東京歯科大学市川総合病院循環器科の大木先生は、新型コロナウイルスに関して、とてもわかりやすい解説を掲載されています。御経歴からすると私より大分若手であるようですが、見習いたいと思いました。

 

私は、同市内にある昭和学院短期大学の客員教授として10年ほど勤務していたことがあり、この病院の前は数えきれないくらい通過していたのを懐かしく思い出します。

 

『知っておきたい新型コロナウイルス感染症COVID-19』

 

【新型コロナウイルス感染症重症化】

ウイルス性肺炎は新型コロナウイルスに限らず、細菌性肺炎や誤嚥性肺炎と異なり、今のところ特効薬がありません。

感染が持続するとは肺機能が低下して体内へ酸素の取り込みができなくなり、低酸素血症を生じ、重篤化すると酸欠のため死亡します。

新型コロナウイルス肺炎では低酸素血症の程度が重症度と言って良いでしょう。

 

空気中には約21%の酸素が存在して、普段ヒトはそれを吸って生きていますが、21%の酸素では足りなくなると、鼻に付けたカヌラというものから高濃度の酸素を補充します。

それでも足りなくなると酸素マスクにすると、より高濃度の酸素が補充できます。それでも足りなくなると人工呼吸器を装着します。

人工呼吸器は口から気管に直径7㎜ほどの太い管を挿入し、管を通して肺に圧力をかけて酸素を投与することで、高率的に肺に高濃度酸素を送り込むことができますが、通常気管に管を入れていることに人は耐えられません。

そこで麻酔薬を使って眠った状態にしておきます。人工呼吸器装着には気管に管を挿入する技術、人工呼吸器装置の取り扱い、麻酔薬の調整など、一気に人手が必要になります。人工呼吸器で100%の酸素を与えても低酸素となってしまう場合、もはや肺には酸素を取り込む能力がなくなったと判断され、人工肺を装着します。

太い血管に管を入れて血液を吸い出し、人工肺にその血液を通して血中酸素濃度を上昇させ、もう一本太い血管に入れられた管を通して体内に戻します。

人工肺(ECMO)の取り扱いは人工呼吸器より遙かに高度で、専門的技能を必要とします。

重症化は多くの症例で非常に早く、朝は酸素不要であったのに、夕方には人工肺が必要となる人もいます。

一般に高齢者や持病がある人は重症化しやすい傾向にあると言われています。

免疫力、体力が低下していると重症化する可能性があるという意味ですが、重症化した人は免疫力、体力が低下しているため自然治癒する力が低く、必然的に死亡率が高いということになります。

若くて体力があっても、ウイルスの抵抗力がない人は治癒力が低く、重篤化します。高血圧や糖尿病といった生活習慣病の方は、健常な方と重症化のリスクはほとんど変わりないと推察されますが、狭心症、心筋梗塞、不整脈といった心疾患をお持ちの方は重症化のリスクが高く、重症化すると死亡率が高いことになります。感染しないことが最大のリスク軽減の方策です。
  

 

コメント:

新型コロナウイルスに感染して入院した場合、現状では、症状が落ち着いてからPCR検査で2回続けて「陰性」と判定されないと退院できません。自宅やホテルでの療養者や、患者の濃厚接触者は、原則2週間の待機が求められます。

ウイルスの診断は、元来、綿棒でのどをぬぐってとった液体などからウイルスを分離して確認していました。

細胞を培養中のフラスコ内に、ウイルスが含まれていると思われる検体を加え、細胞が変化するのを顕微鏡で観察します。

煩雑なので、簡便なPCR法がとって代わりましたが、感染力がある生きたウイルスがいるかどうかは、この方法に頼らなければなりません。

PCR法では、感染力のない死んだウイルスも併せて検出されるので、感染する力があるかどうかは、ウイルスの分離培養の結果を待たなければなりません。

 

<明日へ続く>

<特集:ポルトガル再発見>

ポルトガルはBCGワクチン接種により、新型コロナ禍対策に成功しているか?
スペインとポルトガルとの比較において、BCG接種の有効性が議論されていました。

ノーベル賞受賞者の山中教授も関心をもっていらっしゃるようですが、イスラエルの大規模調査ではBCG接種の有効性は証明されませんでした。そこで、その後のポルトガル情勢を調べてみることにしました。

 

リスボンに本社を置くポルトガルのDiaríos de Noticías紙から

 

Bruxelas. Portugal descurou em certas áreas da saúde e isso levou a mais mortes

ブリュッセル(註1)。 ポルトガルは特定分野で健康を軽視しており、
その結果より多くの死亡者を出している。

 

註1)ブリュッセル:EU本部と関連機関、そしてNATO(北大西洋条約機構)の本部を擁し、ヨーロッパの政治の拠点都市。そのため「ヨーロッパの首都」とも呼ばれる。

 

Centeno já rebateu estas críticas, quando disse que ritmo do investimento na saúde, em 2019, atingiu o valor mais alto desde 2012. Comissão pede ainda para o Governo "antecipar projetos públicos robustos".
Luís Reis Ribeiro
21 Maio 2020 — 00:05

センテーノ(註2)は、2019年の健康への投資ペースが2012年以来の最高レベルに達したと発言した際に、すでにこの批判に反論している。また、同委員会は政府に対し、「堅牢な公共事業を先取りする」よう求めている。
ルイス・レイ・リベイロ

2020年5月21日 - 00:05

 

註2)センテーノ:ポルトガル財務相で、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)議長4月13日、その先週合意した5000億ユーロの新型コロナウイルス対策について、支援の始まりにすぎず、感染拡大による影響に対処するにはさらなる措置が必要との認識を示していた。

 

 


© Pedro Correia/Global Imagens
Portugal descurou o investimento em certas áreas do sistema de saúde, designadamente nos "cuidados de longa duração" e continuados, e isso refletiu-se em "taxas de contaminação e mortalidade mais elevadas" nesta crise pandémica, aponta a Comissão Europeia (CE) na avaliação ao País no âmbito do Semestre Europeu, divulgada esta quarta-feira (20 de maio). Além do investimento na saúde, Bruxelas pediu ainda que o Governo acelere no investimento público em infraestruturas (fala do exemplo dos transportes e portos) de maneira a sair mais rápido da recessão.

欧州委員会(EC)は、この水曜日(5月20日)にリリースされた欧州半期(註3)評価で、ポルトガルに対して医療システムの特定の分野、すなわち「長期的なケア」と継続的なケアに投資の怠りが、このパンデミック危機で「より高い汚染と死亡率」に反映されている、指摘している。ブリュッセルは、健康への投資に加えて、不況から早く抜け出すために、インフラへの公共投資(交通や港湾の例を挙げる)を加速させるよう(ポルトガル)政府に求めた。

 

欧州半期(註3)ポルトガル語原文では、Semestre Europeuと表記されています。英語ではEuropean Semesterです。欧州連合(EU)において、各国の財政政策と経済政策の協調を行う半年のことを指しています。具体的に「半年間」とは、1年の前半、1月から6月までです。この期間にEU加盟国は、自国の財政政策と経済政策が、EUのレベルで合意された目的に合致していることをお互いに確認し、もしある国の政策がEUの目的から外れていれば修正するというものです。

 

 

No conjunto das recomendações que faz a Portugal, a CE reconhece que "no início do surto de covid-19, foi progressivamente posto em prática um plano que visava introduzir um novo modelo de governação para os hospitais públicos, que previa aumentos substanciais dos seus orçamentos anuais". "A sua firme implementação, na conjuntura atual, pode contribuir para reforçar a resiliência do sistema de saúde."

ポルトガルへの勧告の中で、ECは「Covid-19の発生当初、公立病院の新しいガバナンスモデルの導入を目的とした計画が段階的に実行に移され、その中には公立病院の年間予算の大幅な増額も含まれていた」ことを認めています。「現在の状況では、それをしっかりと実施すれば医療制度の回復力強化に貢献する可能性がある」

 

 

No entanto, Bruxelas lamenta que "a crise de covid-19 demonstrou a fragilidade das estruturas de cuidados de longa duração em Portugal, que registaram taxas de contaminação e mortalidade mais elevadas". A população que mais depende deste tipo de cuidados é especialmente a mais idosa, como se compreende.
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しかし、ブリュッセル(EU委員会)は、「covid-19の危機は、高い汚染率と死亡率を記録しているポルトガルの長期療養構造の脆弱性を実証した」と遺憾の意を表している。この類の介護に最も依存している国民層は、言うまでもなく特に高齢者である。

 

<完>

 

 

コメント:

ポルトガルの今後の見通しはバラ色どころか灰色のようです。新型コロナウイルス禍に対するBCG接種の効果の傍証も、ここでは得られませんでした。私の推測通りではありましたが、残念に思います。しかし、今回、欧州半期(European Semester)というキーワードを再発見しました。このアジェンダを良く把握していくことが、今後の欧州の理解を助けてくれるはずです。来週は、これを採りあげてみたいと思います。

清熱・血栓対策だけではない「地竜」の効果

 

「地竜」に救われた日 ③

 

院長の指示に従い、その日は早めに帰宅し、就寝前にもう一服、「地竜」を飲んで寝ました。

 

寝汗のような発汗が出ましたが、翌朝はいつもより爽やかに目覚めることが出来ました。

 

朝の体温は36.1℃、昼の体温は36.0℃と平熱に戻っていました。

急に気温も上がり、脱水していたことも原因の一つかと思われます。

 

水氣道の稽古があるときは、前後でしっかり水分補給をしていました。

 

脱水とは縁がなかったため油断していたのかもしれません。
脱水は血栓のリスクを高めます。

 

「地竜」には清熱はもちろん血栓の予防や生活習慣病、頭痛や耳鳴り、さらに気管支を拡張し呼吸困難を改善する作用もあるとのことです。

 

一石二鳥どころか、三鳥も四鳥も効果が期待できるお薬です。

 

コロナウイルス感染症では血栓ができるとの情報があります。
脳梗塞や心筋梗塞のリスクのある方のためのお薬でもあるとういうことです。

 

さらに、肥満やメタボリックシンドローム、また室内に籠りがちで、頭痛の他にも高血圧や、めまい、耳鳴り、肩こりのある方にも喜ばれているようです。

 

このような使い勝手の良い薬は漢方薬の中にも少なく、まして現代薬の中では皆無であると、薬剤師である事務長や院長が言っていました。

 

聖楽療法の体系構成

第一部では、聖楽療法の理論の背景としての心身医学について概説し、そのうえで新しい心身医学の考え方を明確にしました。

 

第二部は、聖楽療法の拠点としての聖楽院とは何かについて、その起源を述べ、いくつかの心身医学的アプローチをどのように応用して発展してきたかを省察します。

 

それでは、「第二部 聖楽療法 理論と実践の性質」のアジェンダを示します。

第3章 臨床聖楽法の起源と基礎

第4章 臨床聖楽法における芸術音楽の価値

第5章 臨床聖楽法の理論的根拠、実践、意味

第6章 音楽療法モデルにおける臨床聖楽法の考え

第7章 現代の音楽療法の枠組みにおける臨床音楽法の考え

 

今月は引き続き第3章 臨床聖楽法の起源と基礎
をすすめてきました。

前回は、音楽中心の実践の核としての芸術音楽活動
というテーマでした。

 

今回は新しいテーマに入ります。

 

第3章 臨床聖楽法の起源と基礎

 

音楽中心音楽療法の基礎としての音楽の理論の必要性
音楽療法の固有理論は必然的に音楽に基礎を置いたものなのかどうか?

 

1) 音楽療法の学問的・職業的故郷はどこか?

 

2) 「固有」ということをどう定義するか?

 

音楽療法理論が強固で包括的な基盤をもち、また広い応用範囲の可能性を開拓することは、新しい方法論である臨床聖楽法にとってはとても大切なことです。

そのためには、音楽中心音楽療法が試みているメタ理論的な考察が有用です。

ある現象を説明するためのメカニズムは、特定の領域の機能の基本的な部分と概念的に一致すべきであるということ、そして、音楽療法の治療理論が、広く受け入れられている音楽という概念に基づくものであれば、それはより強力で一般的に応用が利く理論であるということになります。

 

アイゲンは、音楽療法の理論を三分類し、再構成理論、連結理論、固有理論としました。ただし、これらは連続的なもので、対象となる理論が、音楽療法独自の起源と特性をどの程度持ち合わせているかという相対的な評価によるものとしています。

そして、固有理論とは、音楽療法の領域から発生した独自の理論であるとしつつも、自身の領域以外にどこにも起源を持たないという概念の起源の問題というより、音楽療法の中で、音楽を基礎とした固有の概念を発展させるために外部の要素を用いるという、応用され方にあることを説明しています。

そして固有理論と音楽中心理論に間には概念的な違いがあるのだが、固有理論は往々にして音楽中心であるとします。

 

アイゲンは、固有理論を発展させる際に、他の領域からの知識をどのように用いるのが最も有益かを常に意識することの大切さを訴えます。理論は既知の知識や創造的思考、直感、応用分野に精通していることの結果としての既存の理論を推論することで生まれます。

 

他の分野からのアイデアは、私たちの意識を拡大し、フィールド、力、エネルギーなどといった概念を通じて、類似性、モデル、比喩を示し、音楽療法の固有理論を考えるためのインスピレーションを与えることによって固有理論を発展させるという価値を持ちます。

 

音楽中心療法理論では、メタ理論的な考察によって、ある理論が音楽中心で一般的な理論かどうかを判断しています。

音楽療法の理論と実践も、音楽についての信頼性ある幅広い見解に基礎を置くべきです。音楽療法も心理療法もそれぞれに、私たちに、音楽について、そして人間のパーソナリティについて多くを教えてくれます。音楽中心の立場では、臨床と非臨床における音楽の使用についての連続性を主張し、音楽療法における音楽的な体験は一般的な音楽の概念と関連していると考えます。

<はじめに>

 

前回は「痔に効果のあるツボ」紹介しました。

 

 

「百会」は耳の一番高いところを結んだところと正中線の交わるところにあり、

 

 

「孔最」肘前面のしわの上で肘を曲げることで緊張する筋肉の腱の外側から指4本分下にあるというお話でした。

 

 

今回は「頻尿」に効果のあるツボを紹介しましょう。

 

 

<頻尿に効果のあるツボ>

2020-04-16 14-58

 

 

「崑崙(こんろん)」は外踝とアキレス腱の中間にあります。

 

 

「湧泉(ゆうせん)」は土踏まずの前の方の中央で足の指を曲げたときに最もへこむところです。

 

 

お灸で温めてあげると良いでしょう。

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

東京歯科大学市川総合病院循環器科の大木先生は、新型コロナウイルスに関して、とてもわかりやすい解説を掲載されています。御経歴からすると私より大分若手であるようですが、見習いたいと思いました。

 

私は、同市内にある昭和学院短期大学の客員教授として10年ほど勤務していたことがあり、この病院の前は数えきれないくらい通過していたのを懐かしく思い出します。


『知っておきたい新型コロナウイルス感染症COVID-19』

 

【新型コロナウイルス感染症の症状】

不顕性感染の患者さんが多い一方、発熱、倦怠感、咳、および味覚や嗅覚の低下などの症状を有した顕性患者さんも相当数います。症状は人によってさまざまで、微熱が数日続く人から38℃以上の発熱が1週間も続く人まで、喉が痛くなる人がいたり、咳がひどい人がいたりと、おおむねいわゆる風邪の症状に近いものです。

新型コロナウイルス感染症特有の症状というものはなく、風邪かなと思われて感染に気づかない患者さんを多くしている一つの原因となっています。顕性感染と不顕性感染の割合はわかっていませんが、偶発的に発見される不顕性感染が報告されていることから、全体に対する不顕性感染の割合はかなり多いことが想像されます。

顕性となるのは全体の1割程度、9割、あるいはそれ以上が不顕性である可能性さえあるのです。更に、潜伏期間がどのくらいかもわかっていません。潜伏期間とは、ウイルスが体内に入った時から何らかの症状が出現するまでの時間のことですが、何の症状も出現しない不顕性感染者が多数いる以上、統計さえ取るのは困難です。一説には潜伏期は2週間、あるいはそれ以上とも言われています。

潜伏期間中でも人にうつしてしまうことがあるとも言われていますが、潜伏期なのか、不顕性感染なのかわからないので、それも正しいことはわかりません。正確なことは研究の結果、数年後に判明します。厚生労働省から発表される患者数は顕性患者数ですから、不顕性患者さんはその数倍いて、潜伏期間の患者さんを含めると、全体の感染者数は発表数の数十倍なのかも知れません。

こうしたことが新型コロナウイルス感染症への対応策を難しくさせ、先進国であっても油断をするとパンデミックを生じてしまうのです。現在までの報告から推察すると、症状のある人では潜伏期は平均5日間ほどかと思われます。ウイルスが体内に入ってから約5日で何らかの症状が出現し、風邪かな、と思って医療機関を受診し、その後数日様子を見ているうちに肺炎などを発症し、そこで検査を受けて1〜2日で陽性と判断されているようです。

 

<参考情報>

WEB医事新報:

 

インフルエンザの不顕性感染者が感染源となる頻度

 

No.4715 (2014年09月06日発行) P.66

 

回答者:高橋和郎 (大阪府立公衆衛生研究所副所長・感染症部長)

 

Q「不顕性感染のインフルエンザは,ほかの人への感染源となりうるか。」という岩手県の医師からの疑問(2014年)は私も同様に懸念していることです。以下は、その回答の結論部分の抜粋ですが、質問者の懸念はご尤もであり、回答者の考え方も変化してきている可能性があります。

 

A(抜粋)「インフルエンザ患者からエアロゾルを介した空気感染により感受性者にウイルスが伝播することは可能と考えられる。ただし,不顕性感染者からの感染の成立に関しては,呼気により排出された少量のウイルスがいつまで空気中で活性を保っていられるのかという点も考える必要がある。不顕性感染者がウイルスの高排出者であり,乾燥した環境下で,免疫力の低い感受性者が家族内のように比較的長時間,近距離で接触するような,特別な条件を備えた場合には感染が成立する可能性は否定できないが,現実的には感染が成立する場合は稀であると推測される。この点についてはインフルエンザの公衆衛生上の感染防止対策を考える上で重要であり,今後解決すべき研究課題である。」

 

<コメント>

 例年、インフルエンザワクチンの接種時期になると、「私は罹患したことが無いので」という理由で拒否される方が少なからずいらっしゃいます。

不顕性感染者による感染拡大のリスクは、新型コロナウイルスに限らずインフルエンザでもすでに観察されていました。

ただ、インフルエンザの検査キットで陰性の結果が出たことを理由として油断してしまい、他者への感染を広げてしまう方々も少なくないことでしょう。

少なくとも、自分の利益ばかりでなく、家族や同僚その他、関わりのある多くの人々のためにワクチンを接種するのは社会的マナーとして認識していただきたいと思います。それがひいては新型コロナの社会的問題の早期解決にも役立つものと考えています。

 

<明日へ続く>

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ5症例の研究

 

症例が増え、5症例目となりました。

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。感染した人や家族の話を通して、その一端を知るため、NHKが行ったインタビューの内容をできるかぎり詳細にお伝えします。

 

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は緑文字として区別しました。


症例5:ガラス越しに 夫にトランシーバーで呼びかけた

4月7日取材 社会部 山屋智香子

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。関東地方に住む50代の男性は新型コロナウイルスに感染し一時、重篤となりました。妻が、夫の発症から治療、そして感染者の家族だからこそ思うことを語りました。

 

症例5(その4)

第5節:ガラス越しの呼びかけはトランシーバーで 

ECMOは外すことになったが、夫はその後、徐々に回復し意識が戻った。4月7日の面会ではトランシーバーを使って夫に呼びかけることができた

中には入れませんので、先生が中と外をつなぐ電話のようなものを用意してくださって、看護師さんがそれを夫の耳元に当ててくださって、私の声を聞いてもらった。

ただ気管切開していて声を出すことができないので、私のことばがわかっているのかわかっていないのか、それはわからない。本人はもどかしいと思いますけど。とりあえず近況と、家族はみんな元気でいること、みんなが心配していることと、よくなったら何しようってことを話しました。

 

寝ている間は命をつないでほしいということを思っていましたけど、目を覚めたときに何もしてあげられないというのはもどかしい(よくわかります。医師や看護師も同じか、それ以上の衝動に駆られやすいのです。このような場合、何をするべきか、ということより、どのようにあるべきか、が大切であるとされます。そうした分別が無いと、自分のその場のもどかしさに負けて、つい余分で有害なことをして、かえってその後の患者の容態を悪くしかねないのが信仰の力の乏しい大方の凡人なのです。私自身も決して例外ではないので、肝に銘じております。)気持ちにかられてですよね。

 

横で声をかけてあげられるのならしたいし、手を握ってあげられるなら握りたいし、足をさすってあげたいと思うけど、それはできない、それはもどかしい。この後どういう過程で回復していくのか、私はわからないから。それに本人が耐えられるのかなとか、そういうことも考えてしまいます。

 

<明日に続く>

米国の隣国、メキシコの現状

 

スペイン語圏は広大です。スペイン本国の他に、中南米の多くの国々ではスペイン語が話されています。

そのうえ米国でもメキシコに接する州では、スペイン語人口の比率が大きいのです。

現在トランプ大統領は、中国との間に、目に見えない壁を建設中ですが、それより以前からスペインとの国境に壁を建設することを公言して、世界中のリベラルな人々の悪評を買いました。

しかし、大統領として、自国の利益を守るために已むに已まれぬ米国の事情があったようにも思えます。

 

 

México supera a China en muertes por Covid; suma 4 mil 767

メキシコはCovidによる死亡で中国を超える、

合計4,767件

 

Coronavirus 15 de mayo. El país confirma 4 mil 767 muertes por el virus, con 45 mil 32 casos de contagios confirmados, según informaron autoridades de la Secretaría de Salud. El número de fallecimiento en México superó al total de muertes reportado donde comenzó la pandemia

コロナウイルス 5月15日 保健省の関係者によると、同国ではウイルスによる死亡が4,767人確認されており、45,32人が確認されている。メキシコでの死者数は、パンデミックが始まった場所で報告された総数を超えている。
それでは、メキシコの医療はどのような状況でしょうか。そこでメキシコ政府からも米国からも独立して活躍している「国境なき医師団」のサイトを訪問してみました。

 

サイトはこちら

 

メキシコ国内で、危険地帯として名高い複数の都市で、国境なき医師団(MSF)は活動を続けている。米国に向けて、中南米から北上する移民・難民や、暴力の被害者に対して、医療と心理社会面のケアを担っている。また、ゲレロ州、米国と国境を接するタマウリパス州レイノサ市では地元の地域社会と暴力の被害者も支援。性暴力の被害者らのケアを担っている。


毎年、数千人が暴力と貧困を逃れようと、中米の「北部三角地帯」と呼ばれるエルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラスを出発してメキシコへ入国している。だが、移動してきた人びとは、メキシコで安全な場所や保護を得るどころか、激しい暴力にさらされている。犯罪組織の手に落ちた人びとは拉致、ゆすり、非人間的な扱い、虐待、性暴力、拷問などの被害に遭っている。しかし、こうした犯罪組織は何の処罰も受けることなく、特に国境地帯の都市で、大きな勢力を保っている。また、米国政府の「不寛容政策」と、難民認定の制限に加え、国境警備が強化されていることから、危機は深まる一方だ。


移民の流れは近年と大きく変わるところはないが、2018年は女性、子ども、家族連れで移動する人たちが増加。これまでは男性しか挑んだことのないような、危険なルートをたどろうとしている。


MSFは1985年にメキシコで初めて活動。2018年にはスタッフ188人が活動し、520万ユーロ(約6億7808万円)を支出した。

 

コメント:

メキシコには何ら制裁を受けない犯罪組織がはびこっていて、拉致、ゆすり、非人間的な扱い、虐待、性暴力、拷問などの被害に遭っているが、その根本が暴力と貧困、そのうち貧困こそが諸悪の原因であるといえるかもしれません。

中米の「北部三角地帯」と呼ばれるエルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラスからの避難者がメキシコへ入国してくるのだとしたら、メキシコが一定程度、米国への防波堤というか、関所の役割を担っていると考えるべきでしょう。

そこで、本来であれば、米国もメキシコと協力して、メキシコに多くの難民が流入しなくても済むような、より根本的な対策を建てることが望まれます。貧困問題を解決しないと、疫病の犠牲者も増え続けることになるのではないかと思います。

日本感染症学会特別寄稿

 

感染症に対する漢方治療の考え方

金沢大学附属病院漢方医学科 小川 恵子

 

4.普通型の軽症

(1) 寒湿鬱肺(寒湿という邪で肺機能が低下する)

臨床症状:

発熱、倦怠感、筋肉痛、咳嗽、痰、胸の不快感、消化不良、食欲不振、吐気、嘔吐、排便の不快感。舌質は淡紅(ほぼ正常な色)、腫大歯痕があり、 苔は白厚膩(厚くペンキを塗ったような苔) 。

 

推奨処方:

生麻黄 6g、生石膏 15g、杏仁 9g、羌活 15g、 葶藶子 15g、貫衆 9g、地龍 15g、徐長卿 15g、藿香 15g、佩藍 9g、蒼朮 15g、雲苓 45g、生白朮 30g、焦 三仙各 9g、厚朴 15g、焦檳榔 9g、煨草菓 9g、生姜 15g

 

エキス剤の場合 麻杏甘石湯+参蘇飲+平胃散 左 3 剤を一緒に服用

消化器症状が無いか軽度ならば、越婢加朮湯+麻黄湯(大青龍湯の方意)左 2 剤を一緒に服用

 

(2) 湿熱蘊肺(湿熱という邪で肺機能が滞る)

臨床症状:

微熱あるいは無熱、微冷感、倦怠感、頭が重い、筋肉痛、渇いた咳、痰少なく、喉の痛み、口の渇き、胸の不快、無汗か汗が出づらい、吐き気、食欲不振、食欲不良、便が緩くもしくは粘りがあり出にくく不快感を伴う。舌は淡紅、舌苔は白厚膩 または薄 黄。脈は滑数または濡。

 

推奨処方:

檳榔 10g、草菓 10g、厚朴 10g、知母 10g、 黄芩 10g、柴胡 10g、赤芍 10g、連翹 15g、青蒿 10g(後 下)、蒼朮 10g、大青葉 10g、生甘草 5g。

 

エキス剤の場合 荊芥連翹湯+半夏厚朴湯 左 2 剤を一緒に服用

消化器症状が強ければ、柴苓湯+平胃散 左 2 剤を 一緒に服用

 

5.重症の場合 (1)湿毒鬱肺症(重度の湿邪により肺機能が低下)

臨床症状:

発熱、咳をするが痰が少ない、あるいは痰が黄色い、呼吸困難、腹満、便秘などを伴う。舌は暗赤色、腫大、舌苔は黄膩または黄燥。脈は滑数脈或いは弦滑。

 

推奨処方:

生麻黄 6g、苦杏仁 15g、生石膏 30g、生薏 苡仁 30g、茅蒼朮 10g、広藿香 15g、青蒿草 12g、虎 杖 20g、馬鞭草 30g、乾芦根 30g、葶藶子 15g、化橘 紅 15g、生甘草 10g。

 

エキス剤の場合 麻杏甘石湯+竹筎温胆湯+ヨクイニン 左 3 剤を一 緒に服用

 

便秘がある場合には、上記 3 剤+大黄甘草湯

 

(2)寒湿阻肺症(寒と湿が結びついたことにより、肺機能が低下)

臨床症状:

微熱、身熱不揚(つよい熱感があるが体表部には甚だしい熱がない)或いは熱はない、空咳、痰が少ない、倦怠感、胸が苦しい、胃の膨満感と不快感、或いは吐き気がする、下痢便。舌質は淡紅、舌苔は白 または白膩、脈は濡。

 

推奨処方:

蒼朮 15g、陳皮 10g、厚朴 10g、藿香 10g、 草果 6g、生麻黄 6g、羌活 10g、生姜 10g、檳榔 10g。

 

エキス剤の場合 五積散(通常の倍量を用いる)

 

 

 

杉並国際クリニックからの追補

小川先生や私が共通して注目している情報源とは、新型コロナウイルス感染症「COVID-19」( coronavirus disease 2019)に対して、中国では、 中国国家衛生健康委員会が新型コロナウイルス感染症に関する中西結合医療のガイドライン 「新型冠状病毒肺炎診療方案」(試行第六版、2020 年 2 月 18 日発布)(novel coronavirus pneumonia diagnosis and treatment plan, provisional 6th edition) です。

 

その中では、下記の臨床病期に分けられ、様々な方剤が使われています。

軽型 (1)寒湿郁肺証 (2)湿熱蘊肺証

普通型 (1)湿毒鬱肺証 (2)寒湿阻肺証

重型 (1)疫毒閉肺証 (2)気営両燔証

 

中医のガイドラインが示す推奨薬は、COVID-19感染症の臨床症状を良くとらえていると思います。

それは肺炎に焦点を当てていることからうかがえます。西洋医学よりも、病態を詳細に観察し、いくつかのパターンに分類して処方を決定する方法は優れていると思います。

 

小川先生の訳でも、「概ね肺機能が低下」、「肺機能が滞る」とされていますが、

郁肺、蘊肺、鬱肺、阻肺、閉肺は本来それぞれ異なる肺の病態があるものと思われます。

 

それぞれは古い古典の専門用語であるため、現代中国語辞典でも検索できません。

 

とても気になるので、いずれしっかり勉強したいところです。
さて、このような場合でもあきらめず、結果でなく原因を検討してみるのが良いでしょう。

 

寒湿、湿熱、湿毒、疫毒

整理してみますと、寒の邪、湿の邪、熱の邪、疫毒すなわち疫病ウイルス類ということになります。

 

寒熱や湿気に曝されて免疫力が低下するとウイルスに感染し易くなるのは確かです。

ですから、気温の変動が大きく体温調整が不十分になると感染のリスクが高まります。

重型(重症タイプ)の気営両燔の燔とは焼くと読むことから、気分も営分も両方とも熱や炎症で焼けている状態を指すものと推測することができます。

「営ハ血ノ気」とされますから、「気分」すなわち身体諸臓器も「血分」すなわち循環血液中もともに激しい炎症を来している状態とするならば、まさに敗血症の病態に対応するものかもしれません。

清熱・血栓対策だけではない「地竜」の効果

 

「地竜」に救われた日 ②

 

 

院長から、マイクロエンボリズム(微小血栓形成)が始まっているか、少なくともそのリスクが高いことを指摘されました。

 

つまり、脳梗塞心筋梗塞を起こしやすい、ということです。

 

そういえば、私の血縁の特に男性は60歳前後の年齢で、脳梗塞心筋梗塞脳内出血等で亡くなることがとても多いリスクの高い一族です。


私自身も振り返ってみると、塩分の摂取が多く、炭水化物に偏っていた食事を続け、最高体重は126キロ、肥満度4の重度肥満だったこともあり、心臓や脳の血管障害が気になっていました。

 

生活習慣の改善と水氣道で78キロまで減量に成功しましたが、それでも脳梗塞心筋梗塞のリスクが無くなったわけではありません。

 

 

院長の指示に従い、その日は早めに帰宅し、就寝前にもう一服、「地竜」を飲んで寝ました。

 

寝汗のような発汗が出ましたが、翌朝はいつもより爽やかに目覚めることが出来ました。
朝の体温は36.1℃、昼の体温は36.0℃と平熱に戻っていました。

 

急に気温も上がり、脱水していたことも原因の一つかと思われます。

水氣道の稽古があるときは、前後でしっかり水分補給をしていました。

脱水とは縁がなかったため油断していたのかもしれません。

 

考えてみると、水氣道の稽古では、参加者がお互いの状態を、知らず知らずのうちにチェックしながら運動していました。

そして、自分だけでは気づきにくい微妙な変化も、仲間が指摘してくれたこともあり、大事にはいたりませんでした。

 

<明日は地竜の作用>