5月21日(木)特集:シリーズ『新型コロナウイルス罹患者の体験から学ぼう』症例5:ガラス越しに 夫にトランシーバーで呼びかけた②

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ5症例の研究

 

症例が増え、5症例目となりました。

 

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。感染した人や家族の話を通して、その一端を知るため、NHKが行ったインタビューの内容をできるかぎり詳細にお伝えします。

 

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は緑文字として区別しました。

 

症例5:ガラス越しに 夫にトランシーバーで呼びかけた

 

4月7日取材 社会部 山屋智香子

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。関東地方に住む50代の男性は新型コロナウイルスに感染し一時、重篤となりました。妻が、夫の発症から治療、そして感染者の家族だからこそ思うことを語りました。

 

症例5(その2)

 

第2節感染確認までの1週間 

 

夫は最初から新型コロナウイルスへの感染を心配し、仕事を休み、みずから保健所にも相談していた(患者として模範的な対応です)。しかし、すぐに検査を受けることはできなかった

 

熱が出たその日に夫が保健所に電話してみたんですけど、折り返し電話がかかってきて、何かいくつか聞かれていたようです。

何を聞かれていたのかは私はわかりませんが、「こんな感じですね」と答えていて、「それではちょっと検査ができませんね」と言われたようで。

 

医者から解熱剤を出されていた(最初から解熱剤を処方してしまう風潮には問題があります。ただし、医師も保険医療に縛られている限り、それ以上のことはできません。制度の枠組みを優先するあまり、患者の生命や健康を犠牲にしてしまいかねないこともあるのが現行の医療制度の致命的な欠陥です。それから、発熱を過剰に恐れて解熱剤を切望する一般の風潮も心ある医師を大いに悩ませています。私であれば、一般の解熱剤ではなく、常備薬No4候補の地竜(じりゅう)を勧めます)ので、飲むと熱が下がるじゃないですか。

本人も熱が下がれば治った気でいる(解熱=治癒という誤解が多くの犠牲者を生んでいます!患者の常識・思い込みはしばしば命取りです‼)と、そういうのが3日くらい続きました(この間に相当の体力、とくに防衛体力を消耗したことになります)

 

ただ、5日目に39度くらいまで上がっちゃって、私も怖くなっちゃって、解熱剤を一時期やめていたのをまた服用させて(これは、一般的な傾向かどうかはわかりませんが、女性の方が男性より発熱を恐れる人が多いように感じられます。妻が夫に解熱剤や抗生物質を勧めたのがアダになるケースも散見しています。当クリニックでも同様の事例を多数経験しています。そのような場合はたいてい、妻は私の患者さんではありません。)

翌日、熱が下がったんですけど、夫がもう1回、保健所に電話して。そうしたら「病院が検査をやる必要ありと言われればできますよ」と言われて、ではもう1回内科に行ったほうがいい(5月現在の中野区・練馬区辺りの方式です)ということで行ったんです。

 

病院に行ったら、「熱がない間は調べられない。夕方、熱が上がったらまた来てください(症状が無ければ検査ができない、検査ができなければ、結果が出ない、結果が出なければ確定診断ができない、確定診断ができなければ手当てができない、これは現代西洋医学の独断的な常識です。しかし、この医学常識が多くの患者さんの命を奪っているのです。中医学・漢方などの伝統医学では、確定診断ではなく“見て”を行います。確定診断が得られない段階でも“見立て”は直ちに可能です。“見立て”ができれば即時に”手当“を始めることができます。これを行えるかどうかで患者さんの予後が大きく変化します)」と言われ、夕方にまた行って。そのとき初めて肺のレントゲンを撮ってもらいました。

先生も最初は「そんなの(新型ウイルスへの感染)はないと思うよ(確率論で答えている可能性があります。あるいは、患者さんの精神的動揺を防ぐ目的かもしれません。とくに、治療手段が見つからない場合に、多くの医師が根拠なく確率論で、このような意見を言ってしまいかねないことも問題です。)」と言われていたんですけど、

肺の状態がちょっと悪そうだ(これが初歩的な”見立て“です。このような場合でも、中医・漢方であれば、より詳細かつ具体的な所見を取り、早期に適切な対応に繋げることが可能です)ということで、初めて保健所に電話(担当医は、やはり新型コロナウイルス感染症の可能性を考慮していたことがうかがわれます)してくれて、翌日、検査を受けることになりました。

 

<明日へ続く>