことができた。軍楽隊の音楽隊は、ブラジルのポピュラー音楽のクラシックを演奏しながら、人々が順番を待っている間に、距離感を大切にして、密集しないようにしていた。

 

 

A ação pôde beneficiar muitas pessoas que, atualmente, encontram-se desempregadas por consequência da pandemia.

 

この行動は、パンデミックの結果として現在失業中の多くの人々に恩恵をもたらす可能性がある。


________________________________________
08/10/2020
No dia 7 de outubro, a Marinha do Brasil, por meio do Comando Conjunto Leste, realizou ação de desinfecção no Hospital Federal dos Servidores do Estado, localizado no Rio de Janeiro. A ação dá continuidade a uma série de medidas para controlar a disseminação do novo coronavírus.
ブラジル海軍は10月7日、東軍合同司令部を通じ、リオデジャネイロにある国家公務員連邦病院で消毒作業を実施した。この行動は、新型コロナウイルスの拡散を抑制するための一連の対策を継続している。
Aproximadamente 30 militares estiveram envolvidos na missão, e fizeram a desinfecção em corredores, salas e enfermarias, inclusive onde haviam pacientes positivos para Covid-19.
約30人の軍人が作戦に参加し、コビド-19の陽性患者がいた場所を含め、廊下や部屋、病棟などを消毒した。
A execução foi feita com cautela, permitindo com que os servidores não deixassem de trabalhar e os pacientes continuassem a serem atendidos.
実行は慎重に行われ、サーバーの作業を継続し、患者さんを見続けられるようになった。
O relevante hospital, que possui três prédios, com 450 leitos de internação, teve ao total 6.420 m2 de área desinfectada pelos militares que são especializados em Defesa Nuclear, Biológica, Química e Radiológica.
当該の病院は3棟450床の建物で、核・生物・化学・放射線防護を専門とする軍部が総面積6,420平方メートルを消毒していた。


________________________________________
07/10/2020
Comando Conjunto Leste realiza desinfecção em centro de acolhimento da Prefeitura do Rio de Janeiro
07/10/2020
リオデジャネイロ市庁舎のレセプションセンターで消毒作業を行う東部方面隊合同司令部

No dia 7 de outubro, a Marinha do Brasil, por meio do Comando Conjunto Leste, realizou ação de desinfecção no Centro Provisório de Acolhimento II da Prefeitura do Rio de Janeiro. A atividade foi desempenhada por quinze militares com o objetivo de conter o avanço da Covid-19 entre a população em situação de vulnerabilidade social.
ブラジル海軍は10月7日、東部方面隊合同司令部を通じ、リオデジャネイロ市庁舎の仮受付センターⅡで消毒作業を実施した。この活動は、社会的に脆弱な状況にある人々の間でCovid-19が拡大するのを抑制することを目的として、15人の軍人によって行われた。
O Centro Provisório de Acolhimento II foi instalado em um hotel localizado no Centro da cidade. Com média diária de atendimento de cerca de 160 pessoas, o espaço recebeu desinfecção com material composto por quaternário de amônio e álcool a 70%.
リオのダウンタウンにあるホテルに、暫定受付センターⅡが設置されました。1日平均約160人の来場者があり、第4級アンモニウムと70%のアルコールで構成された材料で消毒を行った。
Os militares do Grupamento Operativo de Fuzileiros Navais de Defesa Nuclear, Biológica, Química e Radiológica realizaram a desinfecção nos 1.600 m² do prédio, que possui dois andares com ambientes bem compartimentados.
原子力・生物・化学・放射線防衛海洋作戦隊の軍部は、区画環境の整った2階建ての1,600m²の建物で消毒を実施した。
Os Centros Provisórios de Acolhimento (CPA) foram abertos com o objetivo de ampliar a capacidade da rede de acolhimento da Prefeitura do Rio, aumentando a proteção a essa parcela da população.
暫定受付センター(CPA)は、市役所の受付網の容量を拡大し、この部分の保護を強化することを目的として開設した。

 

前回はこちら



初期段階から重症感のあるケースや、発症初期までの治療方法で治癒せず、身体のより内部に闘争部位が入り込み重症化したケースでは、身体を冷やすことは極力避け、長期戦に臨める生薬を増量して服用します。


 補腎、健脾、養陰を基礎薬によって腎気(生まれつき備わっている治癒力のエネルギー)をはじめとする気や血を充実させ、これらの治癒資源が生産部位から効率的に全身に提供し、身体全体に気血が巡り、十分に行き渡ることができるように助けます。

 

 

 

Step3感染持続期

4日目にも発熱もしくは倦怠感などの症状が続いている時期


この時期に入ると新型コロナウイルス感染症の可能性が高くなるので要注意です。症状のパタンも一様ではなく、COVID-19に罹患していても熱がさほど高くないのに倦怠感が強いこともあるようです。

また強い倦怠感が出て、熱や倦怠感が数日続いて咳が出てくる人もいます。症状が7日間前後続いた後に、約8割は自然軽快して治ります。

 

しかし、この間で見落とされているのは、精神的負荷による免疫力低下です。

まだその実態が⼗分に明らかでなく、重篤化し死に⾄る恐れのあるCOVID-19 のような病に罹患することはそれだけで⾼ストレス下にあるといえます。加えて、罹患者は隔離化に置かれ、 家族や友⼈等親しい者とのコミュニケーションから断絶されることになります 。

 

COVID-19 罹患確定者の場合、「周囲に感染を広げてしまったのではないか」、「社会に戻った後、周囲からどのようにみられるだろうか(差別・偏⾒の問題)」という不安や⼼配は強く、気分の落ち込みや⾃責感、周囲の⽬に対する過敏な反応や他者とかかわることへの恐怖につながり、免疫力や抵抗力や回復力を損なってしまう場合もあります。

 

 

旧くて新しい常識⑥ 

漢方なら気管支炎にも対応可能です

普通の感冒では肺炎に至ることは、とても稀です。しかし、COVID-19 罹患者では約2割は肺炎を合併します。始めは倦怠感と息苦しさだけで、咳がひどくない肺炎もあるようです。それでも肺炎を発症して数日すると痰がいっぱい出てきて激しい咳が出るようになっても自然軽快する場合があるようです。


咳よりも息苦しい呼吸困難が主な場合には、痰が多く生じて気道に停滞して、顔がほてり、同時に足腰が冷えることがあります。これは腎陽虚といって腎の陽気の不足によるものです。感染初期で余力が残っている段階で用いることができる「麻黄(まおう)」という生薬成分は、「腎」や「脾」に負担をかけるため、体力を消耗して抵抗力が弱まってくる感染持続期に用いると生命力の余力を消耗して生命を危機にさらす可能性があるためにはお勧めできません。その場合は、麻黄剤が使えない高齢者や虚弱者にも定評のある漢方薬を使います。


積極治療秘薬Ⅰ:『蘇子降気湯(そしこうきとう)』 

杉並国際クリニックでは、漢方薬による予防の徹底強化により、明らかなCovid-19はまだ一例も発生していません。そのため、今に至るまで感染持続期の対応を経験しておりません。ただし、積極的治療のための漢方薬については、すでに幾つかを検討済みです。そのうちの一つがこの『蘇子降気湯』です。

 

この薬には、「麻黄」や「柴胡」などの攻撃要素のある生薬を含まないため、正気を消耗せずに連用できます。主薬は紫蘇子(しそし)と半夏(はんげ)であり、この組み合わせは呼吸困難を伴う咳を鎮める他、痰を切り、下半身の冷えを治します。また「厚朴(こうぼく)」、「前胡(ぜんこ)」、「陳皮(ちんぴ)」といった補助的生薬がこの作用を強化します。さらに「当帰(とうき)」は血行を促進するとともに血液の質を改善します。「桂皮(けいひ)」「腎」の熱を増強する作用があり上半身ののぼせをとりますが、肺炎を合併するなど腎気が著しく弱まったリスクの高い人への使用は避けたいと考えます。

 

 

旧くて新しい常識⑦ 

漢方なら軽症肺炎にも対応可能です

軽症のウイルス肺炎は必要に応じて酸素投与しながら改善するのを待つのが主な治療です。漢方薬には、感染初期からオートファジー機能(ウイルス感染細胞を貪食する機能)を高めて、細胞内のウイルスそのものを消化分解してしまうので、抗ウイルス薬と併用できます。副作用が少ないので妊婦さんにも使用できます。さらに、肺胞内に溢れた痰を排除する作用、つまり「痰飲の毒」を除く作用が高い漢方薬を用いれば、早い回復が期待できることが、中国から報告されています。


また咳に加えて喀痰や気道分泌物などによって気道が詰まって苦しくなるまで重症化する場合もあります。このような場合には、漢方だけに頼るのは危険です。急に悪化する可能性があるので、肺炎の徴候が少しでもあれば、病院を受診して西洋医学的対応の補助として、漢方薬も併用することが良いことは、武漢のレポートにもあるとおりです。 
 

重症化して死に至る致命率は、80歳以上の高齢者15%、循環器疾患10%、糖尿病7%、慢性呼吸器疾患6.5%、高血圧6%、悪性腫瘍の治療中:5.6%、健康成人0.9%という報告があります。

<はじめに>

 

 

前回は「不眠」に効果のあるツボを紹介しました。

 

 

「瘂門」は後頭部の首の上の方にある窪みにあり、

 

 

「天柱」首の後ろ側、中央のくぼみの両脇にある太い筋肉の上、左右両方外側のくぼみにあり、

 

 

「失眠」は足の裏の踵の真ん中にあり、

 

 

「完骨」耳のすぐ後ろにある出っ張った骨のすぐ下にあるというお話でした。

 

 

今回は「乗り物酔い」に効果のあるツボを紹介しましょう。

 

 

<乗り物酔いに効果のあるツボ>

2020-05-12 14-50

 

 

「内関(ないかん)」は手の平側の手首から指3本分肘側にあります。

 

 

「膻中(だんちゅう)」乳頭を結ぶ線と胸骨の正中線と交わるところにあります。

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

  • SmaSurf クイック検索