取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ4症例の研究

 

第1症例(その1)

 

NHKの優れた取材能力と患者の貴重な4つの証言(症例)は、今後の新型コロナウイルス対策のための確かな戦略のための有力なヒントになるはずです。そこで、杉並国際クリニックの3つの戦略と3つの作戦をどのように活用することができるのか、検討をはじめたいと思います。

 

昨日の記事、緊急対策:新型コロナウイルス感染予防戦略No7

これを可能であればダウンロードして参照しながらお読みいただけると理解しやすいかと思います。

 

そして、このサイトの読者の皆様自身も、自らが作戦参謀になったつもりで私たちと一緒に考えてみてください。そして、実際に前線を指揮する指揮官にもなって、対コロナ戦を戦い抜きましょう。以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は赤い文字として区別しました。

 

感染 治療なき入院 20代女性が語る

3月12日、27日取材(札幌放送局 北井元気)


    
新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。感染した人や家族の話を通して、その一端を知るため、NHKが行ったインタビューの内容をできるかぎり詳細にお伝えします。

 

20代の女性は3月5日に感染が確認され、20日間近く入院しました。「自分が感染するとは全く思っていなかった」という女性。あまり知られていなかった症状や入院中の日々などを語りました。

 

第1節:新型コロナウイルスとは疑いもしなかった

 

女性が発症したのは3月1日。しかし一緒に暮らす母親の感染が確認されるまで、新型ウイルスによる症状だとは全く考えなかった。

 

3月1日日曜日に、『朝起きて頭が痛いなというのと軽いせきがコンコン続くようになったな』(普通感冒と共通する新型コロナウイルス感染症の初期症状です。コンコンと出る咳は、痰の少ないケースに多く、乾性咳嗽といいます。胸膜炎や間質性肺炎、咳喘息、百日咳などを疑いますが、今後は、コロナ肺炎の初期症状の可能性があることも警戒する必要があります。)というのが最初の印象です。

ふだん、せきはしないので『変だな』(貴重な気付きの能力の持ち主です。戦略1・2;戦術1・2開始⇒本人はこの時点で直ちに玉弊風散・金羚感冒散、毎日各1包ずつの内服開始、同居の家族には、玉弊風散を勧める)と思いました。その後に<のどの痛みが追加>(金羚感冒散を1日2包に増量する)『あ、かぜひいたな』(当時としては妥当で良い判断です。しかし、今後は『変だな』と感じた段階で、少なくとも感染症を疑ってください。)と思って、<熱も測ったんだけどそんなに高い熱が出るわけでもなく、37度5分が1回出たくらい>で。

『普通のかぜだ』(検温するのは賢明な防衛行動です。妥当な判断と賢明な行動の結果、この女性は危篤状態に陥らずに済んだものと推測します。)と思ってました。


テレビで見ていたら、「37度5分以上が4日間続いたら新型コロナウイルス」(発熱はおろか、全く無症状の感染者が多数存在しています。⇒戦略1・戦術1)というふうに言われていたので、それが全くなかったので、『あー普通のかぜだな』(その当時は、已むを得ない判断だったのでしょう。しかし、現在は違います。⇒戦略1・戦術1)と思っていました。

<身近に感染者がいなかったら、たぶん私は病院にかかることもなかった>(不幸中の幸いでした。今後は、⇒戦略1・2;戦術1・2)と思います。


その4日前の2月26日、母は仕事から帰ってきて、「のどに少し違和感がある」(今後は、このような場合は、お母さんの治療も直ちにケアを始めるべきでしょう。戦略1・2;戦術1・2⇒この段階でお母さんには、直ちに玉弊風散・金羚感冒散、毎日各1包ずつの内服開始を勧め、同居のご本人は、玉弊風散を1日2包を開始するのがよいでしょう。)と言っていたんです。

『もしかしたら疲れもあるのかもしれないし、かぜかもしれないね』(妥当な判断です。)ということで、<あったかくして寝たほうがいいよと言って食べて寝た>(妥当な行動です。)んですけど、<次の日に熱と体の異常なだるさがあるというので昔からのかかりつけの病院に行って>(妥当な行動です。)【抗生物質と普通のかぜの時に出してもらう薬と、あと点滴もしてもらって】(残念ながら、抗生物質は感受性のある細菌感染症にしか有効ではありません。この方は賢明な方なので、みずから医師に抗生剤の処方を要求することはなかったのではないかと推測します。患者が感冒様症状を訴えるとき、直ちに抗生物質や解熱剤を処方することは好ましくありません。また、経口摂取可能な場合で、脱水症状の徴候もない段階であれば、点滴もお勧めできません。むしろ、自己満足を導き警戒感を損ないかねないので好ましくないとさえ言えるでしょう。)帰ってきたんです。


<次の日になっても症状が全然改善されない>ので、【もう一度点滴をしに行った】(この方自身も、どうやら点滴信仰をお持ちのようです。戦略1;戦術1⇒このような場合には、玉弊風散と藿香正気散を大至急内服することです。)んですが、<トイレに行くのもやっとみたいなくらいの熱>が出てきて。

【解熱剤を飲んでも下がらない、抗生物質を飲んで】(これは、かえって病態を悪化させ、長引かせてしまう可能性があります。発熱は抗炎症物質を生み出すために必要な自己治癒メカニズムが作動していることを示唆するものだからです。苦痛がひどい場合でも、最少限度にすべきでしょう。ましてや、抗生物質は論外です。)るも<全く効いていない様子、どんどん体調が悪化している>(残念ながら、当然の結果でした。)のが見えたので、『もしかして』と、そこで思いました。


それで妹が保健所に電話をして、「コロナウイルスに感染している方と接触したかもしれない」と話すと、保健所の方が「じゃあ病院で検査してもらってください」と言うので連れて行った(正しい判断と妥当な行動です。この時期には保健所も病院も崩壊していなかったので幸運だったと思います。現在では、最短でも5日以上を要する見込みです。しかも、死亡のリスクは、検査自体ではなく、初動の手当の遅れが決定的な要因となります。)んですけど。


<その間はほとんど食べられないという状態>(点滴が必要となるのは、このような状態のときです。ただし、事前に点滴しておく意味はありません。このような消化器機能低下に陥らないようにすることはとても大切なことであって、消化機能低下は免疫能低下に直結するため、肺炎を来した場合には重篤化に繋がります。予防で重要なのは、消化管機能を維持して免疫を保持するために無症状の段階から備えておくことに限ります。戦略1:戦術1により、玉弊風散の内服を推奨する根拠は、まさに、ここにあります。)ですね。だから《人によって本当に症状が違うんだな》と思いました。

台湾の近代医学の発展過程と台湾の中医学No2

 

新型コロナウイルスの正式名称はSARS-CoV-2とされ、疾病名称はCovid-19とされていますが、民間にはなかなか定着していないようです。私は、「武漢ウイルス」と呼ぶのが判りやすいと思います。これに対する極東各国の伝統医学の専門家は、それぞれのガイドラインにより、具体的な処方を提案しています。私たち日本人にとっては、中国のガイドラインより、台湾のガイドラインの方が使いやすいかもしれないという印象を持ちました。

 

今回、ご紹介する、桂枝加黄耆湯や桂枝湯には、甘草という生薬が含まれていますが、1日1~2方程度であれば、予防薬として比較的長めに安心して服用できます。

 

台湾の伝統医療ガイドライン

台湾は,3月10日に台湾国家中医薬研究所・蘇奕彰所長の作成したガイドラインがあります。中国,韓国のガイドラインに比し,予防の処方に関して具体的な薬方が記載されています。

 

それによると,健康な人で地域感染がなければ,食事・運動など健康を維持する努力を続けるように書かれています。しかし,慢性疾患患者や免疫機能低下がある人,職場で不特定多数の人と接触しなければならない人は,疾病や個人の体質に合わせ体質調節の処方を作成する必要がある,とした上で,具体的な処方を挙げています。桂枝加黄蓍湯から芍薬を去り,荊芥・桑葉が加わった処方で,表を固める処方として例に出されています。

 

桂枝加黄蓍湯(けいしかおうぎとう)という処方薬剤は、わが国でも保険適応になっています。最大手のツムラにはありませんが、東洋というメーカーが(TY-026)というナンバーで細粒を製造しています。体力が衰えている方で、寝汗やあせもがみられる方にはぴったりの処方です。体質的には虚証・寒熱中等証といって、体力・防御力が弱いが、冷えや火照りはあまり感じないタイプが対象です。


構成生薬は6種で、桂枝、芍薬、大棗、生姜、黄耆です。

漢方薬の原始的レシピとされる桂枝湯(桂枝、白芍薬、大棗、甘草、生姜)に黄耆が一味加わったものと考えることができます。
桂枝湯(けいしとう)という処方薬剤は、ツムラ(45)顆粒、コタロー(N45)細粒が保険で処方できます。体力が衰えた時の風邪の初期に処方されますが、この処方が向くのは体調的に虚証・熱証といって、体力・防御力が落ちていて、熱感があり、じんわり汗ばんでいるタイプが対象です。

 

医療スタッフなどハイリスクの人向けの予防処方として,先ほどの処方に薄荷,板藍根,魚醒草を加えたものが推奨されています。台湾においては板藍根がよく用いられています。C型肝炎治療薬や風邪薬として幅広く用いられている生薬です。魚醒草はドクダミの全草で,わが国では十薬とも呼ぶ。清熱解毒の薬であり,台湾では多用されます。薄荷も発汗を促す作用があります。
台湾のガイドラインの特徴はエキス剤と生薬末の組み合わせも示されていることです。台湾は生薬末を組み合わせて処方を作製します。

煎じ薬ほど手間がかからず,急な対応が可能です。

そして,ウイルス潜伏期,発病期(ウイルス増殖期,サイトカインストーム期),回復期に分けてそれぞれの処方およびエキス剤を示しています。西洋医学の医師でも理解できるように伝統医療の表現を少なめにして,予防の段階から記述してあるのも特徴です。

心不全の病態と治療 

 

BNP検査と保険医療の実像(その1)

 

 

心不全は、誤嚥性肺炎に続き、第2位の入院疾患です。そして心不全での入院患者の平均年齢が85歳(全体では77歳)、院内死亡率は19%に及びます。しかも、80歳以上が8割近くを占めるため、心不全=超高齢者心不全、したがって、少なからずフレイルと認知症を併発します。

 

心不全の本態は、左心室のポンプが拡張するときの圧力が上昇することです。その圧を直接測定することは心臓カテーテル検査で可能ですが、ほとんどの場合は、左室拡張末期圧を反映する間接的指標から評価します。身体所見、画像検査所見(主に胸部エックス線検査、心臓エコー検査)ならびにバイオマーカー等を組み合わせて心不全の診断や重症度を判断するのが一般的かつ実用的です。

 

心不全は臨床的には「うっ血」を来す病態です。まず、左心室のコンプライアンスの低下、すなわち左心室が固くなって収縮しにくくなりますが、これを代償するために脈拍数の上昇、左室の拡大あるいは血管の拡張といった反応がみられます。こうした代償機構のメカニズムは、レニン・アンギオテンシン系あるいは交感神経系の亢進、さらにはBNPの分泌を介するものです。

 

呼吸困難や救急外来を受診した患者において、病歴や身体診察のみでは、心不全の正診率は74%程度であるのに対して、BNP≧100pg/mlという基準を加えることにより、正診率が81.5%まで大幅に向上したというBNP試験の報告があります。

そこで、心不全診断においてはBNP試験が広く推奨されるようになってきました。

 

 

杉並国際クリニックでも、すでに導入しているBNP検査ですが、通常の血液検査と同様の採血のみで済みます。心臓カテーテル検査のような侵襲性や高いコストに比較して患者さんの負担は圧倒的に軽微です。以下に、実例を示します。

 

検査の保険点数(1点=10円)

 

BNP検査:136点=1,360円

 

心臓カテーテル法(左心室)による諸検査:4000点=40,000円

 

患者さんの窓口負担金額(3割負担の場合)

 

BNP検査:410円

 

心臓カテーテル法(左心室)による諸検査:12,000円

 

支払基金からの医療機関への給付額

 

BNP検査:950円

 

心臓カテーテル法(左心室)による諸検査:28,000円

 

 

さて、この検査に関する医療現場の実務ですが、社会保険診療報酬支払基金東京支部からBNP検査実施に関して当クリニックに支払われるはずの950円分が減額されました。

 

この問題については、明日御報告します。

 

<明日に続く>

<杉並国際クリニックの秘策公開!>

 

大前提となる視点:逆転の発想を持ちましょう

たとえ重症化しても最終的に生き残ること!!!(Step4)
   

たとえ発症しても重症化させないこと‼(Step3:重症化予防段階)
⇒重症化するか否かの分かれ目は、発症から7日から10日の間で決まります。
この間、ひたすらPCR検査を待つ間に解熱剤を内服した方は重症化していますので要注意です。
   

たとえ感染しても発症させないこと!(Step2:発症予防段階)
⇒潜伏期は4日から14日までなので、無症状であっても感染している可能性は否定できません。
   

可能な限り感染しないこと(Step1:感染予防段階)
⇒無症状では感染の確認できないことの恐ろしさを深く認識しておくことが重要です。だから、この段階から積極的な予防策を講じておくことが最も重要なのです。
以上のうちで、皆様とともに杉並国際クリニックができることは、

 

Step1から~Step3までです。

 

これを前提として3つの戦略を披露します。

 

戦略1:『自分はすでに新型コロナウイルス感染者である』という認識で行動する

 

戦略2:『自分を守る最良の方法は、同居の家族を守ることである』ことを理解する

 

戦略3:『自分や自分の家族と同様に、親戚や知人を助ける』ための活動を開始する

 

戦術1:戦略1の成功のために、今日からStep1とStep2のための行動の準備をする。

 

戦術2:戦略2の成功のために、今週中に家族と共通の認識を形成する。

 

戦術3:戦略3の成功のために、今月中に、戦術1と戦術2による行動を開始し、その成果を重要他者に伝える。

 

 

基本的秘策・第一弾:家庭単位で常備薬を確保する!

家庭常備薬開始キット(3点セット)

① 玉弊風散(ぎょくへいふうさん)

② 銀翹散(ぎんぎょうさん)= 金羚感冒散(きんれいかんぼうさん)

③ 藿香正気散(かっこうしょうきさん)

 

開始キット(スターターセット)の内訳:

①90包 ②30包 ③12包 合計132包 

 

 

① 『玉弊風散』すべての方用。他の薬剤を内服中の方でも安心して開始できる処方薬です。長期服用可能な健康増進剤でもあります。毎日1包、入浴後、就寝前、予防目的で内服し、普段から免疫力を高めておきましょう。かぜをひきやすい方は、あるいは引きそうな方や不安な方は症状がなくとも、朝食前にも内服し、1日2包とすします。さらに精神的ストレスや身体的疲労感などの症状をわずかでも感じた場合には、1日3包まで増量して、その後の状態に応じて、適宜加減してください。

 

 

② 『金羚感冒散』朝食前に1包もしくは朝・昼の食前に1包ずつ。喉に痛みが生じるほどではなくても、違和感を覚えたり、渇きを感じたり、喉に何らかの異変を感じた初期の段階から内服を開始。その場合も①の『玉弊風散』の夜間の内服は継続する。症状が回復しても直ちに中止することなく、症状消失後も最低2週間程度は、毎日1包の内服は続けてください。

 

 

③『藿香正気散』症状に応じて、1日1包から3包まで。嗅覚や味覚が若干でも低下し、食欲不振や胃腸の働きの変調に気づいたら直ちに内服を開始しましょう。いつもの体温より高め出会った場合には、とにかくこの薬をただちに1包内服すれば安心です。
新型コロナウイルスばかりでなく、インフルエンザや通常感冒の家族療法にも有効で、クラスター発生の防止にも大いに役立つことだろうと思います。
まずは自ら試し、そして同居のご家族にもおすすめください!
上記の開始キット(スターターセット)は、すでに入荷しております。担当、野口までお申し出ください。

 

 

創案者:薬学修士 薬剤師・飯嶋園子 

 

監修者:医学博士・保健学修士 日本東洋医学会認定漢方専門医 医師・飯嶋正広

聖楽療法の体系構成

第一部では、聖楽療法の理論の背景としての心身医学について概説し、そのうえで新しい心身医学の考え方を明確にしました。

今月から「第二部 聖楽療法 理論と実践の性質」に入りました。

第二部は、聖楽療法の拠点としての聖楽院とは何かについて、その起源を述べ、いくつかの心身医学的アプローチをどのように応用して発展してきたかを省察します。

前回までの3回は、第3章 臨床聖楽法の起源と基礎
臨床聖楽法とは何か?どのように発展してきたのか?
というテーマですすめてきました。

 

それでは、「第二部 聖楽療法 理論と実践の性質」のアジェンダを示します。

 

第3章 臨床聖楽法の起源と基礎

 

第4章 臨床聖楽法における芸術音楽の価値

 

第5章 臨床聖楽法の理論的根拠、実践、意味

 

第6章 音楽療法モデルにおける臨床聖楽法の考え

第7章 現代の音楽療法の枠組みにおける臨床音楽法の考え

 

 

第3章 臨床聖楽法の起源と基礎

媒体としての音楽―臨床聖楽法理論の一つの基礎

審美的体験としての音楽体験
  
 

音楽体験は、ジョン・デューイがその美学理論の中で「体験の媒体」と表現した概念が理解を助けてくれます。デューイによれば、「媒体(medium)」という言葉は、仲介するものの存在を暗に含んでおり、「手段(means)」という言葉と共通の意味を持ちます。

しかし、この二つの概念には決定的な違いがあります。媒体とは、一つの体験の中に内在するものを求める行為であり、その行為自体が動機であると同時に目的です。これに対して手段とは、外的な目的を達成するための道具を意味します。

 

音楽中心音楽療法の指導者であるケネス・エイゲンは、「音楽中心の実践では、音楽独自の体験や表現を達成することを目標としている」とします。

この立場では、音楽的体験や表現自体が有益な人間活動であり、そのため臨床的な目標と音楽的な目標は切り離せず、また、音楽を通じて得られたことは、それ以外の方法では得ることはできないと述べています。

そして、音楽的な目標、すなわち音楽的な体験こそ音楽療法における正当な焦点であるというこの考え方は、音楽療法の手段と結果を融合することを含んでいるとしています。

 

デューイは、審美的体験こそこそ美学を特徴づける定義だとしています。

音楽中心理論における音楽には、手段と目的の統合がみられますが、これは一般の審美的体験の場合と類似していることをエイゲンは指摘します。

そして、彼は音楽中心理論についての審美的な関連を説明するうえでの助けになるものだとしています。

音楽の審美的な質の高さが臨床のプロセスに直接関連するため、ノードフ・ロビンスの実践のように最も審美的な質の高い音楽を選択するように、聖楽院もクリエイトした録音音楽としての芸術歌曲集「小倉百人一首」のCDを準備して活用しています。

 

ルーディ・ギャレットは、「音楽ベースの(music-based)」音楽療法理論では、音楽を体験的媒体として考える必要があるとします。そして、音楽療法のクライエントにとって、主要な動機付けは音楽活動そのものに係ることであり、もしそうでないとしたら、音楽活動を通じた機能の改善は期待できないであろうと述べています。

したがって、ギャレットによれば、音楽活動と音楽体験に対してクライエントが意欲をもつことが、音楽療法治療への自主的な参加や熱意として現れてくることになります。

さらに、音楽に対する意欲は、単にクライエントを治療に引き付けるものとしてではなく、重要な解説的性質を含んでいることになります。

このように、音楽療法におけるクライエントの体験が基本的に音楽的なものであれば、それが、その療法の効果を説明する鍵となります。

<はじめに>

 

 

前回は「胸焼け」に効果のあるツボを紹介しました。

 

 

「中脘」は お臍から指4本分上にあり、

 

 

「足三里」は膝のお皿の下の外側にあるくぼみから指4本下にあるというお話でした。

 

 

今回は「便秘」に効果のあるツボを紹介しましょう。

 

 

 

<便秘に効果のあるツボ>

2020-03-17 15-25

 

 

「偏歴(へんれき)」親指側の手首のくぼみから指4本分肘よりにあります。

 

 

「温溜(おんる)」手首の親指側から親指5本分肘側にあります。

 

 

「大腸兪(だいちょうゆ)」は左右の腸骨稜を結んだ線が腰椎と交わるところから指2本分外側にあり ます。

 

 

「偏歴」と「温溜」はじっくりと指圧してください。

 

 

「大腸兪」は仰向けに寝てテニスボールで刺激してみましょう。

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

<日本医学会連合会長の緊急提言に意見!安倍首相には、シンプルな御提言を‼>


以下は、日本の主要な医学会を束ねる連合会の大重鎮が、内閣総理大臣安倍晋三氏に送る緊急提言の草案を提案し、各医学会会長に対して会員医師の意見を集約させようとの要望書と、緊急提言の草案です。現場の個々の医師は大きな矛盾と疑問を抱えながら、平時にしか通用しない従来の戦術を命がけで順守すべく戦っています。

そのような状況において、必要とされる総司令官のリーダーシップとは、非常時であることの意識と、明確なターゲットを絞ることによって、素人の内閣総理大臣や国民に分かりやすい大胆にしてシンプルな提言をすることが肝要だと思います。

 

締め切りまで2日の猶予しかないため、私自身も自分のコメントを朱書して至急返信しました。私の所属学会を通して一両日中に連合会長に届けるとのことです。

 

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加盟学会各位へ

日頃より日本医学会連合・日本医学会にご協力いただき、ありがとうございます。最近の新型コロナ感染症で大変ご苦労の多い毎日と拝察しています。

さて、新型コロナ感染症の広がりと医療界への逼迫した影響を鑑み、日本医学会連合・日本医学会として国への意見(要望書)を提出したいと考えています。つきましては添付のような要望書を作成しましたので、各会員におかれましては、お読みいただき、それぞれのお立場からご意見をお願い申し上げます。時間的な制約がありますので、4月22日正午までにご返信(info@jmsf.or.jp)いただきますようお願い申し上げます。

なお、今回はできる限り各会員に共通したものを要望として挙げていますので、ご理解をお願い申し上げます。

 

令和2年4月20日

門田 守人

 

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令和2年4月20日

 

内閣総理大臣

 安倍 晋三 殿

 

一般社団法人日本医学会連合

 

会 長  門田 守人

 

 


最終段階にある医療崩壊をくい止めるための緊急提言

 

新型コロナウイルス感染症の国内での急速な増加に伴い、令和2年4月7日に安倍晋三内閣総理大臣より7都府県に対し緊急事態宣言が発出され、同4月16日には対象が全国に拡大されました。

 

本宣言は地域における医療崩壊をくい止めることが第一義の目的とされていますが、現状を鑑みると医療崩壊は既にはじまっており、最近では医療機関でのクラスターも発生し、その最終段階に突入しつつあります。これ以上の死亡者数の増加を抑制するために、日本国民が一丸となってなんとしても医療崩壊をくい止めなければなりません。

 

これまで日本医学会連合をはじめとした医学系諸学会は、新型コロナウイルス感染症による医療崩壊を抑制するため、医療現場の様々なニーズをくみ上げ 加藤勝信 厚生労働大臣に要望書を提出してまいりました。

政府および関係者の方々のご尽力により医療現場には多くの支援がなされていますが、残念ながら新型コロナウイルス感染患者数の増大に追いつかず医療現場の現状は逼迫するばかりです。

特に個人防護具の不足は顕著であり、不完全な個人防護具で診療・ケアすることに伴う感染のリスクが高いといった多くの医療従事者の声が寄せられています。

 

このような状況が続けば、病院を端緒とした新型コロナウイルス感染症のクラスター化が広がり、医療機関不足という負の連鎖を引き起こし、感染拡大を制御することは不可能となります。医療従事者の精神的緊張もいつかは途切れてしまいます(コメント:大切な指摘です!長期的継続が不可能なこと、能力を超えることは無駄になるので、早期に断念し、継続可能な戦略を建て直すことが望ましいと思います。)

医療崩壊を防ぐため、医療従事者の保護のためにも、官民一体となり医療従事者を守る姿勢をさらに鮮明に打ち出していただきたいと切にお願いいたします。

 

医療崩壊の瀬戸際に立たされた我が国を救うべく、日本医学会連合として以下の5点について、緊急要望を提出させていただきます。

 

① 医療機関におけるPCR・抗体検出検査体制の早急な大幅拡充のための支援
(コメント:ナンセンスです!物理的に不可能です。無理なことに期待して行動決定すると悲劇的な結果を招いてしまいます。治療に直結しない無駄な検査は廃止して、全国民が感染者であると仮定して、予防と救命活動に特化した活動をしない限り、イタリアや米国の二の舞です。どうしても必要と言うのであれば、まず患者の診療に当たる医療従事者やリスクの高い介護従事者のPCR検査を毎日実施できる体制を確立することが急務ではないかと考えます。)


医療崩壊防止の一つの側面として、一般の傷病者に対する健全な医療供給が継続されることがきわめて重要です。

慢性疾患、がん、外傷など、新型コロナウイルス感染症以外の疾病に苦しむ患者に対しても、安全かつ十分な医療を供給することが医療機関には求められています。

そのためにも無症状の新型コロナウイルス陽性患者(不顕性患者)を見極めることは院内感染を含めた感染拡大を防ぐためには欠かせません。

本来であれば外来・入院患者全員に対しPCR検査や抗体検査を行い少しでも感染のリスクを減らすべきですが、これらの検査体制が不十分な我が国の現状では不可能です。全身麻酔や手術、消化管内視鏡検査、気管支鏡検査など一般の医療行為は飛沫感染の原因であるエアロゾルを容易に発生します。

透析医療では、多くの患者を限られた空間で2日に1回長時間治療する必要があります。個人防護具の不足もあいまって、このままでは多くの医療従事者が感染リスクさらされながら診療を継続しなければなりません(コメント:医療従事者は、すでに感染しているものと覚悟しない限り、長期戦に望むことはできません。)

院内クラスターの発生を少しでも食い止めるためには、多くの無症候患者までも含めたPCR検査および抗体検査を行うことができる早急な体制確立(コメント:これは、最初の段階では正解ですが、現在はその段階ではありません。不可能であるという現実を認識してから、冷静な判断をして、有効打を打つしかありません。)を要望いたします。

 

 

緊急対応を要する提案:

・院内感染防止のために、無症候であっても手術や検査、透析など感染リスクの高い処置を受ける患者や、それに携わる医療スタッフに対しての院内PCR・抗体検査の公費負担

 

・院内PCR・抗体検査体制の拡充(人員を含む)のための予算措置

 

・PCR・抗体検査試薬の増産体制の構築

 

・院内PCR・抗体検査に要する人材養成

 

 

② 個人防護具の充足

4月9日に日本救急医学会・日本臨床救急医学会の連名で「医療崩壊が生じる際の兆候としての『救急医療体制の崩壊』がすでに始まり、マスクやガウンなどの個人防護具が圧倒的に不足している」と声明が出されました。

同様の問題が全国各地の病院でも生じ、サージカルマスク、N95マスク、プラスチックガウン、手術用滅菌ガウン、シューズカバー、フェイスシールド、アイシールドなどの不足のため、新型コロナウイルス感染症患者に対する診療において院内伝搬のリスクが確実に増加するなど、深刻な状況が続いており、多くの病院でがんや末期臓器不全、外傷など生死に関わる検査や手術を延期しなければならない事態に陥っております。

医療資源の確保ができてさえいれば救えたはずの命を救えず、多くの医師・看護師がこれまで直面したことのなかった倫理的葛藤に苛まれており、精神的ケアを必要としております(コメント:重要な指摘です。しかし、自らもすでに感染者でありながら見えない敵と戦っているという認識を持つことで幾分葛藤は軽減されるのではないでしょうか)


このままの状態が続けば、日本の医療の最終防衛ラインである大学病院を含めた基幹病院でも医療崩壊が訪れ、社会は機能停止となります。そしてその間に治療の機会を奪われたことによる死亡患者は厖大な数に上ることは確実で、日本の強みであったはずの世界最高水準の医療の著明な地盤沈下が年単位で続くことになります。生命の危機に瀕する患者に対する医療を継続して行う態勢を全国各地で死守するために、以下を提案いたします。

 

緊急対応を要する提案:

・個人用防護具の在庫・生産・入荷状況の一元的調査と定期的な公開

 

・個人用防護具の配置に地域間・施設間較差が生じないよう厚生労働省による適切な行政指導

 

・個人用防護具の輸入確保のため他国への外務省を通じた働きかけ

 

・個人用防護具の備蓄・増産体制の確立(国内他業種の参画を含む)のための経済産業省などによる施策

 

 

③ 医療従事者への支援体制の確立

最前線の医療従事者は、大量におしよせる新型コロナウイルス感染および疑い患者に対応しながら、医療物資不足にも悩まされ、さらに自分自身が感染するかもしれないという恐怖と闘いながら診療・ケアを続けています(コメント:そうした恐怖と戦っているのは医療従事者だけではないはずです。むしろ、確かな情報や適切な判断ができずに放置されている一般国民はそれ以上の恐怖に曝されていることを想わずにはいられません)。

医療崩壊の生じたイタリアでは1万4,000人以上の医療従事者の感染と100名以上の医師、20名以上の看護師の死亡が(4月10日現在)、米国では9000人余りの医療従事者の感染と27人の死亡が確認されています(4月15日現在)。

また家族への伝搬を防ぐため、病院から帰れない、駐車場の車で就寝する、といった事例もあるなど医療従事者の肉体的、精神的な負担は計り知れません(コメント:重要な指摘です)

今後、新型コロナウイルス感染症の増加に伴い医療従事者不足はより顕著になってくると考えられます。政府からは引退後の医師や潜在的看護師有資格者に対し医療現場への復帰を呼び掛けていただいておりますが、有資格者であるがゆえにリスクの高い医療現場に復帰を強要されることだけは厳に慎まれるべきです。

そこで医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、臨床工学技士の過酷な仕事をサポートする後方支援を拡充することがきわめて重要です。医療従事者の人材不足を起こさないため、以下の点を要望いたします。

 

 

緊急対応を要する提案:

・医療従事者向けの精神的支援体制の構築:精神科医や臨床心理士による相談体制の早期確立

 

・新型コロナウイルス対応特別手当の創設:診療報酬増額のみならず個人への危険手当の新設

 

・医療従事者の宿泊および休憩施設の確保に対する予算措置

 

・患者重症度管理による患者集中回避策の徹底と医療資源の集中投入

 

・医療従事者に対する差別のない社会的見識の熟成

 

 

④ 初期研修中の医療従事者に対する施策

本年度4月から医療現場で働き始めた初期研修中の医師(9,341人)、看護師(56,767人)、薬剤師(9,958人)、臨床検査技師(3,472人)、臨床工学技士(2,168人)は、本来であれば各医療現場で希望に燃えた初期研修を行っている時期です。

しかし、厳密な感染対策が必要とされる現在の臨床現場で研修するのは難しく,却って感染拡大のリスクが高まることが心配されており、医療機関によっては自宅待機としているといった事例があるなど初期研修の機会を奪われてしまっているのが現状です。

新型コロナウイルス感染症蔓延期において救急科などでの初期研修は難しいとの判断は現状を鑑みれば致し方ありません。

ただ、初期研修中の医療従事者こそ、有資格者として現在の医療体制の中で教育・活用することで後方支援となるのみならず、未曽有のパンデミック時の医療経験を通じて将来の我が国の医療の発展を担ってくれるものと考えます。見逃されがちな初期研修中の医療従事者および将来を担う子供たちの教育についても目をむけていただきたくお願いいたします。

 

 

緊急対応を要する提案:

・初期研修中の医療従事者(医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師・臨床工学士)の医療機関での後方支援業務従事の促進

 

中長期的観点からの提案:

・初期研修中の医療従事者に対する感染症の教育と実地訓練の促進

 

・パンデミック発生時の医療供給体制についての教育と実地訓練の促進

 

・初等・中等義務教育におけるパンデミックとその対応についての教育の必修化

 

 

 

⑤ 今回のパンデミック終息後の施策

3月に入りイタリアやスペイン、米国ニューヨーク州などでの感染爆発により医療崩壊が生じ、医療現場で「生命の選別」をせざるを得ない状況に陥ったことが広く報道されました。我が国は世界最長寿国の一つであり高齢者人口が多いことや人口10万人あたりの集中治療室ベッド数(約5)がイタリア(13)、スペイン(12)、ドイツ(29)、米国(35)より極端に少ない(コメント:重要な指摘です)ことなどの課題を抱えており、ひとたび感染が拡大すれば、感染した患者は重症化しやすく(コメント:だからこそ、検査を受けることができるまでの期間を無為に過ごさせず、セルフケアの指導を充実させることが重症化や死亡者増加の歯止めのための決め手になるのではないでしょうか)、救急医療および集中治療が飽和状態となり、通常の医療を含めた医療資源が枯渇することは容易に予見されました。

準備する期間が残されていたにも関わらず我が国の対応は遅く、現状を招くに至ったことを医療現場・行政ともに真摯に受け止めなければなりません。今回の苦い経験を将来に生かすことが、失われた多くの尊い命に報いるためにも不可欠です。今後も予想されるパンデミックに向けての対策を講じるべく、下記を提案いたします。

 

 

中長期的観点からの提案:

・エピデミック・パンデミックが生じた際の感染症対策を、地震などの自然災害やバイオテロへの対策と同様、緊急時の訓練の一部として各地域の大学病院および基幹病院に義務化

 

・各地域の医療従事者を含めた医療資源の供給体制に関するデータを可視化し病院間で共有することで、円滑な協力・連携を実現

 

・各地域の自治体(行政)・医師会・市民が三位一体となり日頃より感染症に対する理解を深める啓発活動を行うことで、緊急時に医療現場と地域住民が混乱なく行動できるように準備(コメント:私は室内温水プール施設にて、集団的水中有酸素運動をデザインし、20年間継続・発展させてきました。現段階での、このような提案は、一朝一夕に実を結ぶ物ではないと考えます。日頃から、防災訓練を生活の一環として組織的に取り込んでいなければ実効性は期待できないと思います。)

 

・集中治療室ベッド数の増床・適正配置および集中治療に関わる医療従事者の育成

 

・緊急事態にも対応可能な医療従事者の育成と医療供給体制の適正化

 

 

安倍晋三 内閣総理大臣を中心とした政府の強力なリーダーシップのもと、医療崩壊をくい止めるための医療機関・医療従事者への多方面からの益々のご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

 

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なお、杉並国際クリニックは、明確な戦略に基づく具体的な戦術を考案し、本日、協力者との契約を締結することができたので、明日、その内容をご提案いたします。

<土曜日特集:統合医学(心身医学・漢方医学)カンファランス>

 

「清肺排毒湯」の21の構成生薬のうち、保険調剤(エキス製剤)が可能な生薬は以下の17種です。

 

麻黄 、炙甘草 、杏仁 、生石膏 (先煎)、 桂枝、澤瀉 、猪苓 、白術 、茯苓 、柴胡 、黄芩 、姜半夏 、生姜 、細辛 、 山薬 、枳実 、陳皮

 

これらの構成生薬の配合を分析してみると、解表剤、和解剤、補気剤、理気剤、利水剤などの効能を併せ持つ処方であると考えられます。

 

これらのうち、今回は、身体に滞った余分な水分を他に移し(利水作用)こうして病毒(ウイルス)の侵攻から身を守ってくれるのが利水剤について解説します。

 

 

杉並国際クリニックの分析

「清肺排毒湯」の構成生薬には、以下のような利水剤としての組み合わせを抽出することができます。

 

麻黄 、炙甘草 、杏仁 、生石膏 (先煎)、 桂枝、澤瀉 、猪苓 、白術 、茯苓 、柴胡 、黄芩 、姜半夏 、生姜 、細辛 、 山薬 、枳実 、陳皮

 

利水剤 痰飲(痰とは粘稠性の体液や分泌物、飲とは漿液性といってサラサラして水っぽい体液や分泌物)や水腫(むくみ)を治療する方剤です。

 

五苓散(沢瀉、白朮、猪苓、茯苓、桂枝)としては、そのまま処方できます。

17五苓散 コタロー細粒もしくはクラシエ細粒

17五苓散の処方で注意しておかなければならないのは、製薬メーカーによって構成生薬の種類が若干異なることです。業界最大手のツムラ17五苓散は、<蒼朮>を<白朮>の代わりに用いています。「清肺排毒湯」では<蒼朮>でなく<白朮>を用いています。


朮(おけら)には、蒼朮(あおおけら)と白朮(しろおけら)がありますが、作用が異なります。蒼朮は、脾・胃(消化器系)に作用しますが、白朮は脾・肺(呼吸器系)に作用し、インターフェロン誘起作用を持つとされます。そこで呼吸器症状が主となるウイルス感染症には白朮を用いた製剤が望ましいと考えます。

 

適応:

浮腫、ネフローゼ、二日酔い、急性胃腸カタル、下痢、悪心、嘔吐、めまい、胃内停水、頭痛、尿毒症、暑気あたり、糖尿病
口渇、尿量減少する

 

小半夏加茯苓湯(半夏、茯苓、生姜)としては、そのままの処方できます。

21小半夏加茯苓湯

適応:

妊娠悪阻(つわり)その他の原因による嘔吐

急性胃腸炎、湿性胸膜炎、水腫性脚気、蓄膿症

 

茯苓飲減(茯苓-、白朮、陳皮、枳実、生姜)として

69茯苓飲(茯苓-、白朮、陳皮、枳実、生姜+人参)
適応:胃炎、胃アトニー、溜飲吐き気や胸やけがあり、尿量が減少するタイプには、人参が加わった69茯苓飲がお勧めです。

 

苓甘姜味辛夏仁湯減(杏仁、半夏、茯苓、細辛)として

119苓甘姜味辛夏仁湯(杏仁、半夏、茯苓、細辛
            +甘草、五味子、乾姜)
        

適応:気管支炎、気管支喘息、心臓衰弱、腎臓病

貧血、冷え症で喘鳴を伴う喀痰の多い咳嗽には著効します。

また、厳密には適応外ですが、アレルギー性鼻炎にも良く効きます。

 

スペインの有力紙、記録的新聞ABCを読むNo3.

 

Madrid el epicentro del coronavirus en España

 

マドリードはスペインでのコロナウイルス発生の中心地

 

 

Más allá de las diferencias entre comunidades autónomas, el coronavirus ha aumentado con rapidez en toda España. El 2 de marzo ya se había superado el centenar en todo el país. El 9 de marzo se tocó el millar. Dos días después, el 11 de marzo, los dos millares. El 13 de marzo eran más de 5.000. El 16 de marzo ya se rozaban los 10.000. El 20 de marzo, por encima de los 20.000. El 23 de marzo ya se superaron los 33.000 casos. El 25 de marzo se superaban los 47.000. El 28 de marzo, más de 70.000. El 1 de abril, más de 100.000. El 5 de abril, más de 130.000.

 

自治体間の違いを超えてコロナウイルスはスペイン全土に急速に増え続けてきました。3月2日までに全国で100例を超えました。3月9日には、1,000例に届きました。2日後の3月11日には、2,000例、3月13日には5,000件以上でした。3月16日にはすでに10,000件に達し、3月20日に20,000件を超え、3月23日には33,000件を超えました。3月25日には47,000件を突破しました。3月28日には70,000件以上となりました。4月1日には100,000件以上、4月5日には130,000件以上です。

<共にできること!それは家族や仲間を救うことから‼>

 

平時のみならず非常時の行政の欠点は、他者を助ける人や組織を助ける機動力の欠如です。

これが欠如していると根本的な問題解決を大幅に遅らせてしまいます。

 

具体的な戦術は、まず喫煙者であれば禁煙、肺炎ワクチン未接種の高齢者(65歳以上)はワクチン接種を行い、できれば家族や友人にも勧めることです。

 

現在世界を震撼させている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、 いまだ衰えることなく多くの人々を不安の渦に巻き込んでいます。

 

しかし、パンデミックを恨みながら、あるいは怯えながら煙草を吸い続けて周囲の気の弱い非喫煙者を苦しめているような人間は最悪な行いをしています。まずは、自分自身を大切にし、同時に周囲に迷惑や害悪を及ぼさないことから始めましょう。


画期的な治療薬やワクチンをはじめとする予防的な治療法の治験は、すでに始まっていますが、実用に至るまでの間、手をこまねいて観ているうちに多くの患者が罹患し、苦しい症状に耐え、そして尊い命が失われていきます。

しかし、基礎疾患の治療継続や、肺炎などのワクチンの接種は可能です。COVID-19 は、急激に重篤な呼吸器障害を併発し、長期の集中治療室(ICU)での治療が必要となり、そして高齢者や複数の疾病を発症している方々では死亡率が高いことが指摘されています。

 

このようなハイリスクな症例では多くの場合、背景として喫煙習慣や低栄養ならびに骨格筋の減少や機能低下(サルコペニア)の存在があり、それが ICU での治療を長引かせ、時には残念な結果を招いてしまうことが指摘されています。

 

また生体の免疫力は栄養状態によって支えられており、低栄養で特に筋肉量が減少した人では、明らかに細菌やウイルスなどの感染症に対する免疫能が低下していることが知られています。すなわち、栄養状態を良好に保つことは COVID-19 ウイルスから身を守る大きな一助となるものと考えられるのです。
 

 

COVID-19 では、呼吸器症状だけでなく、悪心・嘔吐、下痢などによる十分な食事の摂取が困難であったり、消化吸収障害などもきたしたりすることから、感染後により低栄養に陥りやすいことが判明しました。

 

COVID-19 の治療経験のある中国医師によると、治療開始前に栄養状態の評価を行うべきであると報告しています。

とくに高齢者は、多疾患の合併、サルコペニアなどの身体組成の老化、摂食嚥下機能の低下、心理社会的問題、認知症の併発や経済的社会環境の脆弱性などからみても明らかに高リスクであるといえます。
 

 

私が20年前に水氣道を生涯エクササイズ構想のもとに創始してこれまで続けてきたのも、超高齢社会到来に向けて加齢による身体組成や機能の脆弱化を防止することと、地球温暖化に伴う環境変化によるパンデミックなどの非常時にも継続できるエクササイズの必要性を予見していたからに他なりません。見、肥満の症例であっても骨格筋量の減少や筋力が低下したサルコペニア肥満の場合には、やはりあらゆる感染症に対しての危険因子を有するものと考えられます。

 

また、聖楽院の創設は、水氣道によって鍛えられた姿勢、呼吸や動作法を基礎として、声楽藝術に則った発声・発語訓練により、摂食嚥下機能の低下、心理社会的問題、認知症の併発等を予防しようとするものでした。
 

 

国家非常事態が宣言されて、それが全国に及び、これが長引くならば、国民の多くは狭い生活空間に閉じ込められることになります。

その結果、移動距離も少なく、運動不足となるのは必定です。このような運動不足の状況は、健康状態を障害する高リスク因子であり、体重増加、骨格筋量の減少、筋力の減衰すなわちサルコペニア状態に陥り、免疫能を障害することが指摘されています。

このような状況においては、栄養状態の維持・改善とともに水氣道®のような適度なエクササイズ(運動)が必要です。水氣道ができない現在の条件であっても、自分が無理なく続けられるエクササイズを隔離・待機期間中に継続することが推奨されます。

エクササイズは、自宅や庭・公園などの人との接触の少ない外部で行い、できれば一人あるいは少数の家族とともに行うのが望ましいが、少なくとも 2mの間隔は空けるようにします。

また、内容としては簡単な家事でも身体を動かすものであれば良く、体操やヨガ、ウォーキング(散歩)なども推奨されるが、毎日 30 分あるいは二日ごとに 1 時間ほど実施 することが望まれます。自宅待機に際しては感染防御を十分に考慮した上での日光浴も大切です。

骨代謝にとって重要なビタミン D の生体内生成を促すには、週に2 回、15~30 分ほどの日光浴が効果的です。

 

 

こうした基礎を固めつつ、COVID-19発症に備えて、家庭や職場に適切な常備薬を確保しておくことをお勧めします。

発熱を抑えようとするあまり、安易に鎮痛解熱剤を使用してはいけません。

発熱することは炎症反応の活発化により、原因ウイルスであるSARS-Co-V2の抗体を生産していることを誘導するからです。

発熱などの感染症の諸症状を緩和するだけでなく免疫力を高める効果をもたらすことができるのが、生薬、いわゆる漢方薬です。こうした漢方薬を常備薬として確保しておくことによって発症早期の適切な治療介入が容易になるのです。

 

 

最後に、そのための常備レシピ3点セットを紹介しておきましょう。

1)

『玉弊風散(ぎょくへいふうさん)』出典:諸説あり(丹渓心方、世医得効方など)

 

弊風とは屏風(びょうぶ)のことです。屏風は壁のように完全にものを遮断してしまうのではなくて、必要なものを通過させ、入ってはならないものをくい止める働きです。玉(ぎょく:宝飾品などの意味)とは、大変貴重なものという意味。屏風(免疫力)で外からの邪を防ぎ、外的要因から身体をしっかり守る薬と考えられます。外邪に対する防衛力が落ちると、風邪をひきやすくなったり、なかなか治らずに長引いたりします。 温度変化にも順応しにくい粘膜過敏体質の人は、わずかな温度変化でクシャミ、鼻水などのアレルギー症状も現れやすくなります。そのため、かぜや気管支炎、慢性鼻炎、花粉症、慢性蕁麻疹、喘息をはじめ、慢性咳嗽の長期管理などに好んで応用されています。

 

2)

『金羚感冒散(きんれいかんぼうさん)』出典:「温病条弁」
 

喉が痛いタイプの風邪に適しています。喉の痛みに伴い、口が渇いて水が飲み
たくなるといった症状に合います。「金羚感冒散」は、喉や体表の炎症を冷やしながら「風熱」の邪を追い払い、かぜによる喉の痛みに効果を発現します。

 

3)

『藿香正気散(かっこうしょうきさん)』出典:「和剤局方」

 

処方名の頭についた「藿香」は、体に取り付いた邪(ウイルスなどの病原菌)を発散させる生薬で、この処方の主薬でもあります。次の「正気」とは、からだの内外の冷えや湿気などが原因で、乱れてしまった気を正すという意味で、この処方名が付けられました。このレシピの強みは、冬場を越えて春から梅雨、さらに夏になっても猛威を振るう高温多湿を好むウイルスにも効果的です。嗅覚や味覚が乏しくなり、食欲不振や吐き気や下痢などの胃腸症状をもたらすことが知られているCOVID-19の原因ウイルスであるSARS-Co-V2対策として欠かせない主役の処方です。

 

 

3点セットの使い分け:

かぜをひきやすい方は、あるいは引きそうな方は、症状がなくとも、1)『玉弊風散』毎日1包、入浴後、就寝前などに内服して免疫力を高めておくことがお勧めです。

 

そして、喉に痛みが生じるほどではなくても、違和感を感じたり、渇きを感じたりしする初期の段階で、2)『金羚感冒散』を症状の程度に応じて、朝食前に1包もしくは朝・昼の食前に1包ずつを、1)の『玉弊風散』の夜間の内服に加えてみるのが良いと思います。

 

ただし、嗅覚や味覚が若干でも低下し、食欲不振や胃腸の働きの変調に気づいたら、2)『金羚感冒散』は中止して、3)『藿香正気散』の出番になります。これも症状に応じて、1日1包から3包まで増やすのが良いでしょう。

 

このように、ウイルス 感染症の症状の変化は速いので、上記の3種の漢方薬をセットとして常備して、家族全員が互いに注意し合い、助け合い、励まし合っていくならば、新型コロナウイルスばかりでなく、インフルエンザや通常感冒の家族療法にも有効で、クラスター発生の防止にも大いに役立つことだろうと思います。

 

開始キット(スターターセット)は、4月23日に入荷し当クリニックの患者の皆様限定でお分けできる準備が整いました。今後はいつでも野口将成(担当連絡責任者)まで御相談ください。