特集:シリーズ『新型コロナウイルス罹患者の体験から学ぼう』

 

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は緑文字として区別しました。

 

故郷に戻れず逝った父 

 

症例6(その2)

第2節:「退院したら酒を飲もう」回復を信じていた家族 ~息子の話~

 

実家から車で30分ほどの場所に暮らしている息子は、父の感染を聞いて驚いたが楽観していた。

入院直後も元気な様子だったからびっくりしましたね、急なことだったので。でも死亡率っていうのを見ると数パーセントだった(註1:素人の皆さんがそのように考えることは理解できます。ただし、この死亡率というのは、あくまでも感染罹患者全体を分母としたときの数字なのです。入院した患者さんを分母とすると、このリスクはかなり大きくなります。)ので、まあ元気でしたし、まさかね、亡くなるなんて思ってない。

食べるのも年のわりにはすごく食べてたし、本当にひいても風邪ぐらい。どこも悪くなったことがなかったから。お酒もけっこう好きで、たまに会うと一緒にお酒を飲んで。最後に僕が会ったのは2月1日だったんですけど、その時に日本のウイスキーを持って行ったんですけど、「おいしいおいしい」って言って飲んでいたもんですから。


1人で窓もない病室にいる(註2:急性の劇症感染症の場合は、心身共に顕著に不安定になります。とくに、事前の情報が乏しく、心の準備ができていない場合は猶更です。このような環境に孤立を強いられると、あたかもアウシュビッツの強制収容所のように、免疫力や生命力を大きく損なってしまうことが知られています。)って言うので、交代でみんなで電話をかけてあげようと(註3:素晴らしい家族愛です。患者さんの余力がある間は、大切で有効なケアです。)

会うこともできないし、何もしてあげられないので、せめて電話だけはっていうことで、僕ら家族が交代で毎日電話をしてましたね。電話かけると「熱下がった」って言ってるものですから、むしろ良くなったときすぐ動けるように「病院の中で歩いとらんと、足の筋肉とか落ちちゃうんじゃない?」「そうなんだ、せっかく鍛えたのに筋肉落ちちゃうから、ちょっと運動しようかな」って言ってたんです。本当に元気でした。


一度父がですね、「みんなで頑張って元気でやってくれ」(註4:この方は、気づきに優れた方なので、この時点で、自身の心身の衰弱を感じ取っていらした可能性があるように思われます。)とお別れみたいなことを言うので、どうしてそんなこと言うの?と、熱も下がってきていたものですからね。

「大丈夫だよ」と、「出てきたら、また一緒にお酒飲もうよ」と。ちょっと高い酒をね買ったんですが、それを飲もうって言ったら、「ああ、そうか。ありがとな」(註5:この時まで、運動愛好家らしく弱気を見せずに強頑張っておられたのではないでしょうか。豊かな家族愛に触れて安心されて力が抜けたのかもしれません。)って。

実はそれが最後の会話で。その日の夜には酸素濃度が急に下がって(註6:仮に酸素濃度の数字ばかりをモニターしていて、同時にご本人の呼吸運動の状況を観察していないとすると、このような事態に成り易くなります。同じ酸素濃度でも努力性呼吸による代償が長引いてしまうと、いずれ過労状態に陥って急性呼吸不全に至ってしまいます。人工呼吸器の取り付け準備の手配も遅れがちとなることが危惧されます。呼吸状態の観察が必要です)

翌日だったですかね、もう人工呼吸器を取り付けるっていうところまで急に容体が悪化(註7:実は、突然ではなく、とっくに限界に達していたのかもしれません。ふだん運動習慣があって、辛抱強い方は、かえって気づきにくく、また気が付いてもらえない可能性があるので、要注意です)してしまいました。

 

<明日へ続く>

東京歯科大学市川総合病院循環器科の大木先生は、新型コロナウイルスに関して、とてもわかりやすい解説を掲載されています。御経歴からすると私より大分若手であるようですが、見習いたいと思いました。

 

私は、同市内にある昭和学院短期大学の客員教授として10年ほど勤務していたことがあり、この病院の前は数えきれないくらい通過していたのを懐かしく思い出します。


『知っておきたい新型コロナウイルス感染症COVID-19』

 

【新型コロナウイルス感染症の今後】

感染の伝播状態、予想にはいろいろな推計方法がとられていますが、正確に予想することは非常に困難です。横浜のクルーズ船から推定してみます。

 

クルーズ船には3700あまりの人乗っていましたが、3000件あまりの検査により600件ほど、つまり約20%の陽性者が確認されました。

クルーズ船が一つの社会で、一定の感染対策がなされた世界であり、現在の日本社会の一つのサンプルとしてとらえたならば、人口のおよそ2割が陽性となると想像されます。

50万人の市川市においては10万人が陽性となる換算です。更にその20%が重症化するならば、2万人が重症化します。死亡率が2%とすると2000人が死亡します。東京都では200万人が陽性となり、4万人が死亡するかも知れません。

 

クルーズ船をサンプルにする根拠もありませんので、あくまで可能性を示した数字ですが、いずれにしても非常に多くの方が重症化したり死亡したりする可能性があるということです。

陽性者を隔離することは、陽性者があまりに多く不可能です。市川市で10万人を収容できる場所はありません。

 

また過去のペストやスペイン風邪などの疫病の動向を見ると、大きなパンデミックを生じた感染症は必ず第二波、第三波があります。

封鎖や自粛により第一波が沈静化しても、根絶できない限り数年にわたって流行は続きます。それだけに社会の経済的影響が甚大であり、政治的混乱も生じることになるでしょう。

 

コメント:

ドイツでも8日目以降はウイルスなし
新型コロナウイルスについて、診断時から時間を追うごとに分離培養を行ったドイツからの報告があります。


この情報によると、診断直後は高い確率でウイルスを分離することができたが、日を経るごとに減少し、発症から8日目以降では、検査した全員において分離することができなかったことが示されています。
 

新型コロナウイルスの分離培養は、もっとも危険な病原体を扱える限られた研究所しか実施できません。ウイルスの定量や分離培養の結果も、台湾から報告された研究と符合しています。

 

これらの研究結果を総合すると、新型コロナウイルスは、症状が出てから1週間経てば、すでに感染力を失っていると考えられます。台湾からの報告と合わせると、新型コロナウイルスが他人に感染するには一定のウイルス量が必要で、発症から1週間経てば、この値を下回るものと推定できます。

 

わが国では、事実上、発熱が4日以上続いてから検査を受け入れるという状況でしたが、私が直接経験した範囲でも、中野区や三鷹市をはじめとする都下においては、発症後1週間以上たってもPCR検査が受けられませんでした。

これは何を意味するのかというと、仮に発病していてもPCR検査を受けるまでにはウイルスを分離することができず陰性としての結果となることがほとんどである可能性が高いということになります。

この頃には感染力が失われているという意味では悪い話ではなさそうですが、実際の感染者数より遥かに少ない数字になることは明らかです。したがって、残念ながら、わが国で実施されてきた新型コロナウイルスに関するPCR検査による感染率のデータはほとんど信用できないということになります。

 

そこでドイツのこの研究結果は、今後の新型コロナウイルスの感染対策に極めて重要な意味を持つことになります。今回の知見をもとに、これまでのわが国における新型コロナ感染対策を顧みるとともに、今後の対策にこの結果をどう活用していくべきか、早急に検討し、速やかに実践しくことが望まれます。

 

<明日へ続く>

ロシアの医療体制の惨状

 

В результате, большинство заболевших коронавирусом и лечащихся по системе ОМС, попадают в стационар в очень тяжёлом, порой критическом состоянии, - время в большинстве случаев упущено...
Вспышка заболеваний коронавирусом среди врачей – тоже не случайность. «Рядовые врачи не защищены были с самого начала и работали с больными в прямом контакте… Главврач больницы - назначенец с разными регалиями, Г.П. Костюк, защищен от критики разными полномочиями, входит в Общественную палату РФ, в президентский совет по здравоохранению. Ему неоднократно говорилось, что необходимо на пропускном пункте выдавать маски, должно быть наличие элементарных дезинфицирующих гелей. Не делалось НИЧЕГО… Врачи работали с больными в одноразовых масках, которые сами приносили – это была максимальная защита. Накануне их заставили за 40 минут пройти онлайн курсы и получить сертификаты о том, что они готовы работать с заболевшими коронавирусом. Хотя супруг даже не успел подключиться, ему в понедельник утром просто передали этот сертификат. И - иди работай! Так психиатры стали лечить больных с коронавирусом». Больше всего женщину возмутило то, что в период пандемии главный врач из личного кабинета, в котором он находился один, проводил «телеконференции» с медперсоналом. А этот самый медперсонал в количестве около 40 человек, без соблюдения какой-либо дистанции, был собран в небольшом помещении и в течение минимум часа внимал указаниям руководства.

 

結果的に、コロナウイルス感染患者の大多数はこのシステムで処理され、非常に重篤な状況であって、中には危篤状態の人が病院に収容されますが、ほとんどが手遅れです・・・

コロナウイルスの蔓延が医師の間に起こっていることも事故などではありません。「医師個人は最初から保護されることなく直接患者に接して診療をします・・・病院長のG.P.コチュークは様々な特別待遇が受けられるように指名されていて、さまざまな権力からの避難を受けずに済み、大統領直轄保健諮問委員会というロシア連邦の公の議会の議員です。彼は査察のたびごとにマスクと初歩的な感染予防ジェルがなくてはならないことを繰り返し言われてきた。何もなされていません…。医師たちは自前で調達した使い捨てマスクで患者の診療に当たっていましたが、それが最大限できる防備でした。その日の前日に医師団は強制的に40分間のオンライン・コースを受講させられてコロナウイルス感染症患者の診療をするための資格を取得させられました。夫は(インターネットに)接続する時間すらも無かったのですが、月曜の朝にはその認定証だけを渡されました。そして即、働け!ということです。こうして精神科医がコロナウイルス感染患者の治療を始めたのでした。」パンデミックの間に暴力を受けた女性のほとんどの主治医は医師が自分一人だけの個人クリニックであり、病院の医療従事者たちと「遠隔カンファレンス(症例検討会)」を行っていました。およそ40名の医療スタッフは距離を保つなどの配慮を受けることなく小部屋に集結して最低でも一時間管理方法を指示していました。

 

 

«Эта эпидемия настолько разительно обнажила деление на управленцев и подчиненных; на богатых и бедных, что уже нет никаких вопросов», - пишет жена врача.
Однако, вопросы есть у нас. Почему люди с подозрением на коронавирусную инфекцию должны заниматься самолечением и ждать результатов тестов, КТ по зловещей схеме, которую придумали чиновники от медицины? Почему больных COVID-19 лечат психиатры, гинекологи, офтальмологи – кто угодно? У нас в стране нехватка инфекционистов? Если да, то кто за это отвечает персонально?
И последнее. Врачи начали массово заражаться коронавирусом. Конечно, если в нашей медицине сложилась патовая ситуация, надо привлекать всех, кто может оказать помощь. Но почему тех, кто не обеспечивает врачей средствами зашиты, способствуя заражению медперсонала на работе, никто не привлекает к уголовной ответственности?

 

「この疫病には管理職も部下も、金持ちも貧乏人も、とても劇的に曝されてきました。これはもはや疑いもないことです。」と医師の妻は記しました。しかし、私たちには疑問が残ります。コロナウイルスの感染が疑われている人たちが、医療側から公式に設定されているような、おぞましい状況になって受けられるCTスキャンなどの検査の結果を待っている間に、なぜ自分で主体的に治療をすべきではないのだろうか。なぜCovid-19感染症患者が精神科医、婦人科医、眼科医その他に治療を受けているのか。もし、そうだとするならば、誰が個人的にこの責任を負うのか。そして最後の問題は、医師たちがコロナウイルスに集団感染し始めたということである。もちろん、私たちの医学が行き詰っているならば、私たちは助けることができる人すべてを巻き込むべきである。しかし、なぜ仕事に取り組んでいる医師たちの役に立つ手段を提供しないでいるのは誰なのか、刑事的責任を負うべき人物は誰もいないのか。

 

 

Материалы по теме
В Петербурге скончался врач, заразившийся коронавирусом при лечении больных
Александр Мясников и эксперты ВЭБ предложили перестроить медицину после пандемии
Счетная палата обнаружила нехватку 43 млрд рублей на повышение зарплат врачам
коронавирусМедицинаврачи и пациенты

 

話題
患者診療中にコロナウイルスに感染した医師がサンクトぺテルスブルグで死亡
アレキサンダー・ミアス二コフおよびVEBのエクスパート達はパンデミック後の医療の再編成を提言した。
会計検査院は医師の昇給のための経費には430憶ルーブルが不足していることを見出した。
 コロナウイルス、医療、医師および患者

 


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<まず不適切かつ不正確な翻訳である可能性が少なくないことをお断り申し上げます。内容が、あまりにリアル過ぎて、不慣れなロシア語で報道されていることをすっかり忘れさせられました。私にとって、救いであり希望が持てたことは、ロシアのジャーナリストの中にも、しっかりした問題意識をもって取材している方がおられるということです。いちいちご尤もです。>

虚血性心疾患は総合的に行なう

 

虚血性心疾患は、おもに冠動脈疾患により心筋の酸素需要に対して供給が不足した際に心筋で「虚血」を生じる病態をいいます。

 

2017年の厚生労働省人口動態統計では心疾患(高血圧を除く)による死亡数は20.5万人で、患者全体の15.3%を占めており、悪性新生物(≒がん)に次ぐ2位です。その中で、急性心筋梗塞は3.5万人、その他の虚血性心疾患は3.5万人と、心疾患の死亡数の中で虚血性心疾患の占める割合は心不全(8.1万人)についで多い数です。

 

虚血性心疾患には、急性冠症候群、安定狭心症、無症候性心筋虚血、陳旧性心筋梗塞が含まれていますが、最近とくに注意しているのは無症候性心筋梗塞です。

これは心筋虚血が生じているにもかかわらず臨床症状としてあらわれないため突然死のリスクが高いからです。

おもに高齢者や糖尿病による神経障害を背景にしています。そのため、すでに陳旧性心筋梗塞を起こしても気が付かないことがあり、とても危うい状況であるといえます。したがって、杉並国際クリニックでは、無症状であっても運動負荷心電図を含めた健康測定を3カ月に1回受けていただくことを推奨し、多くの皆様が計画的に実践されています。

新型コロナウイルス感染症の犠牲者には基礎疾患を持つ方が多いですが、このように、糖尿病と虚血性心疾患には密接な繋がりがあるためハイ・リスクになりやすいことも理解しやすいのではないかと思います。

 

無症候性心筋虚血、陳旧性心筋梗塞では症状が出ないため、おもに二次予防(再発予防)を行います。これは安定狭心症と同様の基準での日常生活管理(禁煙、血圧管理、体重管理、耐糖能障害の是正、脂質異常症の是正、過労や精神ストレスの回避やマネジメント、節酒)が挙げられます。

なお、通常では精神ストレスの回避とされますが、当クリニックでは、むしろストレス・マネジメントを推奨しています。

ストレスの原因をストレッサーといいますが、ストレッサーは回避しようにも回避できない現実が少なくないからです。

回避行動が積み重なってさらに大きな慢性的なストレス要因を育ててしまってはかえって有害だからです。

同じストレッサーに遭遇しても、それをどのように認識し、どのように対処したらよいのか、すなわちストレス・コーピング(ストレス対処法)のスキルをはじめとする心身医学的・心療内科の技法を有効活用していくことが当クリニックでは可能です。

 

心筋虚血は、上記の器質的冠動脈硬化の他に、冠動脈スパズム(冠攣縮)により生じることもあります。

これはわが国を含めたアジア人男性に多いためか、当クリニックでもふつうに診療しています。

この冠攣縮による発作時にはときに心室細動などの致死的不整脈を生じることがあります。他の心臓発作とは異なり、労作・安静と関係なく発作が生じますが、夜間から早朝にかけての時間帯に発作が好発します。

 

外来管理の具体的目標としては、LDLコレステロール値70㎎/dL以下、ヘモグロビンA1c値7.0%未満とします。

日常生活管理や運動耐容能や自覚症状などQOL改善に寄与するものとして心臓リハビリテーションがプログラムされていますが、残念ながら生涯を通して活用することは困難です。

そこで、当クリニックでは独自に水氣道®を開発して積極的な実践を展開しています。

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ11症例の研究

 

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。感染した人や家族の話を通して、その一端を知るため、NHKが行ったインタビューの内容をできるかぎり詳細にお伝えします。

 

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は緑文字として区別しました。


症例6:故郷に戻れず逝った父

 

4月11日・12日取材 社会部 山屋智香子
名古屋市に住む81歳の男性は2月末に新型コロナウイルスへの感染が確認され、3月、ふるさとから遠く離れた東京の病院で亡くなりました。1人で父を見送った息子、夫をみとることができなかった妻。亡くなるまでの1か月を語りました。

 

症例6(その1)

第1節:健康のために通っていたスポーツジムで~妻の話~ 

 

男性は妻と2人暮らし。ゴルフが趣味でスポーツジムに通うなど81歳という年齢を感じさせない活動的な人(註1:高齢者でも行動体力に優れている方がいらっしゃいます。しかし、行動体力は直接、防衛体力には結びつかないことがあります。これは、高齢者に限らず、若手のアスリートも例外ではありません。ウイルス感染防御に関係があるのは、防衛体力です。ゴルフもスポーツジムも行動体力の増強には確かに有用です。しかし、これからは『防衛体力をいかに増強するか』ということがポイントになります。水氣道®をヒントにしてください!また、勤勉な杉並国際クリニックの皆様であれば、『玉弊風散(ぎょくへいふうさん)』を内服して予防することができます。)だった


2月18日にジムに行ったんですよ。ジムには土日をのぞいて毎日行ってて。その日は行ったら消毒してたんですって、ジム(註2:スポーツジムでの集団発生が注目されています。室内にあるジムは空気の動きが淀みやすいのと、空気が乾燥していること、有酸素運動とはいっても、激しく頑張って運動する熱心な感染者が無数のウイルス粒子を拡散させてしまう可能性があります。またウイルスが空中から床に落ちても失活しにくい環境にあるため、そこで複数の方が体操したり、ダンスを踊ったりすれば、再びウイルス粒子は空中に巻き上がることが考えられます)ね。コロナにかかった人がいる(この段階で、接点があったすべての人のチェックが実施できていることが望ましいのですが・・・)っていうことで。


19日に朝起きたら「なんか、ひざがおかしい」(註3:ウイルス感染症にともなう関節炎の可能性があります。インフルエンザでも観察されます。初期の軽度の異変に警戒すること:ステップ1をクリア)って、熱を測ったら38度(註4:客観的な身体情報を確認すること:ステップ2をクリア。ただし、平熱の記載がないのではありますが、この方の平熱が36.5℃だとしたら、この時点で『地竜(じりゅう)』を服用しておくと、熱さまし効果だけではなく、今後の血栓形成予防に役立った可能性があります。)

 

ジムに電話したんです。「コロナにかかった人がいるって聞いたんですけど、その方は何曜日の何時にジムに行ってたんですか」って聞いた(註4:この方の対応は、模範的です。初期のうちから正確な情報を収集すること:ステップ3クリア)ら、「同じ時間帯に同じスタジオの中に2日間いました」って。


それでもうスポーツジムの方が「病院へ行ってください」って言われて。病院に電話をかけた(註5:即、行動に移す。まずは外部資源との連絡をとること:ステップ4クリア)ら、保健所のほうに相談するように言われて、病院へ行きましょうということ(註6:行動の途中で諦めない。遠慮せず外部資源と確実にアクセスを果たすこと:ステップ5クリア)で。

もう行った時点でエックス線で肺炎になってることが分かったのでそのまま入院ていう形になって、あくる日に陽性(註7:ここまでは最速・最短で手続きが進行しています)って分かりました。


熱だけで元気だったんです。食欲もあって。入院してからだいたい1日3回ぐらいは電話かけていますので、「熱下がってきてるよ。でも食事がまずい」とかって言ってたんですけどね。そんなに深刻な状態じゃないと思ってました(註8:そのように判断することは、この時点では已むを得なかったと思います。)けどね。そこからあっという間に悪くなった(註9:これが新型コロナの最も恐ろしい特徴の1つです)んですけどね。

 

<明日に続く>

東京歯科大学市川総合病院循環器科の大木先生は、新型コロナウイルスに関して、とてもわかりやすい解説を掲載されています。

御経歴からすると私より大分若手であるようですが、見習いたいと思いました。


私は、同市内にある昭和学院短期大学の客員教授として10年ほど勤務していたことがあり、この病院の前は数えきれないくらい通過していたのを懐かしく思い出します。


『知っておきたい新型コロナウイルス感染症COVID-19』

 

【新型コロナウイルスの診断】

新型コロナウイルス感染症には特有の症状がないので、この症状があれば感染していると断定できる症状はありません。

つまり病歴から感染を断定することはできず、ウイルスが体内にいることを証明して初めて診断可能になります。

ウイルスが体内にいるかどうか調べるには、直接ウイルス自体を見つける方法と、ウイルスが体内に入った時の身体の反応を利用した間接的な方法があります。

 

直接的な方法では、ウイルスが体内のどこに潜んでいるかによって、検査の精度が落ちることもあります。

炎症が起きているところから検体を採取して検査するのが効率的です。

新型コロナウイルスは血中、喀痰中に多く潜んでいると考えられるので、血液や痰を採取して、中にウイルスがいるか検査します。

体内には数億という数のウイルスがいると思われますが、少量の血液や痰の中にはごくわずかしかおらず、少なすぎて検出することができません。

そこで取り出した検体にポリメラーゼという特別な物質を加え、鎖のように長いウイルスの遺伝子を増殖させてから検査します。

この方法をポリメラーゼ鎖反応(PCR)と言います。

PCRによってウイルス遺伝子が多くなり、装置で検出されれば検査陽性となります。検出されなければ陰性と言います。

 

間接的な検出方法は、身体にウイルスのような異物が入った時に免疫機構が働くことを利用します。

ウイルスが体内に入ると、それを攻撃する目的で抗体というものが作られます。

インフルエンザにはインフルエンザ抗体、コロナウイルスにはコロナウイルス抗体のように、病原体によってできる抗体は異なるので、新型コロナウイルス抗体が検出されれば、新型コロナウイルスが1度は体内に侵入したことを意味します。

抗体は病原体が身体に入ってから数日で検出されるようになり、多くの抗体は数ヶ月、数年血中に存在します。

ただし、抗体の存在は免疫反応を生じたという事実のみを示すので、治癒しているかどうかは別になります。抗体があるからといって治ったとは限らないのです。

新型コロナウイルス感染症は無症状の場合もあることを考えると、そもそも治癒とは何を意味するのかさえ不確定な、とてもやっかいな感染症です。

 

 

コメント:

PCR検査でわかること、わからないこと


コロナパンデミックを機に、「PCR検査」という単語がわが国で市民権を得ることになりました。

しかし、PCR検査には「定性検査」と「定量検査」があることはあまり知られていないようです。


ウイルスのDNAは目では見えないので、定性検査では、特殊な装置を使って目的とするDNAを増やすという操作が必要です。

目で確認できれば陽性、確認できなければ陰性と判定します。

ですから新型コロナウイルスの診断には、通常のPCR法で十分であるとされてきました。


一方、どれくらいウイルスがいるか(定量)を測定できるリアルタイムPCRという方法もあります。

PCRの1サイクルで目的とするDNAは2倍になるが、増やしたDNAがある量に達するのにPCRを何サイクル回したかがわかれば、最初に存在するDNAの量を逆算して推定することができます。


ウイルスが感染した時に症状がでるには、一定以上のウイルス量が必要だとされています。

新型コロナウイルスについても、海外からリアルタイムPCR法でウイルスの量を測定した研究が数多く報告されています。

これらの研究によると、症状の発症前後が最も多量のウイルスが検出され、感染から1週間を境にウイルス量は急速に減少することが示されています。


 
従来のウイルスの診断は、元来、綿棒でのどをぬぐってとった液体などからウイルスを分離して確認していました。

細胞を培養中のフラスコ内に、ウイルスが含まれていると思われる検体を加え、細胞が変化するのを顕微鏡で観察するのです。

煩雑なので、簡便なPCR法がとって代わったが、感染力がある活動性ウイルスがいるかどうかは、この方法に頼らなければならないわけです。

 

PCR法では、感染力のない活動性のないウイルスも併せて検出されるので、感染する力があるかどうかは、ウイルスの分離培養の結果を待たなければなりません。


そうした原理がわかってくると、PCR法はウイルスの検出力がそれほど高くないことに加えて、本来であれば感染力を持たない隔離不要のケースであっても陽性とされ、2週間以上の隔離を余儀なくされていたことになります。

PCR法には大きな欠点があるということになります。

 

〈明日へ続く〉

<新型コロナ対策:北京中医薬大学国学院院長、李良松大学院教授からのアドバイス!>

 

新型コロナウイルス肺炎蔓延制御に対する古代疫病対策からの啓発No4

 

古代瘟疫治验对新冠病毒肺炎疫情防控的启示
说天下
2020年02月11日

新型コロナウイルス肺炎蔓延制御に対する古代疫病対策からの
啓発
2020年2月11日

 


古代关于瘟疫防控与治疗措施
一、疫病に対する古代の予防・制御措置
战争、疾病和自然灾害是危害人类生命的三大重要因素。特别是烈性传染病对历代的政治、经济和文化都产生了许多负面的影响,直接造成了管理的失控、经济的萧条和文化的衰退。因此,历代封建王朝对于防疫与救灾工作都非常重要。


戦争、疾患と自然災害は人生に危機をもたらす3つの重要因子です。特に、重症感染症はすべての王朝の政治、経済および文化に多くの負の影響を与えてきましたが、それらが元になって管理制御不能、不況、文化の衰退に直結するものでした。したがって、封建時代の王朝の存続にとっては疫病の制御と災難からの避難が極めて重要です。

 

 

古代对瘟疫的防控与治疗主要有五种方法:

過去の時代において疫病を予防し制御するための5つの主要な方法があります。

 

 

四是民间自救。民间自救分为自我救治、家族救治、邻里互助。由于古代医疗卫生条件比较落后,许多家庭都掌握了一些民间草药和单验秘方,因此,在遇到危机的时候,也可通过应用中草药以达自救和救人。

第四は民間の自助。民間の自助団体が、自助、家族ケア、近隣の互助など手分けして行うもの。相対的に医学や健康状態が芳しくなかった当時としては、多くの家庭でいくつかの民間薬草や一度試しただけの秘密のレシピを学んでいました。したがって、危機に際しては、中国の薬草は人命救助のために用いることができました。

 

 

五是民俗防控。古代有许多优秀的防疫民俗与守正传统,对于瘟疫的预防与治疗起到正向的推动作用。如古代民间的防毒香囊、防疫药酒(如古代湖北人常服的椒浆酒、雄黄酒等)、治瘴茶饮、养生药膳、庭院花草等养生防疫习俗,都在应急中发挥出一定的作用。

第五は民間による予防と制御。
当時は数多くの優れた疫病予防のための風習と伝統とが守られていて、それらが疫病の予防や治療に有益な役割を果たしていました。昔ながらの抗毒のための匂い袋、予防薬用酒(たとえば椒浆酒(註10)や雄黄酒(註11)等は古代の湖北地方の人々は常飲していた)マラリア予防茶、健康薬膳、庭園での花の栽培、健康維持と疫病対策の習慣はすべて緊急時には一定の役割を果たしました。

 

(註10)椒浆,是汉语词汇,出自《楚辞·九歌·东皇太一》,解释为椒酒,是用椒浸制而成的酒。因酒又名浆,故称椒酒为椒浆。古代多用以祭神。

(註11)雄黄酒,即是用研磨成粉末的雄黄泡制的白酒或黄酒,中华民族传统节日端午节的饮品。雄黄酒需在太阳下晒,有的从五月初一晒到初五。作为一种中药药材,雄黄可以用做解毒药剂、杀虫剂。俗称“鸡冠石”,其主要成分是硫化砷,并含有汞,有毒。

高血圧診療(認定内科医、日本高血圧学会会員として)

 

高血圧は生活習慣病の中で最も頻度が高い疾患です。外来血圧で140/90㎜Hg以上を高血圧とすると、わが国には約4,300万人が罹患していると推定されています。大雑把に言えば3人に1人が高血圧です。ですから、高血圧は国民病であるともいえます。

 

その罹患者数は国民の高齢化によりさらに増加していくことが予想されます。それから、当分の間、私たちの日常生活を脅かすことになる新型コロナウイルス感染症に感染し易く、しかも重症化し易いとされる基礎疾患の一つであるということも忘れてはならないと思います。したがって、高血圧の管理は、新型コロナをはじめ多くの余病発生の予防になることを銘記しておくことが大切だと思います。

 

高血圧治療の目標は、単に血圧を正常化することだけではありません。心肥大、腎障害などの循環器系臓器障害や、脳卒中、冠動脈疾患などの心血管疾患を抑制し長期予後を改善することを目指すものなのです。また、降圧治療を受けることによって、生活の質(QOL)が損なわれることなく、身体的、精神的、社会的に快適な生活を送ることができるようにすることができます。

 

数多い高血圧患者の診療レベルを向上させるためには、客観的な証拠による診療方針の決定、すなわちEBM(エビデンス・ベースト・メディシン)に基づいた質の高い診療ガイドラインを普及させることが効果的なアプローチであるということに対して明らかな異を唱える人は、先進国の医師においてはどこにもいません。米国では2013年の勧告に続き、2017年には米国心臓病学会などがすでにガイドラインを作成しました。

 

わが国では近年、高血圧学会を中心として臨床研究の成績が蓄積され、2019年に4回目の改訂が行われました「高血圧治療ガイドライン2019」(JSH2019)では、日本人におけるエビデンスに基づいて記載された部分が増加しており、わが国の高血圧患者の診療により適合した内容になっています。

 

一番大切なポイントは、家庭血圧の測定です。上腕カフ(マンシェット)による自動血圧計を家庭に確保してください。前腕や手首で測定するものは避けてください。朝と晩の1日2機会、1~2分の安静後に、座位にて測定してください。なるべく多くの皆様に測定していただけるよう、杉並国際クリニックでは「血圧手帳」や当クリニックのオリジナル「生活・行動記録シート」をお配りしていますので、ご活用ください。

血圧手帳

行動記録

 

 

 

杉並国際クリニックでは、「高血圧治療ガイドライン2019」(JSH2019)を最大限に生かすべく、「高血圧治療管理基準」と「高血圧の治療基準」(杉並国際クリニック2020初版)を作製し、日常診療の実践に導入しています。

高血圧治療指針

高血圧

 

 

それから、私が中心になって著した「わかりやすい臨床栄養学(第6版)」(三共出版)2020.4発刊を教科書として、当クリニック専属の健康管理士・林亮博が総合生活指導コーチングを担当しています。

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取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ5症例の研究

 

症例が増え、5症例目となりました。

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。感染した人や家族の話を通して、その一端を知るため、NHKが行ったインタビューの内容をできるかぎり詳細にお伝えします。

 

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は緑文字として区別しました。


症例5:ガラス越しに 夫にトランシーバーで呼びかけた

 

4月7日取材 社会部 山屋智香子
新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。関東地方に住む50代の男性は新型コロナウイルスに感染し一時、重篤となりました。妻が、夫の発症から治療、そして感染者の家族だからこそ思うことを語りました。

 

症例5(その5)

第6節:痛感するウイルスの怖さ そして今、恐れているのは 

発症から2か月近く。病状は油断できない状態が続いている。元気だった夫の姿を変えてしまった新型コロナウイルス。その怖さについて妻は―


私も最初は、そこまでひどくなるとは思わなくて、普通のインフルエンザより感染力が強いだけなのかなって思ってたんですけど、こんなにあっという間に悪くなるなんて思いもよらなかったし。
⇒ 戦略2:『自分を守る最良の方法は、同居の家族を守ることである』ことを理解する


そういうのを目の当たりしていると、怖くてしようがなくて、自分自身もかかるのではないかと思うと、不安な気持ちがありますよね。

知っているだけに、外に出るのも怖いし。何をしてても、体が熱っぽくなったら、もしかしてって思っちゃうし。かかったら夫に会えなくなるし、いろんな不安が渦巻いて。本当に恐ろしいウイルスだと思います。

やっぱりこれは、身近にいないとわからないと思いますよ。

⇒ 戦略1:『自分はすでに新型コロナウイルス感染者である』という認識で行動する


面会も行きたいなと思いますけど、面会に行くことで医療関係の人に感染したり、私がうつっちゃったりしたら夫に二度と会えないし、行くべきなのか行くべきでないのかも常に悩んでいます。

⇒ 戦略4:『人助けをしている人々を助ける』ことの大切さを知る

 

あとは医療崩壊が怖くて仕方がないですよね。今、病院に入っている人もちゃんと診てもらえなくなるのではないかとか、重症になった時に入れる病院がないんじゃないか。私も含めて同じようなことになってしまったら、主人の面倒も見れないんじゃないかと思うと怖くて怖くて仕方がないですよ。

もっと早く検査が受けられていればとは考えないかと尋ねると、それよりも訴えたいことがあるという

なかなかPCR検査をやらないってワイドショーとかでも言ってましたけど、本当にやらないんだって、保健所を恨んで、というか国を恨んでたんですね。自宅待機中に保健所から毎日、体調確認の電話があって、恨みのひとつでも言いたい気持ちになったんですけど、よく考えたらそうでもないなと今は思っています。

 

治療法がないということなので、重症者を早く見つけて早く命を助ける処置をするほうが有効なのかなと(まさに、その通りです‼)

結局、ワクチンとか薬があれば(インフルエンザや肺炎球菌ワクチンはすでに推奨されているにもかかわらず、接種を拒む人がいるように、せっかく新型コロナウイルスのワクチンが使えるようになってもすべては解決しないでしょう。ましてやワクチンを治療薬と混同している人が少なくありません。予防用なのか治療用なのかを一般の国民にわかりやすく明確に説明すべき政府の責任があると思います。ワクチンは自分のためだけでなく他者を思いやる貴いボランティア行為です。

⇒ 戦略3:『自分や自分の家族と同様に、親戚や知人を助ける』ための活動を開始する)

すぐ検査して見つけて対処できますけど、今はそれができないので、ウイルスを広めないことと、重症になったらすぐ受け入れて処置をしてあげないとだめ(むしろ、重症にならないうちに手当てをしなければだめです!重症になるまで待っていてはいけません‼)なんだと思います。家族としては、なんで検査やってくれないのかしらと思っていましたけど。


今、多分、国がやろうとしていることは時間稼ぎなので、時間稼ぎに私たちが協力しないとだめなんだ(国民としてはその通りです。しかし、時間稼ぎをしている間に、国や自治体や医療機関が何も“手当て”をしていないことが問題なのです!)と思いますね。医療崩壊しないように、ちょっとずつ感染者を増やしていくようにしないとだめ(これはよくわかりませんでした。ちょっとずつ増やしていかなければならないのは感染者ではなくて入院患者ということなら、少し理解できます。しかし、医療崩壊防止のためには、PCR検査を行う前に、すでに経験が蓄積されている中医・漢方治療を始めておくことです。)なんだと思います。

うちの主人のように重篤になると、3か月スパンだと思うんですね、入院。3か月もベッドを埋めてしまうことになるんですから、3か月間入れない人が出てきちゃうかもしれない、その間に命がってことになるから、みんなが協力してやらなきゃいけないのかなって。だから、ここは我慢のしどきで。みんなそれぞれ事情があるし、会社に行かなきゃ、働かなきゃっていう気持ちはあるんだけど、ここはぐっと我慢しなきゃいけないと思います。

 

(4月7日取材 社会部 山屋智香子)

専門家会議は、「日本全国で見れば、大規模イベント等の自粛や学校の休校等の直接の影響なのか、それに付随して国民の行動変容が生じたのか、その内訳までは分からないものの、一連の国民の適切な行動変容により、国内での新規感染者数が若干減少するとともに、効果があったことを意味しています」と効果を分析しました。

 

<完>