Googleの投稿への返信

I.Kenichi様より下記の投稿があり、その返信を記載します。

 

会社で、咳と寒気とひどい倦怠感に襲われ、初めて訪れたのだが、非接触型の変な体温計で熱を測られ「熱はない」と言われ、1時間半ちかく座り心地の悪い椅子で待たされ、あげく診断結果は「寝てるときに口呼吸している」という謎なもの。長時間待たされて体力が残ってなかったので反論することもできず、そのまま帰宅。家で熱測ったら39度あり、解熱剤も貰ってないので死にそうになりました。誤診です。☆1つすらつけたくないです。

 

 

 

I.Kenichi様。39度の発熱の翌日にこのメッセージを送らざるをえないお心を察しますに、誠に残念な結果で申し訳ございませんでした。深くお詫び申し上げます。

 

当クリニック受診者の中でI.Kenichi様に該当される方は5月9日木曜の午後にご来院されたお一人のみです。

 

そこで私共、杉並国際クリニック職員および患者会代表によって構成される診療運営評議員(兼、診療・研究倫理委員会)一同は、当該ご投稿の記事内容を重く受け止め、ご投稿内容を本日5月10日に来院された全ての患者の皆様に、ただちにお読みいただくことにいたしました。

 

①「非接触型の変な体温計」とのご指摘について

体温計はご指摘の通り非接触型を使用しております。

採用理由は、感染予防および待ち時間短縮です。

規格は以下の通りです。

器種は、原沢製薬工業:イージーテム

分類は、管理医療機器 (クラスⅡ)、認証番号:224AIBZX00071000

 

 

②待ち時間について

「1時間半ちかく」お待たせしたことは誠に申し訳ございませんでした。

 

当日5月9日(木)の特別な混雑の背景要因としては、大型連休明けであることに加え、木曜日のため他の医療機関が概ね休診てあること、天候不順のため膠原病や担癌患者の皆様等の体調不安も重なり、普段よりも受診者が集中することになったものと思われます。ただし、最近ではその日を除いて1時間半ちかくお待たせすることは皆無であることをご報告させていただきます。

 

本日来院されたすべての皆様に<普段はどのくらいお待ちになりますか?>と質問させていただきました。

 

結果:ほとんどの方が0分~30分以内でした。

受診時間帯によっては30分~40分の方も数名いらっしゃいました。

数年前は2時間待ちが当たり前だったので最近はむしろ、短くなってきたとの多数のコメントをいただきました。

 

待ち時間が短くなった要因と思われるのは、週前半(月・火・水)の早朝診療の開設の他には、混雑しやすい時間帯を外して、比較的すきやすい時間帯に受診される方や、空いている時間を問いあわせて受診される方など、実に多くの定期受診者の皆様のご支援とご協力の賜物であること再認識することができました。この場をお借りして御礼申し上げます。

 

 

③『居心地の悪い椅子』について、

ご指摘誠にありがとうございます。この件につきましても本日来院された皆様に5段階評価で1が最悪、5が最良として答えていただいたところ、すべてが2~4の間でした。1と5はありませんでした。

背もたれがもう少し高く、長椅子の前後のスペースがもう少しあるとより良いとの貴重な御意見を2,3いただく機会を得ることにもなりました。

 

ただし、最近椅子を刷新したので以前の物に比べれば清潔で良いというご意見があり、更にホテルのようなデラックスな椅子は全く期待していないので、医療機関としては標準的では、とのご意見がほとんどでした。

 

 

 

当クリニックの診療内容は内科を基盤とし、漢方、アレルギー・リウマチ・心療内科の各科を専門領域を網羅し、各大学病院等から心身両面において複数の専門領域の疾病を合併する皆様のご紹介を受けております。

 

また、日本語での受診に不自由と不安を抱えておられる外国出身の皆様に対する英語等での外国語診療のため、お一人様あたりの診療時間が長くならざるを得ない背景があることをご理解いただければ幸いです。

 

なお、必要に差し迫ったときなどに身近に受診できずにお困りの方が急増しているにもかかわらず、上記の専門領域を扱う医療機関の大多数が予約制であるため、そうした皆様の強いご要望が絶えず、そのため診療予約制を導入することは幾度も見送らざるを得ませんでした。

 

今般は、当クリニックの新スタートの時期にあたり、またとない貴重なご感想をいただくことができたものと受け止めております。この件を契機として、高円寺南診療所30年の診療実績に基づいて新たに築かれた当クリニックの患者会(健康創成クラブ)と私共職員一同との深い信頼関係を確認できました。これらのことは、杉並国際クリニックの今後の発展のため、より良い医療の提供のため、これまでを振り返る絶好の機会に恵まれたものと感謝申し上げます。

 

 

 

症例解説:

「会社で、咳と寒気とひどい倦怠感に襲われ」たというI.Kenichi様は初診時問診表にも「体がダルい、咳が出る」 と自記されており,体温の記録は 36.4℃(36.2℃)でした。

これは、この方の平熱が36.2℃で、測定時が36.4℃であったことを意味します。

 

職員が対応した際に、平熱をお尋ねした結果36.2℃とのお答えであり、「熱っぽい感じありますか」とお尋ねしたところ、「特にありません」とのお答えでした。念のため、額部と手関節部に触れさせていただいて確認したところ、熱感は確認できませんでした。

 

別表の問診票の症状チェックでは、

1) 頭痛(前頭)、6)のどがおかしい(いがらっぽい)、7)咳が出る(一日中)、8)痰が出る(水っぽい)

発症時期は「今週月曜より」と自記されていて、当クリニック受診は発症の4日後ということになります。

  • 今までにかかった病気(アレルギー性鼻炎、その他)
  • インフルエンザ予防接種は受けましたか? 未接種

 

以上により、診療録に記載した診断名は、

 

急性鼻咽頭炎、アレルギー性鼻炎です。

 

 

「寝ているときに口呼吸している」というのは発病のプロセスの説明であり、診断そのものではありません。

 

「長時間待たされて体力が残ってなかったので反論することができず、そのまま帰宅。」

という結果になってしまったことは非常に残念でした。

 

 

「家で熱測ったら39度あり、」とのことですが、「寒気とひどい倦怠感に襲われ」ているような場合は、その後に発熱することは、たしかにありえることです。

 

しかし、当クリニックでは、このような場合であっても、体質や薬剤反応性の不確かな初診の患者さんに解熱剤を予防的に処方することはしません。ショック等の事故に繋がることも考慮して控えています。特にアレルギー体質の方は要注意だからです。

 

また、予防的な薬剤処方は保険医療の対象外です。それでも解熱剤をお望みの方は、薬局薬店等にて自己責任で購入していただかなくてはなりません。

 

鎮咳剤と抗アレルギー剤および外用点鼻薬のみとしましたが、適切な処方であると考えます。

 

「解熱剤を貰っていないので死にそうになりました。」お気の毒ではありますが、発熱することは

速やかで自然な治癒のプロセスであり、解熱剤で人為的に発熱を抑制してしまうと、抗体形成を妨げることにより病状を長引かせてしまいます。

 

「誤診です」このように断言されましたが、この方には、きちんと診断名をお伝えしています。

ご体調不良とご不満のため、ご記憶にないのは已むを得ないことではありますが、すこぶる残念な気持ちです。