第5週:血液病・循環器        


下肢閉塞性動脈硬化症(末梢動脈疾患)診療に欠かせない超音波検査

 

近年、人口の高齢化、糖尿病や透析患者の増加に伴い末梢動脈疾患(PAD)が増加傾向にあります。PADは冠動脈と脳血管を除く末梢動脈に生じる閉塞性疾患を指します。その成因としては動脈硬化症の他、バージャー病や膠原病など非動脈硬化疾患もあります。

 

一般的に下肢の動脈硬化症を閉塞性動脈硬化症(ASO)と呼びますが、下肢に生じるPADは、ほとんどがこのASOです。PADは他の動脈硬化性疾患(冠動脈疾患・脳血管疾患)と合併することが多く、合併例では予後不良であることが示唆されます。

 

検査としては足関節血圧測定検査が最も簡便かつ有用であるとされます。12㎝幅のマンシェットを使用して、足背動脈と後脛骨動脈の血圧を測定します。一般的には上肢の血圧より若干高いのが正常です。

PADの一般的スクリーニング法である足関節上腕血圧脾(ABI)測定で0.9未満の場合をPADと定義します。その場合のPADの有病率は1~3%程度とされます。

 

このABIは足関節血圧と上腕血圧の比として下肢動脈硬化一般の指標としても用いることができます。ABI=足関節血圧/上腕血圧=0.9~1.3が正常範囲とされています。

 

症状やABI検査などからPADが疑われた場合には精密な画像検査を行う必要があります。とりわけ下肢動脈エコーは非侵襲的で最も汎用されている検査です。

 

動脈の狭窄・閉塞の部位がわかるばかりでなく、狭窄部の動脈血流速度を測定し、生理的に有意な狭窄であるかどうか、逆に言えば、病的な血流障害が起きているのかどうか、などを判断するうえでも極めて有用な検査です。

 

こうしてPADの診断がついた場合には、直ちに全身性動脈硬化疾患のスクリーニングを行うことが大切です。その理由は、まずPADは他の動脈硬化性疾患を合併することも多いからです。さらに、これらが生命予後を規定することも多いからでもあります。

 

無症候であっても心エコー検査や頸動脈エコーを行います。それで異常が疑われれば冠動脈造影や脳血管造影検査のために検査紹介をすることになります。

 

過去において、PAD検査によって冠動脈硬化症や脳動脈硬化症を早期に発見でき、適切な治療ができたというケースは枚挙に暇がないほど経験しています。

 

このように超音波検査は“21世紀医療の聴診器“と言ってよいほど日常診療において活躍しています。こんかい紹介した、下肢動脈エコー、心エコー、頸動脈エコーはすべて一台の超音波診断装置(汎用機種)で賄うことができます。当クリニックの超音波診断装置は、超パルスドプラ―法機能もあるため、動脈血流速度を評価することが可能です。

カトリック信仰世界の危機No1.

 

先週の宿題報告をはじめます。

 

課題は、La Chiesa in uscita
とは何か、でした。

 

イタリアのカトリックの日刊紙『 アッヴェニーレ』の記事を引用して手がかりを得ることにしました。この新聞は、CEIの日刊紙です。CEIとはイタリア司教協議会のイタリア語略称です。

Avvenire.it
Evangelizzazione. La Chiesa in uscita alla ricerca di nuove «mappe» per le città

伝道。都市のための新しい「地図」を求めて外へ出て行く教会
____________________

 

Mimmo Muolo martedì 21 gennaio 2020
ミンモ・ムオロ 2020年1月21日(火)

 

Quale evangelizzazione nelle metropoli di una società scristianizzata? Così papa Francesco invita a restaurare l’architettura delle relazioni umane

脱キリスト教化社会の大都会でどんな伝道をするのか?このように教皇フランシスコは、人間関係の建築物の修復を求めている。


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A rileggerla a distanza di un mese, l’accorata constatazione di papa Francesco nel discorso alla Curia Romana («Fratelli e sorelle, non siamo nella cristianità, non più») – ripresa anche dal cardinale presidente della Cei, Gualtiero Bassetti, in apertura del Consiglio permanente – assume ancora maggiore significato. E merita perciò di essere approfondita a livello pastorale e teologico, specie considerando i segnali di una progressiva e apparentemente inarrestabile scristianizzazione che giungono dallo scenario postmoderno delle grandi città.

一ヶ月後に読み返すと、ローマ教皇フランシスコがローマ教皇庁で行った説教の中で確認された悲嘆の言葉(「兄弟姉妹たちよ、私たちはもうキリスト教の世界の中にはいません」)は、イタリア司教協議会(Cei:註1)議長、ガルティエロ・バセッティ枢機卿(註2)が、協議会開会時にも取り上げたもので、より大きな意味を持つものとなっている。したがって、それは牧会的・神学的なレベルで深化されるに値するものであり、特に大都市のポストモダンなシナリオから来る進歩的で明らかに止むを得ない脱キリスト教化の兆候を考慮する必要がある。

 

註1:イタリア司教協議会Conferenza Episcopale Italiana(CEI)
2017年5月23日に, フランシスコ教皇はバセッティを任期5年のイタリア司教協議会の議長に指名した。

 

註2:ガルティエロ・バセッティ枢機卿(Gualtiero Bassetti )
1942年4月7日誕生、イタリアのポポラーノ・ディ・マッラーディ出身。ローマカトリック教会のイタリア大司教。2017年5月にイタリア司教協議会(Cei)議長として5年の任期を始めた。

 

 

Si tratta di una costante nel magistero di papa Francesco. E anche nel documento programmatico del suo pontificato – Evangelii gaudium – c’è un intero paragrafo ('Sfide delle culture urbane', numeri dal 71 al 75) dedicato al tema metropolitano, già affrontato più volte quando era arcivescovo di Buenos Aires. Nel discorso alla Curia Romana del 2019, tuttavia, il problema viene trattato con un’ampiezza di riferimenti e una sistematicità di argomentazioni che fanno intravedere sviluppi interessanti. Da un lato, infatti, egli riprende la grande questione della fede, che era stata l’architrave del pontificato di Benedetto XVI (è bene ricordare che la prima enciclica di Francesco è la ormai quasi dimenticata Lumen Fidei, dichiaratamente firmata a quattro mani con papa Ratzinger). Dall’altro pone al centro della sua riflessione una diagnosi estremamente realistica e per nulla rassicurante della situazione della fede nel nostro tempo. «Non siamo piCei)ù in un regime di cristianità perché la fede – specialmente in Europa, ma pure in gran parte dell’Occidente – non costituisce più un presupposto ovvio del vivere comune, anzi viene perfino negata, derisa, emarginata e ridicolizzata».

これは、教皇フランシスコの訓戒の中では一貫している。また、彼がブエノスアイレスの大司教であったときにすでに何度か取り上げられていた、都市のテーマに捧げられた– Evangelii gaudium(註3) –の全段落(「都市文化の挑戦」、71~75番)が、彼の公文書の中にもある。しかし、2019年のローマ教皇庁での演説では、この問題は、広範に及ぶ参考文献とともに、興味深い展開を示唆する論証の体系性をもって扱われている。一方では、実際に、彼はベネディクト16世の公職時代には欠かせなかった信仰の大問題を取り上げている(フランシスの最初の回勅は、教皇ラツィンガーと公的に署名した『ルーメン・フィデイ(信仰の灯)』であり、今ではほとんど忘れ去られていることを覚えておいてもよいだろう)。その一方で、彼はその反省の中心に、現代の信仰の状況が全く奮わないことに対して極めて現実的な見立てをしている。『私たちはもはやキリスト教の体制の中にいません。なぜなら、信仰は-特にヨーロッパだけでなく、西洋の多くで-もはや一緒に暮らすための明白な前提条件ではなく、実際にはそれさえも否定され、嘲笑され、疎外され、嘲笑されているからです。』

 

Evangelii gaudium(註3):「福音の喜び」という意味
教皇フランシスコによる2013年の使徒的勧告
フランシスコ教皇は、全教会に宛てて、「福音伝道の新しい第一章に乗り出す」ように指示した。この勧告によれば、カトリック教会はそれ自体が「使節訓練の共同体」であって、「永遠の使命を受けている」とする。「フランシスコの公約」そして「教会改革憲章」とも記述される。

 

 

コメント:

Evangelii gaudium「福音の喜び」とは裏腹に、カトリック教会の悲痛な嘆きが感じられます。フランシスコ教皇の出身国であるアルゼンチンなど南米諸国も、イタリアもCovid-19の多数の犠牲者を出し続けています。教皇が所属していたイエズス会といえば、中国での教線拡大のため、過去の歴史を反省せず、現在でも中国共産党と妥協を謀っているのではないかという懸念が私にはあります。

 

 

東京歯科大学市川総合病院循環器科の大木先生は、新型コロナウイルスに関して、とてもわかりやすい解説を掲載されています。御経歴からすると私より大分若手であるようですが、見習いたいと思いました。

 

私は、同市内にある昭和学院短期大学の客員教授として10年ほど勤務していたことがあり、この病院の前は数えきれないくらい通過していたのを懐かしく思い出します。

『知っておきたい新型コロナウイルス感染症COVID-19』

 

【新型コロナウイルス感染症の今後】

あるウイルス感染症にかかって、2週間でウイルスが免疫の力で完全に死滅して治癒すると仮定するならば、もしその2週間の間に全く誰にも接触せず、会いもせず、触ったものが他の人に渡ることもないような完全ロックダウン状況が作れれば、いかに大きなパンデミックがやってきていたとしても、2週間後には世の中からウイルスは消失しているため、理論的にはたったの2週間で流行は完全に終息します。

新型コロナウイルス感染症においても、そのような完全ロックダウンによる対処方法はかなり有効であると考えられます。

歴史的にもパンデミックがやってきたとき、人はそうして伝染病に対抗してきました。

 

しかし前述したように、持続感染の可能性があることや、完全なロックダウンがなし得ないため、2週間で完全終息させることは不可能です。ロックダウンに可能な限り近い状態を作ることによって、少しでも早い終息が図られています。

ロックダウンに近い状態が作れない場合には感染は延々と収束せず、第二波、第三波を形成してしまいます。

現在の医療態勢でも対応できるくらいに患者数を減らさなければなりません。既に多くの感染者が見つかっており、このままで推定される感染者は医療資源を大きく超える数です。

 

コメント:

東京や大阪など8都道府県を除き、ようやく新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言が解除されることになりました。

一方で、第2波への備えの必要性が叫ばれています。第1波では残念ながら科学的根拠に基づく対応がとれなかったが、この間の失敗を無駄にせず、第2波については、科学的根拠に基づいた対策を取りたいものです。

 

台湾で、新型コロナウイルス感染の確定診断がついた100人に濃厚接触した2761人について、患者のうち9人は無症状、濃厚接触者の内訳は、家族が219人、病院関係者が697人、その他が1755人でした。早期からの防疫体制が整っていた台湾であったとしても、これはわが国の今後を予測するうえで無視できない数字です。

 

改めて、新型コロナウイルスの陽性者および濃厚接触者は、いつまで隔離すべきなのでしょうか? 現在の基準では、隔離を解くには、依然として陽性者はPCR検査で2回続けて陰性が確認されることが必要です。自宅やホテルでの療養者も、検査で2回陰性が確認されるか、2週間の隔離が求められます。濃厚接触者も原則、患者に接触した時点から2週間の自宅待機を求められています。

 

残念ながらわが国からは、新型コロナウイルスの診療に有用な情報は、ほとんど発信されてきませんでした。今回のコロナパンデミックにあっては、中国からは怒濤の勢いで重要な研究結果が報告されています。とくにWHOのパンデミック宣言後の報告や考察は比較的有用なものが増えてきているように思われます。

 

もっとも台湾からの報告は台湾疾病コントロールセンター(CDC)が主導した研究であり、武漢での新型コロナウイルス感染の流行を早期に感知し、直ちに研究計画が立てられたものです。台湾で最初の新型コロナ感染の患者が確認されたのは1月21日ですが、感染力のある機関についての研究は1月15日から始まっていました。

今回のコロナパンデミックに対する台湾CDCの対応が世界で高く評価されているのは、単に医療と政治が一体となって国民を防衛する戦略の優秀性と高い倫理性にあるように思われます。

 

<明日へ続く>

第4節:

名古屋から東京への搬送。息子はその様子を見守った


防護服を着た医師が付き添ってドクターカー(註1)というものでですね東京まで搬送していただいたんですが、10人か15人ぐらいのスタッフの方が取り囲む中を父が運ばれてきて、外にコロナウイルスがもれないように完全に密閉されているような状態だったと思うんですけれども、そこで初めてガラス越しじゃない父を見ることができて。

 

注1:ドクターカー(Doctor car)とは、

人工心臓マッサージ器や人工呼吸器、検査装置等の医療機械を搭載し、医師、看護師などが同乗して 医療機関搬送前の現場などへ直接出動する救急車の一種です。

一般的に医師が同乗するとドクターカーとなるので車両表記がDOCTOR CARと記載される場合があるが、転院搬送の為だけに保有する場合は「医療機関の救急車」と呼び、ドクターカーとはいわない、とする意見も一部には存在しました。

しかし、厚生労働省は、「医療機関の救急車」 と 「ドクターカー」 とを明確に区別はしていません。実際には一般病院から依頼を受け、容態の急変した患者を転院搬送(迎え搬送)に出る事例は決して珍しくはありません。

さらに、医師搬送のみを行うという乗用車型も存在し、また、通常は転院搬送のみに用いるが、有事の際はDMAT車両として運用するというケースも一般的に見られます。そのため、ドクターカーの定義は、車体そのものを指すというよりも、その救急車両の 運用目的 によって定義するのが現在では有力です。

ドクターカーは救急現場に一刻も早く医師や看護師が駆けつけて初期治療を始め、救命率を向上させることを目的としています。そして、救急現場や搬送途中から救命治療を開始する体制を整備し、治療開始までの時間をほぼ半減させることで救命率の向上を図ろうとしています。

 

 

その後はドクターカーに乗っていく…。現実なんですけど、映画のような、これは夢なのか現実なのか。現実としてもあまりにも今まで経験したことがないような光景だったもんですから。悲しいとか、そういう感覚がなくて、ただぼう然と光景を見ていたという感じですかね。


本当は「ありがとうね」って遠くからでも声をかけたかったんですけど、僕そのとき「頑張れ」って言っちゃって。どうにか助かってほしい、何とかなるかもしれないっていう気持ちと、だめかもしれない、でもだめってことを僕は認めたくないですよね。ですから、出てきたことばは「頑張れ」っていうことばで。「ありがとう」とか、「そんな無理しなくていいよ」って言ってしまうと、父が亡くなってしまうかもしれないっていう気持ちがどっかにあったんですよね。

 


コメント:

「医学の進歩に貢献」しているはずのWHO(世界保健機関)がテドロスという中国共産党に操られた歴代事務局長の中でも最悪の人物によって世界に大きな不幸をもたらしました。

これに対して、一見、目だって進歩していないように見える医学とは中医学・漢方です。5月18日・19日のWHO年次総会(194か国オンライン参加)は、トランプ大統領による、テドロス事務局長宛ての抗議文書は歴史的に大きな意味を持つものといえます。

ただし、現代医学による最大の貢献をしている米国の大統領が自ら内服していたのがクロロキンという抗マラリア薬(その後、無効に加えて有害性が指摘されたため20日にて中止)に対して、漢方(中医薬)・薬膳の恩恵を最大限に利用しているはずの中国共産党の幹部集団は、恐れることなく5月22日に全人代(2987人)を開催しました。米中のこの違いは大きいです。
 

クロロキンをcovid-19の予防のために内服するというのは、お粗末な話です。私は、トランプ氏はCPR検査で陽性になっている可能性も完全には否定できないと考えています。大統領がクロロキンを内服しているということ自体が重要な国家機密たりえるはずなのですが、最近の米国の大統領の行動の意図は、北朝鮮の金正恩と同様不可解です。
 

私がここで申し上げたいことは、「医学の進歩」とは何かということの問題提起です。covid-19対策で世界の先進国が行っていることは、新しいワクチンの開発と既存の薬剤による集団人体実験を経験して学ぼうとしています。これに対して中国が行っていることは、すでに歴史的に経験を蓄積し、数多の疫病を克服してきた民族の叡智の結晶を活用していることです。
 

『愚者は経験から学び、知者は歴史から学ぶ』という格言があります。私が考えるのは<歴史から学んだうえで経験や新しい知見によって絶えず検証を続ける>という方法なのです。この症例の男性は、早期から『地竜(じりゅう)』を内服していれば、助かった可能性があると、私は残念に思います。この点については明日。

 

<明日へ続く>

心不全診療の具体的な実践(水氣道®の効用)

 

心不全とは、心臓のポンプ機能の代償機転が破綻した結果、呼吸困難、倦怠感や浮腫が出現し、それに伴い運動耐容能力が低下する状態をいいます。

いったん心不全を発症すると生命予後は不良であり、日常生活に著しい悪影響を与え生活の質は低下します。

 

心不全の有病率は先進国では1~2%であり、65歳以上で1%、80歳以上では10%と加齢に伴い有病率が上昇します。また、生涯における心不全リスクは3~5人に1人です。

 

わが国に限ってみてみると、心疾患による死因別死亡総数は、がんに次いで2番目です。

そのうち心不全関連死は死亡数が最も多い。心不全の予後は、5年生存率は50%であり、これは多くのがん腫と同等です。急性心不全による入院を経験した患者群では1年以内の死亡率は30%に達します。

2030年には患者総数は130万人に達すると予測され、心不全パンデミックが危惧されています。そのような中で、日本循環器学会・日本心不全学会から「急性・慢性心不全診療ガイドライン2018」が公表されました。

 

当クリニックでは、これに基づいて、4頁にまとめた「心不全マニュアル」(杉並国際クリニック受診者専用)を作製して診療指導に用いています。

 

非薬物療法としては、セルフモニタリングと運動療法が推奨されています。運動療法の維持・改善によって、心不全を含むすべての病気での入院を抑制できる運動療法の役割は重要です。外来診療においては安定期の心不全の患者が対象となります。

 

セルフモニタリングとしては血圧、脈拍、体重、心不全状態などの自己観察と記録が基本です。その他、不整脈の有無、息切れ、むくみ・疲労感などの症状があれば、記録用紙の備考欄に記入します。症状の悪化を認めたり、体重が数日から1週間で2㎏以上増加したりする場合には急性増悪が示唆されるので、ただちに主治医に連絡するようにします。

 

運動処方では、強度、時間、頻度の設定が基本要素です。

強度:

最大酸素摂取量の40~60%、

最大心拍数の50~70%、

心拍予備能(最大心拍数-安静時心拍数)の30~50%

自覚的運動強度(ボルグ・スコア)では11(楽である)~13(やや辛い)程度
 

時間:1回30~60分
 

頻度:週3~5回

 

最大心拍数を推定する計算式は複数あります。
以下の数式で推定値を算出することをお勧めします。

最大心拍数=206.9−(0.67×年齢)

 

このように、ガイドラインは親切な指針を示していますが、実際の外来診療で、こうした貴重な情報を活用できているという話は聞いたことはありません。

実にもったいない話です。その理由は、セルフモニタリングまでは患者さんが実施してくれますが、処方通りの運動療法を継続的に行なうということは、かなりハードルが高いからです。こうした現実を踏まえて創出した運動療法の新体系が2000年に萌芽しました。

それが水氣道®なのです。指導者が患者さんと共に実践するのがベストであるという信念はますます確かなものになってきています。

 

なお、心不全に対しては、セルフモニタリングと運動療法の他に、栄養食事療法が重要です。

「わかりやすい臨床栄養学(第6版)」<三共出版>2020・4にて詳しく解説しています。

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<私のフランス語修行>

新型コロナウイルスワクチン開発成功の夢

 

今月は、私のフランス語修行の進捗状況を御報告させていただいております。

 

さて、私はそもそもビジネス向きの人間ではありません。それが証拠に開業医となってこのかた30年、経営者としての意識は皆無に等しかったかもしれません。しかし、昨今の状況の中で、開業医も経営者、それも末端の零細企業のオヤジに過ぎないことを感じています。

 

私などは相当な研究費や調査費ならびに臨床医としての医学研鑽費用も、これまですべて私個人の可処分所得の中から捻出してきているので、今後はクリニックの経営との両立をはかることに真剣でなくてはなりません。

そもそも日常医療継続か研究研修研鑽かという二者択一を迫られる現実ということは絶対にあってはならない発想なのですが、このままでは医療機関の財政状態は末端に至るまで、さらなる危機に瀕し、日本の医療水準は顕著に低下していくことになってしまうことを憂いています。

 

そこで、これからは義務や責任やリスクばかりを当然のように押し付けられている現状から脱却して、医療のプロフェッショナルとして当然確保すべき権利や自由や安全の確保のため、政府や自治体、ならびに医療関連の企業ともしっかりとした交渉ができるような技能を身に着けていかなければならないと考えるに至りました。

そのためには、マスメディアを苦手としていては達成できないこともあります。しかし、まずは無理をせず「櫂より始めよ」ということでしょうか。私の同級生の中には、新型コロナウイルスワクチン開発部門の責任者として活躍したいのだが、実際には既存の薬剤に当たりをつけて何とか間に合わせようと必死のようです。

 

 

課題:あなたは管理職であり、明日の段取りを知らせるためにあなたのチーム全体にグループメールを書きます。

 

Vous étes manager et vous ecrivez un mail de groupe à toute votre équipe pour les informer du programme de demain.

 

 

以下は、連休中に私が見た儚い夢を下敷きにしました。あり得ない話なのですが、フランスのルイ・パスツール研究所で活躍しているのです。

そしてワクチンの開発に成功していたのでした。ちなみにパスツールPasteurとは羊飼い、牧者という意味で、le Bon Pasteurは良き羊飼い、すなわちキリスト、小文字で書けばプロテスタント教会の牧師の意味になります。

また動詞化したpasteuriserでは、低温殺菌する、という意味で用いられています。

 

 Object: programme de demain

 

Chers collaborateurs,
Demain, cʼest le jour de la conférence de presse officielle des vaccins contre le nouveau coronavirus (Covid-19), où nous et tous les membres du département de recherche et développement avons fait de leur mieux. Comme vous le savez, lʼEurope, les États-Unis et le Japon nʼauront pas un brillant avenir si la Chine et la Russie réussissent en premier. Parce que comme les animaux expérimentaux précieux sont des créatures, il est impossible pour tout le monde de quitter le laboratoire. Il nʼy a pas de vacances dans la recherche et le développement.

 

Pour cette raison, comme nous lʼavons décidé plus tôt, nous divisons lʼensemble en groupes A, B et C. Le groupe A est un effort de relations publiques, le groupe B est en charge de la protection de la vie privée et de la sécurité, et le groupe C espérons continuer à travailler comme dʼhabitude en laboratoire. Si vous avez des problèmes, veuillez me contacter directement. Jʼai hâte du succès de demain.

 

Très cordialement,
Louis Iijima,
Directeur de division des recherches-développements

 

 

件名:明日の段取り

 

 

当部門のスタッフの皆様へ

 

 

明日は、私たちと研究開発部門の総員が最善を尽くしてきた新しいコロナウイルス(Covid-19)に対するワクチンの公式記者会見の日です。周知のように、中国とロシアに先を越されれば、欧米と日本の明るい未来は期待できないでしょう。研究開発には休日はありません。

貴重な実験動物は生き物なので、誰もが研究室を離れることは不可能だからです。

 

そのため、予め申し合わせていたように、組織の全員をグループA、B、Cに分けます。グループAは広報活動であり、グループBは個人情報とセキュリティを担当し、グループCは通常通り研究室で働いていただこうと考えています。何か問題がある場合は、私に直接連絡してください。明日の成功を楽しみにしています。

 

 

非常に心から、

ルイ飯嶋、

研究開発部門部長

東京歯科大学市川総合病院循環器科の大木先生は、新型コロナウイルスに関して、とてもわかりやすい解説を掲載されています。御経歴からすると私より大分若手であるようですが、見習いたいと思いました。

 

私は、同市内にある昭和学院短期大学の客員教授として10年ほど勤務していたことがあり、この病院の前は数えきれないくらい通過していたのを懐かしく思い出します。

『知っておきたい新型コロナウイルス感染症COVID-19』

 

【新型コロナウイルス感染症の治療】

ウイルス感染症の治療は、体内からウイルスを除去することが目的ですが、その方法には、ウイルスを直接攻撃して破壊する方法、ウイルスの増殖を抑制して身体の免疫力に頼る方法、および免疫力を増強する方法などがあります。

 

新型コロナウイルスを直接攻撃する薬剤は今のところ見つかっていません。

増殖を抑制する薬剤として、既存の他のウイルスの増殖を抑制する薬剤の効果が試されているところです。

免疫力を増強する方法としてワクチンや薬剤がありますが、いずれも開発中です。

新しいワクチンや薬の開発には長い年月を要しますので、今のところ他のウイルスに対する治療薬を使用する方法が一番期待されています。

 

コメント:

他人に感染させるリスクがなくなれば、隔離は不要です。その期間が1週間程度だとすれば2週間以上の隔離は絶対ではありません。

感染難治性血液疾患などを専門とする小島勢二・名古屋大名誉教授は、最新の知見では、発症から1週間経てば他人に感染させるリスクはほぼなくなると紹介しています。ただし、その判断根拠となるデータは、日本のものではなく台湾のものです

台湾のデータはわが国のものより信頼できます。

中国のデータをそのまま鵜呑みにしている政府や研究者の一部が未だに存在しているのは不思議です。

中国のデータで信用できるものは、おおざっぱに言えば、文化大革命よりずっと以前の医学情報に限ります。ただし、中国の医学データを信用するためには、他国のものとすり合わせて比較検討することが必要だと思います。

 

台湾で、新型コロナウイルス感染の確定診断がついた100人に濃厚接触した2761人の濃厚接触者のうち、二次感染したのは22人(0.8%)でした。

軽症患者よりも重症患者に接触した人の方が感染するリスクが高く、無症状の患者に接触した91人のうち、二次感染をおこした人はありませんでした。これは、単独でも信ぴょう性が高い情報ですがドイツのデータとも符合しています。
  

二次感染した22人のうち、10人は患者に症状が出る前の接触歴があり、9人は症状が出た日から3日以内、3人は4日目あるいは5日目でした。

すなわち、発熱やせきなどの症状が表れてから6日目以降に接触しても感染しませんでした。二次感染者の半数には患者に症状が出る前に接触歴があったが、この時期に患者との接触を避けるのは不可能ということになります。
   

台湾では、今回の結果をもとに、発症後1週間経過し、病状が悪化する恐れがなければ隔離する必要はないとして、自宅療養を勧めることになりました。
  

残念ながら、日本では海外に向けて指標になるような調査・研究が見当たりません。

 

すぐれた医学情報は、すぐれた行政対応を抜きにしては獲得できません。ドイツや台湾の政治指針や危機管理システムは日本のものより数段優れていることを謙虚に見直して、今からでも改善を図るべきだと思われます。

 

<明日へ続く>

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ11症例の研究

 

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。感染した人や家族の話を通して、その一端を知るため、NHKが行ったインタビューの内容をできるかぎり詳細にお伝えします。

 

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は緑文字として区別しました。

 

症例6:故郷に戻れず逝った父(その3)

第3節:思いがけない事態に ~息子の話~

 

入院4日目、肺炎が進行したため男性はICU(註1)に移された。翌日には気管挿管(註2)したが、さらに症状は悪化した。

 

息子が主治医から受けた説明はー

 

ICU(註1)

Intensive Care Unitの略

日本集中治療医学会で「集中治療のために濃密な診療体制とモニタリング用機器、ならびに生命維持装置などの高度の診療機器を整備した診療単位」と定義されています。

病院内の施設の一種。呼吸、循環、代謝その他の重篤な急性機能不全の患者を24時間体制で管理し、より効果的な治療を施すことを目的とします。

集中治療室では一般には「病棟で重篤な症状を表した患者」「救急患者のうち継続的な状態管理が必要な患者」「手術後に高度な状態管理が必要な患者」など急性期の重症患者を受け入れます。

このケースでは、「病棟で重篤な症状を表した患者」に相当します。しかし、今日の一般病棟では、血圧、呼吸、酸素飽和度などの24時間モニタリングを実施することは可能なので、集中治療室がすでに使用されている場合は、やむをえず一般病室で24時間モニタリングを受けてしまう可能性が高く、医療従事者をはじめ院内感染やクラスター発生の原因にもなっている可能性があります。

 

気管挿管(註2)

人工エアウェイ(息の通り道)を必要とする患者の多くは,気管挿管によって管理可能です。経口気管挿管は,一般的には経鼻気管挿管よりも通常手早く施行できるため無呼吸および重篤(critically ill)の患者で選択されます。

経鼻気管挿管は意識があり自発呼吸を行っている患者または経口挿管を避けるべき場合にのみ用いられます。

このケースでは、この段階で意識レベルがかなり低下していたことが想定されます。

また、以前から、気管挿管は特にエアロゾル発生のリスクが高い手技だと言われていました。

呼吸困難で搬送される人の多くがCOVID-19という状況下では、気管挿管を陰圧個室で、かつガウンやキャップも付けるフルの個人防護具で行うべきでしょう。

米国の救急室では気管挿管チームを作って待機させておき、必要最小限の人数で気管挿管を行って、感染リスクを下げているところもあるようです。ただ、日本の施設でそれが可能なところはかなり限られているようです。

 

 

酸素濃度の状態が悪くなってきたということで、人工呼吸器のサポートでもすでに限界であろうと。そのときに「人工心肺、ECMO(註3)というものがありますから、それを使った治療に切り替える必要があります。最大限効果を引き出すためには、専門の先生がいらっしゃる病院に転院する必要があります。転院する形になってもよろしいですか」と。


ECMO(註3):
人の肺の代わりに人工的に作られた人工肺によって酸素と二酸化炭素の交換(ガス交換)を行うのがエクモです。エクモはガス交換をする人工肺(膜型人工肺)と、体内から血液を取り出し人工肺に 血液を送り体内に送り戻す血液ポンプによって構成されます。人の肺の代わりに人工的に作られた人工肺によって酸素と二酸化炭素の交換(ガ ス交換)を行うのがエクモです。エクモはガス交換をする人工肺(膜型人工肺)と、体内から血液を取り出し人工肺に 血液を送り体内に送り戻す血液ポンプによって構成されます。老廃物を含んだ血液を老廃物の少ない血液に換えるのが腎透析(人工腎臓)だとすると、ECMOは血液に溶けている二酸化炭素が多い血液を酸素が多い血液と交換する肺透析(人工肺)をイメージしてみるとわかりやすいかもしれません。

 


最初は三重県と言われたんですけども三重は病床の空きがなくて、しばらくは名古屋の今の病院でっていうこともご検討いただいたみたいなんですが、東京のほうで病床に1つ空きがあるから、そちらのほうへと言われました。最初に聞いたときは、父はずっと愛知県で生まれて育ってるもんですから、東京というところに1人で行かせるのがかわいそうだなっていうのは感じたんですね。でも、主治医の先生がご苦労されて見つけてくださった結果だと思ってましたので、そうやって提示していただけるだけでもありがたいことだなと思って。


ECMOの詳しい説明(註4)もありました。当然、高齢ですから、「ひょっとしたら救命できない可能性もあります」と。それから、つけてる間に感染症にかかったり、血栓ができてしまって脳梗塞であるとか、呼吸がなくなってしまうリスクとか、どこからか出血をして重大な状態になるかもしれないってことも説明を受けて。

 

ECMOの詳しい説明(註4)
ECMO装着で起こりうるトラブルとしては、 人工肺異常(酸素化不良)32% 、 回路からの出血・回路損傷 15% 、回路内血栓 9% 、ポンプ異常5% 、カニューレトラブル・抜去 5% 、回路内への空気混入3%、その他12%があります。トラブルの3分の1が人工肺異常(酸素化不良)であるということは、装着のタイミングを逃してしまうケースが少なくないことを示唆するものと考えます。

ただ、今、コロナウイルスの治療に関しては、大きなネットワークができていて、その中で病院の垣根を越えて治療が行われている。そういうところで万全の態勢で治療をするということと、今後出てくる患者さんの治療にすごく役に立つからということも言われたんですね。
ひょっとして父はだめかもしれないなって、その時思ったんですけども。でも医学の進歩に貢献(註5)できるんだったら、それはきっと父も喜んでくれることかなと思ったものですから、母と相談して、それが最善の方法であればお願いしましょうということになりました。

 

医学の進歩に貢献(註5)
「医学の進歩に貢献」するという貴い言葉に久しぶりに出会えたような気がします。なぜならば、「現代医学は十二分に進歩していて、その恩恵に預かれるのは当然の権利である。したがって、期待した結果が得られないのは、医療従事者の債務不履行である。」といわんばかりの世相の風潮を感じるからなのかもしれません。しかし、初期判断やそれに基づく行動にほとんど無駄のなかったこの方の命を、顕著に進歩しているかのように一般に信じられている現代医学が救うことができなかったことはとても残念です。この件については明日に続きます。

著名ドイツ人シェフによる臨床栄養学「食事はすべてを変える」No3

 

gettyimages/Mike Meyer 

FOCUS-Online-Autorin Monika Preuk

フォーカス・オンライン著者モニカ・プロイク

 

Mehr Gemüsestände statt Bäckereien in die Städt

町にはパン屋のかわりにもっと多くの野菜スタンドを

 

FOCUS Online: Für viele ist das schwer zu realisieren.

フォーカス・オンライン:多数者にとって、それの実現は困難なのでは?

 

Holger Stromberg: Die Realität vieler Menschen sieht ganz anders aus, auch weil die äußeren Gegebenheiten nicht stimmen. In den Städten gibt es immer mehr Bäckereien mit Tagescafes, in denen Menschen stundenlang sitzen, viel Kohlenhydrate und Zucker zu sich nehmen, mit den bekannten Folgen für die Gesundheit. Gemüsegeschäfte dagegen verschwinden.

ホルガー・シュトロンベルク:大勢にとっての現実は個々人によって大きく異なります。また与えられている他の条件が一様ではないからです。都市部では毎日通うカフェとともにパン屋はますます増えています。そこで人々は何時間も屯し、大量の炭水化物と糖質を消費し、相応の健康状態となっていきます。八百屋は、これとは反対に消滅しつつあります。

 

FOCUS Online: Gemüseladen statt Bäckerei wäre also ein Anfang?

フォーカス・オンライン:それではパン屋の代わりに八百屋を始めるべきということですか?

 

Holger Stromberg: Wir müssten bei der Politik einfordern, dass in den Städten kostenfreie Plätze für Stände und Imbisse mit regionalem Gemüse und Gemüsesnacks zur Verfügung gestellt werden. Die Mieten für entsprechende Immobilien sind nämlich so hoch, dass in diesen Geschäften keine hochwertige Qualität zu normalen Preisen angeboten werden kann.

ホルガー・シュトロンベルク:私たちは政治に要求しなければならないことがあります。それは町には地元産の野菜を売る店舗や軽食堂を営業するための無料の場所を求めるということです。関連する不動産賃貸料がとても高いので、そうした場所にある店舗では通常価格で高品質のものを提供することはできません。

 

Sogar Profisportler profitieren von Pflanzenkost

プロの競技選手でさえ植物性食品から恩恵を受けている

 

FOCUS Online: Bei den Diskussionen um vegan, also pflanzenorientiert statt fleischlastige Ernährung, kommt oft das Argument, bei Pflanzenkost bleibt die Leistung auf der Strecke, was nicht nur für Sportler wichtig ist.

フォーカス・オンライン:菜食主義についての討論で、たとえば肉類中心の食事の代わりに植物性食品指向の食事といったテーマがしばしば問題となるのは、植物性食品で長距離の成績を維持することです。それは運動選手だけに重要なのではありません。

 

Holger Stromberg: Das Gegenteil ist der Fall, pflanzenbasierte Ernährung kann die Leistung sogar steigern. Im Ausdauersport sind komplexe Kohlenhydrate wichtig, wie sie etwa Vollkornprodukte, Wildreis und manche Gemüse liefern.

ホルガー・シュトロンベルク:その事例は逆で、植物性中心の栄養は運動成績をむしろ向上させるというものです。持久性のスポーツでは全穀粒、野生米、何種類かの野菜のような複合炭水化物が重要です。

 

FOCUS Online: Der Film The Game Changers setzt sogar auf vollständige vegane Ernährung. Hauptprotagonist des unter anderen von Arnold Schwarzenegger produzieren Films ist James Wilks, Ex-Mixed-Martial-Arts-Kämpfer, heute Trainer von Elite-Militäreinheiten, der berichtet, er hätte mit veganer Kost noch mehr Leistung und Muskeln aufgebaut. Für Sie nachvollziehbar?

フォーカス・オンライン:映画「試合の流れを変える選手たちでさえ完全な菜食主義食事療法に焦点を当てている」アーノルド・シュワルツェネッガー監督の映画の主役、ジェイムズ・ウィルクスは傑出した武道格闘家で、今も選抜軍人班の指導者で、菜食主義の食事でより大きな力や筋肉を築いてきたと報告しました。あなたの立場からも了解可能でしょうか?

 

Brokkoli bietet mehr Proteine als Rindfleisch

ブロッコリ―は牛肉より豊富なたんぱく質を供給する

 

Holger Stromberg: Unbedingt! Gerade beim Kraftsport dachte man ja früher, ohne Fleisch geht das nicht, wegen der Proteine. Tatsache ist jedoch, dass dabei viel mehr Eiweiß zugeführt wird, als nötig ist. Und außerdem enthält Pflanzenkost reichlich Proteine, Hülsenfrüchte beispielsweise rund 30 Prozent pro 100 Gramm, Brokkoli mehr als Rindfleisch! Sogar Kopfsalat enthält Proteine. Auch mit Pflanzenkost kann man Weltmeister werden.

ホルガー・シュトロンベルク:間違いなく了解です。とくに格闘技では、蛋白質摂取という意味では肉なしでは済まされないと考えてきました。しかし、事実としては実際に必要とされるより多くの蛋白質が供給さています。そのうえ、植物性食品豊富なたんぱく質を含有していて、たとえば豆類では100グラムあたりおよそ30%を占め、ブロッコリ―も牛肉より豊富に含んでいるのです!レタスにさえ蛋白質が含まれています。植物性の食事で世界チャンピオンになることも可能です。

 

20200513

不整脈診療指針の変遷(なぜ心療内科医が不整脈治療を得意?とするのか)

 

わが国における不整脈患者数は増加しています。その中でも最も多くみられる心房細動の患者数は約170人と推定されています。心房細動は特に加齢とともに増加するとされ、欧米では40歳以上になると4人に1人が心房細動を発症するようです。わが国でも高齢化に伴い患者数は増加傾向にあり、この増加の傾向はさらに続くものと予測されています。

 

不整脈の原因として最も多いのは加齢に伴うもの以外には、ストレス、睡眠不足、疲労、アルコール摂取などです。この他には虚血、心臓弁膜症、高血圧、などを含めた心肺疾患、甲状腺疾患を基礎疾患として起こりやすくなります。

 

不整脈治療の原則は正しい診断、病因・誘因への対応、治療適応への判断、治療目標の設定です。原疾患や誘因がある場合には、まずその治療を行うことが第一歩です。
ところで、以前は速やかに不整脈を完全に消失させることを最大の目標に治療を行っていた時期がありました。しかし、その後の大規模研究の結果、軽症の不整脈に対する長期の抗不整脈薬投与は、かえって新たな不整脈を呼び起こし(催不整脈作用)たり、副作用の出現によって長期予後を悪化されることが知られるに至りました。

 

現在では、患者のQOL改善および長期予後の改善を得ることを優先しています。症状が軽ければ生活習慣の改善などの指導を行うだけで積極的な薬物療法は行いません。ただし、心房細動の管理では、不整脈を抑えること以上に脳梗塞の予防が重要となります。

 

杉並国際クリニックでの不整脈診療は、軽症もしくは心房細動であるケースがほとんどです。

私が最も長期にわたって診させていている方は、80歳の男性です。循環器内科の専門医からの紹介で、すでに30年間のお付き合いです。その方は初診のときにすでに心臓弁膜症による心房細動で、かなり進行した左心不全を伴っていました。

当時の私の予後予測は最大で5年でした。念のため精密検査を依頼した東大の循環器内科でも同じ見立てでした。

しかし、その後の医学の進歩により、新しい治療法でタイミングよく幾多の生命の危機を乗り越えてこられました。

定年を延長して75歳まで仕事を立派に全うできたことは何よりもうれしかったとのことです。彼は現在でも大変お元気です。次は90歳を目指して、毎日充実した日々をお過ごしいただいております。

 

繰り返しますが、不整脈治療の原則は正しい診断、病因・誘因への対応、治療適応への判断、治療目標の設定です。

原疾患や誘因がある場合には、まずその治療を行うことが第一歩です。しかし、明らかな原因がみられず、日常生活を注意深く観察することによって、少しずつ誘因が見えてくることが多いです。その誘因というものは、ご本人の性格や無意識の習慣あるいは嗜好と密接に結びついていることがあります。

 

心療内科の指導医である私にとっても手ごわい病気が3つほどあります。

それは慢性不整脈の患者さんに限った話ではないのですが、慢性疼痛性疾患や呼吸器・循環器などで絶えず生命の危機に怯えてきた方に伴いやすい3つの合併症です。

それは心配・貧乏性、潔癖・完璧症、悋気症の3つの病です。超高齢化、不透明な社会経済情勢を反映しているためか、最近増えてきたのが最後の悋気・我儘症です。

最初の二つは根気強くお付き合いすれば何とかなります。また水氣道®で鍛えればさらによくなります。また、聖楽院に入学していただくことによっても改善を確認しています。

しかし、最後の病気の人は、それを受け入れようとすらしないので、全くお手上げの状態です。やむを得ず、お近くの医療機関へご転出願うこともあります。