ここで掲載する内容は、公益財団法人 骨粗鬆症財団のホームページから引用したものです。骨粗鬆症についてわかりやすい解説をしています。

 

HPで確認することができます

 

骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。

最初は、自覚症状はありませんが、ひどくなると骨折を起こし、寝たきりの原因となる場合もあります。

多くは腰や背中に痛みが生じて医師の診察を受けてからみつかります。

しかし、骨粗鬆症になってから治すのはたいへんです。

骨粗鬆症にならないように、日ごろから予防を心がけることが大切です。

骨粗鬆症を予防することが、ほとんどの生活習慣病を予防することにつながります。

そのために、高円寺南診療所では女性では、45歳以上、男性でも50歳以上の皆様に骨量計測を推奨し、骨年齢を算出し、骨粗鬆症の早期発見、早期対応に力を注いでいます。それでは、骨粗鬆症についてもっと詳しく勉強していきましょう。

 

 

それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

 

Q

思春期を過ぎてしまったらもう骨量は増やせないのでしょうか

 

A

骨は固いので、一度つくられると変化しないようにみえますが、実際は絶えず活発な新陳代謝をしています。

身体の細胞と同じで、丈夫でしなやかな骨を保つためには、古い骨を壊し、たえず新しい骨に作り変える必要があるのです。

これを骨代謝といいます。

 

ところが、骨のもとになるカルシウムの摂取が不足したり、身体が老化して骨をつくるためのホルモンが不足してくると、骨をつくる量よりも骨をこわす量のほうが多くなります。

 

こうして骨からカルシウムが徐々に減り、骨がスカスカになっていきます。 人が生きている限り、骨も生きているのです。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

<思春期を過ぎてしまったらもう骨量は増やせないのでしょうか>という質問に対して、随分と回りくどく、かつ文学的な日本人的説明になっています。

 

この質問を欧米風に答えるならば、<思春期を過ぎても、条件次第では骨量を増やすことは可能です>というセンテンスからはじめることになるでしょう。

 

その上で、質問者の質問の意図を十分にくみ取ってお答えすることができれば、なお望ましいのではないかと思います。

 

 

高円寺南診療所の実績では、思春期過ぎどころか後期高齢者でも骨量を増やしている方がいらっしゃいます。

 

しかし、すべての方が骨量を増やせているわけではありません。

 

なぜならば、骨量を減らす要因を放置している限り、骨量を増やすことは難しいからです。原発性骨粗鬆症の骨量減少の主な要因は2つあります。

 

①最大骨量(障害のうちで20歳代までに獲得して最大となる骨量)が低値な場合

 

②成人後、おもに閉経後に骨の形成と骨の吸収(骨が破骨細胞によって削られること)のバランスが崩れて、骨の吸収が進むことにより、骨量減少が進行する場合

 

特に、この質問の趣旨である<思春期を過ぎて>成人した後の骨形成と骨吸収(骨モデリング)にインバランス(バランス不全)を生じる原因は、おもに閉経、加齢、運動不足です。閉経や加齢は骨密度だけでなく骨質の劣化を来たし、骨脆弱化を加速します。

 

ですから、<思春期を過ぎてしまったら骨量を増やす>ために、コントロールできるのは、閉経、加齢、運動不足の中では、運動不足の解消をはかることが最も重要です。

 

運動習慣の乏しい後期高齢者の方が、水氣道を始めて半年後にすでに骨量が増え始めるということは珍しいことではありません。とくに、関節リウマチや線維筋痛症など慢性的な痛みのために運動が制限されていた方が、治療により痛みが軽くなると水中での運動を始めることができるので効果は絶大です。

 

次に「加齢」ですが、年齢は増える一方で減らすことはできませんが、生物学的な年齢は減らすことは可能です。たとえば、身体年齢、肺年齢、運動年齢、性別・年齢相当の有酸素運動能力(持久力)などがあります。水氣道では、これらの生物学的年齢の若返りを図ることができますが、それに伴って骨年齢の若返りがもたらされることが少なくありません。

 

最後に、「閉経」。加齢と同様に、女性にとって閉経も自然な経過で到来します。しかし、女性ホルモンが極端に低下して、病的な水準にまで落ち込んでいる女性では、早期に骨量の低下がはじまります。その場合は、禁忌がなければ女性ホルモンの補充療法等が検討されます。女性ホルモンには骨量を増やす働きがあります。

 

杉十小温水プールと上井草スポーツセンターが工事のため休館となります。

 

日程は以下の通りです。

 

杉十小温水プール:

平成31年1月23日(水)~平成31年3月8日(金)

 

上井草スポーツセンター:

平成30年11月5日(月)~平成31年3月15日(金)

 

 

杉十小温水プールと上井草スポーツセンターが使用できないため、

 

大宮前体育館温水プール、藤村水泳教室、ハイジア(ウェルネスエイジ)で稽古を継続します。

 

<月曜日>

大宮前体育館温水プールは3時~5時が他の団体が使用しているため、

1時~3時での稽古となります。

 

<水曜日>

藤村水泳教室、ハイジア(ウェルネスエイジ)を使用します。

 

 

詳細は後日お知らせいたします。

 

 

 

 

高血圧症、高血圧予備軍、肥満、糖尿病、脂質異常症、痛風、各種心臓病にてご来院中の皆様、ならびに線維筋痛症をはじめ各種心身症、神経症、うつ病等の皆様へ

 

2016年から毎年3月中旬に、2週間程の日程で、ドイツ心身医学会(DKPM)等に参加し、本年3月までで既に3回の学会発表を続けてきました。

 

DKPMは、日本心療内科学会と姉妹関係を締結しているドイツの専門医学会です。

 

私は2011年に姉妹関係締結書のための英文草稿を準備し、さらに、それを元に和訳(日本心療内科学会向け)、ドイツ語訳(ドイツ心身医学会側向け)したものが両学会の理事会の承認を得て、それぞれの締結書正文として認証されました。

 

私は、内科医ですが、日本心療内科学会の専門医のみならず登録指導医でもあるため、国際学会での研鑽は今後も継続していきたいところです。

 

 

ただし、来年のみは、例年のDKPMへの参加を見送ることにしました。

 

理由は、欧州にて、当クリニックの専門性に密接に関連する充実した複数の関連国際学会が絶妙なタイミング開催されるためです。

 

そこで出発時期を通例より3週間ほど早めて以下の国際学会へ参加し、研修を積むプランを作成しました。

 

 

<参加予定学会> 

○2月28日(木)~3月3日(日)<4日間>

第6回高血圧前症・高血圧症・代謝性疾患・循環器疾患国際会議

 

開催地:ビリニュス(リトアニア)

 

 

○3月4日(月)~5日(火)<2日間>

線維筋痛症の論点に関する国際会議

開催地:ウィーン(オーストリア)

 

 

○3月7日(木)~9日(土)<3日間>

第4回国際心理学

開催地:パリ(フランス)

 

 

今年から高円寺南診療所改め、杉並国際クリニック(Suginami International Clinic)の院長である医学博士、飯嶋正広として、国際学会に参加する予定です。 

 

 

現在、風疹が拡大しています。

 

国立感染症研究所は11月6日、10月28日までの1週間に新たに170人の風疹患者が報告され、今年の累計患者数が1692人になったと発表した。100人超の増加は8週連続で、流行の勢いは依然、衰えていない。

 

 都道府県別の増加人数は東京が60人と最多で、神奈川24人、千葉19人と続く。患者は30~50代の男性が中心。女性では20~30代が多い。予防接種をしていないか、接種歴が不明の人がほとんどだった。

 <11月6日付け産経新聞ホームページから引用>

 

風疹はワクチンを接種して予防することが最良の対策です。

 

1994年に予防接種法が改正され、95年4月以降、生後12~90か月の男女への風疹ワクチンの定期接種が義務付けられました。当時7歳未満の子どもとそれ以降の出生者は、ほぼワクチン接種済です。

 

現在は麻疹ワクチンと風疹ワクチンを混合したMRワクチンを1歳時と小学校入学前の2回接種することが一般的です。

 

しかし、1995年3月以前の風疹ワクチン接種状況は、接種が開始されたのは1977年8月。

先天性風疹症候群を回避するため、将来妊娠の可能性がある女子中学生への集団接種として始まりました。

 

1989年には生後12~72カ月の男女全員への麻疹ワクチン定期接種時に、風疹ワクチンも含まれた混合ワクチンを選択してもよいことになりました。

 

現在30歳代から50歳代前半の男性で、風疹にかかったことがない人は、いつ風疹に感染してもおかしくありません。

ちなみに50歳代後半以降の男性は、ワクチン接種を受けていないが、逆に多くの人が風疹を経験したことで風疹ウイルスに対する抗体を持っているといわれていています。

 

実際、今回の7月下旬以降の風疹患者報告の6割以上は30~40歳代の男性で占められているようです。

 

30歳代以降の男性のワクチン接種が重要です。

 

 

杉並区では、風疹の抗体検査・予防接種に助成が出ています。

 

詳しくは杉並のHPで確認してください。

風しん抗体検査・予防接種

 

まずは抗体検査を受け、抗体の有る無しを知ることが重要です。

 

 

心療内科についてのQ&Aをご紹介いたします。

 

それは日本心療内科学会のHPです。

 

心療内科Q&Aのコラムを読むことができます。

 

Q&Aは、想定した事例です。Q&Aや疾患についてのご質問、病院の紹介等は、受け付けておりませんのでご了承下さい。※「質問」をクリックするとが表示されます。

と書かれています。

 

高円寺南診療所に通院中の皆様が、一般論であるこのQ&Aを読んでいただくためには、実際に即した具体的な解説が必要だと考えました。そこで、「質問」「答え」の後に、

<高円寺南診療所の見解>でコメントを加えることにしました。

 

 

Q

心療内科で心の病気を診ていただけるのはどのような場合でしょうか。

 

また、心療内科でしていただける心理療法には、どのようなものがありますか?

 

 

A

心身症とは、病気の発症や経過にストレス等の心理社会的な因子が密接に関係し、器質的な障害(例:潰瘍のような、組織の病変)や機能的障害(例:血圧コントロールのような、身体機能の調節の障害)が認められる身体の病気を指しています

(日本心身医学会教育研修委員会、1991)。

 

つまり、ストレスや人間関係といった心理社会的な要因が身体の病気の変化に大きな影響を及ぼしており、その治療にあたっても心理社会的要因を考慮しなければならない病気です。

 

ですから、心療内科は「心の病気」を診るというよりも、「心が影響している身体の病気」、つまり、心身症を専門的に見る医療機関だと言えるでしょう。

 

一方、うつ病などの精神疾患の患者さんもさまざまな身体の症状を訴えますが、精神疾患に伴う身体の症状は心身症とは考えません。

 

「心の病気」と呼ばれる状態が、精神疾患を指しているとすると、それらの治療は精神科が専門に行うことになります。

 

ただし、「精神科」と「心療内科」の両方を同時に看板に掲げている場合には、精神疾患だけではなく、心身症の治療も行っているところがあると思われます。

 

身体の病気に影響しているストレスや人間関係等の心理社会的要因を明らかにして、それらに働きかけていこうとする治療法は「心身医学療法」と呼ばれていますが、自律訓練法、行動療法・認知行動療法、交流分析という3つの治療法は、心身症治療の基本的な専門的治療法と呼ばれています。

 

また、心理社会的要因の改善を図るためには、治療者と患者さんの良好な治療関係が前提となりますが、心療内科の専門家(医師、心理士他)は、患者さんの訴えをじっくりと聞くことのできる態度や環境への配慮といったカウンセリングの基本を身につけています。

 

この他、森田療法、バイオフィードバック療法、絶食療法といったより専門的な心身医学療法もあります。どのような場合に適用されるかは、心療内科でご確認ください。

 

(坂野雄二)

 

<参考文献>

日本心身医学会教育研修委員会(編)「心身医学の新しい診療指針」1991

 

 

<高円寺南診療所の見解>

この質問と全く同じ質問を受けることは、実際にはほとんどありません。

 

しかし、類似した内容の質問は数多く受けます。むしろこうした質問をためらい疑問を募らせながら心療内科を受診している方が多いのではないかと思います。

 

回答者の坂野 雄二(さかの ゆうじ、1951年 - )先生は、教育学博士(筑波大学)であり、認知行動療法を専門とする臨床心理士です。

 

すでに退官されたようですが、北海道医療大学教授を勤めておられました。そうした心のケアの専門家の立場からの回答には私自身も大いに興味があり、参考になります。

 

坂野先生の説明の通り、心療内科は「心の病気」を診るというよりも、「心が影響している身体の病気」、つまり、心身症を専門的に見る医療機関です。

 

また、坂野先生の説明には一工夫がなされています。

 

<「精神科」と「心療内科」の両方を同時に看板に掲げている場合には、精神疾患だけではなく、心身症の治療も行っているところがあると思われます。>

逆に言えば「精神科」と「心療内科」の両方を同時に看板に掲げている場合には、もっぱら精神疾患しか診ず、心身症の治療を行っていないにもかかわらず「心療内科」の看板を掲げているところがある、ということ暗示しています。

 

実際には、「心療内科」を同時に標榜していない生粋の「精神科」はとても少ないのが現状です。

 

心身症に対して「心身医学療法」を駆使して診療に当たるのが心療内科専門医です。

 

そして心身医学療法の専門家とは、心療内科専門医や心身医学療法に習熟した臨床心理士等を指し、たしかに<患者さんの訴えをじっくりと聞くこと>のできる態度や環境への配慮といったカウンセリングの基本を身につけています。

 

しかし、心療内科専門医はカウンセラーではないので、患者さんの訴えを<じっくりと聞くこと>とは、時間的な長さの問題ではなく、質的な深さを意味するものとご理解いただいた方が現実的でしょう。

 

時間をかけた本格的なカウンセリングは、専門の臨床心理士等が担当するのが妥当だと思います。逆に、

 

 

臨床心理士とは、たとえ心身医学療法の専門科であって、心療内科専門医をリーダーとする心療内科チームに属している場合であっても、心療内科の専門家を称するべきではありません。

 

なぜならば、心療内科も医学の中核である内科の一部門だからです。また心療内科専門医が不在で心理士のみのチームであればなおのことです。この点に関しては、残念ながら坂野先生のご説明不足のように思われます。

 

心身医学療法には、心身症の治療のために確立した多くの手法がありますが、さらなる工夫と研究開発が望まれます。

 

そのため高円寺南診療所もオリジナルの心身医学療法を開発し、実践を重ね、実績を挙げているのが、水氣道と聖楽療法です。

 

この二つは、単なる心身医学療法を超えて『全人療法』に向かって発展を続けている『全人的療法』です。これらの全人的療法は狭い意味での心身症のみならず、ストレスの影響を強く受ける多くの一般的な病気である生活習慣病や心のメンテナンスにも威力を発揮し、難病視されている線維筋痛症などにも顕著な効果をみせています。

漢方治療に関しては一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へ

 

HPを検索してみました。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

 

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

これに対して、慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&Aは比較的上手にまとめられているので独自のコメントを付して紹介して参りました。

 

これに引き続き、富山県立中央病院 内科和漢・リウマチ科-Q&Aをご紹介いたします。

 

 

そこでも、高円寺南診療所の立場から、<高円寺南診療所からのメッセージ>を加えてご紹介を試みることにしました。

 

Q

.漢方薬と西洋薬はどう違うの?

 

A

西洋薬(新薬)は人工的に化学合成された物質がほとんどで、その多くは一つの成分からなっています。そのため、西洋薬は一つの臓器や症状に対して強い薬理作用を示します。

 

それに対して漢方薬は天然の材料(生薬)を用いて、原則として二種類以上の生薬の組み合わせで薬方(処方)が構成されています。そのため、一つ一つの作用は弱くても、生体のいろんな部分に働き、全体として病気を治す方向に作用します。

 

 

<高円寺南診療所からのメッセージ>

上記の説明文について検討を加えてみます。

 

 <西洋薬(新薬)は人工的に化学合成された物質がほとんどで、その多くは一つの成分からなっています。>たしかに、西洋薬(新薬)は人工的に化学合成された物質が多いのですが、ほとんど、というのは言い過ぎです。

 

そもそも西洋薬を(新薬)と括ってしまえば、人工的に化学合成された物質を新薬ということから、単なる言葉遊びになってしまいます。ただ、最近開発された薬剤の中にも配合剤があります。降圧剤などは、作用の異なる2~3種類の降圧剤が1剤として製造されたものが広く使用されつつあります。また喘息の吸入薬もステロイド剤とβ2気管支拡張剤が配合されているものが主流となりつつあります。

 

注射薬では、鎮痛補助薬で生物組織抽出物であるノイロトロピン®(ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液)や、プラセンタ(ヒト胎盤抽出物)などは、漢方薬としてではなく、西洋医学の薬として認識されています。これらは、人工的に合成されたものではありません。

 

また紛らわしいものの例としては、S・M散という健胃薬があります。これは、食欲不振、胃不快感、胃もたれ、嘔気・嘔吐がある場合に処方されます。その成分は、タカジアスターゼ(消化酵素)、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、沈降炭酸カルシウムの他、丁字(チョウジ)、茴香(ウイキョウ)、桂皮(シナモン)、甘草(カンゾウ)など漢方薬で用いられている生薬も配合されています。

 

 

<西洋薬は一つの臓器や症状に対して強い薬理作用を示します。>

これも言い過ぎです。

 

西洋薬であっても、複数の臓器に作用し、複数の症状に対して、様々な薬理作用を示します。

 

その中には、強い薬理作用を示すものと、穏やかな薬理作用を示すものがあることは事実です。また、薬剤の投与方法や、投与量によって、効き方が異なる場合があります。

 

 

<漢方薬は天然の材料(生薬)を用いて、原則として二種類以上の生薬の組み合わせで薬方(処方)が構成されています。>

それでは、例外的に一種類の生薬単独で用いられる漢方薬をご紹介いたしましょう。

 

 

甘草湯(カンゾウ):

保険適応:(激しい咳、咽喉痛の寛解)

 

禁忌:アルドステロン症、ミオパチー、低カリウム血症

 

副作用:(重大)偽アルドステロン症、ミオパチー

 

 

薏苡仁(ヨクイニン):

保険適応(青年性扁平疣贅、尋常性疣贅、イボ)

 

副作用:発疹、発赤、掻痒、蕁麻疹、胃不快感、下痢など

 

 

紅参(コウジン):

漢方処方の調剤、「独参湯(ドクジントウ)」という名称で用いられることがあります。

 

副作用:発疹、軟便、下痢

 

 

附子(ブシ):

保険適応(錠剤では、鎮痛、強心、利尿)

      

 副作用:心悸亢進、のぼせ、舌のしびれ、悪心など

 

 

〈(漢方薬は)一つ一つの作用は弱くても、生体のいろんな部分に働き、全体として病気を治す方向に作用します。>

この説明は、少しわかりづらいかもしれません。

 

まず、生薬の一つ一つの作用は弱いとは限りません。作用の強い生薬の作用を緩和する目的で、他の生薬と組み合わせることで、漢方処方が発達してきた側面もあります。

 

また仮に、ある漢方薬を構成している生薬の一つ一つの作用が弱くても、生薬の配合の仕方によっては、相乗作用を発揮して強い作用を発揮することもあります。

 

ただし、その人に合った漢方薬とは、体質・気質および体調・気分、生活習慣、労働環境、気象条件などから総合的に判断して処方された漢方薬です。

 

そうして処方された漢方薬は生体のいろんな部分に適切に働き、全体として病気を治す方向に作用することでしょう。

 

今回は「氣の働き」について学んでいきましょう。

1.栄養作用

身体に栄養を与えて内蔵などがしっかりはたらけるように活力を与えます。

 

 

 2.推動(すいどう)作用

血や津液を身体中に巡らすはたらきです。血や津液は氣に引っ張られるように巡っていきます。氣は呼吸の力によって全身を巡ると前回書きましたが、呼吸は、血、津液を循環させるためにも大切であることがわかります。

 

3.温煦(おんく)作用

身体を温めるはたらきです。氣によって体は温められます。手足か冷たくなるのは、隅々まで氣が渡っていない事が考えられます。

 

 

4.防御(ぼうぎょ)作用

寒さ、暑さ、湿度、乾燥などから身体を守るはたらきです。

氣の充実によってこれらの環境要因から身を守ります。

 

 

5.固摂(こせつ)作用

身体にとって必要なものを身体内にしっかり保持するはたらきです。

氣の少ない人は、ダラダラと汗を書くことが多いですが、固摂作用の働きが低下しているからと考えられます。

 

 

6.氣化(きか)作用

氣・血・津液がそれぞれに変化していくことを氣化作用といいます。

血が少なくなると、氣が血に変化します。またその逆のこともあります。

出血は血の消耗とともに、気化作用で氣が血へと変化して血の消耗を補うので氣の消耗をもたらします。

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会の

 

ホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に高円寺南診療所からのメッセージを加えています。

 

 

食物アレルギー④

 

Q

食物アレルギーは治ることがあるのでしょうか?

 

A 

乳幼児期に発症した食物アレルギーは年齢とともにその症状は軽快することが多いのですが、いつ治るかは個人差がありますし、原因食品によっても異なります。

 

一方、年齢が大きくなってから発症した場合やソバ、ピーナッツ、エビ、カニに対してアレルギー症状をおこした場合は、軽快することは少なく、長期間にわたって原因食品を除去します。

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

このようなご質問に対して、私は食物アレルギー自体は、ほとんど治っていきますが、「アレルギー」体質はなかなか克服できないことを、「アレルギーマーチ」という概念を使って説明しています。

 

さて今から50年前には日本では「アレルギー」は、ほとんどありませんでした。しかし、現在では国民の3人に1人、あるいは2人に1人が何らかのアレルギーを持っているとさえいわれるようになってきています。

 

アレルギーはすでに国民病なので、アレルギーの専門医が、総合アレルギー専門医として、地域の第一線で役割を果たさなければならない時代になりました。わが国のみならず欧米などの先進国でも「アレルギー」は非常に大きな問題となっており、工業化・文明化と「アレルギー」は密接に関係があるようです。

 

アレルギーは年齢により症状が異なるかたちで現れることが多く、そのような現象は「アレルギーマーチ」と いわれています。

 

食物アレルギーは、アレルギーマーチのうち最初に認められ、アトピー性皮膚炎を伴った形で発症してくるケースがほとんどです。わが国では食物アレルギーは以前からありましたが、最近15年ぐらいの間に急増しています。

 

食物アレルギーは1才未満の乳児で最も多く発症しますが、厚生労働省の調査によると小児から成人まで幅広く認められています。最近では様々な食品にアレルギーが認められようになってきたのも特徴で、以前ではみられなかった 果物・野菜・芋類などによる食物アレルギーの報告もされています。

 

私は、総合アレルギー専門医として、アレルギー体質の改善のためにも水氣道を推奨しています。また、聖楽院で実践している聖楽療法も、喘息やアトピー性皮膚炎の患者さんや、食物アレルギー歴のある胃腸虚弱者の方にも効果が得られていることを確認しています。

 

 

Q 

両親あるいは兄弟のアレルギーの病気があります。赤ちゃんの離乳食はどのように進めればよいでしょうか?

 

A 

赤ちゃんにもアレルギー疾患が出やすい体質がうけつがれているかもしれませんが、離乳食を開始する時期は、普通の赤ちゃんと同じで構いません。

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

離乳食を開始する時期や食物の内容については、標準的な時期、内容で始めましょう。基本的には予防的な食物の除去は必要ありません。

 

最近の研究ではむしろ発症予防のために、早期から原因食物を食べさせていったほうが良いとする成果も出ています。それでも、ご家族に強いアレルギー病歴があるなど、特に心配で気がかりな場合は、小児科のアレルギー専門医に相談することをお勧めします。

ここで掲載する内容は、公益財団法人 骨粗鬆症財団のホームページから引用したものです。骨粗鬆症についてわかりやすい解説をしています。

 

HPで確認することができます

 

骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。

 

最初は、自覚症状はありませんが、ひどくなると骨折を起こし、寝たきりの原因となる場合もあります。

 

多くは腰や背中に痛みが生じて医師の診察を受けてからみつかります。

 

しかし、骨粗鬆症になってから治すのはたいへんです。骨粗鬆症にならないように、日ごろから予防を心がけることが大切です。

 

骨粗鬆症を予防することが、ほとんどの生活習慣病を予防することにつながります。

 

そのために、高円寺南診療所では女性では、45歳以上、男性でも50歳以上の皆様に骨量計測を推奨し、骨年齢を算出し、骨粗鬆症の早期発見、早期対応に力を注いでいます。

 

それでは、骨粗鬆症についてもっと詳しく勉強していきましょう。

 

それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

 

 

Q

思春期や成人期の若い人でも骨粗鬆症にかかるのでしょうか

 

A

小児から思春期にかけて骨密度は急激に増加します。

 

5歳時を100%とすると、18歳時には195%と、約2倍に増加します。したがって、この時期に十分骨密度を増加させないと、その人の最大骨量(ピ-ク骨量)は低いものになります。

 

一方、20~40歳になっても、適度の運動、十分なカルシウムの摂取などで骨密度の維持や増加が期待できますが、

 

増加率は2~3%程度です。このため、20歳以降は骨密度の維持や、減少を抑えることが主眼となります。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

< 20~40歳になっても、適度の運動、十分なカルシウムの摂取などで骨密度の維持や増加が期待できますが、増加率は2~3%程度です。>

 

というのが医学界の常識です。当然のことですが、何も対策を立てなければ骨年齢は毎年低下していきます。

 

しかし、水氣道の継続活動会員は、この常識を覆すケースが少なくありません。半年に1回ごとの骨量計測で、連続して骨量が増加している70代以上の女性の例もあります。

 

当然のことですが、骨年齢は低下していきます。つまり、骨の若返りが、骨粗鬆症の予防や治療効果の目安になるのです。

 

 

さて、高円寺南診療所は、内科が主体で、小児科での受診は限られているため、Qのような質問は、骨粗鬆症の親御さんをもつ患者さんや、骨粗鬆症の患者さんで娘さんをお持ちの方からも尋ねられることがあります。

 

それは、患者さんが骨粗鬆症の遺伝性や体質について心配されることが多いからです。

そして、私が、骨粗鬆症の予防の重要性を強調し水氣道を始めることを勧めるからでもあることでしょう。

 

たしかに骨量が減りやすい体質はあるので家族歴は大切です。

 

たとえば、やせ形の女性で、閉経の時期が早い方は骨粗鬆症になり易いです。婦人病になり易い家系で、卵巣などの手術で人工的に閉経になっても同じです。

 

これは女性は男性に比べて生まれつき骨が細いうえに、閉経によって骨をつくるもとになる女性ホルモンの分泌が減ることがあげられます。

 

しかし、年を重ねることにより、どんな人でも骨の量は減ってきます。

 

これらの中には避けられないものもありますが、同様の体質でも、生活のしかたが関係していますので、みんなが同じように減っていくのではありません。

 

できるだけ危険因子を減らしていくように心がけるだけでなく、年だからと諦めずに、水氣道で積極的に骨の若返りをはかりましょう。

 

 

骨粗鬆症の危険因子をまとめみます。

(1)遺伝に関係するもの

閉経の時期、痩せ型、家族歴

 

(2)生活のしかたに関係するもの

偏食、運動不足、アルコール・ コーヒーの多飲、喫煙、日光照射不足

 

(3)病気に関係するもの

胃切除、糖尿病、甲状腺機能亢進症、高カルシウム尿症、

ステロイド剤(グルココルチコイド剤)投与、原発性副甲状腺機能亢進症、腎不全

 

 

骨粗鬆症で大切なのは、やはり、なるべく若いうちから日常生活の中で骨量を増やす努力をすることです。

 

何年もかかって減ってきた骨ですから、いっぺんに増やすことは困難です。

 

文字通りこつこつとした努力の積み重ねとなります。

 

予防の三原則として「食事(カルシウムの摂取)」「運動」「日光浴」は、予防の段階でも治療の段階でも重要です。

 

初期の骨量減少でしたら、この3つのことを心がけることで骨量が増えてきます。

 

このなかで単に「運動」といわれていますが、常識的には骨密度の増加率は2~3%程度に過ぎません。ですから、水氣道は、常識外れで、型破りな「運動」だということができます。

 

骨粗鬆症の病気が進むと薬物療法を始めますが、その場合でも上記の三原則をないがしろにしていたのでは薬の効果があがりません。

 

どんな薬を選んで、いつから薬物療法を始めるかは、患者さんの年齢や症状の進み具合により医師が判断します。

 

腰背痛があるときは、飲み薬や注射によって痛みを軽くしますが、週2回以上参加している水氣道の会員は、腰背痛があっても徐々に軽快していきます。

 

注射を必要であった方も不要になり、飲み薬も減らしやすくなっています。

 

サノフィ・メディアラウンドテーブル開催

 

( 2018年10月19日 06:10 )

 

医師専用の電子ジャーナルの一つ、Medical TribuneのLuxeに、とても興味深い有益な記事がありましたので、若干、読みやすく修正したうえで、途中で解説を加えてみました。ご参考になさってください。

 

国立感染症研究所の調査によると、日本における昨シーズン(2017年9月〜18年4月)のインフルエンザ感染者は2,230万人を超え、1999年の統計開始以来、最高となりました。(関連記事:「インフルエンザ3週連続で過去最高更新」)。

 

特に65歳以上の高齢者では免疫力が低下しているためインフルエンザウイルス感染により入院や死亡のリスクが高いです。そのため専門医からはワクチン接種率向上の必要性が指摘されています。9月5日、サノフィが都内で開催したメディアラウンドテーブルでは、米・Brown UniversityのStefan Gravenstein氏と国立病院機構東京病院の永井英明氏が講演し、高齢者がインフルエンザワクチンを接種する意義などについて説明しました。

 

 

インフルエンザ感染が急性心筋梗塞のリスクに!

 

一般に65歳以上の高齢者では循環器疾患などの慢性基礎疾患を抱えていることが多いです。インフルエンザウイルス感染はそれらの慢性疾患を悪化させ、重症化の原因となることが珍しくありません。

 

最初にGravenstein氏が、循環器疾患に対する影響を中心に、インフルエンザワクチン接種の有効性を説明しました。

 

高齢者では、加齢、糖尿病などの慢性疾患や、インフルエンザ、市中肺炎、帯状疱疹といった感染症の罹患に伴い、血栓が生じやすくなります。特にインフルエンザに感染すると、頻脈、低酸素症、急性炎症、血栓形成を来し、急性心筋梗塞のリスクが高まります。

 

同氏は、インフルエンザワクチンの接種が、こうした急性心筋梗塞の予防に有効であることを解説しました。

 

心血管リスクを有する6,735例(平均年齢67歳)を対象としたメタ解析で、インフルエンザワクチンの接種が心血管イベント発現を36%低下させたとの報告(JAMA 2013; 310: 1711-1720)を紹介しました。「ワクチンの接種により入院が減少し、医療費を抑制するというベネフィットも得られる」と述べ、医療経済の観点からもワクチン接種の勧奨は重要であるとしました。

 

日本のインフルエンザワクチン接種率は、小児で59.2%、一般成人で28.6%、高齢者で58.5%とされます。これは、先進諸国と比べて決して高い水準にあるとはいえません。

 

高円寺南診療所からのコメント:

高齢者でさえ60%未満、一般成人に至っては30%未満の接種率というデータは、インフルエンザワクチンの意義について、日本では理解が相当遅れていることを意味するものだと思われます。

 

 

以上のような現状について、Medical Tribuneでは同氏に追加取材を行い、その考えについて尋ねています。

 

「ワクチン後進国」と呼ばれる日本の現状について

同氏はまず「抗原量を増やした高用量ワクチンでなく、まず標準用量のワクチン接種率を向上させる必要があるのではないか」と指摘しました。

 

その上で、「米国でも、『ワクチンが悪い』とメディアで報道されることがある。しかし、その年の流行を防げなかったとしても、ワクチンの有効性を示す試験結果は出ている」と話し、メディアなどを通じてワクチン接種の意義を啓発する重要性を強調しました。

 

接種率上昇には公費助成の適応拡大を!

 

続いて登壇した永井氏は、日本の高齢者におけるインフルエンザワクチン接種の現状を説明しました。

 

インフルエンザによる入院と死亡は高齢になるほど増加します。その死因の多くは、うっ血性心不全、慢性閉塞性肺疾患、喘息、糖尿病などの慢性基礎疾患の悪化として分類されます。

 

これらの疾患は、いずれも日本人の死因の上位を占めます。そして同氏は「高齢者の死因として、インフルエンザは過小評価されているのではないか」との所感を述べました。

 

インフルエンザワクチン接種による予防は、死亡数を減少させることができるか。

 

同氏は、1950〜2000年の日本と米国における『肺炎およびインフルエンザによる超過死亡数とワクチン接種量の関係』を調べた研究を紹介しました。

 

米国ではワクチン接種量の増加に伴い超過死亡数が減少している一方、日本では1994年の任意接種化を契機に超過死亡数が増加していると指摘しました(図、 N Engl J Med 2001; 344: 889-896)。

 

 

高円寺南診療所からの補足説明:

インフルエンザワクチン接種制度の変遷

インフルエンザワクチンは1962年から勧奨接種として実施が開始されました。

1976年からは予防接種法に基づいた一般的臨時接種として小中学生に対して接種されるようになりました

1987年からは保護者の意向により希望者に接種する方式に変更になりました。

1994年の予防接種法改正により任意接種のワクチンに変更となりました。

これらの変更に伴い、 接種人数は年々減少し、 厚生省(現:厚生労働省)の調査によると接種率は1979年の67.9%から、 1992年には17.8%まで低下しました。

 

 

このように有効性が示されているインフルエンザワクチンについて、日本で使用可能なものは標準用量の4価不活化ワクチンのみです。

 

抗原量を増やした高用量ワクチンが承認された米国と比べ、選択肢は限定されます。また、公費助成の対象となるのは、65歳以上または60〜64歳で基礎疾患(身体障害者手帳1級相当の障害)を有する人のみです。

 

2010年に、生後6カ月以上の全国民が接種対象と位置付けられた米国に比べ、日本では非常に厳しい公費助成基準が設けられています。

 

こうした状況を踏まえ、同氏は「インフルエンザワクチン接種による重症化予防効果は明らかなので、高齢者は積極的に接種してほしい」と述べ、「公費助成の対象を60歳未満にも拡大すべきだ」と訴えました。

 

 

高円寺南診療所の意見:

インフルエンザワクチンの公費助成について

少なくとも欧米先進国並みのインフルエンザ接種率を達成することは、緊急の課題だと思います。