Nogucciの懺悔録 No.96

<麻疹(はしか)の要注意世代について。>

 

 

麻疹(はしか)の要注意世代は28歳から41歳といわれています。

 

1978年から麻疹(はしか)ワクチンの定期接種が始まり、当初は1回だけの接種でした。

 

その後2007年に発生した麻疹(はしか)の流行をうけて、2008年から2012年の5年間に限り、中学1年生と高校3年生相当の年齢の人に2回目のワクチン接種が施行されています。

 

また、現在施行されているワクチンの2回接種制度は2006年4月からワクチンの2回接種制度となっています。

 

つまり1990年4月2日以前に生まれた人(2008年に19歳だった人)~現在40歳の人はワクチンを1度しか接種していない世代となるのです。

 

1度だけの接種では免疫がつかない人が5%未満存在すことがわかっているのです。

 

40歳以上の世代は、ワクチンの予防接種の機会がなかったものの、多くの人が麻疹(はしか)に自然感染しているため、比較的リスクが低いと考えられます。

 

したがって28歳から41歳が要注意世代となります。

 

 

 

麻疹について

 

<概要>

麻しんは「はしか」とも呼ばれ、パラミクソウイルス科に属する麻しんウイルスの感染によって起こる急性熱性発疹性の感染症です。

 

麻しんウイルスは人のみに感染するウイルスであり、感染発症した人から人へと感染していきます。

 

感染力は極めて強く、麻しんに対して免疫がない人が麻しんウイルスに感染すると、90%以上が発病し、不顕性感染は殆どないことも特徴の1つです。

 

江戸時代までの日本では麻しんは「命定め」の病として恐れられていました。

 

現在ではビタミンAが不足すると麻しんの重症化を招きやすいことが知られており、発展途上国ではその死亡率が10~30%に達する場合があると言われています。

 

我が国においても麻しんは最近まで度々大きな流行を繰り返していましたが、ワクチンの接種率の向上や多くの関係者の努力により、国内の麻しんの発症者数は大きく減少しました。

 

そして2015年3月27日、WHO西太平洋事務局(WPRO)は過去3年間にわたって日本国内には土着の麻しんウイルスは存在していないとして我が国が「麻しんの排除状態にある」ことを認定しました。

 

 

<予防するには?>

麻しんは空気(飛沫核)感染する感染症です。

 

麻しんウイルスの直径は100~250nmであり、飛沫核の状態で空中を浮遊し、それを吸い込むことで感染しますので、マスクを装着しても感染を防ぐことは困難です。

 

麻しんの感染発症を防ぐ唯一の予防手段は、予めワクチンを接種して麻しんに対する免疫を獲得しておくことです。