5月22日(金)新型コロナ解説:私が推薦する わかりやすいガイダンスNo4

東京歯科大学市川総合病院循環器科の大木先生は、新型コロナウイルスに関して、とてもわかりやすい解説を掲載されています。御経歴からすると私より大分若手であるようですが、見習いたいと思いました。


私は、同市内にある昭和学院短期大学の客員教授として10年ほど勤務していたことがあり、この病院の前は数えきれないくらい通過していたのを懐かしく思い出します。

『知っておきたい新型コロナウイルス感染症COVID-19』

 

【新型コロナウイルスの恐ろしいところ】

体内に新型コロナウイルスが入り込み、どこかの臓器で増殖していても、本人は全くそれに気づかないことがあります。

症状のない保菌者であり、目に見えないと言う意味で、不顕性感染と言います。

不顕性感染している人の体内にはウイルスがいて、その人の唾液や汗、あるいは吐息などにもウイルスがいると、知らず知らずのうちに他人にウイルスをまき散らしてしまっている可能性があります。

 

不顕性感染の人から感染したからといって、うつされた人も不顕性感染であるとは限りません。

うつした人は無症状ながら、うつされた人は重度の肺炎になることもあり得ます。

元気そうに見えている人でも体内には新型コロナウイルスが潜んでいる可能性があるのです。

そのため誰が感染しているのか、誰が感染していないのか全くわからず、誰からうつされたかもわからないまま、突然肺炎を発症することがあります。それが感染源不明の患者さん達です。

感染源不明の患者さんが多くなると言うことは、潜在的な不顕性感染の人が多いことが想像され、感染が社会に蔓延していることを示します。

 

キーワード:不顕性感染、症状のない保菌者、潜在的な不顕性感染

 

<キーワード解説>
不顕性感染とは、細菌やウイルスなど病原体の感染を受けたにもかかわらず、感染症状を発症していない状態をいいます。一般に感染しても必ず発症するとはいえず、感染者の大部分がこの不顕性感染となります。発症すれば、顕性感染であり、何らかの自覚症状によって気付くことができます。これに対して症状が現れない場合は、本人も医師もまったく感染に気付くことが出来ません。

これを潜在的な不顕性感染といいます。感染の有無は抗体陽性や遅延型過敏反応など、最近ではPCR検査で確認されますが、感度や特異度の問題が議論されています。不顕性感染の人はしばしば保菌者(キャリア)となり,これが症状のない保菌者であって、病原体を排泄し感染源となる可能性が高いので公衆衛生学的な疫学上の問題となっています。

 

<明日へ続く>