日々の臨床①:10月15日日曜日<ホリスティック栄養学と私>

統合医学(東西医学、代替・補完医療)

 

<ホリスティック栄養学と私>

 

 

高円寺南診療所の諸機能のうちで、残念ながら現在休止中なのは、管理栄養士による外来栄養食事指導です。

 

統合医学的なチーム医療展開の上では、欠かせない分野であり、来年に向けて優秀な人材を積極的に募集していきたいと考えています。

 

 

高円寺南診療所の院長である飯嶋正広は、すでに医師であるにも関わらず、

 

医学博士(東京大学、平成22年、2010)取得に先立ち、保健学修士(東京大学、平成16年、2004)の学位を取得し、また並行して勉強していたホリスティック栄養学についても翌年ホリスティック栄養学博士(American Holistic College of Nutrition,2005)を取得しました。

 

それは、丁度そのころ、千葉県市川市にある昭和学院短期大学ヘルスケア栄養学科で臨床栄養学概論を担当する初代教官(非常勤講師、後に客員教授)を引き受ける上で、学術的な裏付けを自分自身に課したかったからでした。

 

 

米国アラバマ州都バーミンガムに所在する、この通信制(distance-learning)大学は非認証(non-accredited)の大学でありながら、極めて良心的で充実したプログラムを提供してくれました。

 

私は経歴審査によって最初から博士課程入学が認められていました。

 

しかし、日本のスタンダードな栄養学とは異なるホリスティック栄養学を理解するためにということで、学士課程および修士課程の教材が送付されてきました。

 

それらの課題を提出し合格してからでないと、実質的に博士課程の課題提出は認められませんでした。

 

学士課程を1年、修士課程を半年でクリアすることができましたが、この間に英語の原書のテキストおよそ30冊以上を読破し、それぞれについて英文レポートを提出することによって、私の英語力は飛躍的に向上しました。

 

しかも、学士課程および修士課程の学費は免除でした。

 

すべての学費は、現在の国立大学の半年分の授業料にも達しない額でした。

 

 

その後、博士課程を終えるために1年半ほどを要しましたが、これほどハードに勉強したことは、それ以前も、それ以後も無かったように思います。

 

東大の博士(医学)を取得するための条件の一つである英文医学誌掲載について、一発でアクセプトできたことは、今でも不思議な気がしています。

 

今にして思えば、その基礎を与えてくれたのが、非認定の米国の大学であったことは間違いありません。

 

そのことに対して、現在でも敬意と感謝を忘れることはできません。

 

 

 

忘れられない残念な出来事は、非認定の米国大学の通信教育によって取得した学位に関して、私の知らぬ間に、ネット上で一方的に攻撃を受け続けていたことです。

 

その張本人は日本の某公立大学でディプローマ・ミルの研究をしていたK教授でした。

 

彼は自らの研究室の学生をダミーにして、ネット上で私の人格を誹謗中傷する手法をとっていました。

 

率直なところ、学術的な活動であるとは到底思えませんでした。

 

ディプローマ・ミルとは、実際に就学せずとも金銭と引き換えに高等教育の「学位」を授与すると称する機関・組織・団体・非認定大学のことです。

 

それらの活動は学位商法とも呼ばれています。私が有意義な勉強をさせていただいた米国の大学も非認定大学でしたが、通信制とはいえ、しっかりと就学していたのは事実であり、多額の金銭と引き換えに学位を得たわけでもありません。

 

何を学ぶかという中身が大切なのではないかと思うのですがいかがでしょうか。

 

そもそも国立大学の学位を3つ持つ医師である私が、わざわざ大金を出して通信制の非認定大学の学位を買うなどという発想が、どこから生まれてきたのか全く理解できませんでした。

 

もっとも、やり取りの過程で苦しさ紛れに、その東大の学位すら詐称だ、と書き込むのですからお話になりませんでした。

 

 

ノンビリやの私は、第三者からネット攻撃に晒されているという通報を受け、事実を確認の後、K教授に名誉棄損を訴え、粘り強いやり取りを繰り返しました。

 

しかし、なかなか埒が開きませんでした。そこで、O総合法律事務所を介して交渉することを通知した途端、K教授はご自分の主張を全面撤回しました。

 

 

この記事を書くにあたりK教授の消息について改めて情報を確認してみたところ、すでに故人となられていました。

 

当時はいろいろなご事情があったのだろうと、今となっては、ご冥福をお祈りするばかりです。

 

 

それよりも、ショックだったのは以前からお付き合いのあったO総合法律事務所のボス弁のO氏の言葉でした。

 

数人の弁護士の先生の前で、O弁護士は私にこう言い放って、彼らと共に嘲笑しました。

 

<あなたは開業医で著名人ではないのだから、名誉棄損で訴えたところで、あなたの逸失利益の評価額は高が知れていますよ。>

 

・・・私は自分の耳を疑いました。クライアントに対して侮辱も甚だしいと感じました。

 

今では、私自身も自分の患者さんに侮辱を与えることが無いよう、と自戒のための貴重な体験としてストックしています。

 

この弁護士の大先生は、確かに著名人であり、近年では、いとやんごとなき方の配偶者となる方をお雇いでもあらせられます。

 

この方の価値観の本質が透けて見えるようで浅ましく思われる次第です。

 

 

ホリスティック栄養学を考えるときには、以上の様な忘れがたい複雑な思いが、今でも付きまといます。

 

しかし、それにも増して高円寺南診療所の日常診療や水氣道®誕生に、ホリスティック栄養学が、どれだけ大きな役割を果たしたかというお話は次回以降と致します。