<はじめに>

 

 

前回は「胃経」についてお話ししました。

    

 

    「巨髎(こりょう)」というツボは瞳と小鼻の交差したところにあり「副鼻腔炎」に効果があります。

 

 

「天枢(てんすう)」というツボはへその横指3本分の場所にあり「便秘」「下痢」「腹部膨満感」に効果があります。

 

 

今回も「胃経」の続きです。

 

 

<胃経>

3胃経

 

 

「胃経」は 顔面から胸部、腹部、太腿、脛を通り最後は人差し指の爪の生え際につながります。

 

 

45個のツボがあります。

 

 

今回は 「梁丘」「足三里」を紹介します。

2019-06-20 10-10

 

 

 

「梁丘」は太腿の外側膝蓋骨から指3本分上にあります。

 

 

「膝関節痛」に効果があります。膝が痛い人がこの部位を押すととても痛いです。

 

 

押して痛みが軽くなるまで押圧してみて下さい。

 

 

膝痛が軽くなります。

 

 

 

「足三里」は膝の下の外側の窪みから 指4本分下にあります。

 

 

「胃痛」「食欲不振」「腹部膨満感」「体力増強」などに効果があります。

 

 

松尾芭蕉がお灸をしながら旅をしたツボとして有名です。

 

 

 

「足三里」に鍼をすると胃が動き始めるそうです。

 

 

つまり食べ物の消化能力が向上するということです。

 

 

それが体力の増強につながるということですね。

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

<はじめに>

 

 

前回は 「大腸経」のお話をしました。

 

 

「合谷」は「頭痛」「歯痛」「肩こり」「便秘・下痢」「目の疲れ」に効果があり

 

 

「手三里」「曲池」は「肩こり」に 効果があるというお話でした。

 

 

今回は「胃経」についてお話します。

 

 

<胃経>

3胃経

 

 

「胃経」は 顔面から胸部、腹部、太腿、脛を通り最後は人差し指の爪の生え際につながります。

 

 

45個のツボがあります。

 

 

では、その45個のツボを挙げていきましょう。

 

 

1.承泣(しょうきゅう)

 

2.四白(しはく)

 

3.巨髎(こりょう)

 

4.地倉(ちそう)

 

5.大迎(だいげい)

 

6.頬車(きょうしゃ)

 

7.下関(げかん)

 

8.頭維(ずい)

 

9.人迎(じんげい)

 

10.水突(すいとつ)

 

11.氣舍(きしゃ)

 

12.缺盆(けつぼん)

 

13.気戸(きこ)

 

14.庫房(こぼう)

 

15.屋翳(おくえい)

 

16.膺窓(ようそう)

 

17.乳中(にゅうちゅう)

 

18.乳根(にゅうこん)

 

19.不容(ふよう)

 

20.承滿(しょうまん)

 

21.粱門(りょうもん)

 

22.関門(かんもん)

 

23.太乙(たいいつ)

 

24.滑肉門(かつにくもん)

 

25.天枢(てんすう)

 

26.外陵(がいりょう)

 

27.大巨(だいこ)

 

28.水道(すいどう)

 

29.帰来(きらい)

 

30.氣衝(きしょう)

 

31.脾関(ひかん)

 

32.伏兎(ふくと)

 

33.陰市(いんし)

 

34.梁丘(りょうきゅう)

 

35.犢鼻(とくび)

 

36.足の三里(あしのさんり)

 

37.上巨虚(じょうこきょ)

 

38.条口(じょうこう)

 

39.下巨虚(げこきょ)

 

40.豐隆(ほうりゅう)

 

41.解谿(かいけい)

 

42.衝陽(しょうよう)

 

43.陷谷(かんこく)

 

44.内庭(ないてい)

 

45.厲兌(れいだ)

 

 

覚えるの大変だったことを思い出します。

 

 

4個ずつに区切って覚えるようにすれば良いことに気付いてなんとか覚えました。

 

 

一生懸命だったあの頃を思い出します。

 

 

今回は「巨髎」と「天枢」を紹介しましょう。

 

 

<巨髎>

2019-06-13 11-09

 

 

瞳と小鼻の交差したところにあります。

 

 

「巨髎」は「副鼻腔炎」に効果のあるツボです。

 

 

副鼻腔炎のときに押すととても痛いです。

 

 

痛さを我慢して押していくと鼻が通ってきます。

 

 

<天枢>

2019-06-13 11-10

 

 

     へその横指3本分の場所にあるツボです。

 

 

「便秘」「下痢」「腹部膨満感」に効果のあるツボです。

 

 

押してもいいのですが、横になって手のひらを当てて手の温かさを伝えていくようにしていくといいでしょう。

 

 

私の印象では、特に「下痢」に効果があります。

 

 

来週も「胃経」のツボを紹介していきます。

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

<はじめに>

 

 

前回は「肺経」ついてお話しました。

 

 

「尺沢」は 「鼻炎」で鼻汁が出る、鼻閉、「喉の痛み」に、

 

 

「孔最」は鼻炎の症状が更にひどいとき、「痔の痛み」よく使います。

 

 

今回は「大腸経」を見ていきましょう。

 

 

<大腸経>

 

2大腸経

 

「大腸経」は人差し指から鼻の横につながります。

 

 

20個の経穴があります。

20個の経穴は

 

1. 商陽(しょうよう)

 

2. 二間(じかん)

 

3. 三間(さんかん)

 

4. 合谷(ごうこく)

 

5. 陽溪(ようけい)

 

6. 偏歴(へんれき)

 

7. 温溜(おんる)

 

8. 下廉(げれん)    

 

9. 上廉(じょうれん)

 

10. 手三里(てさんり)

 

11. 曲池(きょくち)

 

12. 肘髎(ちゅうりょう)

 

13. 手五里(てごり)

 

14. 臂臑(ひじゅ)

 

15. 肩髃(けんぐう)

 

16. 巨骨(ここつ)

 

17. 天鼎(てんてい)

 

18. 扶突(ふとつ)

 

19. 禾髎(かりょう)

 

20. 迎香(げいこう)

 

 

となります。

 

 

この中から「合谷」「手三里」「曲池」を紹介しましょう。

 

 

「合谷」は人差し指と親指の間の窪みにあります。

 

2019-06-06 00-15

 

 

「頭痛」「歯痛」「肩こり」「便秘・下痢」「目の疲れ」に効果がありツボの中でもエースと言える存在です。

 

 

 

「曲池」肘を曲げた時にできる外側の横じわの端にあります。

 

 

「手三里」は「曲池」から指3本分手の方向にあります。

2019-06-06 00-14

 

 

 

「肩こり」に効果があります。

 

 

暇な時に刺激してみてください。

 

 

楽になりますよ!

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

 

ICU(国際基督教大学)からの謎の問い合わせ

 

 

ICU:

「そちらのクリニックでは、アメリカの医師免許を持った先生はいらっしゃいますか?」

 

杉並国際クリニック:

「おりません。申し訳ございません。」

 

 

ただそれだけの問い合わせだったそうですが、少し気になる点があります。

 

電話の記録から、確かにICUからの問い合わせであることは確認できました。

 

気になるのは、問い合わせの目的です。

 

単純に考えれば、<ICUの学生さんを紹介したいのだが、杉並国際クリニックでアメリカの医師免許をもった医師の診察は受けられるか?>ということなのだろうと思います。

 

 

杉並国際クリニック(Suginami International Clinic)を称しているので、米国医師免許を有する医師がいる可能性を期待したのかもしれません。高円寺南診療所30年の歴史において、ICUから問い合わせがきたことは一度もないからです。

 

 

すると、次に疑問に思うのは、そもそも、問い合わせの主であるICUの担当者の所属部署は、どのような機能を持っているかということです。

 

これは、ICUのホームページで検索できました。

 

どうやらHealth Care Officeという名称の保険管理室があるようです。

 

それはYoutubeの動画でも紹介されています。

 

すると、ICUのHealth Care Office(保健管理室)にはschool physician(校医)が配されているが、薬局や診療所ではないことが案内されていました。

 

 

そして、

Our English might not be perfect, but we are all happy to support international students!

(私たちの英語は完璧ではないかもしれませんが、一同よろこんで外国人学生を支援させていただきます。)

というコメントが示されていました。

 

保健管理室のスタッフは、どうやら英語のネーティブではなさそうな気配です。

 

必要に応じて、近隣の医療機関を紹介する業務も行っているようですが、近隣の三鷹市、武蔵野市などにも、米国医師免許をもつ医師が見つからなかったのかも知れません。それは、当然のことです。米国医師免許をもつ医師はほとんどが米国で勤務しているからです。逆に米国留学経験者が多いことが常識となっている日本の医学部の教授を例に挙げるならば、彼らのうちで米国医師免許保持者は皆無に近いのが現状だと思われます。

 

そもそも、日本で受診する医療機関を決めるに際して、なぜ米国医師免許保持の有無が決め手になるのでしょうか。仮に米国医師免許をもっていても日本の医師免許がなければ、医療行為をすることはできないので、当然、ダブルライセンスということが前提でしょう。

 

英語での医療コミュニケーション能力の目安でしょうか、それとも日本の医師免許しかない医師は信用するに値しない、ということでしょうか。もし、後者であるとすれば、我々日本人医師としては、とても残念な思いです。

 

英語での日常診療が当たり前の環境を整備していかない限り、外国人の方に安心して受診していただけるようにはならない可能性があります。

<線維筋痛症 JFIQの経過報告> 2019年5月

 

 

(図1)

スクリーンショット 2019-05-03 時刻 12.50.38

JFIQは線維筋痛症の経過観察に欠かせない指標です。

 

 

最高点が100点で、20点未満が正常値になります。

 

 

 (図1)は左側が初期時の点数、右側が現在の点数でその2点を結んだものです。

 

 

 

 図2)

 スクリーンショット 2019-05-03 時刻 12.49.29

 

(図2)は線維筋痛症の治療効果の割合を表したものです。

 

 

 50以上点数が下がると「著効」です。

 

 

 20以上50未満点数が下がると「改善」です。

 

 

 20未満の点数の低下は「無効」の判定となります。

 

 

 

 

<今回の考察>

 

 

正規性の検定で初期値、現在値共に正規性がありました。

 

 

その後、関連2群の検定と推定を行いました。

 

 

1)統計的にみて、JFIQスコアが有意に改善したことが証明されました。P(危険率)=0.001%でした(図1)

 

 

pが0.05以下であれば統計学的優位である。

 

 

pが0.01以下であれば統計学的に極めて優位である。

 

 

2)JFIQスコアの判定基準として、20点以上改善されると治療が有効、50点以上改善されると著効となります。

 

 

  今回、 17名の平均で    31.9点改善していたため、全体として鍼治療は   有効であったと言えます。

 

 

個別でみると、著効4名(32.5%)、有効7名(41.2%)、無効6(35.3%)でした。(図2)

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

<(鍼灸)東洋医学の話をしようー 経絡(2) 肺経 >

 

 

<はじめに>

 

 

前回経絡の種類と経穴の数についてお話しました。

 

 

今回から「経絡」と「経穴」の話をしていきましょう。

 

 

まずは「肺経」から見ていきましょう。

 

 

 

<肺経>

1肺経

 

 

 

「肺経」は胸部から始まり母指の爪の生え際までのびます。

 

 

11個の経穴があります。

 

 

11個の経穴は

 

1.中府(ちゅうふ)

 

2.  雲門(うんもん)

 

3.天府(てんぷ)

 

4.侠白(きょうはく)

 

5.尺沢(しゃくたく)

 

6.孔最(こうさい)

 

7.列缺(れっけつ)

 

8.  経渠(けいきょ)

 

9.太淵(たいえん)

 

10. 魚際(ぎょさい)

 

11. 少商(しょうしょう)

 

 

です。

 

 

主に、喘息、喉の痛み等、呼吸器系疾患によく使われます。

 

 

私がよく使う経穴は

 

 

「尺沢」「孔最」です。

 

 

「尺沢」は 「鼻炎」で鼻汁が出る、鼻閉、「喉の痛み」によく使います。

 

 

「孔最」は鼻炎の症状が更にひどいときによく使います。

 

 

とても効果があります。

 

 

 

また、「孔最」は「痔の痛み」によく効くそうです。

 

 

学生時代にM先生が話していました。

 

 

痔の痛みで座れなくなった妊婦に灸をして痛みを取ったそうです。

 

 

試してみたいのですが、その機会は訪れません(笑)。

 

 

 

最後に「尺沢」「孔最」の部位をお伝えしましょう。

 

2019-05-23 19-09

 

 

「尺沢」は上腕二頭筋(力コブの筋肉)の腱の親指側にあります。

 

 

「孔最」は「尺沢」から指4本(人差し指~小指)下にあります。

 

 

鼻炎でお困りの方ぜひ刺激してみてください。

 

 

楽になりますよ!

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

初診、または慢性疾患で2か月以上受診中断の方は事前予約が必要となります。

 

当クリニックの診療改善評議委員会(当クリニック患者幹部会)の緊急提言を受け、

当クリニックにおきましては令和元年6月から、以下のような新たな初診受付システムを開始いたしました。

 

 

当クリニックでは、専門医療機関としての機能を高めていく責任がございます。

 

そのため、定期受診の皆様(当クリニック認定「健康会員」等)への感染の防止等の一層の安全確保の観点から、従来の初診受付システムを変更して、事前予約制といたたしました。

 

 

現在、英語等による外国語にての診療では、すでにこのシステムを導入し、円滑に進展しております。そこで国際的公平性の見地からも日本語による一般診療にもこれと同様のシステムを援用することで使用言語の別にかかわりのなく統一的な運用を図ることが可能となります。

 

なお再診の方は特別な予約は不要ですので、従来通り、ご来院いただきたく存じます。

 

<注意事項>

1)予約は原則メールにてお願いします。

2)予約当日の診察は受けられません。

 

 メールはこちら

※ただいま初診の予約が大変混み合っております。

恐れ入りますが、出来るだけメールでのお問い合わせをお願いします。

 

 

令和元年6月1日

 

杉並国際クリニック 院長 飯嶋正広

<脱毛症の治療>

 

 

脱毛症でご相談のあったM様の鍼灸治療を担当しました。

 

 

同様の問題でお悩みの皆様にとっての励みとなるとても貴重な症例でした。

 

 

御本人 (M) のご承諾を得て経過報告させていただきます。

 

 

 

2018/8/24ー第1

1

2

 

 

<治療前までの経過>

 

 

2018年7月24日ー洗髪時に左頭部の髪がいつもより抜けていることに気づく

 

 

                   近医ー『円形脱毛症』と診断され東京医大に紹介状

 

 

  8月8日ー東京医大にて『多発性・急速性の脱毛症』と診断される。

 

 

              東京医大で「これからもっと脱毛が進む」と予告されたそうです。

 

 

<所見>

 

 

頭皮が硬い。

 

 

肩より頭部が前にでているため肩の緊張が強い。

 

 

胸椎に硬さがある。

 

 

脈状ー沈で体が冷えやすい  (脈が触れづらい)。

 

 

    虚で「氣」が少ない  (脈拍の拍動の勢いが弱い)。

 

 

<治療内容>

 

 

    <座位>

 

 

頭皮を柔らかくするために頭部に鍼

 

 

肩こり緩和の目的で合谷に灸

 

 

自然治癒力強化のために足三里に灸

 

 

肩を赤外線で温める

 

 

<腹臥位>

 

 

脊中を揺らすーDRTの手技によって全身の筋肉の緊張が緩和されることが確認されました。

 

 

天柱肩井膏肓腎兪仙腸関節部承筋に鍼を実施しました。

 

 

上半身の緊張を緩和するために天柱、肩井、膏肓を、下半身の緊張緩和のために腎兪、仙腸関節、承筋を取穴し施鍼しました。

 

 

 

2018/09/25ー第4

3

 

 

明らかに脱毛が進んできました。

 

 

東京医大での予告通りの経過でした。

 

 

「ここで脱毛が止まってくれ」と願うばかりの時期でした。

 

 

 

2018/10/23ー第7

4

 

 

更に脱毛が進行してきました。

 

 

「時間はかかりますが希望を持って治療を続けていきましょう」

 

 

とサポートさせていただきました。

 

 

 

2018/11/27ー第10

 

5

 

 

最も脱毛が進んだ状態です。

 

 

黒髪が白髪になることによって減少した毛髪量が更に減少したような印象を与えます。

 

 

とても辛かったと思います。

 

 

 

2019/01/29ー第15

6

 

 

 

この頃から、脈状が沈、虚から脱し体に「氣」が増えてきました。

 

 

脈状から「氣」の量がわかります。「氣」は体を動かすエネルギーです。

 

 

そのため発毛のためのエネルギーを補給する準備ができつつあるように観察されました。

 

 

 

2019/02/14ー第16

7

 

 

髪が生え始めてきました。

 

 

Mさんの気持ちに余裕が出てきたようです。

 

 

精神的な余裕も心の安定も「氣」(エネルギー)によるところが大きいといえます。

 

 

この「氣」が発毛を促進してくれることでしょう。

 

 

 

2019/03/07ー第18

 

8

 

 

次第に白髪が黒髪に変わってきました。

 

 

2019/04/02ー第20

9

 かなり、発毛が進みました。

 

 

ここまで、治療を受け続けてくださったことに感謝いたします。

 

 

 

 

<なぜ、症状が改善したのか>

(1) 症状が出てからすぐに治療を開始したこと。

 

 

(2) 東京医大で『多発性・急速性の脱毛症』と診断され、脱毛が進行していくことを了解していたことにより治療が長期になる覚悟ができていたこと。

 

 

そのため互いに焦らず治療にも臨めたことによって、全身の筋緊張の緩和に繋がりやすくなり、頭皮の血流に望ましい影響を与えたのではないかと思わます。

 

 

(3) 鍼灸治療により全身の緊張が緩和し、全身及び頭皮の血液循環が改善し薬が効きやすくなったこと。

 

 

(4) 脈状が虚から脱したことで、「氣」の量が増え「氣」を発毛に向けることができるようになったこと。

 

 

(5) 合谷、足三里の灸を行ったこと。

 

 

今までの円形脱毛症の治療では上肢のマッサージにより上半身の血流を改善させ発毛を促していました。

 

 

今回は合谷足三里の灸をしたことにより、冷えの改善や体全体の活力を高めることができたのだと思われます。

 

 

これからも灸をもっと活用したいです。

 

 

(6) 治療者である私自身、治療の長期化の覚悟ができたこと。

 

 

率直なところ、脱毛が進んでいたときに焦燥感におそわれそうになりました。

 

 

しかし、治療者としての心の修行(治療的自我の育成)と思って焦らぬように努めました。

 

 

過去に私の焦りが患者に伝わり、治療効果に悪影響が出たのではないかということが あり

ました。

 

 

今回はそのようなことは最小限にできたのではないかと思います。

 

 

最後に、ホームページにこの症例の掲載の許可をMさんからいただきました。

 

 

ありがとうございます。

 

 

さらなる発毛、再発の防止のためにもう少し治療にお付き合いください。

 

 

どうぞよろしくお願いします。

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

I.Kenichi様より下記の投稿があり、その返信を記載します。

 

会社で、咳と寒気とひどい倦怠感に襲われ、初めて訪れたのだが、非接触型の変な体温計で熱を測られ「熱はない」と言われ、1時間半ちかく座り心地の悪い椅子で待たされ、あげく診断結果は「寝てるときに口呼吸している」という謎なもの。長時間待たされて体力が残ってなかったので反論することもできず、そのまま帰宅。家で熱測ったら39度あり、解熱剤も貰ってないので死にそうになりました。誤診です。☆1つすらつけたくないです。

 

 

 

I.Kenichi様。39度の発熱の翌日にこのメッセージを送らざるをえないお心を察しますに、誠に残念な結果で申し訳ございませんでした。深くお詫び申し上げます。

 

当クリニック受診者の中でI.Kenichi様に該当される方は5月9日木曜の午後にご来院されたお一人のみです。

 

そこで私共、杉並国際クリニック職員および患者会代表によって構成される診療運営評議員(兼、診療・研究倫理委員会)一同は、当該ご投稿の記事内容を重く受け止め、ご投稿内容を本日5月10日に来院された全ての患者の皆様に、ただちにお読みいただくことにいたしました。

 

①「非接触型の変な体温計」とのご指摘について

体温計はご指摘の通り非接触型を使用しております。

採用理由は、感染予防および待ち時間短縮です。

規格は以下の通りです。

器種は、原沢製薬工業:イージーテム

分類は、管理医療機器 (クラスⅡ)、認証番号:224AIBZX00071000

 

 

②待ち時間について

「1時間半ちかく」お待たせしたことは誠に申し訳ございませんでした。

 

当日5月9日(木)の特別な混雑の背景要因としては、大型連休明けであることに加え、木曜日のため他の医療機関が概ね休診てあること、天候不順のため膠原病や担癌患者の皆様等の体調不安も重なり、普段よりも受診者が集中することになったものと思われます。ただし、最近ではその日を除いて1時間半ちかくお待たせすることは皆無であることをご報告させていただきます。

 

本日来院されたすべての皆様に<普段はどのくらいお待ちになりますか?>と質問させていただきました。

 

結果:ほとんどの方が0分~30分以内でした。

受診時間帯によっては30分~40分の方も数名いらっしゃいました。

数年前は2時間待ちが当たり前だったので最近はむしろ、短くなってきたとの多数のコメントをいただきました。

 

待ち時間が短くなった要因と思われるのは、週前半(月・火・水)の早朝診療の開設の他には、混雑しやすい時間帯を外して、比較的すきやすい時間帯に受診される方や、空いている時間を問いあわせて受診される方など、実に多くの定期受診者の皆様のご支援とご協力の賜物であること再認識することができました。この場をお借りして御礼申し上げます。

 

 

③『居心地の悪い椅子』について、

ご指摘誠にありがとうございます。この件につきましても本日来院された皆様に5段階評価で1が最悪、5が最良として答えていただいたところ、すべてが2~4の間でした。1と5はありませんでした。

背もたれがもう少し高く、長椅子の前後のスペースがもう少しあるとより良いとの貴重な御意見を2,3いただく機会を得ることにもなりました。

 

ただし、最近椅子を刷新したので以前の物に比べれば清潔で良いというご意見があり、更にホテルのようなデラックスな椅子は全く期待していないので、医療機関としては標準的では、とのご意見がほとんどでした。

 

 

 

当クリニックの診療内容は内科を基盤とし、漢方、アレルギー・リウマチ・心療内科の各科を専門領域を網羅し、各大学病院等から心身両面において複数の専門領域の疾病を合併する皆様のご紹介を受けております。

 

また、日本語での受診に不自由と不安を抱えておられる外国出身の皆様に対する英語等での外国語診療のため、お一人様あたりの診療時間が長くならざるを得ない背景があることをご理解いただければ幸いです。

 

なお、必要に差し迫ったときなどに身近に受診できずにお困りの方が急増しているにもかかわらず、上記の専門領域を扱う医療機関の大多数が予約制であるため、そうした皆様の強いご要望が絶えず、そのため診療予約制を導入することは幾度も見送らざるを得ませんでした。

 

今般は、当クリニックの新スタートの時期にあたり、またとない貴重なご感想をいただくことができたものと受け止めております。この件を契機として、高円寺南診療所30年の診療実績に基づいて新たに築かれた当クリニックの患者会(健康創成クラブ)と私共職員一同との深い信頼関係を確認できました。これらのことは、杉並国際クリニックの今後の発展のため、より良い医療の提供のため、これまでを振り返る絶好の機会に恵まれたものと感謝申し上げます。

 

 

 

症例解説:

「会社で、咳と寒気とひどい倦怠感に襲われ」たというI.Kenichi様は初診時問診表にも「体がダルい、咳が出る」 と自記されており,体温の記録は 36.4℃(36.2℃)でした。

これは、この方の平熱が36.2℃で、測定時が36.4℃であったことを意味します。

 

職員が対応した際に、平熱をお尋ねした結果36.2℃とのお答えであり、「熱っぽい感じありますか」とお尋ねしたところ、「特にありません」とのお答えでした。念のため、額部と手関節部に触れさせていただいて確認したところ、熱感は確認できませんでした。

 

別表の問診票の症状チェックでは、

1) 頭痛(前頭)、6)のどがおかしい(いがらっぽい)、7)咳が出る(一日中)、8)痰が出る(水っぽい)

発症時期は「今週月曜より」と自記されていて、当クリニック受診は発症の4日後ということになります。

  • 今までにかかった病気(アレルギー性鼻炎、その他)
  • インフルエンザ予防接種は受けましたか? 未接種

 

以上により、診療録に記載した診断名は、

 

急性鼻咽頭炎、アレルギー性鼻炎です。

 

 

「寝ているときに口呼吸している」というのは発病のプロセスの説明であり、診断そのものではありません。

 

「長時間待たされて体力が残ってなかったので反論することができず、そのまま帰宅。」

という結果になってしまったことは非常に残念でした。

 

 

「家で熱測ったら39度あり、」とのことですが、「寒気とひどい倦怠感に襲われ」ているような場合は、その後に発熱することは、たしかにありえることです。

 

しかし、当クリニックでは、このような場合であっても、体質や薬剤反応性の不確かな初診の患者さんに解熱剤を予防的に処方することはしません。ショック等の事故に繋がることも考慮して控えています。特にアレルギー体質の方は要注意だからです。

 

また、予防的な薬剤処方は保険医療の対象外です。それでも解熱剤をお望みの方は、薬局薬店等にて自己責任で購入していただかなくてはなりません。

 

鎮咳剤と抗アレルギー剤および外用点鼻薬のみとしましたが、適切な処方であると考えます。

 

「解熱剤を貰っていないので死にそうになりました。」お気の毒ではありますが、発熱することは

速やかで自然な治癒のプロセスであり、解熱剤で人為的に発熱を抑制してしまうと、抗体形成を妨げることにより病状を長引かせてしまいます。

 

「誤診です」このように断言されましたが、この方には、きちんと診断名をお伝えしています。

ご体調不良とご不満のため、ご記憶にないのは已むを得ないことではありますが、すこぶる残念な気持ちです。