緊急対策:新型コロナウイルス感染予防戦略No5

<共にできること!それは家族や仲間を救うことから‼>

 

平時のみならず非常時の行政の欠点は、他者を助ける人や組織を助ける機動力の欠如です。

これが欠如していると根本的な問題解決を大幅に遅らせてしまいます。

 

具体的な戦術は、まず喫煙者であれば禁煙、肺炎ワクチン未接種の高齢者(65歳以上)はワクチン接種を行い、できれば家族や友人にも勧めることです。

 

現在世界を震撼させている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、 いまだ衰えることなく多くの人々を不安の渦に巻き込んでいます。

 

しかし、パンデミックを恨みながら、あるいは怯えながら煙草を吸い続けて周囲の気の弱い非喫煙者を苦しめているような人間は最悪な行いをしています。まずは、自分自身を大切にし、同時に周囲に迷惑や害悪を及ぼさないことから始めましょう。


画期的な治療薬やワクチンをはじめとする予防的な治療法の治験は、すでに始まっていますが、実用に至るまでの間、手をこまねいて観ているうちに多くの患者が罹患し、苦しい症状に耐え、そして尊い命が失われていきます。

しかし、基礎疾患の治療継続や、肺炎などのワクチンの接種は可能です。COVID-19 は、急激に重篤な呼吸器障害を併発し、長期の集中治療室(ICU)での治療が必要となり、そして高齢者や複数の疾病を発症している方々では死亡率が高いことが指摘されています。

 

このようなハイリスクな症例では多くの場合、背景として喫煙習慣や低栄養ならびに骨格筋の減少や機能低下(サルコペニア)の存在があり、それが ICU での治療を長引かせ、時には残念な結果を招いてしまうことが指摘されています。

 

また生体の免疫力は栄養状態によって支えられており、低栄養で特に筋肉量が減少した人では、明らかに細菌やウイルスなどの感染症に対する免疫能が低下していることが知られています。すなわち、栄養状態を良好に保つことは COVID-19 ウイルスから身を守る大きな一助となるものと考えられるのです。
 

 

COVID-19 では、呼吸器症状だけでなく、悪心・嘔吐、下痢などによる十分な食事の摂取が困難であったり、消化吸収障害などもきたしたりすることから、感染後により低栄養に陥りやすいことが判明しました。

 

COVID-19 の治療経験のある中国医師によると、治療開始前に栄養状態の評価を行うべきであると報告しています。

とくに高齢者は、多疾患の合併、サルコペニアなどの身体組成の老化、摂食嚥下機能の低下、心理社会的問題、認知症の併発や経済的社会環境の脆弱性などからみても明らかに高リスクであるといえます。
 

 

私が20年前に水氣道を生涯エクササイズ構想のもとに創始してこれまで続けてきたのも、超高齢社会到来に向けて加齢による身体組成や機能の脆弱化を防止することと、地球温暖化に伴う環境変化によるパンデミックなどの非常時にも継続できるエクササイズの必要性を予見していたからに他なりません。見、肥満の症例であっても骨格筋量の減少や筋力が低下したサルコペニア肥満の場合には、やはりあらゆる感染症に対しての危険因子を有するものと考えられます。

 

また、聖楽院の創設は、水氣道によって鍛えられた姿勢、呼吸や動作法を基礎として、声楽藝術に則った発声・発語訓練により、摂食嚥下機能の低下、心理社会的問題、認知症の併発等を予防しようとするものでした。
 

 

国家非常事態が宣言されて、それが全国に及び、これが長引くならば、国民の多くは狭い生活空間に閉じ込められることになります。

その結果、移動距離も少なく、運動不足となるのは必定です。このような運動不足の状況は、健康状態を障害する高リスク因子であり、体重増加、骨格筋量の減少、筋力の減衰すなわちサルコペニア状態に陥り、免疫能を障害することが指摘されています。

このような状況においては、栄養状態の維持・改善とともに水氣道®のような適度なエクササイズ(運動)が必要です。水氣道ができない現在の条件であっても、自分が無理なく続けられるエクササイズを隔離・待機期間中に継続することが推奨されます。

エクササイズは、自宅や庭・公園などの人との接触の少ない外部で行い、できれば一人あるいは少数の家族とともに行うのが望ましいが、少なくとも 2mの間隔は空けるようにします。

また、内容としては簡単な家事でも身体を動かすものであれば良く、体操やヨガ、ウォーキング(散歩)なども推奨されるが、毎日 30 分あるいは二日ごとに 1 時間ほど実施 することが望まれます。自宅待機に際しては感染防御を十分に考慮した上での日光浴も大切です。

骨代謝にとって重要なビタミン D の生体内生成を促すには、週に2 回、15~30 分ほどの日光浴が効果的です。

 

 

こうした基礎を固めつつ、COVID-19発症に備えて、家庭や職場に適切な常備薬を確保しておくことをお勧めします。

発熱を抑えようとするあまり、安易に鎮痛解熱剤を使用してはいけません。

発熱することは炎症反応の活発化により、原因ウイルスであるSARS-Co-V2の抗体を生産していることを誘導するからです。

発熱などの感染症の諸症状を緩和するだけでなく免疫力を高める効果をもたらすことができるのが、生薬、いわゆる漢方薬です。こうした漢方薬を常備薬として確保しておくことによって発症早期の適切な治療介入が容易になるのです。

 

 

最後に、そのための常備レシピ3点セットを紹介しておきましょう。

1)

『玉弊風散(ぎょくへいふうさん)』出典:諸説あり(丹渓心方、世医得効方など)

 

弊風とは屏風(びょうぶ)のことです。屏風は壁のように完全にものを遮断してしまうのではなくて、必要なものを通過させ、入ってはならないものをくい止める働きです。玉(ぎょく:宝飾品などの意味)とは、大変貴重なものという意味。屏風(免疫力)で外からの邪を防ぎ、外的要因から身体をしっかり守る薬と考えられます。外邪に対する防衛力が落ちると、風邪をひきやすくなったり、なかなか治らずに長引いたりします。 温度変化にも順応しにくい粘膜過敏体質の人は、わずかな温度変化でクシャミ、鼻水などのアレルギー症状も現れやすくなります。そのため、かぜや気管支炎、慢性鼻炎、花粉症、慢性蕁麻疹、喘息をはじめ、慢性咳嗽の長期管理などに好んで応用されています。

 

2)

『金羚感冒散(きんれいかんぼうさん)』出典:「温病条弁」
 

喉が痛いタイプの風邪に適しています。喉の痛みに伴い、口が渇いて水が飲み
たくなるといった症状に合います。「金羚感冒散」は、喉や体表の炎症を冷やしながら「風熱」の邪を追い払い、かぜによる喉の痛みに効果を発現します。

 

3)

『藿香正気散(かっこうしょうきさん)』出典:「和剤局方」

 

処方名の頭についた「藿香」は、体に取り付いた邪(ウイルスなどの病原菌)を発散させる生薬で、この処方の主薬でもあります。次の「正気」とは、からだの内外の冷えや湿気などが原因で、乱れてしまった気を正すという意味で、この処方名が付けられました。このレシピの強みは、冬場を越えて春から梅雨、さらに夏になっても猛威を振るう高温多湿を好むウイルスにも効果的です。嗅覚や味覚が乏しくなり、食欲不振や吐き気や下痢などの胃腸症状をもたらすことが知られているCOVID-19の原因ウイルスであるSARS-Co-V2対策として欠かせない主役の処方です。

 

 

3点セットの使い分け:

かぜをひきやすい方は、あるいは引きそうな方は、症状がなくとも、1)『玉弊風散』毎日1包、入浴後、就寝前などに内服して免疫力を高めておくことがお勧めです。

 

そして、喉に痛みが生じるほどではなくても、違和感を感じたり、渇きを感じたりしする初期の段階で、2)『金羚感冒散』を症状の程度に応じて、朝食前に1包もしくは朝・昼の食前に1包ずつを、1)の『玉弊風散』の夜間の内服に加えてみるのが良いと思います。

 

ただし、嗅覚や味覚が若干でも低下し、食欲不振や胃腸の働きの変調に気づいたら、2)『金羚感冒散』は中止して、3)『藿香正気散』の出番になります。これも症状に応じて、1日1包から3包まで増やすのが良いでしょう。

 

このように、ウイルス 感染症の症状の変化は速いので、上記の3種の漢方薬をセットとして常備して、家族全員が互いに注意し合い、助け合い、励まし合っていくならば、新型コロナウイルスばかりでなく、インフルエンザや通常感冒の家族療法にも有効で、クラスター発生の防止にも大いに役立つことだろうと思います。

 

開始キット(スターターセット)は、4月23日に入荷し当クリニックの患者の皆様限定でお分けできる準備が整いました。今後はいつでも野口将成(担当連絡責任者)まで御相談ください。