最新の臨床医学 11月16日(金)アレルギーの病気についてQ&A

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会の

 

ホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に高円寺南診療所からのメッセージを加えています。

 

 

食物アレルギー④

 

Q

食物アレルギーは治ることがあるのでしょうか?

 

A 

乳幼児期に発症した食物アレルギーは年齢とともにその症状は軽快することが多いのですが、いつ治るかは個人差がありますし、原因食品によっても異なります。

 

一方、年齢が大きくなってから発症した場合やソバ、ピーナッツ、エビ、カニに対してアレルギー症状をおこした場合は、軽快することは少なく、長期間にわたって原因食品を除去します。

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

このようなご質問に対して、私は食物アレルギー自体は、ほとんど治っていきますが、「アレルギー」体質はなかなか克服できないことを、「アレルギーマーチ」という概念を使って説明しています。

 

さて今から50年前には日本では「アレルギー」は、ほとんどありませんでした。しかし、現在では国民の3人に1人、あるいは2人に1人が何らかのアレルギーを持っているとさえいわれるようになってきています。

 

アレルギーはすでに国民病なので、アレルギーの専門医が、総合アレルギー専門医として、地域の第一線で役割を果たさなければならない時代になりました。わが国のみならず欧米などの先進国でも「アレルギー」は非常に大きな問題となっており、工業化・文明化と「アレルギー」は密接に関係があるようです。

 

アレルギーは年齢により症状が異なるかたちで現れることが多く、そのような現象は「アレルギーマーチ」と いわれています。

 

食物アレルギーは、アレルギーマーチのうち最初に認められ、アトピー性皮膚炎を伴った形で発症してくるケースがほとんどです。わが国では食物アレルギーは以前からありましたが、最近15年ぐらいの間に急増しています。

 

食物アレルギーは1才未満の乳児で最も多く発症しますが、厚生労働省の調査によると小児から成人まで幅広く認められています。最近では様々な食品にアレルギーが認められようになってきたのも特徴で、以前ではみられなかった 果物・野菜・芋類などによる食物アレルギーの報告もされています。

 

私は、総合アレルギー専門医として、アレルギー体質の改善のためにも水氣道を推奨しています。また、聖楽院で実践している聖楽療法も、喘息やアトピー性皮膚炎の患者さんや、食物アレルギー歴のある胃腸虚弱者の方にも効果が得られていることを確認しています。

 

 

Q 

両親あるいは兄弟のアレルギーの病気があります。赤ちゃんの離乳食はどのように進めればよいでしょうか?

 

A 

赤ちゃんにもアレルギー疾患が出やすい体質がうけつがれているかもしれませんが、離乳食を開始する時期は、普通の赤ちゃんと同じで構いません。

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

離乳食を開始する時期や食物の内容については、標準的な時期、内容で始めましょう。基本的には予防的な食物の除去は必要ありません。

 

最近の研究ではむしろ発症予防のために、早期から原因食物を食べさせていったほうが良いとする成果も出ています。それでも、ご家族に強いアレルギー病歴があるなど、特に心配で気がかりな場合は、小児科のアレルギー専門医に相談することをお勧めします。