東京歯科大学市川総合病院循環器科の大木先生は、新型コロナウイルスに関して、とてもわかりやすい解説を掲載されています。御経歴からすると私より大分若手であるようですが、見習いたいと思いました。


私は、同市内にある昭和学院短期大学の客員教授として10年ほど勤務していたことがあり、この病院の前は数えきれないくらい通過していたのを懐かしく思い出します。

『知っておきたい新型コロナウイルス感染症COVID-19』

 

【新型コロナウイルスの恐ろしいところ】

体内に新型コロナウイルスが入り込み、どこかの臓器で増殖していても、本人は全くそれに気づかないことがあります。

症状のない保菌者であり、目に見えないと言う意味で、不顕性感染と言います。

不顕性感染している人の体内にはウイルスがいて、その人の唾液や汗、あるいは吐息などにもウイルスがいると、知らず知らずのうちに他人にウイルスをまき散らしてしまっている可能性があります。

 

不顕性感染の人から感染したからといって、うつされた人も不顕性感染であるとは限りません。

うつした人は無症状ながら、うつされた人は重度の肺炎になることもあり得ます。

元気そうに見えている人でも体内には新型コロナウイルスが潜んでいる可能性があるのです。

そのため誰が感染しているのか、誰が感染していないのか全くわからず、誰からうつされたかもわからないまま、突然肺炎を発症することがあります。それが感染源不明の患者さん達です。

感染源不明の患者さんが多くなると言うことは、潜在的な不顕性感染の人が多いことが想像され、感染が社会に蔓延していることを示します。

 

キーワード:不顕性感染、症状のない保菌者、潜在的な不顕性感染

 

<キーワード解説>
不顕性感染とは、細菌やウイルスなど病原体の感染を受けたにもかかわらず、感染症状を発症していない状態をいいます。一般に感染しても必ず発症するとはいえず、感染者の大部分がこの不顕性感染となります。発症すれば、顕性感染であり、何らかの自覚症状によって気付くことができます。これに対して症状が現れない場合は、本人も医師もまったく感染に気付くことが出来ません。

これを潜在的な不顕性感染といいます。感染の有無は抗体陽性や遅延型過敏反応など、最近ではPCR検査で確認されますが、感度や特異度の問題が議論されています。不顕性感染の人はしばしば保菌者(キャリア)となり,これが症状のない保菌者であって、病原体を排泄し感染源となる可能性が高いので公衆衛生学的な疫学上の問題となっています。

 

<明日へ続く>

清熱・血栓対策だけではない「地竜」の効果

地竜」に救われた日 ①


朝から集中力が低下し、仕事が空回り・・・・・・
「熱があるのでは?」
と事務長から体温を測定するように言われました。

 

ただちに、体温を計測したところまさかの37.1℃!そして、その時は体調の変化に気がついていませんでした。朝の体温は36.0℃でした。

 

院長から「地竜」を内服するように指示を受け、服用しました。

 

30分後に再び測定すると36.7℃でした。
他の変化は手足が暖かくなり、顔が涼しく感じました。

 

そこで改めて自分の体調と気分を振り返ってみると…
そういえば、昼頃から何となく焦燥感がありました。
無理をして気に留めないように無意識にセーブしようとしていたのだと思います。
しかし、「地竜」を飲んだ後は、気分がスッキリ落ちついて、頭がもやもやする感じが無くなり、胸が詰まる感じが無くなったことを実感しました。

 

院長から、マイクロエンボリズム(微小血栓形成)が始まっているか、少なくともそのリスクが高いことを指摘されました。
つまり、脳梗塞心筋梗塞を起こしやすい、ということです。

 

<明日は怖い脱水>



取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ5症例の研究

症例が増え、5症例目となりました。


新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。感染した人や家族の話を通して、その一端を知るため、NHKが行ったインタビューの内容をできるかぎり詳細にお伝えします。


以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は緑文字として区別しました。

症例5:ガラス越しに 夫にトランシーバーで呼びかけた

4月7日取材 社会部 山屋智香子

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。関東地方に住む50代の男性は新型コロナウイルスに感染し一時、重篤となりました。妻が、夫の発症から治療、そして感染者の家族だからこそ思うことを語りました。

 

症例5(その3)


第3節:検査を受けるために病院に行った夫は即入院となった 

 

入院したときに本人の肺の写真を見せられたんですけど、前の日に近所の内科で撮った肺の写真と比べると、ちょっと進行している、このスピードで進行していくとかなりよろしくないと(医師の判断通りだと思われます)

でもなんだか私は実感がわかなくて。写真を見せられても本人のものなのかな(素人目にも明らかな変化?ならば要注意‼)って、半信半疑というか。

そんなに悪くなっているように見えなかった(自覚症状の変化よりも画像の変化の方が明かなことが多いです!)から、私は。そのときは本人は普通にできているし、苦しくない(毎日のようにジム通いして鍛えている人は、心肺機能にも予備力があるために、かえって気づきにくいことが考えられます。水氣道®のように運動機能だけでなく感覚機能を養うエクササイズであれば、異変に気付きやすくなり、早期の対応が可能になります。)って言っていて。


でも先生たちは「大変だ大変だ」と。「酸素の値(動脈血中酸素分圧濃度:パルスオキシメータ―での酸素分圧%値だと思われます)がこれ以上下がると危ないです」と言うけど、本人は苦しそうにしてない(急性ではありますが、発症から約1週間かけて徐々に身体が低酸素状態に慣れていくと、呼吸不全状態であっても苦しさを感じないこともあるので要注意です)から、なんかちょっと違う人の写真を見せられているんじゃないかという気持ちはありました。


それが入院した初日の夜中に病院から電話があって、「酸素の値がよくないので、ICUに移していいですか」と言われたんです。それからは、あれよあれよという間に悪くなっていってしまった。


ICUに移った直後に陽性と分かり(この事実は、PCR検査は早期に実施しない限り、結果が判明しても個人の治療には役立たないことの証左の一例です。感染拡大を防ぐ意味や、行政判断のための資料には役立つことでしょう。)、別の病院に転院させるという連絡が入る。妻も濃厚接触者として自宅待機となった


「こちらの病院では新型コロナウイルスに感染した重症患者を診られないので、重症患者を診られる病院に搬送します」と。「人工呼吸器は本来は付けないんですが、向こうの病院から『挿管してきてください』と言われているんで挿管します。ただ、その際は意識が飛びますんで」と言われたんですよ。


転院する前に本人とちょっとだけ電話ができて、「挿管するらしいよ、意識が飛ぶらしいよ」と言ったら「そのほうが楽だからいい」って言って。夫は「ごめんね。かかっちゃった」って。ごめんねなんて言わなくていいのにと思うけど。「気をしっかり持って、早く帰ってきてね」って話しました。それが最後の会話です。


運ばれた先の病院名は聞きましたけど、いつ運ばれてどんな状態なのか全くわからなくて。無事に行ったのかなと思いながらいたら、入浴中に留守電が入っていて「留守電には内容は残せません。また電話します」ということばだけあって、先生のお名前を入れてくださっていたので、夜中の12時すぎで申し訳ないなと思ったんですが電話してつないでもらって、転院できたことがわかったんです。


病状の確認などこちらから電話してもいいかと聞いたら、「ばたばたしていることもあるので、何かあればこちらから電話します」ということで、定期的にお電話いただくことになったんですが、かかってくる電話は悪い電話しかなくて。「よくないんです」って。たいてい「よくないんです」「横ばいです」って言われる。「よくないからこの処置をしたいのですがいいですか」という確認の電話が多かった。

 


第4節:見えないところで進む治療 

自宅から出ることができないなか、夫の症状は悪化する。次々に行われる治療の話を電話で聞き続けるしかなかった
「治療法がまだ確立されていなくて、医療業界でもまだ手探り状態だ(その通りです。だから、初期から適切で安全な漢方薬治療を導入すべきなのです。重症化するまで放置された挙句、副作用が大きく有効性の確立が高くない薬で実験されるのはたまったものではありません。)」と。

「なので、あちらこちらで試されているものを試してみたりはします。中国で試されているHIVの薬(中国には、多くの疫病の歴史と共に永年にわたって培われてきた中医薬があります)を投与することもします」と言われて、投与するときもお電話をいただきました。ただ、効果があるかもわからないし、逆に他の機能を弱めることもあり得ると。わりと最初の頃から「最悪の事態もありえます」と言われていて、それは入院したときから言われているんですよね。


薬を投与した翌週くらいに「気管切開したい」と言われたんですね。「切開したほうが楽になるので」と言われて、今度はその翌日に、「やはり状態がよくない。このままだと命を救う自信がわれわれもありません」と。なので「人工心肺をつけさせてください」と。ECMOですね。「治療ではなくて、ご自身の肺を休ませるためのものです。首と股のところに小指くらいのチューブを入れます。この病院は経験があるので大丈夫です。ただ何かしら支障が出ることもあります」と言われました。


本当は私はECMOは嫌だった(よくわかります。医者だって本当は嫌なのですから)。ECMOを自分なりに調べると、すごいたいそうな機械で、血液を外に出して中に戻すなんて、あんなものをつけると聞いて、かなりショックでした。でも私は医者ではないので、プロに任せるしかないので結局お任せしましたけど、その段階まで行っちゃったというのはショックでした。


2週間の自宅待機が終わり、3月中旬、初めて面会が許された
陰圧室のガラス張りの中に主人が入っていますので、面会できてもそこの外からで、コミュニケーションがとれるかどうかわかりませんと、もともと言われていました。鎮静剤で全く寝たままでしたが、生きててよかったなと思いましたね。


ただ、面会の前の日に担当の先生から「ECMOをつけている弊害でばい菌が体に入って(ばい菌というのは素人に説明する一般用語ですが、細菌だけでなく新型コロナウイルス自体がすでに体に入っているためECMOのせいだけではない可能性があります)、熱も出てきて出血しています(敗血症といい、重篤なショック状態に至ることが危惧される状態です。免疫力が低下した状態では敗血症が生じやすくなります。そして敗血症になるとDIC=播種性血管内凝固を来し、出血傾向を来します。)」と聞いていて、私はその出血が大したものではないと思っていたのですが、結構な出血だったようで、面会に行ったら「血が止まらなくて止血剤を入れていたけれど、それでも止まらないのECMOを抜くことにしました」と言われて、ショックでした。

 

<明日へ続く>

イタリアの最古の全国紙によって、東京の「黒い教皇」の訃報を知る

 

Corriere della Sera紙:コッリエーレ・デッラ・セーラ(Corriere della Sera)は、ナポリ出身のエウジェーニオ・トレッリ・ヴィオッリエール(Eugenio Torelli Viollier)によって1876年3月5日に創刊された現存する中では最古の日刊イタリア全国紙です。

 

この新聞社の沿革が興味深いです。1977年には、当時の与党であるキリスト教民主党との対立により、銀行からの融資を止められ資金難に陥っていた親会社のリッゾーリ社(当時)。この会社に対し、極右政党であるイタリア社会運動(MSI)の幹部で、元フリーメイソンの反共組織である「ロッジP2」のリーチオ・ジェッリ代表が、左派で知られたピエーロ・オットーネ編集長を解雇することを条件に、融資を持ちかけました。その後ジェッリ代表は関係の深かったバチカン銀行のポール・マルチンクス総裁が調達した資金をリッゾーリ社に提供し、その後オットーネ編集長は解雇されました。以降同紙は現在に至るまで保守主義的な論調を取ることとなった次第です。

本社はミラノでRCS MediaGroup S.p.A.が発行しています

 


l lutto
訃報


20 maggio 2020 - 15:22
2020年5月20日 - 15:22

 

È morto padre Adolfo Nicolas, era stato «papa nero» dei Gesuiti
アドルフォ・ニコラス神父死去、イエズス会の「黒い法皇」だった

 

Il 29esimo successore di Ignazio di Loyola aveva 84 anni ed era malato da tempo. È morto a Tokyo, dove era stato a lungo studente e poi docente universitario
di Gian Guido Vecchi
イグナチオ・ロヨラの第29代後継者(註:元イエズス会総長)は84歳でしたが、しばらくの間体調を崩していました。長い学究生活の後、大学教授を務めていた東京で亡くなった。
ジャン・グイド・ヴェッキ記

 

CITTA’ DEL VATICANO
バチカン市

 

CITTA’ DEL VATICANO - «Vede, sant’Ignazio era un uomo libero, la libertà che viene quando si sente lo Spirito». La sera del 3 settembre 2012 era arrivato in Duomo per i funerali del cardinale Carlo Maria Martini, l’omaggio del padre generale della Compagnia di Gesù al grande confratello per ventitré anni arcivescovo di Milano. Ed il ritratto che padre Adolfo Nicolás ne aveva fatto al Corriere era insieme una riflessione su ciò che significa essere gesuita, «un figlio di sant’Ignazio fino alla fine», sulla sua stessa vocazione: «C’è un principio di Ignazio molto chiaro: trovare Dio in tutte le cose. Il cardinale Martini aveva un approccio così positivo verso la realtà perché aveva quello sguardo, la visione nella quale Dio lavora in tutto: e ha trovato Dio in tutte le cose, in tutte le persone. Di qui il grande rispetto che aveva per credenti e non credenti, di qualunque origine fossero. Tutti hanno una scintilla di Dio che bisogna trovare».

バチカン市 - 「さて、聖イグナチオは自由人で、その自由とは聖霊を感じたときに訪れるものでした。」2012年9月3日の夜、カルロ・マリア・マルティーニ枢機卿の葬儀のために大聖堂に到着し、23年間ミラノの大司教を務めた偉大な兄弟会士に対してイエズス会総長として敬意を表した。そして、アドルフォ・ニコラス神父がコリエーレ紙上で彼について物語ったことは、イエズス会士であることの意味、つまり「終生、聖イグナチオの息子」についての省察であると同時に、彼自身の召命について次のように述べています:「イグナチオの明確な原則があります。マルティーニ枢機卿がこれほどまでに現実に対して積極的にアプローチしてきたのは、神がすべての人に働いているというビジョンを持っていたからです。それゆえに、彼は、信者と非信者を問わず、その出自にかかわらず、大きな敬意を払っていました。誰もが自分で見つける必要がある神の輝きを持っています」。

 

Padre Adolfo Nicolás è morto a Tokyo, dov’era stato a lungo studente e poi docente universitario, la città più amata nella quale si era infine ritirato dopo essersi dimesso da generale dei gesuiti. Era malato da tempo, l’ultima imagine pubblica risale al viaggio di Francesco in Giappone, il 12 novembre dell’anno scorso, la carezza di Francesco al volto soffrente del suo vecchio superiore durante la visita alla Sophia University.

アドルフォ・ニコラス神父は東京で死去した。彼の地は、長い年月、学究生活から大学教授を経て、イエズス会総長を辞して最後に引退した最も愛していた場所でした。彼は近年病に侵され、公の最後の写真は、去年の11月12日に教皇フランシスコの訪日に際して訪れた上智大学訪問の折に、老いて患うかつての上長(註:アドルフォ・ニコラス神父)の顔に教皇が愛撫している姿であった。


解説:現教皇フランシスコは1958年3月11日にイエズス会に入会しました。つまり、イエズス会士であり、アドルフォ・ニコラス神父はすでに1953年イエズス会に入会して後にイエズス会総長(修道会のトップ)であることから、かつての上長(先輩)ということになります。

 

 

Spagnolo di Villamuriel de Cerrato, aveva 84 anni e dal 2008 al 2016 era stato il ventinovesimo successore di Ignazio di Loyola. Aveva annunciato le sue dimissioni due anni prima di lasciare, nel 2014, con una lettera ai diciassettemila gesuiti sparsi in 112 nazioni nel mondo. Un evento straordinario, perché la Compagnia di Gesù è l’unico ordine religioso della Chiesa nel quale il superiore viene eletto a vita, come il pontefice, e per questo viene popolarmente definito il «Papa nero».

ビラムリエル・デ・セラート出身のスペイン人にして84歳であった。2008年から2016年まではイグナチオ・ディ・ロヨラの第29代後継者(総長)を務めた。彼は退任の2年前の2014年に、世界112カ国に散在している1万7000人のイエズス会士に宛てた手紙で辞意を表明していた。イエズス会は、(カトリック)教会の中で唯一、総長がローマ法皇のように終身選挙で選ばれる修道会であり、そのため「黒の法王」と呼ばれることが多いという中にあっては異例の出来事であった。

 

Prima di lui solo due volte era capitato che un padre generale lasciasse in vita: il primo fu padre Pedro Arrupe, nel 1980, in un momento di tensione con la Santa Sede, presentò le sue dimissioni a Giovanni Paolo II, che le respinse: un anno più tardi, però, Arrupe fu colpito da un ictus e Wojtyla inviò un suo «delegato personale» commissariando di fatto la Compagnia; il secondo era stato Peter-Hans Kolvenbach, eletto nell’83, che decise di dimettersi nel 2008, a ottant’anni, proprio come avrebbe fatto padre Nicolás.

彼の生前に、総長の生前退任は2例しかなかった。最初はペドロ・アッルーペ神父で、1980年には教皇庁との緊張の中、ヨハネ・パウロ二世に辞表を提出したが、ヨハネ・パウロ二世はそれを拒否した。しかし、1年後、アッルーペが脳卒中で倒れたため、ヴォイティラは「個人的な代理人」の1人を(註:イエズス会)修道会の事実上の代表者として派遣した。二人目はペーター・ハンス・コルフェンバッハで、1983年に選出されたが、ちょうどニコラス神父がすることになったように、2008年に80歳で退任を決断した。

 

L’annuncio della morte di padre Nicolás è stato dato mercoledì mattina dalla Curia generale dei gesuiti e dal suo successore, padre Arturo Sosa. I funerali saranno celebrati sabato a Tokyo, nella chiesa di Sant’Ignazio. Nelle sue parole su Martini, sei mesi prima del conclave che avrebbe eletto Francesco, c’era già la svolta del futuro pontificato, la Chiesa in uscita: «Ho vissuto 48 anni in Asia e credo che forse siamo stati deboli, noi missionari. Non abbiamo cercato abbastanza di trovare Dio e il lavoro di Dio nelle altre culture e nelle altre genti. Portare questa ricchezza di Dio alla Chiesa universale continua ad essere una sfida. Credenti di altre fedi, non credenti: Dio sta lavorando nella gente prima che noi missionari andiamo. Sta già lavorando».

ニコラス神父の死去が発表されたのは、水曜日の朝、イエズス会総長で後継者のアルトゥーロ・ソーサ神父によって行われた。葬儀は土曜日に東京の聖イグナチオ教会で行われる。フランシスコが選出されることになるコンクラーベの半年前、マルティーニに関する彼の言葉には、将来の教皇はすでに<la Chiesa in uscita:外出する教会?>という転機にありました:「私はアジアで48年間生きてきて、おそらく私たち宣教師は優柔不断だったと思います。私たちは、他の文化や他の民族の中の神とその神の働きを見出そうとする努力を十分にしてきませんでした。この神の富を普遍の教会(註:カトリック教会)にもたらすことは、挑戦であり続けています。(註:カトリック教会の)信者ではなく、他の(註:宗教の)信仰をもつ信者。私たち宣教師が行く前に、その神は人々の中で働いています。その神はすでに成果を挙げている」と。

 

20 maggio 2020 (modifica il 20 maggio 2020 | 15:22)
2020年5月20日(変更 2020年5月20日|15:22)

 

宿題:<la Chiesa in uscita:外出する教会?>の箇所について、特別な意味がありそうなので、来週までに調べておきます。

最後に、杉並国際クリニックで導入予定の2つのアセスメント法について紹介します。

 

MoCA-Jの特徴

日本語版Montreal Cognitive Assessment(MoCA-J)
Japanese Version of The MONTREAL COGNITIVE ASSESSMENT (MOCA-J)

Nasreddineらによって注意機能、視空間認知、記憶、注意、言語、概念的思考、計算、見当識などといった多領域の認知機能を30点満点で評価する指標としてMontreal Cognitive Assessment(MoCA)が報告され、日本語版Montreal Cognitive Assessment(MoCA-J)も報告されています。

 

MoCA-Jは主として軽度の認知機能低下を評価するツールとして活用されています。MoCA-Jでは10分程度の個別面接式で認知機能を検査します。

MoCA-Jに含まれる内容は、Trail Making、図形模写(立方体)、時計描写、命名、注意(順唱・逆唱・Target Detection・計算)、言語(文の復唱・語想起)、抽象的思考、遅延再生、見当識の8項目からなり、それぞれの正誤を判定して30点満点で採点します。

 

教育年数が12年以下の場合には検査終了後に1点を加えます。
 MoCA-Jは、26点以上を健常範囲とする報告がなされています。

そこで、25点以下で軽度認知障害(MCI)のスクリーニングに有効です(感度93%、特異度87%)。

MoCAによる評価では軽度の認知機能低下をスクリーニングすることが主たる目的となり、MMSEやHDS-Rでは判定が困難であるMCIの検出に適しているとされます。ただし、スクリーニングが主となるため、得点の変化による認知機能改善の有無を判断するためにアウトカム指標として用いる際は、慎重に解釈する必要があります。

 

DASC-21の特徴

The Dementia Assessment Sheet for Community-based Integrated Care System-21 items (DASC-21)

 

認知症による障害の全体を包括的に評価することを認知症の総合アセスメントと呼びます。しかし,認知症に気づき、認知症であることを診断するためには、まずは「認知機能障害」と「生活機能障害」を評価することが重要です。DASC-21(ダスク-21)という評価法は、原則として、規定の研修を受けた専門職が高齢者の「認知機能障害」と「生活障害」を把握し、認知症を検出し重症度を評価するアセスメントツールとして、適切な内的信頼性と併存的妥当性および弁別的妥当性を有することが証明されています。DASC-21は、簡単で短時間に「認知機能」と「生活機能」の障害を評価することが可能です。また、暮らしに密着したわかりやすい項目であることから、認知症の疑いがある方やご家族にも理解しやすく、認知症の人を支援する専門職とご本人や家族との「共通言語」として広く活用することが可能です。

 

DASC-21は導入のA,B項目と1~21項目の評価項目からなるアセスメントシートです。

• 認知機能と生活機能を総合的に評価することができる.

 

• IADLの項目(6項目)が充実しているので、軽度認知症の生活機能障害を検出しやすい.

 

• 4件法で評価しているために障害の機能変動をカバーできる.

 

• 設問は具体的であり、観察法によって評価できる.

 

• 簡便で、短時間で実施でき評価方法も単純である.

 

• 簡単な研修を受講することによって、認知症の基本的な理解と認知症の総合的アセスメントの基本的技術を修得できる.

 

• 評価結果から臨床像の全体をある程度把握することができ、かつ必要な支援の目安をつけることができる.

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ5症例の研究

 

症例が増え、5症例目となりました。

 

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。感染した人や家族の話を通して、その一端を知るため、NHKが行ったインタビューの内容をできるかぎり詳細にお伝えします。

 

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は緑文字として区別しました。

 

症例5:ガラス越しに 夫にトランシーバーで呼びかけた

 

4月7日取材 社会部 山屋智香子

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。関東地方に住む50代の男性は新型コロナウイルスに感染し一時、重篤となりました。妻が、夫の発症から治療、そして感染者の家族だからこそ思うことを語りました。

 

症例5(その2)

 

第2節感染確認までの1週間 

 

夫は最初から新型コロナウイルスへの感染を心配し、仕事を休み、みずから保健所にも相談していた(患者として模範的な対応です)。しかし、すぐに検査を受けることはできなかった

 

熱が出たその日に夫が保健所に電話してみたんですけど、折り返し電話がかかってきて、何かいくつか聞かれていたようです。

何を聞かれていたのかは私はわかりませんが、「こんな感じですね」と答えていて、「それではちょっと検査ができませんね」と言われたようで。

 

医者から解熱剤を出されていた(最初から解熱剤を処方してしまう風潮には問題があります。ただし、医師も保険医療に縛られている限り、それ以上のことはできません。制度の枠組みを優先するあまり、患者の生命や健康を犠牲にしてしまいかねないこともあるのが現行の医療制度の致命的な欠陥です。それから、発熱を過剰に恐れて解熱剤を切望する一般の風潮も心ある医師を大いに悩ませています。私であれば、一般の解熱剤ではなく、常備薬No4候補の地竜(じりゅう)を勧めます)ので、飲むと熱が下がるじゃないですか。

本人も熱が下がれば治った気でいる(解熱=治癒という誤解が多くの犠牲者を生んでいます!患者の常識・思い込みはしばしば命取りです‼)と、そういうのが3日くらい続きました(この間に相当の体力、とくに防衛体力を消耗したことになります)

 

ただ、5日目に39度くらいまで上がっちゃって、私も怖くなっちゃって、解熱剤を一時期やめていたのをまた服用させて(これは、一般的な傾向かどうかはわかりませんが、女性の方が男性より発熱を恐れる人が多いように感じられます。妻が夫に解熱剤や抗生物質を勧めたのがアダになるケースも散見しています。当クリニックでも同様の事例を多数経験しています。そのような場合はたいてい、妻は私の患者さんではありません。)

翌日、熱が下がったんですけど、夫がもう1回、保健所に電話して。そうしたら「病院が検査をやる必要ありと言われればできますよ」と言われて、ではもう1回内科に行ったほうがいい(5月現在の中野区・練馬区辺りの方式です)ということで行ったんです。

 

病院に行ったら、「熱がない間は調べられない。夕方、熱が上がったらまた来てください(症状が無ければ検査ができない、検査ができなければ、結果が出ない、結果が出なければ確定診断ができない、確定診断ができなければ手当てができない、これは現代西洋医学の独断的な常識です。しかし、この医学常識が多くの患者さんの命を奪っているのです。中医学・漢方などの伝統医学では、確定診断ではなく“見て”を行います。確定診断が得られない段階でも“見立て”は直ちに可能です。“見立て”ができれば即時に”手当“を始めることができます。これを行えるかどうかで患者さんの予後が大きく変化します)」と言われ、夕方にまた行って。そのとき初めて肺のレントゲンを撮ってもらいました。

先生も最初は「そんなの(新型ウイルスへの感染)はないと思うよ(確率論で答えている可能性があります。あるいは、患者さんの精神的動揺を防ぐ目的かもしれません。とくに、治療手段が見つからない場合に、多くの医師が根拠なく確率論で、このような意見を言ってしまいかねないことも問題です。)」と言われていたんですけど、

肺の状態がちょっと悪そうだ(これが初歩的な”見立て“です。このような場合でも、中医・漢方であれば、より詳細かつ具体的な所見を取り、早期に適切な対応に繋げることが可能です)ということで、初めて保健所に電話(担当医は、やはり新型コロナウイルス感染症の可能性を考慮していたことがうかがわれます)してくれて、翌日、検査を受けることになりました。

 

<明日へ続く>

<私のフランス語修行>

平社員の最後の希望

 

今月は、私のフランス語修行の進捗状況を御報告させていただいております。

 

さて、私はそもそもビジネス向きの人間ではありません。それが証拠に開業医となってこのかた30年、経営者としての意識は皆無に等しかったかもしれません。しかし、昨今の状況の中で、開業医も経営者、それも末端の零細企業のオヤジに過ぎないことを感じています。

 

しかも非常時にあっては当然のことながら有形無形のリスクだけを不当に負わされる一方で、ほとんど有効な救済支援措置を受けられない現実に直面し、理不尽と不合理をヒシヒシと痛感しています。ですから、これまで経営に関して真剣に取り組むことなく医師としての仕事だけを続けてこられたことだけでもむしろ感謝すべきなのでしょう。

 

想えば、いくら医学の研鑽を積んでノーベル賞受賞者となった山中教授や本庶教授でさえも、研究予算の確保に苦戦しておられるようなのです。

世事に疎く、交渉ごとに弱い医学研究者の宿命なのでしょうか。それでも彼らは生活には困らない分まだましなのかもしれませんが、研究予算を切り詰められたなかで有能な若手を育成していくことは至難の業だと思います。

当然の要求を相手に認めさせる交渉のためには、相当の覚悟が必要です。私は医師でありますが、労働衛生コンサルタントという国家資格を取得している関係もあって、職場での健康管理からはじまり、多くの患者さんの職場でのキャリア形成の悩みを耳にする機会が少なくありません。

この後の課題の作文は、実際に私が携わった患者さんの経験を下敷きにして書いてみました。

 

 

課題:あなたはある会社の従業員であり、あなたの職場地位向上の要求についてあなたの上司にメールを書きます。

Vous êtes employé dans une société et vous écrivez à votre directeur pour lui part de votre demande d’évolution de poste.

 

件名は最後の望み、です。差出人の名前はシャルル・シャプレインCharles Chapleinとしました。

 

 

 Object: Dernier espoir

Monsieur le directeur,

Jʼai été fier de travailler tous les jours pendant 30 ans lorsque jʼai été affecté au service des ressources humaines de notre service des affaires générales. Pendant cette période, le capital de lʼentreprise a été multiplié par dix et ses ventes annuelles ont été multipliées par 50.

 

Cʼest parce que nous avons été en mesure dʼobtenir les meilleures personnes. Il ne sʼagit pas seulement de recruter. Pour faire de lʼatelier un succès, nous invitons dʼexcellents enseignants externes sur des stratégies dʼaffaires pratiques. Par exemple, même ceux qui nʼont pas été évalués à la réunion de recrutement se sont assis avec un certain nombre d'experts prometteurs dans la formation ultérieure.

 

Malgré cette histoire, la réduction de lʼorganisation du département des ressources humaines et lʼexpansion de son département des ventes constituent un risque majeur.

 

Est-ce lʼIA qui convient au gestionnaire des ressources humaines, ou est-ce moi? Cʼest une question sérieuse de ma part.

 

Charles Chaplein
simple employé
service du personnel

 

 

件名: 最後の希望

部長殿

私は総務部の人事部に配任された30年間、毎日働くことを誇りに思っていました。
この間、同社の資本は10倍に増加し、年間売上高は50倍に増加しました。
これは、私たちが最高の人材を得ることができたからです。採用だけではありません。ワークショップを成功させるために、私たちは、実践的なビジネス戦略に優れた外部教師を招聘してきました。例えば、採用会議で評価されなかった人材でさえ、その後のトレーニングで数多くの有望なエキスパートとしてきました。

 

こうした歴史にもかかわらず、人事部門の組織縮小と営業部門の拡大は大きなリスクとなっています。

 

人事課長にとっては相応しいのはAIなのでしょうか、それともこの私なのでしょうか。
これは私にとっては真剣な質問です。

 

シャルル・シャプレイン
人事課従業員

東京歯科大学市川総合病院循環器科の大木先生は、新型コロナウイルスに関して、とてもわかりやすい解説を掲載されています。御経歴からすると私より大分若手であるようですが、見習いたいと思いました。

 

私は、同市内にある昭和学院短期大学の客員教授として10年ほど勤務していたことがあり、この病院の前は数えきれないくらい通過していたのを懐かしく思い出します。

 

『知っておきたい新型コロナウイルス感染症COVID-19』

 

 

【新型コロナウイルスが起こす病気】

病原体が身体のどこかに入り込んで、健康を害すると感染症にかかった状態となります。感染するとその臓器に炎症が起きます。

 

新型コロナウイルスは肺炎、心筋炎、髄膜炎などを起こすことが知られています。

 

心筋が新型コロナウイルスに侵されると心臓が急激に動かなくなり、急速に死に至ることがあります。

 

新型コロナウイルスが髄液入ると重篤な意識障害、神経系の障害が起こります。多くの感染者では肺が侵され、酸素を身体に取り込む呼吸機能が損なわれますが、身体では酸素が消費し続けられるので、身体の酸素がどんどん低下し、低酸素血症と言われる状態になります。

 

重度の低酸素血症が生じると全身に酸素が行き渡らなくなり、脳は低酸素に陥り意識が低下します。

 

それぞれの内臓も必要な酸素が不足するため、肝臓や腎臓など多臓器が失調します。血圧や心拍数などを保つ機能さえ損なわれ、やがて血流は低下し、多臓器不全の状態となります。

 

多臓器不全に陥ると、救命できる可能性は低くなり、高齢者など体力が低下している人ではほぼ9割方が亡くなります。

 

 

<明日へ続く>

ADLの評価法

1) 手段的ADLと基本的ADL
 

日常生活活動度(Activities of daily living;ADL)とは、人が生活を送るために行う活動の能力のことです。

手段的ADLとは高次のADLで買い物、食事の準備、服薬管理、金銭管理、交通機関を使っての外出などのより複雑で多くの労作が求められる活動を意味します。

基本的ADLとは移動、階段昇降、入浴、トイレの使用、食事、着衣、排泄などの基本的な日常生活活動度を示します。糖尿病患者は手段的ADLが1.65倍、基本的ADLが1.82倍低下しやすいことが示されています。

 

 

2) 手段的ADLと基本的ADLの質問票
 

手段的ADLの評価は表1のLawtonの尺度,老研式活動能力指標,DASC-21の一部の質問などで行うことができます。著しい高血糖により尿失禁がおこることもあるので、トイレ使用の評価は高血糖の治療後に慎重に評価を行います。

 

基本的ADLの詳細な評価は表2のBarthel index, Katz Index, DASC-21の一部の質問などで行うことができます。

 

表1 手段的ADLの質問票

1) Lawtonの尺度:電話をする能力、買い物、食事の準備、家事、洗濯、移動の形式、服
薬管理、金銭管理の項目からなる。

 

2) 老研式活動能力指標:手段的ADL(交通機関を使っての外出、買い物、食事の準備、請求書の支払いなど)、知的能動性(書類を書く、新聞を読む、本・雑誌を読むなど)、社会的役割(友人への訪問、家族や友人からの相談、病人のお見舞いなど)の13項目からなる。

 

3) DASC-21:認知症のスクリーニングのための21の質問の中に、手段的ADLの買い物、交通機関を使っての外出、金銭管理、電話、食事の準備、金銭管理が含まれている。

 

表2 基本的ADLの質問票

1) Barthel Index:整容、食事、排便、排尿、トイレの使用、起居移乗、移動、更衣、階段、入浴の10項目からなる。20点満点で採点する方法と100点満点で採点する方法とがある。

 

2) Katz Index:入浴、更衣、トイレの使用、移動、排尿・排便、食事の6つの領域 のADLに関して自立・介助の関係より、AからGまでの7段階 の自立指標という総合判定を行う。

 

3) DASC-21:認知症のスクリーニングのための21の質問の中に、基本的ADLの入浴、更衣、排泄、整容、食事、移動が含まれている

 

 

杉並国際クリニックでの実践
当クリニックでは、これまで厳密なADL評価は実施していませんでした。

しかし、今後の必要性の発生に備えて、手段的ADLと基本的ADLの両方を評価できる質問票として、DASC-21を採用して試行を始めたいと考えています。

 

<逃避的予防から、治療的予防へ>

 

それは“積極的予防”、あるいは“治療的予防法”とも呼ぶべきものです。不安とともに逃げ迷う予防から、覚悟と共に積極的に守りを固める予防への転換です。

 

誰もが感染する可能性を免れない現在、いざという時に慌てることなく自らを重症化させないことが重要です。

 

その鍵は事前に有効な手を講じておくことです。

 

重症肺炎が運よく落ち着いたかにみえても、直後に敗血性ショックを起こしたり、

さらにECMOから生還しても血栓症によって脳梗塞や運動の後遺症が残ってしまうことがあります。こうしたリスクを可能なかぎり小さくするためには“先手必勝”(事前の用意周到な準備)なのです!

 

タイミングを外してしまうといかなる治療手段も宝の持ち腐れです。

 

火事になってから消火器を慌てて買いに行くようなことをしてしまわないようにしましょう。手元に確保しておくことが不可欠です。

 

事前の準備があって、はじめて手際の良い有効な手を次々に打っていくことができるのではないでしょうか。

 

いざとなると慌てる人に限って、日頃の準備が出来ていない人です。

 

親身な忠告に耳をかそうとしない人が多いことも経験上確かなことです。

 

<次回は治療的予防法の体験談です>

 

野口将成(事務次長・健康管理士)