水氣道と私~私の水氣道3ステップ~

<ステップ1>

 

AO2

 

 

<委ねる

 

大坂さんがシンプルにこう記述されている様に、

 

それは水氣道の基本と言っても過言ではないと思います。

 

 

なぜならば、基本五航法のほとんどが水に体を委ねる形になっているからです。

 

 

その中でも特に分かりやすいのは第四航法(つま先浮かし歩き)を構成する

 

全4節のうち、第2節の<承>の形と第3節の<転>形です。

 

<転>は背中を水に委ねつつ、同時に前に伸ばした足も水に委ねて浮いた形になります。

 

 

水に委ねた背中と遊脚は、支持脚を中心軸として後ろと前で、まるでヤジロベエのような動的な平衡状態となる感覚が得られて来たらしめたものです。

 

 

しかしながら、そもそも「委ねる」と言われても、最初はなかなか上手くできないものです。

 

 

それでは、実際にどうすればよいのでしょうか?

 

まずはプールに入り水に慣れることから始めましょう。

 

大坂さんの記述にもある様に「何も考えずにやってみる」ことです。

 

 

プールに入る回数を重ねる毎に自然と体の力が抜けてくることに気が付くでしょう。

 

そうして徐々に水に体を委ねることができるようになります。

 

 

親水航法は、こうした過程が捗(はかど)るように助けてくれる準備運動です。

 

初心者の方をはじめ、慣れている方でも、何かのきっかけで体に力が入ってしまい、

 

そのまま緊張が抜けなくなってしまうことがあります。

 

そんな時こそ上達のチャンスです。

 

親水航法から丁寧に行ってみましょう。

 

 

そうすることで水に馴染み、水に体を委ねる状況を味わえるならば、

 

その時の自分の体の状態を知ることができます。

 

 

その状態で系統的に稽古を進めていけば、おのずと緊張から解放され、体の力が抜けてくることを実感できることでしょう。

 

 

親水航法で、しっかりと心と体(氣)を良い状態にし、

 

その後の準備体操(イキイキ体操)や基本五航法その他の応用航法に備えましょう。

 

 

日本水氣道協会 水氣道2級(中等修錬生)

 

調血航法直伝 加藤博文

総合リウマチ科(膠原病、腎臓、運動器の病気を含む)

 

<超高齢社会におけるリウマチ・膠原病>

 

 

参考:日本内科学会誌106:2115~2117,2017

 

日本内科学会誌という医学雑誌は、私が熟読している医学雑誌の一つです。

 

昨日、このコラムを書く準備をしていたところ、デスクの上にこの雑誌(特集:高齢者におけるリウマチ・膠原病のマネジメント)が置いてありました。

 

この何でもない気配りの御蔭で私の日々の臨床が捗っている訳です。アリガトウ野口さん!

 

 

この特集のトップを飾るのは慈恵医大リウマチ・膠原病内科の黒坂大太郎先生の論文です。

 

そもそもリウマチ・膠原病というと専門医の私ですら、若い世代あるいは中年の女性が頭に浮かびます。

 

しかし、最近では高齢になってから発症する患者さんを拝見するケースが増えているのに気が付いていました。

 

この高齢者に対して、若年者と同じように、つまり診療ガイドライン通りの診療を行うことはできないので、諸々の現場の工夫を凝らしてきました。

 

まさに、そのことを指摘した黒坂論文に敬意を表します。

 

ただし、このタイプの論文に多い、とても残念なことは問題提起と将来に向けての学術発展の希望的観測に終始しがちである傾向です。

 

 

 

まず高齢発症者に対して特別な配慮を要する理由を挙げてみましょう。

 

1)高齢者において慢性炎症と免疫機能低下が同時に進行している

 

2)高齢リウマチ・膠原病患者は他の疾患を多く合併している

 

 

高齢者では、免疫機能が低下したことにより炎症が起こっている可能性があるため、免疫機能を調節して、炎症を抑える治療方法が理に適います。

 

しかし、現時点では高齢者の膠原病・リウマチ領域の治療法は、若年者と同じステロイドと免疫抑制薬が中心であり、

 

しばしば日和見感染等を合併させるため理に適っていないという負い目があります。

 

生物学的製剤が関節リウマチで使われますが、ニューモシスティス肺炎等の感染リスク因子として「高齢者」が入っています。

 

各種ガイドラインも公表されていますが高齢者特有の病態に対応できているものはほとんどありません。

 

 

高齢者で一番問題なのは腎障害だと考える専門医は少なくありません。

 

リウマチ治療薬の中心はメトトレキサートですが、腎機能が低下している場合には、この薬の投与量を減らさなければなりません。

 

私は、腎臓よりも問題になるのは肺だと考えています。

 

腎臓の場合は腎不全になっても透析という方法がありますが、肺にはそれに代わるものが無いからです。

 

 

そこで高円寺南診療所では、肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチンの接種を勧めています。

 

とくに肺炎球菌ワクチンに関しては、最近はニューモバックス®とプレベナー®を組み合わせて接種するように説明していますが、

 

肺炎の既往があったり、呼吸器感染のリスクが高かったりすることを理解しているにもかかわらず、

 

プレベナー®の接種を拒む方が少なくないのは残念なことだと感じています。

 

 

せっかく素晴らしい問題提起をしている論文であっても、将来に向けての学術発展の希望的観測に終始しがちである傾向は残念でなりません。

 

なぜそのような傾向が続いているのでしょうか。

 

 

その理由は、医学・医療界が薬物療法中心の発想から脱却できていないからに他なりません。

 

そして、次々と診断や治療のマニュアル(ガイドライン)を出して、しかもガイドラインがすべてではない、という立場を取ろうとします。

 

その実、ガイドラインから少しでも外れると、臨機応変な判断が不可能になりがちだからです。

 

 

生活習慣の改善をはじめ非薬物療法である物理療法(鍼灸医学を含む)や運動療法(水氣道®)、

 

必要に応じて心理療法(自律訓練法、認知行動療法)、

 

場合によっては免疫力を高める音楽療法(聖楽院にて実施)は高齢者の免疫力を調整して炎症を抑制すると同時に、

 

膠原病・リウマチに合併する多くの症状に対しても有益である可能性があります。

 

すでに実績を積み重ねていますが、広く認知されるには至っていません。

 

その最大の理由は、専門医ばかりでなく大多数の患者さんまでが

 

「非薬物療法などで改善するはずがない」と思い込んでいるからです。

 

 

高円寺南診療所の使命は、大學病院等とは異なり将来へ向かってのガイドラインによる薬物療法の展望を語ることではありません。

 

その方向ではなく、現に目の前で困っている患者さん、

 

高齢などガイドラインから外れてしまっている目の前の現実の患者さんに

 

何らかの個別具体的な手立てを考え、実践していく臨床にことにこそあると考えています。

 

 

膠原病・リウマチの専門医の多くが無視を決め込んでいる病気に線維筋痛症があります。

 

関節リウマチ患者70万人に対して専門医が群がるのに対して、

 

200万人以上もいる線維筋痛症患者をまともに診ようとする専門医は圧倒的に少ないです。

 

高円寺南診療所を受診中の線維筋痛症の患者さんのうちの何人かは、大学病院の専門医に「線維筋痛症は治らない病気である」と宣告されたことがある経験者です。

 

この医師は、何らかの専門医には他ならないのでしょうが、少なくとも線維筋痛症の専門医ではないはずです。

 

なぜならば、わが国には線維筋痛症専門医は存在しないからです。

 

私とて、線維筋痛症の専門医を自称することは致しておりません。

 

そうであるとすれば、その医師は「線維筋痛症は、私の専門であっても、私には治せない病気です」と誠実にお答えすべきではないでしょうか。

 

 

私が言えることは、「線維筋痛症は、治らない病気ではありません」ということのみです。

 

「非薬物療法などで改善するはずがない」と思い込み、目の前の医師の推奨する手立てを頭ごなしに否定する患者さんに対しては、

 

たとえ神の御加護によるお引き合わせのご縁があったにせよ、全くの無力な存在でしかないからです。

 

総合アレルギ‐科(呼吸器・感染症、皮膚科・眼科を含む)

 

<なぜアレルギー・免疫系疾患が増え続けているのか?>

 

 

近年、先進国を中心に気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどのアレルギー疾患が増加しています。

 

この現象は遺伝的素因以外に環境因子の影響を考えざるを得ません。

 

文明の発達に伴う大気汚染などの自然環境の変化やライフスタイルの変容による屋内環境の変化が影響を与えていると考えられます。

 

 

大気中の原因物質としては、二酸化硫黄(四日市ぜんそく)、一酸化炭素、二酸化窒素、浮遊粒子状物質、微小粒子状物質(粒径2.5㎛以下:PM2.5)が挙げられ、呼吸器など人体の影響が指摘されています。

 

 

また国民病ともいえる花粉症の増加は花粉飛散量の増加が主因です。

 

高度経済成長後の林業の衰退により、花粉の生産能が十分となる樹齢30年以上の樹木が伐採されずに残っていることが花粉量急増の原因とされます。

 

高円寺南診療所で観察してきたことは、スギ花粉の暴露によるスギ花粉症患者の増加が著しいばかりか、

 

スギ花粉症の一般化により、無治療で放置する患者も増え、

 

易感染性(たとえば、ちょくちょく風邪をひきやすくなるなど、しかし、重大な感染症にも罹るリスクも高まります)

 

や気管支喘息発症につながっているケースの激増です。

 

 

一方、屋内では、生活環境中のダニ、ハウスダスト、真菌などが感作抗原となり、アレルギー疾患の発症の原因となります。

 

近代化に伴い居住環境の閉密化が進み、ダニの繁殖に適した空調による温度、湿度などの環境が増えています。

 

 

さらに、アレルギー発症には「衛生仮説」という仮説があります。

 

乳幼児期まで都市部での衛生的な環境に育つと、かえってアレルギー疾患の発症をきたすという有力な仮説です。

 

最近では自己免疫寛容や免疫恒常性の維持に重要な役割を担っている制御性T細胞の関与が示唆されています。

 

それは、乳児期まで衛生的な環境で育つと制御性T細胞の活性低下がみられ、

 

Th1細胞(細菌やウィルスなどの異物に対して反応し、サイトカインという生理活性物質を分泌してB細胞やキラーT細胞を活性化させます)、

 

Th2細胞(ダニやカビ、花粉などのアレルゲンに反応し、B細胞を活性化させて、抗原を退治するため抗体をつくります)、

 

ともに活性化が促進され、アレルギー疾患の発症をきたすというものです。

 

 

 

注目される“花粉症アレルギー症候群(PFAS)”

 

 

花粉症アレルギー症候群(PFAS)は、食物アレルギーの特殊型であり、環境中に存在する花粉に対する感作から発症します。

 

PFASは花粉の感作成立後に果物や野菜などとの交差反応によって引き起こされます。

 

食物摂取直後から、口唇・咽喉頭粘膜の掻痒感、疼痛、血管性浮腫が出現します。

 

特に注意すべきなのはカバノキ科花粉症(カバノキ科にはカバノキ属、シラカバ属があります)です。

 

この患者さんが豆乳などの大豆製品(大豆はピーナッツとともにマメ科)摂取時に全身の蕁麻疹や呼吸困難、さらにはアナフィラキシー・ショックを呈することがあるからです。

 

 

高円寺南診療所での診断は病歴聴取や血液検査を基本としています。

 

皮膚テストによる感作の確認を参考にすることもあります。

 

血液検査で特異的免疫グロブリン(IgE)抗体価を調べますが、花粉の抗体価が上昇していても食物抗原については上昇していないことが多いため、その場合は、生の果物や野菜を用いたプリック‐トゥ‐プリックテストが有用とされます。

 

しかし、入院施設を持たない高円寺南診療所においては、このテストが、確定診断である食物経口負荷試験に次いでアナフィラキシー発症リスクがありため、原則として実施することはありません。

 

 

PFASの場合は、一般的な食物アレルギーとは異なり、加熱などの加工品、缶詰、加熱処理された市販ジュースでは症状を認めない例が多いです。

 

また、ほとんどの果物、野菜の誘発症状は口腔粘膜症状のみであることが多いです。

 

しかし、カバノキ科花粉による大豆アレルギーについてはアナフィラキシー・ショックに陥るリスクが高いため注意を要します。

 

その場合は、アドレナリン自己注射液(エピペン®)の処方をします。

 

<新聞の医療コラムについて思うこと>

 

 

本日付けの東京新聞のコラム紙上診察室に“線維筋痛症”についての私の記事が掲載されることになっています。

 

このコラムにはかれこれ10本以上お付き合いがあります。

 

今回、改めてこのコラムでお世話になっている担当者を何と呼ぶべきなのか考えてみました。

 

思い付きの答え・・・ジャーナリスト

 

 

広辞苑によると、

 

新聞・出版・放送などの編集者・記者・寄稿家などの総称。

 

とあります。わざわざ、journalistと付記しています。

 

 

そこで、Oxford 英英辞典を調べると

 

A person whose job is to collect and write news stories for newspapers, magazines, radio and television-compare REPORTER

 

新聞、雑誌、ラジオ・テレビのニューズ・ストリーを編集し著述することを生業とする人

 

―REPORTERを参照のこと

 

 

出版は雑誌に限らないし、放送はラジオ・テレビばかりではないような気がしますが、いかがでしょうか。

 

日本語の定義の方が緩い気がします。

 

まして、英語ではJobととらえていますが、日本語では編集者・記者はjobかもしれませんが、寄稿家(寄稿する人:広辞苑)は必ずしもjobであるとは限らないような気がします。

 

日本語の方がプロフェッショナルとしての仕事であるという意識が薄い可能性があります。

 

 

それでは、東京新聞の担当者に戻って検討してみると、彼女は明らかにJobとして私とコンタクトをとっています。

 

対象は新聞です。しかし、コラムの内容は果たしてニューズ・ストリーなのか、というところが判明しません。

 

 

そこでnewsを調べてみました。

 

広辞苑では、

 

新しい出来事。また、その知らせ。報道。報知。特に新聞・ラジオ・テレビによる報道。

 

とあります。

 

 

Oxford 現代英英辞典では、

1 new information about sth that has happened recently

 

2   reports of recent events that appear in newspapers or on television or radio

 

1 最近発生した何か(sth=something)についての新しい情報

 

2 新聞、テレビもしくはラジオで登場した最近の出来事の報告

 

 

基本的には、広辞苑もOxford辞典も同じことを言っていますが、

 

ここで発見したことは、新聞、テレビもしくはラジオで報道されてしまえば、

 

その内容自体がニューズになってしまうらしい、ということです。

 

 

高円寺南診療所の医学博士飯嶋正広の書くコラムは、別段新しいことではありません。

 

ノーベル医学生理学賞レベルの大発見の成果を書いたことなど一度もありません。

 

決して新しいことを書いているわけでもありません。

 

むしろ、古きをたずねて新しきを知ることの方が多いくらいです。

 

私にとっては極めて当たり前のことを書いているに過ぎません。

 

しかし、その当たり前のことが、当たり前として通じにくくなっている社会に、あえて当たり前のことを書くから、

 

読む人によっては新しく感じる、新鮮な感動を覚える、ということはあるようです。

 

 

ほとんどすべてのジャーナリストは水氣道の着想がノーベル賞に劣らぬ価値があるとまでは理解できないと思いますし、それを期待することもありません。

 

ただし、幸いなことに、水氣道の真価を理解しつつある会員が優れたリポーターに成長しつつあることです。

 

 

彼らは、ふつうのリポーターではなく、自らの衝撃的な治癒体験や経験の積み重ねを通して体得してきたことの『語り部』としての働きを始めつつあります。

一般内科(循環器・消化器・内分泌・代謝・栄養関連の病気)

 

<腹痛の診療>

 

腹痛は、高円寺南診療所の初診時の訴えで多いものの一つです。

 

中には急性腹症といって、直ちに外科手術が必要なケースもあるので、診断の手順は特に慎重を要します。

 

 

1)バイタル・チェック・・・高円寺南診療所では、診察に先立ち、必ず血圧、脈拍を計測していただいています。

 

これを習慣的に行うことで突発的で重大な医療事故の発生を未然に防ぐことが可能となります。

 

 

2)問診・・・腹痛発現の状態、性状、程度、経過、食事摂取との関連などについて行います。

 

問診の間に、患者さんの呼吸状態(バイタル・チェックの継続)を観察しています。

 

腹痛がどんなときに悪化して、あるいは軽快するかを確認します。

 

たとえば、胃潰瘍では食物摂取により腹痛がひどくなります。

 

嘔吐した後に楽になるのは胃もしくは十二指腸・空腸などの病気、排便後に軽快するものは小腸もしくは大腸の疾患、をそれぞれ疑います。

 

また、体を動かしたり咳をしたりすると痛みがひどくなれば腹膜炎を疑います。

 

座ったり、前屈位をとったりすることによって痛みが軽くなるのは後腹膜臓器のうち膵臓の病気を疑います。

 

 

3)診察・・・まず患者さんの診察ベッド上での姿勢を観察します。

 

痛みを訴える方を下にして側臥位をとりたがる場合は、腹膜炎を疑います。

 

身体をじっとし、冷汗を出しているような腹痛は重篤です。

 

視診によって腹部膨隆の有無、聴診では腸閉塞時の腸管ぜん動不穏、調雑音の亢進、金属音など聞きのがしが無いよう注意深く聴診します。

 

腹部血管雑音が聴取されることもあり、その場合は解離性大動脈瘤や腸間膜血栓症を疑います。

 

触診で最も重要なのは圧痛の有無です。

 

自発痛の部位と圧痛の部位が一致すれば、その部位に腹痛の原因がある可能性が高いです。

 

腹部全体が硬くなる筋性防御を呈する場合は、汎発性腹膜炎であり、広い範囲に腹膜炎が波及している所見です。

 

炎症が高度の場合は腹壁が板のように固くなり板状硬といいます。

 

また、比較的初期の段階であれば、圧痛の確認時に反動痛があれば、腹膜刺激症状として腹膜炎を疑います。

 

 

4)検査・・・①一般検査、②生化学検査、③腹部単純エックス線検査、④腹部超音波検査、⑤造影検査など

 

①一般検査:血液一般検査では白血球数とその分画(好中球成分が優位か?)を調べ、炎症の有無と、その程度、および種類を判断します。

 

また赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値を調べ貧血の有無を確認します。

 

検尿は血尿、血色素尿および尿路感染症の診断に有用です。

 

高円寺南診療所では、以前から尿検査を重視してきましたが、それによって多くの病気の早期発見を可能としてきました。

 

 

②生化学検査:血液生化学検査では、CRP、血清電解質、腎機能、血清アミラーゼ(膵炎の診断)、胆道系酵素(胆石症、胆のう炎の診断)などで原因臓器の特定を探ります。

 

 

③腹部単純エックス線検査:急性腹症の診断には欠かせない検査の一つです。

 

腹部単純エックス線検査は、まず立位撮影を行います。

 

これによって、横隔膜下のガス像を認めると消化管せん孔です。

 

腸管内ガスの異常貯留、鏡面像をみれば腸閉塞が疑われます。

 

実際に、高円寺南診療所で経験する急性腹症の70%程度は、腸管内ガスの異常貯留によるものです。

 

その他、胆石、膵石、尿路結石を認めることもあります。

 

 

④腹部超音波検査:急性腹症の患者さんで、急性虫垂炎が疑われる場合には役に立つ検査です。

 

とくに女性で右下腹部痛がある場合、虫垂炎なのか卵巣の病気なのか鑑別が難しい場合は、超音波検査が有用です。

 

虫垂壁に浮腫を認めれば虫垂炎の診断がつきます。

 

また、子宮外妊娠などに遭遇したこともありました。

 

 

腸管の拡張、腸内容物の貯留があればイレウスと診断でき、遊離ガスがあれば消化管せん孔の手掛かりになります。

 

さらに堪能結石、総胆管結石、膵炎などの胆・膵疾患や尿管の拡張を認めれば尿管結石を見落とさないようにします。

 

 

かつて、<女性患者を診たら妊娠を疑え、妊娠を疑ったら子宮外妊娠を忘れるな>という教育を受けたことがありますが、

 

この教えの御蔭で、一人の女性の命を救えたことへの感謝は忘れません。

 

 

⑤造影検査:近年では内視鏡検査が優先されることが多くなっていますが、それでも上部消化管造影検査は、とくに腫瘍の検査などに用いられています。

 

なお高円寺南診療所の症例では機能性の消化管障害が多数を占めるため、特に上部消化管の働きを確認することが重要な課題となっております。

 

内視鏡検査は局所の組織形態の観察には優れますが、臓器全体の機能の観察には、造影検査によって得られる情報が内視鏡では得にくいことを経験しています。 

総合医療・プライマリケア

 

< 病院総合医 > 政治と同様、掛け声ばかり!?

 

 

日本病院会(=日病)は10月3日の定例会見で、卒後6年目以降の医師を対象とした「病院総合医」の育成を来年4月から開始すると発表しました。

 

認定に必要な研修期間は原則2年(最短1年)です。

 

日病では「便利屋さんではなく、リスペクトされる病院総合医を育てたい」とし、将来の病院幹部の候補者としての期待も示しました。

 

 

定例会見で日病の相澤会長は、病院では総合的な診療能力を持つ医師を有り難く思っているものの、その地位は確立したものではなく、将来的なキャリア形成も明確になっていないとの認識を示した上で、複数の病気を持つ高齢患者が増える中にあって「病院にこそ総合医が必要だ」と強調しました。

 

 

こうした意見表明がなされる度に考え込んでしまうことがあります。

 

それは、なぜ、便利屋さんではいけないのか、そして、便利屋さんだとなぜリスペクトされないのか、ということです。

 

文字通りの「病院総合医」が実在して、きちんと機能していれば、皆にとってとても便利なはずです。

 

便利屋で良いではありませんか。

 

便利であるのにリスペクトされないとしたら、世間様とはそうしたものだ、位に割り切れる位でないと、高円寺南診療所の所長すらまともに勤まらないと思います。

 

 

「病院総合医」は、2018年度から始まる日本専門医機構による「新しい専門医の仕組み(いわゆる新専門医制度)」とは別の枠組みで、日病が育成プログラムを作成・運用し、認定を行う資格です。

 

なぜ、資格が必要なのでしょうか?日本専門医機構による「新しい専門医の仕組み(いわゆる新専門医制度)」に入り込もうと、多数の医学会の専門分科会がしのぎをけずっています。

 

その理由は、この枠組みに入れないと、専門外の医師からリスペクトされないからに他なりません。

 

 

病院総合医を「高い倫理観、人間性、社会性をもって総合的な医療を展開し、将来の管理者候補として期待される人材」と位置づけています。

 

たとえ病院経営者が「病院総合医」を管理者候補としても、他の専門医からリスペクトされなければ、実際に管理者になることはできないでしょう。

 

万年候補者で終わりかねないというリスクを誰が知ることでしょう。

 

 

対象は、卒後6年目以降の医師。研修期間は原則として2年間で、病院総合指導医(主に臨床研修指導医講習会修了者)もしくは病院管理者が育成プログラム基準で定めた到達目標を十分達成していると責任をもって認めた場合は、1年で認定を受けることができます。

 

いずれにしても、病院総合指導医が存在し得ないのに、どのようにして2年間程度で病院総合医を育成できるのか、疑問は尽きません。

 

 

 

病院総合医の理念として、5つの柱を定めたもようです。これはいわば戦略論のマニフェストの様なもののようです。

 

 

①病院で多様な病態を呈す患者さんに、包括的かつ柔軟に対応できる総合診療能力を持つ医師を育成する

 

 ⇐ このようなことが実現できる病院があるとしたら、高円寺南診療所レベルの総合診療能力を遥かに凌ぐ医師を育成することになります。率直に申し上げて不可能だと思います。

 

 

②複数の診療科、また介護、福祉、生活などの分野と連携・調整し、全人的に対応できる医師を育成する

 

 ⇐ まさに美辞麗句かつ空理空論のイデオロギーのように思われます。

 

複数の診療科と連携・調整できる医師、介護、福祉、生活などの分野と連携・調整できる医師、全人的に対応できる医師、

 

この3つのうちのどれ1つをとっても困難極まりないということを、多くの臨床医にとって常識なのではないでしょうか。

 

一例を挙げれば、生活保護者の医療費負担(医療券や痔リス支援法の適応など)について、地元の福祉事務所と都との責任の押し付け合いに巻き込まれて苦慮しているのが医療現場の実情なのです。

 

 

③地域包括ケアシステムでの医療・介護連携の中心的役割を担える医師を育成する

 

⇐ <最初に地域包括ケアシステムありき>、のようですが、保健行政とりわけ保健所の忠実な下請け業者になるので、まさに行政サイドの“便利屋さん”です。

 

しかし、医療・介護連携の中心的役割を担えるかどうかは、看護・介護の業界から絶大なる支持を受けることができない限り不可能だと思います。

 

それを、あたかも実現可能であることを暗黙の前提とするならば、思い上がりというものではないでしょうか。

 

行政や行政サイドに立つ医師が、制度矛盾に苦しんでいる看護業界・介護業界からリスペクトされることは容易でないと思います。

 

現に、あちこちで看護と介護との間に不一致と不協和音が聴かれるようですが、一介の病院総合医がそれをどのようにしたら仲裁できるというのでしょうか。

 

 

④多職種をまとめチーム医療を推進できる医師を育成する

 

⇐ これも多職種からリスペクトされることが前提ですが、昨今のコメディカルのプライドは益々高く、医師への要求水準はいや増すばかりです。

 

日野原重明先生のような権威と影響力のある医師の再来は容易に望めるものではないと思います。

 

 

⑤総合的な病院経営・管理能力があり、病院だけでなく地域医療にも貢献できる医師を育成する 

 

⇐このような優れた能力を持ち合わせる医師を、どのように待遇することができるのでしょうか。

 

たとえ<病院総合指導医>なる称号と病院管理者のポストを用意したところで、周囲から羨望の眼差しを向けられるようなスターにでもならなければ、

 

せいぜい便利屋さん留まりであり、リスペクトはとうてい期待できないのではないかと思います。

 

それにもかかわらずリスペクトを期待しない便利屋は<殉教者>であるのに対して、

 

リスペクトを当然視する実力者は<権力者>に過ぎません。

 

世間様から真の意味での<病院総合指導医>に望ましいとされるのは、<権力者>でなく<殉教者>なのではないか、と思われてなりません。

 

 

 

こうした理念に基づいて、5つのスキルを身につけることを到達目標とするそうです。これは、具体的戦術ということでしょう。

 

 

①インテグレーション・スキル:多様な病態に対応できる幅広い知識や診断・治療によって包括的な医療を展開・実践できる

 

⇒本気なら、大学病院や総合病院でなく、まずは高円寺南診療所で研修してください、と言いたいところです。

 

 

②コンサルテーション・スキル:患者さんへの適切な初期対応を行い、必要な場合にはしかるべき専門診療科への速やかな相談・依頼を実践できる

 

⇒真剣にやるなら、これも大学病院や総合病院でなく、まずは高円寺南診療所で研修してください、と言いたいです。

 

 

コーディネーション・スキル:各専門科医師、薬剤師、看護師などすべてのスタッフとの連携を重視し、調整役としての役割を実践できる

 

医薬分業が進んでいるので、医師と薬剤師との連携はある程度実現できているように思われます。

 

しかし、各職種間の連携の調整役とは、ある意味で裁判官や調停人のような権限が必要となりますが、法的な裏付けがありません。

 

裏付けがないから、少なくともリスペクトを受けられることが必要です。

 

しかし、リスペクトには強制力はありません。所詮、絵にかいた餅ではないでしょうか。

 

 

④ファシリテーション・スキル:多職種協働による患者中心のチーム医療の活動を促進・実践できる

 

⇒まず<患者中心>の意味を十分検討して、わかりやすく説明して欲しいものです。

 

それから<医師はサービス業である>という意味を誤解して用いているのは一般人だけでなく、医師の中にも紛れている現状では、正しい理解と運用は相当の困難が伴うことでしょう。

 

高円寺南診療所のような小規模医療機関でさえ、多職種協働による患者中心のチーム医療の活動を曲がりなりにも促進・実践できるようになるまでに20年以上の歳月を要しました。

 

 

⑤マネジメント・スキル:総合的な病院経営・管理の素養を身につけ、地域包括ケアシステムや日本全体の医療を考慮した病院経営を実践できる

 

①総合的な病院経営・管理の素養を身につけること、

 

②地域包括ケアシステムや日本全体の医療を考慮すること、

 

③そして①と②に矛盾抵触しない病院経営を実践できること、

 

これは言い換えれば、国家社会主義の支配下にあって民間資本主義を充実・発展させていくことが強く求められているということです。

 

これは、明らかな制度矛盾であって、もはや臨床医の担当する次元を遥かに超えているのではないでしょうか。

 

 

<病院では総合的な診療能力を持つ医師を有り難く思っているものの、その地位は確立したものではなく、将来的なキャリア形成も明確になっていない>ことは、以上のような戦略構想と戦術展開であれば、今後も成功する可能性は乏しいと思われます。

 

複数の病気を持つ高齢患者が増える中にあって総合医が必要なのは論を俟たないのですが、このニュースを読んで、その活動の現場は病院ではなく診療所であるという認識を新たにしました。

<まめに記録をとる③>

 

記録が続かない理由を考えましょう。

 

①最初からやる気が無い。②途中から記録する気が低下する。

 

大きく分けるとこの2点です。

 

 

記録する意欲の低下を考えるに。

 

①スタートで張り切りすぎる。

②記録を取り忘れてずるずると…

③変化が無くなり記録を取ってもツマラナイ

④結果が伴わず、悪い結果になってしまった!

 

というような事が考えられます。

 

 

対策としては

まず、「完璧に良い結果を記録する!」と考えないことが重要です。

 

何のために記録を続けるのかを、考えましょう。

 

記録は努力した結果です。

 

悪い結果が出た時、Nogucciは

 

「どうしてそうなった?」「どうすれば改善できる?」

 

と振り返るチャンスと考えるようにしました。

 

 

空白の期間が出て途切れそうになったら、

 

「新たな気持ちで再スタートだ」くらいに考える。

 

 

記録は、良いこと悪いことも残すことが重要です。

 

気負わずに淡々と続けられるのが理想です。

 

それが、なかなか難しいんです…一人では。

 

ですので、誰かにチェックを受けながら続けることが重要になります。

 

 

》往く週《 10月11日:第28回聖楽院週例コンサート(60分プログラム)

  

担当ピアニスト 黒木洋平(第2週先任ピアニスト)

 

 

黒木洋平さんは、次年度から第2週先任ピアニストとしてのご協力をお願いしている新進気鋭のアーティストです。

 

今回、私は、黒木さんの伴奏でシューマンの『詩人の恋』の第1曲から第7曲までを通して歌いました。

 

黒木氏の演奏するピアノの音色は格別でした。音海のピアノの音は耳慣れているはずなのですが、まるで別のピアノのようでした。

 

黒木さんはピアノの個性を感じ取り、ピアノと親密なコミュニケーションを交わしながら演奏することのできる数少ないピアニストの一人であることを実感しました。

 

 

この10月で、水曜夜の音海でのコンサートは第3周年を迎えます。

 

この間、コンサートは予定通り、中断することなく継続することができました。

 

これも、聴衆のお客様、音海店主の片野様をはじめ多数の協力アーティスト各位の貢献があったからこその実績であることを改めて感じております。皆様、ありがとうございます。

 

そこで、今月から、コンサートのサブタイトルを変更することにしました。

 

従来:クラシック音楽“希望”と“癒し”の夕べ

 

今後:クラシック音楽“友愛”と“癒し”の夕べ

 

 

それから、聖楽院の趣旨と名称に立ち返り、月ごとにテーマとなる聖歌を決め、

 

その月の間、コンサートのオープニングはアヴェ・マリアをはじめとする聖歌を演奏することにしました。

 

 

演奏は各回とも声楽、ピアノその他の楽器のいずれかで行ないます。

 

 

 

来る週10月18日:第29回聖楽院週例コンサート(90分プログラム)

  

担当ピアニスト 佐々木理之(第3週先任ピアニスト)

 

 

今回は、サックス冨士田紗季、フルート富永綾香、ソプラノ若月櫻子など、聖楽院で精力的に活躍しているメンバーが多数出演します。

 

ソプラノ若月は、オープニングの聖歌からはじまり、小倉百人一首で歌うコンコーネのソルフェッジ、ドヴォルジャークの歌曲、

 

聖楽院では人気のオペラで楽しいフィナーレを飾るまで全体の流れを支えます。

 

フルート富永はピアノとのアンサンブルで、なつかしい日本の唱歌の変奏と本格的なバッハの作品を2曲ずつ、

 

それぞれの世界を情趣豊かに芸術的な演奏で皆様のご期待に応えてくれることでしょう。

 

 

多数の皆様のご来場をお待ちいたしております。

 

 

 

なお今後の予定ですが、

 

10月25日(水)第30回聖楽院週例コンサート

 

(音海水曜コンサート発足、通算100回目特別記念プログラム)

 

に特別出演のイタリア人アコーディオン奏者Ezio Ghibaudo氏のプログラムは公開いたしております。

 

聖楽院協力アーティストであるフルート西巻有希子とのアンサンブルもお楽しみいただけます。

 

 

このコンサートは、予約チケット制です。お蔭様で、予約チケットは全て完了しました。ありがとうございます。

 

 

11月23日(勤労感謝の日)に開催予定の

 

1回聖楽院レッスン生内部発表会のプログラムはほぼ完成しました。

 

第一部の発表会は無料、第二部の指導者コンサート(ソプラノ小松奈津子、テノール藤原拓海、フルート八木華沙璃)は、

 

ワンドリンク・ワンフード付きで2000円でご来場いただくことができます。

 

人数限定の予約チケット制です。お蔭様で、予約チケットは全て完了いたしました。ありがとうございます。 

 

統合医学(東西医学、代替・補完医療)

 

<ホリスティック栄養学と私>

 

 

高円寺南診療所の諸機能のうちで、残念ながら現在休止中なのは、管理栄養士による外来栄養食事指導です。

 

統合医学的なチーム医療展開の上では、欠かせない分野であり、来年に向けて優秀な人材を積極的に募集していきたいと考えています。

 

 

高円寺南診療所の院長である飯嶋正広は、すでに医師であるにも関わらず、

 

医学博士(東京大学、平成22年、2010)取得に先立ち、保健学修士(東京大学、平成16年、2004)の学位を取得し、また並行して勉強していたホリスティック栄養学についても翌年ホリスティック栄養学博士(American Holistic College of Nutrition,2005)を取得しました。

 

それは、丁度そのころ、千葉県市川市にある昭和学院短期大学ヘルスケア栄養学科で臨床栄養学概論を担当する初代教官(非常勤講師、後に客員教授)を引き受ける上で、学術的な裏付けを自分自身に課したかったからでした。

 

 

米国アラバマ州都バーミンガムに所在する、この通信制(distance-learning)大学は非認証(non-accredited)の大学でありながら、極めて良心的で充実したプログラムを提供してくれました。

 

私は経歴審査によって最初から博士課程入学が認められていました。

 

しかし、日本のスタンダードな栄養学とは異なるホリスティック栄養学を理解するためにということで、学士課程および修士課程の教材が送付されてきました。

 

それらの課題を提出し合格してからでないと、実質的に博士課程の課題提出は認められませんでした。

 

学士課程を1年、修士課程を半年でクリアすることができましたが、この間に英語の原書のテキストおよそ30冊以上を読破し、それぞれについて英文レポートを提出することによって、私の英語力は飛躍的に向上しました。

 

しかも、学士課程および修士課程の学費は免除でした。

 

すべての学費は、現在の国立大学の半年分の授業料にも達しない額でした。

 

 

その後、博士課程を終えるために1年半ほどを要しましたが、これほどハードに勉強したことは、それ以前も、それ以後も無かったように思います。

 

東大の博士(医学)を取得するための条件の一つである英文医学誌掲載について、一発でアクセプトできたことは、今でも不思議な気がしています。

 

今にして思えば、その基礎を与えてくれたのが、非認定の米国の大学であったことは間違いありません。

 

そのことに対して、現在でも敬意と感謝を忘れることはできません。

 

 

 

忘れられない残念な出来事は、非認定の米国大学の通信教育によって取得した学位に関して、私の知らぬ間に、ネット上で一方的に攻撃を受け続けていたことです。

 

その張本人は日本の某公立大学でディプローマ・ミルの研究をしていたK教授でした。

 

彼は自らの研究室の学生をダミーにして、ネット上で私の人格を誹謗中傷する手法をとっていました。

 

率直なところ、学術的な活動であるとは到底思えませんでした。

 

ディプローマ・ミルとは、実際に就学せずとも金銭と引き換えに高等教育の「学位」を授与すると称する機関・組織・団体・非認定大学のことです。

 

それらの活動は学位商法とも呼ばれています。私が有意義な勉強をさせていただいた米国の大学も非認定大学でしたが、通信制とはいえ、しっかりと就学していたのは事実であり、多額の金銭と引き換えに学位を得たわけでもありません。

 

何を学ぶかという中身が大切なのではないかと思うのですがいかがでしょうか。

 

そもそも国立大学の学位を3つ持つ医師である私が、わざわざ大金を出して通信制の非認定大学の学位を買うなどという発想が、どこから生まれてきたのか全く理解できませんでした。

 

もっとも、やり取りの過程で苦しさ紛れに、その東大の学位すら詐称だ、と書き込むのですからお話になりませんでした。

 

 

ノンビリやの私は、第三者からネット攻撃に晒されているという通報を受け、事実を確認の後、K教授に名誉棄損を訴え、粘り強いやり取りを繰り返しました。

 

しかし、なかなか埒が開きませんでした。そこで、O総合法律事務所を介して交渉することを通知した途端、K教授はご自分の主張を全面撤回しました。

 

 

この記事を書くにあたりK教授の消息について改めて情報を確認してみたところ、すでに故人となられていました。

 

当時はいろいろなご事情があったのだろうと、今となっては、ご冥福をお祈りするばかりです。

 

 

それよりも、ショックだったのは以前からお付き合いのあったO総合法律事務所のボス弁のO氏の言葉でした。

 

数人の弁護士の先生の前で、O弁護士は私にこう言い放って、彼らと共に嘲笑しました。

 

<あなたは開業医で著名人ではないのだから、名誉棄損で訴えたところで、あなたの逸失利益の評価額は高が知れていますよ。>

 

・・・私は自分の耳を疑いました。クライアントに対して侮辱も甚だしいと感じました。

 

今では、私自身も自分の患者さんに侮辱を与えることが無いよう、と自戒のための貴重な体験としてストックしています。

 

この弁護士の大先生は、確かに著名人であり、近年では、いとやんごとなき方の配偶者となる方をお雇いでもあらせられます。

 

この方の価値観の本質が透けて見えるようで浅ましく思われる次第です。

 

 

ホリスティック栄養学を考えるときには、以上の様な忘れがたい複雑な思いが、今でも付きまといます。

 

しかし、それにも増して高円寺南診療所の日常診療や水氣道®誕生に、ホリスティック栄養学が、どれだけ大きな役割を果たしたかというお話は次回以降と致します。

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

 

今回は失眠(しつみん)です。

 

IMG_1887

 

場所は、踵の真ん中にあります。

 

 

「不眠」「足底痛」「膝痛」「腰痛」「浮腫」等に効果があります。

 

 

足がむくむ人はお灸をしてみましょう。

 

 

<参考文献>

 

 

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭